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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066741
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】カーテンウォールユニット
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/88 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
E04B2/88
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177519
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】藤田 彩香
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB02
2E002NC01
2E002UA01
2E002UB01
2E002UB02
2E002UB11
2E002VA04
2E002XA11
2E002XA14
(57)【要約】
【課題】水が内部に溜まることを効果的に防止できるカーテンウォールユニットを提供する。
【解決手段】カーテンウォールユニット1は、一対の縦枠と、前記一対の縦枠の間に配置され、前記一対の縦枠に取り付けられる横枠2と、前記一対の縦枠の間に配置され、前記横枠上に配置される窓101と、前記窓の下端101aに設けられる窓支持体3と、前記窓支持体と前記横枠とが連結される連結部6と、前記窓の下端部の室内側に位置し、前記窓支持体に取り付けられる排水弁8と、前記横枠に形成された複数の開口を介して室外に連通して形成され、前記排水弁から前記連結部よりも室内側を通り前記横枠の室外側の端部に排水される内排水経路RIと、を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の縦枠と、
前記一対の縦枠の間に配置され、前記一対の縦枠に取り付けられる横枠と、
前記一対の縦枠の間に配置され、前記横枠上に配置される窓と、
前記窓の下端に設けられる窓支持体と、
前記窓支持体と前記横枠とが連結される連結部と、
前記窓の下端部の室内側に位置し、前記窓支持体に取り付けられる排水弁と、
前記横枠に形成された複数の開口を介して室外に連通して形成され、前記排水弁から前記連結部よりも室内側を通り前記横枠の室外側の端部に排水される内排水経路と、
を備えるカーテンウォールユニット。
【請求項2】
前記横枠には、前記排水弁の下方で開口する第一開口と、前記連結部の下方で開口する第二開口と、前記横枠の室外側壁に形成され、前記第一開口及び前記第二開口よりも低い位置に開口する第三開口とが形成され、
前記内排水経路は、前記排水弁から前記第一開口および前記第二開口を経由して前記第三開口から排水されるように形成されている
請求項1に記載のカーテンウォールユニット。
【請求項3】
前記横枠は、前記窓支持体と連結されるアタッチメントを備え、
前記第一開口は前記アタッチメントに形成されている
請求項2に記載のカーテンウォールユニット。
【請求項4】
前記内排水経路は、前記窓の幅方向に間隔を空けて複数形成されている
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のカーテンウォールユニット。
【請求項5】
前記連結部よりも室外側において前記横枠に形成された開口を介して、前記窓支持体から前記横枠の室外側の端部に排水される外排水経路を備える
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載のカーテンウォールユニット。
【請求項6】
前記連結部の下方に幅方向に延びて前記横枠に設けられた止水部を備え、
前記止水部は前記内排水経路と前記外排水経路との間に配置され、
前記止水部の室内側の端部が前記内排水経路に露出している
請求項5に記載のカーテンウォールユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カーテンウォールユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、中高層ビル等の建築物において、複数のカーテンウォールユニットを建物の躯体に取り付けて外壁を形成するカーテンウォールが採用されている。例えば、特許文献1には、枠体内にガラスパネルが配置された複数のカーテンウォールユニットを縦横に連結してカーテンウォールを形成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-219831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
建物の室内外の温度差に起因してカーテンウォールユニットの内部に結露が発生し、結露で発生した水がカーテンウォールユニットの内部に溜まる場合がある。この他、雨水がカーテンウォールユニットの部品の内部に浸入する場合がある。カーテンウォールユニットの内部に水が溜まると、室内への浸水のおそれや、部品の耐久性に影響を与えるおそれがある。そのため、特許文献1のカーテンウォールではシール材を用いて水密性と断熱性を確保しながら、外気の導入経路を形成し、カーテンウォールユニットの内外における圧力差の発生を抑える等圧構造が採用されている。しかし、環境要因で発生した水がカーテンウォールユニット内に溜まることを防止する性能の更なる向上が望まれている。
【0005】
本開示は、上記事情に鑑みてなされたものであり、カーテンウォールにおいて水が内部に溜まることを効果的に防止できるカーテンウォールユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係るカーテンウォールユニットは、一対の縦枠と、前記一対の縦枠の間に配置され、前記一対の縦枠に取り付けられる横枠と、前記一対の縦枠の間に配置され、前記横枠上に配置される窓と、前記窓の下端に設けられる窓支持体と、前記窓支持体と前記横枠とが連結される連結部と、前記窓の下端部の室内側に位置し、前記窓支持体に取り付けられる排水弁と、前記横枠に形成された複数の開口を介して室外に連通して形成され、前記排水弁から前記連結部よりも室内側を通り前記横枠の室外側の端部に排水される内排水経路と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】カーテンウォールユニットを含むカーテンウォールの正面図。
図2】カーテンウォールユニットの斜視図。
図3】カーテンウォールユニットの分解斜視図。
図4図2のA-A線における断面図。
図5】枠体の部分斜視図。
図6図5を上方から見た図。
図7】カーテンウォールユニットの横枠の縦断面図。
図8】窓支持体の上面図。
図9】窓支持体の正面図。
図10】横枠本体の上面図。
図11】横枠本体の正面図。
図12】アタッチメントの上面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照し、カーテンウォールユニット1の一実施形態を説明する。カーテンウォールユニット1は、図1に示すように、複数のカーテンウォールユニット1を連結してカーテンウォール200を形成する。図2および図3に示すように、カーテンウォールユニット1は、一対の縦枠106と、窓101,102,103,104と、横枠2とを備える。
【0009】
以下の説明では、窓101,102,103,104の厚さ方向を室内外方向Yと称する。室内外方向Yと直交する方向のうち、水平方向を幅方向Xと称し、鉛直方向を縦方向Zと称する。
【0010】
図1に示すように、枠体105は、一対の縦枠106、上枠109および下枠108が矩形に形成されている。枠体105は例えば、アルミニウム型材で構成されている。図2に示すように、一対の縦枠106の間に窓101,102,103,104が配置される。一例として、枠体105の内側に複数の組み込み窓101,102,103,104を備えるカーテンウォールユニット1を示すが、カーテンウォールユニット1の窓の数は図示例に限定されない。図4に示すように、窓101,102はガラス支持部111に四周が固定された複層ガラスである。図示例では、下部の窓102および上部の窓104は単層ガラスの例を示している。各窓は、単層ガラスであっても複層ガラスであってもよい。
【0011】
無目としての横枠2は、一対の縦枠106の間に配置されている。横枠2は、一対の縦枠106に取り付けられている。横枠2の長手方向の両端部が一対の縦枠106が対向する内側に固定されている。横枠2上に窓101が設けられている。横枠2は窓101を支持している。図7に示すように、横枠2は、横枠本体5と、アタッチメント4と、カバー7とを備える。横枠本体5、アタッチメント4およびカバー7は、それぞれ幅方向Xに長い部材である。
【0012】
図7に示すように、横枠本体5は、内ホロー部51と、上接続部54と、外ホロー部52と、受け部53と、を備える。内ホロー部51は、室内外方向Yの縦断面形状が略矩形の中空部を有し、外ホロー部52よりも室内I側に配置される。上接続部54は、内ホロー部51の上壁514から上方に突出して形成されている。上接続部54は、アタッチメント4と接続される部位である。上接続部54は、第一上接続部541と、第二上接続部542とを備える。第一上接続部541は、内ホロー部51の室内I側の側壁512の上端から上方に突出して形成されている。第二上接続部542は、内ホロー部51の室外O側の側壁513の上端から上方に突出して形成されている。第二上接続部542は、係止片543を有する。係止片543は、上端が外ホロー部52の上壁524よりも上方に突出し、且つ室内I側に向かって下方に傾斜している。係止片543には、第二開口5aが形成されている。第二開口5aは、外ホロー部52の上端部の室内I側のコーナーに開口するように切り欠いて形成されている。図10および図11に示すように、係止片543の幅方向Xにおいて、第二開口5aは互いに離れた複数箇所に形成されている。
【0013】
外ホロー部52は、内ホロー部51の室外O側に連続して設けられている。外ホロー部52は、縦方向Zにおいて、内ホロー部51と上接続部54とに跨る位置に設けられている。外ホロー部52の上壁524は、内ホロー部51の上壁514よりも高い。外ホロー部52の下壁521は、内ホロー部51の下壁511よりも高い。外ホロー部52の下壁521は、室外O側において下方に傾斜する傾斜部522を有する。外ホロー部52の上壁524は、室外O側において下方に傾斜する傾斜部525を有する。外ホロー部52の外壁526には第三開口5bが開口している。第三開口5bは、外壁526を室内外方向Yに貫通する孔である。外ホロー部52の外壁526は、室外側壁の一例である。図5に示すように、第三開口5bは幅方向Xに離れて複数箇所に形成されている。
【0014】
外ホロー部52の上壁524の上部には、上方に突出する収容溝527が形成されている。収容溝527は、横枠本体5の幅方向Xの略全域に形成されている。
【0015】
受け部53は、外ホロー部52の上壁524の外側端部から室外O側に略水平方向に突出している。受け部53の室内外方向Yの両端部には係止突部532,533が形成されている。受け部53の係止突部532,533の間には、縦方向Zに貫通する第六開口5cが形成されている。図5図6図9および図10に示すように、第六開口5cは幅方向Xに離れて複数箇所に形成されている。
【0016】
図7では、説明の便宜上、第一開口4a、第二開口5a、第三開口5b、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cを同じ断面上に記載している。第一開口4a、第二開口5a、および第三開口5bは、幅方向Xの位置が重なる位置に形成されている、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cは、幅方向Xの位置が重なる位置に形成されている。第一開口4a、第二開口5a、および第三開口5bの幅方向Xにおける位置は、第一開口4a、第二開口5a、および第三開口5bの幅方向Xにおける位置は、近い位置でずれていてもよいが、少なくとも一部が重なる重なる位置にあると円滑な排水が行われるため、好ましい。同様に、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cの幅方向Xにおける位置は、近い位置でずれていてもよい。第一開口4a、第二開口5a、第三開口5b、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cが、少なくとも一部が重なる位置にあると円滑な排水が行われるため、好ましい。第一開口4a、第二開口5a、第三開口5b、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cの幅方向Xにおける位置は、少なくとも一部が重なる位置にあると円滑な排水が行われるため、好ましい。
【0017】
横枠本体5は、窓収容部57を備える。窓収容部57は下方に開口する溝形状を有する。窓収容部57は、横枠2の下方に配置される窓102の上端部を収容して固定可能に構成されている。窓収容部57が横枠本体5と一体に設けられていなくてもよい。
【0018】
アタッチメント4は、窓支持体3と連結される部品である。アタッチメント4は、横枠本体5と窓支持体3とを接続する部品である。アタッチメント4は、図3に示す中間窓ユニット110を横枠2間の寸法が異なる場所に設置する場合に、中間窓ユニット110と横枠2との間に設けられる。アタッチメント4は、横枠本体5の室内I側の上部に取り付けられる。アタッチメント4は、固定部42と、平板部41と、係止部46と、下係止部47と、止水部48とを備える。固定部42は、平板形状を有する。固定部42は、内ホロー部51の室内I側の側壁512に沿って配置される。固定部42は、躯体および横枠本体5にネジ90で固定される。固定部42の上端部は、窓支持体3と係合される。
【0019】
平板部41は、固定部42から室外O側に略水平方向に突出して延びる平板形状を有する。平板部41は、固定部42から内ホロー部51の上壁514から上方に離間し、内ホロー部51の上方を覆うように設けられている。平板部41には、縦方向Zに貫通する第一開口4aが形成されている。図5および図6では、カバー7を省略して横枠2を図示している。図5図6および図12に示すように、第一開口4aは、幅方向Xに離れて複数箇所に形成されている。
【0020】
アタッチメント4の平板部41の上面の室外O側の端部には係止部46が形成されている。係止部46は、平板部41の上面から上方に起立し、上端が室外O方向に曲折した断面L字形状を有する。
【0021】
アタッチメント4の平板部41の下面の室外O側の端部には下係止部47が形成されている。下係止部47は、平板部41の下面から下垂し、下端が室外O方向に曲折した断面L字形状を有する。
【0022】
止水部48は、平板部41の室外O側の端部よりも室外O側に突出している。止水部48は、横枠本体5の係止片543の上端部との接触部481から斜め上方に傾斜する傾斜部482と、略水平方向に延びる押圧部483とを有する。
【0023】
カバー7は、横枠2と、連結部6と、窓支持体3を室外O側から覆う板状の部品である。カバー7は、カバー本体71と、係止部72とを備える。カバー本体71は、幅方向Xに長い板形状を有する。カバー本体71は、縦方向Zに沿って配置されている。係止部72は、カバー本体71の室内I側の面から室内I側に延びて形成されている。係止部72には、第五開口7aが形成されている。第五開口7aは、受け部53の第六開口5cと幅方向Xに重なる位置において、係止部72が切り欠かれて形成されている。カバー7は、横枠2の横枠本体5、アタッチメント4、窓支持体3等の連結部分が外部に露出することを防いでいる。カバー7は、防風、防水、および外観意匠性を高める目的で設けられている。第三開口5bが室外O方向に向かって開口しない構成であれば、横枠2の内排水経路RIを確保する観点では、カバー7は必須の構成ではない。
【0024】
窓101の下端101aには、窓支持体3が設けられている。窓支持体3は、横枠2の室外O側の上部に設けられている。
【0025】
窓支持体3は、図7から図9に示すように、窓受け部31と、位置決め部32と、接続部33と、係止部36とを備える。窓受け部31は、窓101の下端101aに取り付けられて窓101を支持する部位である。窓受け部31は、平板形状を有する。窓受け部31は、略水平方向に配置されている。窓受け部31の室外O側の端部であり、窓101の外面101b側の端部近傍に、第四開口3aが形成されている。第四開口3aは、窓受け部31を縦方向Zに貫通する開口である。
【0026】
窓支持体3の下面の室内外方向Yの中間部には係止部36が形成されている。係止部36は、窓支持体3の下面から下方に延びて室内I方向に曲折した断面L字形状を有する。
【0027】
位置決め部32は、窓受け部31よりも高くかつ窓受け部31よりも室外O側に位置する。位置決め部32は、窓101を躯体から離間した位置に保持可能に構成されている。窓支持体3の位置決め部32には、排水弁8が取り付けられている。図7および図8に示すように、位置決め部32に排水弁取付孔34が形成されており、排水弁8が挿入されて固定されている。排水弁8は、窓支持体3の上面に付着した水を下側に通すことが可能であり、窓支持体3の下方から室内I側に水が浸入するのを防ぐ弁である。
【0028】
接続部33は、位置決め部32の下面から下方に突出している。接続部33は、アタッチメント4の固定部42と係止されている。接続部33は、図8に示すネジ孔331にネジ90が挿通されてアタッチメント4に固定されている。
【0029】
カーテンウォールユニット1の構造について説明する。図7に示すように、窓101の下端部に窓支持体3が固定されている。横枠本体5の室内I側の側壁512にアタッチメント4の固定部42の下端部がネジ90で固定されている。横枠本体5の係止片543がアタッチメント4の下係止部47に係止されている。アタッチメント4の接触部481が横枠本体5の係止片543の上端部と接触している。係止片543が下係止部47と接触することによって、係合部9が形成される。係合部9は連結部6の下方に位置する。押圧部483の下方に収容溝527が配置されている。収容溝527には、止水材58が取り付けられる。止水材58は、例えば、軟質樹脂製のパッキンである。止水材58と押圧部483とは接触しているため、止水材58よりも室内I側への浸水を抑え、かつ風の侵入を抑える。
【0030】
窓支持体3と横枠2とは連結部6で連結されている。横枠本体5とアタッチメント4とがネジ90で固定され、アタッチメント4の係止部46と、窓支持体3の係止部36とが係止することによって、窓支持体3と横枠2とが連結部6で連結されている。係止部46および係止部36は、それぞれ窓支持体3および横枠本体5の幅方向Xの略全長にわたって設けられている。連結部6は、L字形状の係止部36,46同士が向き合って係止されている。連結部6は、窓支持体3の横枠2に対する位置を位置決めするとともに連結部6の室内外方向Yの空間を遮断する。
【0031】
アタッチメント4および横枠本体5は、押圧部483と止水材58、および接触部481と係止片543とが接触している。このため、アタッチメント4および横枠本体5は、室内外方向Yの2箇所で水および風の侵入を抑えている。第四開口3aは、押圧部483の上方に開口している。したがって、窓101の下端部を経て第四開口3aから水が落下しても、止水材58の上方が押圧部483によって覆われているため、浸水を抑制できる。第四開口3aから落下した水が押圧部483を伝って室外O側に流れた場合、第四開口3aよりも室外O側に連結部6が設けられているため、室内I側に浸水し難い。
【0032】
横枠本体5の受け部53にカバー7の係止部72が係止されている。受け部53の第六開口5cと係止部72の第五開口7aとが重なる位置で開口している。
【0033】
窓収容部57には、横枠2の下方に配置される窓102の上端部が収容されて固定されている。
【0034】
カーテンウォールユニット1には、内排水経路RIが形成されている。内排水経路RIは、横枠2に形成された複数の開口4a、5a、5bを介して室外Oに連通して形成されている。内排水経路RIは、排水弁8から連結部6よりも室内I側を通り、第一開口4a、第二開口5aを順に経由して第三開口5bから室外O側の端部に排水される。具体的には、内排水経路RIは、排水弁8の下方に開口する第一開口4aと、連結部6の下方で開口する第二開口5aと、横枠本体5の外ホロー部52の外壁526に形成された第三開口5bとを通り室外Oに連通する排水経路である。排水弁8から下方に流入した水は、平板部41に到達する。水は、平板部41上に溜まることなく第一開口4aから下方に流れ、内ホロー部51の上壁514上に流れる。内ホロー部51の上壁514上に流れた水は、第二開口5aを通り、外ホロー部52に流れる。内ホロー部51に流れた水は、傾斜部522を伝って第三開口5bから排水される。第三開口5bから流れた水は、カバー7と外壁526との間を通り室外Oに排水される。第三開口5bは、第一開口4a及び第二開口5aよりも低い位置に開口するため、内ホロー部51に流入した水は円滑に第三開口5bに誘導される。
【0035】
図9から図12に示すように、第一開口4a、第二開口5a、および第三開口5bは、それぞれ、幅方向Xに間隔を空けて複数形成されている。したがって、結露水や雨水が窓101の下部から横枠2の室内I側の領域に溜まり難く、円滑に排水される。
【0036】
カーテンウォールユニット1には、内排水経路RIの他に、外排水経路ROを備える。外排水経路ROは、連結部6よりも室外O側において横枠2に形成された複数の開口を介して、窓支持体3から横枠2の室外O側の端部に排水される。外排水経路ROは、窓101の下端部から窓支持体3内に流入した水が第四開口3aから下方に流れ、第五開口7aおよび第六開口5cを経て下方に流れる。第六開口5cから流れた水は、傾斜部525を伝って下方に流れ、カバー7と外壁526との間を通り室外Oに排水される。外排水経路ROは、カーテンウォールユニット1の幅方向Xに間隔を空けて複数形成されている。窓101から流れ落ちた雨水は外排水経路ROを経て円滑に排水される。
【0037】
カーテンウォールユニット1を施工現場で設置する方法を説明する。カーテンウォールユニット1は、枠体105と窓101,102,103,104とが分離した状態で用意される。施工現場において、先に枠体105を固定し、図3に示すように、室内I側から窓101,102,103,104を組み込む。枠体105の内周部には、窓101,102,103,104が挿入される溝が形成されている。上枠109の溝内に窓101,102,103,104の上端部を挿入し、縦枠106の溝内に窓101,102,103,104の一方の縦側の端部を挿入して溝の奥側まで押し込む。窓101,102,103,104を幅方向にずらして他方の縦側の端部を他方の縦枠106の溝内に収める。その後、窓101,102,103,104の下端部を不図示の固定部材で覆い固定する。図3に示す例では、窓101,102,103,104は、上窓104と、下窓102と、中間窓ユニット110とに分けて予め用意されている例を示す。枠体105に、上窓104および下窓102を固定した後、中間窓ユニット110を固定する。窓101,104、および中間窓ユニット110の下端部の固定の前または後に、公知の方法により窓の止水加工等を施す。
【0038】
カーテンウォールユニット1は、さらに、中間排水経路RMを備える。係合部9は後述する内排水経路RIと外排水経路ROとの間に配置されている。係合部9の室内I側の端部が内排水経路RIに露出している。係合部9は、係止片543が下係止部47と接触しているため、室外O側から室内I側への浸水が防止される。しかし、係止片543と下係止部47とは金属同士が面接触しているため、カーテンウォールユニット1の室内外の気圧差が大きい場合、係合部9から室内I側に浸水するおそれがある。この他、止水材58と押圧部483との間も圧着しているが、止水材58が経年劣化した場合や、カーテンウォールユニット1の室内外の気圧差が大きい場合、係合部9から室内I側に浸水するおそれがある。カーテンウォールユニット1は、係合部9の室外O側の端部を内排水経路RIに露出させることによって中間排水経路RMを設ける。カーテンウォールユニット1は、中間排水経路RMを設けることによって、係合部9から室内I側に浸入した水を内排水経路RIに合流させ、第二開口5aおよび第三開口5bを経て室外O側に排水できる。
【0039】
第一開口4aは、排水弁8の下方に位置するアタッチメント4の平板部41に開口している。図示例では、室内外方向Yにおいて、第一開口4aは排水弁8よりも室外O側に開口しているが、第一開口4aの位置は図示例に限定されない。第一開口4aは、排水弁8の下方に位置し、排水弁8から流れる水を受ける面である横枠2の上面を構成する部位に縦方向に貫通して開口する構成であればよい。
【0040】
カーテンウォールユニット1によれば、連結部6よりも室外O側に内排水経路RIを備えるため、カーテンウォールユニット1の内部に発生した水が部品内に溜まることを効果的に防止して円滑に排水できる。
【0041】
カーテンウォールユニット1によれば、内排水経路RIは、排水弁8から第一開口4a、第二開口5aを経由して、外ホロー部52の第三開口5bから室外O側に排水できる。したがって、カーテンウォールユニット1の室内I側で発生した水を排水弁8から室外O側に円滑に排水できる。第三開口5bは第一開口4aおよび第二開口5aよりも低い位置に開口するため、円滑に排水できる。
【0042】
カーテンウォールユニット1によれば、内排水経路RIが窓101の幅方向に間隔を空けて複数形成されている。カーテンウォールユニット1は、幅方向Xの複数箇所から室外O側の水を排水でき、水の滞留を抑制できる。
【0043】
カーテンウォールユニット1は、横枠2にアタッチメント4を備えている。アタッチメント4に第一開口4aが形成されている。窓支持体3に設けられた排水弁8から下方に流れた水をアタッチメント4の第一開口4aから円滑に排水できる。したがって、アタッチメント4内に水が長期間溜まることを防止できる。
【0044】
カーテンウォールユニット1は、内排水経路RIと外排水経路ROとを備えるため、雨水等、窓101の下部に浸入した水が連結部6よりも室外O側に流れて円滑に排水される。カーテンウォールユニット1は、室内O側への雨水の浸水を防ぐことができる。カーテンウォールユニット1には内排水経路RIが形成されているため、例えば、結露水等、窓101よりも室内I側で生じた水を円滑に室外O側に排水できる。
【0045】
横枠2は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、アタッチメント4は、横枠本体5と一体に形成されていてもよい。上接続部54とアタッチメント4の部分とが一体に形成され、内ホロー部51の上方に更にホロー部を備え、このホロー部に第一開口4aおよび第二開口5aが形成され、内排水経路および中間排水経路が形成される構成であってもよい。横枠2に内ホロー部51および外ホロー部52を備える構成は必須の構成ではない。例えば、連結部の下方に一つのホロー部が設けられた横枠、連結部の下方に3つ以上のホロー部が設けられた横枠であってもよい。
【0046】
上記実施形態では、一対の縦枠106、下枠108および上枠109を備える枠体105内に窓が配置された例を示したが、カーテンウォールユニット1は、この例に限定されない。下枠108および上枠109を備えず、一対の縦枠106および横枠2の内側に窓が配置され、縦方向Zに並ぶカーテンウォールユニットが横枠で連結される構成であってもよい。
【0047】
第一開口4a、第二開口5a、第三開口5b、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cが長孔、丸孔、切り欠きである例を示したが、各開口の形状は上記例に限定されない。第一開口4a、第二開口5a、第三開口5b、第四開口3a、第五開口7a、および第六開口5cは、それぞれ水が通過できる形態であればよい。
【0048】
上述の実施形態は、例示であり、上記開示の範囲に限定されない。上述の実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、特許請求の範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0049】
1…カーテンウォールユニット、2…横枠、3…窓支持体、3a…第四開口(開口)、4…アタッチメント、4a…第一開口、5a…第二開口、5b…第三開口、5c…第六開口(開口)、6…連結部、7a…第五開口(開口)、8…排水弁、9…係合部、101…窓、105…枠体、106…縦枠、108…下枠、109…上枠、RI…内排水経路、RO…外排水経路、526…外壁(室外側壁)
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