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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006661
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/08 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
G03G15/08 364
G03G15/08 362
G03G15/08 322C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109376
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100096426
【弁理士】
【氏名又は名称】川合 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100116207
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 俊明
(72)【発明者】
【氏名】中井 辰徳
【テーマコード(参考)】
2H077
【Fターム(参考)】
2H077AA12
2H077AA14
2H077AB02
2H077AB04
2H077AB15
2H077AB18
2H077AC04
2H077AD02
2H077AD06
2H077BA02
2H077BA08
2H077DA15
2H077DA42
2H077DB03
2H077GA13
(57)【要約】
【課題】現像剤供給路内において現像剤の滞留が発生して、印刷スループットが低下するのを防止することができるようにする。
【解決手段】現像剤収容部と、画像形成部と、現像剤収容部から排出された現像剤を画像形成部に供給する現像剤供給路と、現像剤供給路内に配設された第1の現像剤搬送部材と、第1の現像剤搬送部材に所定の動作をさせる駆動ユニットu2と、画像形成部内において現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材と、現像剤貯蔵部内の現像剤の残量を検出する現像剤残量検出部と、駆動ユニットu2の駆動パターンを変更する駆動パターン変更処理部Pr6とを有する。第2の現像剤搬送部材によって現像剤を十分に均すことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)現像剤を収容する現像剤収容部と、
(b)媒体に現像剤を付着させて画像を形成する画像形成部と、
(c)前記現像剤収容部と画像形成部との間に配設され、現像剤収容部から画像形成部に現像剤を供給する現像剤供給路と、
(d)該現像剤供給路内に配設され、現像剤を搬送する第1の現像剤搬送部材と、
(e)駆動されて該第1の現像剤搬送部材に所定の動作をさせる駆動ユニットと、
(f)前記画像形成部内において、現像剤供給路から現像剤を受けるための受け口に隣接させて配設され、現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材と、
(g)前記画像形成部の現像剤貯蔵部内の現像剤の残量を検出する現像剤残量検出部と、
(h)該現像剤残量検出部による検出結果に基づいて、前記駆動ユニットの駆動パターンを変更する駆動パターン変更処理部とを有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
(a)前記現像剤残量検出部による検出結果に基づいて、前記現像剤供給路内において現像剤の滞留が発生するかどうかを決定する現像剤滞留処理部を有するとともに、
(b)前記駆動パターン変更処理部は、現像剤滞留処理部によって現像剤の滞留が発生すると決定された場合に、前記駆動ユニットの駆動パターンを変更する請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤滞留処理部は、前記現像剤残量検出部が現像剤貯蔵部における現像剤の第1の残量を検出してから第2の残量を検出するまでの現像剤供給時間を計時し、該現像剤供給時間が閾値より長い場合に、前記現像剤供給路内において現像剤の滞留が発生すると決定する請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤の第1の残量はトナーローであり、第2の残量はトナーフルである請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
(a)前記駆動ユニットは、現像剤を間欠的に画像形成部に供給する係脱部材を備え、
(b)前記駆動パターン変更処理部は、前記係脱部材の係合時間を短くすることによって前記駆動ユニットの駆動パターンを変更する請求項1~4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
(a)所定の印刷条件で印刷を行う印刷処理部と、
(b)前記現像剤残量検出部による検出結果に基づいて印刷条件を変更する印刷条件変更処理部とを有する請求項1~5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記印刷条件は紙間である請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記印刷条件は印刷画像密度である請求項6又は7に記載の画像形成装置。
【請求項9】
(a)画像形成装置の周囲の環境変量を検出する環境変量検出部と、
(b)該環境変量検出部によって検出された環境変量に基づいて、画像形成装置の周囲の環境を決定する環境決定処理部とを有するとともに、
(c)前記現像剤滞留処理部は、現像剤供給時間が、前記閾値より短く設定された補正閾値より長い場合に、前記現像剤供給路内において現像剤の滞留が発生すると決定する請求項3に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタ、複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置、例えば、プリンタには画像形成ユニットが配設され、該画像形成ユニットにおいて、帯電ローラによって一様に帯電させられた感光体ドラムの表面がLEDヘッドによって露光されて静電潜像が形成され、該静電潜像が現像剤としてのトナーによって現像されてトナー像が形成され、該トナー像が転写ローラによって用紙に転写されるようになっている。そして、前記プリンタに配設された定着器において前記トナー像が用紙に定着させられることによって画像が形成され、印刷が行われる。
【0003】
画像形成ユニットは、トナーカートリッジと現像剤供給路としてのトナー供給路によって連結され、トナーカートリッジ内のトナーは、前記トナー供給路内に配設された搬送スパイラルが回転させられることによって、トナーを受けるための画像形成ユニットのハウジングの受け口を介して画像形成ユニットに供給され、画像形成ユニット内のトナー貯蔵部に貯蔵される。
【0004】
そして、該トナー貯蔵部には均しスパイラルが回転自在に配設され、画像形成ユニットに供給されたトナーは、均しスパイラルが回転させられることによって均され、トナー貯蔵部内の全体に振り分けられる(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-71260号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前記従来のプリンタにおいては、印刷画像密度の高い印刷が連続して行われると、大量のトナーが画像形成ユニットに供給されるので、均しスパイラルによってトナーを十分に均すことができなくなり、トナー供給路内においてトナーの滞留が発生してしまう。
【0007】
その結果、印刷を円滑に行うことができなくなって印刷スループットが低下してしまう。
【0008】
本発明は、前記従来のプリンタの問題点を解決して、画像形成ユニットのハウジングの受け口付近で現像剤が滞留して印刷スループットが低下するのを防止することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そのために、本発明の画像形成装置においては、現像剤を収容する現像剤収容部と、媒体に現像剤を付着させて画像を形成する画像形成部と、前記現像剤収容部と画像形成部との間に配設され、現像剤収容部から画像形成部に現像剤を供給する現像剤供給路と、該現像剤供給路内に配設され、現像剤を搬送する第1の現像剤搬送部材と、駆動されて該第1の現像剤搬送部材に所定の動作をさせる駆動ユニットと、前記画像形成部内において、現像剤供給路から現像剤を受けるための受け口に隣接させて配設され、現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材と、前記画像形成部の現像剤貯蔵部内の現像剤の残量を検出する現像剤残量検出部と、該現像剤残量検出部による検出結果に基づいて、前記駆動ユニットの駆動パターンを変更する駆動パターン変更処理部とを有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、画像形成装置においては、現像剤を収容する現像剤収容部と、媒体に現像剤を付着させて画像を形成する画像形成部と、前記現像剤収容部と画像形成部との間に配設され、現像剤収容部から画像形成部に現像剤を供給する現像剤供給路と、該現像剤供給路内に配設され、現像剤を搬送する第1の現像剤搬送部材と、駆動されて該第1の現像剤搬送部材に所定の動作をさせる駆動ユニットと、前記画像形成部内において、現像剤供給路から現像剤を受けるための受け口に隣接させて配設され、現像剤を搬送する第2の現像剤搬送部材と、前記画像形成部の現像剤貯蔵部内の現像剤の残量を検出する現像剤残量検出部と、該現像剤残量検出部による検出結果に基づいて、前記駆動ユニットの駆動パターンを変更する駆動パターン変更処理部とを有する。
【0011】
この場合、印刷画像密度の高い印刷が連続して行われても、現像剤残量検出部による検出結果に基づいて駆動ユニットの駆動パターンが変更されるので、第2の現像剤搬送部材によって現像剤を十分に均すことができる。
【0012】
その結果、現像剤供給路内において現像剤の滞留が発生して、現像剤供給路が破損したり、印刷スループットが低下したりするのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
図2】本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
図3】本発明の第1の実施の形態におけるトナー供給・貯蔵機構の概念図である。
図4】本発明の第1の実施の形態におけるトナー均し装置の要部概念図である。
図5】本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の要部斜視図である。
図6】本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の第1の状態を示す図である。
図7】本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の第2の状態を示す図である。
図8】本発明の第1の実施の形態における残量センサのセンサ出力の第1の例を示すタイムチャートである。
図9】本発明の第1の実施の形態における残量センサのセンサ出力の第2の例を示すタイムチャートである。
図10】本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャートである。
図11】本発明の第1の実施の形態におけるオン・オフテーブルの例を示す図である。
図12】画像形成ユニットに供給されたトナーがハウジングの受け口付近で滞留した状態を示す図である。
図13】本発明の第1の実施の形態における閾値テーブルの例を示す図である。
図14】本発明の第1の実施の形態におけるトナー供給時間の閾値を設定するためのトナー供給時間とトナーセンサ周期との関係を示す図である。
図15】本発明の第1の実施の形態における補正オン・オフテーブルの例を示す図である。
図16】本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
図17】本発明の第2の実施の形態におけるトナー供給時間の補正閾値を設定するためのトナー供給時間とトナーセンサ周期との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。この場合、画像形成装置としてのプリンタについて説明する。
【0015】
図2は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの概念図である。
【0016】
図において、10はプリンタ、Csは該プリンタ10の外装である筐体、Bdはプリンタ10の本体、すなわち、装置本体である。
【0017】
該装置本体Bdの下部には、媒体収容部としての用紙カセット11が配設され、該用紙カセット11のスタッカsk1に媒体としての図示されない用紙が積載された状態で収容される。また、前記用紙カセット11の前端には、繰出部材としてのホッピングローラ13が配設され、後述される給紙用の駆動部としての給紙モータM1(図1)が駆動されると、用紙は、前記ホッピングローラ13の回転に伴って、1枚ずつ分離させられて繰り出され、第1の搬送部材としての給紙ローラ対m1によって給紙されて媒体搬送路としての用紙搬送路Rt1に送られ、第2の搬送部材としてのレジストローラ対m2によって斜行が矯正され、該レジストローラ対m2より下流側に配設された画像形成部Q1に送られる。
【0018】
該画像形成部Q1は、用紙に複数の色、本実施の形態においては、ブラック、イエロー、マゼンダ及びシアンの4色の現像剤としての後述されるトナーTi(i=1、2、…、4)(図3)を付着させてカラーの画像を形成する。そのために、前記画像形成部Q1は、トナーTiを収容する現像剤収容部としてのトナーカートリッジCti(i=1、2、…、4)、該トナーカートリッジCtiの下方に配設され、矢印方向に回転自在に配設された像担持体としての感光体ドラム21を備えた画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16C、前記各感光体ドラム21と対向させて配設された露光装置としての後述されるLEDヘッドHd、用紙搬送路Rt1を介して各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cと対向させて配設された転写ユニットu1、用紙搬送路Rt1において各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16C及び転写ユニットu1より下流側に配設された定着装置としての定着器31等を備える。
【0019】
前記トナーカートリッジCtiは、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの上方に配設され、前記画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに各色のトナーTiを供給する。
【0020】
各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cには、前記感光体ドラム21、帯電装置としての図示されない帯電ローラ、現像剤担持体としての現像ローラ24、トナーカートリッジCtiから供給されたトナーTiを貯蔵する現像剤貯蔵部としてのトナー貯蔵部Tt、該トナー貯蔵部Tt内に配設され、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiを均す現像剤均し装置としての後述されるトナー均し装置36(図3)、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiを攪拌するとともに、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの残量を検出するための残量検出バー25等が配設される。
【0021】
画像形成用の駆動部としての後述される駆動モータM2が駆動され、感光体ドラム21が回転させられると、感光体ドラム21の表面が、帯電ローラによって一様に帯電させられ、LEDヘッドHdによって露光され、各感光体ドラム21の表面に潜像としての静電潜像が形成され、該静電潜像が現像ローラ24によって現像され、各感光体ドラム21上に各色の現像剤像としてのトナー像が形成される。
【0022】
前記転写ユニットu1は、第1のローラとしての駆動ローラr1、第2のローラとしての従動ローラr2、前記駆動ローラr1と従動ローラr2との間に走行自在に張設されたベルト部材としての転写ベルト26、及び該転写ベルト26を介して前記各感光体ドラム21と対向させて回転自在に配設された転写部材としての転写ローラ28を備える。
【0023】
用紙が、画像形成部Q1に送られ、各感光体ドラム21と転写ローラ28との間の転写部を搬送される間に、前記各色のトナー像が転写ローラ28によって用紙に順次重ねて転写され、用紙上にカラーのトナー像が形成される。
【0024】
前記定着器31は、第1の定着部材としての加熱ローラ32及び第2の定着部材としての加圧ローラ33を備え、加熱ローラ32内に加熱源としての図示されないヒータが配設される。
【0025】
前記定着器31において、用紙が加熱ローラ32と加圧ローラ33との間の定着部を搬送される間に、用紙上のカラーのトナー像が、加熱ローラ32によって加熱され、溶融させられ、加圧ローラ33によって加圧され、用紙に定着させられることにより、用紙上にカラーの画像が形成される。
【0026】
このようにして画像が形成された用紙は、第3、第4の搬送部材としての搬送ローラ対m3、m4によって搬送され、第5の搬送部材としての排出ローラ対m5によって矢印方向に装置本体Bd外に排出され、スタッカsk2に積載される。
【0027】
次に、トナーカートリッジCtiから画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに各色のトナーTiを供給するとともに、トナー貯蔵部Ttに貯蔵する現像剤供給・貯蔵機構としてのトナー供給・貯蔵機構Ki(i=1、2、…、4)について説明する。
【0028】
図3は本発明の第1の実施の形態におけるトナー供給・貯蔵機構の概念図、図4は本発明の第1の実施の形態におけるトナー均し装置の要部概念図、図5は本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の要部斜視図、図6は本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の第1の状態を示す図、図7は本発明の第1の実施の形態におけるトナー残量検出部の第2の状態を示す図、図8は本発明の第1の実施の形態における残量センサのセンサ出力の第1の例を示すタイムチャート、図9は本発明の第1の実施の形態における残量センサのセンサ出力の第2の例を示すタイムチャートである。
【0029】
図において、Ctiはトナーカートリッジ、Kiはトナー供給・貯蔵機構、16Bk、16Y、16M、16Cは画像形成ユニット、Ei(i=1、2、…、4)は該画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cのハウジング、Ttは該各ハウジングEi内に形成されたトナー貯蔵部、34は、トナーカートリッジCtiの所定の箇所に着脱自在に配設された第1の記憶部としてのRFIDタグである。
【0030】
前記トナーカートリッジCtiは、底壁の所定の箇所、本実施の形態においては、用紙搬送路Rt1の上流側から下流側を見たときのトナーカートリッジCtiの左右方向(用紙の幅方向)における中央部に、トナーTiを排出するための排出口h1を備える。また、前記ハウジングEiは、頂壁の所定の箇所、本実施の形態においては、用紙搬送路Rt1の上流側から下流側を見たときのハウジングEiの左右方向における中央部に、トナーTiを受けるための受け口h2を備える。
【0031】
前記トナー供給・貯蔵機構Kiは、トナーカートリッジCtiと画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cとの間に配設されたトナー供給装置35、トナー貯蔵部Tt内において上端部に配設されたトナー均し装置36、トナー貯蔵部Tt内における前記トナー均し装置36の下方に配設された現像剤検出部としてのトナー残量検出部37等を備える。
【0032】
次に、トナー供給装置35について説明する。
【0033】
該トナー供給装置35は、前記トナーカートリッジCti内のトナーTiを画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給する。そのために、前記トナー供給装置35は、トナーカートリッジCtiの排出口h1に隣接させて形成され、トナーカートリッジCtiから排出されたトナーTiを受ける導入部45、前記ハウジングEiの受け口h2に隣接させて形成され、トナーTiをトナー貯蔵部Ttに送出する送出部46、導入部45と送出部46との間に配設され、トナーカートリッジCtiから排出されたトナーTiを画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給するための現像剤供給路としてのトナー供給路51、該トナー供給路51内において動作自在に、本実施の形態においては、回転自在に配設され、所定の動作、本実施の形態においては、回転に伴って、トナーTiを搬送する第1の現像剤搬送部材としての供給スパイラル53、該供給スパイラル53に回転を伝達する回転伝達部材55、駆動されて前記供給スパイラル53に所定の動作をさせる、本実施の形態においては、供給スパイラル53を回転させる駆動ユニットu2等を備える。
【0034】
前記トナー供給路51は、所定の形状、本実施の形態においては、「U」字状の形状を有する管路から成り、トナーカートリッジCtiとハウジングEiとの間のスペースの上方部において水平に延在させて配設された上方管路51a、前記スペースの下方部において水平に延在させて配設された下方管路51b、及び半円形の形状を有し、上方管路51aと下方管路51bとを連結する連結管路51cを備える。
【0035】
前記供給スパイラル53は、前記トナー供給路51内において、一方の端部t1を前記導入部45に臨ませて、他方の端部t2を前記送出部46に臨ませて配設され、前記端部t1と前記回転伝達部材55とが連結される。
【0036】
また、前記駆動ユニットu2は、供給用の駆動部としてのトナー供給モータM3、及び該トナー供給モータM3の出力軸58と前記回転伝達部材55との間に係脱自在に配設され、間欠的に係脱されて、トナー供給モータM3の回転を供給スパイラル53に伝達する係脱部材としてのクラッチ61を備える。
【0037】
該クラッチ61は、電磁クラッチから成り、トナー供給モータM3の出力軸58側に配設された図示されない駆動側クラッチ部材、及び回転伝達部材55側に配設された図示されない従動側クラッチ部材を備え、駆動側クラッチ部材に配設された電磁コイルがオンにされると、電磁力が発生し、電磁力によって駆動側クラッチ部材に従動側クラッチ部材が吸引され、駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材とが係合させられ、電磁コイルがオフにされると、電磁力が発生しなくなり、駆動側クラッチ部材に従動側クラッチ部材が吸引されなくなり、駆動側クラッチ部材と従動側クラッチ部材との係合が解除される。
【0038】
したがって、前記トナー供給モータM3が駆動され、クラッチ61が係合させられると、トナー供給モータM3の回転が回転伝達部材55を介して供給スパイラル53に伝達され、供給スパイラル53が回転させられる。これにより、トナーカートリッジCti内のトナーTiが、トナー供給路51を介して画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給される。
【0039】
また、前記トナー供給モータM3が駆動され、クラッチ61が解放されると、トナー供給モータM3の回転が供給スパイラル53に伝達されなくなり、供給スパイラル53が停止させられる。これにより、トナーカートリッジCti内のトナーTiは、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されなくなる。
【0040】
そして、前記トナー供給モータM3が駆動され、クラッチ61が係脱させられると、トナー供給モータM3の回転が供給スパイラル53に断続的に伝達され、供給スパイラル53が、間欠的に回転させられ、間欠動作させられ、トナーカートリッジCti内のトナーTiが画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに間欠的に供給される。
【0041】
さらに、前記トナー供給モータM3の駆動が停止させられると、トナー供給モータM3の回転が供給スパイラル53に伝達されなくなり、供給スパイラル53の回転が停止させられ、トナーカートリッジCti内のトナーTiは画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されなくなる。
【0042】
次に、前記トナー均し装置36について説明する。
【0043】
該トナー均し装置36は、トナー貯蔵部Tt内において前記ハウジングEiの受け口h2の直下の所定の位置に配設され、受け口h2を介してトナー貯蔵部Ttに送出されたトナーTiを均す。
【0044】
そのために、前記トナー均し装置36は、均し用の駆動部としての、かつ、現像剤均しモータとしてのトナー均しモータM4、該トナー均しモータM4の出力軸に取り付けられた第1のギヤgr1、該第1のギヤgr1と噛合させられた第2のギヤgr2、前記第1、第2のギヤgr1、gr2に取り付けられ、用紙の幅方向に延在させて互いに平行に配設された第2の現像剤搬送部材としての第1、第2の均しスパイラル40、41、該第1、第2の均しスパイラル40、41を回転自在に支持する支持フレーム43等を備える。
【0045】
前記第1、第2の均しスパイラル40、41は、トナー貯蔵部Tt内における同じ高さにおいて、用紙の搬送方向における上流側及び下流側に位置させられ、互いに逆方向に回転させられることによって、トナーTiを均して搬送する。そのために、用紙の搬送方向における上流側からトナー均し装置36を見たときの、第1、第2の均しスパイラル40、41の中央部から左側の端部にかけて形成されたオーガ部分40a、41aと、中央部から右側の端部にかけて形成されたオーガ部分40b、41bとは巻方向が互いに逆にされる。
【0046】
したがって、トナー均しモータM4が駆動されると、トナー貯蔵部Tt内に送出されたトナーTiが、第1の均しスパイラル40によって左側及び右側の端部から中央部に向けて移動させられ、第2の均しスパイラル41によって中央部から左側及び右側の端部に向けて移動させられ、均され、トナー貯蔵部Tt内の全体に振り分けられる。
【0047】
次に、トナー残量検出部37について説明する。
【0048】
該トナー残量検出部37は、トナー貯蔵部Tt内において、トナー均し装置36の下方に配設され、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの残量を検出する。
【0049】
そのために、トナー残量検出部37は、トナー貯蔵部Tt内において用紙の幅方向に延在させて回転自在に配設された残量検出バー25、該残量検出バー25の一方の端部に配設され、前記駆動モータM2の回転を残量検出バー25に伝達する回転伝達部GA、前記残量検出バー25の他方の端部に取り付けられ、残量検出バー25の回転位置を検出するための検出プレート65、前記残量検出バー25の回転位置に基づいてトナー貯蔵部Tt内のトナーTiの残量を検出する残量検出部としての残量センサSt、前記検出プレート65の外周縁を挟んで配設された導光部66等を備える。
【0050】
前記回転伝達部GAは、駆動モータM2に連結され、回転自在に配設されたギヤgr3、及び該ギヤgr3と噛合させて回転自在に配設され、駆動モータM2の回転を減速するギヤgr4を備える。
【0051】
前記残量検出バー25は、クランク形状を有し、前記一方の端部である、用紙の搬送方向における上流側から残量検出バー25を見たときの、左側の端部に軸部sh1を、前記他方の端部である右側の端部に軸部sh2を備えるとともに、軸部sh1、sh2間に、軸部sh1、sh2と偏心させて形成された攪拌部Brを備え、軸部sh1を前記ギヤgr4に貫通させることによって、ギヤgr4に対して相対的に回転自在に支持される。また、ギヤgr4は、端面から攪拌部Brに向けて突出させて形成された係合部としての突出部48を備え、ギヤgr4が駆動モータM2からの回転を受けて、所定の方向、本実施の形態においては、矢印A方向に一定の回転速度で回転させられると、突出部48が軸部sh1と攪拌部Brを連結する腕部am1と係合させられ、残量検出バー25も矢印A方向に回転させられる。
【0052】
前記検出プレート65は、円形の形状を有し、前記残量検出バー25とほぼ180〔°〕位相をずらして形成された切欠き部65aを備え、図6に示されるように、攪拌部Brが回転軌跡における最下部に位置させられると、切欠き部65aは最上部に位置させられ、トナー残量検出部37が第1の状態に置かれ、図7に示されるように、攪拌部Brが回転軌跡における最上部に位置させられると、切欠き部65aは最下部に位置させられ、トナー残量検出部37が第2の状態に置かれる。
【0053】
前記残量センサStは、発光部sa及び受光部sbを備え、発光部saで発光させられた光が、導光部66を介して受光部sbに送られる。
【0054】
したがって、導光部66の間隙を検出プレート65の切欠き部65a以外の部分が通過すると、発光部saの光は、検出プレート65によって遮光され、受光部sbによって受光されず、残量センサStのセンサ出力はオフになり、導光部66の間隙を切欠き部65aが通過すると、発光部saの光は受光部sbによって受光され、残量センサStのセンサ出力はオンになる。
【0055】
前記ギヤgr4の回転に伴って、攪拌部Brが回転軌跡における最上部に到達すると、残量検出バー25は、突出部48より先行して自重で回転し、落下し、トナー貯蔵部Tt内に貯蔵されたトナーTiの表面に当接し、停止させられる。その後、ギヤgr4の回転に伴って、後行する突出部48が残量検出バー25の回転位置に到達して腕部am1に当接させられると、残量検出バー25は再び矢印A方向に回転させられる。このとき、残量検出バー25は現像剤攪拌部材として機能し、トナーTiを攪拌する。
【0056】
したがって、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの量が少ない場合、残量検出バー25が自重で回転し、トナーTiの表面に当接し、停止させられた後、突出部48が到達するまでの時間が長く、図8に示されるように、残量検出バー25が1回転する時間を表すトナーセンサ周期τにおける残量センサStのセンサ出力がオフになる出力オフ時間εが長く、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの量が多い場合、残量検出バー25が自重で回転し、トナーTiの表面に当接し、停止させられた後、突出部48が到達するまでの時間が短く、図9に示されるように、トナーセンサ周期τにおける出力オフ時間εが短い。
【0057】
そこで、本実施の形態においては、前記出力オフ時間εに閾値εthが設定され、残量センサStは、出力オフ時間εが閾値εth以上である場合、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの残量が少ないことを表す、トナーTiの第1の残量であるトナーローを検出し、出力オフ時間εが閾値εth未満である場合、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの量が満杯になったことを表す、トナーTiの第2の残量であるトナーフルを検出するようになっている。前記閾値εthは、
εth=0.4×τ
にされる。
【0058】
なお、ギヤgr4の回転速度は、プリンタ10に設定された印刷速度に応じて決まり、印刷速度が高いと高くなり、印刷速度が低いと低くなるが、本実施の形態においては、残量検出バー25が自重で回転するときの回転速度より低く設定される。また、トナーセンサ周期τも、前記印刷速度に応じて決まり、印刷速度が高いと短くなり、印刷速度が低いと長くなる。
【0059】
そして、説明の便宜上、残量検出バー25は、トナー均し装置36に近接させて図示されているが、実際は、トナー均し装置36の十分下方の位置に配設されるので、残量検出バー25の回転に伴って攪拌部Brが回転軌跡における最上部に位置させられたときに、残量検出バー25がトナー均し装置36と干渉することはない。
【0060】
ところで、印刷画像密度の高い印刷が連続して行われると、大量のトナーTiが画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給され、トナー均し装置36によってトナーTiを十分に均すことができなくなり、トナーTiがハウジングEiの受け口h2付近で滞留し、トナー供給路51内においてトナーの滞留を発生させてしまう。
【0061】
そこで、本実施の形態においては、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかが予測され、トナーの滞留が発生すると予測された場合に、トナー供給装置35による、トナーカートリッジCtiから画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16CへのトナーTiの供給量、すなわち、トナー供給量が少なくされるようになっている。
【0062】
次に、プリンタ10の制御装置について説明する。
【0063】
図1は本発明の第1の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図である。
【0064】
図において、10はプリンタ、34はRFIDタグ、67は通信部、70は制御部、72は第2の記憶部としてのROM、73は第3の記憶部としてのRAM、76は操作・表示部としての操作パネル、Stは残量センサ、M1は給紙モータ、M2は駆動モータ、u2は駆動ユニット、M3はトナー供給モータ、61はクラッチ、M4はトナー均しモータ、HdはLEDヘッドである。
【0065】
前記RFIDタグ34には、トナーカートリッジCti(図2)の製造年月日、製造時におけるトナーTiの充填量、トナーカートリッジCtiが新品に交換された年月日、残量センサStによって検出されたトナーTiの残量、残量センサStによってトナーフル、トナーロー等が検出されたこと、検出された年月日等のカートリッジ情報が記録される。
【0066】
前記通信部67は、前記RFIDタグ34との間で近距離無線通信を行い、前記カートリッジ情報を制御部70に送信したり、制御部70から受信したりする。また、通信部67は、上位装置としての図示されないホストコンピュータとの間で無線LAN、有線LAN等を介して通信を行い、ホストコンピュータから印刷データを受信したり、プリンタ10の状態を表すステータス信号をホストコンピュータに送信したりする。
【0067】
前記制御部70は、それぞれ図示されないマイクロプロセッサ、入出力ポート、計時部としてのタイマ、ドットカウンタ等を備え、ROM72に記録されたプログラムに基づいて各種の処理を行い、プリンタ10の全体の制御を行う。
【0068】
前記RAM73は、制御用のデータを一時的に記録したり、通信部67が前記ホストコンピュータから受信した印刷データを一時的に記録したりする。
【0069】
前記ROM72は、書換え可能なフラッシュメモリから成り、制御部70が各種の処理を行うためのプログラムが記録されるほかに、印刷速度Dta1、紙間Dta2、クラッチ61を係脱するためのオン・オフテーブルTb1、トナー供給路51(図3)内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測するための閾値テーブルTb2、トナーカートリッジCtiから画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cへのトナー供給量を少なくするための補正オン・オフテーブルTb3等が記録される。
【0070】
印刷速度Dta1は、1〔分〕当たり印刷されるページ数であり、本実施の形態においては、操作者が操作パネル76の図示されないメニュー画面で用紙の種類を選択することによって、26〔ppm〕、30〔ppm〕及び35〔ppm〕のいずれかの印刷速度に設定される。本実施の形態において、設定される印刷速度Dta1は使用される用紙の厚さによって異なり、例えば、薄紙(沖電気工業社製、「エクセレントペーパー A4、64〔g/m2〕」)が使用される場合、35〔ppm〕に、普通紙(沖電気工業社製、「エクセレントホワイト A4、80〔g/m2〕)」が使用される場合、30〔ppm〕に、厚紙(沖電気工業社製、「エクセレントグロス A4 128〔g/m2)」が使用される場合、26〔ppm〕にされる。
【0071】
紙間Dta2は、用紙搬送路Rt1を搬送される各用紙の後端と次の用紙の前端との距離であり、トナー供給装置35によるトナー供給量を少なくするに当たり、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの消費量を少なくするために大きくされる。本実施の形態においては、操作者が、前記メニュー画面で、通常の紙間である50〔mm〕及び拡大した紙間である100〔mm〕のうちのいずれか一方を選択することによって設定される。
【0072】
また、オン・オフテーブルTb1は、トナーローが検出されてからトナーフルが検出されるまでの間に使用される基準のテーブルであり、印刷速度Dta1、該印刷速度Dta1に応じて決まるトナーセンサ周期τ、並びに印刷速度Dta1に対応させて設定されたクラッチ61の係合時間であるオン時間及び解放時間であるオフ時間が記録される。
【0073】
なお、クラッチ61のオン時間は、クラッチ61の電磁コイルがオンにされ、クラッチ61が係合させられる時間であり、オフ時間は、電磁コイルがオフにされ、クラッチ61が解放される時間である。
【0074】
そして、閾値テーブルTb2には、印刷速度Dta1、トナーセンサ周期τ、並びに印刷速度Dta1及びトナーセンサ周期τに対応させて設定された、現像剤供給時間としての後述されるトナー供給時間Tαの閾値Tαth1が記録される。
【0075】
さらに、補正オン・オフテーブルTb3は、トナー供給装置35によるトナー供給量を少なくするための補正用のテーブルであり、印刷速度Dta1、並びに該印刷速度Dta1に対応させて設定されたクラッチ61のオン時間及びオフ時間が記録される。補正オン・オフテーブルTb3において、オン時間は短く、本実施の形態においては、オン・オフテーブルTb1に記録されたオン時間の半分にされ、その分、オフ時間が長くされる。
【0076】
前記操作パネル76は、操作者がプリンタ10に指示を入力するためのスイッチ、キー等から成る図示されない操作部、及びプリンタ10の状態を表示するためのLED画面等から成る図示されない表示部を備える。なお、操作パネル76がタッチパネルによって形成される場合、操作パネル76の表示部は操作部としても機能する。
【0077】
前記制御部70は、印刷処理部Pr1、現像剤状態判定処理部としてのトナー状態判定処理部Pr2、駆動ユニット駆動処理部Pr3、現像剤滞留処理部としてのトナー滞留処理部Pr4、印刷条件変更処理部Pr5、駆動パターン変更処理部Pr6等を備える。
【0078】
前記印刷処理部Pr1は、印刷処理を行い、操作者がメニュー画面で設定した所定の印刷条件、例えば、印刷速度Dta1、紙間Dta2等で印刷を行う。すなわち、印刷処理部Pr1は、RAM73に記録された印刷データを読み出し、印刷データを編集し、画像データを生成してLEDヘッドHdに送り、各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cの感光体ドラム21上に各色のトナー像を形成し、用紙カセット11から供給された用紙に各トナー像を転写してカラーのトナー像を形成し、定着器31においてカラーのトナー像を用紙に定着させて印刷を行う。
【0079】
前記トナー状態判定処理部Pr2は、現像剤状態判定処理としてのトナー状態判定処理を行い、残量センサStが、トナーローを検出したかどうか、トナーフルを検出したかどうか等のトナー状態の判定を行う。
【0080】
前記駆動ユニット駆動処理部Pr3は、駆動ユニット駆動処理を行い、駆動ユニットu2において、所定の駆動パターンでトナー供給モータM3を駆動し、クラッチ61を係脱する。
【0081】
前記トナー滞留処理部Pr4は、現像剤滞留処理としてのトナー滞留処理を行い、トナー残量検出部37によるトナーTiの残量の検出結果に基づいて、すなわち、残量センサStによってトナーローが検出されたときに、トナー供給装置35によるトナーTiの供給が開始されてからトナーフルが検出されるまでの経過時間をトナー供給時間Tαとして計時し、該トナー供給時間Tαに基づいて、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測(決定)する。
【0082】
前記印刷条件変更処理部Pr5は、印刷条件変更処理を行い、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測された場合に、印刷速度Dta1、紙間Dta2等を変更する。
【0083】
前記駆動パターン変更処理部Pr6は、駆動パターン変更処理を行い、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測された場合に、駆動ユニットu2の駆動パターンを変更し、トナー供給装置35による単位時間当たりのトナー供給量を少なくし、トナーの滞留が発生するのを防止する。そのために、駆動パターン変更処理部Pr6は、補正オン・オフテーブルTb3を参照し、トナー供給モータM3を駆動し、補正されたオン時間及びオフ時間に基づいてクラッチ61を係脱する。
【0084】
次に、制御部70の動作について説明する。
【0085】
図10は本発明の第1の実施の形態における制御部の動作を示すフローチャート、図11は本発明の第1の実施の形態におけるオン・オフテーブルの例を示す図、図12は画像形成ユニットに供給されたトナーがハウジングの受け口付近で滞留した状態を示す図、図13は本発明の第1の実施の形態における閾値テーブルの例を示す図、図14は本発明の第1の実施の形態におけるトナー供給時間の閾値を設定するためのトナー供給時間とトナーセンサ周期との関係を示す図、図15は本発明の第1の実施の形態における補正オン・オフテーブルの例を示す図である。なお、図12において、回転軌跡の頂点に置かれた攪拌部Brがトナー均し装置36より上方に示されているが、前述されたように、実際は、残量検出バー25はトナー均し装置36の十分下方の位置に配設されるので、回転軌跡の頂点に置かれた攪拌部Brがトナー均し装置36より上方に位置することはない。また、図15において、横軸にトナー供給時間Tαを、縦軸にトナーセンサ周期τを採ってある。
【0086】
まず、前記印刷処理部Pr1(図1)は、ROM72を参照して印刷速度Dta1を読み出し、設定された印刷速度Dta1で印刷を行う。すなわち、印刷処理部Pr1は、RAM73に記録された印刷データを読み出し、印刷データを編集し、画像データを生成してLEDヘッドHdに送り、各画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16C(図2)の感光体ドラム21上に各色のトナー像を形成し、用紙カセット11から供給された用紙に各トナー像を転写してカラーのトナー像を形成し、定着器31においてカラーのトナー像を用紙に定着させて画像を形成し、印刷を行う。
【0087】
そして、トナー状態判定処理部Pr2は、残量センサStの出力オフ時間εを読み込み、該出力オフ時間εが閾値εth以上であるかどうかによって、残量センサStがトナーローを検出したかどうかを判断する(ステップS1)。
【0088】
残量センサStの出力オフ時間εが閾値εth以上であり、残量センサStがトナーローを検出した場合、駆動ユニット駆動処理部Pr3は、トナー供給装置35によって、トナーカートリッジCtiから画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16CへのトナーTiの供給を開始する(ステップS2)。そのために、駆動ユニット駆動処理部Pr3は、ROM72のオン・オフテーブルTb1を参照し、印刷速度Dta1及びトナーセンサ周期τに対応する、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cごとのクラッチ61のオン時間及びオフ時間を読み出し、トナー供給モータM3を駆動し、クラッチ61を係脱させる。
【0089】
また、このとき、駆動ユニット駆動処理部Pr3は、制御部70のタイマによるトナー供給時間Tαの計時を開始する(ステップS3)。
【0090】
続いて、トナー状態判定処理部Pr2は、残量センサStの出力オフ時間εが閾値εth未満であるかどうかによって、残量センサStがトナーフルを検出したかどうかを判断する(ステップS4)。残量センサStの出力オフ時間εが閾値εth未満であり、残量センサStがトナーフルを検出した場合、駆動ユニット駆動処理部Pr3は、トナー供給モータM3の駆動及びクラッチ61の係脱を停止させ、トナー供給装置35によるトナーTiの供給を終了する(ステップS5)。
【0091】
また、このとき、駆動ユニット駆動処理部Pr3は、制御部70のタイマによる前記トナー供給時間Tαの計時を終了する(ステップS6)。
【0092】
ところで、トナーTiは、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されると、トナー貯蔵部Tt内に配設された第1、第2の均しスパイラル40、41(図4)によって均されるので、ハウジングEiの受け口h2付近で滞留し、トナー貯蔵部Tt内で堆積されることはない。
【0093】
ところが、例えば、印刷画像密度の高い印刷が連続して行われると、大量のトナーTiが画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されるので、第1、第2の均しスパイラル40、41によってトナーTiを十分に均すことができなくなり、図12に示されるように、トナーTiが、ハウジングEiの受け口h2付近で滞留し、トナー貯蔵部Tt内で堆積し、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生してしまう。その場合、トナー供給モータM3を駆動し続け、クラッチ61を係脱し続けても、出力オフ時間εは、変化しなくなり、閾値εth未満のままになる。したがって、残量センサStはトナーフルを検出せず、トナー供給時間Tαが無用に長くなってしまう。
【0094】
そこで、トナー滞留処理部Pr4は、ROM72の閾値テーブルTb2を参照し、印刷速度Dta1に対応する閾値Tαth1を読み出し、トナー供給時間Tαが閾値Tαth1より長いかどうかによって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測する(ステップS7)。
【0095】
なお、図14において、L1は、トナーセンサ周期τと、トナーローが検出されてトナーTiの供給を開始してからトナーフルが検出されるまで、トナーの滞留を発生させることなくトナーTiを供給し続けることができるトナー供給時間Tαの最も長い値との関係を示す線であり、トナーセンサ周期τごとの、線L1上及び線L1より左方の領域において最も長い値が閾値Tαth1にされる。
【0096】
例えば、トナーセンサ周期τが3.17〔s〕である場合、線L1上及び線L1より左方の領域において、トナー供給時間Tαが最も長い値の9〔s〕が閾値Tαth1にされ、トナーセンサ周期τが3.70〔s〕である場合、線L1上及び線L1より左方の領域において、トナー供給時間Tαが最も長い値の11〔s〕が閾値Tαth1にされ、各閾値Tαth1が閾値テーブルTb2に記録される。
【0097】
そして、トナー供給時間Tαが閾値Tαth1より長く、トナー滞留処理部Pr4によって、トナーの滞留が発生すると予測された場合、印刷条件変更処理部Pr5は、給紙モータM1の駆動タイミングを変更することによって用紙搬送路Rt1を搬送される用紙の紙間Dta2を大きくし(ステップS8)、100〔mm〕にする。
【0098】
また、駆動パターン変更処理部Pr6は、駆動ユニット駆動処理部Pr3に、補正オン・オフテーブルTb3に基づいてクラッチ61を駆動し、トナー供給量を少なくするように指示する。すなわち、前記駆動ユニット駆動処理部Pr3は、補正オン・オフテーブルTb3を参照し、印刷速度Dta1に対応する、画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cごとの補正されたオン時間及びオフ時間を読み出し、トナー供給モータM3を駆動し、補正されたオン時間及びオフ時間に基づいてクラッチ61を係脱させ、トナー供給装置35によるトナー供給量を少なくする(ステップS9)。なお、前述されたように、補正されたオン時間は、オン・オフテーブルTb1のオン時間より短く、補正されたオフ時間は、オン・オフテーブルTb1のオフ時間より長くされる。
【0099】
続いて、印刷処理部Pr1は、すべての印刷データについての印刷が終了するのを待機し(ステップS10)、すべての印刷データについての印刷が終了した場合に、処理を終了する。
【0100】
また、トナー滞留処理部Pr4によって、トナーの滞留が発生すると予測されなかった場合も、印刷処理部Pr1は印刷が終了するのを待機し(ステップS10)、印刷が終了した場合、処理を終了する。
【0101】
次に、フローチャートについて説明する。
ステップS1 トナー状態判定処理部Pr2は残量センサStがトナーローを検出するのを待機する。残量センサStがトナーローを検出した場合はステップS2に進む。
ステップS2 駆動ユニット駆動処理部Pr3はトナー供給装置35による画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16CへのトナーTiの供給を開始する。
ステップS3 駆動ユニット駆動処理部Pr3はタイマによるトナー供給時間Tαの計時を開始する。
ステップS4 トナー状態判定処理部Pr2は残量センサStがトナーフルを検出するのを待機する。残量センサStがトナーフルを検出した場合はステップ5に進む。
ステップS5 駆動ユニット駆動処理部Pr3はトナー供給装置35によるトナーTiの供給を終了する。
ステップS6 駆動ユニット駆動処理部Pr3はタイマによるトナー供給時間Tαの計時を終了する。
ステップS7 トナー滞留処理部Pr4はトナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測する。トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測した場合はステップ8に進み、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測しなかった場合はステップS10に進む。
ステップS8 印刷条件変更処理部Pr5は用紙の紙間Dta2を大きくする。
ステップS9 駆動ユニット駆動処理部Pr3はトナー供給装置35によるトナー供給量を少なくする。
ステップS10 印刷処理部Pr1はすべての印刷データについての印刷が終了するのを待機する。すべての印刷データについての印刷が終了した場合は、処理を終了する。
【0102】
このように、本実施の形態においては、印刷画像密度の高い印刷が連続して行われ、大量のトナーTiが画像形成部Q1の画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されても、前記トナー残量検出部37によるトナーTiの残量の検出結果に基づいて、前記駆動ユニットu2の駆動パターンが変更されるので、第1、第2の均しスパイラル40、41によってトナーTiを十分に均すことができる。
【0103】
その結果、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生し、トナー供給路51が破損したり、印刷スループットが低下したりするのを防止することができる。
【0104】
本実施の形態においては、トナー供給装置35によるトナー供給量を少なくするに当たり、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの消費量を少なくするために用紙の紙間Dta2が大きくされるようになっているが、印刷処理部Pr1の印刷条件である画像の印刷画像密度Dnを低くすることによって、トナー貯蔵部Tt内のトナーTiの消費量を少なくすることもできる。
【0105】
前記印刷画像密度Dnは、用紙の印刷可能範囲における所定の領域、例えば、1ページ分、感光体ドラム21の1周分等に画像を形成したときの、所定の領域の面積に占めるドットの面積の割合を百分率で表したものであり、所定の領域に全面ベタでドットを形成した場合、印刷画像密度Dnは100〔%〕であり、所定の領域にハーフトーンでドットを形成した場合、印刷画像密度Dnは50〔%〕である。操作者はメニュー画面で任意の印刷画像密度Dnを設定することができる。
【0106】
例えば、用紙に画像を形成するために感光体ドラム21がCd〔回転〕したときに用紙に形成された全ドット数をCmとし、用紙への画像の形成の有無にかかわらず、感光体ドラム21が1〔回転〕するときに潜在的に用紙に形成することが可能なドット数をCoとしたとき、印刷画像密度Dnは、
Dn=〔Cm/(Cd×Co)〕×100
になる。
【0107】
したがって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測された場合、印刷条件変更処理部Pr5は、トナー供給装置35によるトナー供給量を少なくするために、操作者にその旨を通知し、操作者はメニュー画面で印刷画像密度Dnの設定を変更し、印刷画像密度Dnを低くする。
【0108】
ところで、前述されたように、印刷画像密度Dnの高い印刷が連続して行われ、大量のトナーTiが画像形成ユニット16Bk、16Y、16M、16Cに供給されると、トナー均し装置36によってトナーTiを十分に均すことができなくなり、トナーTiがハウジングEiの受け口h2付近で滞留し、トナー貯蔵部Tt内で堆積してしまうが、トナーTiが凝縮しやすい環境にプリンタ10が置かれたときも、トナー均し装置36によってトナーTiを十分に均すことができなくなり、トナーTiがハウジングEiの受け口h2付近で滞留し、トナー貯蔵部Tt内で堆積してしまう。その結果、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生してしまう。
【0109】
そこで、トナーTiが凝集しやすい環境にプリンタ10が置かれた場合に、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測するための閾値Tαth1を補正することによって短くし、トナーの滞留が発生すると予測されやすくした本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与し、同じ構造を有することによる発明の効果については同実施の形態の効果を援用する。
【0110】
図16は本発明の第2の実施の形態におけるプリンタの制御ブロック図、図17は本発明の第2の実施の形態におけるトナー供給時間の補正閾値を設定するためのトナー供給時間とトナーセンサ周期との関係を示す図である。なお、図17において、横軸にトナー供給時間Tαを、縦軸トナーセンサ周期τを採ってある。
【0111】
図16において、70は制御部、s1は画像形成装置としてのプリンタ10の周囲の温度を環境変量として検出する第1の環境変量検出部としての温度センサ、s2はプリンタ10の周囲の湿度を環境変量として検出する第2の環境変量検出部としての湿度センサ、Tb4は第2の記憶部としてのROM72に配設された補正閾値テーブルである。
【0112】
前記制御部70は、印刷処理部Pr1、現像剤状態判定処理部としてのトナー状態判定処理部Pr2、駆動ユニット駆動処理部Pr3、現像剤滞留処理部としてのトナー滞留処理部Pr4、印刷条件変更処理部Pr5、駆動パターン変更処理部Pr6、環境決定処理部Pr7等を備える。
【0113】
該環境決定処理部Pr7は、環境決定処理を行い、温度センサs1によって検出された温度及び湿度センサs2によって検出された湿度を読み込み、温度が28〔℃〕以上であり、かつ、湿度が80〔%〕以上であるかどうかによって、プリンタ10が高温・高湿度(HH)環境に置かれていると決定する。
【0114】
温度が28〔℃〕以上であり、かつ、湿度が80〔%〕以上であり、プリンタ10が高温・高湿度環境に置かれている場合、トナー滞留処理部Pr4は、閾値テーブルTb2に代えて、補正閾値テーブルTb4を参照し、現像剤供給路としてのトナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測する。
【0115】
そのために、前記補正閾値テーブルTb4には、印刷速度Dta1、トナーセンサ周期τ、並びに印刷速度Dta1及びトナーセンサ周期τに対応させて設定された補正閾値Tαth2が記録される。
【0116】
次に、該補正閾値Tαth2について説明する。
【0117】
図17において、L1は前記閾値Tαth1を設定するための線であり、L2は補正閾値テーブルTb4に記録された閾値Tαth2を設定するための線である。
【0118】
線L2は、プリンタ10が高温・高湿度環境に置かれている場合における、トナーセンサ周期τと、トナーローが検出されて現像剤としてのトナーTiの供給を開始してからトナーフルを検出するまで、トナーの滞留を発生させることなくトナーTiを供給し続けることができる現像剤供給時間としてのトナー供給時間Tαの最も長い値との関係を示し、トナーセンサ周期τごとの、線L2上及び該線L2より左方の領域において最も長い値が補正閾値Tαth2にされる。
【0119】
線L2は線L1より傾きが大きくされるので、トナーセンサ周期τごとの補正閾値Tαth2は閾値Tαth1より短くされる。
【0120】
例えば、トナーセンサ周期τが3.17〔s〕である場合、線L2上及び線L2より左方の領域において、トナー供給時間Tαが最も長い値の6〔s〕が補正閾値Tαth2にされ、トナーセンサ周期τが3.70〔s〕である場合、線L2上及び線L2より左方の領域において、トナー供給時間Tαが最も長い値の7〔s〕が補正閾値Tαth2にされる。
【0121】
そして、トナー滞留処理部Pr4は、補正閾値テーブルTb4を参照し、印刷速度Dta1及びトナーセンサ周期τに対応する補正閾値Tαth2を読み出し、トナー供給時間Tαが補正閾値Tαth2より長いかどうかによって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測する。
【0122】
トナー供給時間Tαが補正閾値Tαth2より長い場合、トナー滞留処理部Pr4は、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測する。
【0123】
これに対して、温度が28〔℃〕未満であるか、又は湿度が80〔%〕未満であり、プリンタ10が高温・高湿度環境に置かれていない場合、トナー滞留処理部Pr4は、閾値テーブルTb2を参照し、印刷速度Dta1及びトナーセンサ周期τに対応する閾値Tαth1を読み出し、トナー供給時間Tαが閾値Tαth1より長いかどうかによって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかを予測する。
【0124】
そして、トナー供給時間Tαが閾値Tαth1より長い場合、トナー滞留処理部Pr4は、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測する。
【0125】
また、例えば、温度が22〔℃〕であり、湿度が55〔%〕であって、プリンタ10が中温・中湿度(NN)環境に置かれている場合、温度が10〔℃〕であり、湿度が20〔%〕であって、プリンタ10が低温・低湿度(LL)環境に置かれている場合等においては、トナー供給時間Tαが閾値Tαth1より長いかどうかによって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するかどうかが予測される。
【0126】
このように、本実施の形態においては、トナーTiが凝集しやすい環境にプリンタ10が置かれた場合において、トナー供給時間Tαが補正閾値Tαth2より長い場合に、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生すると予測されるので、トナー供給路51が破損したり、印刷スループットが低下したりするのを一層防止することができる。
【0127】
本実施の形態においては、温度センサs1によって検出された温度及び湿度センサs2によって検出された湿度に基づいて、プリンタ10が高温・高湿度環境に置かれているかどうかが決定され、プリンタ10が高温・高湿度環境に置かれている場合に、トナー供給時間Tαの閾値Tαth1が補正され、短くされるようになっているが、印刷画像密度Dnの低い印刷が連続して行われる場合も、トナーカートリッジCti内に配設された図示されない攪拌装置によってトナーTiが攪拌され続け、トナーTiが凝集しやすくなるので、トナー供給時間Tαの閾値Tαth1を補正し、低くすることによって、トナー供給路51内においてトナーの滞留が発生するのを防止することができる。
【0128】
前記各実施の形態においては、プリンタ10について説明したが、本発明を複写機、ファクシミリ装置、複合機等の画像形成装置に適用することができる。
【0129】
なお、本発明は前記各実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【符号の説明】
【0130】
10 プリンタ
37 トナー残量検出部
40、41 第1、第2の均しスパイラル
51 トナー供給路
53 供給スパイラル
Cti トナーカートリッジ
h2 受け口
Pr6 駆動パターン変更処理部
Q1 画像形成部
Ti トナー
Tt トナー貯蔵部
u2 駆動ユニット
図1
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図17