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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066559
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】段ボールケーサー
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20230509BHJP
   B65G 47/24 20060101ALI20230509BHJP
   B65G 17/36 20060101ALI20230509BHJP
   B65B 5/08 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B65G47/24 E
B65G47/24 A
B65G17/36 A
B65B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177216
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】503282194
【氏名又は名称】東京施設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 文雄
【テーマコード(参考)】
3E003
3F034
3F072
3F081
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BA02
3E003BA06
3E003BA07
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD04
3E003BE01
3E003CB01
3E003DA05
3F034LA03
3F034LB01
3F072AA09
3F072GA10
3F072GD01
3F072JA06
3F072KA01
3F072KD23
3F081AA20
3F081BE04
3F081BE08
3F081CA31
3F081CC06
3F081CC08
3F081CE02
3F081DA01
3F081EA09
3F081EA10
(57)【要約】
【課題】大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供する。
【解決手段】段ボールケーサー4は、第1~第3搬送経路16,18,20をそれぞれ有する第1~第3製品コンベヤ8,10,12と、第4及び第5搬送経路30,46をそれぞれ有する第1及び第2箱コンベヤ24,26と、第3搬送経路20においてバケット22に載置された製品Pを保持し、第4搬送経路30における段ボール箱Bに箱詰めするロボット42とを備え、第1製品コンベヤ8と第2製品コンベヤ10との間に設けられ、第1搬送経路16を搬送された製品Pを受け取って、第1搬送経路16の搬送方向における製品Pの向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、方向転換動作後の製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する方向転換装置56をさらに備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入された製品を第1搬送経路において搬送する第1製品コンベヤと、
前記第1搬送経路を搬送された前記製品を前記第1搬送経路と直交する第2搬送経路において搬送する第2製品コンベヤと、
前記第2搬送経路を搬送された前記製品をバケットにて受け取って、前記第2搬送経路と直交し、且つ前記第1搬送経路と平行に延びる第3搬送経路において、前記バケットとともに前記製品を搬送する第3製品コンベヤと、
前記第1搬送経路への製品の搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱を受け取って、前記第2搬送経路の下側に位置し、且つ前記第1搬送経路と平行に延びる第4搬送経路において、前記段ボール箱を搬送する第1箱コンベヤと、
前記第4搬送経路を搬送された前記段ボール箱を受け取って、前記第3搬送経路の下側に位置し、且つ前記第4搬送経路に隣接しつつ前記第4搬送経路と平行に延びる第5搬送経路において、前記段ボール箱を搬送する第2箱コンベヤと、
前記第3搬送経路において前記バケットに載置された前記製品を保持し、前記第4搬送経路における前記段ボール箱に箱詰めするロボットと
を備え、
前記第1製品コンベヤと前記第2製品コンベヤとの間に設けられ、前記第1搬送経路を搬送された前記製品を受け取って、前記第1搬送経路の搬送方向における前記製品の向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、前記方向転換動作後の前記製品を前記第2搬送経路に向けて搬送する方向転換装置をさらに備える、段ボールケーサー。
【請求項2】
前記方向転換装置は、
前記第1搬送経路と直交し、且つ前記第1搬送経路の終端に隣接する隣接経路において、前記製品を搬送する隣接コンベヤと、
前記隣接経路に隣接しつつ前記隣接経路と平行に延び、且つ前記第1搬送経路の終端と前記隣接経路を隔てて離間する離間経路において、前記製品を搬送する離間コンベヤと、
前記第1搬送経路から前記隣接経路及び前記離間経路への前記製品の搬送を検出するセンサと、
前記隣接コンベヤ、前記離間コンベヤ、及び前記センサが電気的に接続される制御ユニットと
を備え、
前記離間コンベヤは、第1モータにより駆動され、前記隣接コンベヤは、第2モータにより駆動され、
前記制御ユニットは、前記第1モータを駆動しつつ、前記センサの検出信号を受信したとき、前記第2モータを駆動制御することにより、前記製品の前記方向転換動作を行う、請求項1に記載の段ボールケーサー。
【請求項3】
前記第1モータは、前記製品を前記第2搬送経路に向けて搬送する正回転駆動が可能であり、且つ回転速度の制御が可能であり、
前記第2モータは、前記正回転駆動と、前記製品を前記第2搬送経路に向かう方向と逆方向に向けて搬送する逆回転駆動との双方が可能であり、且つ回転速度の制御が可能であり、
前記制御ユニットは、前記第1モータを所定の第1回転速度で前記正回転駆動しつつ、前記センサの検出信号を受信したとき、前記第2モータを所定の第1駆動時間の間、所定の第2回転速度で前記逆回転駆動した後、さらに前記第2モータを前記逆回転駆動から前記正回転駆動に切り替えて、所定の第2駆動時間の間、所定の第3回転速度で前記正回転駆動する、請求項2に記載の段ボールケーサー。
【請求項4】
前記第3回転速度は前記第1回転速度と等しい、請求項3に記載の段ボールケーサー。
【請求項5】
前記第1モータはインバータモータであって、前記第2モータはサーボモータである、請求項2から4の何れか一項に記載の段ボールケーサー。
【請求項6】
前記第1モータ及び前記第2モータは、前記製品を前記第2搬送経路に向けて搬送する正回転駆動が可能であり、且つ回転速度の制御が可能であり、
前記制御ユニットは、前記第1モータを所定の第1回転速度で前記正回転駆動しつつ、前記センサの検出信号を受信したとき、前記第2モータを所定の第3駆動時間の間、所定の第4回転速度で前記正回転駆動した後、さらに前記第2モータを所定の第4駆動時間の間、所定の第5回転速度で前記正回転駆動する、請求項2に記載の段ボールケーサー。
【請求項7】
前記第4回転速度は前記第1回転速度よりも小さく、前記第5回転速度は前記第1回転速度と等しい、請求項6に記載の段ボールケーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールケーサーに関し、詳しくは、袋詰めなどされた製品を段ボール箱に箱詰めする段ボールケーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
袋詰めなどされた製品を段ボール箱に箱詰めする段ボールケーサーが知られている。段ボールケーサーは、段ボールシートを段ボール箱に成形する製函機と、製品が箱詰めされた段ボール箱にテープを貼り付けるなどして封をする封函機とを組み合わせて用いられる。
【0003】
特許文献1には、搬送コンベヤの一方のコンベヤ列を第1の搬送速度で制御し、搬送コンベヤの他方のコンベヤ列を第1の搬送速度と異なる第2の搬送速度で制御し、各コンベヤ列の速度差によって、物品を方向転換させながら搬送する方向転換装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-67863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方向転換装置は、直線状に延設される1つのコンベヤの搬送経路を製品が搬送される過程において、搬送方向における製品の向きを方向転換する。このため、方向転換のためにコンベヤの搬送経路を長距離確保する必要があり、また、方向転換に時間を要する。従って、装置が大型化するとともに、大量の製品を搬送して段ボール箱に箱詰めする処理を高速で行うのは困難である。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するべく、一態様に係る段ボールケーサーは、搬入された製品を第1搬送経路において搬送する第1製品コンベヤと、第1搬送経路を搬送された製品を第1搬送経路と直交する第2搬送経路において搬送する第2製品コンベヤと、第2搬送経路を搬送された製品をバケットにて受け取って、第2搬送経路と直交し、且つ第1搬送経路と平行に延びる第3搬送経路において、バケットとともに製品を搬送する第3製品コンベヤと、第1搬送経路への製品の搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱を受け取って、第2搬送経路の下側に位置し、且つ第1搬送経路と平行に延びる第4搬送経路において、段ボール箱を搬送する第1箱コンベヤと、第4搬送経路を搬送された段ボール箱を受け取って、第3搬送経路の下側に位置し、且つ第4搬送経路に隣接しつつ第4搬送経路と平行に延びる第5搬送経路において、段ボール箱を搬送する第2箱コンベヤと、第3搬送経路においてバケットに載置された製品を保持し、第4搬送経路における段ボール箱に箱詰めするロボットとを備え、第1製品コンベヤと第2製品コンベヤとの間に設けられ、第1搬送経路を搬送された製品を受け取って、第1搬送経路の搬送方向における製品の向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、方向転換動作後の製品を第2搬送経路に向けて搬送する方向転換装置をさらに備える。
【発明の効果】
【0008】
大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】製函機、段ボールケーサー、及び封函機を連結した連結一体ユニットの斜視図である。
図2】段ボールケーサーの斜視図である。
図3】段ボールケーサーの上面図である。
図4】段ボール箱搬送ラインの上面図である。
図5】第1製品コンベヤ、第2製品コンベヤ、及び方向転換装置の斜視図である。
図6図5の上面図である。
図7】第1及び第2モータの第1実施形態に係る回転駆動制御を時系列的に示す図である。
図8】製品の第1実施形態に係る方向転換動作を模式的に示す上面図である。
図9】第1及び第2モータの第2実施形態に係る回転駆動制御を時系列的に示す図である。
図10】製品の第2実施形態に係る方向転換動作を模式的に示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6を連結した連結一体ユニット1の斜視図を示す。製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6はそれぞれユニット化され、これらのユニットがこれらの順に連結された連結一体ユニット1を形成する。なお、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6をそれぞれユニット2,4,6と称することがある。また、以降の説明において、方向性及び角度に関する平行、直交、直角などの記載は、実質的なものであり、厳密なものではない。
【0011】
製函機2は、搬入された段ボールシートを段ボール箱に成形する。段ボールケーサー4は、袋詰めなどされて搬入された製品を製函機2から搬入された段ボール箱に箱詰めする。封函機6は、段ボールケーサー4から搬入された製品箱詰め済みの段ボール箱にテープを貼り付けるなどして封をする。製函機2における段ボールシートの全体としての搬送方向と、段ボールケーサー4及び封函機6における段ボール箱の搬送方向とは、全体として同一方向である。
【0012】
また、段ボールケーサー4における製品の搬送方向は、全体として段ボール箱の搬送方向と同一方向である。すなわち、各ユニット2,4,6及び連結一体ユニット1における製品及び段ボール箱の全体としての搬送方向は同一となる。また、各ユニット2,4,6を接続するためのブラケット等の接続部材を不要とすることができる。
【0013】
このように、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6をそれぞれユニット化し、各ユニット2,4,6における製品や段ボール箱の搬送方向が全体として同一方向となるように連結した連結一体ユニット1を形成することにより、各ユニット2,4,6及び連結一体ユニット1のコンパクト化を実現することができる。
【0014】
ここで、段ボールケーサー4は、製品と段ボール箱との双方の搬送が行われるため、これらの搬送経路が複雑になる傾向があり、また、設置面積も大きくなる傾向がある。しかし、本実施形態の段ボールケーサー4では、製品及び段ボール箱の双方を製函機2側となる同一方向から搬入し、製品箱詰め済みの段ボールを封函機6に搬出する。また、以降において説明するが、各コンベヤを集約配置し、さらに、後述する製品の方向転換装置を設置することにより、極力小さな設置面積の段ボールケーサー4を実現している。また、製品及び段ボール箱の搬送経路の距離が短くなり、大量の製品を高速処理することができる。
【0015】
図2は、段ボールケーサー4の斜視図を示し、図3は、段ボールケーサー4の上面図を示す。段ボールケーサー4は、第1製品コンベヤ8、第2製品コンベヤ10、及び第3製品コンベヤ12を備えている。これらのコンベヤ8,10,12は、例えばベルトコンベヤであり、製品搬送ライン14を構成する。製品搬送ライン14における製品Pの搬送方向は、黒塗りの矢印で示される。第1製品コンベヤ8は、段ボールケーサー4の製函機2の側から投入された製品Pを第1搬送経路16において搬送する。
【0016】
第1搬送経路16は、各ユニット2,4,6の連結方向Xと平行に延設される。第2製品コンベヤ10は、第1搬送経路16を搬送された製品Pを第1搬送経路16と直交する第2搬送経路18において搬送する。第3製品コンベヤ12は、第2搬送経路18を搬送された製品Pをそれぞれバケット22にて受け取って、第3搬送経路20において、バケット22とともに製品Pを搬送する。第3搬送経路20は、第2搬送経路18と直交し、且つ第1搬送経路16と平行に延びる。
【0017】
また、段ボールケーサー4は、第1箱コンベヤ24及び第2箱コンベヤ26を備えている。第1箱コンベヤ24は、例えばベルトコンベヤであり、第2箱コンベヤ26は、例えばローラコンベヤであり、これらのコンベヤ24,26は段ボール箱搬送ライン28を構成する。段ボール箱搬送ライン28は、製品搬送ライン14の下側に形成され、搬送ラインの2段構造が構築される。段ボール箱搬送ライン28における段ボール箱Bの搬送方向は、白抜きの矢印で示される。
【0018】
第1箱コンベヤ24は、製函機2から搬入される段ボール箱B、すなわち、第1搬送経路16への製品Pの搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱Bを受け取って、第4搬送経路30において搬送する。第4搬送経路30は、第2搬送経路18の下側に位置し、且つ第1搬送経路と平行に延びる。より詳しくは、第4搬送経路30には、段ボール箱Bの位置決め装置32、及び受け取り装置34が設けられている。
【0019】
図4は、段ボール箱搬送ライン28の上面図を示す。位置決め装置32は、例えば2つ設けられ、それぞれ段ボール箱Bを保持するとともに第4搬送経路30を搬送される各段ボール箱Bを第4搬送経路30の幅方向中央に位置決めする。また、各位置決め装置32は、段ボール箱Bの向きを必要に応じて直角に方向転換可能であり、保持した段ボール箱Bとともに第4搬送経路30を搬送される。
【0020】
受け取り装置34は、各位置決め装置32とともに搬送されてきた2つの段ボール箱Bを受け取る。具体的には、受け取り装置34は、2つの受け取りプレート36と、各受け取りプレート36にそれぞれ接続されたシリンダ38とを備える。各受け取りプレート36の上面には、それぞれ吸着パッド40が配置されている。先ず、段ボール箱Bを保持した位置決め装置32は、第4搬送経路30の所定位置に搬送される。
【0021】
次に、シリンダ38を駆動することにより、受け取りプレート36が位置決め装置32の下側に移動するとともに上昇し、段ボール箱Bは受け取りプレート36の上面に載置される。次に、段ボール箱Bの底部が受け取りプレート36の吸着パッド40に吸着され、段ボール箱Bが受け取りプレート36に保持される。次に、位置決め装置32は、段ボール箱Bの保持を解除した後、下方に退避し、製函機2から搬入される段ボール箱Bを受け取り可能な位置に移動する。
【0022】
一方、図2及び図3に示すように、段ボールケーサー4は、例えば6軸の垂直多関節型の構造を有するロボット42を備えている。ロボット42は、第4搬送経路30の上側において天井からブラケット44を介して吊り下げられている。ロボット42は、ハンド及びアームを備え、第3搬送経路20においてバケット22に載置された製品Pをハンドでピッキングして保持する。次に、ロボット42は、アームの動作によって、ハンドで保持した製品Pを第4搬送経路30における段ボール箱Bに移動して箱詰めする。ロボット42による製品Pの箱詰め動作は、段ボール箱Bに所定数の製品Pが箱詰めされるまで行われる。
【0023】
第2箱コンベヤ26は、第4搬送経路30において製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bを受け取って、第5搬送経路46において搬送する。図2及び図3に示すように、第5搬送経路46は、第3搬送経路20の下側に位置し、且つ第4搬送経路30に隣接しつつ第4搬送経路30と平行に延びる。より詳しくは、図4にも示すように、第5搬送経路46には、段ボール箱Bの引込装置48、及び方向転換装置50が設けられている。
【0024】
引込装置48は、第5搬送経路46の幅方向の側端に設けられ、第4搬送経路30で製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bを保持して第5搬送経路46に引き込んで移動させる。具体的には、引込装置48は、2つの引込プレート52と、各引込プレート52にそれぞれ接続されたシリンダ54とを備える。各引込プレート52の先端には、それぞれ吸着パッド55が配置されている。
【0025】
先ず、各シリンダ54を駆動することにより、各引込プレート52は第5搬送経路46を横断する方向に伸張し、第4搬送経路30で製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bの側部に当接する。次に、段ボール箱Bの側部が各引込プレート52の各吸着パッド55により吸着され、各引込プレート52に保持される。次に、受け取り装置34による段ボール箱Bの保持を解除した後、各シリンダ54を駆動して段ボール箱Bを第5搬送経路46に引き込んで移動させる。これにより、段ボール箱Bは、第5搬送経路46の幅方向中央に位置付けられる。
【0026】
引込装置48により第4搬送経路30から第5搬送経路46に移動した段ボール箱Bは、各吸着パッド55による保持が解除され、第5搬送経路46を搬送される過程において、方向転換装置50の上を通過する。方向転換装置50は、段ボール箱Bの向きを必要に応じて直角に方向転換可能である。そして、製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bは、第5搬送経路46を搬送されて封函機6に向けて搬出される。
【0027】
図5は、第1製品コンベヤ8、第2製品コンベヤ10、及び製品Pの方向転換装置56の斜視図を示し、図6は、図5の上面図を示す。段ボールケーサー4には、第1製品コンベヤ8と第2製品コンベヤ10との間に製品Pの方向転換装置56が設けられている。方向転換装置56は、第1搬送経路16を搬送された製品Pを受け取って、第1搬送経路16の搬送方向における製品Pの向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、方向転換動作後の製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する。
【0028】
より詳しくは、方向転換装置56は、隣接コンベヤ58、離間コンベヤ60、センサ62、及び制御ユニット64(図6参照)を備えている。隣接コンベヤ58は、第1搬送経路16と直交し、且つ第1搬送経路16の終端に隣接する隣接経路66において製品を搬送する。離間コンベヤ60は、隣接経路66に隣接しつつ隣接経路66と平行に延び、且つ第1搬送経路16の終端と隣接経路66を隔てて離間する離間経路68において、製品Pを搬送する。
【0029】
センサ62は、光学センサであって、第1搬送経路16から隣接経路66及び離間経路68への製品Pの搬送を検出する。隣接コンベヤ58、離間コンベヤ60、及びセンサ62は、制御ユニット64に電気的に接続されている。離間コンベヤ60は、第1モータ70により駆動され、隣接コンベヤ58は、第2モータ72により駆動される(図6参照)。制御ユニット64は、第1及び第2モータ70,72を駆動することにより、製品Pの方向転換動作を行う。
【0030】
離間コンベヤ60を駆動する第1モータ70は、インバータモータであって、製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する正回転駆動が可能であり、且つ回転速度の制御が可能である。隣接コンベヤ58を駆動する第2モータ72は、サーボモータであって、製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する正回転駆動と、製品Pを第2搬送経路18に向かう方向と逆方向に向けて搬送する逆回転駆動との双方が可能であり、且つ回転速度の制御が可能である。
【0031】
また、離間コンベヤ60の直上には、製品Pの受けガイド74が配置されている。受けガイド74は、第1搬送経路16から搬出された勢いで離間経路68から製品Pが飛び出さないように規制する。また、受けガイド74に第1搬送経路16から搬出された勢いで製品Pが衝突して落下することにより、製品Pが隣接経路66及び離間経路68の双方に同時に接触する。これにより、後述する製品Pの方向転換動作が円滑に行われる。
【0032】
<第1実施形態>
図7は、第1及び第2モータ70,72の第1実施形態に係る回転駆動制御を時系列的に示す。図8は、製品Pの第1実施形態に係る方向転換動作を模式的に上面図で示す。図7に示すように、段ボールケーサー4の稼働に伴い、第1モータ70は連続的に所定の第1回転速度r1で正回転駆動する。
【0033】
これにより、図8に示すように、第1搬送経路16から搬出された勢いで離間経路68に到達した製品Pの前部P1は、第1回転速度r1に対応する所定の搬送速度v1で、矢印で示すように第2搬送経路に向かう方向に回動する。併せて、図7に示すように、制御ユニット64は、センサ62の検出信号Sを受信したとき、第2モータ72を起動して、第2モータ72を所定の第1駆動時間t1の間、所定の第2回転速度r2で逆回転駆動する。
【0034】
これにより、図8に示すように、第1搬送経路16から搬出された勢いで隣接経路66に到達した製品Pの後部P2は、第1駆動時間t1の間に、第2回転速度r2に対応する所定の搬送速度v2で、矢印で示すように第2搬送経路18に向かう方向と逆方向に向けて回動する。
【0035】
すなわち、方向転換装置56に到達した製品Pは、製品Pの前部P1が第2搬送経路18に向かう方向に回動される一方、製品Pの後部P2が第2搬送経路18に向かう方向と逆方向に半ば強制的に引き戻される形で回動される。これにより、製品Pの全体が上から見て時計回りに瞬時に回動し、製品Pの方向転換動作が円滑に且つ迅速に行われる。図8に示すように、製品Pの前部P1は、方向転換動作後においても第2搬送経路18に向う方向に維持される。
【0036】
駆動時間t1及び各回転速度r1、r2は、製品Pの大きさ及び重量などに応じて設定されるが、製品Pの回動し過ぎによって製品Pの前部P1が第2搬送経路18に向かわない、すなわち傾いた姿勢とならない範囲で設定される。また、製品Pの高速処理を実現するためには、第1駆動時間t1は、第2駆動時間t2に比べて短い時間に設定するのが好ましい。
【0037】
製品Pの方向転換動作が行われた後、図7に示すように、第1モータ70は、段ボールケーサー4の稼働を停止するまで、第1回転速度r1で継続して正回転駆動する。一方、製品Pの方向転換動作が行われた後、第2モータ72は、逆回転駆動から正回転駆動に切り替えられ、所定の第2駆動時間t2の間、所定の第3回転速度で正回転駆動する。第3回転速度r3は第1回転速度r1と等しい。これにより、方向転換動作後において、図8に示すように、製品Pは、前部P1が第2搬送経路18に向かう側に維持された状態で、隣接経路66及び離間経路68を第1回転速度r1及び第3回転速度r3に対応する搬送速度v1で搬送され、第2搬送経路18に受け渡される。
【0038】
製品搬送ライン14における方向転換動作は、センサ62の検出信号が受信される度に行われる。このような一連の処理が製品搬送ライン14において繰り返し行われることにより、第1搬送経路16を搬送される大量の製品Pが方向転換装置56を通過して第2搬送経路18、第3搬送経路20に順次高速で搬送される。第3搬送経路20においてバケット22に載置された製品Pは、ロボット42が作動することにより、第4搬送経路30において段ボール箱Bに順次箱詰めされる。
【0039】
以上のように、本実施形態の段ボールケーサー4は、第1~第3搬送経路16,18,20をそれぞれ有する第1~第3製品コンベヤ8,10,12により製品搬送ライン14を形成し、第4及び第5搬送経路30,46をそれぞれ有する第1及び第2箱コンベヤ24,26により段ボール箱搬送ライン28を形成する。製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28の始端は連結方向Xにおいて製函機2側であり、また、製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28の終端は連結方向Xにおいて封函機6側である。
【0040】
また、製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28は、直線状の搬送経路を必要最低限の数だけ集約した2段構造を構築する。さらに、第1製品コンベヤ8と第2製品コンベヤ10との間に製品Pの方向転換装置56が設けられている。方向転換装置56は、第1搬送経路16を搬送された製品Pを受け取って、第1搬送経路16の搬送方向における製品Pの向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、方向転換動作後の製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する。
【0041】
これらの特徴により、段ボールケーサー4の設置面積を極力小さくすることができるとともに、製品P及び段ボール箱Bの搬送経路の距離を極力短くすることができるため、大量の製品Pを高速で搬送して箱詰めすることができる。従って、大量の製品Pを高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサー4を提供することができる。
【0042】
より詳しくは、方向転換装置56は、隣接コンベヤ58、離間コンベヤ60、センサ62、及び制御ユニット64を備える。離間コンベヤ60は、第1モータ70により駆動され、隣接コンベヤ58は、第2モータ72により駆動され、制御ユニット64は、センサ62の検出信号を受信したとき、第2モータ72を駆動制御することにより、製品Pの方向転換動作を行う。
【0043】
第1モータ70は、インバータモータであって、正回転駆動が可能であり、且つ回転速度の制御が可能である。第2モータ72は、サーボモータであって、正回転駆動及び逆回転駆動が可能であり、且つ回転速度の制御が可能である。制御ユニット64は、第1モータ70を第1回転速度r1で正回転駆動しつつ、センサ62の検出信号を受信したとき、第2モータ72を第1駆動時間t1の間、第2回転速度r2で逆回転駆動した後、さらに第2モータ72を逆回転駆動から正回転駆動に切り替えて、第2駆動時間t2の間、第3回転速度r3で正回転駆動する。
【0044】
このような第2モータ72の回転駆動制御を行うことにより、方向転換装置56に到達した製品Pは、製品Pの前部P1が第2搬送経路18に向かう方向に回動される一方、製品Pの後部P2が第2搬送経路18に向かう方向と逆方向に引き戻される形に回動される。従って、製品Pの前部P1が上から見て時計回りに瞬時に回動し、製品Pの方向転換動作を円滑に且つ確実に行うことができる。
【0045】
また、第3回転速度r3は第1回転速度r1と等しい。これにより、方向転換動作後において、製品Pは、前部P1が第2搬送経路18に向かう側に維持された状態で、隣接経路66及び離間経路68を搬送速度v1で搬送され、第2搬送経路18に受け渡される。従って、製品Pの方向転換動作後の向きが維持され、製品Pの搬送を円滑に且つ確実に行うことができる。
【0046】
また、離間コンベヤ60を駆動する第1モータ70は、インバータモータであって、隣接コンベヤ58を駆動する第2モータ72は、サーボモータである。第1モータ70をインバータモータとしたことにより、方向転換装置56のコストを低減することができる。また、第2モータ72をインバータモータよりも高性能であるサーボモータとしたことにより、逆回転駆動を伴う強制的な方向転換動作を瞬時に且つ高精度に行うことができる。従って、製品Pの方向転換動作をより一層円滑に且つ確実に行うことができる。
【0047】
<第2実施形態>
図9は、第1及び第2モータ70,72の第2実施形態に係る回転駆動制御を時系列的に示す。図10は、製品Pの第2実施形態に係る方向転換動作を模式的に上面図で示す。図9に示すように、段ボールケーサー4の稼働に伴い、第1モータ70は、第1実施形態の場合と同様に、連続的に第1回転速度r1で正回転駆動する。
【0048】
これにより、図10に示すように、第1搬送経路16から搬出された勢いで離間経路68に到達した製品Pの前部P1は、第1回転速度r1に対応する搬送速度v1で、矢印で示すように第2搬送経路に向かう方向に回動する。併せて、図9に示すように、制御ユニット64は、センサ62の検出信号を受信したとき、第2モータ72を起動して、第2モータ72を所定の第3駆動時間t3の間、所定の第4回転速度r4で正回転駆動する。
【0049】
第4回転速度r4は第1回転速度r1よりも小さく設定される。これにより、図10に示すように、第1搬送経路16から搬出された勢いで隣接経路66に到達した製品Pの後部P2は、第3駆動時間t3の間に、第4回転速度r4に対応する所定の搬送速度v4で、矢印で示すように第2搬送経路18に向かう方向に若干移動する。
【0050】
すなわち、方向転換装置56に到達した製品Pは、製品Pの前部P1は第2搬送経路18に向かう方向に回動される一方、製品Pの後部P2が第2搬送経路18に向かう方向に若干移動される。しかし、第4回転速度r4と第1回転速度r1との回転速度差によって、製品Pの後部P2は前部P1から見て相対的に搬送停止に近い状態となる。これにより、製品Pの全体が上から見て時計回りに瞬時に回動し、製品Pの方向転換動作が円滑に且つ迅速に行われる。製品Pの前部P1は、方向転換動作後においても第2搬送経路18に向う方向に維持される。
【0051】
駆動時間t3及び各回転速度r1、r4は、製品Pの大きさ及び重量などに応じて設定されるが、製品Pの回動し過ぎによって製品Pの前部P1が第2搬送経路18に向かわない、すなわち傾いた姿勢とならない範囲で設定される。また、製品Pの高速処理を実現するためには、第3駆動時間t3は、第4駆動時間t4に比べて短い時間に設定するのが好ましい。
【0052】
製品Pの方向転換動作が行われた後、図9に示すように、第1モータ70は、段ボールケーサー4の稼働を停止するまで、第1回転速度r1で継続して正回転駆動する。一方、製品Pの方向転換動作が行われた後、第2モータ72は、回転数を変更し、所定の第4駆動時間t4の間、所定の第5回転速度r5で継続して正回転駆動する。第5回転速度r5は第1回転速度r1と等しい。これにより、方向転換動作後において、図10に示すように、製品Pは、前部P1が第2搬送経路18に向かう側に維持された状態で、隣接経路66及び離間経路68を第1回転速度r1及び第5回転速度r5に対応する搬送速度v1で搬送され、第2搬送経路18に受け渡される。
【0053】
製品搬送ライン14における方向転換動作は、第1実施形態の場合と同様に、センサ62の検出信号が受信される度に行われ、第1搬送経路16を搬送される大量の製品が方向転換装置56を通過して第2搬送経路18、第3搬送経路20に順次高速で搬送される。第3搬送経路においてバケット22に載置された製品Pは、ロボット42が作動することにより、第4搬送経路30において段ボール箱Bに順次箱詰めされる。
【0054】
以上のように、本実施形態の段ボールケーサー4は、第1実施形態の場合と同様に、コンパクト化を実現しつつ、大量の製品Pを高速処理することができる。特に本実施形態の場合、制御ユニット64は、第1モータ70を第1回転速度r1で正回転駆動しつつ、センサ62の検出信号を受信したとき、第2モータ72を第3駆動時間t3の間、第4回転速度r4で正回転駆動した後、さらに第2モータ72を第4駆動時間t4の間、第5回転速度r5で正回転駆動する。
【0055】
これにより、方向転換装置56に到達した製品Pは、製品Pの前部P1及び後部P2ともに第2搬送経路18に向かう方向に回動又は搬送されるものの、第4回転速度r4と第1回転速度r1との回転速度差によって、製品Pの前部P1が上から見て時計回りに瞬時に回動する。従って、第1実施形態の場合に比して、より一層簡素な制御で、且つ正逆回転駆動の切り替えのタイムラグなく、製品Pの方向転換動作を行うことができる。
【0056】
また、第4回転速度r4は第1回転速度r1よりも小さい。これにより、第4回転速度r4と第1回転速度r1との回転速度差が生じ、この回転速度差によって、製品Pの後部P2は前部P1から見て相対的に搬送停止に近い状態とし、方向転換動作を円滑に行うことができる。
【0057】
また、第5回転速度r5は第1回転速度r1と等しい。これにより、本実施形態の場合の方向転換動作後において、製品Pは、前部P1が第2搬送経路18に向かう側に維持された状態で、隣接経路66及び離間経路68を搬送速度v1で搬送され、第2搬送経路18に受け渡される。従って、製品Pの方向転換動作後の向きが維持され、製品Pの搬送を円滑に且つ確実に行うことができる。
【0058】
また、離間コンベヤ60を駆動する第1モータ70はインバータモータであり、隣接コンベヤ58を駆動する第2モータ72はサーボモータであるが、本実施形態の場合、第2モータ72は正回転駆動しか行わない。従って、第2モータ72をインバータモータとすることも可能であり、これにより、方向転換装置56のコストをより一層低減することができる。
【0059】
以上で本発明の各実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。例えば、第1実施形態においては、離間コンベヤ60を第1モータ70により正回転駆動し、隣接コンベヤ58を第2モータ72により逆回転駆動することにより、第1搬送経路16から搬送される製品Pの前部P1を前方に維持した方向転換動作を実現する。
【0060】
これにより、段ボール箱Bに製品Pを箱詰めする段階において、搬送当初の製品Pの向きが維持されるため、段ボールケーサー4において製品Pのより一層の高速処理が可能となる。しかし、これに限らず、離間コンベヤ60をサーボモータである第2モータ72により正逆回転駆動し、隣接コンベヤ58をインバータモータである第1モータ70より正回転駆動する構成としても良い。この場合には、方向転換動作の際、第1搬送経路16から搬送される製品Pの後部P2を前方に方向転換させる制御を行うことが可能である。このような制御を行うことにより、製品Pの後部P2を前方にした向きで段ボール箱Bに箱詰めすることができる。
【0061】
また、上記各実施形態では、第1モータ70は正回転駆動が可能なインバータモータであり、第2モータ72は正逆回転駆動が可能なサーボモータである。しかし、これに限らず、各実施形態の場合において、第1モータ70をサーボモータとしても良い。また、第2実施形態の場合には、第2モータ72の逆回転駆動を行わないため、第2モータ72をインバータモータとしても良い。
【符号の説明】
【0062】
4 段ボールケーサー
8 第1製品コンベヤ
10 第2製品コンベヤ
12 第3製品コンベヤ
16 第1搬送経路
18 第2搬送経路
20 第3搬送経路
22 バケット
24 第1箱コンベヤ
26 第2箱コンベヤ
30 第4搬送経路
42 ロボット
46 第5搬送経路
56 方向転換装置
58 隣接コンベヤ
60 離間コンベヤ
62 センサ
64 制御ユニット
66 隣接経路
68 離間経路
70 第1モータ(インバータモータ)
72 第2モータ(サーボモータ)
B 段ボール箱
P 製品
r1 第1回転速度
r2 第2回転速度
r3 第3回転速度
r4 第4回転速度
r5 第5回転速度
t1 第1駆動時間
t2 第2駆動時間
t3 第3駆動時間
t4 第4駆動時間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10