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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066560
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】段ボールケーサー
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/90 20060101AFI20230509BHJP
   B65G 47/29 20060101ALI20230509BHJP
   B65B 5/08 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65G47/90 A
B65G47/29 C
B65B5/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177217
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】503282194
【氏名又は名称】東京施設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】弁理士法人相原国際知財事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 文雄
【テーマコード(参考)】
3E003
3F072
3F081
【Fターム(参考)】
3E003AA01
3E003AB05
3E003BA02
3E003BA06
3E003BA07
3E003BB02
3E003BC01
3E003BD04
3E003BE01
3E003CB01
3E003DA05
3F072AA09
3F072GD01
3F072JA06
3F072KA01
3F072KD23
3F081AA20
3F081BE04
3F081BE08
3F081CA05
3F081CA47
3F081CC06
3F081CC08
3F081CE02
(57)【要約】
【課題】大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供する。
【解決手段】段ボールケーサー4は、第1~第3搬送経路16,18,20をそれぞれ有する第1~第3製品コンベヤ8,10,12と、第4及び第5搬送経路30,46をそれぞれ有する第1及び第2箱コンベヤ24,26と、第3搬送経路20においてバケット22に載置された製品Pを保持し、第4搬送経路30における段ボール箱Bに箱詰めするロボット42とを備え、第1箱コンベヤ24は、第4搬送経路30に搬入される段ボール箱Bを保持するとともに位置決めし、第4搬送経路30の搬送方向Xにおける段ボール箱Bの向きを直角に方向転換する方向転換動作が可能であり、段ボール箱Bとともに第4搬送経路30を搬送される位置決め装置32を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬入された製品を第1搬送経路において搬送する第1製品コンベヤと、
前記第1搬送経路を搬送された前記製品を前記第1搬送経路と直交する第2搬送経路において搬送する第2製品コンベヤと、
前記第2搬送経路を搬送された前記製品をバケットにて受け取って、前記第2搬送経路と直交し、且つ前記第1搬送経路と平行に延びる第3搬送経路において、前記バケットとともに前記製品を搬送する第3製品コンベヤと、
前記第1搬送経路への製品の搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱を受け取って、前記第2搬送経路の下側に位置し、且つ前記第1搬送経路と平行に延びる第4搬送経路において、前記段ボール箱を搬送する第1箱コンベヤと、
前記第4搬送経路を搬送された前記段ボール箱を受け取って、前記第3搬送経路の下側に位置し、且つ前記第4搬送経路に隣接しつつ前記第4搬送経路と平行に延びる第5搬送経路において、前記段ボール箱を搬送する第2箱コンベヤと、
前記第3搬送経路において前記バケットに載置された前記製品を保持し、前記第4搬送経路における前記段ボール箱に箱詰めするロボットと
を備え、
前記第1箱コンベヤは、前記第4搬送経路に搬入される前記段ボール箱を保持するとともに位置決めし、前記第4搬送経路の搬送方向における前記段ボール箱の向きを直角に方向転換する方向転換動作が可能であり、前記段ボール箱とともに前記第4搬送経路を搬送される位置決め装置を備える、段ボールケーサー。
【請求項2】
前記位置決め装置は、
前記段ボール箱の底部及び側部を保持するクランプ機構と、
前記クランプ機構に接続されて下方に延びるシリンダロッドを有し、前記シリンダロッドを介して前記クランプ機構を昇降する昇降機構と、
前記クランプ機構に接続されて下方に延び、前記クランプ機構を水平回転可能に支持する複数の縦ガイドロッドと、
前記クランプ機構の下方に配置され、前記第1箱コンベヤのベルトが固定されるベルト固定部、前記シリンダロッドが貫通するロッド貫通孔、及び前記クランプ機構の水平回転に伴い前記各縦ガイドロッドの横断移動を許容する複数の縦ロッド移動孔を有する第1ベースと、
前記第1ベースの下方に配置され、前記シリンダロッドが貫通し、前記各縦ガイドロッドがそれぞれ挿通される複数の縦ロッド挿通部を有する第2ベースと、
前記第1ベースと前記第2ベースとの間に配置され、前記シリンダロッドが貫通し、前記第2ベースに固定される駆動軸を有し、前記駆動軸を回転することにより、前記第2ベース及び前記各縦ガイドロッドを介して前記クランプ機構を水平方向に回転させて、前記方向転換動作を行う回転機構と、
前記クランプ機構、前記回転機構、及び前記昇降機構を制御する制御ユニットと
を備える、請求項1に記載の段ボールケーサー。
【請求項3】
前記第1箱コンベヤは、前記第4搬送経路に沿って延び、且つ前記第4搬送経路の幅方向における両端に配置された対となる横ガイドロッドを有し、
前記第1ベースは、前記一対の横ガイドロッドがそれぞれ挿通される対となる横ロッド挿通部を有する、請求項2に記載の段ボールケーサー。
【請求項4】
前記クランプ機構は、
前記段ボール箱の前記底部を支持する複数の支持爪と、
前記第4搬送経路の搬送方向において対向する前記段ボール箱の一対の前記側部を挟んで保持する複数の挟持爪と、
前記各挟持爪をそれぞれ前記段ボール箱の挟持方向に移動させる第1シリンダと、
前記各支持爪、及び前記第1シリンダが固定される支持テーブルと、
を備え、
前記シリンダロッド及び前記各縦ガイドロッドは、前記支持テーブルに接続される、請求項3に記載の段ボールケーサー。
【請求項5】
前記回転機構は、ラックの水平方向における往復動をピニオンギヤを介して前記駆動軸の回転に変換することにより、前記駆動軸を回転駆動するロータリアクチュエータを備え、
前記ロータリアクチュエータは前記第1ベースに固定され、前記駆動軸は前記第2ベースに固定される、請求項2から4の何れか一項に記載の段ボールケーサー。
【請求項6】
前記昇降機構は、前記第2ベースに固定され、前記シリンダロッドを昇降する第2シリンダを備える、請求項2から5の何れか一項に記載の段ボールケーサー。
【請求項7】
前記第1箱コンベヤは、前記第4搬送経路において前記位置決め装置とともに搬送された前記段ボール箱を受け取る受け取り装置をさらに備え、
前記制御ユニットは、前記段ボール箱が前記第4搬送経路に搬入されると、前記昇降機構により前記クランプ機構を上昇させ、次に、前記クランプ機構により前記段ボール箱を位置決めして保持し、次に、前記回転機構により前記段ボール箱の前記方向転換動作を行い、次に、前記位置決め装置が前記段ボール箱とともに前記第4搬送経路を搬送され、前記段ボール箱が前記受け取り装置に受け取られると、前記クランプ機構により前記段ボール箱の保持を解除し、次に、前記昇降機構により前記クランプ機構を下降させて退避させ、次に、前記位置決め装置は次の前記段ボール箱の搬入を受け入れるべく、前記第4搬送経路の待機位置に移動する、請求項2から6の何れか一項に記載の段ボールケーサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、段ボールケーサーに関し、詳しくは、袋詰めなどされた製品を段ボール箱に箱詰めする段ボールケーサーに関する。
【背景技術】
【0002】
袋詰めなどされた製品を段ボール箱に箱詰めする段ボールケーサーが知られている。段ボールケーサーは、段ボールシートを段ボール箱に成形する製函機と、製品が箱詰めされた段ボール箱にテープを貼り付けるなどして封をする封函機とを組み合わせて用いられる。
【0003】
特許文献1には、搬送コンベヤの一方のコンベヤ列を第1の搬送速度で制御し、搬送コンベヤの他方のコンベヤ列を第1の搬送速度と異なる第2の搬送速度で制御し、各コンベヤ列の速度差によって、物品を方向転換させながら搬送する方向転換装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-67863号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の方向転換装置は、直線状に延設される1つのコンベヤの搬送経路を製品が搬送される過程において、搬送方向における製品の向きを方向転換する。このため、方向転換のためにコンベヤの搬送経路を長距離確保する必要があり、また、方向転換に時間を要する。従って、装置が大型化するとともに、大量の製品を搬送して段ボール箱に箱詰めする処理を高速で行うのは困難である。
【0006】
また、特許文献1においては、製品が箱詰めされる段ボール箱の保持、位置決め、受け渡しについては格別な配慮がなされていない。段ボールケーサーに、段ボール箱の保持、位置決め、方向転換、受け渡しのための装置を個別に設けた場合、段ボールケーサーがさらに大型化するとともに、段ボールケーサーにおいて大量の製品を搬送して段ボール箱に箱詰めする処理を高速で行うのはさらに困難となる。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するべく、一態様に係る段ボールケーサーは、搬入された製品を第1搬送経路において搬送する第1製品コンベヤと、第1搬送経路を搬送された製品を第1搬送経路と直交する第2搬送経路において搬送する第2製品コンベヤと、第2搬送経路を搬送された製品をバケットにて受け取って、第2搬送経路と直交し、且つ第1搬送経路と平行に延びる第3搬送経路において、バケットとともに製品を搬送する第3製品コンベヤと、第1搬送経路への製品の搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱を受け取って、第2搬送経路の下側に位置し、且つ第1搬送経路と平行に延びる第4搬送経路において、段ボール箱を搬送する第1箱コンベヤと、第4搬送経路を搬送された段ボール箱を受け取って、第3搬送経路の下側に位置し、且つ第4搬送経路に隣接しつつ第4搬送経路と平行に延びる第5搬送経路において、段ボール箱を搬送する第2箱コンベヤと、第3搬送経路においてバケットに載置された製品を保持し、第4搬送経路における段ボール箱に箱詰めするロボットとを備え、第1箱コンベヤは、第4搬送経路に搬入される段ボール箱を保持するとともに位置決めし、第4搬送経路の搬送方向における段ボール箱の向きを直角に方向転換する方向転換動作が可能であり、段ボール箱とともに第4搬送経路を搬送される位置決め装置を備える。
【0009】
大量の製品を高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】製函機、段ボールケーサー、及び封函機を連結した連結一体ユニットの斜視図である。
図2】段ボールケーサーの斜視図である。
図3】段ボールケーサーの上面図である。
図4】段ボール箱搬送ラインの上面図である。
図5】位置決め装置の斜視図である。
図6】ロータリアクチュエータの縦断面図とその近傍の部位を示す図である。
図7図6のA-A方向から見たロータリアクチュエータの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6を連結した連結一体ユニット1の斜視図を示す。製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6はそれぞれユニット化され、これらのユニットがこれらの順に連結された連結一体ユニット1を形成する。なお、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6をそれぞれユニット2,4,6と称することがある。また、以降の説明において、方向性及び角度に関する平行、直交、直角などの記載は、実質的なものであり、厳密なものではない。
【0012】
製函機2は、搬入された段ボールシートを段ボール箱に成形する。段ボールケーサー4は、袋詰めなどされて搬入された製品を製函機2から搬入された段ボール箱に箱詰めする。封函機6は、段ボールケーサー4から搬入された製品箱詰め済みの段ボール箱にテープを貼り付けるなどして封をする。製函機2における段ボールシートの全体としての搬送方向と、段ボールケーサー4及び封函機6における段ボール箱の搬送方向とは、全体として同一方向である。
【0013】
また、段ボールケーサー4における製品の搬送方向は、全体として段ボール箱の搬送方向と同一方向である。すなわち、各ユニット2,4,6及び連結一体ユニット1における製品及び段ボール箱の全体としての搬送方向は同一となる。また、各ユニット2,4,6を接続するためのブラケット等の接続部材を不要とすることができる。
【0014】
このように、製函機2、段ボールケーサー4、及び封函機6をそれぞれユニット化し、各ユニット2,4,6における製品や段ボール箱の搬送方向が全体として同一方向となるように連結した連結一体ユニット1を形成することにより、各ユニット2,4,6及び連結一体ユニット1のコンパクト化を実現することができる。
【0015】
ここで、段ボールケーサー4は、製品と段ボール箱との双方の搬送が行われるため、これらの搬送経路が複雑になる傾向があり、また、設置面積も大きくなる傾向がある。しかし、本実施形態の段ボールケーサー4では、製品及び段ボール箱の双方を製函機2側となる同一方向から搬入し、製品箱詰め済みの段ボールを封函機6に搬出する。また、以降において説明するが、各コンベヤを集約配置し、さらに、後述する段ボール箱の位置決め装置を設置することにより、極力小さな設置面積の段ボールケーサー4を実現している。また、製品及び段ボール箱の搬送経路の距離が短くなり、大量の製品を高速処理することができる。
【0016】
図2は、段ボールケーサー4の斜視図を示し、図3は、段ボールケーサー4の上面図を示す。段ボールケーサー4は、第1製品コンベヤ8、第2製品コンベヤ10、及び第3製品コンベヤ12を備えている。これらのコンベヤ8,10,12は、例えばベルトコンベヤであり、製品搬送ライン14を構成する。製品搬送ライン14における製品Pの搬送方向は、黒塗りの矢印で示される。第1製品コンベヤ8は、段ボールケーサー4の製函機2の側から投入された製品Pを第1搬送経路16において搬送する。
【0017】
第1搬送経路16は、各ユニット2,4,6の連結方向Xと平行に延設される。第2製品コンベヤ10は、第1搬送経路16を搬送された製品Pを第1搬送経路16と直交する第2搬送経路18において搬送する。より詳しくは、段ボールケーサー4には、第1製品コンベヤ8と第2製品コンベヤ10との間に製品Pの方向転換装置19が設けられている。
【0018】
方向転換装置19は、第1搬送経路16を搬送された製品Pを受け取って、第1搬送経路16の搬送方向における製品Pの向きを直角に方向転換する方向転換動作を行い、方向転換動作後の製品Pを第2搬送経路18に向けて搬送する。第3製品コンベヤ12は、第2搬送経路18を搬送された製品Pをそれぞれバケット22にて受け取って、第3搬送経路20において、バケット22とともに製品Pを搬送する。第3搬送経路20は、第2搬送経路18と直交し、且つ第1搬送経路16と平行に延びる。
【0019】
また、段ボールケーサー4は、第1箱コンベヤ24及び第2箱コンベヤ26を備えている。第1箱コンベヤ24は、例えばベルトコンベヤであり、第2箱コンベヤ26は、例えばローラコンベヤであり、これらのコンベヤ24,26は段ボール箱搬送ライン28を構成する。段ボール箱搬送ライン28は、製品搬送ライン14の下側に形成され、搬送ラインの2段構造が構築される。段ボール箱搬送ライン28における段ボール箱Bの搬送方向は、白抜きの矢印で示される。
【0020】
第1箱コンベヤ24は、製函機2から搬入される段ボール箱B、すなわち、第1搬送経路16への製品Pの搬入方向と同一方向から搬入される段ボール箱Bを受け取って、第4搬送経路30において搬送する。第4搬送経路30は、第2搬送経路18の下側に位置し、且つ第1搬送経路と平行に延びる。より詳しくは、第1箱コンベヤ24は、段ボール箱Bの位置決め装置32、及び受け取り装置34を備えている。
【0021】
図4は、段ボール箱搬送ライン28の上面図を示す。位置決め装置32は、例えば2つ設けられ、それぞれ、製函機2から搬入される段ボール箱Bを待機位置にて保持するとともに、第4搬送経路30を搬送される各段ボール箱Bを第4搬送経路30の幅方向中央に位置決めする。また、各位置決め装置32は、段ボール箱Bの向きを必要に応じて直角に方向転換する方向転換動作が可能であり、保持した段ボール箱Bとともに第4搬送経路30を搬送される。
【0022】
受け取り装置34は、各位置決め装置32とともに搬送されてきた2つの段ボール箱Bを受け取る。具体的には、受け取り装置34は、2つの受け取りプレート36と、各受け取りプレート36にそれぞれ接続されたシリンダ38とを備える。各受け取りプレート36の上面には、それぞれ吸着パッド40が配置されている。先ず、段ボール箱Bを保持した位置決め装置32は、第4搬送経路30の所定位置に搬送される。
【0023】
次に、シリンダ38を駆動することにより受け取りプレート36が位置決め装置32の下側に移動するとともに上昇し、段ボール箱Bは受け取りプレート36の上面に載置される。次に、段ボール箱Bの底部が受け取りプレート36の吸着パッド40に吸着され、段ボール箱Bが受け取りプレート36に保持される。次に、位置決め装置32は、段ボール箱Bの保持を解除した後、下方に退避し、製函機2から搬入される段ボール箱Bを受け取り可能な待機位置に移動する。
【0024】
一方、図2及び図3に示すように、段ボールケーサー4は、例えば6軸の垂直多関節型の構造を有するロボット42を備えている。ロボット42は、第4搬送経路30の上側において天井からブラケット44を介して吊り下げられている。ロボット42は、ハンド及びアームを備え、第3搬送経路20においてバケット22に載置された製品Pをハンドでピッキングして保持する。次に、ロボット42は、アームの動作によって、ハンドで保持した製品Pを第4搬送経路30における段ボール箱Bに移動して箱詰めする。ロボット42による製品Pの箱詰め動作は、段ボール箱Bに所定数の製品Pが箱詰めされるまで行われる。
【0025】
第2箱コンベヤ26は、第4搬送経路30において製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bを受け取って、第5搬送経路46において搬送する。図2及び図3に示すように、第5搬送経路46は、第3搬送経路20の下側に位置し、且つ第4搬送経路30に隣接しつつ第4搬送経路30と平行に延びる。より詳しくは、図4にも示すように、第5搬送経路46には、段ボール箱Bの引込装置48、及び方向転換装置50が設けられている。
【0026】
引込装置48は、第5搬送経路46の幅方向の側端に設けられ、第4搬送経路30で製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bを保持して第5搬送経路46に引き込んで移動させる。具体的には、引込装置48は、2つの引込プレート52と、各引込プレート52にそれぞれ接続されたシリンダ54とを備える。各引込プレート52の先端には、それぞれ吸着パッド56が配置されている。
【0027】
先ず、各シリンダ54を駆動することにより、各引込プレート52は第5搬送経路46を横断する方向に伸張し、第4搬送経路30で製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bの側部に当接する。次に、段ボール箱Bの側部が各引込プレート52の各吸着パッド56により吸着され、各引込プレート52に保持される。次に、受け取り装置34による段ボール箱Bの保持を解除した後、各シリンダ54を駆動して段ボール箱Bを第5搬送経路46に引き込んで移動させる。これにより、段ボール箱Bは、第5搬送経路46の幅方向中央に位置付けられる。
【0028】
引込装置48により第4搬送経路30から第5搬送経路46に移動した段ボール箱Bは、各吸着パッド56による保持が解除され、第5搬送経路46を搬送される過程において、方向転換装置50の上を通過する。方向転換装置50は、段ボール箱Bの向きを必要に応じて直角に方向転換可能である。そして、製品Pが箱詰めされた段ボール箱Bは、第5搬送経路46を搬送されて封函機6に向けて搬出される。
【0029】
図5は、位置決め装置32の斜視図を示す。位置決め装置32は、クランプ機構58、回転機構60、縦ガイドロッド62、第1ベース64、第2ベース66、昇降機構68、及び制御ユニット70を備えている。クランプ機構58は、段ボール箱Bの底部Bbを支持するとともに、段ボール箱Bの一対の側部Bsを挟んで保持する。昇降機構68は、第2ベース66の下面に固定され、クランプ機構58に接続されて下方に延びるシリンダロッド71を有する。昇降機構68は、シリンダロッド71を介してクランプ機構58を昇降する。
【0030】
縦ガイドロッド62は例えば2つ設けられ、各縦ガイドロッド62は、クランプ機構58に接続されて下方に延び、クランプ機構58を水平回転可能に支持する。第1ベース64は、クランプ機構58の下方に配置され、ベルト固定部74、ロッド貫通孔76、及び縦ロッド移動孔78を有している。ベルト固定部74は、第4搬送経路30の幅方向Yおける第1ベース64の両側部にそれぞれ設けられている。
【0031】
各ベルト固定部74には、第1箱コンベヤ24のベルト24aがそれぞれ固定される。これにより、第1箱コンベヤ24が稼働してベルト24aが移動するのに伴い、位置決め装置32は、クランプ機構58で保持した段ボール箱Bとともに第4搬送経路30において搬送される。ロッド貫通孔76には、昇降機構68のシリンダロッド71が上下において貫通する。縦ロッド移動孔78は、ロッド貫通孔76の周囲に2つ設けられ、それぞれ縦ガイドロッド62が挿通される。
【0032】
各縦ロッド移動孔78は、ロッド貫通孔76を中心に湾曲した円弧形状の長孔であり、クランプ機構58の水平回転に伴い、各縦ガイドロッド62の水平方向における横断移動を、例えばロッド貫通孔76を中心とした90度程度の角度範囲内において許容する。第2ベース66は、第1ベース64の下方に配置され、シリンダロッド71が貫通し、第2ベース66の幅方向Yにおける両側部にそれぞれ縦ロッド挿通部80が設けられる。
【0033】
各縦ロッド挿通部80には、それぞれ縦ガイドロッド62が挿通される。回転機構60は、第1ベース64と第2ベース66との間に配置され、シリンダロッド71が貫通し、第2ベース66に固定される駆動軸72を有する。回転機構60は、駆動軸72を回転することにより、第2ベース66及び各縦ガイドロッド62を介してクランプ機構58を水平方向に回転させて、クランプ機構58で保持した段ボール箱Bの方向転換動作を行う。
【0034】
また、第1箱コンベヤ24は、第4搬送経路30の搬送方向X(前述した連結方向Xと同一方向)に沿って延び、且つ第4搬送経路30の幅方向Yの両端に配置された対となる横ガイドロッド84を有する。第1ベース64は、一対の横ガイドロッド84がそれぞれ挿通される対となる2組の横ロッド挿通部85を有する。位置決め装置32は、ベルト24aの移動に伴い、各横ロッド挿通部85において各横ガイドロッド84に沿って移動する。
【0035】
より詳しくは、クランプ機構58は、支持爪86、挟持爪88、第1シリンダ90、及び支持テーブル92を備えている。支持爪86は、上下方向に例えば4つ立設され、各支持爪86は段ボール箱Bの底部Bbを支持する。挟持爪88は、上下方向に例えば4つ立設され、各挟持爪88は搬送方向Xにおいて対向する段ボール箱Bの一対の側部Bsを挟んで保持する。
【0036】
同一の側部Bs側に位置する2つの挟持爪88は、それぞれ連結部88aを介して連結されている。第1シリンダ90は、2つ設けられ、各第1シリンダ90のシリンダロッド90aは、それぞれ連結部88aに接続される。各第1シリンダ90は、各連結部88a、ひいては各挟持爪88をそれぞれ段ボール箱Bの各側部Bsを挟んで支持する方向、すなわち、挟持方向に移動させる。
【0037】
支持テーブル92には、各支持爪86、及び各第1シリンダ90が固定される。シリンダロッド71及び各縦ガイドロッド62は、支持テーブル92の下面に接続される。昇降機構68は、シリンダロッド71を昇降させる第2シリンダ94を備えている。回転機構60は、駆動軸72を回転駆動するロータリアクチュエータ96を備えている。
【0038】
図6は、ロータリアクチュエータ96の縦断面図とその近傍の部位を示し、図7は、図6のA-A断面方向から見たロータリアクチュエータ96の横断面図を示す。図7に示すように、ロータリアクチュエータ96は、2つのラック98の水平方向における往復動をピニオンギヤ100を介して駆動軸72の回転に変換することにより、駆動軸72を回転駆動する。回転機構60は、ロータリアクチュエータ96の作動により、駆動軸72を介してクランプ機構58を水平方向に回転させる。
【0039】
前述したように、第1ベース64にはロッド貫通孔76が形成され、さらに、図6に示すように、第2ベース66にはロッド貫通孔66a、駆動軸72にはロッド貫通孔72a、ピニオンギヤ100にはロッド貫通孔100a、第1ベース64にはロッド貫通孔76がそれぞれ形成されている。昇降機構68の第2シリンダ94から上方に延びるシリンダロッド71は、各ロッド貫通孔66a、72a、100a、76を順に貫通し、第1ベース64の上方に突出され、クランク機構58の支持テーブル92に接続される。
【0040】
第2シリンダ94が作動し、シリンダロッド71が矢印で示す方向に昇降することにより、支持テーブル92ひいてはクランク機構58が昇降する。一方、第2ベース66の各縦ロッド挿通部80において固定される各縦ガイドロッド62は、クランプ機構58の支持テーブル92に接続される。ロータリアクチュエータ96は第1ベース64にボルトで固定され、駆動軸72は第2ベース66にボルトで固定される。このため、ロータリアクチュエータ96の作動に伴い、駆動軸72が回転すると、矢印で示すように第2ベース66が回転する。これにより、各縦ガイドロッド62を介して支持テーブル92ひいてはクランク機構58も矢印で示すように回転する。
【0041】
制御ユニット70は、クランプ機構58の各第1シリンダ90、回転機構60のロータリアクチュエータ96、及び昇降機構68の第2シリンダ94を制御することにより、位置決め装置32の動作を制御する。具体的には、段ボール箱Bが第4搬送経路30に搬入されると、制御ユニット70は、昇降機構68によりクランプ機構58を上昇させる。
【0042】
次に、制御ユニット70は、クランプ機構58により段ボール箱Bを保持し、次に、回転機構60により必要に応じて段ボール箱Bの方向転換動作を行う。次に、位置決め装置32が段ボール箱Bとともに第4搬送経路30を搬送され、段ボール箱Bが受け取り装置34に受け取られると、クランプ機構58による段ボール箱Bの保持を解除する。そして、昇降機構68によりクランプ機構58を下降させて退避させる。次に、位置決め装置32は次の段ボール箱Bの搬入を受け入れるべく、第4搬送経路30の待機位置に移動し、位置決め装置32の一連の動作が完了する。
【0043】
以上のように、本実施形態の段ボールケーサー4は、第1~第3搬送経路16,18,20をそれぞれ有する第1~第3製品コンベヤ8,10,12により製品搬送ライン14を形成し、第4及び第5搬送経路30,46をそれぞれ有する第1及び第2箱コンベヤ24,26により段ボール箱搬送ライン28を形成する。製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28の始端は連結方向Xにおいて製函機2側であり、また、製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28の終端は連結方向Xにおいて封函機6側である。
【0044】
また、製品搬送ライン14及び段ボール箱搬送ライン28は、直線状の搬送経路を必要最低限の数だけ集約した2段構造を構築する。さらに、第1箱コンベヤ24には位置決め装置32が設けられている。位置決め装置32は、第4搬送経路30に搬入される段ボール箱Bを保持するとともに位置決めする。また、位置決め装置32は、第4搬送経路30の搬送方向Xにおける段ボール箱Bの向きを直角に方向転換する方向転換動作が可能であり、段ボール箱Bとともに第4搬送経路30を搬送される。
【0045】
これらの特徴により、段ボールケーサー4の設置面積を極力小さくすることができるとともに、製品P及び段ボール箱Bの搬送経路の距離を極力短くすることができるため、大量の製品Pを高速で搬送して箱詰めすることができる。従って、大量の製品Pを高速処理することができるコンパクトな段ボールケーサー4を提供することができる。特に、本実施形態の位置決め装置32は、段ボールケーサー4に、段ボール箱Bの保持、位置決め、方向転換動作、及び受け取り装置34への受け渡しの機能を一括で付与する。
【0046】
より詳しくは、位置決め装置32は、前述した、クランプ機構58、回転機構60、縦ガイドロッド62、第1ベース64、第2ベース66、昇降機構68、及び制御ユニット70を備える。また、クランプ機構58は、前述した、各支持爪86、各挟持爪88、各第1シリンダ90、及び支持テーブル92を備える。クランプ機構58の支持テーブル92は、昇降機構68のシリンダロッド71に接続される。
【0047】
また、クランプ機構58の支持テーブル92は、回転機構60の駆動軸72の回転が伝達される各縦ガイドロッド62に接続される。さらに、回転機構60のロータリアクチュエータ96は第1ベース64に固定され、駆動軸72は第2ベース66に固定される。これにより、クランプ機構58、回転機構60、及び昇降機構68を一体に連結してユニット化した位置決め装置32が構成される。
【0048】
また、1つのユニットである位置決め装置32に、段ボール箱Bのクランプ機能、回転機能、昇降機能という3つの機能を併存させることができる。従って、段ボールケーサー4に、段ボール箱Bの保持、位置決め、方向転換動作のための装置を個別に設ける必要がないため、段ボールケーサー4の高速処理化及びコンパクト化を実現することができる。
【0049】
また、第1ベース64に各ベルト固定部74を設け、位置決め装置32自体が第4搬送経路30を移動する。これにより、段ボールケーサー4に、段ボール箱Bを受け取り装置34に受け渡すための装置を個別に設ける必要がないため、段ボールケーサー4のさらなる高速処理化及びコンパクト化を実現することができる。また、各縦ガイドロッド62、第1ベース64の各縦ロッド移動孔78、及び第2ベース66の各縦ロッド挿通部80により、クランプ機構58の回転時及び昇降時における姿勢の安定化が図られる。
【0050】
また、各横ガイドロッド84、及び第1ベース64の各横ロッド挿通部85により、位置決め装置32を第4搬送経路30において搬送する際、位置決め装置32の姿勢の安定化が図られる。また、回転機構60がロータリアクチュエータ96を備えることにより、クランプ機構58の回転を省スペースにおいて高速且つ高精度に行うことができる。これらの特徴により、位置決め装置32のさらなる高速処理化及びコンパクト化が図られるとともに、位置決め装置32の稼働の安定化が図られ、位置決め装置32の信頼性がさらに向上する。
【0051】
また、位置決め装置32は、制御ユニット70により制御され、制御ユニット70は、段ボール箱Bが第4搬送経路30に搬入されてから、位置決め装置32が前述した一連の動作を行い、最終的に次の段ボール箱Bの搬入を受け入れるべく、第4搬送経路30の待機位置に移動する。これにより、位置決め装置32は、段ボールケーサー4に、段ボール箱Bの保持、位置決め、方向転換動作、及び受け取り装置34への受け渡しの機能を一括で付与する。従って、本実施形態の位置決め装置32は、段ボールケーサー4の高速処理化及びコンパクト化に大きく貢献する。
【0052】
以上で本発明の実施形態についての説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更ができるものである。例えば、位置決め装置32は、前述した各機構や部材の機能を実現可能であれば、図5に示した位置決め装置32の構成及び形状に厳密に限定されるものではない。また、前述した各シリンダやアクチュエータは、空気圧、油圧、電気などの種々の作動媒体による駆動が想定可能である。
【符号の説明】
【0053】
4 段ボールケーサー
8 第1製品コンベヤ
10 第2製品コンベヤ
12 第3製品コンベヤ
16 第1搬送経路
18 第2搬送経路
20 第3搬送経路
22 バケット
24 第1箱コンベヤ
24a ベルト
26 第2箱コンベヤ
30 第4搬送経路
32 位置決め装置
34 受け取り装置
42 ロボット
46 第5搬送経路
58 クランプ機構
60 回転機構
62 縦ガイドロッド
64 第1ベース
66 第2ベース
68 昇降機構
70 制御ユニット
71 シリンダロッド
72 駆動軸
74 ベルト固定部
76 ロッド貫通孔
78 縦ロッド移動孔
80 縦ロッド挿通部
84 横ガイドロッド
85 横ロッド挿通部
86 支持爪
88 挟持爪
90 第1シリンダ
92 支持テーブル
94 第2シリンダ
96 ロータリアクチュエータ
98 ラック
100 ピニオンギヤ
B 段ボール箱
Bb 底部
Bs 側部
P 製品
X 搬送方向
Y 幅方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7