(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066704
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】化粧品
(51)【国際特許分類】
A45D 33/00 20060101AFI20230509BHJP
A45D 34/00 20060101ALI20230509BHJP
A45D 40/00 20060101ALI20230509BHJP
B65D 83/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
A45D33/00 650E
A45D33/00 650D
A45D34/00 510Z
A45D40/00 V
A45D40/00 Z
B65D83/00 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177457
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】591254958
【氏名又は名称】株式会社タイキ
(74)【代理人】
【識別番号】100117204
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 徳哉
(72)【発明者】
【氏名】金 紀愛
(72)【発明者】
【氏名】中村 興司
【テーマコード(参考)】
3E014
【Fターム(参考)】
3E014PA01
3E014PA02
3E014PA03
3E014PC03
3E014PC08
3E014PC16
3E014PE25
3E014PE30
(57)【要約】
【課題】低コストで製造でき、衛生的で便利な化粧品を提供する。
【解決手段】上側に開口する第一開口部を有する下段収容部と、下段収容部の上側に、外側に拡大する段差部を介して設けられ、上側に開口する第二開口部を有する上段収容部と、を備えた容器本体と、第二開口部を閉塞する蓋と、下段収容部に収容された化粧料と、上段収容部に収容され、化粧料を塗布するための塗布具と、化粧料と塗布具の間に位置し、化粧料と塗布具を分離する分離シートと、を備えている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側に開口する第一開口部を有する下段収容部と、下段収容部の上側に、外側に拡大する段差部を介して設けられ、上側に開口する第二開口部を有する上段収容部と、を備えた容器本体と、
第二開口部を閉塞する蓋と、
下段収容部に収容された化粧料と、
上段収容部に収容され、化粧料を塗布するための塗布具と、
化粧料と塗布具の間に位置し、化粧料と塗布具を分離する分離シートと、
を備えている、化粧品。
【請求項2】
分離シートは、段差部の上面に載置されて第一開口部を覆い、塗布具は、分離シートに載置されている、請求項1記載の化粧品。
【請求項3】
上段収容部は、第一開口部の周囲の一部に、外側に拡張された指入れ拡張部を有している、請求項2記載の化粧品。
【請求項4】
蓋は、容器本体に剥離可能に接着され、蓋の開封開始部に対応した位置に指入れ拡張部が設けられている、請求項3記載の化粧品。
【請求項5】
段差部の上面には、分離シートを支持する支持部と、支持部よりも外側に位置し、支持部よりも低い低位部とが設けられている、請求項2記載の化粧品。
【請求項6】
低位部は、支持部の外側に連続し、外側に向けて徐々に低くなる降下部と、降下部の外側に連続するフラット部とを有している、請求項5記載の化粧品。
【請求項7】
上段収容部は、第一開口部の周囲の一部に、外側に拡張された指入れ拡張部を有し、指入れ拡張部に低位部が設けられている、請求項5又は6記載の化粧品。
【請求項8】
上段収容部は、段差部から上側に延びる上部側面部を有し、上部側面部は、指入れ拡張部に、上部側面部の他の部分よりも外側に膨出した側面膨出部を有し、側面膨出部は、上部側面部の他の部分よりも下側に延びている、請求項7記載の化粧品。
【請求項9】
蓋は、塗布具の上面に当接している、請求項2乃至8の何れかに記載の化粧品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品に関し、特には、試供用に適した化粧品に関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション等の化粧品を購入する前に、試供品により化粧品の色目や化粧具合等を確かめてから購入することがある。従来、試供品としては、下記特許文献1、2のように、ベースシートの充填領域に化粧料が付着され、その化粧料をカバーするように、ベースシートに透明のカバーシートが積層されたものが提案されている。
【0003】
しかしながら、上記試供品とは別に、化粧料を塗布するための試供用の塗布具を準備する必要がある。また、塗布具を清潔に管理する必要もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005-13335号公報
【特許文献2】特開平10-262727号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、低コストで製造でき、衛生的で便利な化粧品を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る化粧品は、上側に開口する第一開口部を有する下段収容部と、下段収容部の上側に、外側に拡大する段差部を介して設けられ、上側に開口する第二開口部を有する上段収容部と、を備えた容器本体と、第二開口部を閉塞する蓋と、下段収容部に収容された化粧料と、上段収容部に収容され、化粧料を塗布するための塗布具と、化粧料と塗布具の間に位置し、化粧料と塗布具を分離する分離シートと、を備えている。
【0007】
この構成によれば、容器本体は上下二段の収容部を有している。下段収容部には化粧料が収容され、上段収容部には塗布具が収容されている。このように、一つの容器に化粧料と塗布具がセットで収容されているので、塗布具を別途準備する必要がなく、衛生的で便利である。また、下段収容部と上段収容部が上下に並んで配置されているので、容器がコンパクトとなり、省資源化が可能となり、低コストである。
【0008】
下段収容部と上段収容部の間には、外側に向けて拡大した段差部が設けられている。従って、上段収容部は下段収容部よりも外側に向けて大きい形状である。下段収容部は下部側面部を有し、上段収容部は上部側面部を有しており、下部側面部と上部側面部の間に段差部が位置している。段差部が設けられているので、下段収容部に化粧料を入れる際に、化粧料が上部側面部の内面に付着しにくく、上部側面部の内面から塗布具に化粧料が付着しにくい。
【0009】
更に、化粧料と塗布具の間には分離シートが配置され、分離シートによって化粧料と塗布具が分離されている。そのため、塗布具に化粧料が付着することが防止される。
【0010】
化粧品は、例えば以下のように製造することができる。即ち、容器本体の下段収容部に化粧料を入れ、次に、分離シートを入れ、次に、塗布具を入れる。そして、容器本体に蓋を装着して第二開口部を蓋で閉塞する。このように、容器本体に、順に化粧料、分離シート、塗布具を入れることができ、更に容器本体の上から蓋を装着することができる。化粧料の挿入方向や蓋の装着方向が同じ方向であるため、製造が容易であって、低コストで化粧品を製造することができる。
【0011】
好ましくは、分離シートは、段差部の上面に載置されて第一開口部を覆い、塗布具は、分離シートに載置されている。この構成によれば、分離シートが段差部の上面に載置されて第一開口部を覆っているので、塗布具に化粧料がより一層付着しにくくなる。また、製造工程においては、分離シートを段差部の上面に載置することができ、そして、その分離シートの上に塗布具を載置することができる。そのため、化粧品を容易に製造できる。
【0012】
好ましくは、上段収容部は、第一開口部の周囲の一部に、外側に拡張された指入れ拡張部を有している。この構成によれば、蓋を開いて塗布具を上段収容部から取り出した後に、指入れ拡張部に指先を入れて分離シートを容易に取り出すことができる。
【0013】
好ましくは、蓋は、容器本体に剥離可能に接着され、蓋の開封開始部に対応した位置に指入れ拡張部が設けられている。この構成によれば、蓋を開封開始部から剥離して開封することができる。そして、蓋の開封開始部に対応した位置に指入れ拡張部が設けられているので、容器を過度に大型化することなく指入れ拡張部を容易に設けることができる。
【0014】
好ましくは、段差部の上面には、分離シートを支持する支持部と、支持部よりも外側に位置し、支持部よりも低い低位部とが設けられている。この構成によれば、低位部の上に分離シートの周縁部を位置させ、その分離シートの周縁部を例えば指先で下側に押すことができる。分離シートは、支持部を支点として、てこの原理によって傾くことになる。そのため、分離シートを容易に取り出すことができる。
【0015】
好ましくは、低位部は、支持部の外側に連続し、外側に向けて徐々に低くなる降下部と、降下部の外側に連続するフラット部とを有している。この構成によれば、降下部に沿って分離シートを安定して傾けることができる。そして、降下部の外側にはフラット部が設けられているので、上部側面部と低位部のつながりがスムーズになり、容器本体を容易に製造できる。
【0016】
好ましくは、上段収容部は、第一開口部の周囲の一部に、外側に拡張された指入れ拡張部を有し、指入れ拡張部に低位部が設けられている。この構成によれば、指入れ拡張部を利用して大きな低位部を容易に設けることができ、支持部と低位部の間の高低差を容易に設けることができる。そのため、分離シートを大きく傾けることができ、分離シートを容易に取り出すことができる。また、指の爪で分離シートの周縁部を引っ掛けて持ち上げることも容易になる。
【0017】
好ましくは、上段収容部は、段差部から上側に延びる上部側面部を有し、上部側面部は、指入れ拡張部に、上部側面部の他の部分よりも外側に膨出した側面膨出部を有し、側面膨出部は、上部側面部の他の部分よりも下側に延びている。化粧品を開封する際には、例えば、左手で容器本体を掴み、右手で蓋を持って開ける。その際、上部側面部の側面膨出部に例えば左手の親指を当てて容器本体を掴むことができる。側面膨出部は、上部側面部の他の部分よりも下側に延びているので、親指を側面膨出部に容易に且つしっかりと押し当てることができ、容器本体を確実に掴むことができる。
【0018】
好ましくは、蓋は、塗布具の上面に当接している。この構成によれば、塗布具の上下の振動が抑制され、分離シートが段差部の上面から浮き上がりにくくなる。そのため、塗布具への化粧料の付着を抑制できる。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、一つの容器の上下二段の収容部に化粧料と塗布具が分離シートで分離された状態で収容されているので、店頭等で別途の塗布具を準備する必要がなく、衛生的で便利である。また、低コストで製造できるので、試供品のような簡易な化粧品に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態における化粧品を示す斜視図。
【
図4】(a)は同容器本体の平面図、(b)は(a)のB-B断面図。
【
図7】(a)及び(b)は同化粧品の開蓋状態を示す斜視図。
【
図8】(a)及び(b)は同化粧品の開蓋状態を示す平面図。
【
図9】(a)及び(b)は同化粧品の使用状態の一例を示す断面図。
【
図10】(a)乃至(c)は同化粧品の製造工程を示す断面図。
【
図12】(a)及び(b)は本発明の他の実施形態における化粧品の使用状態の一例を示す断面図。
【
図13】(a)乃至(c)は参考例の化粧品の製造工程を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る化粧品1について
図1~
図11を参酌しつつ説明する。
図1及び
図2に本実施形態における化粧品1を示している。化粧品1は、容器と、容器に収容された化粧料4及び塗布具と、化粧料4と塗布具を分離するための分離シート6とを備えている。容器は、上面に開口部を有する有底筒状の容器本体2と、容器本体2の開口部を閉塞する蓋3とを備えている。
【0022】
<容器本体2>
図3及び
図4に、容器本体2を単体の状態で示している。容器本体2は、底面部10と、底面部10の周縁部から上側に延びる筒状の下部側面部11と、下部側面部11の上端部から外側に延びる段差部12と、段差部12の周縁部から上側に延びる筒状の上部側面部13と、上部側面部13の上端部から外側に延びるフランジ部14とを有している。
【0023】
容器本体2の収容部は段差部12によって上下二段に分かれている。容器本体2は、下段収容部15と、下段収容部15の上側に位置する上段収容部16とを有している。下段収容部15と上段収容部16は互いに上下に並んでいる。平面視において、上段収容部16は、下段収容部15よりも大きい。
【0024】
下段収容部15は、底面部10と下部側面部11により構成されている。下段収容部15は、上側に開口した第一開口部17を有する。上段収容部16は、段差部12と上部側面部13により構成されている。上段収容部16は、上側に開口した第二開口部18を有する。第二開口部18が容器本体2の開口部である。第二開口部18は第一開口部17よりも大きい。下段収容部15の収容空間と上段収容部16の収容空間は、第一開口部17により上下に連通している。
【0025】
容器本体2の平面視の形状は種々であってよい。本実施形態では、底面部10は円形であり、下部側面部11は、円筒状であり、第一開口部17は円形である。即ち、下段収容部15は平面視円形である。一方、上段収容部16は平面視非円形であり、円形の全周のうちの一部が径方向外側に膨出した形状である。従って、段差部12と上部側面部13とフランジ部14の平面視の形状は、円形の全周のうちの一部が径方向外側に膨出した形状となっている。上段収容部16は、第二開口部18の全周のうちの一部が径方向外側に膨出した指入れ拡張部19を有している。指入れ拡張部19は、例えば人差し指や中指など、一本の指を下側に向けて差し入れることができる程度の大きさとされることが好ましい。
【0026】
段差部12は、第一開口部17の周囲に全周に亘って設けられている。即ち、段差部12は環状である。段差部12は、下部側面部11の上端部から径方向外側に延びている。段差部12が設けられていることにより、上部側面部13は下部側面部11よりも一段外側に拡大している。段差部12の径方向の寸法は、指入れ拡張部19を除いて一定である。段差部12の径方向の寸法は、指入れ拡張部19において局所的に径方向外側に拡大している。段差部12は、指入れ拡張部19に、段差部12の他の部分(段差部12の主部)よりも径方向外側に拡張された段差拡張部20を有している。段差拡張部20の平面視における膨出形状は任意であるが、本実施形態においては半円状あるいは三日月形状である。但し、段差拡張部20の平面視の形状は、例えば矩形状等であってもよい。本実施形態において、段差部12は、段差拡張部20を除いて略水平である。但し、段差部12は、全周に亘って、径方向外側に向けて下降するように傾斜していたりしてもよい。
【0027】
段差部12の上面には、第一開口部17に隣接する支持部21と、支持部21よりも径方向外側に位置し、支持部21よりも低い低位部22とが設けられている。支持部21は、第一開口部17の周囲全周に設けられている。支持部21は、環状である。支持部21の高さは一定である。支持部21は、分離シート6を第一開口部17の周囲全周において支持する。支持部21は、段差部12のうち段差拡張部20以外の部分においては段差部12の上面の大部分を占めていて、上部側面部13の内面の近傍まで略水平に延びている。
【0028】
低位部22は、段差拡張部20に設けられている。従って、段差拡張部20は、段差部12の他の部分に比して低く、凹んだ部分である。低位部22は、支持部21の径方向外側に連続し、径方向外側に向けて徐々に低くなる降下部22aと、降下部22aの径方向外側に連続するフラット部22bとを有している。降下部22aは、傾斜面であることが好ましいが、例えば、径方向外側に向けて下側あるいは上側に湾曲する湾曲面であってもよい。降下部22aが例えば傾斜面である場合、その勾配は例えば10~45度であってよい。フラット部22bは、略水平な平坦面であることが好ましい。フラット部22bは上部側面部13の近傍まで延びていることが好ましい。尚、フラット部22bと上面側面部の内面との間の境界部には、湾曲面が設けられていることが好ましい。
【0029】
段差拡張部20の上面が段差部12の他の部分の上面に比して低くなっていることに対応して、段差拡張部20の下面は、段差部12の他の部分の下面に比して低くなっている。
【0030】
上部側面部13は、円筒形の一部が径方向外側に拡張された形状である。上部側面部13は、指入れ拡張部19に、上部側面部13の他の部分(上部側面部13の主部)よりも径方向外側に拡張された側面膨出部25を有している。側面膨出部25は、平面視において、径方向外側に円弧状に膨出している。但し、側面膨出部25は、平面視において、矩形状に膨出していてもよい。
【0031】
側面膨出部25は、段差拡張部20の外縁部に接続している。段差拡張部20が段差部12の他の部分よりも低くなっていることから、側面膨出部25は、上部側面部13の他の部分よりも下側に延びている。即ち、側面膨出部25は、その下端部に、上部側面部13の他の部分の下端部よりも下側に延びた延長部25aを有している。側面膨出部25の下端部の高さは、上部側面部13の他の部分の下端部の高さよりも低い。一方、上部側面部13の上端部の高さは一定である。従って、側面膨出部25の上下方向の長さは、上部側面部13の他の部分の上下方向の長さよりも長い。
【0032】
フランジ部14は、第二開口部18の全周に亘って設けられている。フランジ部14は、略水平である。フランジ部14は、円形の一部が径方向外側に突出した形状である。フランジ部14は、全周のうち指入れ拡張部19に対応した位置に、フランジ部14の他の部分(フランジ部14の主部)よりも径方向外側に突出したフランジ突出部28を有している。フランジ突出部28は、側面膨出部25の上端部に接続されている。フランジ突出部28の突出端部には、フランジ突出部28の他の部分(フランジ突出部28の基端部)よりも一段低くなった逃げ部29が設けられている。
【0033】
容器本体2は、好ましくは合成樹脂製である。容器本体2は、好ましくは合成樹脂シート製であって、真空成形等のシート成形によって形成される。但し、容器本体2は、射出成形によって形成されてもよい。合成樹脂シートは種々であってよいが、例えば、PPやPE、PET、PET-G、PCTA、POM、PBT、PA、PC、PS、PVC、PLA、AS、ABS等であり、厚さは、例えば0.3~1.0mmである。
【0034】
<蓋3>
蓋3は、容器本体2の第二開口部18を閉塞する。蓋3は種々の形態であってよい。本実施形態において、蓋3は、容器本体2の上端部に剥離可能に接着されている。詳細には、蓋3は、フランジ部14の上面に剥離可能にヒートシールされている。蓋3は、好ましくは柔軟性を有するフィルム製である。フィルムは単層であってもよいが多層であることが好ましい。フィルムは、下側即ち容器本体2に近い側から順に、シーラント層と、バリアー層と、基層を備えている。シーラント層は、ヒートシールにより容器本体2に接着するための層であり、PETやPP、PE、PBT、PA、PLA等の合成樹脂からなる。バリアー層は、アルミ箔やシリカ、EVOH等からなる。基層は、フィルムの主たる層であって、PETやPP、PE、PBT、PA、PLA等の合成樹脂や紙等からなる。尚、シーラント層とバリアー層との間に一あるいは複数の中間層が設けられていてもよい。中間層は、例えばPETやPP、PE、PBT、PA、PLA等の合成樹脂からなる。
【0035】
蓋3は、フランジ部14に対応した形状を有している。蓋3は、円形の一部が径方向外側に突出した形状である。蓋3は、径方向外側に突出した開封開始部30(摘み部)を有している。開封開始部30は、フランジ突出部28の上側に位置している。開封開始部30の先端部は、フランジ突出部28の逃げ部29の上側に位置している。開封開始部30の先端部と逃げ部29との間には隙間が形成される。即ち、開封開始部30の先端部には、フランジ部14に接着されていない未接着部31が設けられている。使用者は、開封時に、未接着部31を指先で掴むことができる。尚、フランジ突出部28に逃げ部29が設けられていなくてもよく、その場合であっても、開封開始部30に未接着部31を設けておくことにより、蓋3を容易に剥離できる。また、開封開始部30の先端部に未接着部31を設けずに、フランジ突出部28の先端部に、その先端部を横断するようにして切離線を設け、蓋3の開封時にその切離線でフランジ突出部28の先端部をフランジ突出部28の基端部から切離するようにしてもよい。切離されたフランジ突出部28の先端部を開封開始部30の先端部と共に掴んで、蓋3を容易に剥離できる。
【0036】
<化粧料4>
化粧料4は下段収容部15に収容される。下段収容部15は、化粧料4を収容するための収容部である。化粧料4は種々であってよく、固体であってもよいし液体であってもよい。固体の化粧料4は、例えば、粉体やペースト状である。化粧料4は、揮発成分を有しているものであってよい。固体の化粧料4の場合には、例えば金属製や合成樹脂製、紙製等のトレー(中皿)に充填されて押し固められたものであってよい。液体化粧料4の場合には、パッド7に含浸されたものであってよい。液体化粧料4の粘度は、例えば2000~30000mPa・s(B型粘度計、No.4ローター、12rpm、60sec)である。本実施形態では、液体化粧料4を例に説明する。
【0037】
液体化粧料4は、例えば、液体のファンデーションやチーク、美容液、乳液等である。液体化粧料4はパッド7(含浸体)に含浸される。含浸量は、例えば0.5~5gである。パッド7は、軟質であり、容易に変形できる。パッド7は、下段収容部15に対応した形状であって、本実施形態では、円柱状である。パッド7の直径は下段収容部15の内径よりも若干小さくても大きくてもよい。パッド7の上下方向の長さ(厚さ)は、下段収容部15の深さ、即ち、下部側面部11の上下方向の長さと同じかそれよりも短いことが好ましい。従って、下段収容部15にパッド7が収容された状態において、パッド7の上面は、段差部12の上面と面一かあるいはそれよりも低い。パッド7の上面が段差部12の上面よりも上側に突出しないことが好ましい。
【0038】
パッド7の材質は、液体化粧料4が含浸可能なものであればよい。パッド7の材質は、各種の発泡体や多孔質材料、繊維体等である。パッド7は、クッション性を有している。繊維体は、繊維がジャングルジムのように立体的に交差した構造である。繊維体は、三次元立体構造である。繊維同士が交差している交差部は、繊維同士が接触している接触部である。接触部において、繊維同士は融着している。繊維体の密度は、例えば、6~50kg/m3程度であり、好ましくは6~30kg/m3程度である。繊維体のアスカーF硬度は、30~60程度であることが好ましい。尚、アスカーF硬度は、高分子計器(株)製のアスカーゴム硬度計F型を用い、25℃の温度で測定したときの値である。尚、パッド7は、単層でもよいし、多層でもよい。
【0039】
パッド7に液体化粧料4を含浸させる工程は、パッド7を下段収容部15に収容する前であってもよいが、好ましくは、パッド7を下段収容部15に収容した後である。パッド7を下段収容部15に収容した後に、
図10のように容器本体2に充填機90のノズル91を進入させる。そして、ノズル91をパッド7に押し付ける。ノズル91によってパッド7を上下に圧縮しながら、ノズル91の孔92から液体化粧料4を排出し、パッド7に液体化粧料4をムラなく均一に含浸させる。ノズル91はパッド7の形状に対応した円形であって、ノズル91の直径は下段収容部15の内径と略等しい。
【0040】
<分離シート6>
分離シート6は、化粧料4と塗布具の間に配置されている。分離シート6は、第一開口部17よりも小さくてもよく、下段収容部15内に位置していてもよいが、好ましくは、第一開口部17よりも大きく、段差部12の上面に載置されている。分離シート6が段差部12の上面に載置されることにより、第一開口部17を覆う。上述のように、段差部12の上面には、環状の支持部21が設けられている。段差部12の上面に載置された分離シート6は環状の支持部21によって全周に亘って支持され、第一開口部17は分離シート6によって封止される。
【0041】
分離シート6は、第一開口部17の形状に対応した形状であって、円形である。分離シート6は、第一開口部17よりも大径である。分離シート6が円形であることで、分離シート6に方向性がなくなり、分離シート6を容易に容器本体2に入れることができる。そのため、分離シート6の自動装填が容易になる。
【0042】
分離シート6は、段差部12の外縁部の直径、即ち、上部側面部13の内径よりも小さい。そのため、段差部12の上面に載置された分離シート6の外縁と上部側面部13の内面との間には隙間が生じる。その隙間の分だけ、分離シート6は水平方向に位置ずれできる。分離シート6が水平方向に位置ずれした場合であっても、分離シート6は、第一開口部17の全体を覆って第一開口部17を塞ぐ。
図8(a)は、分離シート6が第一開口部17と同心状に位置している状態を示している。
図8(b)は、分離シート6が第一開口部17に対して指入れ拡張部19に向けて偏心した状態を示している。
【0043】
分離シート6は各種のシートから形成される。分離シート6は好ましくは合成樹脂製のシートである。分離シート6は、好ましくは透明のシートであり、分離シート6の上から化粧料4の色を視認できる。分離シート6を構成する合成樹脂は、例えば、PETやPP、PE等であり、好ましくは透明性に優れることからPETである。分離シート6の厚さは、例えば20~100μmであって、好ましくは50~100μmである。
【0044】
<パフ5(塗布具)>
上段収容部16には、塗布具が収容される。塗布具は、化粧料4を顔等の皮膚に塗布するための化粧用具である。本実施形態では、塗布具としてパフ5が上段収容部16に収容されている。パフ5は、クッション性を有するパフ本体50と、パフ本体50の上面に取り付けられた帯体51とを備えている。
【0045】
パフ本体50は、扁平状である。パフ本体50は、平面視において上段収容部16に対応した形状であり、例えば円形状や矩形状である。本実施形態では、パフ本体50は平面視円形状である。パフ本体50の下面がパフ5の下面5bであって塗布面である。使用時に塗布面に化粧料4が付着する。
【0046】
帯体51は、パフ本体50の上面に取り付けられている。帯体51は、パフ本体50の上面から僅かに上側に突出している。帯体51の両端部がパフ本体50の上面の周縁部の二箇所にそれぞれ取り付けられている。帯体51とパフ本体50の上面との間に一本あるいは数本の指を挿入可能である。帯体51とパフ本体50の上面との間に指が挿入されて、パフ5が手で支持される。
【0047】
パフ5は、帯体51が上側を向くようにして上段収容部16に収容される。パフ5は、分離シート6に載置されている。パフ5の上面5aは、蓋3に当接している。特に、パフ5の上面5aのうち帯体51が蓋3に当接している。パフ5は、蓋3によって下側に向けて押されている。パフ5は、蓋3と分離シート6の間に位置し、好ましくは、蓋3と分離シート6によって上下に狭持されている。
図11のように、蓋3を容器本体2に装着する前の状態では、パフ5の上面5aは第二開口部18から若干上側に突出していることが好ましい。詳細には、帯体51がフランジ部14の上面よりも上側に位置していることが好ましい。フランジ部14に蓋3がヒートシールされることにより、蓋3によって帯体51が下側に押される。
【0048】
以上のように構成された化粧品1は、例えば以下のようにして製造される。まず、容器本体2の下段収容部15にパッド7を入れる。その後、パッド7に液体化粧料4を含浸させる。
図10にパッド7に液体化粧料4を充填する工程の概略を示している。下段収容部15にパッド7が収容された状態の容器本体2の上に充填機90のノズル91を位置させる。逆に言えば、充填機90のノズル91の下に、容器本体2を位置させる。ノズル91の直径は、下部側面部11の内径と略等しい。ノズル91を下降させてノズル91を第二開口部18から容器本体2内に進入させていく。そして、ノズル91を第一開口部17から下段収容部15に進入させてパッド7の上面に押し当ててパッド7をノズル91で上下方向に圧縮する。この状態でノズル91の孔92から液体化粧料4を出してパッド7に液体化粧料4を含浸させる。所定量の液体化粧料4をノズル91から排出させた後、ノズル91を上昇させ容器本体2からノズル91を抜く。
【0049】
尚、液体化粧料4を容器本体2に自動充填する場合には、例えば充填機90のノズル91を所定位置に配置しておき、ノズル91は上下移動のみを行うようにする。容器本体2を水平方向に順次移動させて、容器本体2をノズル91の下方に位置させる。
【0050】
上段収容部16が下段収容部15に対して外側に拡大しているため、ノズル91を第二開口部18から容器本体2に進退させても、ノズル91が上部側面部13に接触しにくく、上部側面部13の内面に液体化粧料4が付着しにくい。尚、固体の化粧料4の場合においても、固体の化粧料4を下段収容部15に入れる際に、上部側面部13の内面に化粧料4が付着しにくい。
【0051】
図13に比較例として、容器本体200に段差部がなく、容器本体200が一つの収容部のみを有している場合を示している。パッド204の直径は容器本体200の側面部201の内径と略等しい。この場合、ノズル91を容器本体200に進退させる際に側面部201の内面に化粧料205が付着しやすい。側面部201の内面に化粧料205が付着することを防止するために、仮に、ノズル91の直径を側面部201の内径よりも大幅に小さくすると、パッド204の周縁部に化粧料205が含浸しにくくなり、含浸ムラが生じる。
【0052】
パッド7に化粧料4を充填した後、第二開口部18から分離シート6を容器本体2の中に入れて段差部12の上面に載せる。分離シート6の直径は第一開口部17の直径よりも大きいので、分離シート6を段差部12の上面に載せることで、第一開口部17を塞ぐことができる。第一開口部17の周囲には支持部21が環状に設けられているので、分離シート6は環状の支持部21によって支持される。そのため、第一開口部17の密閉度合いが高まり、液体化粧料4の漏洩や揮発成分の揮発を抑制できる。
【0053】
その後、第二開口部18からパフ5を容器本体2の中に入れて分離シート6の上に載せる。パフ5の帯体51はフランジ部14の上面よりも若干上側に位置する。尚、パフ本体50の上面がフランジ部14の上面よりも若干高くなっていてもよい。そして、フランジ部14に蓋3をヒートシールにより接着する。蓋3によって第二開口部18が封止され、容器本体2が密封される。そのため、液体化粧料4の蒸発、その揮発成分の揮発を抑制できる。また、蓋3にバリアー層が設けられているので、液体化粧料4の劣化を防止できる。
【0054】
蓋3をフランジ部14に溶着することで、蓋3によってパフ5が下側に押される。そのため、パフ5の上下のガタツキが抑制され、パフ5が安定する。また、パフ5によって分離シート6が下側に押されるので、分離シート6の振動も抑制され、分離シート6も安定する。パフ5からの押圧力によって分離シート6が環状の支持部21に密着し、第一開口部17を分離シート6によって確実に閉塞できる。このように、分離シート6と蓋3によって下段収容部15を二重に閉塞できる。
【0055】
化粧品1の開封作業について説明する。化粧品1は、蓋3がフランジ部14から剥離されることにより開封される。例えば、容器本体2を一方の手で掴み、他方の手で蓋3を掴んで蓋3をフランジ部14から剥離する。蓋3の剥離の仕方は任意であって、種々の方法で剥離すればよいが、一例を
図5及び
図6に示している。
【0056】
図5のように、例えば左手で容器本体2を把持する。その際、例えば、親指100を側面膨出部25に当てて、容器本体2を蓋3の開封方向Xに沿って狭持することができる。側面膨出部25は、上部側面部13よりも下側に延びていて上下方向の長さが上部側面部13の他の部分よりも長いので、側面膨出部25に親指100を確実に当接させて、容器本体2をしっかりと掴むことができる。そして、右手の指先で蓋3の開封開始部30を掴んで蓋3をフランジ部14から剥離する。開封開始部30の先端部にフランジ部14に接着されていない未接着部31が設けられているので、蓋3の未接着部31を容易に掴むことができる。特に、フランジ突出部28に逃げ部29が設けられていて逃げ部29と未接着部31との間に隙間が形成されているので、未接着部31を容易に掴むことができる。容器本体2を蓋3の開封方向Xに沿って狭持していると、蓋3を剥離する際の力によって容器本体2が不安定になりにくく、蓋3を容易に開封できる。
【0057】
このようにして蓋3を容器本体2から取り外す。容器本体2から蓋3を取り外した状態を
図7(a)に示している。開口した第二開口部18からパフ5を取り出すことができる。パフ5を取り出した状態を
図7(b)に示している。
【0058】
次に、分離シート6の取り出し作業について説明する。分離シート6は、以下のような二つの方法で取り出すことができる。一つ目の方法は、指先で分離シート6の周縁部を下側に向けて押して分離シート6を傾けるという方法である。分離シート6の直径は上部側面部13の内径よりも小さい。そのため、分離シート6と上部側面部13の内面との間には隙間が生じている。その隙間の分だけ分離シート6を水平方向に移動させることが好ましい。
図8(a)には、分離シート6の中心が第一開口部17の中心に対して偏心せずに同心状に位置している状態を示している。この状態から分離シート6を指入れ拡張部19に向けて偏心させることができる。
図8(b)に偏心した状態を示している。このように分離シート6を指入れ拡張部19に向けて偏心させることにより、降下部22aの上に位置する分離シート6の部分を拡大することができる。
【0059】
そして、
図9のように指入れ拡張部19に例えば人差し指101を入れ、その人差し指101の指先で分離シート6の周縁部を下側に向けて押す。この際、分離シート6を指入れ拡張部19に向けて偏心させていると、分離シート6の周縁部を指先で容易に押すことができる。そして、分離シート6の周縁部を下側に押すことで、分離シート6は、
図9(b)のように降下部22aの直ぐ径方向内側に位置する支持部21を支点として傾く。このように分離シート6を傾けることで、もう一方の手で分離シート6を容易に掴んで容器本体2から取り外すことができる。低位部22に降下部22aが設けられていると、その降下部22aに分離シート6の周縁部を当接させることができ、分離シート6を安定して傾斜させることができる。特に降下部22aが傾斜面となっていると、その傾斜面に分離シート6が沿いやすいので、傾いた分離シート6の姿勢が安定しやすい。
【0060】
もう一つの方法を
図12に示している。尚、
図12に示している容器本体2の段差部12には低位部22が設けられていない。段差部12は全周に亘って高さ一定である。但し、段差部12に低位部22を設けても、同様の方法で分離シート6を取り出すことができる。
図12(a)のように指入れ拡張部19に例えば人差し指101を入れて、その爪で分離シート6の周縁部を引っ掛けて、
図12(b)のように持ち上げる。そして、持ち上げた分離シート6を掴んで容器本体2から容易に取り出すことができる。以上の二つの取り出し方法は、使用者の好みや状況等によって任意に選択される。
【0061】
以上のように、一つの容器に化粧料4とパフ5がセットで収容されているので、パフ5を例えば店頭で準備したり、化粧品1を手に入れた使用者が別途準備したりする必要がなく、とても便利であり、衛生的である。また、下段収容部15と上段収容部16が上下に並んでいるので、容器がコンパクトとなり、省資源化が可能となり、また、低コストである。そのため、簡易的な化粧品1に適しており、例えば店頭で試供用として提供される化粧品1や、気軽に使用するための商品として安価で提供されるような化粧品1等に適している。特に、容器本体2が合成樹脂製であると、容器本体2を安価に製造できる。中でも、容器本体2がシート成形品であると、容器本体2を安価に製造できる。また、分離シート6を突起等のない形状であってしかも円形とすることで、分離シート6に方向性がなくなり、自動化にも容易に対応できて、安価に製造できる。同様に、下段収容部15を円筒状として第一開口部17を円形とすることで、円形の分離シート6を使用することができて、製造コストを低減させることができる。
【0062】
また、下段収容部15と上段収容部16の間に段差部12が設けられているので、下段収容部15に化粧料4を入れる際に、化粧料4が上部側面部13の内面に付着しにくい。仮に、上部側面部13の内面に化粧料4が付着していると、上部側面部13の内面に付着した化粧料4が製造工程においてパフ5に付着しやすくなり、化粧品1としての価値が低下する。段差部12が設けられていることにより、製造工程においてパフ5に化粧料4が付着することを効果的に防止することができる。そして、分離シート6によって化粧料4とパフ5が分離されているので、下段収容部15の化粧料4がパフ5に付着することを防止することができる。
【0063】
分離シート6が第一開口部17を覆っているので、パフ5に化粧料4が付着しにくい。更に、パフ5が分離シート6に載置されているので、分離シート6が位置ずれしにくい。また、段差部12に分離シート6を載置し、その上にパフ5を載置すればよいので、製造も容易である。特に、蓋3がパフ5の上面に当接していると、パフ5が蓋3と分離シート6で上下に狭持され、パフ5が安定する。そのため、分離シート6も安定して、分離シート6が段差部12の上面から浮き上がりにくくなる。従って、パフ5への化粧料4の付着がより一層抑制される。また、分離シート6による第一開口部17の閉塞状態も安定するので、化粧料4の蒸発や劣化等も抑制される。
【0064】
段差部12の上面に分離シート6を支持する支持部21が環状に設けられていると、第一開口部17が分離シート6によって効果的に封止される。支持部21は第一開口部17から径方向外側に離れていてもよいが、支持部21が第一開口部17に隣接していると、段差部12を過度に拡大しなくて済む。
【0065】
上段収容部16が指入れ拡張部19を有しているので、指入れ拡張部19に指先を入れて分離シート6を容易に取り出すことができる。容器本体2の全周のうち、開封開始部30に対応した位置に指入れ拡張部19が設けられているので、容器を過度に大型化することなく指入れ拡張部19を容易に設けることができる。
【0066】
段差部12の上面に低位部22が設けられているので、てこの原理によって分離シート6を傾けることができる。また、
図12のように、指先の爪で分離シート6を引っ掛けて持ち上げることもできる。低位部22が降下部22aを有していると、降下部22aに沿って分離シート6を安定して傾けることができる。また、降下部22aの外側にフラット部22bが設けられていると、降下部22aが設けられていても、容器本体2を容易に製造できる。指入れ拡張部19に低位部22が設けられていると、指入れ拡張部19を利用して大きな低位部22を設けることができる。そのため、支持部21と低位部22の間の高低差を容易に設けることができ、分離シート6を大きく傾けることができる。また、指先の爪で分離シート6を容易に引っ掛けて持ち上げることができる。
【0067】
上部側面部13の側面膨出部25が、上部側面部13の他の部分よりも下側に延びているので、側面膨出部25に指を当てて容器本体2をしっかりと掴んで開封できる。側面膨出部25が、容器本体2の全周のうち開封開始部30に対応した位置に設けられているので、開封方向Xに沿って容器本体2を把持することができる。そのため、開封時に容器本体2をしっかりと把持することができ、蓋3を容易に剥離できる。
【0068】
尚、本実施形態では、段差部12の上面の全周のうち一部のみ、即ち、指入れ拡張部19の位置のみに低位部22が設けられていたが、低位部22が全周に亘って設けられていてもよい。また、指入れ拡張部19を設けずに、段差部12に低位部22を設けるようにしてもよい。支持部21は環状であることが好ましい。
【0069】
尚、化粧品1がファンデーションである場合を説明したが、チーク等であってもよい。塗布具はパフ5以外に、ブラシやチップ等であってもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 化粧品
2 容器本体
3 蓋
4 化粧料
5 パフ(塗布具)
5a 上面
5b 下面
6 分離シート
7 パッド
10 底面部
11 下部側面部
12 段差部
13 上部側面部
14 フランジ部
15 下段収容部
16 上段収容部
17 第一開口部
18 第二開口部
19 指入れ拡張部
20 段差拡張部
21 支持部
22 低位部
22a 降下部
22b フラット部
25 側面膨出部
25a 延長部
28 フランジ突出部
29 逃げ部
30 開封開始部
31 未接着部
50 パフ本体
51 帯体
90 充填機
91 ノズル
92 孔
100 親指
101 人差し指
200 容器本体
201 側面部
204 パッド
205 化粧料