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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066550
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】振出し式釣竿
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/00 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A01K87/00 640C
A01K87/00 610A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177206
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】521475668
【氏名又は名称】縣 智丈
(74)【代理人】
【識別番号】100181250
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 信介
(72)【発明者】
【氏名】縣 智丈
【テーマコード(参考)】
2B019
【Fターム(参考)】
2B019AA05
2B019AG03
2B019AH03
2B019AH06
(57)【要約】
【課題】振出し式釣竿において、複数の竿杆が収納された状態のときに、外力による竿杆の破損を防止することができる振出し式釣竿を提供する。
【解決手段】釣り糸ガイド11a~18aを有する複数の竿杆を振出し式に連結する振出し式釣竿1であって、複数の竿杆の先端部分が突出した状態で収納されるとともに、使用者が把持するグリップ部20と、複数の竿杆の先端部分がグリップ部20に収納された際に、グリップ部20の先端から突出した複数の竿杆の先端部分を覆うカバー部30とを備え、グリップ部20は、複数の竿杆の先端が突出した部分にカバー部30と結合するための第1結合部21を備え、カバー部30は、第1結合部21と結合するための第2結合部31を備えた振出し式釣竿1。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸ガイドを有する複数の竿杆を振出し式に連結する振出し式釣竿であって、
前記複数の竿杆の先端部分が突出した状態で収納されるとともに、使用者が把持するグリップ部と、
前記複数の竿杆の先端部分が前記グリップ部に収納された際に、前記グリップ部の先端から突出した前記複数の竿杆の先端部分を覆うカバー部と、
を備え、
前記グリップ部は、前記複数の竿杆の先端が突出した部分に前記カバー部と結合するための第1結合部を備え、
前記カバー部は、前記第1結合部と結合するための第2結合部を備えたことを特徴とする振出し式釣竿。
【請求項2】
請求項1に記載の振出し式釣竿において、
前記カバー部は、有底円筒形状をなすとともに、内周面側に軸線方向に伸びた、少なくとも1つの溝部を備えることを特徴とする振出し式釣竿。
【請求項3】
請求項1に記載の振出し式釣竿において、
前記カバー部は、有底円筒形状をなすとともに、側面に軸線方向に伸びた、少なくとも1つの切り欠きを備えることを特徴とする振出し式釣竿。
【請求項4】
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の振出し式釣竿において、
前記グリップ部は、前記第1結合部を有する端部とは逆方向の端部に前記カバー部の前記第2結合部に結合可能とする第3結合部を備えることを特徴とする振出し式釣竿。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の竿杆からなる振出し式釣竿に関する。
【背景技術】
【0002】
振出し式釣竿は、竿を構成する複数の竿杆が元竿管に収納できるものであり、使用時には、竿先の竿杆から順に各竿杆を伸ばしていくことで、一本に連接された釣竿となる。
一般に、振出し式釣竿において、各竿杆を元竿管に収納しても、各竿杆の先端部付近に設けられた釣り糸ガイドがあるため、複数の竿杆がすべて元竿管に収まるわけではなく、複数の竿杆の釣り糸ガイドが設けられた先端部が元竿管の先端から突出する。
このため、振出し式釣竿を、複数の竿杆を元竿管に収納した状態で持ち運ぶ際などに、元竿管の先端から突出した各竿杵に衝撃や曲げなどの外力が加わって折れたり破損したりすることがある。そこで、元竿管、及び元竿管の先端から突出する各竿杆の先端部を、これに作用する外力から保護して折れたり破損したりしないようにする必要がある。
この問題を解決するため、振出し式釣竿において、複数の竿杆を元竿管に収納した状態のときに、元竿管の先端から突出する各竿杆のみを保護するため、従来、元竿管の先端から突出した複数の竿杆を覆い、元竿管に固定する保護カバーがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008―173021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような保護カバーは、元竿管の先端から突出した部分の各竿杆を覆うことができるものの、その保護カバーを保護カバーにあるベルト状の固定部により元竿管に固定しているたけであり、保護カバーを元竿管に強固に固定することができなかった。
したがって、元竿管の先端から突出する各竿杆の先端部を外見上保護する状態にはできるが、実際に外力が加わった場合には、保護カバーが外れたり、固定部やゆるんだりして、結果として、元竿管に収納されている複数の竿杆も破損してしまうという課題があった。
本発明は、こうした課題に鑑みなされたもので、振出し式釣竿において、複数の竿杆が収納された状態のときに、外力による竿杆の破損を防止することができる振出し式釣竿を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の適用例として実現することが可能である。
なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0006】
[適用例1]
適用例1に記載の発明は、
釣り糸ガイドを有する複数の竿杆(11~18)を振出し式に連結する振出し式釣竿であって、
前記複数の竿杆(11~18)の先端部分が突出した状態で収納されるとともに、使用者が把持するグリップ部(20)と、
前記複数の竿杆(11~18)の先端部分が前記グリップ部(20)に収納された際に、前記グリップ部(20)の先端から突出した前記複数の竿杆(11~18)の先端部分を覆うカバー部(30)と、
を備え、
前記グリップ部(20)は、前記複数の竿杆(11~18)の先端が突出した部分に前記カバー部(30)と結合するための第1結合部(21)を備え、
前記カバー部(30)は、前記第1結合部(21)と結合するための第2結合部(31)を備えたことを特徴とする振出し式釣竿(1)である。
【0007】
このような振出し式釣竿(1)では、釣り糸ガイドを有する複数の竿杆(11~18)の先端が突出した状態でグリップ部(20)に収納される。また、グリップ部(20)から先端が突出した状態の複数の竿杆(11~18)がカバー部(30)によって覆われる。このとき、カバー部(30)の第2結合部(31)とグリップ部(20)の第1結合部(21)とを結合することにより、カバー部(30)はグリップ部(20)に直接結合される。
【0008】
したがって、複数の竿杆(11~18)をグリップ部(20)に収納して、カバー部(30)をグリップ部(20)に結合した状態では、竿杆(11~18)には外部からの力が直接加わることはない。
【0009】
つまり、複数の竿杆(11~18)をグリップ部(20)に収納してカバー部(30)をグリップ部(20)に結合した状態で振出し式釣竿(1)を運搬するような場合であっても、釣り糸ガイド(11a~18a)を備えた複数の竿杆(11~18)が外力によって破損することがなくなる。
【0010】
[適用例2]
適用例2に記載の振出し式釣り竿(1)は、適用例1に記載の振出し式釣竿(1)において、
前記カバー部(30)は、有底円筒形状をなすとともに、内周面側に軸線方向に伸びた、少なくとも1つの溝部(32)を備えることを要旨とする。
【0011】
このような振出し式釣竿(1)では、グリップ部(20)先端から突出した複数の竿杆(11~18)に設けられた釣り糸ガイド(11a~18a)を、カバー部(30)の内側面の軸線方向に設けられた、少なくとも1つの溝部(32)に合わせるようにして、カバー部(30)をグリップ部(20)と結合することができる。
【0012】
これにより、竿杆(11~18)の釣り糸ガイド(11a~18a)の大きさに合わせて溝部(32)を形成することにより、カバー部(30)の胴径がグリップ部(20)の胴径よりも必要以上に大きくなることがなくなる。
したがって、カバー部(30)をグリップ部(20)に結合したときに、釣竿として一体となるため、取り扱いが容易となる。
【0013】
[適用例3]
適用例3に記載の振出し式釣り竿(1)は、適用例1に記載の振出し式釣竿(1)において、
前記カバー部(30)は、有底円筒形状をなすとともに、側面に軸線方向に伸びた、少なくとも1つの切り欠き(33)を備えることを要旨とする。
【0014】
このような振出し式釣竿(1)では、グリップ部(20)先端から突出した複数の竿杆(11~18)に設けられた釣り糸ガイド(11a~18a)を、カバー部(30)の内側面の軸線方向に設けられた、少なくとも1つの切り欠き(33)に合わせるようにして、カバー部(30)をグリップ部(20)と結合することができる。
【0015】
これにより、竿杆の釣り糸ガイド(11a~18a)がカバー部(30)に干渉することなく、カバー部(30)をグリップ部(20)と結合することができるので、カバー部(30)の胴径がグリップ部(20)の胴径よりも必要以上に大きくなることがなくなる。
したがって、カバー部(30)をグリップ部(20)に結合したときに、釣竿として一体となるため、取り扱いが容易となる。
【0016】
[適用例4]
適用例4に記載の振出し式釣り竿(1)は、適用例1~適用例3の何れか1項に記載の振出し式釣竿(1)において、
前記グリップ部(20)は、前記第1結合部(21)を有する端部とは逆方向の端部に前記カバー部(30)の前記第2結合部(31)に結合可能とする第3結合部(22)を備えることを要旨とする。
【0017】
このような振出し式釣竿(1)では、グリップ部(20)の第1結合部(21)から取り外したカバー部(30)を第3結合部(22)に結合することにより、グリップ部(20)の第1結合部(21)とは反対の端部に連結することができる。
【0018】
これにより、取り外したカバー部(30)の置き場所に困ることもなく、カバー部(30)を紛失したり、必要なときに即座にカバー部(30)を取り付けることができなかったりすることがなくなる。
【0019】
さらに、カバー部(30)がグリップ部(20)の反対の端部に連結されているため、カバー部(30)の軸線方向の長さの分だけ、グリップ部(20)がその軸線方向に延長されることになる。したがって、使用者が釣竿を使用する際に、釣竿の持ち手部分の範囲が拡がり、使用者にとって釣竿が使いやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】振出し式釣竿の概略の外観を示す正面図である。
図2】グリップ部のうち、竿杆部が引き出される端部とは反対の端部にカバー部を連結した状態の概略の外観を示す正面図である。
図3】カバー部の概略の外観を示す三面図である。
図4】第2実施形態におけるカバー部の概略の外観を示す三面図である。
図5】第3実施形態におけるカバー部の概略の外観を示す三面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を取りうる。
【0022】
[第1実施形態]
図1図2及び図3に基づき振出し式釣竿1の構成について説明する。図1は、振出し式釣竿1の概略の外観を示す正面図である。図2は、グリップ部のうち、竿杆部が引き出される端部とは反対の端部にカバー部を連結した状態の概略の外観を示す正面図である。図3は、カバー部の概略の外観を示す三面図(図3(a)が正面図、図3(b)が左側面図、図3(c)が平面図)である。
【0023】
図1に示すように、振出し式釣竿1は、竿杆部10、グリップ部20、カバー部30を備えている。
竿杆部10は、8つの竿杆11~18を備え、いわゆる振出し式に組み立てられている。竿杆11~18は、既知の要領で構成される。
【0024】
すなわち、竿杆部10を構成する各々の竿杆11~18は、全体としてテーパー状に形成されており、その先端部の外径よりも後端部の外径の方が大きくなるように形成されている。また、竿杆11の後端径は、竿杆12の先端径よりも大きく設定されている。これにより、竿杆11は、竿杆12の内部に引き出し自在に収納される。
【0025】
なお、竿杆12と竿杆13との関係、竿杆13と竿杆14との関係、竿杆14と竿杆15との関係、竿杆15と竿杆16との関係、竿杆16と竿杆17との関係、竿杆17と竿杆18との関係も同様である。
【0026】
竿杆11~18の材料としては、カーボンFRPを利用するが、その他、グラスファイバー、ボロン、竹などであってもよい。
さらに、各竿杆11~18の先端部には、釣り糸を通すための、円環状の釣り糸ガイド11a~18aが取り付けられている。
【0027】
グリップ部20は、円筒形状を有しており、アルミ合金などの金属で形成されているが、その他、様々なFRPなどをであってもよい。また、竿杆部10を収納する機能を有しており、竿杆部10を収納し、引き出す側の端部に、第1結合部21、それと反対方向の端部に第3結合部22を有している。
【0028】
第1結合部21は、雄ねじが切られた円筒形状を有しており、その胴径は、グリップ部20の胴径よりも小さくなるように形成されており、第3結合部22は、第1結合部21と同じ長さ、胴径を有する円柱形状であり、第1結合部21と同じ雄ねじが切られている。
【0029】
カバー部30は、竿杆部10をグリップ部20に収納した際に、グリップ部20の先端から突出する竿杆部10を構成する各竿杆11~18の先端部分を覆う部分であり、アルミ合金などの金属製で形成されている。また、図3に示すように、カバー部30は、有底円筒状を形成しており、この有底円筒状の底を有する端部とは反対方向の端部の内周面に、第1結合部21に切られた雄ねじに嵌合する雌ねじが切られている。
【0030】
(振出し式釣竿1の使用方法)
次に、振出し式釣竿1を使用する場合について説明する。
【0031】
振出し式釣竿1を用いて、釣りをする場合には、カバー部30をグリップ部20から取り外し、取り外したカバー部30を、グリップ部20の反対側の端部に連結する。そして、グリップ部20の先端から突出している各竿杆11~18を、順次引き伸ばして一本の竿を形成する。
【0032】
各竿杆11~18を収納し、場所を移動する場合には、引き伸ばした各竿杆11~18を順次グリップ部20に収納した後、カバー部30をグリップ部20から取り外し、取り外したカバー部30を、グリップ部20の先端から突出した各竿杆11~18の先端部を覆うようにして、グリップ部20に取り付ける。
【0033】
(振出し式釣竿1の特徴)
このような振出し式釣竿1では、竿杆部を構成する各竿杆11~18をグリップ部20に収納した場合に、各竿杆11~18の先端部に釣り糸ガイド11a~18aが設けられているため、各竿杆11~18の先端部がグリップ部20の先端から突出する。
【0034】
このような場合でも、カバー部30が、グリップ部20の先端から突出した各竿杆11~18の先端部を覆うように、グリップ部20と結合するため、各竿杆11~18を外力による破損から防止することができる。
【0035】
また、図2に示すように、振出し式釣竿1の使用時に、各竿杆11~18の先端部を覆うようにグリップ部20に備えられた第1結合部と第2結合部により結合していたカバー部30を取り外し、取り外したカバー部30を、第2結合部31を用いてグリップ部20の第1結合部21を有する端部とは逆方向の端部の第3結合部22と結合させることにより、カバー部30の長さ分だけ、グリップ部20の軸線方向の長さが延長されることになる。
【0036】
したがって、グリップ部20の長さが延長された分だけ、使用者が振出し式釣竿1を把持できる部分の範囲が拡大し、使用者にとって釣竿が使いやすくなる。
【0037】
[第2実施形態]
次に、図4に基づき、第2実施形態における振出し式釣り竿について説明する。なお、第2実施形態における振出し式釣り竿は、第1実施形態における振出し式釣竿1のカバー部30の形状のみを変更したものであるため、カバー部40のみについて説明し、その他の部分の説明は省略する。また、図4(a)が正面図、図4(b)が左側面図、図4(c)が平面図を示している。
【0038】
図4に示すように、第2実施形態におけるカバー部40は、第1実施形態におけるカバー部30と同様に、有底円筒形状であり、その内周面の1か所に軸線方向に溝部32が設けられている。
【0039】
カバー部40の軸線に垂直方向の断面における溝部32の断面形状は、各竿杆の釣り糸ガイド11a~18aの最も大きなものがはまり込むようになっている。したがって、カバー部40をグリップ部20に取りつける際には、各竿杆の釣り糸ガイド11a~18aが溝部32にはまり込んだ状態となる。
【0040】
(第2実施形態における振出し式釣竿の特徴)
このような振出し式釣竿では、カバー部40をグリップ部20に取り付ける際に、カバー部40に設けられた溝部32に各竿杆11~18に設けられた釣り糸ガイド11a~18aがはまり込んだ状態となる。
【0041】
このように、カバー部40の内周面に設けられた溝部32に、釣り糸ガイド11a~18aが入ることで、釣り糸ガイド11a~18aがカバー部40の内周面から押し付けられ折れ曲がることなく、カバー部40がグリップ20に取り付けられる。
【0042】
したがって、カバー部40の胴径を釣り糸ガイド11a~18aの大きさに合わせて決める必要がなくなる。したがって、カバー部40の胴径を小さくすることができ、カバー部40をグリップ部20に取り付けた際に、釣竿としての一体感が生まれ、釣竿としての取扱いが容易になる。
【0043】
[第3実施形態]
次に、図5に基づき、第3実施形態における振出し式釣り竿について説明する。なお、第3実施形態における振出し式釣り竿は、第1実施形態における振出し式釣竿1のカバー部30の形状のみを変更したものであるため、カバー部50のみについて説明し、その他の部分の説明は省略する。また、図5(a)が正面図、図4(b)が左側面図、図4(c)が平面図を示している。
【0044】
図5に示すように、第3実施形態におけるカバー部50は、第1実施形態におけるカバー部30と同様に、有底円筒形状であり、その内周面の1か所に軸線方向に切り欠き33
が設けられている。
【0045】
カバー部50に設けられた切り欠き33により、竿杆の釣り糸ガイド11a~18aが折曲がったりするなど変形せずに、カバー部50からはみ出した状態で、カバー部50がグリップ部20に結合される。
【0046】
(第2実施形態における振出し式釣竿の特徴)
このような振出し式釣竿では、カバー部50の円周面の軸線方向に切り欠き33が設けられていることから、カバー部50をグリップ部20に取り付ける際に、カバー部50に設けられた切り欠き33に各竿杆11~18に設けられた釣り糸ガイド11a~18aの位置を合わせるように取り付けられる。
【0047】
これにより、釣り糸ガイド11a~18aが、カバー部50に設けられた切り欠き33部分に位置することで、釣り糸ガイド11a~18aがカバー部40の内周面から押し付けられ折れ曲がることなく、カバー部40がグリップ20に取り付けられる。
【0048】
したがって、カバー部50の胴径を釣り糸ガイド11a~18aの大きさに合わせて決める必要がなくなり、カバー部50の胴径を小さくすることができ、カバー部50をグリップ部20に取り付けた際に、釣竿としての一体感が生まれ、釣竿としての取扱いが容易になる。
【0049】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を取ることができる。
【0050】
(1)上記実施形態では、竿杆部を構成する竿杆の本数は、8本としているが、これに限られるものではない。
(2)上記実施形態では、グリップ部20の形状として円筒形状を用いたが、その内部に竿杆部10を収納することができる空洞が存在していれば、角柱形状を用いてもよいし、グリップ部20の第2結合部を有する端部を、U字型やr字型等、曲がった形状としてもよい。
【0051】
(3)上記実施形態では、第2結合部31と第1結合部21及び第3結合部22を結合させるために、第2結合部31には雌ねじを、第1結合部21及び第3結合部22には雄ねじを設けているが、第2結合部31を雄ねじ、第1結合部21及び第3結合部22を雌ねじとしてもよい。
【0052】
(4)上記実施形態では、第2結合部31と第1結合部21及び第3結合部22を結合させるため、ネジ構造を採用しているが、はめ込み構造としてもよい。
(5)第2実施形態において、カバー部40の内周面側に軸線方向に設けられた溝部32は一つであるが、内周面側の異なる場所の軸線方向に複数の溝部32を設けてもよい。
【0053】
これにより、カバー部40を第2結合部31と第1結合部21を用いて、グリップ部20に取り付ける場合に、グリップ部20の先端から突出した複数の竿杆11~18の先端部に備えられた釣り糸ガイド11a~18aを、ある軸線上に揃えて、溝部32の位置に合わせる必要はなくなる。
【0054】
(6)第3実施形態において、カバー部50の円周面の側面の軸線方向に設けられた切り欠き33は一つであるが、円周面の側面の異なる場所の軸線方向に複数の切り欠き33を設けてもよい。
【0055】
これにより、カバー部50を第2結合部31と第1結合部21を用いて、グリップ部20に取り付ける場合に、グリップ部20の先端から突出した複数の竿杆11~18の先端部に備えられた釣り糸ガイド11a~18aを、ある軸線上に揃えて、切り欠き33の位置に合わせる必要がなくなる。
【符号の説明】
【0056】
1…振出し式釣竿 10…竿杆部 11~18…竿杆 11a~18a…釣り糸ガイド 20…グリップ部 21…第1結合部 22…第3結合部 30…カバー部 31…第2結合部 32…溝部 33…切り欠き 40…カバー部 50…カバー部。
図1
図2
図3
図4
図5