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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066501
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】底上部材及び容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/02 20060101AFI20230509BHJP
   B65D 6/18 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65D25/02 C
B65D6/18 C
B65D6/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177130
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【弁理士】
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】隅田 晃雄
【テーマコード(参考)】
3E061
3E062
【Fターム(参考)】
3E061AA01
3E061AB09
3E061CA02
3E061DA13
3E062AA01
3E062AC02
3E062AC03
3E062AC05
3E062BB02
3E062BB05
3E062BB09
3E062FA02
3E062FA03
3E062FA04
3E062FB03
3E062FC01
(57)【要約】
【課題】 側面の荷物取出口から荷物を容易に取り出し可能となる底上部材及びそのような底上部材を備える容器の提供を目的とする。
【解決手段】本発明の容器10Aは、全体が直方体状をなし、側壁が底面12Aの外縁部から突出する第1及び第2の土台部14,15に第1と第2の側壁30,40A,40Bが配置されると共に、少なくとも1つの側面に、蓋部55を有する荷物取出口99を備えている。そして、底上部材70Aは、容器10Aの底面12Aに当接する当接リブ77を備えると共に、荷物取出口99の下端に位置する第1土台部15の上面と同じかそれより高い位置に配置される上面71Jを有した天板71を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
全体が直方体状をなし、側壁が底面の外縁部から突出する土台部の上に配置され、少なくとも1つの側面に、前記側壁の下端部を含んだ一部又は全体を蓋部とする荷物取出口が備えられた容器に使用される樹脂製の底上部材であって、
前記底面に当接する当接リブと、
前記当接リブに下方から支持されて前記底面を覆う共に、前記荷物取出口の下方の前記土台部以上の高さに配置される上面を有する天板と、を備える底上部材。
【請求項2】
請求項1に記載の底上部材を底面に重ねて備える容器であって、
前記土台部には、互いに対向する1対の第1土台部と、それら第1土台部の対向方向と交差する方向で互いに対向し、前記第1土台部より高い1対の第2土台部とが含まれ、
前記荷物取出口は、前記第1土台部の上方に配置されている容器。
【請求項3】
前記容器の側壁のうち前記1対の第1土台部上の1対の第1側壁の少なくとも一方の第1側壁として択一的に使用される通常第1側壁と特別第1側壁が備えられ、
前記通常第1側壁は、その両側部の上部に、前記1対の第2土台部上の1対の第2側壁に連結される1対のサイド連結部を備えると共に、その下端部に、前記第1土台部の上面に開口する連結凹部に凹凸係合する連結突部を有し、
前記特別第1側壁は、その両側部の上部に、前記1対のサイド連結部を備えると共に、一部又は全体が前記蓋部をなし、
前記底上部材は、前記特別第1側壁の下方に位置する前記第1土台部の前記連結凹部に上方から凹凸係合する位置決め係合突部を備える請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記特別第1側壁は、上下方向の中間部にヒンジ部を有して、前記ヒンジ部より下側部分が前記蓋部をなし、閉状態で前記蓋部の下面が前記位置決め係合突部に上方から対向する請求項3に記載の容器。
【請求項5】
前記蓋部には、上下にスライド操作されて、前記連結凹部に挿抜されるロック部材を備える請求項3又は4に記載の容器。
【請求項6】
前記1対の第2土台部の横方向の両端部から直角曲げされ、前記1対の第1土台部の横方向の両端部上方に配置されている1対のコーナー突壁と、
前記天板に設けられ、前記1対のコーナー突壁に対向する両側部から前記1対のコーナー突壁に対向しない両側部寄り位置に向かって下る1対の案内部と、が備えられている請求項2から5の何れか1の請求項に記載の容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、直方体状の容器と、それに使用される底上部材とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の直方体状の容器として、底面の外縁部から突出する土台部の上に側壁が配置されているものが知られている。また、そのような容器において、蓋付きの荷物取出口を側面に備えたものが開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-171314号公報(図1図2図23
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した容器では、荷物取出口から荷物を取り出す際に土台部が邪魔になることがあり、その対策が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、全体が直方体状をなし、側壁が底面の外縁部から突出する土台部の上に配置され、少なくとも1つの側面に、前記側壁の下端部を含んだ一部又は全体を蓋部とする荷物取出口が備えられた容器に使用される樹脂製の底上部材であって、前記底面に当接する当接リブと、前記当接リブに下方から支持されて前記底面を覆う共に、前記荷物取出口の下方の前記土台部以上の高さに配置される上面を有する天板と、を備える底上部材である。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1に記載の底上部材を底面に重ねて備える容器であって、前記土台部には、互いに対向する1対の第1土台部と、それら第1土台部の対向方向と交差する方向で互いに対向し、前記第1土台部より高い1対の第2土台部とが含まれ、前記荷物取出口は、前記第1土台部の上方に配置されている容器である。
【0007】
請求項3の発明は、前記容器の側壁のうち前記1対の第1土台部上の1対の第1側壁の少なくとも一方の第1側壁として択一的に使用される通常第1側壁と特別第1側壁が備えられ、前記通常第1側壁は、その両側部の上部に、前記1対の第2土台部上の1対の第2側壁に連結される1対のサイド連結部を備えると共に、その下端部に、前記第1土台部の上面に開口する連結凹部に凹凸係合する連結突部を有し、前記特別第1側壁は、その両側部の上部に、前記1対のサイド連結部を備えると共に、一部又は全体が前記蓋部をなし、前記底上部材は、前記特別第1側壁の下方に位置する前記第1土台部の前記連結凹部に上方から凹凸係合する位置決め係合突部を備える請求項2に記載の容器である。
【0008】
請求項4の発明は、前記特別第1側壁は、上下方向の中間部にヒンジ部を有して、前記ヒンジ部より下側部分が前記蓋部をなし、閉状態で前記蓋部の下面が前記位置決め係合突部に上方から対向する請求項3に記載の容器である。
【0009】
請求項5の発明は、前記蓋部には、上下にスライド操作されて、前記連結凹部に挿抜されるロック部材を備える請求項3又は4に記載の容器である。
【0010】
請求項6の発明は、前記1対の第2土台部の横方向の両端部から直角曲げされ、前記1対の第1土台部の横方向の両端部上方に配置されている1対のコーナー突壁と、前記天板に設けられ、前記1対のコーナー突壁に対向する両側部から前記1対のコーナー突壁に対向しない両側部寄り位置に向かって下る1対の案内部と、が備えられている請求項2から5の何れか1の請求項に記載の容器である。
【発明の効果】
【0011】
請求項1の底上部材を、容器の底面に重ねれば、底上部材の天板の上面が新たな底面になって、荷物取出口の下方の土台部以上に高い位置に配置される。これにより、荷物取出口から荷物を容易に取り出すことができる。ここで、荷物取出口は、容器の1つの側面のみに備えられていてもよいし、全ての側面又は一部複数の側面に備えられていてもよい。また、容器の土台部は、高さが異なる第1土台部と第2土台部とを含んでいてもよく、その場合、高い側の第2土台部の上方に荷物取出口が配置されていてもよいし、請求項2の容器のように、低い側の第1土台部の上方に荷物取出口が配置されていてもよい。なお、請求項2の容器のように、低い側の第1土台部の上方に荷物取出口が配置されていれば、底上部材による底上げ量(即ち、容器の収容量の減少量)を抑えることができる。
【0012】
また、底上部材の上面は、水平であってもよいし、荷物取出口に向かって下るように傾斜していてもよい。容器に荷物取出口が複数設けられている場合には、各荷物取出口に向かって底上部材の上面が下るように複数の斜面を備えてもよいし、一部の荷物取出口のみに向かって底上部材の上面が下るように傾斜した構成としてもよい。また、複数の荷物取出口に向かって底上部材の上面が下るように傾斜した構造では、それら複数の斜面の勾配は同じであっても異なっていてもよい。
【0013】
具体的には、対向する1対の側面に1対の荷物取出口が設けられている場合には、例えば、底上部材を断面三角形にして各荷物取出口に対して底上部材の上面が下るように傾斜していてもよいし、1対の荷物取出口の下端の高さが互いに異なる場合には、底上部材を断面台形状にして、一方の荷物取出口に対して底上部材の上面が傾斜し、他方の荷物取出口に対して底上部材の上面が水平になっていてもよい。
【0014】
また、3つの側面のそれぞれに荷物取出口が設けられている場合には、断面三角形の底上部材の頂上の稜線における途中位置から一端側を斜めにカットした形状にすればよいし、4つの側面のそれぞれに荷物取出口が設けられている場合には、底上部材を四角錐形状にすればよい。
【0015】
請求項3の容器では、第1土台部上に配置される第1側壁として、通常第1側壁と特別第1側壁とから何れかを選択して使用することができる。そして、第1側壁に荷物取出口を備える必要がある場合には、一部又は全体が蓋部をなす特別第1側壁を使用し、そのような必要がない場合には、通常第1側壁を使用すればよい。また、通常第1側壁は、1対の第2側壁に対して連結する1対のサイド連結部を両側部の上部に備えると共に、第1土台部の連結凹部との凹凸係合する連結突部を備えるので、容器内の荷物からの圧力に対する強度を高くすることができる。これに対し、特別第1側壁は、1対のサイド連結部を両側部の上部に備えるが、連結突部を有しないので、空いた第1土台部の連結凹部に、底上部材に備えた位置決め係合突部を凹凸係合することができ、容器に対する底上部材の位置が安定する。
【0016】
また、特別第1側壁の一部が蓋部をなす構成としては、特別第1側壁の一部が、全体に対して上下又は左右にスライドする蓋部になっているものでもよく、請求項4の容器のように、特別第1側壁の上下方向の中間部にヒンジ部を備えて、特別第1側壁のうちヒンジ部より下側部分が回動する蓋部をなした構造としてもよい。また、請求項4の容器のように閉状態で蓋部の下面が位置決め係合突部に上方から対向する構成とすれば、その蓋部により底上部材の位置決め係合突部が、第1土台部の連結凹部から上方に抜け出ることが防がれる。
【0017】
請求項5の容器では、第1土台部の連結凹部が、蓋部を閉状態にロックするロック部材の係合相手としても利用され、連結凹部の有効利用が図られる。
【0018】
請求項6の容器では、第1土台部の横方向の両端部の上方に、第2土台部から張り出す1対のコーナー突壁が位置しているが、底上部材に備えた1対の案内部により、底上部材上の荷物が第1土台部の横方向の両端寄り位置まで案内され、スムーズに荷物取出口から荷物を取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1実施形態に係る容器の斜視図
図2】容器の分解斜視図
図3】折畳状態の容器の斜視図
図4】容器の一部を拡大した分解斜視図
図5】容器を折り畳む途中段階の分解斜視図
図6】特別第1側壁の斜視図
図7】容器の側断面図
図8】底上部材の上面側斜視図
図9】底上部材の下面側斜視図
図10】第1~第3の連結突部の斜視図
図11】係合状態の第1~第3の連結突部と第1及び第2の連結凹部との斜視図
図12】係合状態の第1連結突部と第1連結凹部の斜視図
図13】係合状態の第2連結突部と第2連結凹部の側断面図
図14】係合状態の第3連結突部と第1連結凹部の斜視図
図15】蓋部を開いた容器の斜視図
図16】第2実施形態の底上部材の斜視図
図17】容器の側断面図
図18】容器の斜視図
図19】第3実施形態の底上部材の一部拡大斜視図
図20】第4実施形態の底上部材の一部拡大斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
[第1実施形態]
以下、図1~15を参照して、第1実施形態の容器10Aについて説明する。図1に示すように、容器10Aは、上面が開放した直方体状をなし、第1水平方向H1で対向する1対の第1側壁40A,40Bと、第1水平方向H1と直交する第2水平方向H2で対向する1対の第2側壁30とをベース部11に組み付けた状態にして備えている。そして、容器10Aの内部に、底上部材70Aが収容されている。これら底上部材70Aを含む容器10Aの複数の容器構成部品は、全て例えば樹脂の成形品であり、それらのうち多くの容器構成部品は、多数の孔を有する所謂メッシュ構造をなしている。
【0021】
なお、容器構成部品は、一部又は全体が、金属製、紙製等の樹脂以外の材料で形成されていてもよいし、メッシュ構造でなくてもよい。また、容器10Aは、上面が開放しているが、上面が蓋体によって閉塞されているものであってもよい。
【0022】
以下、先ずは、容器10Aのうち底上部材70Aを除く全体について以下説明する。図2には、容器10Aのベース部11、第1側壁40A、第2側壁30が分離した状態で示されている。ベース部11は、平面形状が四角形の底壁12を主要部として備え、その底壁12の下面四隅からは桁部13が垂下している。また、底壁12は、第1水平方向H1より第2水平方向H2に僅かに大きな長方形をなしている。そして、底壁12の上面である底面12Aのうち1対の長辺となる外縁部からは1対の第1土台部15が突出し、1対の短辺となる外縁部からは、1対の第1土台部15より高い1対の第2土台部14が突出している。
【0023】
図3に示すように、各第2土台部14の横方向の両端部からは1対のコーナー突壁15C1,15C2が1対の第1土台部15側に直角曲げされている。図4に示すように、コーナー突壁15C1は、第1水平方向H1から見ると、略四角形になっていて第1土台部15の上面に接続されている。また、コーナー突壁15C2は、コーナー突壁15C1から上方に離れ、第1水平方向H1から見た形状は、上辺が傾斜辺となった台形状をなし、その傾斜辺の上部が第2土台部14の上面に接続されている。また、コーナー突壁15C2の第2土台部14からの突出量は、コーナー突壁15C1の第2土台部14からの突出量より小さくなっている。
【0024】
なお、本実施形態の容器10Aでは、底壁12の平面形状が長方形であるが、正方形であってもよい。また、底壁12の平面形状が長方形である場合には、1対の第1土台部15と1対の第2土台部14のどちらが1対の長辺側の外縁部に配置されていてもよい。
【0025】
図3に示すように、各第1土台部15及び各第2土台部14の上面は、何れも水平面になっている。そして、1対の第1土台部15の上面に1対の第1側壁40A,40Bの水平な下面が重ねられ、1対の第2土台部14の上面に、1対の第2側壁30の水平な下面が重ねられる(図1参照)。
【0026】
第2土台部14には、第2側壁30の下端部に備えた複数の突部と係合する複数の凹部が備えられている。それら複数の凹部には、第2土台部14の横方向の中央の第3連結凹部19と、その左右両側に対称に配置された1対の第2連結凹部18と1対の第1連結凹部17と1対の位置決凹部16とが含まれている。また、第2連結凹部18,第1連結凹部17,位置決凹部16は、その順番で第3連結凹部19から離れるように配置されている。
【0027】
第3連結凹部19は、第2土台部14の上面と外側面とに開口し、内部に底面と1対の内側面とに接続された係合片19Aを備える。第2連結凹部18は、第2土台部14の上面と内側面とに開口している。また、位置決凹部16は、断面台形の溝状をなして、第2土台部14の上面と内外の両側面とに開口している。
【0028】
上述の第2及び第3の連結凹部18,19及び位置決凹部16は、第2土台部14の上端部と言える範囲に収まっている。これらに対し、第1連結凹部17は、図4に示すように、第2土台部14の上端から上下方向の中央寄り位置まで延び、第2土台部14の上面と内側面とに開口している。また、第1連結凹部17のうち横方向(第1水平方向H1)で対向する1対の内側面には、それらの上下方向全体に亘って延びる1対の内側面溝17Mが形成されている。さらに、それら各内側面溝17Mで内部で対向する1対の内側面には、上端寄り位置に1対の係止突起17A(図4には、一方の係止突起17Aのみが示されている)が設けられている。
【0029】
図2に示すように、第1土台部15には、第1側壁40Aの下端部に備えた複数の突部が係合する複数の第1及び第2の連結凹部20,21が備えられている。また、第2連結凹部21は、第1土台部15の横方向の中央と、両端部寄り位置とに配置され、第1連結凹部20は、各第2連結凹部21の両側に配置されている。また、第1連結凹部20が、前述の第1連結凹部17と同様の形状をなし、第2連結凹部21が前述の第2連結凹部18と同様の形状をなしている。
【0030】
具体的には、図4に示すように、第1及び第2の連結凹部20,21は、共に第1土台部15の上面と内側面とに開放している。そして、第2連結凹部21が第1土台部15の上端部と言える範囲に収まっているのに対し、第1連結凹部20は、第1土台部15の上端から下端に亘って延びている。また、第1連結凹部20は、第2土台部14の第1連結凹部17と同様に、内部に1対の内側面溝20Mを備えかつ、それら1対の各内側面溝20M内に1対ずつの係止突起20A(図12参照)を備える。
【0031】
なお、第1連結凹部20の底面は、容器10A全体の底面12Aと略面一に配置され、第1土台部15の内側面における第1連結凹部20の開口の下縁部には、第1連結凹部20の底面と容器10A全体の底面12Aとの間を仕切る突条20Tが残されている。
【0032】
次に、第2側壁30について説明する。図2に示すように、第2側壁30は、第2土台部14上で起立可能な四角形の1枚の板状をなし、その下面からは、第2土台部14の複数の凹部に対応する複数の突部が突出している。それら複数の突部には、横方向の中央の第3連結突部35(図2の右側の第2側壁30参照)と、その両側に左右対称に配置される1対ずつの第2連結突部34と第1連結突部31と位置決突部33とが含まれる。
【0033】
第3連結突部35は、形状が分かる程度に図示されていないが、第2側壁30の外側面寄り位置から垂下する突片を備えてなる。そして、第2側壁30が第2土台部14上で起立すると、第3連結突部35の突片は第3連結凹部19の係合片19Aの外側面側に受容される。
【0034】
第2連結突部34は、前述の第2連結凹部18と同じ断面形状の突部であり、位置決突部33は、前述の位置決凹部16と同じ断面形状の突部である。そして、第2側壁30が第2土台部14上で起立すると第2連結突部34及び位置決突部33が、第2連結凹部18及び位置決凹部16に丁度収まる。
【0035】
図4に示すように、第1連結突部31は、第2側壁30から垂下する帯状をなし、その幅方向の両側面の下端部からは、1対のヒンジ突部32が突出している。そして、1対のヒンジ突部32が、第1連結凹部17の1対の内側面溝17Mに受容され、第2側壁30が第2土台部14上で起立したときには、第1連結突部31全体が第1連結凹部17に収まる。また、第2側壁30を僅かに持ち上げ、位置決突部33,第2連結突部34,第3連結突部35が第2土台部14の位置決凹部16、第2連結凹部18、第3連結凹部19から離脱すると、第2側壁30がヒンジ突部32を中心に回動可能となり、内側に倒すことができようになる。
【0036】
詳細には、ヒンジ突部32は、丸棒の外周面の2箇所をカットして1対の平行な平坦面32Aを備えた形状をなしている。また、それら平坦面32Aは、上下方向に対して傾斜している。そして、ヒンジ突部32の平坦面32Aが、上下方向に対して平行になるように第2側壁30を所定の角度だけ傾けた状態にすると、内側面溝17Mにおける係止突起17Aを通過し、ベース部11に対して第2側壁30を着脱することができる。
【0037】
図2に示すように、第2側壁30の両側部は、直角曲げされてコーナー突壁15C2上に位置する1対のサイド連結部39になっている。図4に示すように、サイド連結部39は、上下方向の中央より上側部分において、上端部を含む複数箇所を先端から基端寄り位置まで切除されている。これによりサイド連結部39は、上下方向で複数のサイド突部36に分割されている。
【0038】
各サイド突部36には、上面の先端縁から突出する上面突起37が備えられている。また、上端と下端のサイド突部36には、先端面に開口する縦長の長方形のロック凹部36Aが備えられている。また、下端のサイド突部36では、ロック凹部36Aは上下方向の中央に位置し、そのロック凹部36Aより下側には、サイド突部36の内側面に開口する1対の係合凹部36Bが設けられている。1対の係合凹部36Bは、それぞれ縦長の長方形をなし、縦に並んでいる。また、下端のサイド突部36の内側面には、係合凹部36Bの開口縁を段付き状に陥没させて段差凹部36Cが形成されている。
【0039】
次に、1対の第1側壁40A,40Bについて説明する。図5に示すように、1対の第1側壁40A,40Bは、上下方向で中間部で二つ折りにすることができる点で共通し、一方の第1側壁40Aが、下端部をベース部11にヒンジ連結されるのに対し、他方の第1側壁40Bは、下端部をベース部11にヒンジ連結されず、下側略半分が、上部を中心に回動する蓋部として使用可能になる点が異なる。また、図1図5等に示された容器10Aでは、異なる種類の第1側壁40A,40Bが使用されているが、同じ種類の1対の第1側壁40A又は1対の第1側壁40Bを使用してもよい。
【0040】
以下、第1側壁40A,40Bを区別する場合には、第1側壁40Aを「通常第1側壁40A」といい、第1側壁40Bを「特別第1側壁40B」ということとする。
【0041】
通常第1側壁40Aは、上側壁41と下側壁45とを複数のヒンジ部材46(図6参照)で連結して備える。一方、特別第1側壁40Bは、通常第1側壁40Aの下側壁45が、下側壁55と交換された構造をなしている。
【0042】
先ずは、通常第1側壁40Aの下側壁45について説明する。図2に示すように、下側壁45は、下面に第1土台部15の第1と第2の連結凹部20,21に対応する第1と第2の連結突部51,53を備える。それらのうち第1連結突部51は、図4に示すように、第2側壁30の第1連結突部31と同様に、下側壁45から垂下する突片状をなして、両側面に1対のヒンジ突部52を備える。また、各ヒンジ突部52には1対の平坦面52Aが形成されている。そして、第2側壁30の第1連結突部31が第2土台部14の第1連結凹部17に着脱される場合と同様に、下側壁45の第1連結突部51が第1土台部15の第1連結凹部20に係合し、これにより、下側壁45がヒンジ突部52を中心に回動可能となり、第1土台部15上で起立した起立姿勢と、底壁12に重なるように倒れた折畳姿勢とに変更される。
【0043】
一方、第2連結突部53は、図には明示されていないが、第1水平方向H1に延びるリブと第2水平方向H2に延びるリブとで構成された横長の直方体状をなし、下側壁45が起立姿勢になると、全体が第2連結凹部21に丁度収まる。
【0044】
図4に示すように、下側壁45の各側部における下端部からは、角筒状の突部48が側方に突出している。そして、下側壁45の起立姿勢で突部48は、ベース部11の1対のコーナー突壁15C1,15C2の間に収まる。
【0045】
下側壁45の各側部の上下方向の中間部からは、突片47が側方に張り出している。突片47は、下側壁45の厚さ方向の内面側に位置し、突片47の外面には、図示しない1対の突部が上下に並べて設けられている。そして、下側壁45の起立姿勢で、突片47が第2側壁30の段差凹部36Cに収まり、突片47の外面の1対の突部が、第2側壁30の1対の係合凹部36Bに嵌合する。
【0046】
下側壁45の各側部の上部には、ロック部材49が組み付けられている。ロック部材49は、図6に示すように後述する下側壁55の各側部の上部にも設けられている。また、ロック部材49は、第2水平方向H2に延びる帯板部材49Aの基端部の外面に箱形の手掛け部49Bとを備えた構造をなしている。そして、ロック部材49は、下側壁45,55の外面に重ねられて第2水平方向H2にスライド可能に支持され、ロック部材49の先端部(詳細には、帯板部材49Aの先端部)が、下側壁45,55の側部の縦リブの貫通孔49Cから側方に突出するロック位置と、側方に丁度突出しなくなるアンロック位置とに移動操作される。そして、ロック部材49がロック位置に配置されると、図4に示した第2側壁30のロック凹部36Aに凹凸係合して、下側壁45が起立姿勢にロックされ、ロック部材49がアンロック位置に配置されると下側壁45が回動可能になる。
【0047】
また、下側壁45,55には、ロック部材49が重なり得る部分の一部を突片状に切り離して弾性係合片49Kが形成され、弾性係合片49Kの先端部の外面から突起49Lが突出している。そして、ロック部材49を下側壁45,55に組み付ける際に弾性係合片49Kが撓められ、ロック部材49が下側壁45,55に組み付けられた後は弾性係合片49Kの突起49Lによってロック部材49がアンロック位置以上にロック位置から離れないように位置決めされる。
【0048】
さらに、ロック部材49の帯板部材49Aには、係合アーム56Kが設けられている。その係合アーム56Kの形状を、ロック部材49と同一構造のロック部材56が示された図14を参照して以下説明する。即ち、係合アーム56Kは、帯板部材49A(図6参照)の一部を片持ち梁状に切り離し、その先端部の三角形の突起56Tを備えた構造をなしている。そして、ロック部材49がアンロック位置に配置されたときには、ロック部材49が貫通孔49Cの開口縁に突起56Tが係止し、ロック部材49が勝手にロック位置とアンロック位置の双方間で移動することが規制される。また、ロック部材49をスライド操作したときには、係合アーム56Kが撓んで突起56Tが貫通孔49Cを通過する。
【0049】
次に、通常第1側壁40Aと特別第1側壁40Bとに共通する上側壁41について説明する。図4に示すように、上側壁41の各側部には、サイド連結部41Sが設けられている。サイド連結部41Sには、上側壁41の上端部を含む上下方向の複数位置から側方に張り出す複数のサイド突部42とロック部材44とが含まれている。また、各サイド突部42の下面の先端縁からは下面突起43が垂下されている。そして、これら複数のサイド突部42が、第2側壁30のサイド突部36同士の間及び最上部のサイド突部36の上に収まり、各サイド突部42の下面突起43とサイド突部36の上面突起37とが上側壁41の横方向で重なり合う。また、ロック部材44は、ロック部材49と同一構造をなし、上側壁41のうち最上部のサイド突部42とその下隣のサイド突部42との間に配置され、第2側壁30の最上部のサイド突部36のロック凹部36Aに凹凸係合する。
【0050】
図6に示すように、上側壁41の下端部において隣合う複数対の縦リブの間に、複数のヒンジ部材46の上部が受容されると共に、下側壁45,55(図6には、下側壁55が示されている)の上端部において隣合う複数対の縦リブの間に、複数のヒンジ部材46の下部が受容されている。また、各ヒンジ部材46の上部及び下部には、両側方に突出するヒンジピンが備えられ、それらヒンジピンが上側壁41及び下側壁45,55の縦リブに形成された貫通孔に凹凸係合している。これにより、上側壁41と下側壁45,55とを、互いに外面同士が重なるように二つ折りに折り畳むことができる。
【0051】
なお、図4に示すように、第2側壁30の上面のうち位置決突部33の真上となる位置には、位置決凹部16と同一形状の位置決凹部30Kが形成され、図1に示すように、上側壁41の上面のうち第2側壁30との間で角部を挟んで位置決凹部30Kと対称になる位置には、位置決凹部30Kと同様の位置決凹部40Kが設けられている。また、桁部13の外側面には、位置決凹部30K,40Kの真下となる位置に1対の位置決突部13Kが形成されている。それら位置決突部13Kは、桁部13の外面下縁部の一部を陥没させて、残された部分で形成されている。
【0052】
次に、特別第1側壁40Bの下側壁55について説明する。図4図6とに比較して示すように、下側壁55の各側部は、通常第1側壁40Aの下側壁45から突片47を排除し、突部48とロック部材49とを残した構造をなしている。また、下側壁55の下端部は、通常第1側壁40Aの下側壁45から第1と第2の連結突部51,53とを排除し、1対のロック部材56が上下にスライド移動可能に支持された構造をなしている。
【0053】
より具体的には、1対のロック部材56は、第1土台部15のうち横方向の両端部からそれぞれ2番目に位置する1対の第1連結凹部20の上方に配置されている。そして、ロック部材56がロック位置に配置されると、図14に示すように、ロック部材56の先端部が、第1連結凹部20のうち内側面溝20Mを有する1対の内側面の間でかつ第1土台部15の外側面側に寄った状態に収容される。
【0054】
容器10Aのうち底上部材70Aを除く全体の構造に関する説明は以上である。以下、底上部材70Aを除く容器10Aの全体の作用について説明する。上述したように容器10Aでは、通常第1側壁40Aと特別第1側壁40Bとが選択的に使用される。
【0055】
1対の通常第1側壁40Aを備えた形態の容器10Aでは、上面開口から荷物が出し入れされる。この容器10Aは、不使用時には1対の通常第1側壁40Aが二つ折りにされてベース部11の上に重ねられ、それらの上に1対の第2側壁30が重ねられて図3に示されているような折畳状態になる。
【0056】
1対の特別第1側壁40Bを備えた形態の容器10A、及び、通常第1側壁40Aと特別第1側壁40Bとを備えた形態の容器10Aでは、図7に示すように、特別第1側壁40Bの下側壁55が蓋部として使用することができる(以下、下側壁55を「蓋部」として説明する場合には「蓋部55」ということとする)。そして、容器10Aの上面開口から収容された荷物を、蓋部55を外側に回動して開放される荷物取出口99から排出することができる。なお、蓋部55を閉状態にして、ロック部材49,56をロック位置に配置することで蓋部55の回動が禁止される。
【0057】
これら特別第1側壁40Bを有する態様の容器10Aを折り畳むときには、図5に示すように、特別第1側壁40Bは、ベース部11及び1対の第2側壁30から取り外されてから二つ折りにされる。そして、特別第1側壁40Bが、他の特別第1側壁40B又は通常第1側壁40Aと共にベース部11の上に重ねられ、それらの上に1対の第2側壁30が重ねられて折畳状態になる。
【0058】
なお、容器10Aは組み立て状態、折畳状態の何れの形態においても、複数段に段積みすることができる。段積されると、上段側の容器10Aの各桁部13の位置決突部13Kが、組立状態の下段側の容器10Aの位置決凹部30K,40Kか、又は、折畳状態の容器10Aのベース部11の位置決凹部16(図3参照)かに係合する。
【0059】
次に、底上部材70Aについて説明する。底上部材70Aは、特別第1側壁40Bを備える態様の容器10Aに装着されて荷物取出口99から効率良く荷物を排出するために使用される。即ち、荷物取出口99から荷物を排出する場合は、荷物取出口99の下方の第1土台部15が障害になる。そこで、底上部材70Aは、図7に示すように、容器10Aの底面12Aの上に重ねられて、容器10Aの実質的な底面を、第1土台部15の上面以上となる位置まで底上げし、さらには荷物取出口99側へと荷物が案合されるように実質的な底面を傾斜させる。
【0060】
具体的には、図8に示すように、底上部材70Aは、容器10Aの実質的な底面となる上面71Jを有した天板71と、その下面から垂下する複数の下面リブとを備える。天板71は、平面形状は、容器10Aの底面12Aと略同一の四角形をなし、第1及び第2の土台部14,15の内側に丁度収まる。また、天板71は、第1水平方向H1の一端部と他端部とを除く全体が一定の勾配で第1水平方向H1に対して傾斜している。以下、底上部材70Aの説明においては、適宜、第2水平方向H2を「横方向」、第1水平方向H1を「縦方向」というと共に、天板71における低い側を「前側」、高い側を「後側」ということとする。
【0061】
天板71の前端部は横方向に一定幅で延びる水平な前側水平部71Xになっていると共に、天板71の後端部は横方向に一定幅で延びる水平な後側水平部71Yになっている。また、後側水平部71Yの方が前側水平部71Xより幅広になっている。
【0062】
天板71の前側の両角部には、1対の隆起部75Rが設けられている。各隆起部75Rは、縦方向に延びる天板71の1対の外縁部の前端寄り位置から前端までの間の縦長の長方形領域を、前端寄り位置と同じ水平高さの水平部75にして、その水平部75の一方の縦辺から案内部76が横方向に下るように延設された構造をなしている。また、横方向に対して傾斜する案内部76と、天板71のうち縦方向に対して傾斜している部分とが交差することで、それらの交線は縦横両方向に対して傾斜し、その結果、案内部76の平面形状は三角形になっている。
【0063】
なお、天板71全体には、複数の第1~第2の貫通孔71A,71B,71Cが形成されている。複数の第3貫通孔71Cは、円形をなし、後側水平部71Yと隆起部75Rとに複数ずつ配置されている。また、複数の第1貫通孔71Aは、横長の長孔形をなし、後側水平部71Yと隆起部75Rとを除く天板71の全体に複数列、複数行に並べて配置されている。また、複数の第2貫通孔71Bも、第1貫通孔71Aより短い横長の長孔形をなし、天板71全体の中央と、中央を包囲する複数箇所に配置されている。さらに、天板71の後側両角部には、縦横両方向に対して斜めにカットされた1対の面取部71Hが形成されている。
【0064】
天板71から垂下する前述の複数の下面リブには、容器10Aの底面12Aに当接する当接リブ77と、当接しない非当接リブ78とが含まれる。
【0065】
図9(A)に示すように、当接リブ77は、格子状をなして縦長の複数の縦リブ77Aと横長の複数の横リブ77Bとを備え、それら複数の縦リブ77A及び横リブ77Bの下面が面一の水平面になっている。また、当接リブ77全体の横方向の両端の1対の縦リブ77Aと前端の横リブ77Bは、それらの外側面が天板71の外側面と面一となるように配置されているのに対し、後端の横リブ77Bは、天板71における後側水平部71Yの前端縁に配置されている。
【0066】
また、図9(B)に示すように、非当接リブ78には、隣合う縦リブ77Aの間を複数等分する小縦リブ78Aと、隣合う横リブ77Bの間を複数等分する小横リブ78Bとが含まれる。また、非当接リブ78には、図9(A)に示すように、横方向の両端の1対の縦リブ77Aの上端部から後方に延長されて後側水平部71Yの外縁部に沿って延びる外縁リブ78Cと、後端の横リブ77Bと外縁リブ78Cとの間を連絡する複数の連絡リブ78Dも含まれている。また、これら小縦リブ78A,小横リブ78B、外縁リブ78C,連絡リブ78Dの下面は、当接リブ77の下面より上方に位置している。なお、複数の連絡リブ78Dは、複数の小縦リブ78A及び縦リブ77Aの延長線上に配置されている。
【0067】
天板71の中央に位置する縦リブ77Aと横リブ77Bとの交差部と、その交差部を包囲する4つの交差部とには、位置決突部79が設けられている。各位置決突部79は、角筒状をなして天板71から垂下され、下端部が当接リブ77の下面より下方に突出している。また、複数の位置決突部79の下面は、共通の水平面内に位置している(即ち、面一になっている)。
【0068】
なお、図9(B)に示すように、前述した第1貫通孔71Aは、複数の縦リブ77Aと小縦リブ78Aとによって仕切られた横リブ77B及び小横リブ78Bに沿わせて設けられている。そして、図10(B)に示すように、各第1貫通孔71Aの内側面と小横リブ78Bの前側内側面とが面一になっている。これにより、天板71の上面71Jに水滴がついた場合に、水滴が第1貫通孔71Aの内側面を伝わって天板71の下方に排出され易くなる。また、第2貫通孔71Bは、天板71のうち位置決突部79の真上となる位置に配置されている。
【0069】
また、底上部材70Aの後部は、手掛部78Pになっている。この手掛部78Pには、前述の後側水平部71Yと外縁リブ78C、連絡リブ78Dとからなる張出部78Rが含まれる。そして、張出部78Rの下方の空間に、掌を上に向けて手を差し込み、指先を張出部78Rに掛けることで、底上部材70Aを持ち上げたり、後方に引くことができる。より詳細には、張出部78Rの下方で折り曲げた指先の腹となる部分を外縁リブ78Cの内側面に宛がって後方に引いたり、底上部材70Aの前端面が下方を向くようにして底上部材70Aを持ち上げたり、さらには、指先の腹となる部分を外縁リブ78Cの内側面に宛がいかつ指の甲を横リブ77Bの外面に宛がって、底上部材70Aを略水平姿勢に保持した状態で持ち上げることもできる。
【0070】
図8に示すように、底上部材70Aの前面(即ち、前端の横リブ77Bの外側面)には、第1土台部15の複数の第1連結凹部20及び第2連結凹部21に対応する第1~第3の連結突部81,85,86が備えられている。
【0071】
なお、第2連結突部85は、底上部材70Aの前面における横方向の中央位置と左右の両端寄り位置とに配置されている。また、第3連結突部86は、右端部寄り位置の第2連結突部85に対する左側と左端部寄り位置の第2連結突部85に対する右側とに配置されている。そして、第1連結突部81は、右端部寄り位置の第2連結突部85に対する右側と左端部寄り位置の第2連結突部85に対する左側と、さらには、中央位置の第2連結突部85に対する左右の両側とに配置されている。
【0072】
図10(A)及び図10(B)に示すよう、第2連結突部85は、例えば下面が開口した横長の直方体状をなし、底上部材70Aの前面の上端寄り位置に配置され、その第2連結突部85の上面は、天板71の前側水平部71Xの上面より僅かに下方に位置している。
【0073】
第3連結突部86は、第2連結突部85より前後方向に薄くかつ上下方向に長い直方体をなしている。また、第3連結突部86の上面は、第2連結突部85の上面と面一に配置され、第3連結突部86の下面は、当接リブ77の下面より僅かに上方に配置されている。
【0074】
第1連結突部81は、第2連結突部85より前後方向に厚くかつ上下方向に長い直方体の両側面の上端部から1対の突片82が張り出した構造をなしている。また、突片82は、第1連結突部81の前後方向の中央に配置され、突片82の下面における前後方向の中央には、下面リブ83が備えられている。そして、突片82と下面リブ83とを合わせた断面がT字状をなしている。また、突片82の上面を含む第1連結突部81の全体の上面は、第2連結突部85の上面と面一に配置されている。一方、第1連結突部81の下面は、当接リブ77の下面と面一に配置されている。さらに、第1連結突部81の下面の後端部には、横方向に延びる溝形の切欠部81Kが形成されている。
【0075】
図7に示すように、底上部材70Aが容器10Aの底面12Aに重ねられると、第1と第3の連結突部81,86は、第1土台部15の第1連結凹部20に凹凸係合し、第2連結突部85は第2連結凹部21に凹凸係合する。そして、図12~14に示すように、第1~第3の連結突部81,85,86の上面が、第1土台部15の上面と略面一に配置され、第1土台部15の上面と天板71の前側水平部71Xとの間に段差部73Dが形成される。
【0076】
詳細には、第1連結突部81に関しては、図11に示すように、1対の突片82が第1連結凹部20の1対の内側面溝20Mの上部に収まり、図12に示すように1対の係止突起20Aより上方に配置される。また、第1連結突部81の下面は、第1連結凹部20の底面に当接し、切欠部81Kに第1連結凹部20の下端の突条20Tが受容される。また、図13に示すように、第2連結突部85は、第2連結凹部21に丁度収まる。さらに、図11に示すように、第3連結突部86は、第1連結凹部20における第1土台部15の内側面寄り位置に嵌合して、第1連結凹部20における第1土台部15の内側面の開口を閉塞する。そして、図14に示すように、第1連結凹部20のうち第3連結突部86より前側に前述したロック部材56が係合する。
【0077】
本実施形態の底上部材70Aを含んだ容器10Aの構造に関する説明は以上である。次に、この容器10Aの作用効果について説明する。底上部材70Aを容器10Aに取り付けるには、例えば、容器10Aから特別第1側壁40Bを外し、それにより開放された容器10Aの一側面に底上部材70Aの前面が向くようにして、底壁12の上方から底上部材70Aを降下する。
【0078】
すると、底上部材70Aは、容器10Aの内側面によって三方から位置決めされて底壁12まで案内され、図7に示すように、底上部材70Aの当接リブ77の下面が容器10Aの底面12Aに当接し、底上部材70Aの複数の位置決突部79が底壁12を上下に貫通する複数の升目状の貫通孔12Kに凹凸嵌合し、さらには、図11に示すように底上部材70Aの第1~第3の連結突部81,85,86が容器10Aの第1土台部15における第1及び第2の連結凹部20,21に凹凸係合する。そして、特別第1側壁40Bの上側壁41と1対の第2側壁30とが連結されて、その連結状態がロック部材44によりロックされる。以上により、容器10Aにおける底上部材70Aの組み付けが完了する。
【0079】
上述の通り、底上部材70Aが底面12A上に重ねられた容器10Aでは、底上部材70Aの天板71が実質的な底壁となり、その天板71の上面71Jが実質的な底面になる。そして、天板71の上面71Jは、全体的に荷物取出口99に向かって下るように傾斜し、その最下部(前側水平部71Xの上面)が、第1土台部15の上面より上方に位置しているので、図15に示すように荷物取出口99を開いたときに、第1土台部15が障害になることなく、荷物がスムーズに排出される。また、底上部材70Aの横方向の両端部には、1対の隆起部75Rが設けられ、その隆起部75Rには横方向の中央側に向かって下る案内部76が含まれているので、底上部材70Aの上の横方向の端の荷物も、ベース部11のコーナー突壁15C1,15C2が障害になることなくスムーズに排出される。
【0080】
なお、蓋部55は、図1に示した閉状態から外側に略180度回動して、上側壁41の外面に重ねた全開状態にすることができるので、その全開状態の蓋部55と上側壁41とを紐やS字形フック等で結合しておけば、荷物の取り出し作業の際に蓋部55が邪魔にならない。
【0081】
容器10Aに荷物を収容しておくには、特別第1側壁40Bの蓋部55を閉状態にてロック部材49,56(図6,14参照)にてロックすればよい。ここで、閉状態の蓋部55の下端部は、図13に示すように、底上部材70Aの上面71Jと第1土台部15の上面との間の段差部73Dと対向するので、蓋部55が容器10Aの内側に入り込むように回動することが防がれ、蓋部55の上部のヒンジ部材46に過度が負荷がかかることが防がれる。また、蓋部55が閉状態になると、その下面が底上部材70Aの第1~第3の連結突部81,85,86に上方から対向するので(図12~14参照)、例えば、容器10Aを空にして搬送する際に、振動で第1~第3の連結突部81,85,86が第1及び第2の連結凹部20,21から抜け出ることが防がれる。
【0082】
上述したように本実施形態の容器10Aでは、底上部材70Aを使用することで、荷物取出口99から荷物の取り出しが容易になる。また、本実施形態の容器10Aは、第1と第2の土台部14,15のうち低い側の第1土台部15の上方に荷物取出口99が配置されているので、第2土台部14の上方に荷物取出口99が配置されている場合に比べて、底上部材70Aによる必要な底上げ量(即ち、容器10Aの収容量の減少量)が抑えられる。また、第1土台部15の第1連結凹部20は、下側壁45との連結に利用されるだけではなく、蓋部55を閉状態にロックするロック部材56の係合相手としても利用され、第1連結凹部20の有効利用が図られる。
【0083】
[第2実施形態]
本実施形態は、図16図18に示されており、底上部材70Bの天板71が第1水平方向H1で傾斜していない点が第1実施形態の底上部材70Aと大きく異なる。具体的には、図16に示すように本実施形態の底上部材70Bの天板71は、第1水平方向H1と平行に延びる1対の外縁部の全体が1対の隆起部75Vをなし、それら1対の隆起部75Vの間の全体が水平部71Zになっている。
【0084】
1対の隆起部75Vは、第1実施形態の底上部材70Aの1対の隆起部75Rを、底上部材70Bにおける第1水平方向H1の全体に亘って延ばした構造をなしている。また、天板71の下面には格子状に当接リブ77Vが設けられ、当接リブ77Vの下面から水平部71Zの上面までの高さは、第1実施形態の底上部材70Aの当接リブ77の下面から前側水平部71Xの上面までの高さと同じになっている。さらには、底上部材70Bの第1水平方向H1の両端面には、第1実施形態で説明した底上部材70Aの端面と同一の第1~第3の連結突部81,85,86が備えられている。
【0085】
さらには、第1実施形態の底上部材70Aと同様に、底上部材70Bの天板71の下面には、中央とその回りの複数位置に位置決突部79が設けれ、天板71の全体には、第1~第3の複数の貫通孔71A,71B,71Cが形成されている。
【0086】
本実施形態の底上部材70Bは、図17に示すように1対の特別第1側壁40Bを備える容器10Aに使用され、図18に示すように、容器10Aの実質的な底面を第1土台部15の上面以上の位置に底上げする。これにより、荷物取出口99からの荷物の取り出しが容易になる。
【0087】
[第3実施形態]
図19に示された本実施形態の底上部材70Cは、隆起部75Wの形状が第1実施形態の底上部材70Aとは異なる。この底上部材70Cの隆起部75Wの案内部76Aは、第1水平方向H1と第2水平方向H2との両方向に傾斜している。
【0088】
[第4実施形態]
図20に示された本実施形態の底上部材70Dも、隆起部75Xの形状が第1実施形態の底上部材70Aとは異なる。この底上部材70Dの隆起部75Xは、2つの案内部76B,76Cを前後に並べて備え、前側の案内部76Bは、第1水平方向H1と第2水平方向H2との両方向に傾斜し、後側の案内部76Cは、第2水平方向H2のみに傾斜している。
【0089】
[他の実施形態]
(1)前記各実施形態の底上部材70A~70Dは、隆起部75R,75V,75W,75Xを有していたが、それらを備えていなくてもよい。隆起部75を備えない構造にすれば、例えば、複数の底上部材70Aを、交互に上下と前後を逆さにして段積みすることができる。
【0090】
(2)前記各実施形態の底上部材70A~70Dは、前後方向の両端部に前側水平部71Xと後側水平部71Yを備えているが、それらの一方又は両方を備えなくてもよく、また、前後方向に中間部に別途、水平部を備えていてもよい。また、手掛部78Pを備えていなくてもよい。
【0091】
(3)また、前記各実施形態の底上部材70Aの天板71を、横方向で湾曲又は屈曲させて、横方向の中央に荷物が集められるようにしてもよい。
【0092】
(4)容器10Aは折畳み式の容器に具体化されているが、側壁30,40A,40Bのうち少なくとも1つ又は全部を、第1及び第2土台部15,14に対して着脱可能か、あるいは取外不可能に設けた容器であってもよい。
【0093】
(5)また、特別第1側壁40Bは、容器10Aの外側に回動する蓋部55を備えているが、2つ折りやあるいは蛇腹式のような折畳み可能な扉部を備えていてもよい。
【0094】
なお、本明細書及び図面には、特許請求の範囲に含まれる技術の具体例が開示されているが、特許請求の範囲に記載の技術は、これら具体例に限定されるものではなく、具体例を様々に変形、変更したものも含み、また、具体例から一部を単独で取り出したものも含む。
【符号の説明】
【0095】
10A 容器
12 底壁
12A 底面
14 第2土台部
15 第1土台部
15C1,15C2 コーナー突壁
20 第1連結凹部(連結凹部)
21 第2連結凹部(連結凹部)
30 第2側壁
39,41S サイド連結部
40A 通常第1側壁
40B 特別第1側壁
44,49,56 ロック部材
55 下側壁(蓋部55)
70A~70D 底上部材
71 天板
75R,75V,75W,75X 隆起部
76,76A~76C 案内部
77,77V 当接リブ
81,85,86 連結突部(第1~第3の連結突部、位置決め係合突部)
99 荷物取出口
図1
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