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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067036
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】間仕切壁装置及び間仕切壁施工方法
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/72 20060101AFI20230509BHJP
   E04B 2/82 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
E04B2/72 H
E04B2/82 501Z
E04B2/82 511J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021177963
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002686
【氏名又は名称】協明国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】西村 幸司
(72)【発明者】
【氏名】松尾 幸義
(72)【発明者】
【氏名】宮山 一保
(57)【要約】
【課題】戸体が建て付けられる戸枠の側方に設置される間仕切パネルの選択自由度の向上が可能でありながらも、施工性を向上し得る間仕切壁装置及び間仕切壁施工方法を提供する。
【解決手段】壁幅方向一方側に戸枠7が設置される間仕切壁装置1であって、四周のフレーム12内に板状部材11が設けられ、下端が床4側に固定され、上端が天井3側に固定される間仕切パネル10と、壁厚方向に沿う寸法が前記間仕切パネルの縦フレーム15の壁厚方向に沿う寸法よりも大とされ、固着具9によって該間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームに沿うように固定される見切枠20と、を備えており、該見切枠の壁幅方向で前記間仕切パネルとは異なる側に前記戸枠の縦枠7bが固定される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁幅方向一方側に戸枠が設置される間仕切壁装置であって、
四周のフレーム内に板状部材が設けられ、下端が床側に固定され、上端が天井側に固定される間仕切パネルと、壁厚方向に沿う寸法が前記間仕切パネルの縦フレームの壁厚方向に沿う寸法よりも大とされ、固着具によって該間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームに沿うように固定される見切枠と、を備えており、該見切枠の壁幅方向で前記間仕切パネルとは異なる側に前記戸枠の縦枠が固定されることを特徴とする間仕切壁装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記見切枠は、前記間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームにおける前記板状部材よりも壁厚方向一方側部位を介して止着される固着具によって前記縦フレームに沿うように固定される構成とされ、前記壁幅方向一方側の縦フレームは、中空筒状とされ、パネル内周側の側壁部には、前記固着具の頭部が挿通される頭部挿通孔が設けられていることを特徴とする間仕切壁装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記間仕切パネルの壁幅方向他方側の縦フレームは、中空筒状とされ、パネル内周側の側壁部には、前記固着具の頭部が挿通される頭部挿通孔が設けられていることを特徴とする間仕切壁装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記縦フレーム及び前記見切枠における少なくとも露出する表面は、互いに同色同柄状の化粧面とされていることを特徴とする間仕切壁装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項において、
天井側に沿うように固定され、前記間仕切パネルの上フレームに設けられた凹部及び突部のうちの一方からなる嵌合部と互いに嵌め合わせられる被嵌合部が設けられた天井側ベースと、床側に沿うように固定され、前記間仕切パネルの下フレームに設けられた凹部に挿入される突部が設けられた床側ベースと、を備え、前記間仕切パネルは、前記上フレームの嵌合部と前記天井側ベースの被嵌合部とを嵌め合わせた状態で、前記下フレームの凹部に前記床側ベースの突部を受け入れさせてけんどん状に設置されることを特徴とする間仕切壁装置。
【請求項6】
四周のフレーム内に板状部材が設けられた間仕切パネルの下端を床側に固定し、該間仕切パネルの上端を天井側に固定して間仕切パネルを設置する工程と、
壁厚方向に沿う寸法が前記間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームの壁厚方向に沿う寸法よりも大とされた見切枠を固着具によって該縦フレームに沿わせて固定する工程と、
前記見切枠の壁幅方向で前記間仕切パネルとは異なる側に、戸体が建て付けられる戸枠の縦枠を沿わせて固定する工程と、
を備えていることを特徴とする間仕切壁施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間仕切壁装置及び間仕切壁施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、建物内の空間を間仕切るように設置される間仕切壁や戸装置が知られている。
例えば、下記特許文献1には、玄関ドアの左右に方立を介して袖パネルを設けた袖パネルの取付構造が開示されている。この取付構造では、上枠の凹溝に袖パネルの上端部を遊挿し、左右の縦枠と方立に固定枠を取り付けて袖パネルを取り付ける構造とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公平6-35098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載された取付構造では、玄関ドアユニットの上枠及び左右の縦枠からなる三方枠内に玄関ドア及び袖パネルが建て付けられる構成とされている。そのため、玄関ドアとその側方の袖パネルとを異なるデザインとしたい場合や、開口幅や間仕切壁の壁幅等に応じて袖パネルの幅寸法や枚数を異ならせる必要が生じた場合等には、更なる改善が望まれる。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、戸体が建て付けられる戸枠の側方に設置される間仕切パネルの選択自由度の向上が可能でありながらも、施工性を向上し得る間仕切壁装置及び間仕切壁施工方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る間仕切壁装置は、壁幅方向一方側に戸枠が設置される間仕切壁装置であって、四周のフレーム内に板状部材が設けられ、下端が床側に固定され、上端が天井側に固定される間仕切パネルと、壁厚方向に沿う寸法が前記間仕切パネルの縦フレームの壁厚方向に沿う寸法よりも大とされ、固着具によって該間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームに沿うように固定される見切枠と、を備えており、該見切枠の壁幅方向で前記間仕切パネルとは異なる側に前記戸枠の縦枠が固定されることを特徴とする。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明に係る間仕切壁施工方法は、四周のフレーム内に板状部材が設けられた間仕切パネルの下端を床側に固定し、該間仕切パネルの上端を天井側に固定して間仕切パネルを設置する工程と、壁厚方向に沿う寸法が前記間仕切パネルの壁幅方向一方側の縦フレームの壁厚方向に沿う寸法よりも大とされた見切枠を固着具によって該縦フレームに沿わせて固定する工程と、前記見切枠の壁幅方向で前記間仕切パネルとは異なる側に、戸体が建て付けられる戸枠の縦枠を沿わせて固定する工程と、を備えていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る間仕切壁装置及び間仕切壁施工方法は、上述のような構成としたことで、戸体が建て付けられる戸枠の側方に設置される間仕切パネルの選択自由度の向上が可能でありながらも、施工性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一実施形態に係る間仕切壁装置の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図2図1におけるX-X線矢視に対応させた一部破断概略横断面図である。
図3】(a)、(b)は、図1におけるY-Y線矢視に対応させた一部破断概略縦断面図である。
図4】(a)、(b)は、本発明の一実施形態に係る間仕切壁施工方法の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図5】同間仕切壁施工方法の一例を模式的に示し、図2に対応させた一部破断概略横断面図である。
図6】(a)、(b)は、同間仕切壁施工方法の一例を模式的に示す一部破断概略正面図である。
図7】(a)~(c)は、同間仕切壁装置の一変形例を模式的に示し、(a)は、左側面図、(b)は、正面図、(c)は、右側面図である。
図8】(a)~(c)は、同変形例を模式的に示し、(a)は、平面図、(b)は、底面図、(c)は、背面図である。
図9】(a)、(b)は、同変形例を模式的に示し、(a)は、斜視図、(b)は、参考斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
以下の実施形態では、本実施形態に係る間仕切壁装置の一例を設置した状態を基準として上下方向等の方向を説明する。
図1図6は、本実施形態に係る間仕切壁装置の一例及び本実施形態に係る間仕切壁施工方法の一例を模式的に示す図である。
【0011】
本実施形態に係る間仕切壁装置1は、図1及び図2に示すように、壁幅方向一方側に戸枠7が設置される。この間仕切壁装置1は、四周のフレーム(四周フレーム)12内に板状部材11が設けられ、下端が床4側に固定され、上端が天井3側に固定される間仕切パネル10を備えている。このような構成とすれば、四周フレーム12内に板状部材11が設けられた状態で間仕切パネル10の下端を床4側に固定し、間仕切パネル10の上端を天井3側に固定することができ、施工性を向上させることができる。
間仕切壁装置1は、壁厚方向に沿う寸法が間仕切パネル10の縦フレーム15の壁厚方向に沿う寸法よりも大とされ、固着具9によって間仕切パネル10の壁幅方向一方側の縦フレーム15に沿うように固定される見切枠20を備えている。この見切枠20の壁幅方向で間仕切パネル10とは異なる側に戸枠7の縦枠(戸先側縦枠)7bが固定される。
【0012】
上記のような構成とすれば、戸体8が建て付けられる戸枠7とは見切材20を介して言わば縁切りした状態で間仕切パネル10を設置することができ、戸枠7の側方に設置される間仕切パネル10の選択自由度を向上させることができる。また、戸枠7の戸先側縦枠7bの固定強度を見切枠20によって向上させることもできる。また、例えば、縦フレーム15に戸枠7の戸先側縦枠7bを直接的に沿わせて固定すれば、縦フレーム15の壁厚方向に沿う寸法が一般的な壁厚よりも小さいため、戸先側縦枠7bの裏面側の非化粧面が露出する懸念がある。上記構成によれば、見切枠20の壁厚方向に沿う寸法が間仕切パネル10の縦フレーム15の壁厚方向に沿う寸法よりも大とされているので、戸枠7の戸先側縦枠7bの裏面側の非化粧面を見切枠20によって覆うことができる。間仕切パネル10及び見切枠20の具体的構成の一例については後述する。
【0013】
この間仕切壁装置1と戸枠7とは、建物内に設けられた開口部2(図4(a)も参照)に設置される。図例では、開口部2内に、壁幅方向に複数枚(図例では、2枚)の間仕切パネル10,10と見切枠20と戸枠7とを設置した例を示している。間仕切壁装置1には、戸枠7及び戸体8が含まれていてもよい。
開口部2は、上側が天井3によって区画され、下側が床4によって区画され、間仕切パネル10が設置される側となる開口幅方向一方側が第1壁部5によって区画され、戸枠7が設置される側となる開口幅方向他方側が第2壁部6によって区画されていてもよい。天井3は、天井仕上面に限られず、天井下地面(枠下地面)でもよい。床4は、床仕上面に限られず、床下地面(枠下地面)でもよい。第1壁部5は、間仕切壁装置1の壁幅方向に直交状に配される壁体の壁面でもよく、また、この壁面は、壁仕上面でも壁下地面でもよい。第2壁部6は、壁厚方向中心が間仕切壁装置1の壁厚方向中心と一致する位置となるように間仕切壁装置1の壁幅方向戸枠7側に配される壁体の端面でもよく、また、この端面は、枠下地面でもよい。
【0014】
戸枠7は、天井3に沿うように天井3側の固定対象としての天井下地等の上枠下地に固定される上枠7aと、戸先側縦枠7bと、戸体8を回転自在(開閉自在)に保持する吊元側縦枠7cと、を備えている。戸先側縦枠7bには、戸体8に設けられたラッチを受けるラッチ受け等が設けられている。図例では、間仕切パネル10側が戸先側縦枠7bとなるように戸枠7を設置した例を示している。つまり、この戸先側縦枠7bは、見切枠20に沿うように固定される。このような構成とすれば、戸体8を回転自在に保持するために比較的に負荷が掛かる吊元側縦枠7cを、壁下地等の縦枠下地に安定的に固定することができる。
戸先側縦枠7bは、戸当たり部材が取り付けられる取付溝の溝底を介して見切枠20に止着されたねじ等の固着具9によって見切枠20に固定されてもよい。この場合、戸先側縦枠7bの長手方向に沿って間隔を空けた複数箇所を介して見切枠20に固着具9を止着するようにしてもよい。吊元側縦枠7cも概ね同様、取付溝の溝底を介して第2壁部6に止着された固着具9によって第2壁部6に沿うように固定されてもよい。
この戸枠7は、上枠7aの長手方向の各端部に戸先側縦枠7b及び吊元側縦枠7cを接合して三方枠状に組み付けられた状態で、天井3側の固定対象、見切枠20及び第2壁部6に固定されてもよい。戸体8は、図例では、戸幅方向両側の縦框部、これら縦框部の上端部間に設けられた上框部及びこれら縦框部の下端部間に設けられた下框部を有した四方框内に、板状部材11と同様な透光性を有した板状部材を設けた構成とされている。また、戸体8の戸先側端部に、レバー状のハンドルを設けた例を示している。この戸体8は、吊元側端部が蝶番を介して吊元側縦枠7cに上下方向に沿う軸回りに回転自在に連結される。戸体8としては、このような構成に限られず、その他、種々の構成とされていてもよい。
【0015】
見切枠20は、図2に示すように、間仕切パネル10の壁幅方向一方側の縦フレーム15における板状部材11よりも壁厚方向一方側部位を介して止着される固着具9によって縦フレーム15に沿うように固定される構成とされている。このような構成とすれば、間仕切パネル10を設置した後に、間仕切パネル10の縦フレーム15側から固着具9を止着して見切枠20を容易に固定することができる。壁幅方向一方側の縦フレーム15は、中空筒状とされ、パネル内周側の側壁部には、固着具9の頭部が挿通される頭部挿通孔15bが設けられている。このような構成とすれば、縦フレーム15のパネル内周側の側壁部の頭部挿通孔15bを介して固着具9を挿通して見切枠20に容易に止着することができる。また、頭部が縦フレーム15内に配置されることとなるので、固着具9を目立ち難くすることができる。
間仕切パネル10の壁幅方向他方側の縦フレーム15は、中空筒状とされ、パネル内周側の側壁部には、固着具9の頭部が挿通される頭部挿通孔15bが設けられている。つまり、壁幅方向両側の縦フレーム15,15のそれぞれに頭部挿通孔15b,15bが設けられている。このような構成とすれば、間仕切パネル10の壁幅方向両側のいずれ側にも見切枠20を容易に固定することができる。また、複数枚の間仕切パネル10を壁幅方向に連結する際には、いずれか一方の頭部挿通孔15bを隣接する間仕切パネル10の縦フレーム15に止着される固着具9の挿通孔として用いることもできる。
【0016】
具体的には、見切枠20は、図1に示すように、上下方向に長尺状とされている。この見切枠20の上下方向に沿う寸法は、戸枠7(戸先側縦枠7b)の上下方向に沿う寸法と略同寸法とされている。この見切枠20は、厚さ方向が壁幅方向となるように配される帯板状とされている。
見切枠20の厚さ寸法(見付寸法)は、固定される戸先側縦枠7bの固定強度を確保する観点や見栄え上の観点等から適宜の寸法としてもよく、例えば、10mm~30mm程度でもよく、20mm~30mm程度でもよい。図2に示すように、見切枠20の厚さ寸法は、戸先側縦枠7bの厚さ寸法(見付寸法)と略同寸法とされている。
見切枠20の壁厚方向に沿う幅寸法は、固定される戸先側縦枠7bの固定強度を確保する観点や見栄え上の観点等から適宜の寸法としてもよい。戸先側縦枠7b(戸枠7)は、見込方向中心が見切枠20の同方向中心に一致する位置となるように見切枠20に固定される。戸先側縦枠7bの見込方向両端部の見切枠20側に向く面、両側の見付面及び見込面は、突板や化粧フィルム等の貼着や、塗装等によって化粧面とされていてもよい。また、戸先側縦枠7bの見切枠20側に向く面は、その見込方向両端部の化粧面の間の部位が非化粧面とされていてもよい。この場合、見切枠20の幅寸法は、戸先側縦枠7bの見切枠20側に向く非化粧面の壁厚方向に沿う幅寸法以上でもよい。
【0017】
この見切枠20の幅寸法は、第2壁部6を構成する壁体の壁厚以上で、かつ戸先側縦枠7bの壁厚方向に沿う幅寸法(見込寸法)以下でもよい。この見切枠20の幅寸法は、限定されないが、例えば、80mm~180mm程度でもよい。図例では、見切枠20の幅寸法は、第2壁部6を構成する壁体の壁厚よりも大とされ、かつ戸先側縦枠7bの幅寸法よりも僅かに小とされた例を示している。このような態様に代えて、見切枠20の幅寸法は、戸先側縦枠7bの幅寸法と略同寸法とされていてもよい。
この見切枠20は、縦フレーム15側から止着される固着具9によって上下方向途中部位の複数箇所が間仕切パネル10に固定されてもよい。見切枠20は、その上端部が斜め状に天井3側の固定対象に止着される固着具によって天井3側に固定されてもよい。見切枠20は、その下端部が斜め状に床4側の固定対象としての床下地や床材等に止着される固着具9によって床4側に固定されてもよい(図5参照)。この見切枠20に固定される戸先側縦枠7bは、上記のような取付溝の溝底を介して止着される固着具9に代えて、または加えて、見切枠20の見込方向両端部のうちの一方または両方を介して戸先側縦枠7bに止着される固着具によって固定されてもよい。
【0018】
この見切枠20及び縦フレーム15における少なくとも露出する表面は、互いに同色同柄状の化粧面とされていてもよい。このような構成とすれば、見切枠20と間仕切パネル10の縦フレーム15とが一体化したような外観となり、見栄えを向上させることができる。ここに、同色同柄状とは、完全に同色同柄に限られず、それぞれが単一色状とされている場合であれば、視覚的に見分け難い程度に互いの色差が小さいようなものも含み、また、概ね同様の模様(パターン)や柄が同系色で施されているようなものも含んでもよい。このような態様に代えて、見切枠20の化粧面を、戸枠7の化粧面と同色同柄状としてもよい。
この見切枠20の化粧面は、設置された状態で少なくとも露出する表面に形成されていてもよい。この見切枠20は、合板等の木質系材料等から形成された芯材の表面に、表面が突板や樹脂フィルム等の化粧シートの貼着や、塗装等によって化粧面とされた表面材が巻き付けられるようにして貼着された構成とされていてもよい。このような表面材としては、MDF(中密度繊維板)等の木質系ボードから形成された表面基材の表面側に、上記化粧面を構成する化粧層が設けられ、裏面側に上記芯材の角部に応じた折曲溝が設けられた構成でもよい。
【0019】
複数枚の間仕切パネル10,10は、見切枠20側の第1パネル10Aと、第1壁部5側の第2パネル10Bと、を含んでいる。これら第1パネル10A及び第2パネル10Bは、図2に示すように、壁厚方向中心が見切枠20の同方向中心に一致する位置となるように設置される。これら第1パネル10Aと第2パネル10Bとは、互いに同様の構成であるので、以下では区別を要しない場合には、一方を例にとって間仕切パネル10として説明する。
間仕切パネル10の四周フレーム12は、図1に示すように、天井3側に固定される上フレーム13と、床4側に固定される下フレーム14と、壁幅方向両側の縦フレーム15,15と、を備えている。間仕切パネル10は、四周フレーム12内を上下に区画するように取り付けられた横フレーム16を備えている。図例では、間仕切パネル10は、複数本(図例では、4本)の横フレーム16を備えている。また、これら横フレーム16によって上下に区画された開口部のそれぞれに複数枚(図例では、5枚)の板状部材11を設けた例を示している。
【0020】
板状部材11は、アクリルやポリカーボネート等の合成樹脂系材料やガラス等の透光性材料から形成され、透光性を有した透光板とされている。つまり、この板状部材11は、採光部を構成する。この板状部材11は、例えば、2枚のガラス板を厚さ方向に接合した合わせガラスでもよい。この板状部材11は、略無色透明に限られず、有色透明や半透明でもよい。この板状部材11としては、例えば、透明材料に着色剤が添加されて有色透明とされていてもよく、樹脂フィルム等が積層されて有色透明とされていてもよい。この板状部材11としては、スモークガラス状やすりガラス状とされていてもよく、チェッカー状やモール状、アクア状、レイン状、かすみ状等の種々の模様が施された装飾透光板でもよく、その他、種々の構成とされていてもよい。この板状部材11は、2枚の透明(透光)パネル間に、和紙等のシート材を介在させた構成とされていてもよい。
【0021】
板状部材11としては、ハーフミラー状とされていてもよく、さらには、厚さ方向両側が鏡とされていてもよく、その他の不透光な板体でもよく、また、厚さ方向両面が略平坦面状とされた構成に限られず、凹凸が設けられていてもよい。図例では、5枚の板状部材11の上下方向に沿う寸法を、いずれも略同寸法とした例を示しているが、このような例に限られない。また、これら板状部材11のそれぞれを、各開口部に固定的に、つまり、固定窓(FIX窓)状に設けた例を示しているが、このような例に代えて、少なくともいずれか1枚が可動窓を構成してもよい。また、各開口部に薄板状の板状部材11を設けた例を示しているが、四周フレーム12の壁厚方向に沿う寸法と概ね同厚さとされたパネル体をいずれかの開口部に設けた構成としてもよい。
【0022】
四周フレーム12の内周面には、図2及び図3(a)に示すように、板状部材11の周端部11aを受け入れる受入溝13a,14a,15a,15aが設けられている。これら受入溝13a,14a,15a,15aにおけるの板状部材11の周端部11aを受け入れる部位には、板状部材11の周端部11aを保持するガスケット(グレイジングガスケット)17,17,17,17が嵌め込まれている。このようなガスケット17としては、断面略C字状とされたいわゆるグレイジングチャンネルや壁厚方向(板状部材11の厚さ方向)に分離されたグレイジングビードでもよい。図示を省略しているが、横フレーム16の上面及び下面にも同様なガスケット17が嵌め込まれた受入溝が設けられている。
【0023】
上フレーム13は、図3(a)に示すように、天井3側の固定対象に固着具9によって固定される。この上フレーム13は、壁幅方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。この上フレーム13の上下方向に沿う見付寸法及び壁厚方向に沿う見込寸法は、見栄え上や強度上の観点や、板状部材11を安定的に保持する観点、当該間仕切パネル10の固定性等の観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、上フレーム13は、その見付寸法よりも見込寸法が大とされた例を示している。
この上フレーム13の受入溝13aは、四周フレーム12の内周面を構成する下面において下方側に向けて開口するように設けられている。この受入溝13aは、上フレーム13の全長に亘って設けられている。この受入溝13aは、上フレーム13の見込方向略中央部に設けられている。図例では、この受入溝13aの溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位に、互いに対向する方向に向けて突出し、ガスケット17の抜け止めとなる抜止片部を設けた例を示している。
【0024】
この上フレーム13の受入溝13aの見込方向両側には、全長に亘って貫通するように中空部が設けられている。換言すれば、上フレーム13の受入溝13aの見込方向両側部位は、中空筒状とされている。
この上フレーム13には、固着具9の頭部が挿通される頭部挿通孔13bが設けられている。この頭部挿通孔13bは、上フレーム13の見込方向一方側の中空部の下方側を区画する下壁部を貫通するように設けられている。この頭部挿通孔13bは、固着具9の頭部の挿通が可能なように内径が頭部の外径よりも大とされている。この頭部挿通孔13bを覆うように取り付けられるキャップ部材18が設けられていてもよい(二点鎖線参照)。上フレーム13の見込方向一方側の中空部の上方側を区画する上壁部にも固着具9の軸部が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。図例では、上フレーム13の見込方向略中央部に、上面において上方側に向けて開口する凹溝が全長に亘って設けられた例を示している。
【0025】
下フレーム14は、床4側の固定対象に固着具9によって固定される。この下フレーム14は、壁幅方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。この下フレーム14は、上フレーム13と同寸同形状、つまり、同一部材とされている。この下フレーム14には、上記同様な受入溝14aや、固着具9の頭部が挿通される頭部挿通孔14bが設けられている。受入溝14aは、上記同様、四周フレーム12の内周面を構成する上面において上方側に向けて開口するように、かつ下フレーム14の全長に亘って設けられている。頭部挿通孔14bは、上記同様、下フレーム14の見込方向一方側の中空部の上方側を区画する上壁部を貫通するように設けられている。この頭部挿通孔14bを覆うように取り付けられるキャップ部材18が設けられていてもよい。この下フレーム14の見込方向一方側の中空部の下方側を区画する下壁部にも固着具9の軸部が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。この下フレーム14の見込方向略中央部には、上記同様、下面において下方側に向けて開口する凹部14cが全長に亘って設けられている。
【0026】
横フレーム16は、壁幅方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。この横フレーム16の見付寸法及び見込寸法は、見栄え上や強度上の観点や、板状部材11を安定的に保持する観点等から適宜の寸法としてもよい。横フレーム16の見付寸法及び見込寸法は、上フレーム13及び下フレーム14の見付寸法及び見込寸法と略同寸法とされていてもよい。この横フレーム16には、上下方向両側において開口するように、上記同様な受入溝が全長に亘って設けられている。これら受入溝は、上記同様、横フレーム16の見込方向略中央部に設けられている。これら受入溝の溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位には、上記同様、抜止片部が設けられている。このような横フレーム16を設けた構成に代えて、四周フレーム12内に1枚状に設けられた板状部材11の厚さ方向一方側または両側に貼着される横桟状部材が設けられていてもよく、更には、このような横フレーム16や横桟状部材を設けていない構成としてもよい。
【0027】
壁幅方向両側の縦フレーム15,15は、図1及び図2に示すように、上下方向に長尺状とされ、長手方向に見て概ね方形状とされている。これら両側の縦フレーム15,15は、互いに同寸同形状、つまり、同一部材とされている。これら両側の縦フレーム15,15は、長手方向に貫通するように中空部が設けられた中空筒状とされている。これら両側の縦フレーム15,15の壁幅方向に沿う見付寸法及び壁厚方向に沿う見込寸法は、上記同様、見栄え上や強度上の観点や、板状部材11を安定的に保持する観点等から適宜の寸法としてもよい。図例では、これら両側の縦フレーム15,15の見付寸法及び見込寸法は、上フレーム13及び下フレーム14の見付寸法及び見込寸法と略同寸法とされた例を示している。
これら両側の縦フレーム15,15の受入溝15a,15aは、上記と概ね同様、四周フレーム12の内周面を構成する互いに向き合う対向側面において対向方向となるパネル幅方向中心側に向けて開口するように、かつこれらの全長に亘って設けられている。これら受入溝15a,15aは、上記同様、各縦フレーム15,15の見込方向略中央部に設けられている。これら受入溝15a,15aの溝幅方向両側を区画する両側の溝壁面の開口側部位には、上記同様、抜止片部が設けられている。
【0028】
これら縦フレーム15,15の頭部挿通孔15b,15bは、これらの対向側面を構成する内周壁部を貫通するように設けられている。一方側の縦フレーム15の頭部挿通孔15bと他方側の縦フレーム15の頭部挿通孔15bとは、見込方向で異なる側に設けられている。つまり、一方側の縦フレーム15の頭部挿通孔15bは、板状部材11よりも見込方向一方側に設けられ、他方側の縦フレーム15の頭部挿通孔15bは、板状部材11よりも見込方向他方側に設けられている。これら頭部挿通孔15b,15bは、上記同様、固着具9の頭部の挿通が可能なように内径が頭部の外径よりも大とされている。これら頭部挿通孔15b,15bを覆うように取り付けられるキャップ部材18,18が設けられている。縦フレーム15,15の反対向面を構成する外周壁部を貫通するように、かつ頭部挿通孔15b,15bと同軸状となるように、固着具9の軸部が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。
【0029】
隣り合う間仕切パネル10,10の縦フレーム15,15同士は、これら縦フレーム15,15のうちの一方側の縦フレーム15の頭部挿通孔15bを介して挿通された固着具9を他方側の縦フレーム15に止着して接合されてもよい。他方側の縦フレーム15の止着部には、適宜のナット部材や雌ねじ孔、下穴等が設けられていてもよい。図例では、第1パネル10Aの接合側の縦フレーム15の見込方向一方側の頭部挿通孔15bを介して挿通された固着具9を、第2パネル10Bの接合側の縦フレーム15の見込方向一方側の止着部に止着した例を示している。また、第2パネル10Bの接合側の縦フレーム15の見込方向他方側の頭部挿通孔15bを介して挿通された固着具9を、第1パネル10Aの接合側の縦フレーム15の見込方向他方側の止着部に止着した例を示している。
また、第1パネル10Aの見切枠20側の縦フレーム15の見込方向他方側の頭部挿通孔15bを介して挿通された固着具9を、見切枠20に止着した例を示している。
【0030】
これら縦フレーム15,15のパネル幅方向外側に向く面には、シール材(パッキン)19を収容可能なシール受溝15c,15cがパネル幅方向外側に向けて開口するように、かつこれらの全長に亘って設けられている。図例では、縦フレーム15,15のパネル幅方向外側に向く面の見込方向両側にシール受溝15c,15cが設けられた例を示している。図例では、第1壁部5に当接される第2パネル10Bの第1壁部5側の縦フレーム15のシール受溝15c,15cに、当接対象に対して弾性変形を伴い接触するシール材19,19を設けた例を示している。また、見切枠20に当接される第1パネル10Aの見切枠20側の縦フレーム15の見込方向一方側のシール受溝15cに、当接対象に対して弾性変形を伴い接触するシール材19を設けた例を示している。
【0031】
これら縦フレーム15,15と上フレーム13及び下フレーム14とは、いわゆる縦勝ち状に接合されている。つまり、これら縦フレーム15,15と上フレーム13及び下フレーム14とは、上フレーム13及び下フレーム14の長手方向の各端面が縦フレーム15,15の上下端部の対向側面に突き合わせられて接合されている。横フレーム16は、その長手方向の各端面が縦フレーム15,15の上下方向途中部位の対向側面に突き合わせられて各縦フレーム15,15に接合されている。
縦フレーム15,15と上フレーム13、下フレーム14及び横フレーム16とは、上フレーム13、下フレーム14及び横フレーム16に設けられた止着部に、縦フレーム15,15のパネル幅方向外側から止着された固着具によって接合されていてもよい。この場合、縦フレーム15,15の適所に、固着具が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。縦フレーム15,15と上フレーム13、下フレーム14及び横フレーム16との接合は、このような態様に限られず、適宜の接合金具等を介して接合されていてもよく、その他、種々の態様によって接合されていてもよい。
【0032】
上記した四周フレーム12を構成する上フレーム13、下フレーム14及び縦フレーム15,15並びに横フレーム16は、金属系材料や合成樹脂系材料から形成され、全長に亘って略一様な断面形状とされた押出成形品でもよい。金属系材料としては、アルミニウムやステンレス等が挙げられる。合成樹脂系材料としては、塩化ビニル樹脂や、その他、種々の樹脂の採用が可能であり、また、ガラス繊維や炭素繊維等の強化繊維を含んだいわゆる繊維強化樹脂でもよい。
これら上フレーム13、下フレーム14及び縦フレーム15,15並びに横フレーム16の表面は、塗装や化粧シートの貼着等によって適宜の表面化粧処理が施された化粧面でもよい。例えば、これら上フレーム13、下フレーム14及び縦フレーム15,15並びに横フレーム16の表面は、アイアン調の黒色系やマット調の白色系の表面仕上処理が施されていてもよい。
【0033】
間仕切壁装置1は、図3に示すように、天井3側に沿うように固定され、間仕切パネル10の上フレーム13に設けられた凹部及び突部のうちの一方からなる嵌合部13cと互いに嵌め合わせられる被嵌合部21cが設けられた天井側ベース21を備えている。間仕切壁装置1は、床4側に沿うように固定され、間仕切パネル10の下フレーム14に設けられた凹部14cに挿入される突部が設けられた床側ベース22を備えている。間仕切パネル10は、上フレーム13の嵌合部13cと天井側ベース21の被嵌合部21cとを嵌め合わせた状態で、下フレーム14の凹部14cに床側ベース22の突部を受け入れさせてけんどん状に設置される。このような構成とすれば、間仕切パネル10を天井側ベース21及び床側ベース22によって仮保持させることができ、間仕切パネル10を容易に設置することができる。
【0034】
天井側ベース21は、壁幅方向に長尺状とされている。この天井側ベース21の被嵌合部21cは、間仕切パネル10の上端部を構成する上フレーム13の嵌合部13cとしての上フレーム13自体の上側部位を受け入れる凹所とされている。天井側ベース21の被嵌合部21cは、天井3に沿うように配される固定片部21aと、この固定片部21aの壁厚方向両端部から垂れ下がるように設けられた保持片部21b,21bと、によって区画され、下向きに開口する溝状とされている。これら保持片部21b,21b間に、間仕切パネル10の上端部(上フレーム13)の嵌合部13cが差し込まれて仮保持される。この天井側ベース21は、固定片部21aを貫通して固定対象に止着される固着具9によって固定対象に固定されてもよい。この天井側ベース21には、固着具9が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。この天井側ベース21の長さ寸法は、複数枚の間仕切パネル10,10の幅寸法を足し合わせた寸法に応じた寸法とされていてもよい。被嵌合部21cの上下方向に沿う深さ寸法は、当該被嵌合部21cに、間仕切パネル10の嵌合部13cを受け入れた状態で、間仕切パネル10の下フレーム14の凹部14cに床側ベース22の突部の挿入が可能なように適宜の寸法とすればよい。
【0035】
床側ベース22は、壁幅方向に長尺状とされ、間仕切パネル10の下端部(下フレーム14)に設けられた凹部14cに挿入される突部を構成する。この床側ベース22は、厚さ方向が上下方向となるように、かつ床4に沿うように配される帯板状とされている。この床側ベース22は、当該床側ベース22を貫通して固定対象に止着される固着具9によって固定対象に固定されてもよい。この床側ベース22には、固着具9が挿通される挿通孔が設けられていてもよい。この床側ベース22の長さ寸法は、各間仕切パネル10の凹部14cの溝長さ寸法よりも小とされていてもよい。この床側ベース22の長さ寸法は、けんどん状に設置する際に必要となる間仕切パネル10と隣接対象との間の手指差込スペースを加味して適宜の寸法としてもよい。この床側ベース22の長さ寸法は、上記した縦フレーム15の下端にも凹部が設けられている場合には、複数枚の間仕切パネル10,10の幅寸法を足し合わせた寸法に応じた寸法とされていてもよい。
上記した凹部14cの溝幅寸法及び溝深さ寸法は、床側ベース22の受け入れが可能なように適宜の寸法とされている。天井側ベース21及び床側ベース22は、適宜の金属系材料や合成樹脂系材料から形成されていてもよい。天井側ベース21の表面は、四周フレーム12(上フレーム13)と同色同柄状の表面化粧処理が施された化粧面でもよい。これら天井側ベース21及び床側ベース22の形状は、図例のような形状に限られず、適宜、変形が可能である。
【0036】
本実施形態に係る間仕切壁施工方法は、間仕切パネル10の下端を床4側に固定し、間仕切パネル10の上端を天井3側に固定して間仕切パネル10を設置するパネル設置工程を備えている。このパネル設置工程に先立って、図4(a)に示すように、天井3側に上記した天井側ベース21を固定し、床4側に床側ベース22を固定するようにしてもよい。そして、例えば、第1壁部5側の第2パネル10Bを、天井側ベース21及び床側ベース22に対して仮保持させ、次いで、第2壁部6側の第1パネル10Aを、天井側ベース21及び床側ベース22に対して仮保持させる(図3(b)参照)。そして、これら第1パネル10A及び第2パネル10Bの上フレーム13,13を固着具9によって天井3側に固定し、これら第1パネル10A及び第2パネル10Bの下フレーム14,14を固着具9によって床4側に固定してもよい(図3(a)参照)。また、第1パネル10Aの第2パネル10B側の縦フレーム15と第2パネル10Bの第1パネル10A側の縦フレーム15とを、固着具9によって接合するようにしてもよい(図5参照)。
【0037】
同間仕切壁施工方法は、図5に示すように、見切枠20を固着具9によって見切枠20側の間仕切パネル10の縦フレーム15に沿わせて固定する見切設置工程を備えている。この見切設置工程においては、縦フレーム15の頭部挿通孔15bを介して縦フレーム15側から見切枠20に固着具9を止着して間仕切パネル10に見切枠20を固定するようにしてもよい。また、見切枠20の上端部及び下端部を、固着具9によって天井3側及び床4側の固定対象に固定するようにしてもよい。この状態では、図6(a)に示すように、上側が天井3によって区画され、下側が床4によって区画され、開口幅方向両側が第2壁部6及び見切枠20によって区画された戸枠取付開口が形成される。
同間仕切壁施工方法は、図6(b)に示すように、見切枠20の壁幅方向で間仕切パネル10とは異なる側に、戸体8が建て付けられる戸枠7の戸先側縦枠7bを沿わせて固定する戸枠設置工程を備えている。この戸枠設置工程においては、上枠7aの両端に戸先側縦枠7b及び吊元側縦枠7cを接合して三方枠状に組み付けた状態で、戸枠取付開口に戸枠7を設置するようにしてもよい。そして、図1に示すように、戸体8を戸枠7に建て付けるようにしてもよい。
間仕切壁装置1の施工手順としては、上記したような構成に限られず、その他、種々の構成の採用が可能である。
【0038】
次に、間仕切壁装置1の一変形例としての物品名「建物用間仕切り」について、図7図9の外観意匠図を参照して説明する。図7図9では、参照符号を割愛しているが、以下では、上記した部材と同様の部材及び上記した部材に対応する部材については、図1図6に付した符号を付して説明する。
図7(a)~(c)、図8(a)~(c)及び図9(a)では、戸枠7側の間仕切パネル10(第1パネル10A)の最上段の透光部(板状部材11)以外の部分、戸枠7及び戸体8の外郭を実線で示している。また、図7(a)~(c)、図8(a)~(c)及び図9(a)では、戸体8の四方框と板状部材との境界線、ハンドル、蝶番、戸枠7側の間仕切パネル10(第1パネル10A)の最上段の透光部(板状部材11)、第1壁部5側の間仕切パネル10(第2パネル10B)を破線で示している。なお、上記した実線部分のうちのいずれかの部分を破線としたり、上記した破線部分のうちのいずれかの部分または全てを実線としたりしてもよい。
また、図9(b)では、透光部(透明部)を、ハッチングにて示している。
【0039】
本変形例においても戸体8は、四方框内に透光性を有した板状部材を設けた例を示しているが、このような例に限られず、どのようなデザイン、材質とされていてもよい。また、戸体8のハンドルも同様、レバー状とされた構成に限られず、ノブ状やプッシュプルハンドル、その他、種々の構成とされていてもよい。また、戸体8を吊元側縦枠7cに連結する蝶番についても図例のような羽根蝶番状とされた構成に限られず、隠し蝶番やスライド蝶番等、どのような構成とされていてもよい。
本変形例においては、間仕切パネル10は、最上段の透光部(板状部材11)が可動窓とされている。図例では、可動窓として、上端側がパネル幅方向に沿う軸回りに回転自在に連結され、下端側に操作部が設けられた突き出し窓を例示しているが、このような例に限られない。
また、本変形例においては、間仕切パネル10は、上記した例の下2段の透光部(板状部材11)に代えて、不透光な1枚(1段)のパネル体が組み込まれた例を示している。
【0040】
上記した各例では、間仕切パネル10の上端側を保持する天井側ベース21と間仕切パネル10の下端側を保持する床側ベース22とを設けた例を示しているが、これらのうちの一方または両方を設けていない構成としてもよい。
上記した各例では、戸枠7の戸先側縦枠7bが見切枠20に固定される例を示しているが、吊元側縦枠7cが見切枠20に固定される構成としてもよい。また、戸枠7としては、開き戸を構成する戸体8が建て付けられる例に限られず、折戸や引戸等の戸枠7であってもよい。
上記した各例では、複数枚の間仕切パネル10,10を備えた間仕切壁装置1を例示しているが、1枚のみの間仕切パネル10を備えた間仕切壁装置1であってもよい。本実施形態に係る間仕切壁装置1の各部材及び各部の構成は、上記したような構成に限られず、その他、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0041】
1 間仕切壁装置
10 間仕切パネル
10A 第1パネル(間仕切パネル)
11 板状部材
12 四周フレーム(四周のフレーム)
13 上フレーム
13c 嵌合部
14 下フレーム
14c 凹部
15 縦フレーム
15b 頭部挿通孔
20 見切枠
21 天井側ベース
21c 被嵌合部
22 床側ベース
3 天井
4 床
7 戸枠
7b 戸先側縦枠(縦枠)
8 戸体
9 固着具
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9