(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066668
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】燃焼用木材および燃焼用乾燥木材の製造方法
(51)【国際特許分類】
C10L 5/44 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
C10L5/44
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177391
(22)【出願日】2021-10-29
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】521475912
【氏名又は名称】株式会社ワールドライブ
(74)【代理人】
【識別番号】100095359
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 篤
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 悟士
【テーマコード(参考)】
4H015
【Fターム(参考)】
4H015AA13
4H015AB01
4H015BA01
4H015BA09
4H015BB10
4H015CA06
4H015CA09
4H015CB01
4H015CB04
(57)【要約】
【課題】着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくくて燃焼効率が良好な燃焼用木材および燃焼用乾燥木材の製造方法を提供する。
【解決手段】上端1aおよび下端1bを有して自立可能な本体1を有する。縦穴2が本体1の上端1aに形成されて底部を有する。第1横穴3が本体1の側面に底部の下方まで伸びるよう形成される。第2横穴4が縦穴2に連通するよう側面に形成される。通風孔が第1横穴3および底部を連通させる。上端1aおよび下端1bは互いに平行な平面であって、上端1aに縦穴2と側面との間を横断する1または2以上の上端溝6を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端および下端を有して自立可能な本体と、
前記本体の上端に形成されて底部を有する縦穴と、
前記本体の側面に前記底部の下方まで伸びるよう形成された第1横穴と、
前記縦穴に連通するよう前記側面に形成された第2横穴と、
前記縦穴より細く前記第1横穴および前記底部を連通させる通風孔とを、
有することを特徴とする燃焼用木材。
【請求項2】
前記上端および前記下端は互いに平行な平面であって、前記上端に前記縦穴と前記側面との間を横断する1または2以上の上端溝を有することを、
特徴とする請求項1記載の燃焼用木材。
【請求項3】
前記縦穴は前記本体の高さの3分の1以上3分の2以下の長さを有し、前記第2横穴は前記第1横穴の上方に形成されて下部が前記底部より低くなるよう伸びていることを、
特徴とする請求項1または2記載の燃焼用木材。
【請求項4】
前記第1横穴に前記第1横穴への空気流量を調節可能な弁部材を有することを、
特徴とする請求項1、2または3記載の燃焼用木材。
【請求項5】
前記第2横穴に着脱可能な栓を有することを、
特徴とする請求項4記載の燃焼用木材。
【請求項6】
前記第2横穴の周囲に、前記弁部材を閉じるタイミングを示すための目印を有することを、
特徴とする請求項4または5記載の燃焼用木材。
【請求項7】
前記上端溝の底部に前記下端まで貫通する通気孔を有し、前記下端に前記通気孔から前記側面まで伸びる下端溝を有することを、
特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に記載の燃焼用木材。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の燃焼用木材を75℃以下の温度で乾燥させることを特徴とする燃焼用乾燥木材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼用木材および燃焼用乾燥木材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
キャンプの際の調理や暖炉などに薪が用いられているが、薪に比べて燃焼効率が改善された燃焼用木材が開発されている。従来、柱状をなす木材本体の下部で、該木材本体の外側面で開口して軸線が横方向である盲の横燃焼孔が設けられており、又、該木材本体の中央部分乃至その周辺部分に、該木材本体の上端面で開口し且つ縦方向に延長して横燃焼孔に下端で連通する内側縦燃焼孔の複数本が設けられている燃焼用木材が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の燃焼用木材は、着火しにくく、燃焼初期にしばらく焦げ臭い煙が出るという課題があった。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたもので、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくくて燃焼効率が良好な燃焼用木材および燃焼用乾燥木材の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る燃焼用木材は、上端および下端を有して自立可能な本体と、前記本体の上端に形成されて底部を有する縦穴と、前記本体の側面に前記底部の下方まで伸びるよう形成された第1横穴と、前記縦穴に連通するよう前記側面に形成された第2横穴と、前記縦穴より細く前記第1横穴および前記底部を連通させる通風孔とを、有することを特徴とする。
本発明に係る燃焼用木材は、下端を設置面に配置して使用する。使用の際、縦穴の底部に着火剤を配置して着火剤に点火する。着火剤には第1横穴から流入した空気が通風孔を通して下方から送られ、第2横穴からも空気が流入するため、着火しやすく、不必要な煙も出にくい。着火した後には、通風孔および第2横穴から内部に空気が入り、燃焼ガスは縦穴から上方に排出される。このため、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくくて燃焼効率が良好である。
本体に用いる木材の種類は、広葉樹であっても針葉樹であってもよい。
【0007】
本発明に係る燃焼用木材において、前記上端および前記下端は互いに平行な平面であって、前記上端に前記縦穴と前記側面との間を横断する1または2以上の上端溝を有することが好ましい。
この場合、下端が平面のため、平坦な設置面に配置したとき、安定しやすい。上端には、鍋、やかんなどの調理器具を乗せて、加熱することができる。上端に調理器具を乗せたとき、縦穴を昇る燃焼ガスは上端溝から排出されるので、高熱の燃焼ガスの排出を遮ることなく、調理器具を効率的に加熱することができる。
【0008】
本発明に係る燃焼用木材において、前記縦穴は前記本体の高さの3分の1以上3分の2以下の長さを有し、前記第2横穴は前記第1横穴の上方に形成されて下部が前記底部より低くなるよう伸びていることが好ましい。
この場合、特に燃焼効率が良好で、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくい。
本発明に係る燃焼用木材は、前記第1横穴に前記第1横穴への空気流量を調節可能な弁部材を有することが好ましい。
この場合、弁部材により第1横穴への空気流量を調節することができる。第1横穴への空気流量を抑えることにより、縦穴からオーロラバーンと呼ばれる青くゆらめくような炎を立ち上げることができる。第1横穴への空気流量を止めた場合には、縦穴から煙を昇らせ、煙を燻製に利用することができる。
【0009】
さらに、前記第2横穴に着脱可能な栓を有してもよい。
この場合、弁部材により第1横穴への空気流量を止め、第2横穴を栓で塞ぐことにより、内部の燃焼を止めて縦穴から煙を効果的に昇らせることができる。
本発明に係る燃焼用木材は、前記第2横穴の周囲に、前記弁部材を閉じるタイミングを示すための目印を有することが好ましい。
本発明者は、オーロラバーンや燻製煙を出現させるのに効果的な弁部材の閉じるタイミングを第2横穴の燃焼により広がる進度で計ることができることを発見した。このため、予めその進度に合わせて第2横穴の周囲に付けた目印により、目印まで燃焼が進んだとき弁部材を閉じて、オーロラバーンや燻製煙を高い確率で出現させることができる。
本発明に係る燃焼用木材は、前記上端溝の底部に前記下端まで貫通する通気孔を有し、前記下端に前記通気孔から前記側面まで伸びる下端溝を有していてもよい。
この場合、さらに燃焼効率が良好で、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくい。
【0010】
本発明に係る燃焼用乾燥木材の製造方法は、本発明に係る燃焼用木材を75℃以下の温度で乾燥させることを特徴とする。
本発明に係る燃焼用乾燥木材の製造方法では、本発明に係る燃焼用木材を75℃以下の温度で乾燥させることにより、割れが少なく、香りおよび燃焼成分が残った良好な燃焼用木材を製造することができる。製造された燃焼用乾燥木材は、オーロラバーンの鑑賞や燻製煙による燻製の製造などに適している。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくくて燃焼効率が良好な燃焼用木材および燃焼用乾燥木材の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施の形態の燃焼用木材の斜視図である。
【
図3】
図1の燃焼用木材の本体の(A)正面図、(B)B-B線断面図である。
【
図4】
図1の燃焼用木材の弁部材の(A)平面図、(B)底面図、(C)正面図、(D)D-D線断面図である。
【
図5】本発明の他の実施の形態の燃焼用木材の(A)平面図、(B)底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づき、本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図4に示す本発明の実施の形態の燃焼用木材は、上端1aおよび下端1bを有して自立可能な縦長の直方体状または円柱状の本体1を有している。上端1aおよび下端1bは、互いに平行な平面である。燃焼用木材は、本体1に縦穴2と第1横穴3と第2横穴4と通風孔5とを有している。
縦穴2は、横断面が円形で、
図3(B)に示すように、中心線が本体1の上端1aの中心を通るよう上端1aに直角に形成されて底部2aを有している。底部2aは、上端1aおよび下端1bに平行である。縦穴2は、本体1の高さの3分の1以上3分の2以下、例えば2分の1の長さを有している。
【0014】
第1横穴3は、横断面が円形で、中心線が本体1の側面の縦中心線を通るよう本体1の側面に直角に底部2aの下方まで伸びるよう形成されている。第1横穴3は、縦穴2とほぼ同一の直径を有している。
第2横穴4は、横断面が円形で、中心線が本体1の側面の縦中心線を通るよう本体1の側面に直角に形成されている。第2横穴4は、中心線が第1横穴3の中心線と平行になるよう第1横穴3の上方に位置付けられている。第1横穴3と第2横穴4とは、本体1の同一の側面に設けられている。第2横穴4は、第1横穴3より細くなっている。第2横穴4は、縦穴2に連通し、下部が底部2aより低くなるよう伸びている。
通風孔5は、複数から成り、それぞれ縦穴2より細く、第1横穴3の中心線および底部2aに直角をなして第1横穴3および底部2aを連通させている。
図2に示すように、燃焼用木材は、上端1aに縦穴2に連通し上端1aを横断する3本の上端溝6を有している。
【0015】
燃焼用木材は、第1横穴3に第1横穴3への空気流量を調節可能な弁部材7を有している。
図4に示すように、弁部材7は、第1横穴3の内径とほぼ同一の外径の円柱状であって、一端の中心に長さ方向に中央付近まで伸びる通気穴7aを有している。弁部材7は、周囲に通気穴7aに連通する複数の貫通孔7b,7cを有している。弁部材7は、一端側が他端側より薄くなるよう傾斜した傾斜面7dを一端に有している。弁部材7は、周囲に突起7eを有している。なお、弁部材7は、第1横穴3を開閉可能な単なる栓から成っていてもよい。
燃焼用木材は、第2横穴4に着脱可能な栓8を有している。栓8は、第2横穴4の内径とほぼ同一の外径の円柱から成る。第1横穴3で弁部材7を閉じるとともに、第2横穴4を栓8で塞ぐことにより、燃焼を確実に終了させ、煙を昇らせることができる。
【0016】
図3(A)に示すように、燃焼用木材は、第2横穴4の周囲に、弁部材7を閉じるタイミングを示すための目印9a,9bを有している。オーロラバーンや燻製煙は、弁部材7の閉じるタイミングにより効果的に出現させることができる。そのタイミングは、第2横穴4の燃焼により広がる進度で計ることができる。目印9a,9bは、第2横穴4と同心円状の2つの円から成る。小さい円の目印9aは、燻製煙を出現させるのに効果的な弁部材7の閉じるタイミングを示す目印である。大きい円の目印9bは、オーロラバーンを出現させるのに効果的な弁部材7の閉じるタイミングを示す目印である。燃焼により小さい円の目印9aまで第2横穴4が広がったときに第1横穴3を弁部材7で塞ぐと、燻製煙を効果的に出現させるよう、小さい円の目印9aは第2横穴4の周囲に所定の大きさで付けられている。また、燃焼により大きい円の目印9bまで第2横穴4が広がったときに第1横穴3を弁部材7で塞ぐと、オーロラバーンを効果的に出現させるよう、大きい円の目印9bは第2横穴4の周囲に所定の大きさで付けられている。一例で、小さい円の目印9aの直径は18ミリ、大きい円の目印9bの直径は30ミリである。目印9a,9bは、焼き印や彫り、スタンプなどいかなる手段からなってもよい。
本発明の実施の形態の燃焼用乾燥木材の製造方法は、前述の燃焼用木材を75℃以下の温度で乾燥させる方法から成る。燻製用の燃焼用木材に用いる木材の種類としては、サクラ、ヒッコリー、ナラ、ブナ、リンゴなどが好ましい。
【0017】
次に作用について説明する。
燃焼用木材は、下端1bを地面や暖炉などの設置面に配置して使用する。使用の際、縦穴2の底部2aに着火剤を配置して着火剤に点火する。着火剤には、市販品を用いることができる。着火剤は、固形、繊維状、ジェル状などいかなるタイプであってもよい。着火剤には第1横穴3から流入した空気が通風孔5を通して下方から送られ、第2横穴4からも空気が流入するため、着火しやすく、着火の際に不必要な煙も出にくい。着火した後には、通風孔5および第2横穴4から内部に空気が入り、燃焼ガスは縦穴2から上方に排出される。このため、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくくて燃焼効率が良好である。
【0018】
下端1bは平面のため、平坦な設置面に配置したとき、安定しやすい。上端1aには、鍋、やかんなどの調理器具を乗せて、加熱することができる。上端1aに調理器具を乗せたとき、縦穴2を昇る燃焼ガスは上端溝6から排出されるので、高熱の燃焼ガスの排出を遮ることなく、調理器具を効率的に加熱することができる。第1横穴3と第2横穴4とは本体1の同一の側面に形成されているので、燃焼初期には燃焼用木材を本体1の反対側の側面から安全に持つことができる。
燃焼用木材は、縦穴2が本体1の高さの3分の1以上3分の2以下の長さを有し、第2横穴4は第1横穴3の上方に形成されて下部が底部2aより低くなるよう伸びているため、特に燃焼効率が良好で、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくい。
【0019】
燃焼用木材は、弁部材7により第1横穴3への空気流量を調節することができる。第1横穴3への空気流量を抑えることにより、縦穴2からオーロラバーンと呼ばれる青くゆらめくような炎を立ち上げることができる。第1横穴3への空気流量を止めた場合には、縦穴2から煙を昇らせ、煙を燻製に利用することができる。弁部材7により燃焼の初期、中期または後期に空気流量の調節を行うことで、炎の勢いを変化させることができる。
また、弁部材7により第1横穴3への空気流量を止め、第2横穴4を栓8で塞ぐことにより、内部の燃焼を止めて縦穴2から煙を効果的に昇らせることができる。
【0020】
燃焼用木材を燻製の製造に用いる場合には、着火後、小さい円の目印9aまで燃焼が進んだとき弁部材7を閉じて、燻製煙を高い確率で出現させることができる。燃焼用木材をオーロラバーンの鑑賞に用いる場合には、着火後、大きい円の目印9bまで燃焼が進んだとき弁部材7を閉じて、オーロラバーンを高い確率で出現させることができる。
本発明の実施の形態の燃焼用乾燥木材の製造方法では、本実施の形態の燃焼用木材を75℃以下の温度で乾燥させることにより、割れが少なく、香りおよび燃焼成分が残った良好な燃焼用木材を製造することができる。
【0021】
なお、
図5に示すように、燃焼用木材は、上端溝16の底部に下端11bまで貫通する通気孔20を有し、下端11bに通気孔20から側面まで伸びる下端溝21を有していてもよい。燃焼用木材は、円柱状の本体11を有し、通気孔20は上端11aおよび下端11bに直角に伸びている。下端溝21は、円形の下端11bに放射状に伸びている。正面に伸びる上端溝16および下端溝21の位置には、通気孔20は形成されていない。
通気孔20を有する場合、さらに燃焼効率が良好で、着火しやすく、焦げ臭い煙が出にくい。一例で、通気孔20の直径は8ミリである。なお、円柱状の本体は、角柱状の本体に比べて、製造が容易であり、また、燃焼後に四隅の燃え滓が生じにくい。
【0022】
また、
図6に示すように、弁部材は、複数の貫通孔7b,7cを有する代わりに、大きい1つの貫通孔を有していてもよい。弁部材17は、一端の中心に長さ方向に中央付近まで伸びる通気穴17aを有している。弁部材17は、周囲に通気穴17aに連通する貫通孔17bを有している。弁部材17の第1横穴3に挿入する深さを調節することにより、第1横穴3への空気流量を調節することができる。
【実施例0023】
前述の実施の形態の燃焼用木材の構成で、幅105ミリ、奥行105ミリ、高さ200ミリの直方体のサクラの木材に直径40ミリ、深さ70ミリの縦穴と、下端から30ミリの位置に底部が位置付けられた直径30ミリの第1横穴と、上端から70ミリの位置に中心線が位置付けられた直径15ミリの第2横穴と、直径13ミリの通風孔とその周囲に等距離、等間隔で配置された直径8ミリの6本の通風孔とを設け、第2横穴の周囲に直径18ミリの小さい円の目印と、直径30ミリの大きい円の目印とを付け、上端溝は形成せずに燃焼用木材7個(試料1~7)を準備した。
また、第2横穴および大小の目印を有しない点を除いて試料1~7の燃焼用木材と同一の構成、寸法の燃焼用木材3個(試料8~10)を準備した。
試料1~6、8、9の燃焼用木材を75℃で含水率15%になるまで乾燥庫内で乾燥させて、燃焼用乾燥木材を作製した。また、試料7、10の燃焼用木材を100℃で含水率15%になるまで乾燥庫内で乾燥させて、燃焼用乾燥木材を作製した。作製した10個の燃焼用乾燥木材の縦穴の底部に着火剤を置いて着火させ、燃焼実験を行った。
【0024】
試料1、2、7の燃焼用乾燥木材について、小さい円の目印まで燃焼が進んだ時点で、第1横穴を弁部材で塞ぎ、第2横穴を栓で塞いだところ、いずれも炎が消え、縦穴から燻製煙として十分な量の煙が出た。試料1,2の煙は、サクラの木に特有の香りがし、第1横穴および第2横穴を塞いでから45-50分間、出続けた。試料7の煙は、試料1,2と同様に第1横穴および第2横穴を塞いでから50分間、出続けたが、焦げ臭い臭気であった。
試料3、4の燃焼用乾燥木材について、着火してから約20分後に大きい円の目印まで燃焼が進んだ時点で、第1横穴を弁部材で塞いだところ、青い炎のオーロラバーンを含んだゆらめく炎が約1時間10分間出現し、炎が消えてから約20分後に熾火が鎮火した。途中、目立った煙が出ることはなく、着火してから約1時間50分で燃焼し尽くした。
試料5、6の燃焼用乾燥木材は、着火してから炎が約1時間10分間出現し、炎が消えてから約20分後に熾火が鎮火した。途中、目立った煙が出ることはなく、着火してから約1時間30分で燃焼し尽くした。
試料8~10の燃焼用乾燥木材は、着火してから約20~25分間焦げ臭いが出続けた後、炎が約1時間10分間出現し、炎が消えてから約20分後に熾火が鎮火した。