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特開2023-66551閲覧支援システム、閲覧支援プログラム、情報端末及び閲覧支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066551
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】閲覧支援システム、閲覧支援プログラム、情報端末及び閲覧支援方法
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0483 20130101AFI20230509BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20230509BHJP
【FI】
G06F3/0483
G06F3/0484 150
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177207
(22)【出願日】2021-10-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和3年8月25日~令和3年9月8日の平日、コクヨ品川オフィスTHE CAMPUS(東京都港区港南1丁目8番35号)にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】市原 玲菜
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 海渡
(72)【発明者】
【氏名】山崎 篤
(72)【発明者】
【氏名】三浦 洋介
(72)【発明者】
【氏名】久我 一成
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA05
5E555AA09
5E555AA28
5E555AA76
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC04
5E555CA12
5E555CB12
5E555CC24
5E555DB33
5E555DB43
5E555DC26
5E555EA03
5E555FA00
(57)【要約】      (修正有)
【課題】閲覧を支援するサポートツールとして有用な閲覧支援システム、プログラム、情報端末及び閲覧支援方法を実現する。
【解決手段】電子文書11aを保持する記憶部11と、記憶部11に保持されている電子文書11aを読み出してタッチ画面23上に画像23aとして表示する表示手段12と、タッチ画面23上の画像23aに対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段13と、閲覧操作に基づき画像23aに対する閲覧対象部位を特定してその座標(X、Y)を電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11bを生成する閲覧履歴管理手段14とを具備し、表示手段12は、タッチ画面23上に表示する画像23aに閲覧履歴情報11bを有する閲覧対象部位{座標(X、Y)}が含まれる場合に、閲覧対象部位に閲覧履歴情報11bに基づき閲覧された事を示す閲覧履歴表記23bを表示する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子文書を保持する記憶部と、前記記憶部に保持されている電子文書を読み出して画面上に画像として表示する表示手段と、前記画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段と、前記閲覧操作に基づき当該画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を前記電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成する閲覧履歴管理手段とを具備し、前記表示手段は、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に、当該閲覧対象部位に前記閲覧履歴情報に基づき閲覧された事を示す閲覧履歴表記を表示する、ことを特徴とする閲覧支援システム。
【請求項2】
前記閲覧操作が画像を拡大する操作である場合に、前記表示手段が拡大操作に応じて画面上の画像を表示変更するとともに、前記閲覧履歴管理手段は、画面の中心若しくは所定箇所にある画像の座標を閲覧対象部位として特定する、請求項1に記載の閲覧支援システム。
【請求項3】
前記閲覧履歴管理手段は、拡大倍率が予め定めた閾値を超えたときに閲覧履歴情報を生成する、請求項2に記載の閲覧支援システム。
【請求項4】
前記閲覧履歴管理手段は、所定時間毎に閲覧対象部位を特定して閲覧履歴情報を生成する、請求項1~3の何れかに記載の閲覧支援システム。
【請求項5】
前記閲覧履歴管理手段は、閲覧履歴情報に閲覧頻度を含め、前記表示手段は、前記閲覧履歴表記に、閲覧された事を示す表記と、閲覧頻度に応じた表記とを含める、請求項1~4の何れかに記載の閲覧支援システム。
【請求項6】
閲覧履歴表記は、閲覧頻度に応じて寒暖を変化させるヒートマップ表記である、請求項5に記載の閲覧支援システム。
【請求項7】
前記表示手段が表示する画面は、記憶部から読み出された電子文書の画像を表示する画像レイヤーと、閲覧履歴情報を表示する閲覧履歴レイヤーとから構成される、請求項1~6の何れかに記載の閲覧支援システム。
【請求項8】
コンピュータに読み込まれることにより、コンピュータを、電子文書を保持する記憶部、前記記憶部に保持されている電子文書を読み出して画面上に画像として表示する表示手段、前記画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段、前記閲覧操作に基づき当該画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を前記電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成する閲覧履歴管理手段として機能させ、前記表示手段に、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に当該閲覧対象部位に前記閲覧履歴情報に基づき閲覧履歴表記を重畳して表示させる、ことを特徴とする閲覧支援プログラム。
【請求項9】
請求項8に記載の閲覧支援プログラムが読み込まれていることを特徴とする、情報端末。
【請求項10】
電子文書を保持するとともに、読み出し要求に応じその一部を読み出して画面上に画像として表示して閲覧に供する方法において、
画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付ステップと、前記閲覧操作に基づき当該画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を前記電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成するステップと、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に当該閲覧対象部位に前記閲覧履歴情報に基づき閲覧履歴表記を表示するステップと、を含むことを特徴とする閲覧支援方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子文書を通じて学習を行う場合等に好適に利用可能となる、閲覧支援システム、プログラム、情報端末及び閲覧支援方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年において、電子文書を閲覧するためのシステムとして、例えば、パーソナルコンピュータや携帯端末等を利用した電子書籍の閲覧システムが普及している。
【0003】
このような閲覧システムの中には、ユーザーの書き込みを受け付け、その書き込みを電子文書の画像と重ねて表示する機能を持つものも少なくない。
【0004】
特許文献1では、電子文書の画像にマーキング等を行う機能をもったシステムが記載されている。同文献では、一時的にマーキングを行う場合に、再度のマーキングの削除が手間である事に鑑みて、所定時間経過後にマーキングが自動的に削除される機能を備えたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2018-92418号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電子文書が学習用のものである場合、電子文書は繰り返し閲覧されることになる。このような場合、どの箇所を閲覧したか、或いはどの部分を閲覧していないかの閲覧履歴の情報があれば、復習や、未習部分の確認に便利である。
【0007】
特に、スマートフォン等の携帯端末を利用したシステムでは、画面が小さいため、電子文書を取り込んで画面上に表示させる場合、必要箇所を拡大して内容を閲覧することが多くなる。このため、このような携帯端末の使用の態様を上手く利用すれば、どこを閲覧したかの閲覧履歴情報を適切に取得できる可能性がある。
【0008】
そして、画像上で閲覧履歴状況を可視化すれば、学習を進めるうえでの利便性は更に向上したものになる。
【0009】
本発明は、このような閲覧を支援するサポートツールとして有用となる、新たな閲覧支援システム、閲覧支援プログラム、携帯端末及び閲覧支援方法を実現することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0011】
すなわち、本発明の閲覧支援システムは、電子文書を保持する記憶部と、記憶部に保持されている電子文書を読み出して画面上に画像として表示する表示手段と、画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段と、閲覧操作に基づき画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成する閲覧履歴管理手段とを具備し、表示手段は、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に、閲覧対象部位に閲覧履歴情報に基づき閲覧された事を示す閲覧履歴表記を表示する、ことを特徴とする。
【0012】
このようにすれば、画面上に電子文書の画像を表示させた状態で閲覧操作が行われた場合、その画像に対する閲覧対象部位の座標を電子文書と関連づけた閲覧履歴情報が生成される。そして、閲覧対象部位が画面上の画像に含まれるときに、その部位に閲覧された事を示す閲覧履歴表記が表示される。このため、電子文書のどこを閲覧したかが画像上で可視化される。しかも、閲覧対象部位の座標を電子文書と紐づけるので、例えば電子文書のどこを閲覧していたかを文書中のテキストデータと紐づけて閲覧履歴情報を生成する場合等に比べて、閲覧対象がイメージデータ等であっても、閲覧履歴情報を簡単、適切に生成することができる。
【0013】
閲覧対象部位を適切に特定するためには、閲覧操作が画像を拡大する操作である場合に、表示手段が拡大操作に応じて画面上の画像を表示変更するとともに、閲覧履歴管理手段は、画面の中心若しくは所定箇所にある画像の座標を閲覧対象部位として特定するように構成することが望ましい。
【0014】
実質的に閲覧と見なす判断を適正化するためには、閲覧履歴管理手段は、拡大倍率が予め定めた閾値を超えたときに閲覧履歴情報を生成することが望ましい。
【0015】
閲覧履歴情報を過不足なく蓄積するためには、閲覧履歴管理手段は、所定時間毎に閲覧対象部位を特定して閲覧履歴情報を生成することが望ましい。
【0016】
重点的に閲覧した箇所等を把握し易くするためには、閲覧履歴管理手段は、閲覧履歴情報に閲覧頻度を含め、表示手段は、閲覧履歴表記に、閲覧された事を示す表記と、閲覧頻度に応じた表記とを含めることが望ましい。
【0017】
閲覧頻度の過多を適切に可視化するためには、閲覧履歴表記は、閲覧頻度に応じて寒暖を変化させるヒートマップ表記であることが望ましい。
【0018】
画像と閲覧履歴を含む画面を簡単、適切に生成するためには、表示手段が表示する画面は、記憶部から読み出された電子文書の画像を表示する画像レイヤーと、閲覧履歴情報を表示する閲覧履歴レイヤーとから構成されることが望ましい。
【0019】
閲覧支援システムの汎用性を高めるためには、コンピュータに読み込まれることにより、コンピュータを、電子文書を保持する記憶部、記憶部に保持されている電子文書を読み出して画面上に画像として表示する表示手段、画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段、閲覧操作に基づき画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成する閲覧履歴管理手段として機能させ、表示手段に、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に閲覧対象部位に閲覧履歴に基づき閲覧履歴表記を重畳して表示させる、閲覧支援プログラムを構成することが好適である。
【0020】
このような閲覧支援プログラムは、情報端末に読み込ませておくことが好適である。
【0021】
また、電子文書を保持するとともに、読み出し要求に応じその一部を読み出して画面上に画像として表示して閲覧に供する方法において、画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付ステップと、閲覧操作に基づき画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成するステップと、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に閲覧対象部位に閲覧履歴に基づき閲覧履歴表記を表示するステップと、を含むことを特徴とする閲覧支援方法を採用すれば、機能要素の如何によらず、上記閲覧支援システムと基本的に同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、以上説明した構成であるから、閲覧履歴を画像上で可視化して簡単、適切に利用できる、閲覧支援システム、閲覧支援プログラム、情報端末及び閲覧支援方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の一実施形態に係る閲覧支援システムの機能ブロック図。
図2】同システムを構成するハードウェア資源を示す図。
図3】同システムにおいてタッチ画面に対してなされる操作を示す図。
図4】同システムにおけるノート選択画面を示す図。
図5】同システムにおいて画面に画像を読み出した表示例を示す図。
図6図5の画面に対してなされる閲覧操作の一例を説明する図。
図7図5の画面に対してなされる閲覧操作の一例を説明する図。
図8】同システムにおける閲覧対象部位の特定の仕方を説明する図。
図9】同システムにおける画面の表示態様を説明する図。
図10図5の画面に閲覧履歴表記がされた状態を示す図。
図11図10の画面に更に閲覧履歴表記が追加された表示例を示す図。
図12】閲覧履歴表記が経時的に蓄積された場合の表示例を示す図。
図13】閲覧履歴表記に閲覧頻度を含む場合の表示例を示す図。
図14】同システムを構成する閲覧支援プログラムの実行手順を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0025】
図1は、本実施形態に係る閲覧支援システム1の機能を示す機能ブロック図であり、図2はそのハードウェア資源を示す図である。
【0026】
閲覧支援システム1は、携帯端末であるスマートフォン2xを構成するコンピュータ2にPrを読み込むことによって構築される。
【0027】
コンピュータ2は、CPU21、メモリ22に、画面(タッチ画面)23、送受信部24、カメラ25等のハードウェア資源を必要に応じインターフェース等を介して接続することにより構成されるもので、メモリ22内にはプログラム(閲覧支援プログラムを含む)Prや各種データ(画像データを含む)Dtが記憶されている。そして、CPU21はメモリ22からプログラムPrや各種データDtを読み出し、周辺ハードウェア資源と共働して、本発明の閲覧支援システム1を実現する。
【0028】
閲覧支援システム1は、電子文書を保持する記憶部11と、記憶部11に保持されている電子文書11aを読み出してタッチ画面23上に画像23aとして表示する表示手段12と、タッチ画面23上の画像23aに対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段13と、閲覧操作に基づき画像23aに対する閲覧対象部位を特定してその座標(X、Y)を電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11bを生成する閲覧履歴管理手段14とを具備する。そして表示手段12は、タッチ画面23上に表示する画像23aに閲覧履歴情報11bを有する閲覧対象部位が含まれる場合に、その閲覧対象部位に閲覧履歴情報11bに基づき閲覧された事を示す閲覧履歴表記23bを表示する。
【0029】
記憶部11に保持される電子文書11aには、この実施形態では例えば学習用のノート情報が含まれる。ノート情報は、学生等のユーザーが自身で作成したノートをスマートフォン2xのカメラ25で撮影して取り込み、画像化して記憶したものである。このノート情報には、ネットワークNWを通じてサーバSVや他のコンピュータPCから取得した他者の作成に係るノート情報が含まれてもよい。
【0030】
記憶部11に記憶する電子文書11aには、文書識別(ノート識別)が関連づけられる。
【0031】
表示手段12は、スマートフォン2xに備わる表示機能を通じてタッチ画面23上に電子文書11aの内容を表示する。図3に示すように、タッチ画面23を通じてユーザーからノート情報選択操作を受け付けると、表示手段12は要求に応じて記憶部11に記憶されている電子文書11aの選択肢を図4のようにタッチ画面23上に表示する。すなわち図4は、文書識別としてノート識別(ノート1、ノート2、…)を表示したノート選択画面である。ノート1は例えば歴史のノート、ノート2は例えば数学のノートである。
【0032】
ユーザーが更に特定のノート情報(ノート識別)を選択するノート情報選択操作を行うと、表示手段12は選択されたノート識別に含まれる情報を読み出して、タッチ画面23上に図5に示すように画像23aとして表示する。この画像23aに表示させる電子文書11aは、HTML、Word、Excel、PDF、JPEG、BMP等の各種テキストデータ、バイナリデータが含まれる。図5の表示例ではテキスト画像X1、PICT(写真)画像X2、FIG(図形)画像X3が含まれている。この他、地図など種々の画像が表示対象に含まれる。
【0033】
電子文書23aの1頁のサイズは、ノート(コンテンツ)によってまちまちである。電子文書23aは、1頁分を画像表示したときにスマートフォン2xのタッチ画面23に収まるサイズもあれば、スマートフォン2xのタッチ画面23からはみ出すサイズもある。電子文書23aが1頁からはみ出すサイズの場合は、タッチ画面23に対するスライド操作やスクロール操作等が行われることで新たにはみ出した部分をタッチ画面23に表示させることができる。図3で頁選択操作が行われた場合は、次頁、前頁、先頭頁、最終頁等を表示する。
【0034】
図3で何れかのノート識別が選択された場合に図5に最初に示される頁は、基本的にそのノートの1頁目であるが、設定によっては、表示手段12はそのノートの特定の頁や直近に閲覧した頁を表示するようにしてもよい。
【0035】
ここまでは閲覧の準備操作である。
【0036】
閲覧操作受付手段13は、図3に示すようにスマートフォン2xのタッチ画面23の機能を利用して、閲覧操作を受け付ける。この実施形態では、タッチ画面23aに対する拡大操作を閲覧操作として扱う。例えば、図5の画面23に対して、図6(a)に示すような指を2本使った拡大操作を行った場合や、図示しない拡大ボタンを操作した場合であって、拡大倍率が予め定めた閾値(例えば1.5倍)以上となったときに、閲覧操作が行われたと見なす。また、図7(a)に示すように拡大した状態で画面をスライドさせる操作も、別の部位を拡大表示する操作に等しいため、これについても拡大操作(すなわち閲覧操作)の一態様として含める。
【0037】
図6(b)は図5の画像23aからPICT画像X2を拡大させた画面であり、図7(b)はその状態から指でスライドさせることによって三角形のFIG画像X3を拡大させた画面である。
【0038】
閲覧履歴管理手段14は、閲覧操作に基づき画像23aに対する閲覧対象部位を特定してその座標(X、Y)を電子文書23aと関連付けた閲覧履歴情報11bを生成し、図1に示す記憶部11に記憶する。
【0039】
閲覧対象部位の特定は、一例として次のように行う。先ず、予め電子文書23の各頁を画像化したときの当該画像に、図8(a)に示すように予め座標(X、Y)を設定しておく。対角位置の座標は、(X0、Y0)、(Xmax、Ymax)である。1頁分の画像が画面サイズを超えるときは、(X0、Y0)~(Xmax、Ymax)のうちの一部の座標領域が画像23aとして表示される。
【0040】
次に、この状態から拡大操作が行われ、図8(b)に示すように、タッチ画面23に表示された1頁の一部の画像23aうちの左上と右下の対角位置の画像座標がL1(X1、Y1)、L2(X2、Y2)になったとする。
【0041】
閲覧履歴管理手段14は、拡大が所定倍率(例えば、1.5倍)以下のときには閲覧履歴情報11bは生成せず、拡大が所定倍率を超えたときに閲覧履歴情報11bを生成する。閲覧履歴生成手段14は、画像23aの中心座標LCを読み込む。この場合の中心座標LCは、{(X2+X1)/2、(Y2+Y1)/2}である。閲覧履歴管理手段14は、この画像23aの中心座標LCを、ユーザが閲覧した閲覧対象部位であるとして扱い、電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11b中に(X、Y)として記憶する。
【0042】
閲覧履歴管理手段14は、所定時間毎に拡大倍率が閾値を越えているか否かを判断し、越えている場合に閲覧対象部位の座標(X、Y)を特定して閲覧履歴情報11bを生成する。このため、拡大倍率が閾値を越えている間、閲覧履歴情報11bは時間の経過とともにバックデータとして蓄積されていく。閲覧対象部位として同じ座標(X、Y)が継続して検出される場合には閲覧が続いている事を示しているため、閲覧履歴情報11bには閲覧頻度Hが関連づけられて(X、Y、H)として記憶される。この閲覧頻度Hは、同じ座標が検出されている間の実時間Tでもよいし、所定時間毎に同じ座標が数回検出された場合の回数値(カウント値)Nでもよい。同じ座標が検出されない場合は、Hに初期値を入れてもよいし、0としてもよい。一旦縮小して再び拡大したときには、拡大倍率が閾値を下回った段階で閲覧履歴情報11bの生成を停止し、再び拡大倍率が閾値を超えたときに閲覧履歴情報11bの生成を再開する。
【0043】
表示手段12は、画面23上に表示する画像23aに閲覧履歴情報11bを有する閲覧対象部位の座標(X、Y)が含まれる場合に、当該閲覧対象部位の座標(X、Y)に閲覧履歴情報11bに基づき、閲覧された事を示す閲覧履歴表記23bを表示する。
【0044】
閲覧履歴表記23bは、図9に示すように閲覧された事を示す表記Mを含む。閲覧された事を示す表記Mは、ノートの画像レイヤーLy1と重なった閲覧履歴レイヤーLy2上に作成される。この実施形態において、閲覧されたことを示す表記Mは、閲覧対象部位の座標(X、Y)を中心とする所定半径の塗りつぶしの円で表示する。図10はノートの画像レイヤーLy1と閲覧履歴レイヤーLy2を重畳させた状態を示している。閲覧箇所が増えるにつれて、図10図12のように閲覧されたことを示す表記Mは増えていく。拡大操作やスライド操作中に画像の中心が移動する場合は、移動の軌跡に沿って表記Mが増えていく場合もある。
【0045】
一方、閲覧頻度Hはその表記Mである円の塗りつぶしの色で表現する。図13において表記M(1)、表記M(2)、表記M(3)は付されている色の濃さが異なっており、表記M(1)よりも表記M(2)、表記M(2)よりも表記M(3)が、閲覧頻度H(時間Tや閲覧回数N)が多い事を表わしている。本実施形態では、閲覧頻度Hを16段階に分け、閲覧頻度Hの少ないものから多いものに向かって青から赤に段階的に色を変化させてヒートマップ表示するように構成されている。閲覧頻度Hの初期値や加算値を付与する場合に、拡大縮小して指を離した時点で閲覧頻度Hに所定値を加算するようにしてもよい(例えばH=H+4)。閲覧履歴レイヤーLy2は画像レイヤーLy1の手前に重畳して表示されることから、画像23aに含まれる文字や図形が消えない様に、塗りつぶしの円は半透明の状態で表示される。
【0046】
図14は、以上をまとめたフローチャートであって、(a)は閲覧操作に対する表示機能のルーチン、(b)は閲覧履歴管理ルーチンである。(a)においてステップS1でノートの読み出し要求があると、ステップS2でノート情報を読み出して画面に画像を表示する。そして、ステップS3で頁選択や表示要求(拡大、スライド操作)を受け付け、ステップS4で要求に応じた画面表示をなす。ステップS5で終了その他の操作がされるまで、ステップS3とステップS4を繰り返す。
【0047】
これと並行して、(b)においてステップSaで画面拡大倍率が所定倍率(例えば1.5倍)以上となったか否を監視する。所定倍率以上となった場合は、ステップSbでその時点における画面23上の画像23aの中心位置座標LC(X、Y)を検出し、閲覧対象部位として電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11bである(X、Y、H)のうちの(X、Y)に記憶し、終了する。
【0048】
(b)のルーチンは、所定時間ごとに起動する。同じ座標が検出された場合は、閲覧履歴情報11bである(X、Y、H)のうちのHがインクリメントされる。
【0049】
(a)のルーチンにおける表示ステップS2、S4では、画像レイヤーLy1の座標範囲に対応させてヒートマップレイヤーLy2の同じ座標範囲を重畳させて表示する。このヒートマップレイヤーLy2には、閲覧された事を示す円の表記Mと、閲覧頻度Hに応じて色を異ならせた表記とが含まれる。
【0050】
なお、閲覧履歴情報11bについてはユーザーの操作でリセット可能に構成してもよい。この場合は、閲覧履歴表記Mはキャンセルされ、初期状態に戻る。
【0051】
以上のように、本実施形態の閲覧支援システム1は、電子文書11aを保持する記憶部11と、記憶部11に保持されている電子文書11aを読み出してタッチ画面23上に画像23aとして表示する表示手段12と、タッチ画面23上の画像23aに対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段13と、閲覧操作に基づき画像23aに対する閲覧対象部位を特定してその座標(X、Y)を電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11bを生成する閲覧履歴管理手段14とを具備し、表示手段12は、タッチ画面23上に表示する画像23aに閲覧履歴情報11bを有する閲覧対象部位{座標(X、Y)}が含まれる場合に、閲覧対象部位に閲覧履歴情報11bに基づき閲覧された事を示す閲覧履歴表記23bを表示するものである。
【0052】
このようにすれば、タッチ画面23上に電子文書11aの画像23aを表示させた状態で閲覧操作が行われた場合、その画像23aに対する閲覧対象部位の座標(X、Y)を電子文書11aと関連づけた閲覧履歴情報11bが生成される。そして、閲覧対象部位{座標(X、Y)}が画面上の画像23aに含まれるときに、その部位に閲覧された事を示す閲覧履歴表記23bが表示される。このため、電子文書11aのどこを閲覧したかが画像23a上で可視化されて一目瞭然となる。しかも、閲覧対象部位の座標(X、Y)を電子文書11aと紐づけるので、例えば電子文書のどこを閲覧していたかを文書中のテキスト等と紐づけて閲覧履歴情報を生成する場合等に比べて、閲覧対象が写真PICTや図形FIG等のようなイメージデータ等であっても、閲覧履歴情報を簡単、適切に生成することができる。
【0053】
具体的に本実施形態は、画像23aを拡大する操作を閲覧操作として扱い、表示手段12が拡大操作に応じてタッチ画面23上の画像23aを表示変更するとともに、閲覧履歴管理手段11は、タッチ画面23の中心にある画像の座標を閲覧対象部位として特定するようにしているため、閲覧対象部位の特定が簡単、適切となる。
【0054】
すなわち、実際にどこを閲覧したかを検出することは難しいが、このように拡大時の画面23の座標(X、Y)を利用すれば、閲覧した部位が画像23aの中心若しくはその周辺部位であることは推定できるので、閲覧対象部位として認定し易いものとなる。
【0055】
また閲覧履歴管理手段11は、拡大倍率が予め定めた閾値(例えば1.5倍)を超えたときに閲覧履歴情報11bを生成するように構成しているため、実質的に閲覧したと見なすための判断を適切に行うことができる。
【0056】
また閲覧履歴管理手段11は、所定時間毎に閲覧対象部位を特定して閲覧履歴情報11bを生成するように構成している。閲覧操作は断続的に行われるため、このように所定時間毎にログを取ることで、閲覧履歴情報11bを過不足なく蓄積することができる。
【0057】
また閲覧履歴管理手段11は、閲覧履歴情報11bに閲覧頻度Hを含め、表示手段12は、閲覧履歴表記23bに、閲覧された事を示す表記Mと、閲覧頻度Hに応じた表記である色とを含むため、重点的に閲覧した箇所等を把握し易くすることができる。
【0058】
特に閲覧履歴表記23bは、閲覧頻度Hに応じて寒暖を変化させるヒートマップ表記としているため、寒暖表記によって閲覧頻度Hの過多を適切に可視化することができる。
【0059】
また表示手段12が表示する画面は、記憶部11から読み出された電子文書11aの画像23aを表示する画像レイヤーLy1と、閲覧履歴情報11bを表示する閲覧履歴レイヤーLy2とから構成される。このため、元画像を加工せずに済み、画像23aと閲覧履歴表記23bとを重畳した画面を簡単、適切に生成することができ、閲覧履歴表記23bのリセットも容易に可能となる。
【0060】
そして、閲覧支援プログラムPrがコンピュータ2に読み込まれることにより、コンピュータ2を、電子文書11aを保持する記憶部11a、記憶部11aに保持されている電子文書11aを読み出してタッチ画面23上に画像23aとして表示する表示手段12、タッチ画面23上の画像23aに対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付手段13、閲覧操作に基づき画像23aに対する閲覧対象部位を特定してその座標(X、Y)を電子文書11aと関連づけて閲覧履歴情報11bを生成する閲覧履歴管理手段14として機能させるように当該閲覧支援プログラムPrを構成し、表示手段12に、タッチ画面23上に表示する画像23aに閲覧履歴情報11bを有する閲覧対象部位{座標(X、Y)}が含まれる場合に閲覧対象部位に閲覧履歴情報11bに基づき閲覧履歴表記23bを重畳して表示させるようにしているので、適時適所にて閲覧支援システム1を構築することができる。
【0061】
特に、このような閲覧支援プログラムPrをスマートフォン2に読み込んでおけば、ノートの撮影、画像化に始まり閲覧しながら学習する一連の利用に適切に対応することができる。
【0062】
また、電子文書を保持するとともに、読み出し要求に応じその一部を読み出して画面上に画像として表示して閲覧に供するステップ(S1、S2)を有する閲覧支援方法において、画面上の画像に対して閲覧操作を受け付ける閲覧操作受付ステップ(S3)と、閲覧操作に基づき画像に対する閲覧対象部位を特定してその座標を電子文書と関連づけて閲覧履歴情報を生成するステップ(Sa、Sb)と、画面上に表示する画像に閲覧履歴情報を有する閲覧対象部位が含まれる場合に閲覧対象部位に閲覧履歴情報に基づき閲覧履歴表記を表示するステップ(S2、S4)と、を含む閲覧支援方法であれば、上記閲覧支援システム1の機能要素の如何、或いはプログラムの具体的な手順のいかんによらず、これらと基本的に同様の効果を得ることができる。
【0063】
なお、上記実施形態では閲覧操作をスライド操作を含む拡大操作として説明したが、画面をなぞる操作等を閲覧操作とすることもできる。
【0064】
また、上記実施形態では閲覧された事を示す表記を塗りつぶしの円で表示したが、四角や三角、星型などの他の図形や、記号、ドットその他の表記を用いてもよい。
【0065】
また、上記実施形態では経過頻度Hを表記の色で表現したが、円の大きさを変えるなど表記の大きさで表現してもよい。
【0066】
また、上記実施形態では画像の中心を閲覧対象部位としたが、画像の中心以外の所定箇所を閲覧対象部位となるように設定しても構わない。
【0067】
また、上記実施形態は情報端末としてスマートフォン2xで利用する場合について説明したが、タブレット等の携帯端末でもよく、それ以外の情報端末でも構わない。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、閲覧対象部位を特定するための具体的な態様や閲覧履歴表記をするための具体的な態様等を始め、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0069】
1…閲覧支援システム
11…記憶部
11a…電子文書
11b…閲覧履歴情報
12…表示手段
13…閲覧操作受付手段
14…閲覧履歴管理手段
23…画面(タッチ画面)
23a…画像
23b…閲覧履歴表記
Dt…データ(画像データ)
H…閲覧頻度
Ly1…画像レイヤー
Ly2…閲覧履歴レイヤー
M…閲覧されたことを示す表記
Pr…プログラム(閲覧履歴プログラム)
(X、Y)…閲覧対象部位(座標)

図1
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