(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066872
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ロールスクリーン用生地、調光型ロールスクリーン、及びロールスクリーン用生地の製造方法
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
E06B9/42 C
E06B9/42 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177713
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】江波戸 武信
(57)【要約】
【課題】独特の意匠性を有するロールスクリーン用生地を提供する。
【解決手段】本発明によれば、第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断し、当該複数の生地片を前記第2生地に取り付けることで構成される、ロールスクリーン用生地が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断し、当該複数の生地片を前記第2生地に取り付けることで構成される、ロールスクリーン用生地。
【請求項2】
請求項1に記載のロールスクリーン用生地であって、
前記第2生地に取り付けたときの全ての生地片の上下方向の長さが略同一である、ロールスクリーン用生地。
【請求項3】
請求項2に記載のロールスクリーン用生地であって、
前記生地片は短冊状又は正方形形状である、ロールスクリーン用生地。
【請求項4】
請求項3に記載のロールスクリーン用生地であって、
前記生地片はスリット状又は市松模様となるよう前記第2生地に取り付けられている、ロールスクリーン用生地。
【請求項5】
請求項4に記載のロールスクリーン用生地であって、
前記生地片は上下方向に間隔をあけたスリット状になるよう前記第2生地に取り付けられており、前記間隔は前記生地片の上下方向の長さと略同一である、ロールスクリーン用生地。
【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載のロールスクリーン用生地であって、
前記第2生地は光を一部透過させるレース生地である、ロールスクリーン用生地。
【請求項7】
請求項1~請求項6のいずれかに記載のロールスクリーン用生地であって、
前記第1生地は遮光性生地である、ロールスクリーン用生地。
【請求項8】
請求項1~請求項7のいずれかに記載のロールスクリーン用生地であって、
前記第1生地は他のロールスクリーン用生地を切り出した後の未利用生地であり、前記第2生地は矩形形状の生地である、ロールスクリーン用生地。
【請求項9】
請求項8に記載のロールスクリーン用生地であって、
前記第1生地はL字型又はI字型とされる、ロールスクリーン用生地。
【請求項10】
請求項1~請求項9のいずれかに記載のロールスクリーン用生地を前後に重なるよう配置し、当該前後の重なり具合を調整することで調光可能に構成される、調光型ロールスクリーン。
【請求項11】
第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断し、当該複数の生地片を前記第2生地に取り付ける、ロールスクリーン用生地の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のロールスクリーン用生地の製造方法であって、
前記第2生地として光を一部透過させるレース生地を用いる、方法。
【請求項13】
請求項11又は請求項12に記載のロールスクリーン用生地の製造方法であって、
前記第1生地として他のロールスクリーン用生地を切り出した後の未利用生地を用いる、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロールスクリーンに用いるロールスクリーン用生地及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ロールスクリーンに用いる生地として、円滑に巻き取り及び巻き戻しを行えるよう、適度な張り腰を持つものが用いられている。例えば、特許文献1に開示されるロールスクリーン(ロールカーテン)用布地(生地)は、貼り腰のある芯地と柔軟性のある表地とを、熱融着性材料により貼り合わせることで製造されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示される生地は、同一サイズの芯地と表地を貼り合わせるものであり、表地となる生地自体に模様を付する以外に、外観上の意匠性をもたせることはできなかった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、独特の意匠性を有するロールスクリーン用生地を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断し、当該複数の生地片を前記第2生地に取り付けることで構成される、ロールスクリーン用生地が提供される。
【0007】
本発明によれば、第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断して第2生地に取り付けることで、ロールスクリーンの生地に新たな意匠性を持たせることが可能となっている。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【0009】
好ましくは、前記第2生地に取り付けたときの全ての生地片の上下方向の長さが略同一である。
【0010】
好ましくは、前記生地片は短冊状又は正方形形状である。
【0011】
好ましくは、前記生地片はスリット状又は市松模様となるよう前記第2生地に取り付けられている。
【0012】
好ましくは、前記生地片は上下方向に間隔をあけたスリット状になるよう前記第2生地に取り付けられており、前記間隔は前記生地片の上下方向の長さと略同一である。
【0013】
好ましくは、前記第2生地は光を一部透過させるレース生地である。
【0014】
好ましくは、前記第1生地は遮光性生地である。
【0015】
好ましくは、前記第1生地は他のロールスクリーン用生地を切り出した後の未利用生地であり、前記第2生地は矩形形状の生地である。
【0016】
好ましくは、前記第1生地はL字型又はI字型とされる。
【0017】
また、本発明によれば、上記のロールスクリーン用生地を前後に重なるよう配置し、当該前後の重なり具合を調整することで調光可能に構成される、調光型ロールスクリーンが提供される。
【0018】
また、本発明によれば、第1生地を第2生地よりも小さい複数の生地片に裁断し、当該複数の生地片を前記第2生地に取り付ける、ロールスクリーン用生地の製造方法が提供される。
【0019】
好ましくは、前記第2生地として光を一部透過させるレース生地を用いる。
【0020】
好ましくは、前記第1生地として他のロールスクリーン用生地を切り出した後の未利用生地を用いる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の一実施形態に係るロールスクリーン用生地1を用いて製造される調光型ロールスクリーンRの概略を示す斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るロールスクリーン用生地1に用いる遮光性生地100を示す模式図である。
【
図3】
図3Aは、
図2の遮光性生地100から他のロールスクリーン用生地101を切り出した後の未利用生地10を示す模式図であり、
図3Bは、1枚の未利用生地10を複数の短生地片10a及び複数の長生地片10bに裁断した様子を示す模式図である。
【
図4】
図3Bの複数の短生地片10a及び複数の長生地片10bをレース生地1bに取り付ける様子を示す模式図である。
【
図5】複数の短生地片10a及び複数の長生地片10bをスリット状にレース生地1bに取り付けることで製造されたロールスクリーン用生地1を示す模式図である。
【
図6】本発明の変形例に係るロールスクリーン用生地1に用いる1枚の未利用生地10を同一形状の複数の正方形形状の生地片10cに裁断した様子を示す模式図である。
【
図7】
図6の複数の生地片10cを市松模様となるようレース生地1bに取り付けることで製造されたロールスクリーン用生地1を示す模式図である。
【
図8】
図8Aは、短生地片10aをスリット状にレース生地1bに取り付ける変形例を示す模式図であり、
図8Bは、長生地片10bをスリット状にレース生地1bに取り付ける変形例を示す模式図である。
【
図9】本発明の変形例に係る調光型ロールスクリーンRの概略を示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施形態に係るロールスクリーン用生地1に用いる遮光性生地100から他のロールスクリーン用生地101を切り出した後の他の形状の未利用生地10を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。また、各特徴について独立して発明が成立する。
【0023】
1.調光型ロールスクリーンRの構成
まず、
図1を参照して、本発明の一実施形態に係るロールスクリーン用生地1が用いられた調光型ロールスクリーンRの構成について説明する。なお、以下の説明において、
図1に示す調光型ロールスクリーンRの斜視図に対して、図示上方及び下方を調光型ロールスクリーンRの上方向(上側)及び下方向(下側)と定義し、図示左右方向を調光型ロールスクリーンRの左右方向と定義する。また、
図1において視認される側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(室外側)と定義する。
【0024】
本実施形態に係る調光型ロールスクリーンRは、
図1に示すように、ロールスクリーン用生地1と、一対の支持ブラケット2と、巻取軸3と、支持軸4と、ウェイトバー5と、操作プーリ6と、操作コード7とを備える。
【0025】
ロールスクリーン用生地1は、例えば布地で形成され、光を一部透過させる第2生地としてのレース生地1bに、光をほぼ透過させないスリット状の第1生地としての遮光性生地1aが上下方向における一定間隔毎に取り付けられて構成される。ロールスクリーン用生地1の具体的な製造方法については、後述する。
【0026】
一対の支持ブラケット2は、巻取軸3を回転可能に支持するとともに、巻取軸3の後側において支持軸4を支持する。これにより、巻取軸3と支持軸4とは、前後方向及び上下方向に所定の間隔を隔てて支持されている。ただし、巻取軸3と支持軸4を、上下方向にのみ間隔をあけて前後方向において同じ位置に配置することや、前後方向にのみ間隔をあけて上下方向において同じ位置に配置することも可能である。
【0027】
巻取軸3には、ロールスクリーン用生地1の一端部が取着され、支持軸4には、ロールスクリーン用生地1の他端部が取着される。巻取軸3及び支持軸4から垂下するロールスクリーン用生地1の下端部には、錘部材として機能するウェイトバー5が取着される。具体的には、ロールスクリーン用生地1の下端部はウェイトバー5に回転可能に支持されるボトムパイプ5aで折り返されており、ボトムパイプ5aが回転することで、ロールスクリーン用生地1の調光及び昇降動作がスムーズに行えるようになっている。
【0028】
巻取軸3は、室内側のロールスクリーン用生地1の一端部を巻き取りあるいは巻き戻すために設けられる。巻取軸3の内部には、ウェイトバー5及びロールスクリーン用生地1自体の重みによる自重降下を防止するためのブレーキユニット(ストッパ)が設けられている(図示せず)。また、巻取軸3の右端には操作プーリ6が相対回転不能に取着されており、操作プーリ6には、ボールチェーンで構成される操作コード7が掛装されている。そして、操作コード7の操作で操作プーリ6の回転操作を行うことで巻取軸3を一体回転させ、ロールスクリーン用生地1の昇降を可能としている。また、操作コード7の操作により前後方向に二重となったロールスクリーン用生地1を上下方向に相対移動させることでその遮光性生地1aとレース生地1bの重なり具合を調整し、調光型ロールスクリーンRとしての調光も可能としている。
【0029】
2.ロールスクリーン用生地1の製造方法
本実施形態のロールスクリーン用生地1は、矩形形状の上述したように、ベースとなる薄手のレース生地1b(ベース生地)にドレープ生地(厚手の生地)として遮光性生地1aを取り付けることで製造される。以下、ロールスクリーン用生地1の製造方法をより詳細に説明する。
【0030】
本実施形態において、ロールスクリーン用生地1に用いる遮光性生地1aには、
図2に示すように、元となる矩形状の遮光性生地100から矩形状の他のロールスクリーン用生地101を切り出した後の未利用生地10が用いられる。
図2の例では、未利用生地10はL字型である。
【0031】
<裁断工程>
L字型の未利用生地10を遮光性生地1aとして用いるには、
図3A及び
図3Bに示すように、未利用生地10をレース生地1bよりも小さな所定形状の複数の生地片に裁断する。
図3Bの例では、裁断される所定形状の生地片は短冊状とされ、より具体的には、左右方向の幅が短い複数の短生地片10a及び、左右方向の幅が長い複数の長生地片10bの2種類の形状の生地片とされる。したがって、図示例において、未利用生地10は、複数の短生地片10aと複数の長生地片10bに裁断されることになる。ここで、短生地片10aの上下方向の長さ(短生地片10aの高さ)h1と長生地片10bの上下方向の長さ(長生地片10bの高さ)h2(
図3B参照)は同一とすることが好ましい。ただし、「所定形状」は予め定められた特定の形状であればよく、その特定の形状は、1種類であっても、3種類以上であっても良い。
【0032】
なお、未利用生地10における上下方向及び左右方向は、切り出した他のロールスクリーン用生地101を他のロールスクリーンとして使用するときの上下方向及び左右方向と一致させることが好適である。つまり、
図2における他のロールスクリーン用生地101の上下方向が他のロールスクリーンとして使用されるときの上下方向とすると、
図4に示すように、これを切り出した後の未利用生地10もその上下左右の方向を保ったまま左右方向に裁断してレース生地1bに取り付けることが好適である。一般に遮光性生地100には、巻き取り及び巻き戻しに適する曲がりやすい方向と曲がりにくい方向が存在するが、未利用生地10の上下左右の方向をこのようにすることで、製造した調光型ロールスクリーンRの巻き取り及び巻き戻しをスムーズに行うことが可能となる。ただし、遮光性生地100に応じて、上下方向と左右方向は入れ替えることも可能である。
【0033】
<取付工程>
未利用生地10を複数の短生地片10a及び複数の長生地片10bに裁断した後は、
図4及び
図5に示すように、矩形形状のレース生地1bにこれら複数の短生地片10a及び複数の長生地片10bをスリット状(縞状)に取り付ける。短生地片10a及び長生地片10bのレース生地1bへの具体的な取り付け方法は問わないが、例えば、接着剤により貼り付ける方法、生地同士をテープ形状の部材で貼付溶着させる方法、縫い付ける方法、溶着と縫い付けを組み合わせる方法などがある。そして、
図5に示す例では、短生地片10aは、同じ左右方向の長さ(幅)Wを有するものを3つ左右に並べることで遮光性生地1aのスリット(縞)の一列を構成し、長生地片10bは、単独で遮光性生地1aのスリット(縞)の一列を構成している。
図5に示すように、レース生地1bに複数の短生地片10a又は長生地片10bを上下方向において一定間隔h3毎になるよう取り付けることで、ロールスクリーン用生地1が製造される。なお、調光型のロールスクリーン用生地1としては、
図5に示すように、短生地片10aの長さh1及び長生地片10bの上下方向の長さh2と、これら生地片10a,10bの上下方向の間隔h3とは全て同じとする(つまり、h1=h2=h3とする)ことが特に好適である。
【0034】
なお、複数の短生地片10a又は長生地片10bを遮光性生地1aとしてレース生地1bに取り付ける際、左右方向に余りが生じた場合は、当該余り生地を裁断し、さらに他のロールスクリーンの遮光性生地1aとして使用することが可能である。この際、全ての生地片の上下方向の長さを略同一としておくことで、遮光性生地1aとしての再利用が容易となる。
【0035】
3.調光型ロールスクリーンRの製造方法
調光型ロールスクリーンRは、
図1に示すように、上述した方法により製造されたロールスクリーン用生地1の一端側を巻取軸3に取着し、他端側を支持軸4に取着する。そして、巻取軸3及び支持軸4から垂下するロールスクリーン用生地1の下端部にウェイトバー5を取着して、ロールスクリーン用生地1が前後に重なるよう配置することで構成される。このような構成の調光型ロールスクリーンRは、操作コード7を操作して遮光性生地1a及びレース生地1bの前後の重なり具合を調整することで室内側へ入射する光の透過量を調整し、調光することが可能である。
【0036】
4.作用効果
以上のようなロールスクリーン用生地1によれば、遮光性を有する未利用生地10をレース生地1bよりも小さい複数の生地片10a,10bに裁断し、当該複数の生地片10a,10bをレース生地1bに取り付けることで、ロールスクリーン用生地1に新たな意匠性を持たせることが可能である。また、未利用生地10を所定形状の複数の生地片10a,10bに裁断して取り付けることで、遮光性生地1aを所望の形状となるよう配置することが可能となり、未利用生地10がL字状等の使いづらい形状であっても、その大部分を有効活用することができる。
【0037】
ところで、ロールカーテンに用いる生地は通常、スクリーンの寸法よりも大きなサイズの生地を裁断することで必要なサイズにしているが、裁断により生じた未利用生地は、特に利用されずにロス生地としてそのまま廃棄され、生地のロスが問題となっていた。この点、本実施形態のロールスクリーン用生地1及びその製造方法によれば、他のロールスクリーン用生地101を切り出した後の未利用生地10を取り付け先であるレース生地1bよりも小さい所定形状の複数の生地片10a,10bに裁断して用いることで、未利用生地10を廃棄することなく有効活用することが可能となっている。
【0038】
また、本実施形態のロールスクリーン用生地1は、矩形形状のレース生地1bに遮光性を有する短冊状の生地片10a,10bをスリット状に取り付けて構成されているため、調光型ロールスクリーンRに好適に用いることが可能となっている。
【0039】
5.変形例
なお、本発明は、以下の態様でも実施可能である。
【0040】
上記実施形態において、未利用生地10を裁断して構成される所定形状の生地片は短冊状とされ、より具体的には、左右方向の幅が短い複数の短生地片10a及び、左右方向の幅が長い複数の長生地片10bの2種類の形状の生地片とされていた。しかしながら、未利用生地10の形状(第1生地としての遮光性生地1aの形状)によっては、裁断する生地片を1種類の形状の生地片のみ(短生地片10a又は長生地片10bのみ)としても良い。また、
図6に示すように、未利用生地10を、略同一形状の複数の正方形形状の生地片10cに裁断し、正方形形状の生地片10cをレース生地1bに取り付けるようにしても良い。この場合も、未利用生地10がL字状等の使いづらい形状であっても、その大部分を有効活用することができる。さらに、未利用生地10を裁断して構成された複数の正方形形状の生地片10cを、
図7に示すように、市松模様となるようレース生地1bに取り付けることも好適である。なお、市松模様とする生地片10cを長方形形状とすることも可能である。
【0041】
上記実施形態においては、
図5に示すように、短生地片10a及び長生地片10bはそれぞれ上下方向には1つのみで遮光性生地1aのスリット(縞)の一列を構成していた。しかしながら、
図8A及び
図8Bに示すように、複数(図示例では2つ)の短生地片10a又は長生地片10bを上下方向にも並べ、複数の短生地片10a又は長生地片10bにより遮光性生地1aのスリット(縞)の一列を構成するようにしても良い。なお、
図8Aに示す例のように、短生地片10aは、左右に2つ並べるようにしても良く、また、左右に4つ以上並べても良い。
【0042】
さらに、未利用生地10を裁断して構成される所定形状の生地片を、矩形以外の多角形形状(例えば、三角形形状や五角形形状)、星型、丸型等の他の形状とすることも可能である。さらに、所定形状の生地片は、3種類以上の形状であっても良い。さらに、所定形状の生地片は、スリット状あるいは市松模様以外の外観(例えば、斜め方向に並ぶような配置や、不規則的な配置)となるようレース生地1bに取り付けても良い。
【0043】
上記実施形態において、ロールスクリーン用生地1を用いて製造される調光型ロールスクリーンRは、室内側に設けられた巻取軸3によりロールスクリーン用生地1を巻き取りあるいは巻き戻す構成であった。しかしながら、本発明のロールスクリーン用生地1は、室外側の支持軸4も巻き取り及び巻き戻し可能な構成とし、2つの巻取軸をギア機構により同期させてロールスクリーン用生地1を巻き取りあるいは巻き戻す構成とした調光型ロールスクリーンRにも好適に適用することが可能である。
【0044】
また、本発明により製造されるロールスクリーン用生地1は、
図9に示すように、前生地1F、前側ボトムレール5F、前側巻取軸3F、前側操作プーリ6F及び前側操作コード7Fと、後生地1R、後側ボトムレール5R、後側巻取軸3R、後側操作プーリ6R及び後側操作コード7Rとを備え、前生地1Fと後生地1Rを独立して昇降操作する構成の調光型ロールスクリーンRの前生地1F及び後生地1Rとしても好適に用いることができる。
【0045】
上記実施形態において、他のロールスクリーン用生地101を切り出した後の未利用生地10はL字形状であった。しかしながら、
図10に示すように、未利用生地10がI字形状であっても、これをレース生地1bよりも小さい複数の生地片に裁断して用いることで、未利用生地10を廃棄することなく有効活用することが可能である。さらに、未利用生地10は、コの字形状であっても、ロの字形状であっても良い。
【0046】
上記実施形態において、ロールスクリーン用生地1は調光型ロールスクリーンRに用いられていた。しかしながら、本発明のロールスクリーン用生地1は、生地を前後に重複させない通常のロールスクリーンに用いることも可能である。
【0047】
上記実施形態では、取り付ける側の第1生地として、遮光性の高い未利用生地10が用いられていたが、第1生地として新たに用意した生地を用いることも可能である。また、上記実施形態では、取り付けられる側の第2生地として光を一部透過させるレース生地1bが用いられていたが、第2生地としてレース生地1b以外の生地、例えば、光透過性の高くない生地を用いることも可能である。
【符号の説明】
【0048】
1 :ロールスクリーン用生地
1a :遮光性生地(第1生地)
1b :レース生地(第2生地)
2 :支持ブラケット
3 :巻取軸
4 :支持軸
5 :ウェイトバー
5a :ボトムパイプ
6 :操作プーリ
7 :操作コード
10 :未利用生地
10a :短生地片
10b :長生地片
10c :生地片
100 :遮光性生地
101 :他のロールスクリーン用生地
R :調光型ロールスクリーン