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特開2023-66914マイクロホン用ウインドスクリーンとマイクロホン装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023066914
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】マイクロホン用ウインドスクリーンとマイクロホン装置
(51)【国際特許分類】
   H04R 1/08 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
H04R1/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177776
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000128566
【氏名又は名称】株式会社オーディオテクニカ
(74)【代理人】
【識別番号】100141173
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 啓一
(72)【発明者】
【氏名】佐野 友亮
【テーマコード(参考)】
5D017
【Fターム(参考)】
5D017BE03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】ウインドスクリーンのマイクロホンへの着脱を容易にすると共に、マイクロホンからのウインドスクリーンの脱落を防止する。
【解決手段】マイクロフォン10において、マイクロホン用ウインドスクリーン20は、マイクロホン10に着脱可能に取り付けられるウインドスクリーン本体21と、ウインドスクリーン本体と結合する着脱部材22と、を有する。ウインドスクリーン本体は、マイクロホンが収容される挿入穴211hを備える。着脱部材は、挿入穴に収容されるマイクロホンが挿入される挿入孔223hと、折り曲げ自在に構成され、挿入孔に配置されるツメ部224と、を備える。ツメ部は、マイクロホンが挿入孔から挿入穴に向けて挿入される前、折り曲げられない定常位置に位置し、マイクロホンが挿入孔から挿入穴に向けて挿入されている間、マイクロホンにより挿入穴に向けて折れ曲がり、マイクロホンが挿入穴に収容された後、定常位置に復帰する。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロホンに着脱可能に取り付けられるウインドスクリーン本体と、
前記ウインドスクリーン本体と結合する着脱部材と、
を有してなり、
前記ウインドスクリーン本体は、
前記マイクロホンが収容される一端が開口した挿入穴、
を備え、
前記着脱部材は、
前記挿入穴に収容される前記マイクロホンが挿入される挿入孔と、
折り曲げ自在に構成され、前記挿入孔に配置されるツメ部と、
を備え、
前記ツメ部は、
前記マイクロホンが前記挿入孔から前記挿入穴に向けて挿入される前、折り曲げられていない定常位置に位置し、
前記マイクロホンが前記挿入孔から前記挿入穴に向けて挿入されている間、前記マイクロホンにより前記挿入穴に向けて折り曲げられ、
前記マイクロホンが前記挿入穴に収容された後、前記定常位置に復帰する、
ことを特徴とするマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項2】
前記ツメ部は、
前記マイクロホンが前記挿入孔から前記挿入穴に向けて挿入されている間、前記マイクロホンの外周面に当接する、
請求項1記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項3】
前記ツメ部は、
前記マイクロホンが前記挿入孔から抜き出されている間、前記マイクロホンにより前記挿入穴とは反対側に向けて折り曲げられ、
前記マイクロホンが前記挿入孔から抜き出された後、前記定常位置に復帰する、
請求項2記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項4】
前記ツメ部は、
前記マイクロホンが前記挿入孔から抜き出されている間、前記マイクロホンの前記外周面に当接する、
請求項3記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項5】
前記ウインドスクリーン本体は、一端が開口した有底円筒状であり、
前記着脱部材は、
前記ウインドスクリーン本体の一端部に結合され、
前記ウインドスクリーン本体の前記一端部を覆う側壁部、
を備え、
前記ツメ部は、前記側壁部の一端から内方に突出する、
請求項1記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項6】
前記ツメ部は、
前記マイクロホンが前記挿入孔から前記挿入穴に向けて挿入されている間、前記挿入穴の開口端部を拡径する、
請求項1記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項7】
前記ツメ部は、
前記挿入穴に向けて折り曲げられる折曲部と、
前記側壁部と前記折曲部とを連結する連結部と、
を備え、
前記連結部は、断面視U字状であり、
前記連結部の一端は、前記側壁部に連結され、
前記連結部の他端は、前記挿入孔に向けて折り返されて、前記折曲部と連結する、
請求項5記載のマイクロホン用ウインドスクリーン。
【請求項8】
マイクロホンと、
前記マイクロホンに取り付けられるマイクロホン用ウインドスクリーンと、
を有してなり、
前記マイクロホン用ウインドスクリーンは、請求項1記載のマイクロホン用ウインドスクリーンである、
マイクロホン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロホン用ウインドスクリーンとマイクロホン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロホンが使用される環境下でマイクロホンに風が当たると、マイクロホンからの出力には風切音などに起因して発生する風雑音が含まれ得る。この風雑音を防止するため、マイクロホンには、マイクロホンの周囲を覆うウインドスクリーン(風防)が取り付けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-347984号公報
【0004】
ウインドスクリーンは、例えば、ポリウレタンなどの多孔性の弾性素材で構成され、マイクロホンに直接被せられている。ウインドスクリーンは、一端(下端)側にマイクロホンが収容される非貫通の挿入穴を備える、挿入穴の内径は、マイクロホンの外径よりも小さい。そのため、ウインドスクリーンは、挿入穴がマイクロホンの直径よりも大きくなるように拡げられた状態でマイクロホンに取り付けられる。このとき、ウインドスクリーンの弾性力により、挿入穴がマイクロホンを締め付ける。その結果、ウインドスクリーンは、マイクロホンに対する締付力や、マイクロホンとの間に生じる摩擦力(以下、まとめて「保持力」という。)により、マイクロホンに固定される。このように、マイクロホンがウインドスクリーンに被覆されることにより、風雑音の発生が防止される。
【0005】
ウインドスクリーンが取り付けられるマイクロホンには、例えば、ラベリアマイクロホンやガンマイクロホンなどの小型のマイクロホンがある。これらのマイクロホンは、動画撮影時の音声収録や音声通話、講演会など、幅広い用途で使用される。特に、ラベリアマイクロホンは、テレビ番組や講演会などで話者(人体)に装着される。
【0006】
近年、ウインドスクリーンが取り付けられたマイクロホン(例えば、ラベリアマイクロホン)は、例えば、テレビ中継されるスポーツ(例えば、カーリングやバレーボール)の試合会場においても広く使用されてきている。すなわち、例えば、マイクロホンはカーリングの選手に装着され、試合中の選手同士の作成会議などの会話や、選手のため息や息遣いなどを収音する。また、例えば、マイクロホンは、バレーボールのネットに装着され、選手がボールを打つ音や、選手がボールをブロックする音などを収音する。その結果、テレビの視聴者は、選手の声や競技で生じる音を、臨場感・緊迫感と共に感じながらスポーツ観戦を楽しむことができる。
【0007】
ここで、前述のとおり、従来のウインドスクリーンは、マイクロホンに対する保持力により、マイクロホンに固定されている。しかし、例えば、ウインドスクリーンの経年劣化により、ウインドスクリーンのマイクロホンに対する保持力は、低下する。マイクロホンに対する保持力が低下したウインドスクリーンは、マイクロホンから脱落(落下)しやすくなる。
【0008】
しかしながら、スポーツの試合会場でマイクロホンからウインドスクリーンが脱落すると、脱落したウインドスクリーンが競技の進行を妨げるだけでなく、スリップなどによる選手の怪我の原因にもなり得る。すなわち、脱落したウインドスクリーンは、競技の大きな障害となり得る。
【0009】
このようなマイクロホンが用いられる現場では、マイクロホンからのウインドスクリーンの脱落を防止するために、ウインドスクリーンのマイクロホンへの取り付けに接着剤が使用されていた。その結果、ウインドスクリーンのマイクロホンへの保持力は向上する。しかしながら、ウインドスクリーンのマイクロホンへの着脱のし易さは、低下する。すなわち、接着剤を使用する場合、ウインドスクリーンのマイクロホンへの着脱の作業性は、低下する。また、接着後のウインドスクリーンは、破かなければ(破断しなければ)マイクロホンから取り外すことができない。そのため、ウインドスクリーンは、使い捨てになる。
【0010】
さらに、接着剤を使用する場合、接着剤の塗布量や、接着剤がマイクロホンへ接触する位置によっては、マイクロホンの収音部に接着剤が干渉してしまい、マイクロホンの音質が低下し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、ウインドスクリーンのマイクロホンへの着脱を容易にすると共に、マイクロホンからのウインドスクリーンの脱落を防止できる、マイクロホン用ウインドスクリーンとマイクロホン装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係るマイクロホン用ウインドスクリーンは、マイクロホンに着脱可能に取り付けられるウインドスクリーン本体と、ウインドスクリーン本体と結合する着脱部材と、を有してなり、ウインドスクリーン本体は、マイクロホンが収容される一端が開口した挿入穴、を備え、着脱部材は、挿入穴に収容されるマイクロホンが挿入される挿入孔と、折り曲げ自在に構成され、挿入孔に配置されるツメ部と、を備え、ツメ部は、マイクロホンが挿入孔から挿入穴に向けて挿入される前、折り曲げられていない定常位置に位置し、マイクロホンが挿入孔から挿入穴に向けて挿入されている間、マイクロホンにより挿入穴に向けて折り曲げられ、マイクロホンが挿入穴に収容された後、定常位置に復帰する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ウインドスクリーンのマイクロホンへの着脱を容易にすると共に、マイクロホンからのウインドスクリーンの脱落を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明に係るマイクロホン装置の実施の形態を示す正面図である。
図2図1のマイクロホン装置のA矢視方向の断面図である。
図3図1のマイクロホン装置が備える、本発明に係るウインドスクリーンの実施の形態を示す正面図である。
図4図3のウインドスクリーンの斜視図である。
図5図3のウインドスクリーンの底面図である。
図6図3のウインドスクリーンのB矢視方向の断面図である。
図7図1のマイクロホン装置の分解断面図であり、図1のマイクロホン装置が備えるマイクロホンが、図3のウインドスクリーンに挿入される前の状態を示す。
図8図7のマイクロホンが、図3のウインドスクリーンに挿入されている間の状態を示す断面図である。
図9図7のマイクロホンが、図3のウインドスクリーンに挿入された後の状態を示す断面図である。
図10図3のウインドスクリーンに、他のマイクロホンが挿入されている間の状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るマイクロホン装置とウインドスクリーンとの実施の形態について説明する。
【0016】
●マイクロホン装置●
●マイクロホン装置の構成
図1は、本発明に係るマイクロホン装置の実施の形態を示す正面図である。
【0017】
マイクロホン装置1は、音源(不図示)からの音波を収音して、音波に応じた電気信号を出力する。マイクロホン装置1は、マイクロホン10とウインドスクリーン20とを有してなる。
【0018】
図2は、図1のマイクロホン装置1のA矢視方向の断面図である。
同図は、マイクロホン10を非断面で示し、ウインドスクリーン20を断面で示す(後述する図7,8,9についても同じ)。
【0019】
以下の説明において、図2の紙面上側の方向を上方といい、図2の紙面下側の方向を下方という。同様に、図2の紙面左側の方向を左方といい、図2の紙面右側の方向を右方という。
【0020】
●マイクロホンの構成
マイクロホン10は、音源からの音波を収音して、音波に応じた電気信号を出力する。本実施の形態では、マイクロホン10は、例えば、ラベリアマイクロホンである。すなわち、例えば、マイクロホン10は、テレビ番組や講演会、スポーツの試合会場などで人(話者や選手)に装着されて使用され得る。マイクロホン10は、例えば、タイピンクリップ(不図示)により、マイクロホン10の使用者の襟や胸元に装着される。
【0021】
なお、本発明において、マイクロホンは、ガンマイクロホンなどの狭指向型のマイクロホンでもよい。
【0022】
マイクロホン10は、マイクロホン本体11と、コード12と、段部13と、を備える。
【0023】
マイクロホン本体11は、音源に向けられて音源からの音波を収音する。マイクロホン本体11は、有底円筒状である。マイクロホン本体11は、マイクロホンユニット(不図示)と、回路基板(不図示)と、音波導入口(不図示)と、を備える。
【0024】
マイクロホンユニットは、音波導入口からマイクロホン本体11に導入された音波を収音して、同音波を電気信号に変換する。マイクロホンユニットは、例えば、コンデンサ型の電気音響変換器である。マイクロホンユニットは、マイクロホン本体11に収容される。マイクロホンユニットは、マイクロホン本体11と共に、音声を収音する収音部を構成する。
【0025】
なお、本発明において、マイクロホンユニットは、コンデンサ型の電気音響変換器に限定されない。すなわち、例えば、マイクロホンユニットは、ダイナミック型の電気音響変換器でもよい。
【0026】
回路基板は、マイクロホンユニットからの音声信号を出力コネクタ(不図示)に出力する平衡伝送回路(不図示)などの回路を実装する。回路基板は、マイクロホン本体11に収容される。
【0027】
音波導入口は、音源からの音波をマイクロホンユニットに導入する。音波導入口は、マイクロホン本体11の上端面に配置される。
【0028】
コード12は、マイクロホン10をレシーバとしてのトランスミッタ(不図示)に接続する。コード12は、信号線を介して、回路基板からの音声信号を出力する。コード12は、段部13の内部に挿通される。トランスミッタは、例えば、マイクロホン10の使用者のベルトや腰付近に装着される。
【0029】
段部13は、マイクロホン本体11からのコード12の引き出し部における信号線の折れ曲がりによる断線などを防止する。すなわち、段部13は、いわゆるコードブッシュとして機能する。
【0030】
●ウインドスクリーンの構成
【0031】
図3は、本発明に係るウインドスクリーン20の実施の形態を示す正面図である。
図4は、ウインドスクリーン20の斜視図である。
図5は、ウインドスクリーン20の底面図である。
図6は、図3のウインドスクリーンのB矢視方向の断面図である。
【0032】
ウインドスクリーン20は、収音部を保護することにより、マイクロホン装置1の外部からの風による風切音などの風雑音の発生や、マイクロホン装置1の使用者の呼気などからマイクロホンユニットによるいわゆるポップノイズの生成を低減させる。ウインドスクリーン20は、マイクロホン10に着脱自在に取り付けられる。ウインドスクリーン20は、本発明に係る「マイクロホン用ウインドスクリーン」の例である。ウインドスクリーン20は、ウインドスクリーン本体21と着脱部材22とを備える。
【0033】
ウインドスクリーン本体21は、着脱部材22により、マイクロホン10に着脱自在に取り付けられる。ウインドスクリーン本体21は、マイクロホン本体11の周囲を覆って収音部を保護することにより、マイクロホン装置1の外部からの風や呼気などから風雑音の発生を低減させる。ウインドスクリーン本体21は、例えば、ポリウレタンなどの多孔性の弾性素材で成形される。ウインドスクリーン本体21は、上部が丸みを帯びた略円柱状であり、下端(一端)が開口する有底円筒状である。ウインドスクリーン本体21の下端は、後述されるように、着脱部材22のツメ部224が折り曲がる可動範囲内に位置している。ウインドスクリーン本体21は、挿入穴211hを備える。
【0034】
挿入穴211hは、挿入穴211hに挿入されたマイクロホン本体11を収容する。挿入穴211hは、下端(一端)が開口し、上端(他端)が閉塞する円柱状の穴である。挿入穴211hは、ウインドスクリーン本体21の内部に配置される。挿入穴211hの開口部は、ウインドスクリーン本体21の下端面に配置される。挿入穴211hの底面(挿入穴211hの閉塞面)は、上下方向において、中央部よりも上方に配置される。
【0035】
挿入穴211hの内径は、マイクロホン本体11の外径よりも小さい。すなわち、挿入穴211hにマイクロホン本体11が挿入されて収容されたとき、挿入穴211hの内径は、マイクロホン本体11の外径と同等に拡径される。
【0036】
ウインドスクリーン本体21の外径は、上下方向において、略中央部から上端部に向けて縮径する(小さくなる)ように構成される。すなわち、ウインドスクリーン本体21の外径は、上下方向において、略中央部から上端部に向けて先細りである。つまり、ウインドスクリーン本体21の外周面は、上下方向において、略中央部から上端部に向けて、ウインドスクリーン本体21の径方向中心側に傾斜する。
【0037】
なお、本発明において、ウインドスクリーン本体の形状は、本実施の形態における形状に限定されない。すなわち、例えば、ウインドスクリーン本体の外周面は、上下方向において傾斜しない、円柱状でもよい。
【0038】
着脱部材22は、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への着脱を容易にする。着脱部材22は、例えば、熱可塑性のエラストマー樹脂製であり、弾性を有する弾性部材で成形される。着脱部材22は、ウインドスクリーン本体21の下端部(一端部)の外周を覆い、ウインドスクリーン本体21の下端部に結合される(固定される)。着脱部材22は、例えば、接着剤(不図示)によりウインドスクリーン本体21に結合される。着脱部材22は、ウインドスクリーン20がマイクロホン10へ着脱されるとき、使用者に把持される。
【0039】
着脱部材22がウインドスクリーン本体21に結合されているとき、着脱部材22の外周面は、上下方向において、ウインドスクリーン本体21の外周面と連続する。換言すれば、着脱部材22は、上下方向において、ウインドスクリーン本体21の外周面と連続する外周面を備える。
【0040】
着脱部材22は、把持部221と、係合ツメ222と、挿入孔223hと、ツメ部224と、切欠溝225と、を備える。
【0041】
把持部221は、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に着脱されるとき、使用者に把持される。把持部221は、リング状である。把持部221は、ウインドスクリーン本体21の下端部の外周を覆う。把持部221は、着脱部材22の側壁として機能する。すなわち、把持部221は、本発明における「側壁部」の例である。
【0042】
把持部221は、使用者に把持されたとき、使用者が把持部221を把持する力により楕円リング状に変形し得る。変形した把持部221は、使用者が把持部221を把持する力を解除することにより、弾性力により元の形状に復元する。
【0043】
係合ツメ222は、把持部221の上端に配置されて、把持部221の内方(内側)に突出する。係合ツメ222は、6つの係合ツメ222(図6では2つの係合ツメのみ図示されている)を備える。各係合ツメ222は、把持部221の円周方向において、所定の間隔を空けて配置される。
【0044】
本実施の形態では、各係合ツメ222の構成は、それぞれ同じである。以下の説明において、係合ツメ222には、全て同一の符号「222」が付されて、「係合ツメ222」総称される。
【0045】
着脱部材22がウインドスクリーン本体21に結合されているとき、係合ツメ222は、ウインドスクリーン本体21の下部の外周面に食い込んでいる。したがって、接着剤で結合されているウインドスクリーン本体21と着脱部材22との結合は、より強固になる。
【0046】
なお、本発明において、係合ツメの数は、「6」に限定されない、すなわち、例えば、係合ツメの数は、「1」でもよいし、「6」以外の複数でもよい。
【0047】
挿入孔223hは、マイクロホン本体11が挿入される孔である。挿入孔223hは、把持部221の内周面で構成される開口である。
【0048】
ツメ部224は、把持部221と一体に構成され、把持部221の下端に連結される。ツメ部224は、挿入穴211hの開口部よりも下方に位置する。本実施の形態では、着脱部材22は、6つのツメ部224を備える。各ツメ部224は、把持部221の円周方向において、所定の間隔を空けて等間隔に配置される。
【0049】
本実施の形態では、各ツメ部224の構成は、それぞれ同じである。以下の説明において、ツメ部224には、全て同一の符号「224」が付されて、「ツメ部224」と総称される。
【0050】
ツメ部224は、折曲部2241と連結部2242とを備える。ツメ部224のうち、把持部221側の半部は、断面視において下に凸なU字状になるように把持部221の内側に折り返されて連結部2242を構成している。すなわち、連結部2242は、断面視U字状である。
【0051】
また、ツメ部224のうち、残りの半部は、左右方向に沿うように配置されて折曲部2241を構成している。すなわち、折曲部2241は、連結部2242から把持部221の径方向内方に向けて突出し、連結部2242により片持ち支持されている。換言すれば、ツメ部224は、把持部221の下端(一端)から内方に突出する。
【0052】
連結部2242の一端は把持部221に連結され、連結部2242の他端は挿入孔223hの内側に折り返されて折曲部2241に連結される。すなわち、連結部2242は、把持部221と折曲部2241とを連結する。ここで、折曲部2241が左右方向に沿うように配置されているとき、ツメ部224は、本発明における「定常位置」に位置している。換言すれば、ツメ部224は、マイクロホン本体11が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入される前(ウインドスクリーン20がマイクロホン10に装着される前)、折り曲げられていない定常位置に位置する。折曲部2241は、挿入孔223h内において、挿入穴211hの開口部の下方に配置される。連結部2242から折曲部2241の先端までの距離は、連結部2242から挿入穴211hの開口部までの距離よりも長い。このように構成されるツメ部224は、連結部2242の一部を除き、挿入孔223hに配置されている。
【0053】
下方視において、折曲部2241の先端部(把持部221の径方向内側の端部)それぞれを結んで形成される仮想円C1(図5参照)の直径は、マイクロホン本体11の外径よりも小さく、段部13の外径よりも僅かに大きく、コード12の外径よりも大きい。また、下方視において、仮想円C1と挿入孔223hと挿入穴211hそれぞれは、同心状に配置される。
【0054】
ツメ部224は、弾性を有し、折り曲げ自在である。そのため、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられるとき(装着されるとき)、ツメ部224は、定常位置から上方に向けて折り曲げられる。具体的には、折曲部2241は、連結部2242との連結部分を起点として上方に向けて立ち上がるように折り曲げられる。このとき、折曲部2241の先端部は、挿入穴211hを押し拡げるように、挿入穴211h内に押し込まれる。換言すれば、ツメ部224は、マイクロホン本体11(マイクロホン本体11の一部)が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間(ウインドスクリーン20がマイクロホン10に装着されている間(装着途中))、挿入穴211hに向けて折り曲げられる。マイクロホン本体11が挿入穴211hに完全に収容されたとき(マイクロホン本体11がツメ部224を通り過ぎたとき)、ツメ部224は、自身が有する弾性力により、元の状態(定常位置)に戻る。換言すれば、ツメ部224は、マイクロホン本体11が挿入穴211hに収容された後、定常位置に復帰する。具体的には、折曲部2241は、連結部2242との連結部分を起点として把持部221の径方向内方に向けて倒れ込み、左右方向に沿うように配置される。
【0055】
一方、ウインドスクリーン20がマイクロホン10から取り外されるとき(脱装されるとき)、ツメ部224は、定常位置から下方に向けて折り曲げられる。具体的には、折曲部2241は、連結部2242との連結部分を起点として下方に向けて折り曲げられる。換言すれば、ウインドスクリーン20がマイクロホン10から取り外されている間(マイクロホン本体11が挿入孔223hから抜き出されている間)、ツメ部224は、挿入穴211hとは反対側に向けて折り曲げられる。ウインドスクリーン20がマイクロホン10から取り外されたとき(脱装が完了したとき)、ツメ部224は、自身が有する弾性力により、元の状態(定常位置)に戻る。具体的には、折曲部2241は、連結部2242との連結部分を起点として把持部221の径方向内方に向けて跳ね上がり、左右方向に沿うように配置される。
【0056】
このように折り曲げられるツメ部224において、連結部2242がU字状に形成されることにより、折曲部2241が折り曲げられるときにツメ部224に作用する応力は、連結部2242により分散される。また、連結部2242がU字状に形成されることにより、いわゆるヘミング構造となり、ツメ部224の強度が高まる。さらに、連結部2242がU字状に形成されることにより、折曲部2241の連結部2242との連結位置は、上下方向において、連結部2242の下部(底部)よりも上方である。すなわち、着脱部材22(ツメ部材224)の下部において、連結部2242の下部(底部)から折曲部2241の位置までの間は、凹状の空間となる。そのため、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられるとき、その空間内に配置される折曲部2241は、マイクロホン本体11を挿入穴211hの中心に挿入させるための位置合わせの目安となる。
【0057】
なお、本発明において、ツメ部の数は、「6」に限定されない、すなわち、例えば、ツメ部の数は、「1」でもよいし、「6」以外の複数でもよい。
【0058】
切欠溝225は、ツメ部224それぞれの間に配置される。すなわち、例えば、切欠溝225の数は、「6」である。切欠溝225は、着脱部材22の下部に放射状に配置される。切欠溝225の一部は、把持部221に配置される。
【0059】
●ウインドスクリーンの着脱
次に、ウインドスクリーンの着脱、すなわち、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられる「ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付け」と、ウインドスクリーン20がマイクロホン10から取り外される「ウインドスクリーン20のマイクロホン10からの取り外し」と、について説明する。
【0060】
●ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付け
図7は、マイクロホン装置1の分解図であり、マイクロホン10が、ウインドスクリーン20に挿入される前の状態を示す。
【0061】
ウインドスクリーン20がマイクロホン本体11に取り付けられるとき、使用者は、把持部221と、マイクロホン本体11またはコード12と、を把持し、マイクロホン本体11とウインドスクリーン20とを近づける。マイクロホン本体11が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入される前、ツメ部224は、折り曲げられていない定常位置に位置する。
【0062】
先ず、マイクロホン本体11は、マイクロホン本体11の上端側から挿入孔223hに挿入される。
【0063】
このとき、マイクロホン本体11の上端部は、定常位置に位置するツメ部224に当接する。次いで、マイクロホン本体11が挿入穴211hに向けて押し込まれると、折曲部2241(ツメ部224)はマイクロホン本体11の外周面に当接し、折曲部2241は定常位置から上方に向けて(挿入穴211hに向けて)折り曲げられる。折り曲げられた折曲部2241の先端部は、ウインドスクリーン本体21の開口端(挿入穴211hの開口端)を押し拡げる。すなわち、ウインドスクリーン本体21の挿入穴211hの下端部(開口端部)は、マイクロホン本体11が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間、ツメ部224により拡径される。そのため、マイクロホン本体11は折曲部2241を滑るように挿入穴211hに挿入され、折曲部2241はガイドのように機能する。その結果、マイクロホン本体11の挿入穴211hへの挿入は、容易になる。
【0064】
図8は、マイクロホン10が、ウインドスクリーン20に挿入されている間の状態を示す断面図である。
同図は、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に装着されている間(装着途中)の状態を示す。
【0065】
マイクロホン本体11は、引き続き、挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入される(押し込まれる)。マイクロホン本体11が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11の外周面に当接した状態で、定常位置から上方に向けて(挿入穴211hに向けて)折り曲げられる。マイクロホン本体11は、挿入穴211hを拡径しながら挿入穴211hに挿入される。
【0066】
図9は、マイクロホン10が、ウインドスクリーン20に挿入された後の状態を示す断面図である。
同図は、マイクロホン本体11が挿入穴211hに完全に収容されたとき(マイクロホン本体11がツメ部224を通り過ぎたとき)の状態を示す。
【0067】
マイクロホン本体11が挿入穴211hに完全に挿入された(収容された)とき(マイクロホン本体11がツメ部224を通り過ぎたとき)、ツメ部224は、自身が有する弾性力により、元の状態(定常位置)に戻る。すなわち、折曲部2241(ツメ部224)がマイクロホン本体11の外周面に当接した状態は、解除される。換言すれば、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11が挿入穴211hに挿入された(収容された)後、定常位置に復帰する。このとき、折曲部2241(ツメ部224)は、弾性力により、勢いをつけて定常位置に復帰する。その結果、使用者は、折曲部2241(ツメ部224)が定常位置に復帰した感覚(クリック感)を感じ取ることにより、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付けが完了したことを把握できる。
【0068】
ツメ部224が定常位置に復帰したとき、マイクロホン本体11は、ウインドスクリーン本体21の弾性力により下方へ僅かに押し戻される。その結果、マイクロホン10の段部13は、仮想円C1内に配置される。前述のとおり、仮想円C1の直径は、マイクロホン本体11の外径(直径)よりも小さい。したがって、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11の下方に張り出すように配置される。その結果、ツメ部224がマイクロホン本体11の押さえになる。そのため、ウインドスクリーン20は、マイクロホン10から容易に外れにくくなる。
【0069】
このように、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられる。このとき、ウインドスクリーン本体21の弾性力により、マイクロホン本体11はウインドスクリーン本体21に締め付けられる。その結果、ウインドスクリーン20は、マイクロホン10に対する締付力や、マイクロホン10との間に生じる摩擦力(以下、まとめて「保持力」という。)により、マイクロホン10に固定される。また、前述のとおり、ツメ部224がマイクロホン本体11の押さえになるため、仮にウインドスクリーン本体21の経年劣化により保持力が低下しても、ウインドスクリーン20は、ツメ部224によりマイクロホン10から容易に外れにくくなる。すなわち、ウインドスクリーン20のマイクロホン10からの脱落は、防止される。
【0070】
●ウインドスクリーン20のマイクロホン10からの取り外し
【0071】
ウインドスクリーン20がマイクロホン本体11から取り外されるとき、使用者は、把持部221とコード12とを把持し、マイクロホン10をウインドスクリーン20の下方へ移動させる(引き抜く)。
【0072】
このとき、先ず、マイクロホン本体11の下端部は、定常位置に位置するツメ部224に当接する。次いで、マイクロホン本体11が挿入穴211hから抜き出される方向(下方)に引かれると、折曲部2241(ツメ部224)は、定常位置から下方に向けて(挿入穴211hとは反対側に向けて)折り曲げられる。
【0073】
マイクロホン本体11は、引き続き、挿入穴211hから抜き出される方向(下方)に引かれる。マイクロホン本体11が挿入穴211hから抜き出される方向(下方)に引かれている間、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11の外周面に当接した状態で、定常位置から下方に向けて(挿入穴211hとは反対側に向けて)折り曲げられている。
【0074】
マイクロホン本体11は、さらに挿入穴211hから抜き出される方向(下方)に引かれることにより、挿入穴211h、および、挿入孔223hより抜き出される。マイクロホン本体11が挿入孔223hより完全に抜き出されたとき(マイクロホン本体11がツメ部224を通り過ぎたとき)、ツメ部224は、自身が有する弾性力により、元の状態(定常位置)に戻る。すなわち、折曲部2241(ツメ部224)がマイクロホン本体11の外周面に当接した状態は、解除される。換言すれば、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11が挿入孔223hより抜き出された後、定常位置に復帰する。このとき、折曲部2241(ツメ部224)は、弾性力により、勢いをつけて定常位置に復帰する。その結果、使用者は、折曲部2241(ツメ部224)が定常位置に復帰した感覚(クリック感)を感じ取ることにより、ウインドスクリーン20のマイクロホン10からの取り外しが完了したことを把握できる。
【0075】
このように、ウインドスクリーン20がマイクロホン本体11から取り外されるとき、使用者は、把持部221とコード12とを把持する。すなわち、ウインドスクリーン20がマイクロホン本体11から取り外されるとき、ウインドスクリーン本体21は、引かれない。そのため、ウインドスクリーン本体21は、破れない(破断しない)。また、ウインドスクリーン20がマイクロホン本体11から取り外されるとき、折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン本体11の外周面に当接した状態で、挿入穴211hとは反対側に向けて折り曲げられる。そのため、使用者は、過度な力を入れずにウインドスクリーン20をマイクロホン本体11から取り外すことができる。
【0076】
●まとめ
以上説明した実施の形態によれば、ウインドスクリーン本体21に結合される着脱部材22は、挿入孔223hとツメ部224とを備える。ツメ部224は、マイクロホン10(マイクロホン本体11)が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入される前、折り曲げられていない定常位置に位置する。ツメ部224は、マイクロホン10(マイクロホン本体11)が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間、定常位置から上方に向けて(挿入穴211hに向けて)折り曲げられる。そのため、マイクロホン10はツメ部224(折曲部2241)を滑るように挿入穴211hに挿入され、ツメ部224はガイドのように機能する。その結果、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付けは、容易になる。また、ツメ部224は、マイクロホン本体11が挿入穴211hに完全に挿入された(収容された)とき(マイクロホン10が挿入穴211hに収容された後)、定常位置に復帰する。その結果、使用者は、折曲部2241(ツメ部224)が定常位置に復帰した感覚(クリック感)を感じ取ることにより、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付けが完了したことを把握できる。また、定常位置に復帰したツメ部224がマイクロホン本体11の下方に張り出すように配置されるため、マイクロホン本体11の押さえになる。その結果、仮にウインドスクリーン本体21の経年劣化により保持力が低下しても、ウインドスクリーン20は、ツメ部224によりマイクロホン10から容易に外れにくくなる。すなわち、スポーツの試合会場などにおけるウインドスクリーン20のマイクロホン10からの脱落は、防止される。
【0077】
また、以上説明した実施の形態によれば、ツメ部224は、マイクロホン10が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間、マイクロホン10の外周面に当接した状態で折り曲げられている。そのため、マイクロホン本体11は折曲部2241を滑るように挿入穴211hに挿入され、折曲部2241はガイドのように機能する。その結果、前述のとおり、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付けは、容易になる。
【0078】
さらに、以上説明した実施の形態によれば、ツメ部224は、マイクロホン10が挿入孔223hから抜き出されている間、挿入穴211hとは反対側に向けて折り曲げられる。ツメ部224は、マイクロホン10が挿入孔223hから抜き出された後、定常位置に復帰する。そのため、使用者は、折曲部2241(ツメ部224)が定常位置に復帰した感覚(クリック感)を感じ取ることにより、ウインドスクリーン20のマイクロホン10からの取り外しが完了したことを把握できる。また、マイクロホン10が挿入孔223hから抜き出されている間、マイクロホン10の外周面に当接する。そのため、使用者は、過度な力を入れずにウインドスクリーン20をマイクロホン本体11から取り外すことができる。
【0079】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、着脱部材22は把持部221を備え、ツメ部224は、把持部221の一端(下端)から内方に突出する。このため、前述のとおり、ウインドスクリーン20は、定常位置に復帰したツメ部224がマイクロホン本体11の下端よりも下方に位置するので、マイクロホン10より容易に外れにくくなる。すなわち、スポーツの試合会場などにおけるウインドスクリーン20のマイクロホン10からの脱落は、防止される。
【0080】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、ツメ部224は、マイクロホン10が挿入孔223hから挿入穴211hに向けて挿入されている間、挿入穴211hの開口端部を拡径する。このため、ウインドスクリーン20をマイクロホン10に取り付けるとき、使用者は、自らの手でウインドスクリーン本体21の開口(挿入穴211h)を拡げる必要がない。その結果、ウインドスクリーン20のマイクロホン10への取り付けは容易になり、ウインドスクリーン20をマイクロホン10に取り付ける作業性は、向上する。また、使用者が自らの手でウインドスクリーン20の開口を拡げることが無いので、ウインドスクリーン本体21が破断するリスクは、低減される。
【0081】
さらにまた、以上説明した実施の形態によれば、ツメ部224は、折曲部2241と連結部2242とを備える。連結部2242は、断面視でU字状であり、連結部2242の一端は把持部221に連結され、連結部2242の他端は挿入孔223hに向けて折り返されて、折曲部2241と連結する。連結部2242はU字状とすることで、折曲部2241が折り曲がるときにツメ部224に作用する応力が分散される。また、連結部2242はU字状とすることで、折曲部2241が折り曲がるときにツメ部224に作用する応力が分散される。また、連結部2242はU字状とすることで、いわゆるヘミング構造となり、ツメ部224の強度が高まる。さらに、連結部2242がU字状に形成されることにより、折曲部2241の連結部2242との連結位置は、上下方向において、連結部2242の下部(底部)よりも上方である。すなわち、着脱部材22(ツメ部材224)の下部において、連結部2242の下部(底部)から折曲部2241の位置までの間は、凹状の空間となる。そのため、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられるとき、その空間内に配置される折曲部2241は、マイクロホン本体11を挿入穴211hの中心に挿入させるための位置合わせの目安となる。
【0082】
なお、以上説明した実施の形態では、ウインドスクリーン20がマイクロホン10に取り付けられる構成であった。これに代えて、本発明に係るウインドスクリーンは、他のマイクロホンに取り付けられてもよい。すなわち、本発明に係るウインドスクリーンは、他の種類や形状のマイクロホンにも適用できる。
【0083】
図10は、本発明に係るウインドスクリーンに他のマイクロホンが挿入されている状態を示す断面図である。
同図は、ウインドスクリーン20がマイクロホン10Xに装着されている間(装着途中)の状態を示す。また、同図は、マイクロホン10Xを非断面で示し、ウインドスクリーン20を断面で示す。
【0084】
マイクロホン10Xの構成は、音響調整部材14Xを備える点を除き、先に説明した実施の形態におけるマイクロホン10の構成と同じである。すなわち、マイクロホン10Xは、マイクロホン本体11と、マイクロホンユニット(不図示)と、回路基板(不図示)と、コード12と、段部13と、音響調整部材14Xと、を備える。音響調整部材14Xを除き、マイクロホン10と共通する構成は、同じ符号が付され、その説明は省略される。
【0085】
音響調整部材14Xは、マイクロホン10Xの音響を調整する。音響調整部材14Xは、マイクロホン本体11の上部に取り付けられる。音響調整部材14Xの外径は、マイクロホン本体11の外径よりも大きい。
【0086】
このようなマイクロホン10Xにウインドスクリーン20を取り付ける場合であっても、ウインドスクリーン20の折曲部2241(ツメ部224)は、マイクロホン10Xの外径に合わせて、挿入穴211h側に折り曲げられる。すなわち、マイクロホン本体11が挿入穴211hに向けて押し込まれると、折曲部2241(ツメ部224)は、挿入穴211hに向けて折り曲げられる。折り曲げられた折曲部2241は、ウインドスクリーン本体21の開口端(挿入穴211hの開口端)を押し拡げる。つまり、ウインドスクリーン本体21の挿入穴211hの下端部部(開口端部)は、マイクロホン本体11Xの外径に合わせて拡径される。その結果、マイクロホン本体11Xの挿入穴211hへの挿入は、容易になる。
【0087】
このように、本発明に係るウインドスクリーンは、異なる形状のマイクロホンにも適用できる。つまり、マイクロホンの種類や大きさごとに、専用のウインドスクリーンを用意する必要が無くなる。その結果、本発明に係るウインドスクリーンは、ある形状のマイクロホンに使用された後に、別の形状のマイクロホンに再利用され得る。
【符号の説明】
【0088】
1 マイクロホン装置
10,10X マイクロホン
11 マイクロホン本体
12 コード
20 ウインドスクリーン
21 ウインドスクリーン本体
211h 挿入穴
22 着脱部材
221 把持部
222 係合ツメ
223h 挿入孔
224 ツメ部
2241 折曲部
2242 連結部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10