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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066487
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】撮像装置、及び撮像方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/667 20230101AFI20230509BHJP
   H04N 23/54 20230101ALI20230509BHJP
   H04N 23/56 20230101ALI20230509BHJP
   H04N 23/76 20230101ALI20230509BHJP
   H04N 23/74 20230101ALI20230509BHJP
   H04N 25/10 20230101ALI20230509BHJP
【FI】
H04N5/232 450
H04N5/225 300
H04N5/225 600
H04N5/243
H04N5/235 400
H04N9/07 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177109
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 潤一
【テーマコード(参考)】
5C065
5C122
【Fターム(参考)】
5C065AA01
5C065BB48
5C065CC01
5C065DD17
5C065EE05
5C065GG22
5C065GG23
5C122DA16
5C122EA68
5C122FB16
5C122FB17
5C122FC06
5C122FF15
5C122FG03
5C122GG04
5C122GG21
5C122HA87
5C122HB01
(57)【要約】
【課題】生成する画像を、可視光画像、及び低解像度の赤外光画像と、高解像度の赤外光画像との間で切り換える。
【解決手段】撮像装置100の制御部1は、R画素、G画素、及びB画素の出力信号から可視光画像PA21を生成すると共に、IR画素の出力信号から第1赤外光画像PA22を生成する第1処理PR1と、赤外光照射部25が赤外光を照射する第1状態ST1と、赤外光照射部25が赤外光を照射しない第2状態ST2とで、撮像部21に撮像を実行させ、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値ΔR、ΔG、ΔB、及び、第1状態ST1でのIR画素の出力信号から第2赤外光画像PB6を生成する第2処理PR2と、を切り換える切換部113を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
R画素、G画素、B画素、及びIR画素が周期的に配列された撮像部と、赤外光を周囲に照射する赤外光照射部と、前記撮像部の出力信号から画像を生成する信号処理部と、前記撮像部、前記赤外光照射部、及び前記信号処理部を制御する制御部と、を備え、
前記R画素、前記G画素、前記B画素及び前記IR画素の各々は、IR光を透過するフィルタを有し、
前記制御部は、
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の出力信号から可視光画像を生成すると共に、前記IR画素の出力信号から第1赤外光画像を生成する第1処理と、
前記赤外光照射部が前記赤外光を照射する第1状態と、前記赤外光照射部が前記赤外光を照射しない第2状態とで、前記撮像部に撮像を実行させ、前記第1状態での前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号と、前記第2状態での前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号との差分値、及び、前記第1状態での前記IR画素の出力信号から第2赤外光画像を生成する第2処理と、
を切り換える切換部を備える、撮像装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記第2処理において、前記第1状態での前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号に含まれる赤外光成分の感度を、前記第1状態での前記IR画素の出力信号の感度と一致させるように、前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号のゲインを調整するゲイン調整部を備える、
請求項1に記載の撮像装置。
【請求項3】
前記撮像部は、前記R画素、前記G画素、前記B画素、及び前記IR画素がRGB-IR配列で配列され、前記撮像部の出力信号のうち、可視光画像はRGGB配列で出力され、
前記制御部は、前記第2処理において、前記差分値と、前記第1状態での前記IR画素の出力信号とを、前記RGB-IR配列に配列して前記第2赤外光画像を生成する画像生成部を備える、
請求項1又は請求項2に記載の撮像装置。
【請求項4】
R画素とG画素とB画素とIR画素とが周期的に配列された撮像部と、赤外光を周囲に照射する赤外光照射部と、前記撮像部の出力信号から画像を生成する信号処理部と、前記撮像部、前記赤外光照射部、及び前記信号処理部を制御する制御部と、を備える撮像装置の撮像方法であって、
前記R画素、前記G画素、前記B画素及び前記IR画素の各々は、IR光を透過するフィルタを有し、
前記制御部は、
前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の出力信号から可視光画像を生成すると共に、前記IR画素の出力信号から第1赤外光画像を生成する第1処理と、
前記赤外光照射部が前記赤外光を照射する第1状態と、前記赤外光照射部が前記赤外光を照射しない第2状態とで、前記撮像部に撮像を実行させ、前記第1状態での前記R画素、前記G画素、及びB画素の各々の出力信号と、前記第2状態での前記R画素、前記G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値、及び、前記第1状態での前記IR画素の出力信号から第2赤外光画像を生成する第2処理と、
を切り換える切換ステップ、を含む、撮像方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置、及び撮像方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、赤外光画像を表示装置に表示する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、下記の構成を有する情報提供システムが記載されている。すなわち、不可視マーカは、再帰性反射特性を有する透明な物質で構成される。カメラは、赤外光を照射するための赤外線LEDと、赤外線領域及び可視光領域の両方の周波数領域の光を撮像可能なCMOSと、赤外線LEDを用いて対象物に可視光下で赤外光を照射した状態で、可視光と赤外光の下での画像(以下、可視赤外画像という)をCMOSにより撮像する処理と、赤外光を照射しないで、可視光のみの下における画像(以下、可視画像という)を撮像する処理とを実行するように制御するFPGAとを有する。ウェアラブルコンピュータは、可視赤外画像と可視画像との差分画像を生成して、この差分画像に含まれる不可視マーカを検出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-50757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の情報提供システム等の従来の装置では、可視光画像と赤外光画像とを切り換えることができなかった。
例えば、撮像装置では、昼間においては、可視光画像を生成し、夜間においては、赤外光画像を生成することが要求される場合がある。
また、RGB-IRカメラでは、R画素:G画素:B画素:IR画素=1:4:1:2の比率で配置されている。そのため、赤外光画像のサイズは、RGB-IRカメラの画素数の1/4となってしまう。高解像度の赤外光画像を得るためには、高解像度のRGB-IRカメラを使用する必要があった。
【0006】
そこで、本発明では、生成する画像を、可視光画像、及び低解像度の赤外光画像と、高解像度の赤外光画像との間で切り換えることが可能な撮像装置、及び撮像方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、例えば、本発明に係る撮像装置は、R画素、G画素、B画素及びIR画素が周期的に配列された撮像部と、赤外光を周囲に照射する赤外光照射部と、前記撮像部の出力信号から画像を生成する信号処理部と、前記撮像部、前記赤外光照射部、及び前記信号処理部を制御する制御部と、を備え、前記R画素、前記G画素、前記B画素及び前記IR画素の各々は、IR光を透過するフィルタを有し、前記制御部は、前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の出力信号から可視光画像を生成すると共に、前記IR画素の出力信号から第1赤外光画像を生成する第1処理と、前記赤外光照射部が前記赤外光を照射する第1状態と、前記赤外光照射部が前記赤外光を照射しない第2状態とで、前記撮像部に撮像を実行させ、前記第1状態での前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号と、前記第2状態での前記R画素、前記G画素、及び前記B画素の各々の出力信号との差分値、及び、前記第1状態での前記IR画素の出力信号から第2赤外光画像を生成する第2処理と、を切り換える切換部を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る撮像装置、及び撮像方法によれば、生成する画像を、可視光画像、及び低解像度の赤外光画像と、高解像度の赤外光画像との間で切り換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る撮像装置の構成の一例を示す構成図である。
図2】可視光画像を出力する第1処理の一例を示す図である。
図3】第1処理における第1ゲイン調整処理の一例を示すグラフである。
図4】赤外光画像を出力する第2処理の一例を示す図である。
図5】第2処理における第2ゲイン調整処理の一例を示すグラフである。
図6】制御部の処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0011】
[1.撮像装置の構成]
まず、図1を参照して、撮像装置100の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る撮像装置100の構成の一例を示す構成図である。
図1に示すように、本実施形態に係る撮像装置100は、制御部1と、撮像部21と、信号処理部23と、赤外光照射部25と、ディスプレイ27と、を備える。
撮像装置100は、例えば、車両に搭載され、車内を撮像する。
【0012】
撮像部21は、R画素、G画素、B画素、及びIR画素が周期的に配列されて構成される。具体的には、R画素、G画素、B画素、及びIR画素は、例えば、いわゆる、「RGB-IR配列」に配列される。
R画素、G画素、B画素、及びIR画素の各々は、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のイメージセンサと、フィルタとを有する。フィルタは、イメージセンサに外部から入光する光の波長を規制する。
R画素のフィルタは、R(Red:赤色)光とIR(infrared:赤外)光とを透過し、G(Green:緑色)光とB(Blue:青色)光とを遮断する。
G画素のフィルタは、G光とIR光とを透過し、R光とB光とを遮断する。B画素のフィルタは、B光とIR光とを透過し、R光とG光とを遮断する。IR画素のフィルタは、IR光を透過し、R光とG光とB光とを遮断する。
【0013】
本実施形態では、例えば、B光の波長が460nmであり、G光の波長が540nmであり、R光の波長が600nmであり、IR光の波長が920nmである場合について説明する。
【0014】
撮像部21は、制御部1からの指示に従って、例えば、「RGB-IR配列」の画像PA1に対応する出力信号SA1を生成し、出力信号SA21、及び出力信号SA22を信号処理部23へ出力する。出力信号SA21は、「RGGB配列」の可視光画像PA21に対応する。出力信号SA22は、第1赤外光画像PA22に対応する。
「RGB-IR配列」、及び「RGGB配列」については、図2を参照して説明する。
また、可視光画像PA21、及び第1赤外光画像PA22については、図2を参照して説明する。
【0015】
信号処理部23は、制御部1からの指示に従って、例えば、撮像部21の出力信号SA21、及び出力信号SA22から画像を生成する。具体的には、信号処理部23は、出力信号SA21から可視光画像PA21を生成し、出力信号SA22から第1赤外光画像PA22を生成する。
信号処理部23は、可視光画像PA21と、第1赤外光画像PA22とを、制御部1へ出力する。
【0016】
赤外光照射部25は、制御部1からの指示に従って、赤外光を周囲に照射する。赤外光照射部25は、例えば、光源として、赤外光を発光するLED(Light Emitting Diode)等を備える。
【0017】
ディスプレイ27は、LCD(Liquid Crystal Display)等で構成され、制御部1からの指示に従って、種々の画像を表示する。
【0018】
制御部1は、本実施形態では、例えば、ECU(Electronic Control Unit)として構成される。制御部1は、ディスプレイ27に表示する画像を制御する。制御部1は、プロセッサー11と、メモリー12とを備える。
メモリー12は、プロセッサー11が実行する制御プログラム121やデータ等を不揮発的に記憶する記憶装置である。メモリー12は、磁気的記憶装置、フラッシュROM(Read Only Memory)等の半導体記憶素子、或いはその他の種類の不揮発性記憶装置により構成される。また、メモリー12は、プロセッサー11のワークエリアを構成するRAM(Random Access Memory)を含んでもよい。メモリー12は、制御部1により処理されるデータや、プロセッサー11が実行する制御プログラム121等を記憶する。
プロセッサー11は、単一のプロセッサーで構成されてもよいし、複数のプロセッサーがプロセッサー11として機能する構成であってもよい。
【0019】
また、制御部1は、例えば、集積回路により構成することができる。集積回路は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、及びPLD(Programmable Logic Device)を含む。PLDには、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)が含まれる。また、集積回路の構成の一部にアナログ回路が含まれていてもよく、プロセッサーと集積回路との組み合わせであってもよい。プロセッサーと集積回路との組み合わせは、マイクロコントローラー(MCU)、SoC(System-on-a-chip)、システムLSI、チップセットなどと呼ばれる。
【0020】
制御部1は、撮像部21、信号処理部23、赤外光照射部25、及びディスプレイ27の各々と通信可能に接続される。制御部1は、例えば、Ethernet(登録商標)等の規格に従って、撮像部21、信号処理部23、赤外光照射部25、及びディスプレイ27の各々と通信する。
【0021】
[2.制御部の構成]
次に、図1を参照して制御部1の構成について説明する。
図1に示すように、制御部1は、第1処理部111、第2処理部112、切換部113、ゲイン調整部114、画像生成部115、表示制御部116、及びゲイン記憶部122を備える。
具体的には、制御部1のプロセッサー11がメモリー12に記憶された制御プログラム121を実行することによって、第1処理部111、第2処理部112、切換部113、ゲイン調整部114、画像生成部115、及び表示制御部116として機能する。また、制御部1のプロセッサー11がメモリー12に記憶された制御プログラム121を実行することによって、メモリー12を、ゲイン記憶部122として機能させる。
【0022】
ゲイン記憶部122は、ゲイン調整部114によるゲイン調整結果を記憶する。
例えば、第1処理部111が第1可視光画像PA3と第1赤外光画像PA22を生成する場合には、ゲイン調整部114は、図3を参照して説明するゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1をゲイン記憶部122に記憶させる。
また、例えば、第1処理部111が第2赤外光画像PB6を生成する場合には、ゲイン調整部114は、図5を参照して説明するゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2をゲイン記憶部122に記憶させる。
【0023】
第1処理部111は、R画素、G画素、及びB画素の出力信号SA21から第1可視光画像PA3を生成すると共に、IR画素の出力信号SA22から第1赤外光画像PA22を生成する第1処理PR1を実行する。
本実施形態では、第1処理部111は、第1処理PR1において、赤外光照射部25に赤外光を照射させる。
第1処理PR1、第1可視光画像PA3、及び第1赤外光画像PA22については、図2を参照して更に説明する。
【0024】
本実施形態では、第1処理部111は、第1処理PR1において、赤外光照射部25に赤外光を照射させる場合について説明するが、これに限定されない。第1処理部111は、第1処理PR1において、赤外光照射部25に赤外光を照射させなくてもよい。この場合には、赤外光照射部25に赤外光を照射させる場合と比較して、第1赤外光画像PA22の輝度が低下する。
【0025】
第2処理部112は、以下に示す第2処理PR2を実行する。すなわち、第2処理部112は、赤外光照射部25が赤外光を照射する第1状態ST1と、赤外光照射部25が赤外光を照射しない第2状態ST2とで、撮像部21に撮像を実行させる。また、第2処理部112は、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号SB21と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号SB22との差分値、及び、第1状態ST1でのIR画素の出力信号SB31から第2赤外光画像PB6を生成する。
なお、差分値は、差分値ΔR、差分値ΔG、及び差分値ΔBで構成される。また、差分値は、画像生成部115によって算出される。
第2処理PR2、及び第2赤外光画像PB6については、図4を参照して更に説明する。
【0026】
切換部113は、例えば、ユーザーからの指示に応じて、第1処理PR1と第2処理PR2とを切り換える。切換部113は、例えば、ユーザーが第1処理PR1を選択した場合には、第1処理部111に第1処理PR1を実行させる。切換部113は、例えば、ユーザーが第2処理PR2を選択した場合には、第2処理部112に第2処理PR2を実行させる。
【0027】
ゲイン調整部114は、第1処理PR1において、以下に説明するように、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1を調整し、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1をゲイン記憶部122に記憶させる。換言すれば、ゲイン調整部114は、第1処理部111の指示に従って、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1を調整する。ゲインGR1は、第1処理PR1において、R画素の出力信号に乗じられるゲインである。ゲインGG1は、第1処理PR1において、G画素の出力信号に乗じられるゲインである。ゲインGB1は、第1処理PR1において、B画素の出力信号に乗じられるゲインである。
なお、以下の説明において、第1処理PR1において、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1を調整する処理を第1ゲイン調整処理AG1と記載する場合がある。
【0028】
ゲイン調整部114は、R画素の出力信号に含まれるR光成分の感度が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、R画素の出力信号のゲインGR1を調整する。
また、ゲイン調整部114は、G画素の出力信号に含まれるG光成分の感度が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、G画素の出力信号のゲインGG1を調整する。
また、ゲイン調整部114は、B画素の出力信号に含まれるB光成分の感度が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、B画素の出力信号のゲインGB1を調整する。
第1ゲイン調整処理AG1については、図3を参照して更に説明する。
【0029】
ゲイン調整部114は、第2処理PR2において、以下に説明するように、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2を調整し、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2をゲイン記憶部122に記憶させる。換言すれば、ゲイン調整部114は、第2処理部112の指示に従って、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2を調整する。ゲインGR2は、第2処理PR2において、R画素の出力信号に乗じられるゲインである。ゲインGG2は、第2処理PR2において、G画素の出力信号に乗じられるゲインである。ゲインGB2は、第2処理PR2において、B画素の出力信号に乗じられるゲインである。
なお、以下の説明において、第2処理PR2において、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGBを調整する処理を第2ゲイン調整処理AG2と記載する場合がある。
【0030】
ゲイン調整部114は、第1状態ST1でのR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度が、第1状態ST1でのIR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、R画素の出力信号のゲインGR2を調整する。
また、ゲイン調整部114は、第1状態ST1でのG画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度が、第1状態ST1でのIR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、G画素の出力信号のゲインGG2を調整する。
また、ゲイン調整部114は、第1状態ST1でのB画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度が、第1状態ST1でのIR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致するように、B画素の出力信号のゲインGB2を調整する。
第2ゲイン調整処理AG2については、図5を参照して更に説明する。
【0031】
画像生成部115は、第2処理PR2において、以下に説明するように、第2赤外光画像PB6を生成する。換言すれば、画像生成部115は、第2処理部112の指示に従って、第2赤外光画像PB6を生成する。
すなわち、画像生成部115は、第1状態ST1でのR画素の出力信号と、第2状態ST2でのR画素の出力信号の差分値ΔRを算出する。また、画像生成部115は、第1状態ST1でのG画素の出力信号と、第2状態ST2でのG画素の出力信号の差分値ΔGを算出する。画像生成部115は、第1状態ST1でのB画素の出力信号と、第2状態ST2でのB画素の出力信号の差分値ΔBを算出する。
そして、画像生成部115は、差分値ΔR、差分値ΔG、及び差分値ΔBと、第1状態ST1でのIR画素の出力信号とを、RGB-IR配列に配列して第2赤外光画像PB6を生成する。
画像生成部115の処理については、図5を参照して更に説明する。
【0032】
表示制御部116は、第1処理部111が生成した第1可視光画像PA3、第1赤外光画像PA22、及び、第2処理部112が生成した第2赤外光画像PB6をディスプレイ27に表示する。
【0033】
[3.第1処理]
次に、図2及び図3を参照して、第1処理PR1について説明する。
図2は、第1可視光画像PA3を出力する第1処理PR1の一例を示す図である。
画像PA1は、撮像部21によって生成される「RGB-IR配列」の画像である。
【0034】
「RGB-IR配列」の一例である画像PA1では、破線で示す領域AR1内の8画素が1つの単位になり、この8画素が上下左右に配列されることによって構成される。領域AR1には、R画素R1、G画素GA、G画素GB、G画素GC、G画素GD、B画素B1、IR画素IR1、及びIR画素IR2の8画素が配置される。
領域AR1内の上段には、左から右に向けて、B画素B1、G画素GA、R画素R1、及びG画素GBの4画素が順に配置される。領域AR1内の下段には、左から右に向けて、G画素GC、IR画素IR1、G画素GD、及びIR画素IR2の4画素が順に配置される。
【0035】
撮像部21は、出力信号SA21、及び出力信号SA22を信号処理部23へ出力する。出力信号SA21は、可視光画像PA21に対応する。出力信号SA22は、第1赤外光画像PA22に対応する。
信号処理部23は、出力信号SA21から可視光画像PA21を生成し、出力信号SA22から第1赤外光画像PA22を生成する。
【0036】
可視光画像PA21は、「RGGB配列」の画像である。
「RGGB配列」の一例である可視光画像PA21では、破線で示す領域AR2内の4画素が1つの単位になり、この4画素が上下左右に配列されることによって構成される。領域AR2には、B画素B1、G画素GA、G画素GB、及びR画素R1の4画素が配置される。
領域AR2内の上段には、左から右に向けて、B画素B1、及びG画素GAの2画素が順に配置される。領域AR2内の下段には、左から右に向けて、G画素GB、及びR画素R1の2画素が順に配置される。
【0037】
第1赤外光画像PA22は、画像PA1に含まれるIR画素IR1、及びIR画素IR2等のIR画素の出力信号SA22から生成される。例えば、図2に示す画像PA1には、16個のIR画素が含まれるため、第1赤外光画像PA22は、16個の画素の出力信号で構成される。
【0038】
第1処理部111は、ゲイン調整部114に、第1ゲイン調整処理AG1を実行させ、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1を調整させる。
ゲイン調整部114は、可視光画像PA21に含まれるR画素の各々の出力信号にゲインGR1を乗じる。また、ゲイン調整部114は、可視光画像PA21に含まれるG画素の各々の出力信号にゲインGG1を乗じる。ゲイン調整部114は、可視光画像PA21に含まれるB画素の各々の出力信号にゲインGB1を乗じる。その結果、ゲイン調整部114は、第1可視光画像PA3を生成する。
【0039】
次に、図3を参照して、ゲイン調整部114によって実行される第1ゲイン調整処理AG1について説明する。図3は、第1処理PR1における第1ゲイン調整処理AG1の一例を示すグラフである。
グラフG1は、ゲイン調整前のR画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度分布を示し、グラフG2は、ゲイン調整後のR画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度分布を示す。グラフG1及びグラフG2の各々において、横軸は、光の波長WL(nm)であり、縦軸は、光感度LS(%)である。
【0040】
グラフG1において、グラフG11は、ゲイン調整前のB画素の感度分布を示し、グラフG12は、ゲイン調整前のG画素の感度分布を示し、グラフG13は、ゲイン調整前のR画素の感度分布を示し、グラフG14は、ゲイン調整前のIR画素の感度分布を示す。
感度LS1は、グラフG14に示すゲイン調整前のIR画素の感度分布におけるIR光成分の感度である。
【0041】
感度S13は、グラフG13に示すゲイン調整前のR画素の感度分布におけるR光成分の感度である。感度S12は、グラフG12に示すゲイン調整前のG画素の感度分布におけるG光成分の感度である。感度S11は、グラフG11に示すゲイン調整前のB画素の感度分布におけるB光成分の感度である。
【0042】
グラフG2において、グラフG21は、ゲイン調整後のB画素の感度分布を示し、グラフG22は、ゲイン調整後のG画素の感度分布を示し、グラフG23は、ゲイン調整後のR画素の感度分布を示し、グラフG24は、ゲイン調整後のIR画素の感度分布を示す。
【0043】
ゲイン調整部114は、R画素の出力信号に含まれるR光成分の感度S13が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS1と一致するように、R画素の出力信号のゲインGR1を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(1)によってゲインGR1を算出する。
GR1=LS1/S13 (1)
また、ゲイン調整部114は、G画素の出力信号に含まれるG光成分の感度S12が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS1と一致するように、G画素の出力信号のゲインGG1を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(2)によってゲインGG1を算出する。
GG1=LS1/S12 (2)
また、ゲイン調整部114は、B画素の出力信号に含まれるB光成分の感度S11が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS1と一致するように、B画素の出力信号のゲインGB1を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(3)によってゲインGB1を算出する。
GB1=LS1/S11 (3)
【0044】
このようにして、ゲインGR1、ゲインGG1、及びGB1を調整することによって、R画素の出力信号に含まれるR光成分の感度、G画素の出力信号に含まれるG光成分の感度、及びB画素の出力信号に含まれるB光成分の感度を、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致させることができる。したがって、ゲイン調整前の可視光画像PA21のホワイトバランスを適正に調整できる。すなわち、適正にホワイトバランスが調整された第1可視光画像PA3を生成できる。
【0045】
[4.第2処理]
次に、図4及び図5を参照して、第2処理PR2について説明する。
図4は、第2赤外光画像PB6を出力する第2処理PR2の一例を示す図である。
画像PB11は、第1状態ST1において、撮像部21によって生成される「RGB-IR配列」の画像である。画像PB12は、第2状態ST2において、撮像部21によって生成される「RGB-IR配列」の画像である。
【0046】
「RGB-IR配列」については、図2を参照して説明した画像PA1と同様であるため、その説明を省略する。
撮像部21は、第1状態ST1において、出力信号SB21、及び出力信号SB31を信号処理部23へ出力する。出力信号SB21は、可視光画像PB21に対応する。出力信号SB31は、赤外光画像PB31に対応する。
信号処理部23は、出力信号SB21から可視光画像PB21を生成し、出力信号SB31から赤外光画像PB31を生成する。
【0047】
また、撮像部21は、第2状態ST2において、出力信号SB22、及び出力信号SB32を信号処理部23へ出力する。出力信号SB22は、可視光画像PB22に対応する。出力信号SB32は、赤外光画像PB32に対応する。
信号処理部23は、出力信号SB22から可視光画像PB22を生成し、出力信号SB32から赤外光画像PB32を生成する。
【0048】
可視光画像PB21、及び可視光画像PB22は、「RGGB配列」の画像である。
「RGGB配列」の構成については、図2を参照して説明した可視光画像PA21と同様であるため、その説明を省略する。
赤外光画像PB31、及び赤外光画像PB32は、図2を参照して説明した第1赤外光画像PA22と同様であるため、その説明を省略する。
【0049】
第2処理部112は、ゲイン調整部114に、第2ゲイン調整処理AG2を実行させ、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2を調整させる。
【0050】
ゲイン調整部114は、可視光画像PB21、及び可視光画像PB22に含まれるR画素の各々の出力信号にゲインGR2を乗じる。また、ゲイン調整部114は、可視光画像PB21、及び可視光画像PB22に含まれるG画素の各々の出力信号にゲインGG2を乗じる。ゲイン調整部114は、可視光画像PB21、及び可視光画像PB22に含まれるB画素の各々の出力信号にゲインGB2を乗じる。
【0051】
また、第2処理部112は、第2処理の一部として、第1配置変更処理PR21を実行する。第1配置変更処理PR21は、「RGGB配列」の可視光画像PB21、及び可視光画像PB22を、「RGB-IR配列」に変更する処理である。その結果、第2処理部112は、可視光画像PB41、及び可視光画像PB42を生成する。可視光画像PB41は、可視光画像PB21に対応する。可視光画像PB42は、可視光画像PB22に対応する。
可視光画像PB21、及び可視光画像PB22の各々は、R画素、G画素、及びB画素で構成されるため、図4に示すように、「RGB-IR配列」の可視光画像PB41、及び可視光画像PB42の各々は、IR画素の出力信号が欠落している。図4に示す可視光画像PB41、及び可視光画像PB42では、IR画素の出力信号が欠落していることを、IR画素が配置される位置を白抜きして示す。
【0052】
第2処理部112は、第2処理の一部として、差分値算出処理PR22を実行する。換言すれば、第2処理部112は、画像生成部115に差分値算出処理PR22を実行させる。差分値算出処理PR22は、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値を算出する処理である。
第2処理部112は、例えば、差分値算出処理PR22として、可視光画像PB41を構成するR画素の出力信号と、可視光画像PB42を構成するR画素の出力信号との差分値ΔRを算出する。
また、第2処理部112は、例えば、差分値算出処理PR22として、可視光画像PB41を構成するG画素の出力信号と、可視光画像PB42を構成するG画素の出力信号との差分値ΔGを算出する。
また、第2処理部112は、例えば、差分値算出処理PR22として、可視光画像PB41を構成するB画素の出力信号と、可視光画像PB42を構成するB画素の出力信号との差分値ΔBを算出する。
【0053】
第1状態ST1では、赤外光照射部25が赤外光を照射するため、例えば、可視光画像PB41を構成するR画素の出力信号に、R光成分とIR光成分とで構成される。また、第2状態ST2では、赤外光照射部25が赤外光を照射しないため、可視光画像PB42を構成するR画素の出力信号は、R光成分だけで構成される。
また、可視光画像PB41を構成するR画素の出力信号のR光成分の大きさと、可視光画像PB42を構成するR画素の出力信号のR光成分の大きさとは同一である。
したがって、差分値ΔRの大きさは、第1状態ST1でのR画素が受光した光のIR光成分の大きさと一致する。同様にして、差分値ΔGの大きさは、第1状態ST1でのG画素が受光した光のIR光成分の大きさと一致し、差分値ΔBの大きさは、第1状態ST1でのB画素が受光した光のIR光成分の大きさと一致する。
このようにして、可視光画像PB41におけるR画素、G画素、及びB画素の各々に対応する位置のIR光成分が得られる。得られたIR光成分は、第2赤外光画像PB6の一部を構成する。
【0054】
また、第2処理部112は、第2処理の一部として、第2配置変更処理PR23を実行する。換言すれば、第2処理部112は、画像生成部115に第2配置変更処理PR23を実行させる。第2配置変更処理PR23は、赤外光画像PB31を構成するIR画素の出力信号の各々を、「RGB-IR配列」の可視光画像PB41のIR画素の情報が欠落している位置に配置する処理である。換言すれば、第2配置変更処理PR23は、赤外光画像PB31を構成するIR画素の出力信号の各々を、例えば、撮像部21が生成する「RGB-IR配列」の可視光画像PB41、及び可視光画像PB42におけるIR画素の位置に、配置する処理である。その結果、赤外光画像PB51が生成される。
【0055】
そして、第2処理部112は、第2処理の一部として、合成処理PR24を実行する。換言すれば、第2処理部112は、画像生成部115に合成処理PR24を実行させる。合成処理PR24は、差分値ΔR、差分値ΔG、及び差分値ΔBと、赤外光画像PB51とから第2赤外光画像PB6を生成する処理である。
第2処理部112は、合成処理PR24において、差分値算出処理PR22によって得られた可視光画像PB41におけるR画素、G画素、及びB画素の各々に対応する位置のIR光成分と、赤外光画像PB51とを合成して、第2赤外光画像PB6を生成する。
【0056】
次に、図5を参照して、ゲイン調整部114によって実行される第2ゲイン調整処理AG2について説明する。図5は、第2処理PR2における第2ゲイン調整処理AG2の一例を示すグラフである。
グラフG1は、ゲイン調整前のR画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度分布を示し、グラフG3は、ゲイン調整後のR画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度分布を示す。グラフG1及びグラフG3の各々において、横軸は、光の波長WL(nm)であり、縦軸は、光感度LS(%)である。
なお、グラフG1は、図3に示すグラフG1と同一である。感度LS2は、グラフG14に示すゲイン調整前のIR画素の感度分布におけるIR光成分の感度である。感度LS2は、図3に示す感度LS1と一致する。
【0057】
感度S23は、グラフG13に示すゲイン調整前のR画素の感度分布におけるIR光成分の感度である。感度S22は、グラフG12に示すゲイン調整前のG画素の感度分布におけるIR光成分の感度である。感度S21は、グラフG11に示すゲイン調整前のB画素の感度分布におけるIR光成分の感度である。
【0058】
グラフG3において、グラフG31は、ゲイン調整後のB画素の感度分布を示し、グラフG32は、ゲイン調整後のG画素の感度分布を示し、グラフG33は、ゲイン調整後のR画素の感度分布を示し、グラフG34は、ゲイン調整後のIR画素の感度分布を示す。
【0059】
ゲイン調整部114は、R画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度S23が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS2と一致するように、R画素の出力信号のゲインGR2を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(4)によってゲインGR2を算出する。
GR2=LS2/S23 (4)
また、ゲイン調整部114は、G画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度S22が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS1と一致するように、G画素の出力信号のゲインGG2を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(5)によってゲインGG2を算出する。
GG2=LS2/S22 (5)
また、ゲイン調整部114は、B画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度S21が、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度LS2と一致するように、B画素の出力信号のゲインGB2を調整する。すなわち、ゲイン調整部114は、次の式(6)によってゲインGB2を算出する。
GB2=LS2/S21 (6)
【0060】
このようにして、ゲインGR2、ゲインGG2、及びGB2を調整することによって、R画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度、G画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度、及びB画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度を、IR画素の出力信号に含まれるIR光成分の感度と一致させることができる。したがって、第2赤外光画像PB6を構成するR画素、G画素、及びB画素の感度を適正に調整できる。すなわち、第2赤外光画像PB6として、R画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度が適正に調整された画像を生成できる。
【0061】
[5.制御部の処理]
次に、図6を参照して、制御部1の処理について説明する。図6は、制御部1の処理の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS101において、切換部113は、例えば、ユーザーからの指示に応じて、第1処理PR1を実行するか否かを判定する。換言すれば、切換部113は、第1処理PR1を実行するか、第2処理PR2を実行するかを選択する。
第1処理PR1を実行しない、すなわち第2処理PR2を実行すると切換部113が判定した場合(ステップS101;NO)には、処理がステップS113へ進む。第1処理PR1を実行すると切換部113が判定した場合(ステップS101;YES)には、処理がステップS103へ進む。
【0062】
そして、ステップS103において、第1処理部111は、赤外光照射部25に赤外光を照射させる。
次に、ステップS105において、第1処理部111は、撮像部21に出力信号SA1を生成し、出力信号SA21、及び出力信号SA22を信号処理部23へ出力させる。信号処理部23は、出力信号SA21から可視光画像PA21を生成し、出力信号SA22から第1赤外光画像PA22を生成する。
次に、ステップS107において、ゲイン調整部114は、第1ゲイン調整処理AG1を実行する。第1ゲイン調整処理AG1は、ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1を調整する処理である。ゲインGR1、ゲインGG1、及びゲインGB1の各々は、R画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号に乗じられる。その結果、第1可視光画像PA3が生成される。
【0063】
次に、ステップS109において、表示制御部116は、第1可視光画像PA3、又は第1赤外光画像PA22をディスプレイ27に表示する。
次に、ステップS111において、切換部113は、ユーザーからの指示に応じて、第1処理PR1を第2処理PR2に切り換えるか否かを判定する。
第1処理PR1を第2処理PR2に切り換えないと切換部113が判定した場合(ステップS111;NO)には、処理がステップS103に戻る。第1処理PR1を第2処理PR2に切り換えると切換部113が判定した場合(ステップS111;YES)には、処理がステップS101へリターンされる。
【0064】
ステップS101でNOの場合、すなわち、第2処理PR2を実行すると切換部113が判定した場合には、ステップS113において、第2処理部112は、赤外光照射部25に、1フレームの間、赤外光を照射させる。
次に、ステップS115において、第2処理部112は、撮像部21に出力信号SB21、及び出力信号SB31を生成させ、出力信号SB21、及び出力信号SB31を信号処理部23へ出力させる。信号処理部23は、出力信号SB21から可視光画像PB21を生成し、出力信号SB31から赤外光画像PB31を生成する。
次に、ステップS117において、第2処理部112は、赤外光照射部25に、1フレームの間、赤外光の照射を停止させる。
次に、ステップS119において、第2処理部112は、撮像部21に出力信号SB22、及び出力信号SB32を生成させ、出力信号SB22、及び出力信号SB32を信号処理部23へ出力させる。信号処理部23は、出力信号SB22から可視光画像PB22を生成し、出力信号SB32から赤外光画像PB32を生成する。
【0065】
次に、ステップS121において、ゲイン調整部114は、第2ゲイン調整処理AG2を実行する。第2ゲイン調整処理AG2は、ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2を調整する処理である。ゲインGR2、ゲインGG2、及びゲインGB2の各々は、R画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号に乗じられる。
次に、ステップS123において、第2処理部112は、第1配置変更処理PR21を実行する。第1配置変更処理PR21は、「RGGB配列」の可視光画像PB21、及び可視光画像PB22を、「RGB-IR配列」に変更する処理である。その結果、可視光画像PB41、及び可視光画像PB42が生成される。
次に、ステップS125において、第2処理部112は、差分値算出処理PR22を実行する。差分値算出処理PR22は、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値を算出する処理である。差分値は、差分値ΔR、差分値ΔG、及び差分値ΔBで構成される。
【0066】
次に、ステップS127において、第2処理部112は、第2配置変更処理PR23を実行する。第2配置変更処理PR23は、赤外光画像PB31を構成するIR画素の出力信号の各々を、例えば、撮像部21が生成する「RGB-IR配列」の可視光画像PB41におけるIR画素の位置に、配置する処理である。その結果、赤外光画像PB51が生成される。
次に、ステップS129において、画像生成部115は、合成処理PR24を実行する。合成処理PR24は、差分値ΔR、差分値ΔG、及び差分値ΔBと、赤外光画像PB51とから、第2赤外光画像PB6を生成する処理である。
【0067】
次に、ステップS131において、表示制御部116は、第2赤外光画像PB6をディスプレイ27に表示する。
次に、ステップS133において、切換部113は、ユーザーからの指示に応じて、第2処理PR2を第1処理PR1に切り換えるか否かを判定する。
第2処理PR2を第1処理PR1に切り換えないと切換部113が判定した場合(ステップS133;NO)には、処理がステップS113に戻る。第2処理PR2を第1処理PR1に切り換えると切換部113が判定した場合(ステップS133;YES)には、処理がステップS101へリターンされる。
【0068】
ステップS101は、「切換ステップ」の一例に対応する。
【0069】
図6を参照して説明したように、切換部113が、ユーザーからの指示に応じて、第1処理PR1と第2処理PR2とを切り換える。よって、第1可視光画像PA3、又は第1赤外光画像PA22をディスプレイ27に表示するか、第2赤外光画像PB6をディスプレイ27に表示するかをユーザーが選択できる。したがって、ユーザーの利便性を向上できる。
【0070】
[6.撮像装置の構成及び効果]
本実施形態に係る撮像装置100は、R画素、G画素、B画素、及びIR画素が周期的に配列された撮像部21と、赤外光を周囲に照射する赤外光照射部25と、撮像部21の出力信号から画像を生成する信号処理部23と、撮像部21、赤外光照射部25、及び信号処理部23を制御する制御部1と、を備え、R画素、G画素、B画素及びIR画素の各々は、IR光を透過するフィルタを有し、制御部1は、R画素、G画素、及びB画素の出力信号から可視光画像PA21を生成すると共に、IR画素の出力信号から第1赤外光画像PA22を生成する第1処理PR1と、赤外光照射部25が赤外光を照射する第1状態ST1と、赤外光照射部25が赤外光を照射しない第2状態ST2とで、撮像部21に撮像を実行させ、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値ΔR、ΔG、ΔB、及び、第1状態ST1でのIR画素の出力信号から第2赤外光画像PB6を生成する第2処理PR2と、を切り換える切換部113を備える。
【0071】
この構成によれば、制御部1が第1処理PR1を実行する場合には、可視光画像PA21、及び第1赤外光画像PA22を生成し、制御部1が第2処理PR2を実行する場合には、第2赤外光画像PB6を生成する。第2赤外光画像PB6は、第1赤外光画像PA22と比較して、高解像度の画像である。また、切換部113は、第1処理PR1と、第2処理PR2とを切り換える。
したがって、制御部1が生成する画像を、可視光画像PA21、及び低解像度の第1赤外光画像PA22と、高解像度の第2赤外光画像PB6との間で切り換えることができる。
【0072】
また、撮像装置100において、制御部1は、第2処理PR2において、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号に含まれる赤外光成分の感度S21~S23を、第1状態ST1でのIR画素の出力信号の感度LS2と一致させるように、R画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号のゲインGR2、GG2、GB2を調整するゲイン調整部114を備える。
【0073】
この構成によれば、ゲイン調整部114は、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号に含まれる赤外光成分の感度S21~S23を、第1状態ST1でのIR画素の出力信号の感度LS2と一致させるように、R画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号のゲインGR2、GG2、GB2を調整する。
したがって、第2赤外光画像PB6を構成するR画素、G画素、及びB画素の感度を適正に調整できる。すなわち、第2赤外光画像PB6として、R画素、G画素、B画素、及びIR画素の感度が適正に調整された画像を生成できる。
【0074】
また、撮像装置100において、撮像部21は、R画素、G画素、B画素、及びIR画素がRGB-IR配列で配列され、撮像部21の出力信号のうち、可視光画像はRGGB配列で出力され、制御部1は、第2処理PR2において、差分値ΔR、ΔG、ΔBと、第1状態ST1でのIR画素の出力信号とを、RGB-IR配列に配列して第2赤外光画像PB6を生成する画像生成部115を備える。
【0075】
この構成によれば、画像生成部115は、差分値ΔR、ΔG、ΔBと、第1状態ST1でのIR画素の出力信号とを、RGB-IR配列に配列して第2赤外光画像PB6を生成する。また、差分値ΔRは、第1状態ST1でのR画素が受光した光のIR光成分に対応し、差分値ΔGは、第1状態ST1でのG画素が受光した光のIR光成分に対応し、差分値ΔBは、第1状態ST1でのB画素が受光した光のIR光成分に対応する。
したがって、R画素、G画素、及びB画素が受光した光のIR光成分と、IR画素の出力信号とをRGB-IR配列に配列して第2赤外光画像PB6を生成するため、第2赤外光画像PB6として、高解像度の赤外光画像を生成できる。
【0076】
本実施形態に係る撮像方法は、R画素、G画素、B画素、及びIR画素が周期的に配列された撮像部21と、赤外光を周囲に照射する赤外光照射部25と、撮像部21の出力信号から画像を生成する信号処理部23と、撮像部21、赤外光照射部25、及び信号処理部23を制御する制御部1と、を備える撮像装置100の撮像方法であって、R画素、G画素、B画素及びIR画素の各々は、IR光を透過するフィルタを有し、制御部1が、R画素、G画素、及びB画素の出力信号から可視光画像PA21を生成すると共に、IR画素の出力信号から第1赤外光画像PA22を生成する第1処理PR1と、赤外光照射部25が赤外光を照射する第1状態ST1と、赤外光照射部25が赤外光を照射しない第2状態ST2とで、撮像部21に撮像を実行させ、第1状態ST1でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号と、第2状態ST2でのR画素、G画素、及びB画素の各々の出力信号との差分値ΔR、ΔG、ΔB、及び、第1状態ST1でのIR画素の出力信号から第2赤外光画像PB6を生成する第2処理PR2と、を切り換える切換ステップ、を含む。
この構成によれば、本実施形態に係る撮像装置100と同様の作用効果を奏する。
【0077】
[7.他の実施形態]
上述した実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の主旨を逸脱しない範囲で任意に変形及び応用が可能である。
本実施形態では、制御部1がECUとして構成される場合について説明したが、本発明の実施形態はこれに限定されない。制御部1がプロセッサーとメモリーとを備えればよい。例えば、制御部1が、FPGA、SoC等で構成されてもよい。
【0078】
本実施形態では、制御部1が生成した可視光画像、及び赤外光画像をディスプレイ27に表示する場合について説明するが、これに限定されない。制御部1が生成した可視光画像、及び赤外光画像を、車両の種々の制御に用いてもよい。この場合には、制御部1は、可視光画像、及び赤外光画像を、CAN(Controller Area Network)等の車載ネットワークを介して、車両の種々の制御を実行するECUに伝送する。
【0079】
本実施形態では、切換部113が、ユーザーからの指示に応じて、第1処理PR1と第2処理PR2とを切り換える場合について説明するが、これに限定されない。例えば、撮像装置100が搭載される車両の室内の明るさを輝度センサによって検出し、切換部113が、検出した明るさに応じて、第1処理PR1と第2処理PR2とを切り換えてもよい。例えば、検出した明るさが、所定の明るさよりも明るい場合には、切換部113は、第1処理PR1を選択し、検出した明るさが、所定の明るさよりも暗い場合には、切換部113は、第2処理PR2を選択する。
【0080】
また、図1は、本願発明を理解容易にするために、撮像装置100の制御部1の機能構成を主な処理内容に応じて分類して示した概略図であり、撮像装置100の制御部1の構成は、処理内容に応じて、更に多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素が更に多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。また、各構成要素の処理は、1つのプログラムで実現されてもよいし、複数のプログラムで実現されてもよい。
【0081】
また、図6に記載のフローチャートの処理単位は、制御部1の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。制御部1の処理は、処理内容に応じて、更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。また、フローチャートの処理順序も、図示した例に限られるものではない。
【0082】
また、撮像方法は、制御部1が備えるプロセッサー11に、撮像方法に対応した制御プログラム121を実行させることで実現できる。また、制御プログラム121は、コンピューターで読み取り可能に記録した記録媒体に記録しておくことも可能である。
記録媒体としては、磁気的、光学的記録媒体又は半導体メモリーデバイスを用いることができる。具体的には、フレキシブルディスク、HDD、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、DVD、Blu-ray(登録商標) Disc、光磁気ディスク、フラッシュメモリー、カード型記録媒体等の可搬型、或いは固定式の記録媒体が挙げられる。また、記録媒体は、制御部1が備える内部記憶装置であるRAM、ROM、HDD等の不揮発性記憶装置であってもよい。
制御プログラム121をサーバー装置等に記憶させておき、サーバー装置から制御部1に、制御プログラム121をダウンロードすることで、撮像方法を実現することもできる。
【符号の説明】
【0083】
100 撮像装置
1 制御部
11 プロセッサー
111 第1処理部
112 第2処理部
113 切換部
114 ゲイン調整部
115 画像生成部
116 表示制御部
12 メモリー
121 制御プログラム
122 ゲイン記憶部
21 撮像部
23 信号処理部
25 赤外光照射部
27 ディスプレイ
PA21 可視光画像
PA3 第1赤外光画像
PB6 第2赤外光画像
ST1 第1状態
ST2 第2状態
ΔR、ΔG、ΔB 差分値
図1
図2
図3
図4
図5
図6