IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066413
(43)【公開日】2023-05-15
(54)【発明の名称】シースバルブハウジング
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/36 20060101AFI20230508BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20230508BHJP
【FI】
A61M5/36
A61M25/14 518
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022172277
(22)【出願日】2022-10-27
(31)【優先権主張番号】63/272,849
(32)【優先日】2021-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/970,086
(32)【優先日】2022-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】マシュー・ダブリュー・ヒッツェロ
(72)【発明者】
【氏名】レイモンド・ユエ-シン・タン
【テーマコード(参考)】
4C066
4C267
【Fターム(参考)】
4C066BB01
4C066CC01
4C066FF01
4C066JJ04
4C267AA02
4C267AA05
4C267AA17
4C267BB04
4C267BB31
4C267BB38
4C267BB40
4C267CC19
(57)【要約】
【課題】シースバルブハウジングを提供すること。
【解決手段】シースバルブハウジングは、シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、入力ポート及び出力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、入力ポートと出力ポートとの間でシースバルブハウジング内に配置され、長手方向軸上に中心を置くチャンバであって、入力ポートと出力ポートとの間でチャンバを通ってシースバルブハウジング内にカテーテル経路が画定されている、チャンバと、部材がチャンバへの挿入時に長手方向軸と整列するように、チャンバの周囲に配置された複数のリブとを含む。
【選択図】図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シースバルブハウジングであって、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記入力ポート及び前記出力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置され、前記長手方向軸上に中心を置くチャンバであって、前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内にカテーテル経路が画定されている、チャンバと、
部材が前記チャンバへの挿入時に前記長手方向軸と整列するように、前記チャンバの周囲に配置された複数のリブとを備える、シースバルブハウジング。
【請求項2】
前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブは、少なくとも1つの切欠きを有する、請求項1に記載のシースバルブハウジング。
【請求項3】
前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブの長さの約4分の1から2分の1の間である、請求項2に記載のシースバルブハウジング。
【請求項4】
前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブの長さの約2分の1から4分の3の間である、請求項2に記載のシースバルブハウジング。
【請求項5】
前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブを通る内部穴である、請求項2に記載のシースバルブハウジング。
【請求項6】
前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの本体に最も近い前記少なくとも1つのリブの縁部にある、請求項2に記載のシースバルブハウジング。
【請求項7】
前記チャンバに接続された吸引ポートを更に含む、請求項1に記載のシースバルブハウジング。
【請求項8】
前記複数のリブのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの外周に前記吸引ポートへの流体経路を形成する切欠きを有する、請求項7に記載のシースバルブハウジング。
【請求項9】
前記複数のリブは、前記カテーテル経路に対して実質的に平行に配置されている、請求項8に記載のシースバルブハウジング。
【請求項10】
前記複数のリブは、前記カテーテル経路に沿って内側に傾斜している、請求項8に記載のシースバルブハウジング。
【請求項11】
前記チャンバは、前記カテーテル経路に沿って内側に傾斜している、請求項8に記載のシースバルブハウジング。
【請求項12】
前記複数のリブの遠位端の周りに形成された二次壁を更に含む、請求項1に記載のシースバルブハウジング。
【請求項13】
バルブ本体及びキャップを更に含み、前記キャップは前記入力ポートを形成する、請求項1に記載のシースバルブハウジング。
【請求項14】
前記複数のリブは、前記カテーテル経路を通るカテーテルに案内機構を提供する、請求項1に記載のシースバルブハウジング。
【請求項15】
シースバルブハウジングであって、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記出力ポート及び前記入力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置されたチャンバであって、カテーテル経路が、前記長手方向軸と整列されており、かつ前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内に画定されている、チャンバと、
前記チャンバの周囲に配置された複数のリブと、
前記チャンバに接続された吸引ポートとを備える、シースバルブハウジング。
【請求項16】
前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブは、少なくとも1つの切欠きを有する、請求項15に記載のシースバルブハウジング。
【請求項17】
前記チャンバに接続された吸引ポートを更に含む、請求項16に記載のシースバルブハウジング。
【請求項18】
前記複数のリブのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの外周に前記吸引ポートへの流体経路を形成する切欠きを有する、請求項17に記載のシースバルブハウジング。
【請求項19】
バルブ本体及びキャップを更に含み、前記キャップは前記入力ポートを形成する、請求項18に記載のシースバルブハウジング。
【請求項20】
シースバルブハウジングを使用する方法であって、
シースバルブハウジングを提供することであって、前記シースバルブハウジングは、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記出力ポート及び前記入力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置されたチャンバであって、カテーテル経路が、前記長手方向軸と整列されており、かつ前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内に画定されている、チャンバと、
前記チャンバの周囲に配置された複数のリブと、
前記チャンバに接続された吸引ポートとを含む、シースバルブハウジングを提供することと、
前記シースバルブハウジングをシースに取り付けることと、
カテーテルが前記チャンバ内の前記複数のリブによって前記長手方向軸上に中心を置くように、前記入力ポートを介して前記カテーテル経路を通して前記カテーテルを挿入することと、
前記吸引ポートを通して前記カテーテルを吸引することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年10月28日に出願された先行出願の米国仮特許出願第63/272,849号に対して、米国特許法第119条に基づく優先権の利益を主張するものであり、当該米国仮特許出願の全内容は、それらが本明細書に完全に記載されているかのように、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、一般的にカテーテルに関し、具体的には、シースバルブハウジングに関する。
【背景技術】
【0003】
カテーテルは、不整脈アブレーションなどのアブレーション、心臓マッピングなどのマッピング、及び心臓内薬物送達などの薬物送達を含めて、様々な医療処置及び外科的処置で使用される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
カテーテルの1つの危険性は、挿入部位で患者の循環系に意図せずに空気が導入されることによって引き起こされる空気塞栓症の可能性である。関連技術では、このリスクを軽減するために、非常にゆっくりとした慎重なカテーテルの挿入又は噴射(例えば、バルブハウジングの過剰加圧)のいずれかが使用されている。しかしながら、これらの軽減の取り組みには、操作チームの積極的な努力が必要である。
【0005】
したがって、空気塞栓症のリスクを減少させる構造機構が、当該技術分野において望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書はシースバルブハウジングを含み、これは、シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、入力ポート及び出力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、入力ポートと出力ポートとの間でシースバルブハウジング内に配置され、長手方向軸上に中心を置くチャンバであって、入力ポートと出力ポートとの間でチャンバを通ってシースバルブハウジング内にカテーテル経路が画定されている、チャンバと、部材がチャンバへの挿入時に長手方向軸と整列するように、チャンバの周囲に配置された複数のリブとを含む。
【0007】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、複数のリブのうちの少なくとも1つのリブは、少なくとも1つの切欠きを有し得る。
【0008】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのリブの長さの約4分の1から2分の1の間であってもよい。
【0009】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、リブの長さの約3分の1であってもよい。
【0010】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きは、リブの長さの約2分の1から4分の3の間であってもよい。
【0011】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、リブの長さの約3分の2であってもよい。
【0012】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、カテーテル経路の縁部にあってもよい。
【0013】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、少なくとも1つのリブを通る内部穴であってもよい。
【0014】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、チャンバの本体に最も近い少なくとも1つのリブの縁部にあってもよい。
【0015】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、シースバルブハウジングは、チャンバに接続された吸引ポートを更に含んでもよい。
【0016】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、複数のリブのうちの少なくとも1つは、チャンバの外周に吸引ポートへの流体経路を形成する切欠きを有し得る。
【0017】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、複数のリブは、カテーテル経路に対して実質的に平行に配置されていてもよい。
【0018】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、複数のリブは、カテーテル経路に沿って内側に傾斜していてもよい。
【0019】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、チャンバは、カテーテル経路に沿って内側に傾斜していてもよい。
【0020】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、シースバルブハウジングは、複数のリブの遠位端の周りに形成された二次壁を更に含んでもよい。
【0021】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、シースバルブハウジングは、バルブ本体及びキャップを更に含んでもよく、キャップは入力ポートを形成する。
【0022】
本明細書に開示された実施例のいずれにおいても、複数のリブは、カテーテル経路を通るカテーテルに案内機構を提供することができる。
【0023】
本開示の態様によれば、シースバルブハウジングを使用する方法が提供され、この方法は、前述のいずれかによるシースバルブハウジングを提供することと、シースバルブハウジングをシースに取り付けることと、カテーテルがチャンバ内の複数のリブによって長手方向軸上に中心を置くように、入力ポートを介してカテーテル経路を通してカテーテルを挿入することと、吸引ポートからカテーテルを吸引することと、を含む。
【0024】
本開示の態様によれば、シースバルブハウジングを使用する方法が提供され、この方法は、シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、入力ポート及び出力ポートは、それらを通って延びる長手方向軸を画定する、出力ポートと、入力ポートと出力ポートとの間でシースバルブハウジング内に配置されたチャンバであって、カテーテル経路が、長手方向軸と整列されており、かつ入力ポートと出力ポートとの間でチャンバを通ってシースバルブハウジング内に画定される、チャンバと、チャンバの周囲に配置された複数のリブと、チャンバに接続された吸引ポートとを含むシースバルブハウジングを提供することと、シースバルブハウジングをシースに取り付けることと、カテーテルがチャンバ内の複数のリブによって長手方向軸上に中心を置くように、入力ポートを介してカテーテル経路を通してカテーテルを挿入することと、吸引ポートからカテーテルを吸引することと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本明細書は、本明細書に記載の主題を特に指摘し、かつ明確にその権利を主張する特許請求の範囲で締めくくられるが、その主題は、添付の図面と併せて特定の実施例の以下の説明からよりよく理解されると考えられる。図面において、同様の参照番号は同じ要素を示す。
図1A】本開示の態様による、シースに接続されたシースバルブハウジングの側断面図である。
図1B】本開示の態様によるシースバルブハウジングの分解図である。
図1C】本開示の態様によるシースバルブハウジングの斜視図である。
図1D】本発明の態様によるシースバルブハウジング表面の平面図である。
図2A】本開示の態様によるシースバルブハウジングの側断面図である。
図2B】本開示の態様によるシースバルブハウジングの内部図である。
図3A】本開示の態様によるシースバルブハウジングの側断面図である。
図3B】本開示の態様によるシースバルブハウジングの内部図である。
図4A】本開示の態様によるシースバルブハウジングの側断面図である。
図4B】本開示の態様によるシースバルブハウジングの内部図である。
図5A】本開示の態様によるシースバルブハウジングの側断面図である。
図5B】本開示の態様によるシースバルブハウジングの内部図である。
図5C】本開示の態様によるシースバルブハウジングの内部図である。
図6】本開示の態様によるシースバルブハウジング内の空気流を示す図である。
図7】本開示の態様によるシースバルブハウジング内の空気流を示す図である。
図8】本開示の態様によるシースバルブハウジング内の空気流を示す図である。
図9A】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9B】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9C】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9D】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9E】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9F】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9G】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図9H】本開示の態様による例示的なリブ設計を示す図である。
図10】本開示の態様によるシースバルブハウジングを形成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本開示の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は本開示の原理を限定するものではなく、あくまでも例として説明するものである。本開示の他の実施例、特徴、態様、実施形態及び利点は、本開示を実施するために企図される最良のモードの1つを例示として含む以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本開示は、すべて本開示から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものと見なされるべきである。
【0027】
したがって、以下に説明する教示、表現、変形例、実施例などは、互いに対して孤立して見るべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法は、当業者には明らかである。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0028】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の一部又は集合が本明細書に記載の意図された目的のために機能することを可能にする好適な寸法公差を示す。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指してもよく、例えば「約90%」は、71%~99%の値の範囲を指し得る。
【0029】
本明細書で使用される場合、「備える(comprising)」又は「含有する(containing)」又は「含む(including)」という用語は、少なくとも言及された化合物、要素、粒子、又は方法工程が、組成物若しくは物品又は方法において存在することを意味すると解釈されるが、他の化合物、材料、粒子、方法工程の存在を、他の当該化合物、材料、粒子、方法工程が言及されたものと同じ機能を有する場合であっても、除外するものではない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「有する(having)」、「有する(has)」、「含む(including)」、又は「含む(includes)」などの用語の使用は、非限定型であり、「備える(comprising)」又は「備える(comprises)」などの用語と同じ意味を有することを意図し、他の構造、材料、又は行為の存在を排除しない。同様に、「can」又は「may」などの用語の使用は、非限定型であり、構造、材料、又は行為が必要でないことを反映することが意図されているが、そのような用語を使用しないことは、構造、材料、又は行為が不可欠であることを反映することを意図するものではない。構造、材料、又は行為が現時点で不可欠であると考えられる限り、それらはそのように特定される。
【0031】
第1の値と第2の値との間にあると記載された範囲は、第1の値及び第2の値、並びにそれらの間のすべての値を含むものとする。同様に、第1の値から第2の値までの範囲は、第1の値及び第2の値、並びにそれらの間のすべての値を含むものとする。
【0032】
また、1つ以上の方法工程への言及は、明示的に特定されたそれらの工程間に追加の方法工程又は介在する方法工程が存在することを除外しないことも理解されたい。
【0033】
本開示の様々な要素を構成するものとして以下に記載される構成要素は、例示的なものであり、限定的なものではないことが意図される。本明細書に記載の構成要素と同じ又は同様の機能を実行するであろう多くの好適な構成要素は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。本明細書に記載されていないそのような他の構成要素としては、例えば、現在開示されている対象の開発後に開発された同様の構成要素を挙げることができるが、それらに限定されない。
【0034】
以下、添付の図面に示されているような開示された技術の例を詳細に参照する。便宜上、同一の参照符号は、同一又は類似の部品を指すために図面全体を通じて使用される。
【0035】
図1Aは、シース1に取り付けられた例示的なシースバルブハウジング100を示す。シースバルブハウジング100は、近位端102及び遠位端104を有するバルブ本体110を有する。バルブ本体110は、入力ポート120(例えば、カテーテル入力ポート120)及び出力ポート140(例えば、カテーテル出力ポート140)を含み、それらは、それらを通って延びるカテーテル経路130を画定する。カテーテル経路130は、シースバルブハウジング100の長手方向軸130であり得る。キャップ150は、バルブ本体110の近位端上にあってもよい。入力ポート120は、キャップ150内に形成されてもよい。キャップ150は、例えば、圧入及び/又はねじ嵌めによって、バルブ本体110の近位端に取り外し可能に接続可能であり得る。キャップ150は、バルブ本体110との密閉接続を形成するように構成されてもよい。
【0036】
バルブ本体110は、カテーテル経路130に沿って配置されたチャンバ170を更に含んでもよい。チャンバ170は、長手方向軸130を中心とすることができる。吸引ポート160は、チャンバ170からシースバルブハウジング100の外部まで延びることができる。吸引ポート160は、例えば入力ポート120を通して導入された空気をチャンバ170から引き出すために使用され得る。複数のリブ180は、チャンバ170の周囲に配置されてもよい。リブ180は、カテーテル経路130と実質的に整列してもよい。リブ180は、空気がチャンバ170内で自然に合体し、吸引ポート160を通って灌注経路から出ることを可能にする灌注経路を提供する。場合によっては、リブ180の内壁は、カテーテル経路130に沿って内側に傾斜していてもよく、これは、カテーテル経路130に沿って入力ポート120から出力ポート140へカテーテルを案内するのに役立つことができる。非限定的な例として、傾斜の角度は、平行から約10~40度の間、より具体的には、平行から約10~30度、10~20度、20~30度、20~40度、30~40度、約10~15度、15~20度、20~25度、25~30度、30~35度、又は35~40度の間であってもよい。場合によっては、傾斜は平行から約30度であってもよい。リブ180は、カテーテル経路130の半径方向に対して実質的に垂直に位置してもよく、又はリブ180の底縁がリブ180の内側の底縁よりも長手方向に出力ポート140に近くなるように、外側に傾斜していてもよい。
【0037】
図1Bは、出力ポート140がほぼ下向きであり、吸引ポート160がほぼ左向きであり、キャップ150がバルブ本体110の上方に浮いている、シースバルブハウジング100の斜視図を示す。図1Cは、出力ポート140の方を見たバルブハウジング100の斜視図を示す。図1Dは、入力ポート120及びキャップ150の方を見たバルブハウジング100の斜視図を示す。
【0038】
図2Aは、バルブハウジング100の断面図を示す。図2Bは、キャップ150が取り外されたバルブハウジング100の上面図を示す。図2A及び図2Bに見られるように、6つのリブ180aは、実質的に一体になっており、チャンバ170の周囲に等間隔で配置されている。ただし、これは単なる一例であり、本開示の範囲から逸脱することなく、リブ180の数、分布、又は構成に対する様々な変更を行うことができる。
【0039】
図3Aは、バルブハウジング100の断面図を示す。図3Bは、キャップ150が取り外されたバルブハウジング100の上面図を示す。図3A及び図3Bに見られるように、6つのリブ180bは、リブ180bの長さの約4分の1から2分の1の間、例えば、リブ180bの長さの約3分の1の切欠き384を含む。切欠き384は、空気がチャンバ170から吸引ポート160に移動するためのチャネルを形成するのに役立つことができる。図3A及び図3Bでは、実質的に同様のサイズ及び切欠きを有する6つのリブは、チャンバ170の周囲に実質的に等間隔で配置されている。ただし、これは単なる一例であり、本開示の範囲から逸脱することなく、リブ180の数、分布、又は構成に対する様々な変更を行うことができる。
【0040】
図4Aは、バルブハウジング100の断面図を示す。図4Bは、キャップ150が取り外されたバルブハウジング100の上面図を示す。図4A及び図4Bに見られるように、6つのリブ180cは、リブ180cの長さの約2分の1から4分の3の間、例えば、リブ180cの長さの約3分の2の切欠き484を含む。切欠き484は、空気がチャンバ170から吸引ポート160に移動するためのチャネルを形成するのに役立つことができる。図4A及び図4Bでは、実質的に同様のサイズ及び切欠きを有する6つのリブは、チャンバ170の周囲に実質的に等間隔で配置されている。ただし、これは単なる一例であり、本開示の範囲から逸脱することなく、リブ180の数、分布、又は構成に対する様々な変更を行うことができる。
【0041】
図5Aは、バルブハウジング100の断面図を示す。図5Bは、キャップ150が取り外されたバルブハウジング100の上面図を示す。図5Cは、キャップ150が取り外されたバルブハウジング100の斜視図を示す。図5A図5Cに見られるように、6つのリブ180dは、リブ180dの高さの約3分の1の切欠き584を含む。切欠き584は、切欠き384と実質的に同様であり得る。更に、二次壁590は、周囲のリブ180dの基部及びチャンバ170から出力ポート140への出口に形成される。二次壁590は、気泡が吸引ポート160に向けられるときに、気泡をチャンバ170内に保持するのを更に支援することができる。場合によっては、二次壁590は、リブ180dの高さの約60パーセント以下、より具体的には、リブ180dの高さの約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、又は55パーセント以下であってもよい。場合によっては、二次壁590は、リブ180の高さの約5~60パーセントの間、より具体的には、リブ180dの高さの約5~10、10~15、15~20、20~25、25~30、35~40、45~50、50~55、55~60パーセントの間であってもよい。場合によっては、二次壁は、リブ180dの高さの約50度であってもよい。場合によっては、二次壁590は、入力ポートにより近い部分で外側にフランジを付けられてもよい。非限定的な例として、フランジの角度は、平行から約5~50度の間、より具体的には、平行から約10~30度、10~20度、20~30度、20~40度、30~40度、40~50度、5~10度、10~15度、15~20度、20~25度、25~30度、30~35度、35~40度、40~45度、又は45~50度の間であってもよい。場合によっては、フランジは平行から約30度であってもよい。
【0042】
図5A図5Cでは、実質的に同様のサイズ及び切欠きを有する6つのリブは、チャンバ170の周囲に実質的に等間隔で配置されている。ただし、これは単なる一例であり、本開示の範囲から逸脱することなく、リブ180の数、分布、又は構成に対する様々な変更を行うことができる。例えば、実質的に一体になっているリブ180a又は増加した切欠きを有するリブ(例えば、180b)を二次壁590と共に使用することができる。更に、本開示の範囲から逸脱することなく、図示のように、二次壁590に様々な変更を加えることができる。
【0043】
図6は、本開示の態様によるシースバルブハウジング100内の例示的な空気流699を示す。見られるように、流れの軌跡は、リブ180a 384が、吸引ポート160を通して吸引するときに、液体及び気泡が流れることを可能にすることを示す。
【0044】
図7は、本開示の態様によるシースバルブハウジング100内の例示的な空気流799を示す。見られるように、流れの軌跡は、切欠き384を有するリブ180bが、吸引ポート160を通して吸引するときに、液体及び気泡が流れることを可能にすることを示す。
【0045】
図8は、本開示の態様によるシースバルブハウジング100内の空気流899の一例を示す。見られるように、流れの軌跡は、切欠き484を有するリブ180cが、吸引ポート160を通して吸引するときに、液体及び気泡が流れることを可能にすることを示す。場合によっては、リブ内の開口部(例えば、切欠き384又は484)は、流れの軌道を改善することができる。
【0046】
図9A図9Hは、例示的な実施形態による異なるリブ設計180a~180hを示す。図9Aを参照すると、リブ180aは実質的に一体になっており、且つ中実である。図9Bを参照すると、リブ180bは、リブ180bを下る方向の約3分の1に切欠き384を含む。図9Cを参照すると、リブ180cは、リブ180cを下る方向の約3分の2に切欠き484を含む。図9Dを参照すると、リブ180dは、180dの側部の途中に切欠き984dを含むが、実質的に一体になっており、且つ上縁及び下縁が中実である。図9Eを参照すると、リブ180eは、リブ180eの内側部分(例えば、内部穴)を通る切欠き984eを含む。切欠き984eは実質的に卵形であってもよいが、これは単なる一例である。図9Fを参照すると、リブ180fは、リブ180fの内側部分を通る複数の切欠き984fを含む。切欠き984fは実質的に円形であってもよく、また実質的に同様のサイズ及び形状であってもよい。ただし、これは単なる一例である。図9Gを参照すると、リブ180gは、リブ180gの内側部分を通る複数のスロット984gを含む。スロット984gは、高さが実質的に均一で長さが異なる実質的に長方形であってもよい。ただし、これは単なる一例である。図9Hを参照すると、リブ180hは、カテーテル経路130に最も近いリブ180hの縁部に(例えば、リブ180hの内縁に)切欠き984hを含む。
【0047】
当業者は、本開示に照らして、様々な代替リブ設計を使用できることを認識するであろう。更に、複数のリブ180a~180hの例示的な特徴を組み合わせることができる。例えば、リブ180は、外縁切欠き384、内側切欠き984e、及び内縁切欠き984hを含んでもよい。更に、同じシースバルブハウジング100内で様々なリブ設計を使用することができる。例えば、吸引ポート160から遠いリブ180は、吸引ポート160に最も近いリブ180よりも多くの及び/又はより大きな切欠きを有し得るが、これは単なる一例である。
【0048】
図10は、本開示の態様によるシースバルブハウジング100を使用する方法1000のフローチャートである。この方法は、例えば、医療専門家によって実行され得る。この方法は、シースバルブハウジング100をシース1に取り付けること1010を含み得る。この方法は、シース1の端部を出力ポート140に挿入すること1010を含み得る。シース1は、患者の体内、例えば患者の動脈内に既に挿入されていてもよい。
【0049】
シース1がシースバルブハウジング100に接続されると、シースバルブハウジング100の入力ポート120を介してカテーテル挿入経路130を通してカテーテルを供給することができる。即ち、カテーテルの遠位端は、外部から患者に向かって、入力ポート120を通って、チャンバ170を通って、そして出力ポート140を通ってシース1内に移動することができる。シース1を使用して、カテーテルを患者の体内の目的部位に案内することができる。
【0050】
最後に、カテーテルが挿入されているとき(1020)及び/又はカテーテルが挿入された後、1030において、吸引ポート160を通してシースバルブハウジング100を吸引する。例えば、吸引機を吸引ポート160に接続して、チャンバ170から空気及び/又は他の流体を吸引して、それらが患者に入るのを防止することができる。
【0051】
本明細書に含まれる説明は、実施形態の例であり、決して本発明の範囲を限定することを意図するものではない。本明細書に記載されるように、本発明は、別個の図に示される構成要素の代替的な組み合わせ、代替的な材料、代替的な構成要素の幾何学的形状、及び代替的な構成要素の配置を含めて、システム構成要素の多くの変形及び修正を企図する。本開示の教示による当業者に明らかな修正及び変形は、以下の特許請求の範囲内にあることが意図される。
【0052】
〔実施の態様〕
(1) シースバルブハウジングであって、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記入力ポート及び前記出力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置され、前記長手方向軸上に中心を置くチャンバであって、前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内にカテーテル経路が画定されている、チャンバと、
部材が前記チャンバへの挿入時に前記長手方向軸と整列するように、前記チャンバの周囲に配置された複数のリブとを備える、シースバルブハウジング。
(2) 前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブは、少なくとも1つの切欠きを有する、実施態様1に記載のシースバルブハウジング。
(3) 前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブの長さの約4分の1から2分の1の間である、実施態様2に記載のシースバルブハウジング。
(4) 前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブの長さの約2分の1から4分の3の間である、実施態様2に記載のシースバルブハウジング。
(5) 前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記少なくとも1つのリブを通る内部穴である、実施態様2に記載のシースバルブハウジング。
【0053】
(6) 前記少なくとも1つの切欠きのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの本体に最も近い前記少なくとも1つのリブの縁部にある、実施態様2に記載のシースバルブハウジング。
(7) 前記チャンバに接続された吸引ポートを更に含む、実施態様1に記載のシースバルブハウジング。
(8) 前記複数のリブのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの外周に前記吸引ポートへの流体経路を形成する切欠きを有する、実施態様7に記載のシースバルブハウジング。
(9) 前記複数のリブは、前記カテーテル経路に対して実質的に平行に配置されている、実施態様8に記載のシースバルブハウジング。
(10) 前記複数のリブは、前記カテーテル経路に沿って内側に傾斜している、実施態様8に記載のシースバルブハウジング。
【0054】
(11) 前記チャンバは、前記カテーテル経路に沿って内側に傾斜している、実施態様8に記載のシースバルブハウジング。
(12) 前記複数のリブの遠位端の周りに形成された二次壁を更に含む、実施態様1に記載のシースバルブハウジング。
(13) バルブ本体及びキャップを更に含み、前記キャップは前記入力ポートを形成する、実施態様1に記載のシースバルブハウジング。
(14) 前記複数のリブは、前記カテーテル経路を通るカテーテルに案内機構を提供する、実施態様1に記載のシースバルブハウジング。
(15) シースバルブハウジングであって、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記出力ポート及び前記入力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置されたチャンバであって、カテーテル経路が、前記長手方向軸と整列されており、かつ前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内に画定されている、チャンバと、
前記チャンバの周囲に配置された複数のリブと、
前記チャンバに接続された吸引ポートとを備える、シースバルブハウジング。
【0055】
(16) 前記複数のリブのうちの少なくとも1つのリブは、少なくとも1つの切欠きを有する、実施態様15に記載のシースバルブハウジング。
(17) 前記チャンバに接続された吸引ポートを更に含む、実施態様16に記載のシースバルブハウジング。
(18) 前記複数のリブのうちの少なくとも1つは、前記チャンバの外周に前記吸引ポートへの流体経路を形成する切欠きを有する、実施態様17に記載のシースバルブハウジング。
(19) バルブ本体及びキャップを更に含み、前記キャップは前記入力ポートを形成する、実施態様18に記載のシースバルブハウジング。
(20) シースバルブハウジングを使用する方法であって、
シースバルブハウジングを提供することであって、前記シースバルブハウジングは、
前記シースバルブハウジングの近位側に配置された入力ポートと、
前記シースバルブハウジングの遠位側に配置された出力ポートであって、前記出力ポート及び前記入力ポートは、それらを通って延在する長手方向軸を画定する、出力ポートと、
前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記シースバルブハウジング内に配置されたチャンバであって、カテーテル経路が、前記長手方向軸と整列されており、かつ前記入力ポートと前記出力ポートとの間で前記チャンバを通って前記シースバルブハウジング内に画定されている、チャンバと、
前記チャンバの周囲に配置された複数のリブと、
前記チャンバに接続された吸引ポートとを含む、シースバルブハウジングを提供することと、
前記シースバルブハウジングをシースに取り付けることと、
カテーテルが前記チャンバ内の前記複数のリブによって前記長手方向軸上に中心を置くように、前記入力ポートを介して前記カテーテル経路を通して前記カテーテルを挿入することと、
前記吸引ポートを通して前記カテーテルを吸引することと、を含む、方法。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図6
図7
図8
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図10
【外国語明細書】