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  • 特開-マッチングシステム 図1
  • 特開-マッチングシステム 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066605
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20230509BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177286
(22)【出願日】2021-10-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-17
(71)【出願人】
【識別番号】521256872
【氏名又は名称】株式会社 Aryreo
(74)【代理人】
【識別番号】100151208
【弁理士】
【氏名又は名称】植田 吉伸
(72)【発明者】
【氏名】塩田 明久
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】労働者の職務遂行能力を求めることを可能とするマッチングシステムを提供することである。
【解決手段】マッチングシステム10は、求人募集を行う使用者4に関する求人情報を登録する使用者情報登録部12と、労働者6の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する労働者情報登録部14と、労働時間に基づいて、労働者6の職務遂行能力を数値化する能力算出部16と、求人情報、経歴及び職務遂行能力に基づいて、複数の労働者6と複数の使用者4とのマッチングを行うマッチング部10と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1


【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人募集を行う使用者に関する求人情報を登録する使用者情報登録部と、
労働者の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する労働者情報登録部と、
前記労働時間に基づいて、前記労働者の職務遂行能力を数値化する能力算出部と、
前記求人情報、前記経歴及び前記職務遂行能力に基づいて、複数の前記労働者と複数の前記使用者とのマッチングを行うマッチング部と、
を備えることを特徴とするマッチングシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のマッチングシステムにおいて、
前記労働者情報登録部は、前記各仕事に対する労働期間と、該労働期間内の総労働時間を登録し、
前記能力算出部は、前記総労働時間を前記労働期間で除算して求めた値に基づいて前記職務遂行能力を算出することを特徴とするマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステム
【背景技術】
【0002】
従来、求人募集を行う企業と、職を求める労働者とのマッチングを行うシステムが開発されている。本発明に関連する技術として、例えば、特許文献1には、一般の求職者及び/又は午後より深夜早朝に至るパートタイマー及び/又はアルバイト等の求職者と雇用者又は少なくとも一方の代理人との間にコンピュータを介在せしめた通信手段を設け、求職者又はその代理人が希望する就労時間、時間帯、業種、職種、賃金又は賃金巾などの就労条件を前記通信手段に入力又は告知し、雇用者或いはその代理人の提示している条件と合
致するか或いは合致するものを選択した場合に就労を可能にする求人及び求職方法とこれを支援するための装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-85844号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
システムを用いて、企業と労働者のマッチングを行う際に、労働者の経歴(学歴、職歴)などが参照されることがある。しかしながら、一般的な経歴では、労働者の本来の職務遂行能力を数値化することは難しい。
【0005】
本発明の目的は、労働者の職務遂行能力を求めることを可能とするマッチングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマッチングシステムは、求人募集を行う使用者に関する求人情報を登録する使用者情報登録部と、労働者の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する労働者情報登録部と、前記労働時間に基づいて、前記労働者の職務遂行能力を数値化する能力算出部と、前記求人情報、前記経歴及び前記職務遂行能力に基づいて、複数の前記労働者と複数の前記使用者とのマッチングを行うマッチング部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明に係るマッチングシステムにおいて、前記労働者情報登録部は、前記各仕事に対する労働期間と、該労働期間内の総労働時間を登録し、前記能力算出部は、前記総労働時間を前記労働期間で除算して求めた値に基づいて前記職務遂行能力を算出することが好ましい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、労働者の職務遂行能力を数値化することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る実施形態のマッチングシステムを示す図である。
図2】本発明に係る実施形態のマッチングシステムにおいて、労働者の経歴を可視化したデータや職務遂行能力を求める数式などを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
【0011】
図1は、本発明に係る実施形態のマッチングシステム10を示す図である。図2は、本発明に係る実施形態のマッチングシステム10において、労働者6の経歴を可視化したデータや職務遂行能力を求める数式などを示す図である。
【0012】
マッチングシステム10は、求人募集を行う使用者4と、職を求める労働者6とのマッチングを行うシステムである。マッチングシステム10は、ネットワーク2を介して、使用者4及び労働者6と接続されている。
【0013】
マッチングシステム10は、使用者情報登録部12と、労働者情報登録部14と、能力算出部16と、マッチング部18と、表示データ部20と、図示しない記憶部とを備えている。
【0014】
労働者6は、一個人としてマッチングシステム10に登録を希望する者であり、例えばスマートフォンなどを用いて、個人の学歴及び職歴などの所定の情報を登録する。
【0015】
労働者6が労働者情報登録部14の機能を用いて登録する情報として、例えば、氏名、住所、生年月日、学歴、職歴、保有する資格などが存在し、いわゆる「履歴書」と「職務経歴書」を含む情報である。
【0016】
企業(使用者4)は、労働者6による応募を希望する組織であり、パーソナルコンピュータなどを用いて、会社概要及び事業内容などの所定の情報を登録する。
【0017】
企業(使用者4)が使用者情報登録部12の機能を用いて登録する情報として、例えば、組織の名前(企業名、屋号など)、従業員数、給与(時給、日当、月給など)、勤務地(最寄り駅など)、勤務時間、仕事の内容、福利厚生などを登録する。
【0018】
記憶部は、企業4及び労働者6に関して、上述したような登録情報を記憶する記憶装置である。
【0019】
マッチングシステム10において、上記記憶部以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能は、実際にはCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成されたサーバー装置上において、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶されたマッチングプログラム(アプリケーションソフトウェア)が動作することによって実現することができる。
【0020】
使用者情報登録部12は、求人募集を行う企業4(使用者)に関する情報(例えば、組織の名前、従業員数、給与、勤務地、勤務時間、仕事の内容、福利厚生)を登録する機能を有する。
【0021】
労働者情報登録部14は、就労を希望する労働者6に関する情報(例えば、氏名、住所、生年月日、学歴、職歴、保有する資格)を登録する機能を有する。
【0022】
労働者情報登録部14は、上記のように労働者6の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する機能を有する。労働者情報登録部14は、各仕事に対する労働期間と、該労働期間内の総労働時間を登録する。
【0023】
例えば、労働者6が高校や大学を卒業してから働いたときに、1年単位の総労働時間と業務内容などを登録する。ここでは、マッチングシステム10によるマッチングは、一般的な転職のためのマッチングであるものとして説明するが、例えば、1年単位ではなく、1ヶ月単位の総労働時間とし、大学生活の間におけるアルバイトなどの情報を登録して、新卒の就職活動の際に用いるようにしてもよい。
【0024】
図2(a)に示されるように、例えば、労働者6が大学卒業後の22才に製薬メーカーの研究職(技術職)を8年間務めた後、同じ会社で30才から営業職を10年間務めたという経歴があった場合に、夫々の仕事で求められる能力が異なる。したがって、各仕事に対する職務遂行能力を数値化できることが好ましい。
【0025】
また、図2(b)に示されるように、例えば、労働者6が25才から28才まで勤務した後に、28才から29才の1年間、例えば、産休・育休で休んでいた場合に、当該期間は仕事をしていないため、職務遂行能力は現状維持のままか、又は、若干下がる可能性がある。したがって、この期間を考慮して職務遂行能力を算出することが望ましい。
【0026】
能力算出部16は、労働時間に基づいて、労働者6の職務遂行能力を数値化する機能を有する。能力算出部16は、総労働時間を労働期間で除算して求めた値に基づいて職務遂行能力を算出する。
【0027】
例えば、図2(b)に示されるように、25才から28才、29才から30才までの毎年2000時間同じ仕事をしていた場合には、職務遂行能力の値は、2000×4/5=1600として決定する。なお、ここでは、期間は年単位で計算しているが、適宜変更可能であり、例えば、月単位で求めてもよい。
【0028】
マッチング部18は、求人情報、経歴及び職務遂行能力に基づいて、複数の労働者6と複数の使用者4とのマッチングを行う機能を有する。
【0029】
具体的には、労働者6が希望している勤務先の条件(例えば、給与、勤務地)を入力して検索した際に、該当する企業(使用者4)を抽出して提案するという機能を有する。
【0030】
また、労働者6が検索作業を行っていないときであっても、労働者6が関心を持つと推定される企業(使用者4)が抽出された場合に自動的に労働者6に通知するような機能を有してもよい。
【0031】
このように提案された企業(使用者4)の下で労働者6が働きたいと感じた際には図示しない面接設定処理部の機能を用いて、企業(使用者4)と労働者6との面接の場所と日時などを設定する。
【0032】
その後、面接で労働者6と、企業(使用者4)の担当者が面接を行い、給与や入社時期などのすり合わせを行い、企業(使用者4)側から採用の通知を労働者6に対して送付し、これを受けて労働者6が働くことを決めた場合は、所定の契約書などを交わす。
【0033】
なお、企業(使用者4)側が採用を検討する際に労働者6の経歴及び能力算出部16により求められた職務遂行能力の値に基づいて、採用の合否を決定することが出来る。また、上記の例では、労働者6側からの応募を受けて面接を行うフローを用いて説明したが、企業(使用者4)側が、自社が求める経歴及び職務遂行能力の労働者6を探索してオファーを送信して採用することも可能である。
【0034】
表示データ部20は、各仕事に対する労働時間を時系列で表示する。具体的には、図2(a)(b)に示されるように、横軸を労働者6の年齢とし、縦軸を1年間の総労働時間として表示する。
【0035】
図2(b)の例では、職務遂行能力の値の算出を分かりやすいように、労働時間を2000時間で統一したが、実際には、図2(a)に示されるように年によって異なることもあるため、折れ線グラフとなることが多い。
【0036】
続いて、上記構成のマッチングシステム10の作用について説明する。一般的に、求人募集を行う企業と、職を求める労働者とのマッチングを行うためには、企業からの求人情報(例えば、組織の名前、従業員数、給与、勤務地、勤務時間、仕事の内容、福利厚生)と、労働者のプロフィール情報(例えば、氏名、住所、生年月日、学歴、職歴、保有する資格)とに基づいて行う。
【0037】
上記のような形式的な経歴だけでは、その労働者の職務遂行能力を把握することが難しい。このような課題に対して、本発明に係る実施形態のマッチングシステム10は顕著な効果を発揮する。
【0038】
マッチングシステム10には、就労を希望する労働者6が所定の情報(例えば、氏名、住所、生年月日、学歴、職歴、保有する資格)を登録する。
【0039】
上記のように労働者6の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する機能を有する。労働者情報登録部14は、各仕事に対する労働期間と、該労働期間内の総労働時間を登録する。例えば、25才~28才は回路設計者として毎年2000時間働き、30才~32才は経理担当者として毎年1800時間働いた等のように入力することが出来る。
【0040】
一方、求人を募集している企業(使用者4)が所定の情報(例えば、組織の名前、従業員数、給与、勤務地、勤務時間、仕事の内容、福利厚生)を登録する。
【0041】
このように登録された情報に基づいて、マッチング部18の機能を用いて、労働者6に適切と判断する企業(使用者4)を提案する。そして、この提案された企業(使用者4)の下で働くことを希望する場合には面接設定処理部の機能を用いて面接を行う。面接後に採用が決まって契約を交わした後に労働者6が企業(使用者4)の下で働くことにより報酬(給与)が支払われる。
【0042】
本発明によれば、労働者6が今までどのような企業でどのような仕事をして何時間働いてきたなどかについて入力されており、この労働時間に基づいて職務遂行能力が求められる。そして、この職務遂行能力の値を求める際に労働時間を労働期間で除算されている。すなわち、労働の密度のような尺度で職務遂行能力を算出しているため、より正確な能力を算出することができるという利点がある。
【0043】
また、表示データ部20によれば、図2(a)のように、職種などの情報と、労働時間などが時系列で可視化されているため、労働者6のキャリアブックのような役割を果たすことが出来るという効果がある。
【符号の説明】
【0044】
2 ネットワーク、4 使用者、6 労働者、10 マッチングシステム、12 使用者情報登録部、14 労働者情報登録部、16 能力算出部、18 マッチング部、20 表示データ部。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2022-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
求人募集を行う使用者に関する求人情報を登録する使用者情報登録部と、
労働者の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する労働者情報登録部と、
前記労働時間に基づいて、前記労働者の職務遂行能力を数値化する能力算出部と、
前記求人情報、前記経歴及び前記職務遂行能力に基づいて、複数の前記労働者と複数の前記使用者とのマッチングを行うマッチング部と、
を備え
前記労働者情報登録部は、所定の期間内の総労働時間を登録し、
前記能力算出部は、前記総労働時間を前記所定の期間で除算して求めた値に基づいて前記職務遂行能力を算出することを特徴とするマッチングシステム。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明に係るマッチングシステムは、求人募集を行う使用者に関する求人情報を登録する使用者情報登録部と、労働者の経歴を登録する際に、各仕事に対する労働時間を登録する労働者情報登録部と、前記労働時間に基づいて、前記労働者の職務遂行能力を数値化する能力算出部と、前記求人情報、前記経歴及び前記職務遂行能力に基づいて、複数の前記労働者と複数の前記使用者とのマッチングを行うマッチング部と、を備え、前記労働者情報登録部は、所定の期間内の総労働時間を登録し、前記能力算出部は、前記総労働時間を前記所定の期間で除算して求めた値に基づいて前記職務遂行能力を算出することを特徴とする。