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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066879
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】光干渉型表面応力センサ
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/27 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177723
(22)【出願日】2021-10-29
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)令和3年度、国立研究開発法人科学技術振興機構、「創発的研究支援事業」、「創発的研究支援」、「バイオインテグレーション工学によるデジタル生体制御」、委託研究、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】304027349
【氏名又は名称】国立大学法人豊橋技術科学大学
(71)【出願人】
【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
(71)【出願人】
【識別番号】390014306
【氏名又は名称】防衛装備庁長官
(74)【代理人】
【識別番号】100067323
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 教光
(74)【代理人】
【識別番号】100124268
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 典行
(72)【発明者】
【氏名】高橋 一浩
(72)【発明者】
【氏名】高橋 利昌
(72)【発明者】
【氏名】阪上 天斗
(72)【発明者】
【氏名】藤枝 俊宣
(72)【発明者】
【氏名】太田 宏之
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA05
2G059CC20
2G059DD13
2G059EE09
2G059EE12
2G059JJ03
2G059KK01
2G059KK03
(57)【要約】
【課題】異なる分子を検出できる複数のセンサ部を一チップ内に設ける。
【解決手段】光干渉型表面応力センサ1は、半導体基板2と、半導体基板に設けた中空部3と、中空部を覆う可動膜5と、可動膜の表面に設けた導電膜6と、分子の鋳型を有する重合膜7を備え、中空部ごとに検出の最小単位であるセンサ部11が構成される。重合膜の鋳型に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により可動膜を透過した光の強度が変化する。これをフォトダイオードにより検出する。電解重合により、分子8の鋳型9が形成された重合膜7を導電膜6のパターンに対応して選択的・局所的に形成できるので、異なる種類の分子を対象とした複数種類の重合膜を導電膜上に塗り分けた構造が得られる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された中空部と、
前記中空部を覆う可動膜と、
前記中空部と対応するように前記可動膜の表面に形成された導電膜と、
前記導電膜の表面に形成されて検知すべき分子の鋳型が形成された重合膜と、
を有し、
前記重合膜に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により前記可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象に基づいて分子を検出するセンサ部を、
前記半導体基板に複数形成したことを特徴とする光干渉型表面応力センサ。
【請求項2】
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された中空部と、
前記中空部を覆う可動膜と、
1個の前記中空部と複数個の前記中空部の少なくとも一方と対応するパターンで前記可動膜の表面に形成された導電膜と、
前記パターンと対応するように前記導電膜の表面に設けられて検知すべき分子の鋳型が形成された重合膜と、
を有し、
前記重合膜に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により前記可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象に基づいて分子を検出することを特徴とする光干渉型表面応力センサ。
【請求項3】
それぞれ1個の前記中空部を備えた複数のセンサ部を有しており、複数の前記センサ部の前記重合膜には互いに異なる分子の鋳型が形成されており、
複数の前記センサ部によって異なる分子を同時に検出することを特徴とする請求項2に記載の光干渉型表面応力センサ。
【請求項4】
複数個の前記中空部を備えたセンサアレイを有しており、前記センサアレイの前記重合膜には同一種類の分子の鋳型が形成されており、
前記センサアレイによって同一種類の分子を同時に複数箇所で検出することを特徴とする請求項2に記載の光干渉型表面応力センサ。
【請求項5】
検知すべき分子の濃度が相対的に低い試料を対象として分子を検知するために相対的に大きく設定された第1の中空部と、
検知すべき分子の濃度が相対的に高い試料を対象として分子を検知するために相対的に小さく設定された第2の中空部と、
を備えたことを特徴とする請求項2乃至4の一つに記載の光干渉型表面応力センサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体基板の中空部を覆う可動膜が、重合膜に対する分子の吸着により変形した場合に、可動膜の下部における干渉特性の変化によって、可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象に基づいて分子を検出する光干渉型表面応力センサに係り、特に、異なる種類の分子を検出対象とした複数種類の重合膜を所望のパターンで可動膜の上に塗り分けることにより、単一の素子(チップ)で複数種類の分子を検出できるようにした光干渉型表面応力センサに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7(a),(b)は、下記特許文献1に開示された光干渉型表面応力センサの構造を模式的に示す断面図である。このセンサは、半導体基板100に形成された中空部101の底が図示しないフォトダイオードの受光面となっており、さらに中空部101を覆って可動膜102が設けられており、この可動膜102とフォトダイオードの受光面との間にファブリペロー干渉計が構成されている。そして可動膜102の上には抗体分子吸着層103が設けられており、この抗体分子吸着層103には検出しようとする抗原のレセプターとなる抗体104が固定されている。このセンサに所定の波長の光を照射している状態で、図7(b)に示すように、検出しようとする特定の抗原105が抗体104に結合すると可動膜102が変形し、可動膜102の変形状態に応じて異なる波長の光が干渉することとなり、特定の波長に対する透過率が変化する。その特定波長の透過光強度の変化をフォトダイオードが出力する光電流として測定することにより、可動膜102の撓み状態の変化量が把握されるので、これによって分子の結合状態を把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開番号WO2013/047799
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に記載された光干渉型表面応力センサを含む非標識センサでは、図7を参照して説明したように、特定の抗原を検出することを目的とする場合には、当該抗原の特異的な吸着に寄与する抗体をレセプター分子として用いることができる。しかしながら、例えば神経伝達物質などのように、特異的な吸着に寄与するレセプター分子が存在しない分子を検出対象とする光干渉型表面応力センサの場合には、図7を参照して説明したような構造を直ちに採用することができない場合がある。すなわち、このような構造の光干渉型表面応力センサは、レセプター分子の開発状況によって適用可能な分子の種類に制限を受けるという課題があった。
【0005】
図8は、図7を参照して説明した光干渉型表面応力センサの製造において、レセプターである抗体104を可動膜102の表面に修飾する工程を模式的に示す断面図である。この光干渉型表面応力センサの構造例では、半導体基板100の上に絶縁層110が設けられ、この絶縁層110によって囲まれた部分が中空部101となっている。中空部101の底は、半導体基板100に作り込まれたフォトダイオード111の受光面となっている。フォトダイオード111に接続される図示しない配線は、絶縁層110内に設けられており、絶縁層110の上には中空部101を覆って可動膜102が設けられている。
【0006】
図8に示すように、レセプターである抗体104を可動膜102の上に固定する工程では、可動膜102の表面に抗体104を接着するための架橋剤112(図7の抗体分子吸着層103に相当)を予め塗布しておき、そこに、抗体104を含む溶液を、インクジェット、ディスペンサ等により液滴113の状態で供給し、架橋剤112による化学反応によって抗体104を可動膜102に固定している。仮に、中空部101ごとに別々の抗体104を塗り分けることができれば、数mm角程度の半導体基板からなるチップ上に、検出対象の分子が異なる多数のセンサ部(検出の最小単位となるセンサ素子)が並んだ有用な光干渉型表面応力センサが得られるわけであるが、従来の技術では、中空部101ごとに異なる抗体104を精密に塗り分けることは極めて困難であった。なぜなら、抗体104を含む液滴113を必要な大きさにして打ち出し、所望の位置に正確に到達・付着させ、希望する中空部101の真上にある可動膜102の表面のみに抗体104を接着させることは、技術的に極めて困難だからである。図8において、中央の中空部101の真上にある可動膜102の表面のみに抗体104を接着させようとしても、可動膜102上で溶液が不規則に広がり、両隣の中空部101,101に対応する可動膜102の表面にまで溶液が付着してしまえば、抗体104の接着は溶液内での化学反応によるため制御が困難であり、不要な箇所へ抗体104が接着されることを防ぐことはできない。また、可動膜102は数百nm程度の厚さしかなく、中空部101の上に周縁部を除いて支えのない状態で張設された状態にあるから、溶液の液滴113を衝突させると可動膜102が破損する恐れもあった。このように、従来の技術によれば、一つの半導体基板100からなるチップ上に形成された光干渉型表面応力センサ内において、最小単位となるセンサ部の数を増やしたとしても、異なる多種類の分子を測定する構造とすることは困難であるという課題があった。
【0007】
本発明は、以上説明した従来の技術に鑑みてなされたものであり、レセプター分子の有無や開発状況に関わらず、いかなる分子の検出にも適用可能であり、また一つのチップ内に異なる多種類の分子を測定できる複数のセンサ部を備えた光干渉型表面応力センサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載された光干渉型表面応力センサは、
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された中空部と、
前記中空部を覆う可動膜と、
前記中空部と対応するように前記可動膜の表面に形成された導電膜と、
前記導電膜の表面に形成されて検知すべき分子の鋳型が形成された重合膜と、
を有し、
前記重合膜に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により前記可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象に基づいて分子を検出するセンサ部を、
前記半導体基板に複数形成したことを特徴としている。
【0009】
請求項2に記載された光干渉型表面応力センサは、
半導体基板と、
前記半導体基板に形成された中空部と、
前記中空部を覆う可動膜と、
1個の前記中空部と複数個の前記中空部の少なくとも一方と対応するパターンで前記可動膜の表面に形成された導電膜と、
前記パターンと対応するように前記導電膜の表面に設けられて検知すべき分子の鋳型が形成された重合膜と、
を有し、
前記重合膜に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により前記可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象に基づいて分子を検出することを特徴としている。
【0010】
請求項3に記載された光干渉型表面応力センサは、請求項2に記載の光干渉型表面応力センサにおいて、
それぞれ1個の前記中空部を備えた複数のセンサ部を有しており、複数の前記センサ部の前記重合膜には互いに異なる分子の鋳型が形成されており、
複数の前記センサ部によって異なる分子を同時に検出することを特徴としている。
【0011】
請求項4に記載された光干渉型表面応力センサは、請求項2に記載の光干渉型表面応力センサにおいて、
複数個の前記中空部を備えたセンサアレイを有しており、前記センサアレイの前記重合膜には同一種類の分子の鋳型が形成されており、
前記センサアレイによって同一種類の分子を同時に複数箇所で検出することを特徴としている。
【0012】
請求項5に記載された光干渉型表面応力センサは、請求項2乃至4の一つに記載の光干渉型表面応力センサにおいて、
検知すべき分子の濃度が相対的に低い試料を対象として分子を検知するために相対的に大きく設定された第1の中空部と、
検知すべき分子の濃度が相対的に高い試料を対象として分子を検知するために相対的に小さく設定された第2の中空部と、
を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載された光干渉型表面応力センサによれば、導電膜を高い精度で任意のパターンに形成することができるので、電解重合等の手法を用いることにより、分子の鋳型が形成された重合膜を導電膜の前記パターンに対応して選択的・局所的に導電膜上に形成することができる。従って、異なる種類の分子を対象とした複数種類の重合膜を導電膜上に塗り分けることができ、単一のセンサチップにおいて複数種類の分子を検出する構造を実現することができる。
【0014】
請求項2に記載された光干渉型表面応力センサによれば、導電膜を高い精度で任意のパターンに形成することができるので、電解重合等の手法を用いることにより、分子の鋳型が形成された重合膜を前記パターンに対応して選択的・局所的に導電膜上に形成することができる。従って、異なる種類の分子を対象とした複数種類の重合膜を導電膜上に塗り分けることができる。その場合、1個の中空部に対応して形成された導電膜ごとに重合膜を塗り分けることもできるし、複数個の中空部に対応して形成された導電膜ごとに重合膜を塗り分けることもできる。また、1個の中空部に対応する導電膜と、複数個の中空部に対応する導電膜について、互いに異なる重合膜を塗り分けることもできる。何れの場合も、単一のセンサチップにおいて複数種類の分子を検出する構造を実現することができる。
【0015】
請求項3に記載された光干渉型表面応力センサによれば、1個の中空部に対応して形成された導電膜ごとに重合膜を塗り分けた複数のセンサ部により、単一のセンサチップによって異なる分子を同時に検出することができる。
【0016】
請求項4に記載された光干渉型表面応力センサによれば、センサアレイにおいては、複数個の中空部に対応したパターンで形成された導電膜に重合膜が形成されているため、単一のセンサチップにより、同一種類の分子を同時に複数箇所で検出することができる。従って、当該分子について得られた複数の検出結果を平均化するなどすれば、検出結果の精度を向上させることができる。なお、複数個の中空部に対応したパターンで形成された導電膜及び重合膜を有するセンサアレイを、異なる種類の重合膜を塗り分けて2以上形成することもできる。
【0017】
請求項5に記載された光干渉型表面応力センサによれば、中空部のサイズに対応して可動膜の変形のしやすさが変わるため、試料に含まれる検知すべき分子の濃度に応じて、中空部のサイズを最適に設定することにより、試料の濃度に関わらず当該分子を確実かつ正確に検出することができる。
【0018】
なお、本発明において、重合膜に対する分子の吸着に伴う干渉特性の変化により、中空部を覆う可動膜を透過した単波長光の強度が変化する現象を検知する手段としては、中空部の底部に設けたフォトダイオード又は重合膜からの反射光のスペクトルを測定する分光光度計を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施形態の光干渉型表面応力センサの構造を模式的に示す断面図である。
図2】実施形態の光干渉型表面応力センサの製造において、検知すべき分子の鋳型が形成された重合膜を選択した導電膜の表面に局所的に形成する工程を模式的に示す断面図である。
図3】実施形態の光干渉型表面応力センサの構造を含む実験デバイスの製造において、重合膜を導電膜の表面に形成する工程を説明するための図であって、分図(a)は導電膜に導電性テープを取り付けた製造途中の同デバイスの断面図であり、分図(b)は同デバイスの平面図であり、分図(c)は同デバイスの導電膜の表面に電解重合によって重合膜を形成する装置の構造を模式的に示す図である。
図4】実施形態の光干渉型表面応力センサの製造において、重合膜に検知すべき分子の鋳型を形成する機序を説明するための模式図である。
図5】実施形態の光干渉型表面応力センサの重合膜が、特定の分子を検知できることを説明するために製造した実験デバイスの断面図であって、半導体基板の中空部を覆う可動膜の上面に、分子の鋳型を有する重合膜を導電膜に設けた実施形態の光干渉型表面応力センサの構造(右側)と、分子の鋳型がない重合膜を導電膜に設けた比較例1の構造(左側)と、導電膜及び重合膜が形成されていない比較例2の構造(中央)を示す図である。
図6図5に示した実験デバイスが有する実施形態の光干渉型表面応力センサの構造と、比較例1及び2の構造に、それぞれドーパミン溶液を滴下した場合に、各構造からの反射スペクトルのピークシフト量が時間経過に従って変化する状態を示すグラフである。
図7】特許文献1に開示された光干渉型表面応力センサの構造を模式的に示す断面図である。
図8】特許文献1に開示された光干渉型表面応力センサの製造において、抗体分子吸着層を介して抗体を可動膜の表面に修飾する工程を模式的に示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図1図6を参照して説明する。
図1(a)は、実施形態の光干渉型表面応力センサ1の基本構造を示す模式的な断面図であり、図2は、実施形態の光干渉型表面応力センサ1の製造において、検知対象である分子の鋳型を有する重合膜7を必要な箇所のみに形成する電解重合の工程を示す模式的断面図である。
【0021】
図1(a)及び図2に示すように、光干渉型表面応力センサ1は、半導体基板2と、半導体基板2に形成された中空部3(キャビティ)と、中空部3内の半導体基板2に設けられたフォトダイオード4(図1(a)には不図示)と、中空部3を覆う可動膜5と、中空部3と対応するパターンで可動膜5の表面に形成された導電膜6と、選択された導電膜6の表面のみに形成され、検知すべき分子の鋳型を有する分子インプリント(MIP)膜である重合膜7を有しており、可動膜5とフォトダイオード4の受光面との間にはファブリペロー干渉計が構成されている。なお、フォトダイオード4は、分子の付着により前記重合膜7が変形したことを、入射光の強度の変化を検出することによって検知する変形検出手段の一例である。
【0022】
図1(a)に示すように、この光干渉型表面応力センサ1の重合膜7には、検出しようとする特定の分子8の鋳型9が形成されている。このため、図1(b)に示すように、検出しようとする特定の分子8が重合膜7の鋳型9に結合すると、分子8と重合膜7の相互作用によって重合膜7が膨張又は収縮して変形する。図1(b)は重合膜7が膨張した例を示す。この光干渉型表面応力センサ1に所定の波長の光を照射しておけば、膜部の変形状態に応じて異なる波長の光が中空部3内において干渉することとなり、特定の波長に対する透過率が変化する。その特定波長の透過光強度の変化をフォトダイオード4(図2に示す)が出力する光電流として測定すれば、可動膜5の撓み状態の変化量がわかるので、これによって重合膜7に対する分子の結合状態を把握することができ、特定の分子が重合膜7に吸着されたことと、その吸着された量が判明する。
【0023】
中空部3は、図1の構造例においてはシリコン等の半導体基板2に作り込まれた凹部状の構造であるが、図2の構造例においては半導体基板2の表面に設けられた絶縁層10に囲われることで構成されている。この絶縁層10は、その上に配置される可動膜5を固定するとともに、半導体基板2のフォトダイオード4に接続された図示しない配線乃至回路等を内部に収納している。図1及び図2に示す中空部3は、一例として中空円筒形であり、そのサイズは内径が50μm程度、高さが2.8μm程度となっているが、これは一例であり、内径は100~300μm程度、高さを0.4~4μm程度とすることもできる。
【0024】
図1及び図2に示すように、可動膜5は中空部3を覆っており、中空部3の内部を封止している。可動膜5には弾性と光透過性が必要であり、ここでは厚さ100nmのパリレンC(Parylene-C)を用いているが、スチレン・ブタジエン・スチレンを主成分とするゴム質系材料であるSBSラテックス等から構成される適当な厚さの膜を用いることもできる。この可動膜5と、中空部3の底にあるフォトダイオード4の受光面との間には、前述した通りファブリペロー干渉計が構成されており、可動膜5で封止された1個の中空部3ごとに、センサ部11、すなわち分子を検出する最小単位であるセンサ素子が構成されることになる。この中空部3に液体が進入すると屈折率が変わり、干渉計としての光の干渉特性が変化して測定に影響を与えてしまうので、可動膜5による中空部3の封止構造は液密状態であることが必要である。また、中空部3内の空気は屈折率に影響を与えないので、少なくとも中空部3内の圧力変化を原因として可動膜5が変形することがないように、中空部3は外界と連通させておくことが好ましい。なお、図2では、3つの中空部3について共通の可動膜5が設けられているので製造上有利であるが、1個の中空部3、すなわち1個のセンサ部11ごとに独立した可動膜5を設けてもよい。
【0025】
図2に示すように、導電膜6は、複数(図示では3つ)の中空部3にそれぞれ対応する独立したパターンで可動膜5の表面に形成されている。導電膜6は弾性と光透過性を有している。ここでは厚さ40nmの金薄膜層を用いているが、ITO(酸化インジウムスズ、Indium Tin Oxide)を用いることもできる。
【0026】
図2は、光干渉型表面応力センサ1の製造において、検知すべき分子の鋳型が形成された分子インプリント(MIP)膜である重合膜7を、電解重合の手法を用い、特定の導電膜6の表面のみに選択的かつ局所的に形成する工程を模式的に示している。図2には、センサの最小単位であるセンサ部11に対応する中空部3と、各中空部3に対応して互いに独立して設けられた導電膜6の組み合わせを3つ示している。3つの導電膜6は、それぞれスイッチ12を介して電源13に接続されており、各導電膜6に対して選択的に電圧を加えることができる。具体例を含めた詳細な工程は図3を参照して後述するが、重合膜7となる物質としては重合可能なモノマーであればよく、特に限定はしない。当該モノマーに検出対象の特定分子を加えた溶液15を用意し、半導体基板2をこの溶液15に浸漬する。そして、例えば、図2中右の導電膜6の上面のみに特定分子の鋳型を持つ重合膜7を形成したいのであれば、同右の導電膜6に接続されたスイッチ12のみを閉じ、他のスイッチ12は開いたままとする。スイッチ12が閉じられた導電膜6には、特定分子を含んだ重合膜7が電解重合により生成されるので、次工程で重合膜7中から特定分子を除去すれば、特定分子の鋳型を持つ重合膜7、すなわち特定分子の鋳型を形成したレセプター膜となる分子インプリント(MIP)膜を、特定の導電膜6の上面のみに選択的、局所的に形成することができる。図2には、小円のパターンで示す特定分子を含む重合膜7が、右の導電膜6の上面に形成された様子が模式的に示されている。残された他の導電膜6にも、同様の工程で他の分子の鋳型を形成した分子インプリント(MIP)膜を形成することができる。
【0027】
図3は、実施形態の光干渉型表面応力センサ1の構造を含むデバイスの製造において、電解重合の手法により、導電膜6の表面に重合膜7を形成する工程をより具体的に説明するための実験装置等を示す図であり、図3(a),(b)は、この実験系で重合膜7を形成される前のデバイスを示している。図3(a),(b)に示すデバイスは、本発明に含まれる分子インプリント(MIP)膜としての重合膜7(本発明)と、特定分子の鋳型を持たない重合膜7(比較対象1)と、重合膜7が形成される導電膜6が存在しない部分(比較対象2)という3つの異なる構造を互いに比較するために、共通の半導体基板2に設けた3つの中空部3に、上記3つの構造乃至部分を形成した素子である。すなわち、図3(a),(b)は、実際の製品として製造される本発明の光干渉型表面応力センサそのものではなく、所定の構造を備えた本発明の光干渉型表面応力センサ1となる部分(本発明)と、本発明の比較対象となる2つの部分(比較対象1及び2)を、同一半導体基板2上に形成したものである。以後、このデバイス(又は完成する前の同デバイス)を実験デバイス20と称する。
【0028】
図3(a)のXZ面を切断面とする断面図に示すように、実験デバイス20は半導体基板2を有している。この半導体基板2はPTFT板16の上に設けられている。PTFT板16は、後述するように、実験デバイス20の製造において、導電性テープ17を電極のクリップで挟むための支持基板である。従って、本発明の光干渉型表面応力センサ1を製品化するにおいて、その半導体基板2をプリント基板上に登載してワイヤ配線する構造を採用する場合には、PTFT板16を使用することはない。半導体基板2には、3つの中空部3が設けられており、半導体基板2の上には中空部3を覆って共通の可動膜5が設けられ、左右2個の中空部3に対応する可動膜5上の2カ所のみに、Auの薄膜である導電膜6が設けられている。すなわち、中央の中空部3に対応する可動膜5上には導電膜6は設けられていない。なお、この実験デバイス20では、本発明の光干渉型表面応力センサ1となる部分の中空部3と、本発明の比較対象となる2つの部分の各中空部3の底には、図2に示したようなフォトディテクタは設けられておらず、可動膜5の変形は、後述するように分光光度計で測定するものとした。
【0029】
図3(b)のXY面に平行な平面図では、同図中には現れない中空部3がX方向に3個並んでおり、導電膜6はX方向の両側にある2箇所の中空部3の真上に設けられ、その間の中央の中空部3の真上に当たる位置には、可動膜5が現れている。2つの各導電膜6には、外部から電位を与えるために、それぞれ導電性テープ17の一端が貼付されており、各導電性テープ17はY方向に延設されて他端がPTFT板16上まで延びている。
【0030】
図3(c)は、図3(a),(b)に示した実験デバイス20の導電膜6に電解重合で重合膜7を形成する電解重合装置30を示している。電解重合装置30は、電解重合を行う溶液を貯留する容器31と、容器31内に配置される3つの電極、すなわち作用電極32と、Ag/AgClからなる参照電極33と、Ptからなる対向電極34を有している。作用電極32は、可変電源35の負極に接続され、参照電極33は、電圧計36を介して可変電源35の負極に接続され、対向電極34は、電流計37を介して可変電源35の正極に接続されている。なお、各電極32,33,34は、電極となる金属又は実験デバイス20を保持するためのクリップを備えている。
【0031】
図3(c)に示す電解重合装置30では、電解重合による重合膜7の形成手法としてサイクリックボルタンメトリー (cyclic voltammetry, CV) を採用しており、以下に説明する工程を経ることにより、性質の異なるレセプター膜、すなわち検知すべき分子の種類が異なる鋳型が形成された複数種類の分子インプリント(MIP)膜である重合膜7を、可動膜5上の導電膜6に選択的・局所的に塗り分けるように形成することができる。
【0032】
図3(a)において、まず、実験デバイス20の右側の中空部3に対応する導電膜6のみに、特定分子としてドーパミン(DA)の鋳型が形成された重合膜7を形成する。電解重合を行うために、100mMのKCl、1mMのDA、10mMのPyrroleを純水で希釈した溶液を作製し、図3(c)に示すように、容器31内を当該溶液で満たし、当該導電膜6の導電性テープ17とPTFT板16を作用電極32のクリップで挟み、実験デバイス20を容器31内の溶液に浸漬して通電する。重合膜7としてのポリピロール(Ppy)膜が当該導電膜6上に成長するとともに、図4の左図に示すようにポリピロールの膜内にドーパミン分子が取り込まれる。ポリピロール膜が成長した後、実験デバイス20をエタノールに30分浸漬すると、図4の右図に示すように、取り込まれたドーパミン分子がポリピロール膜から取り出され、ポリピロール膜内にはドーパミンの鋳型が形成される。
【0033】
次に、電解重合を行う溶液中に加える分子の種類を変え、図3(a)に示す実験デバイス20の左側の中空部3に対応する導電膜6に対し、上述の説明と同様に電解重合を行えば、ドーパミン分子以外の特定分子の鋳型を有する重合膜7を形成することができ、同一の半導体基板2上に異なる分子を検出できる種類の異なるセンサ部11を形成することができる。しかし、ここでは、実施形態の分子インプリント(MIP)膜である重合膜7と、鋳型を持たない重合膜7等の比較を行うために、他方の導電膜6には、ドーパミン分子など特定分子の鋳型が存在しないポリピロール膜を形成する。電解重合を行うために、100mMのKCl、10mMのPyrroleを純水で希釈した溶液を作製し、容器31内を当該溶液で満たし、目標とする導電膜6の導電性テープ17に作用電極32を取り付け、実験デバイス20を容器31内の溶液に浸漬して通電すると、鋳型を持たないポリピロール(Ppy)膜が当該導電膜6上に成長する。
【0034】
図5は、以上のようにして製造した実験デバイス20の構造を模式的に示す断面図である。実験デバイス20には、性質の異なる3つの計測対象部分が作り込まれている。すなわち、実験デバイス20の右側の中空部3に対応する導電膜6には、ドーパミン分子の鋳型9を有するポリピロール(Ppy)膜40が形成されており、図5中の凡例では、これをPpy membrane forming a dopamine templateと表示している。実験デバイス20の左側の中空部3に対応する導電膜6には、鋳型を持たないポリピロール(Ppy)膜41が形成されており、図5中の凡例では、これをPpy-only membrane と表示している。実験デバイス20の中央の中空部3は可動膜5によって覆われているが、その上面に導電膜6は存在しない。この導電膜6が存在しない箇所は、後述する実験結果を示す図6では、No Au と表示している。
【0035】
図5に示す実験デバイス20に作り込まれた3つの計測対象部分におけるドーパミン(DA)の吸着反応を検出し、相互に比較するため、実験デバイス20の各計測対象部分からの反射光について、波長ごとに強度を計測する分光光度計を使用する。X方向(図5において左右の水平方向)及びY方向(図5において紙面に垂直な方向)に移動可能な可動ステージ上に、バッファ溶液中に沈めた実験デバイス20を載せ、その上方に分光光度計を配置する。分光光度計は、所定の波長の光を発生する光源と、前記光源に接続されて可動ステージ上の実験デバイス20に光源からの光を導くとともに、実験デバイス20からの反射光を導く光路と、前記光路に接続されて実験デバイス20からの反射光の強度を波長ごとに計測してスペクトルを得る分光器を備えている。
【0036】
適時に可動ステージを移動しながら分光光度計を使用すれば、バッファ溶液中に沈めた実験デバイス20の各計測対象部分に光を照射し、当該計測対象部分からの反射光を分光してスペクトルを取得することができる。ドーパミン(DA)が吸着することによる計測対象部分の可動膜5の動きを捉えるため、計測対象部分にドーパミン(DA)を反応させた時のスペクトルを取得し、そのピークシフト(Peak Shift)が時間的に変化する様子を評価した。図6は、ドーパミン(DA)を終濃度が10μMとなるように3つの計測対象部分にそれぞれ滴下した場合に得られた反射スペクトルのピークシフト(Peak Shift[nm]、縦軸)の時間的変化(Time[min ]、横軸)を示したグラフである。実験デバイス20の計測対象部分からの反射光を分光光度計の分光器で出力すると、中空部3のエアギャップの長さで決まる光の干渉ピークが観察されるが、この干渉ピークの移動を示す値がピークシフトであって、これが±の何れの側に移動したかによって可動膜5が膨らんだのか、収縮したのかが分かる。
【0037】
図6によれば、鋳型を持たないポリピロール膜41(Ppy-only membrane 、同図中、最も上にある点の並び)と、Auを蒸着していないParylene-Cからなる可動膜5(No Au、同図中、上から2つめの点の並び)は、ドーパミン(DA)の鋳型が存在しないため、ドーパミン(DA)の滴下による干渉ピークのシフトが生じなかったと考えられる。一方、鋳型を有するポリピロール膜40(Ppy membrane forming a dopamine template、同図中、最も下にある点の並び)は、干渉ピークの短波長側へのシフトが発生している様子が確認された。これは鋳型内にドーパミン(DA)が吸着され、膜が収縮したことに起因する応答が生じたと考えられる。以上の結果から、ドーパミン(DA)のような神経伝達物質の分子インプリント(MIP)膜による非標識検出と、異なる分子を対象とする複数種類のMIP膜の塗り分けが、導電膜6のパターニングと電解重合によって可能であることが実証された。
【0038】
以上説明したように、本発明の光干渉型表面応力センサ1によれば、可動膜5上の導電膜6はフォトリソグラフィ等の手法によりにより任意のパターンで高精度に形成することができるため、例えば、導電膜6を各中空部3の真上の位置のみに正確に形成して、導電膜6をセンサ部11ごとに独立させることができる。また、導電膜6上に形成される分子インプリント(MIP)膜である重合膜7も、導電膜6に対応したパターンで形成され、かつ電解液を変えて電解重合による製造手順を繰り返せば、一つのチップ上において、異なる分子を検知対象とする複数種類の重合膜7を各センサ部11の導電膜6に塗り分けることができる。これによって、単一の半導体基板2からなる1個の光干渉型表面応力センサ1が含む複数のセンサ部11(検出の最小単位となるセンサ素子)毎に、検出対象となる分子が異なる複数種類のレセプター膜を形成することができ、一つのデバイスで異なる分子を同時に検出することができる。
【0039】
また、本発明によれば、単一のセンサチップ、すなわち1つの半導体基板2に作り込まれた単一の光干渉型表面応力センサ1において、複数の中空部3に対応する大きなパターンで導電膜6を形成してもよい。すなわち、同一分子を検出対象とする複数のセンサ部11の集合をセンサアレイと称するとすれば、導電膜6はセンサアレイごとに連続したパターンで設けてもよい。また、導電膜6をセンサアレイごとに設ける場合には、当該センサアレイに含まれる複数の中空部3の真上の位置に導電膜6をそれぞれ正確に形成するとともに、中空部3の真上の位置に形成した複数の導電膜6を互いに導通するようなパターンで配線を形成することができる。又は、導電膜6を当該センサアレイに含まれる領域の全体にベタ状に形成してもよい。また、導電膜6をフォトリソグラフィで製造すれば、図8を参照して先に説明した従来技術とは異なり、可動膜5に機械的な衝撃が加わることがないため、可動膜5を破損する恐れもない。
【0040】
センサアレイを有する光干渉型表面応力センサ1によれば、単一のセンサチップ、すなわち1つの半導体基板2に作り込まれた単一の光干渉型表面応力センサ1により、同一種類の分子を同時に複数箇所で検出することができる。従って、当該分子について得られた複数の検出結果を平均化するなど適宜のデータ処理を行うことにより、検出結果の精度を向上させ、数値的な確度の高い結果が得られる等の効果を得ることができる。なお、異なる種類の重合膜7を塗り分けた2以上のセンサアレイを、単一のセンサチップ内に形成してもよい。
【0041】
このように、本発明の光干渉型表面応力センサ1によれば、単一のセンサチップ、すなわち1つの半導体基板2に作り込まれた単一の光干渉型表面応力センサ1内において、同一分子を検出対象とするセンサ部11を複数設けたり、複数の異なる分子をそれぞれ検出対象とする複数のセンサ部11を設けたり、同一分子を検出対象とするセンサアレイを設けたり、これとは異なる分子を検出対象とする他のセンサアレイを設けたり、さらに上述したような複数のセンサ部11と、上述したような1又は複数のセンサアレイを混在して設ける構成とすることもできる。
【0042】
なお、本発明の実施形態の説明では、半導体基板2の中空部3を覆う可動膜5が、重合膜7に対する分子の吸着に伴い変形した場合に、中空部3において光の干渉特性が変化することによって、可動膜5を透過した光の強度が変化する現象を検知する手段として、図2に示す構造例では中空部3の底部にフォトダイオード4を設け、また図3図6に示す実験デバイス20の構造例では分光光度計を用いたが、要するに、中空部3における光の干渉特性の変化から膜の変形の様子を計測できる手段であればよく、これを特定の原理の手段に限定するものではない。
【0043】
なお、本発明の光干渉型表面応力センサ1によれば、可動膜5は中空部3の開口部分に張設された構造であるため、可動膜5の変形のしやすさは、中空部3のサイズに対応して変わる。より具体的には、実施形態の中空部3は中空円筒形であるため、可動膜5の変形のしやすさ、すなわちセンサとしての感度は、中空部3の直径の2乗に比例して増大する。従って、試料に含まれる検知すべき分子の濃度に応じて、中空部3のサイズを最適に設定すれば、試料の濃度の高低に関わらず当該分子を確実かつ正確に検出することができる。中空部3の直径を大きくすれば、可動膜5が変形しやすくなって分子の検出感度が上がるので、含まれる分子の濃度が低い試料でも当該分子を適切に検出することができる。中空部3の直径を小さくすれば、可動膜5が変形しにくくなって分子の検出感度が下がるので、含まれる分子の濃度が高い試料でも当該分子を適切に検出することができる。
【0044】
なお、本発明の光干渉型表面応力センサ1は、特定種類のガスの存在及び量を検出するガスセンサとして用いることもできる。ガスセンサとして用いる場合には、可動膜5は、少なくとも対象となるガスを透過しない材料で構成するとともに、中空部3内で圧力の変化と屈折率の変化がおきないように、中空部3に入り込んだガスを外に逃がせる様な構成になっていることが必要である。
【符号の説明】
【0045】
1…光干渉型表面応力センサ
2…半導体基板
3…中空部(キャビティ)
4…フォトダイオード
5…可動膜
6…導電膜
7…重合膜
8…検出対象である特定の分子
9…鋳型
11…センサ部
20…実験デバイス
30…電解重合装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8