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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067035
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ベッド用ボード
(51)【国際特許分類】
   A47C 19/02 20060101AFI20230509BHJP
   A47C 21/00 20060101ALI20230509BHJP
   A47B 23/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
A47C19/02 A
A47C21/00
A47B23/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177962
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】599139442
【氏名又は名称】株式会社プラッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100114661
【弁理士】
【氏名又は名称】内野 美洋
(72)【発明者】
【氏名】和田 剣也
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053TB02
3B053TC11
(57)【要約】
【課題】ベッド用ボードに載置台を必要に応じて使用できるようにすること。
【解決手段】本発明では、ベッド(1)の頭側又は足側に設けられるベッド用ボード(ヘッドボード4)において、小物類を載置するための載置台(8)をボード本体(6)に開閉自在に設け、載置台(8)を閉じてボード本体(6)の収容凹部(7)に収容した収容姿勢と、載置台(8)を開いてボード本体(6)から張出させた使用姿勢とに姿勢変更可能とすることにした。また、前記載置台(8)をボード本体(6)にヒンジ機構(9)を介して取付け、ヒンジ機構(9)に載置台(8)を収容姿勢又は/及び使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段を設けることにした。さらに、前記載置台(8)の周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部(12)を形成し、膨出部(12)の内側に前記ヒンジ機構(9)を配設することにした。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベッドの頭側又は足側に設けられるベッド用ボードにおいて、
小物類を載置するための載置台をボード本体に開閉自在に設け、載置台を閉じてボード本体の収容凹部に収容した収容姿勢と、載置台を開いてボード本体から張出させた使用姿勢とに姿勢変更可能としたことを特徴とするベッド用ボード。
【請求項2】
前記載置台をボード本体にヒンジ機構を介して取付け、ヒンジ機構に載置台を収容姿勢又は/及び使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段を設けたことを特徴とする請求項1に記載のベッド用ボード。
【請求項3】
前記載置台の周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部を形成し、膨出部の内側に前記ヒンジ機構を配設したことを特徴とする請求項2に記載のベッド用ボード。
【請求項4】
前記ヒンジ機構は、ボード本体に設けられた固定ブラケットと載置台に設けられた可動ブラケットとを回転軸で回動自在に取付け、固定ブラケットに係入切欠を設けるとともに、係入切欠に係入する係入体を可動ブラケットに進退自在に設けて、載置台の使用姿勢において係入切欠に係入体が係入することで姿勢保持するための姿勢保持手段として機能することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のベッド用ボード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベッドの頭側又は足側に設けられるベッド用ボードに関するものである。
【背景技術】
【0002】
主に病院や介護施設や在宅介護・看護などで用いられるベッドには、安全性を考慮して、ベッドの頭側及び足側にベッド用ボード(ヘッドボード、フットボード)が設けられている。
【0003】
このベッド用ボードには、小物類を載置することができるように載置台を上端部に形成した宮付きボードもある(特許文献1参照。)。
【0004】
そして、従来においては、予めベッドに宮付きボードを装着して使用したり、必要に応じて既存のベッド用ボードに代えて宮付きボードを装着して使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3217939号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記従来の宮付きボードでは上端部に載置台を形成していたために、宮付きボードの厚みが厚くなってしまい、載置台を使用していない時であってもベッドの設置に要するスペースが増大してしまうおそれがあった。
【0007】
また、既存のベッド用ボードから宮付きボードに交換するためには、交換作業に要する時間や手間がかかってしまい、使い勝手が悪くなるおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そこで、請求項1に係る本発明では、ベッドの頭側又は足側に設けられるベッド用ボードにおいて、小物類を載置するための載置台をボード本体に開閉自在に設け、載置台を閉じてボード本体の収容凹部に収容した収容姿勢と、載置台を開いてボード本体から張出させた使用姿勢とに姿勢変更可能とすることにした。
【0009】
また、請求項2に係る本発明では、前記請求項1に係る本発明において、前記載置台をボード本体にヒンジ機構を介して取付け、ヒンジ機構に載置台を収容姿勢又は/及び使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段を設けることにした。
【0010】
また、請求項3に係る本発明では、前記請求項2に係る本発明において、前記載置台の周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部を形成し、膨出部の内側に前記ヒンジ機構を配設することにした。
【0011】
また、請求項4に係る本発明では、前記請求項2又は請求項3に係る本発明において、前記ヒンジ機構は、ボード本体に設けられた固定ブラケットと載置台に設けられた可動ブラケットとを回転軸で回動自在に取付け、固定ブラケットに係入切欠を設けるとともに、係入切欠に係入する係入体を可動ブラケットに進退自在に設けて、載置台の使用姿勢において係入切欠に係入体が係入することで姿勢保持するための姿勢保持手段として機能することにした。
【発明の効果】
【0012】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【0013】
すなわち、本発明では、ベッドの頭側又は足側に設けられるベッド用ボードにおいて、小物類を載置するための載置台をボード本体に開閉自在に設け、載置台を閉じてボード本体の収容凹部に収容した収容姿勢と、載置台を開いてボード本体から張出させた使用姿勢とに姿勢変更可能とすることにしているために、ベッド用ボードの厚みを増大させることなく、必要に応じて載置台を使用することができ、また、ベッドの周辺で載置台に人や物などが引っ掛からないようにすることができる。
【0014】
特に、前記載置台をボード本体にヒンジ機構を介して取付け、ヒンジ機構に載置台を収容姿勢又は/及び使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段を設けた場合には、不用意に載置台が開閉してしまうのを防止することができる。
【0015】
また、前記載置台の周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部を形成し、膨出部の内側に前記ヒンジ機構を配設することにした場合には、載置台から小物類が横滑りして落下してしまうのを防止することができるとともに、載置台を開閉自在に設けたベッド用ボードの厚みを抑制することができる。
【0016】
また、前記ヒンジ機構が、ボード本体に設けられた固定ブラケットと載置台に設けられた可動ブラケットとを回転軸で回動自在に取付け、固定ブラケットに係入切欠を設けるとともに、係入切欠に係入する係入体を可動ブラケットに進退自在に設けて、載置台の使用姿勢において係入切欠に係入体が係入することで姿勢保持するための姿勢保持手段として機能することにした場合には、載置台を使用姿勢のまま強固に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】ベッドを示す平面図(a)、背面図(b)、左側面図(c)。
図2】載置台(収容姿勢)を示す正面図。
図3】載置台(使用姿勢)を示す正面図。
図4】ヒンジ機構を示す側面断面図(ヒンジ機構の中央における断面図(a)、ヒンジ機構の側面における断面図(b)、載置台の中央における断面図(c))。
図5】ヒンジ機構の動作を示す側面断面説明図。
図6】載置台を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、本発明に係るベッド用ボードの具体的な構成について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1に示すように、ベッド1は、基台2の上部に受台3を取付けるとともに、基台2の後端部(受台3に横臥する横臥者の頭側)にベッド用ボード(ヘッドボード4)を取付け、基台2の前端部(受台3に横臥する横臥者の足側)にベッド用ボード(フットボード5)を取付けている。
【0020】
ヘッドボード4は、図1図4に示すように、矩形板状のボード本体6の後側(ベッド1の外側)上部中央にベッド1の外側から内側へ向けて凹状に収容凹部7を形成し、収容凹部7の上端部に小物類を載置するための載置台8を左右一対のヒンジ機構9,9を介して上下回動自在(開閉自在)に取付けている。なお、収容凹部7の内周と載置台8の外周との間には、載置台8の開閉に支障のない程度の隙間を設けている。また、収容凹部7の下端中央には、指を挿入するための指挿入凹部10が形成され、載置台8の先端(下端)中央には、指を掛けるための指掛け凹部11が形成されており、載置台8の開閉操作が容易となるようにしている。
【0021】
これにより、ヘッドボード4は、載置台8を使用していない時に載置台8を垂直状に閉じて収容凹部7に収容した収容姿勢と、載置台8を使用している時に載置台8を水平状に開いてボード本体6から前方(ベッド1の後方)に向けて張出させた使用姿勢とに、姿勢変更させることができるようにしている。
【0022】
載置台8は、上面周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部12を形成し、膨出部12の内側にヒンジ機構9,9を配設(収容)している。
【0023】
ヒンジ機構9は、ボード本体6の収容凹部7の前面に固定ブラケット13を固定する一方、載置台8の裏面(下面)に可動ブラケット14を取付け、固定ブラケット13の基端(上端)に可動ブラケット14の基端(上端)を回転軸15を介して回動自在に取付けている。なお、左右のヒンジ機構9,9の固定ブラケット13は、補強板16で連結されている。この補強板16によってボード本体6のたわみを軽減することができる。
【0024】
また、ヒンジ機構9は、可動ブラケット14の内側に操作レバー17を可動ブラケット14(載置台8)に沿って移動自在に設け、可動ブラケット14の中途部に折曲形成した保持片18と操作レバー17の中途部に穿孔形成した保持孔19との間にバネ20を設けて、バネ20の弾性力によって操作レバー17を回転軸15に向けて付勢している。なお、操作レバー17の下端には、指を掛けるための指掛け片21が傾斜状に折曲形成されている。
【0025】
このヒンジ機構9には、載置台8を収容姿勢や使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段が設けられている。
【0026】
すなわち、ヒンジ機構9は、固定ブラケット13の基端(上端)に直角状の上側係入切欠22と鈍角状の下側係入切欠23とを回動方向に向けて上下に間隔をあけて形成している。一方、ヒンジ機構9は、操作レバー17の先端(上端)に係入体24を取付けるとともに、可動ブラケット14に形成した長孔状の案内孔25に係入体24の左右両端部を挿通させて、操作レバー17(載置台8)を可動ブラケット14に沿って移動させることで、係入体24が案内孔25に従って固定ブラケット13に向けて進退移動するようにしている。これにより、ヒンジ機構9は、載置台8を回動させることによって、可動ブラケット14に設けられた操作レバー17の係入体24がバネ20の付勢力によって固定ブラケット13の上側係入切欠22又は下側係入切欠23に係入するようにして、載置台8を収容姿勢や使用姿勢で姿勢保持するようにしている。
【0027】
そして、ヒンジ機構9は、図5(a)に示すように、載置台8を収容凹部7に収容した収容姿勢において、可動ブラケット14に設けられた操作レバー17の係入体24がバネ20の付勢力によって固定ブラケット13の下側係入切欠23に係入し、不用意に載置台8が開閉しないように載置台8の収容姿勢を保持している。なお、姿勢保持手段としては、載置台8に凸部(又は凹部)を形成するとともに、収容凹部7に凹部(又は凸部)を形成して、収容姿勢において載置台8の凸部(又は凹部)と収容凹部7の凹部(又は凸部)とを嵌め合わせることで載置台8の収容姿勢を保持して不用意に載置台8が開いてしまうのを防ぐようにしてもよい。
【0028】
この収容姿勢から載置台8を前方に向けて回動操作すると、図5(b)に示すように、操作レバー17の係入体24がバネ20の付勢力に抗して固定ブラケット13の下側係入切欠23の傾斜面に沿って漸次後退し、その後、図5(c)に示すように、操作レバー17の係入体24が固定ブラケット13の下側係入切欠23から外れる。この状態では、載置台8の回動操作を停止すると、載置台8の重力で下方に向けて回動し、その後、バネ20の付勢力によって係入体24が下側係入切欠23の傾斜面に沿って漸次進出して、載置台8が収容姿勢に自動的に戻るようになっている。
【0029】
さらに載置台8を前方に向けて回動操作すると、図5(d)に示すように、操作レバー17の係入体24がバネ20の付勢力によって固定ブラケット13の上側係入切欠22に係入して、載置台8をボード本体6から前方に向けて張出させた使用姿勢を保持するようにしている。
【0030】
この使用姿勢において、指掛け片21を用いてバネ20の付勢力に抗して操作レバー17を後退させると、図5(e)に示すように、操作レバー17の係入体24と固定ブラケット13の上側係入切欠22との係入が解除され、載置台8を下方に向けて僅かに回動させるだけで、図5(c)、(b)、(a)の順で示すように、載置台8を収容姿勢にすることができる。なお、左右の操作レバー17を連結して左右のヒンジ機構9を同時に操作することができるようにしてもよい。
【0031】
なお、ボード本体6の上端部には、前方に向けて突出させた突出部26が形成され、突出部26の下側に後方に向けて陥没させた陥没部27が形成されており、収容姿勢において平面視でボード本体6の突出部26よりも載置台8の表面が前方側に張出さないようにするとともに、載置台8の上端と突出部26の内側との間には、載置台8の開閉に支障のない程度の隙間を設けて、収容姿勢と使用姿勢との姿勢変更時に載置台8の上端部が陥没部27の内側で円滑に回動するようにしている。
【0032】
本発明に係るベッド用ボード(ヘッドボード4)は、以上に説明したように構成しているが、載置台8をヘッドボード4の前面に設けた場合に限られず、ヘッドボード4の裏面やフットボード5の表面又は裏面に載置台8を設けてもよい。また、上記ベッド用ボード(ヘッドボード4)では、収容凹部7の上端部に載置台8をヒンジ機構9を介して開閉自在に取付けているが、これに限られず、図6(a)、(b)に示すように、収容凹部7の下端部に載置台8をヒンジ28を介して開閉自在に取付けてもよく、また、図6(c)、(d)に示すように、収容凹部7の上端部に載置台8を開閉自在に取付けるとともに、載置台8を下方から上下回動自在な支持体29で支持するようにしてもよく、さらに、図6(e)、(f)に示すように、載置台8を下方から左右開閉自在な支持体30で支持するようにしてもよい。
【0033】
以上に説明したように、上記ベッド用ボード(ヘッドボード4)は、小物類を載置するための載置台8をボード本体6に開閉自在に設け、載置台8を閉じてボード本体6の収容凹部7に収容した収容姿勢と、載置台8を開いてボード本体6から張出させた使用姿勢とに姿勢変更可能とした構成となっている。
【0034】
そのため、上記構成のベッド用ボード(ヘッドボード4)では、ベッド用ボード(ヘッドボード4)の厚みを増大させることなく、必要に応じて載置台8を使用することができ、また、ベッド1の周辺で載置台8に人や物などが引っ掛からないようにすることができる。
【0035】
また、上記ベッド用ボード(ヘッドボード4)は、載置台8をボード本体6にヒンジ機構9を介して取付け、ヒンジ機構9に載置台8を収容姿勢や使用姿勢で姿勢保持するための姿勢保持手段を設けた構成となっている。
【0036】
そのため、上記構成のベッド用ボード(ヘッドボード4)では、使用時(使用姿勢)や未使用時(収納姿勢)に不用意に載置台8が開閉してしまうのを防止することができる。
【0037】
また、上記ベッド用ボード(ヘッドボード4)は、載置台8の周縁に使用姿勢で上方に向けて膨出させた膨出部12を形成し、膨出部12の内側にヒンジ機構9を配設した構成となっている。
【0038】
そのため、上記構成のベッド用ボード(ヘッドボード4)では、載置台8から小物類が落下してしまうのを防止することができるとともに、載置台8を開閉自在に設けたベッド用ボード(ヘッドボード4)の厚みを抑制することができる。
【符号の説明】
【0039】
1 ベッド 2 基台
3 受台 4 ヘッドボード
5 フットボード 6 ボード本体
7 収容凹部 8 載置台
9 ヒンジ機構 10 指挿入凹部
11 指掛け凹部 12 膨出部
13 固定ブラケット 14 可動ブラケット
15 回転軸 16 補強板
17 操作レバー 18 保持片
19 保持孔 20 バネ
21 指掛け片 22 上側係入切欠
23 下側係入切欠 24 係入体
25 案内孔 26 突出部
27 陥没部 28 ヒンジ
29,30 支持体
図1
図2
図3
図4
図5
図6