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特開2023-67069情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067069
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】情報提供装置、情報提供方法及び情報提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20120101AFI20230509BHJP
   G06Q 30/0251 20230101ALI20230509BHJP
【FI】
G06Q50/00 300
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178032
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000958
【氏名又は名称】弁理士法人インテクト国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100120189
【弁理士】
【氏名又は名称】奥 和幸
(72)【発明者】
【氏名】松林 佑介
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC12
(57)【要約】
【課題】SNS等のインターネット上のサービスにおいて、場所以外の事項についてユーザの嗜好と合致する情報を提供する提供者を当該ユーザがフォロー可能とする情報提供装置等を提供すること。
【解決手段】所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶しておき、ユーザの指示に基づいて特定された識別情報を取得したら、識別情報と対応付けて記憶されているアクセス情報をユーザの端末装置に送信する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、
ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、
前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記識別情報取得手段は、前記ユーザが指定した前記所有物に取り付けられた前記標識を撮影して得られた画像に基づいて特定された前記識別情報を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項3】
請求項1に記載の情報提供装置であって、
前記識別情報取得手段は、前記標識に示された前記識別情報を前記ユーザが読み上げた音声に基づいて特定された前記識別番号を取得することを特徴とする情報提供装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記記憶手段は、前記識別情報と対応付けて前記所有物に関する所有物情報を記憶し、
前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報に対応する前記所有物情報を前記ユーザに提示させる提示手段を、
更に備えることを特徴とする情報提供装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記識別情報取得手段が取得する前記識別情報は、
前記ユーザが行った、当該ユーザが過去に見た前記所有物に取り付けられた前記標識に基づいて前記識別情報を特定するための指示と、
過去に前記ユーザの周囲を撮影して得られた画像と、
に基づいて特定された前記識別情報であることを特徴とする情報提供装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記所有物は車両であることを特徴とする情報提供装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れか一項に記載の情報提供装置であって、
前記インターネット上のサービスはSNSであることを特徴とする情報提供装置。
【請求項8】
所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備える情報提供装置による情報提供方法であって、
ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得工程と、
前記識別情報取得工程により取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信工程と、
を含むことを特徴とする情報提供方法。
【請求項9】
所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置におけるコンピュータを、
ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得手段、
前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする情報提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、SNS(Social Networking Service)等のインターネット上のサービスを利用するユーザに、自分の嗜好と合致する情報を投稿する投稿者を登録(フォロー)可能とさせる情報提供装置等の技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
高速データ通信網の発達やスマートフォンの普及に伴い、手軽に情報を投稿したり、他者が投稿した情報を取得したりすることが可能なSNSが利用されている。SNSでは、ユーザが自分の嗜好に合う特定の投稿者を登録(いわゆる「フォロー」)することにより、当該特定の投稿者が投稿した情報を容易に取得しやすくなったり、非公開の情報を閲覧できるようになったりする。また、従来では自分の嗜好に合致するフォロー対象者を探す場合、検索機能等を利用するのが一般的であった。
【0003】
そうした中、特許文献1には、端末装置が現在位置に近い場所について投稿された投稿情報をユーザに提示し、ユーザがその場所を目的地として設定した場合に、当該投稿情報を投稿した投稿者がユーザの嗜好に合致すると推定し、当該投稿者をフォローすることを決定する、という発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-135026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の発明では、場所についてユーザの嗜好と合致する投稿者をフォローすることができるが、当該投稿者が場所以外の事項についてまでユーザの嗜好と合致する投稿情報を投稿してくれるかは未知数である。
【0006】
そこで、本発明は、こうした問題の一例に鑑み、SNS等のインターネット上のサービスにおいて、場所以外の事項についてユーザの嗜好と合致する情報を提供する提供者を当該ユーザがフォロー可能とする情報提供装置等を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段と、ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得手段と、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項8に記載の発明は、所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備える情報提供装置による情報提供方法であって、ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得工程と、前記識別情報取得工程により取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信工程と、を含むことを特徴とする。
【0009】
請求項9に記載の発明は、所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける前記所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する記憶手段を備える情報処理装置におけるコンピュータを、ユーザの指示に基づいて特定された前記識別情報を取得する識別情報取得手段、前記識別情報取得手段が取得した前記識別情報と対応付けて記憶されている前記アクセス情報を、前記ユーザの端末装置に送信する送信手段、として機能させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態における情報提供装置100の構成例を示すブロック図である。
図2】実施例における情報提供システムSの概要を示す概要図である。
図3】実施例における車載器200の構成例を示すブロック図である。
図4】実施例における情報提供サーバ300の構成例を示すブロック図である。
図5】実施例における提供情報テーブル321の構成例を示す図である。
図6】実施例におけるユーザ情報テーブル322の構成例を示す図である。
図7】実施例におけるスマートフォン400の構成例を示すブロック図である。
図8】実施例における情報提供システムSによる情報提供処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本願発明を実施するための形態について、図1を用いて説明する。
【0012】
図1に示すように、情報提供装置100は、記憶手段101、識別情報取得手段102、送信手段103を備える。
【0013】
記憶手段101は、所有物に取り付けられた標識が示す識別情報と、インターネット上のサービスにおける所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報とを対応付けて記憶する。
【0014】
識別情報取得手段102は、ユーザの指示に基づいて特定された識別情報を取得する。
【0015】
送信手段103は、識別情報取得手段102が取得した識別情報と対応付けて記憶されているアクセス情報を、ユーザの端末装置に送信する。
【0016】
情報提供装置100によれば、ユーザは自分の嗜好に合致する所有物を見かけた際に、当該所有物に取り付けられた標識が示す識別情報を特定するための指示をすることにより、インターネット上のサービスにおける当該所有物の所有者にアクセスするためのアクセス情報を端末装置により受信することができる。よって、ユーザは、SNS等のインターネット上のサービスにおいて、ユーザの嗜好と合致する所有物を所有する所有者、すなわち、ユーザの嗜好と合致する情報を提供する可能性の高い情報提供者をフォローすることができる。
【実施例0017】
[1.情報提供システムSの概要]
図2を用いて、本実施例における情報提供システムSの概要について説明する。情報提供システムSは、車載器200、情報提供サーバ300及びスマートフォン400を含んで構成され、それぞれは情報通信ネットワークNWを介して通信可能となっている。情報通信ネットワークNWは、例えば、移動体通信網、有線/無線LAN等により構成される。なお、スマートフォン400の代わりに情報通信可能なPC(personal computer)を採用することとしてもよい。
【0018】
投稿者152は、スマートフォン153を用いて所定のSNS(本実施例では「サービスA」とする)に投稿情報(テキスト、画像、動画等)を投稿する投稿者であり、車両151を所有する。車両151には自動車登録番号(「ナンバー」)が記載された自動車登録番号票(「ナンバープレート」)154及び二次元コード155が取り付けられている。二次元コード155は、情報提供システムSを利用する投稿者を識別するための投稿者IDを二次元コード化したものである。投稿者152は情報提供システムSの管理者(図示しない)から提供された二次元コード155を車両151の見えやすい位置に取り付けることとする。但し、投稿者152はナンバープレート154に記載されたナンバーを予め情報提供システムSに登録することにより二次元コード155を車両151に取り付けなくても良い。その場合、投稿者152は情報提供システムSに登録していることを示すステッカー等を車両151に取り付け、情報提供システムSを介して自分がフォローされることを望んでいることを外部に示すことが好ましい。
【0019】
一方、ユーザ162が搭乗する車両161には、車載器200及び車外撮影用カメラ219が搭載されている。車載器200は、ユーザ162による指示に基づいて、車両161以外である車両(本実施例では車両151)に取り付けられたナンバープレート154のナンバー又は二次元コード155の示す投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定する。
【0020】
例えば、車載器200は、ユーザ162による「一台前の車(本実施例では車両151とする)をフォローして」との発話による指示に基づいて、一台前の車である車両151のナンバープレート154又は二次元コード155の少なくとも何れか一方が写るように車外撮影用カメラ219に撮影をさせる。そして、車載器200は、撮影して得られた画像を解析することにより、ナンバープレート154が示すナンバー、又は、二次元コード155をデコードして得られる投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定する。
【0021】
車載器200は、ユーザ162の指示に基づいて特定したナンバープレート154のナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方を含むリクエストデータを情報提供サーバ300に送信する。
【0022】
情報提供サーバ300は、後述する情報提供テーブル321を参照して、リクエストデータに基づいて、サービスAにおける、ナンバープレート154のナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方により識別される投稿者152にアクセスするためのアクセス情報を取得し、取得したアクセス情報をユーザ162の使用するスマートフォン400に送信する。
【0023】
これにより、ユーザ162は、スマートフォン400にインストールされているブラウザ又はサービスAの専用アプリケーションを利用して、情報提供サーバ300から受信したアクセス情報に基づいて、サービスAにおける投稿者152にアクセスすることができ、延いては、投稿者152をサービスAにおいて登録(フォロー)することもできる。
【0024】
[2.車載器200の構成]
図3は、車載器200の構成例を示すブロック図である。
【0025】
車載器200は、制御部211と、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等からなる記憶部212と、通信部213と、表示ユニット214と、タッチパネル215と、車内マイク216と、スピーカー217と、車内撮影用カメラ218と、車外撮影用カメラ219を備えて構成されている。
【0026】
制御部211は、制御部211全体を制御するCPU211aと、制御部211を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM211bと、各種データを一時的に格納するRAM211cと、により構成されている。制御部211又はCPU211aは、「コンピュータ」に対応する。
【0027】
記憶部212は、OS(Operating System)、アプリケーションプログラム等の各種プログラムや、各種プログラムで利用されるデータや情報を記憶する。また、記憶部212は、車内マイク216に入力されたユーザ162の音声を解析し、発話内容を解釈して対応するプログラムを記憶している。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしてもよい。
【0028】
通信部213は、無線通信デバイス等を有し、情報提供サーバ300等の端末装置と通信してデータを相互に送受信する。
【0029】
表示ユニット214は、グラフィックスコントローラ214aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ214bを備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ214aは、制御部211から送られる制御情報に基づいて、表示ユニット214及びタッチパネル215の制御を行う。また、バッファメモリ214bは、それぞれのタッチパネル215に即時表示可能な画像データを一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ214aから出力される画像データに基づいて、タッチパネル215に画像が表示される。
【0030】
タッチパネル215は、表示ユニット214から受信した画像データに基づいて画像を表示させる。また、タッチパネル215は、操作者のタッチ操作を検出し、タッチされた位置等を示すタッチ操作データを制御部211に送信する。制御部211はタッチ操作データに基づいて何れの操作がなされたかを判別し、操作内容に応じて処理を行う。
【0031】
車内マイク216は、車両内に設けられており、車両内のユーザ162の音声を電気信号に変換して制御部211に出力する。
【0032】
スピーカー217は、車両内に設けられており、制御部211の制御のもと、音声を出力する。
【0033】
車内撮影用カメラ218は、車両内に設けられており、ユーザ162や車内の様子を撮影した画像を制御部211に出力する。
【0034】
車外撮影用カメラ219は、車両内又は車両の外に設けられており、車両の外の風景や車両を撮影した画像を制御部211に出力する。なお、車外撮影用カメラ219は、車両の外の全方位を撮影可能な構成とすることが好ましく、例えば、複数台のカメラで構成することとしてもよい。
【0035】
[3.情報提供サーバ300の構成]
図4は、情報提供サーバ300の構成例を示すブロック図である。
【0036】
情報提供サーバ300は、制御部311と、HDDやSSD等からなる記憶部312と、通信部313と、を備えて構成されている。
【0037】
制御部311は、制御部311全体を制御するCPU311aと、制御部311を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM311bと、各種データを一時的に格納するRAM311cと、により構成されている。制御部311又はCPU311aは、「コンピュータ」に対応する。
【0038】
記憶部312は、OS、アプリケーションプログラム等の各種プログラムや、各種プログラムで利用されるデータや情報を記憶する。また、記憶部312は、提供情報テーブル321及びユーザ情報テーブル322を記憶している。
【0039】
図5は、提供情報テーブル321の構成例を示す図である。提供情報テーブル321は、投稿者ID、ナンバープレートのナンバー、SNSアクセス情報を含んで構成されている。
【0040】
投稿者IDとナンバープレートのナンバーは、投稿者を識別するための識別情報である。投稿者が情報提供サービスSに登録申請を行うことにより、情報提供テーブル321に投稿者ID又はナンバーの少なくとも何れか一方が登録される。つまり、投稿者がナンバーの登録を希望しない場合には、情報提供サーバ300は投稿者IDを発行して情報提供テーブル321に投稿者IDのみを登録する。一方、投稿者がナンバーのみの登録を希望する場合には、情報提供テーブル321に投稿者から登録申請のあったナンバーを登録する。そして、投稿者がナンバー及び投稿者IDの双方の登録を希望する場合には、情報提供サーバ300が発行した投稿者IDと、投稿者から登録申請のあったナンバーを情報提供テーブル321に登録する。なお、投稿者IDを発行・登録した場合には、情報提供システムSの管理者は投稿者に対して当該投稿者IDを示す二次元コードが描かれたステッカー等を発行し、所有する車両に取り付けてもらうこととする。
【0041】
SNSアクセス情報は、SNS種別情報(何れの種別のSNSを利用しているかを示す情報)と、SNS種別情報が示すSNSにおける投稿者にアクセスするためのアクセス情報を含む。アクセス情報としては、SNSにおけるアカウント名やユーザ名等のアカウント情報が記述される。なお、投稿者が複数のSNSを利用している場合には、一の投稿者に対応して、各SNSのSNSアクセス情報を提供情報テーブル321に記述しておくこととしてもよい。
【0042】
図6は、ユーザ情報テーブル322の構成例を示す図である。ユーザ情報テーブル322は、情報提供システムSを利用して投稿者のSNSアクセス情報を取得するユーザに関する情報を記憶する。具体的には、ユーザ情報テーブル322は、ユーザを識別するためのユーザIDと宛先情報を含んで構成される。宛先情報は、情報提供サーバ300がSNSアクセス情報を送信する宛先を示す情報であり、例えば、メールアドレス、スマートフォンの電話番号、SNS種別情報及びアクセス(アカウント)情報等を登録することができる。
【0043】
通信部313は、無線通信デバイス等を有し、車載器200やスマートフォン400と通信してデータを相互に送受信する。
【0044】
[4.スマートフォン400の構成]
図7は、ユーザ162のスマートフォン400の構成例を示すブロック図である。
【0045】
スマートフォン400は、制御部411と、SSD等からなる記憶部412と、通信部413と、表示ユニット414と、タッチパネル415、マイク416、スピーカー417、カメラ418を備えて構成されている。
【0046】
制御部411は、制御部411全体を制御するCPU411aと、制御部411を制御する制御プログラム等が予め記憶されているROM411bと、各種データを一時的に格納するRAM411cと、により構成されている。制御部411又はCPU411aは、「コンピュータ」に対応する。
【0047】
記憶部412は、OS、アプリケーションプログラム等の各種プログラムや、各種プログラムで利用されるデータや情報を記憶する。また、記憶部412には、ブラウザとサービスAの専用アプリケーションがインストールされている。なお、各種プログラムは、例えば、サーバ装置等からネットワークを介して取得されるようにしてもよいし、USBメモリ等の記録媒体に記録されたものを読み込むようにしてもよい。
【0048】
通信部413は、無線通信デバイス等を有し、情報提供サーバ300と通信してデータを相互に送受信する。
【0049】
表示ユニット414は、グラフィックスコントローラ414aと、VRAM(Video RAM)等のメモリからなるバッファメモリ414bを備えて構成されている。この構成においてグラフィックスコントローラ414aは、制御部411から送られる制御情報に基づいて、表示ユニット414及びタッチパネル415の制御を行う。また、バッファメモリ414bは、それぞれのタッチパネル415に即時表示可能な画像データを一時的に記憶する。そして、グラフィックスコントローラ414aから出力される画像データに基づいて、タッチパネル415に画像が表示される。
【0050】
タッチパネル415は、表示ユニット414から受信した画像データに基づいて画像を表示させる。また、タッチパネル415は、操作者のタッチ操作を検出し、タッチされた位置等を示すタッチ操作データを制御部411に送信する。制御部411はタッチ操作データに基づいて何れの操作がなされたかを判別し、操作内容に応じて処理を行う。
【0051】
マイク416は、ユーザ162の音声を電気信号に変換して制御部411に出力する。
【0052】
スピーカー417は、制御部411の制御のもと、音声を出力する。
【0053】
カメラ418は、制御部411の制御のもと、ユーザの指示に従い静止画、動画を撮影する。撮影されたこれらのデータは記憶部412に記憶される。
【0054】
[5.情報提供システムSによる情報提供処理]
次に、図8に示すフローチャートを用いて、情報提供システムSによる情報提供処理について説明する。なお、図8は、情報提供システムSによる情報提供処理の一例を示すフローチャートである。また、ここでは、ユーザ162が車両151の所有者である投稿者152をサービスAにおいて登録(フォロー)するためのSNSアクセス情報を取得するまでの流れについて説明する。
【0055】
まず、車載器200の制御部211は、ユーザ162による指示を検出する(ステップS101)。例えば、車内マイク216に入力された「一台前の車(車両151)をフォローして」との発話による指示を検出する。
【0056】
次いで、制御部211は、ユーザ162による指示に従って、ユーザが指定した車両151を車外撮影用カメラ219に撮影させる(ステップS102)。車外撮影用カメラ219により撮影された画像の画像データは、制御部211の制御のもと、記憶部212に記憶される。なお、車外撮影用カメラ219は継続的に車外を撮影したり、常時、動画撮影したりすることとし、制御部211は、ユーザ162による指示が出された際、又は、ユーザが指示の中で指定した時期に撮影された画像を取得することとしてもよい。
【0057】
次いで、制御部211は、ステップS102の処理で撮影して得られた画像に基づいて、車両151のナンバープレート154のナンバー、又は、二次元コード155が示す投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定する(ステップS103)。具体的には、制御部211は、画像におけるナンバープレート154の部分を画像認識処理により特定し、当該部分に対する文字認識処理によりナンバーを特定したり、画像における二次元コード155の部分を画像認識処理により特定し、二次元コード155をデコードすることにより投稿者IDを特定したりする。制御部211はナンバーや投稿者IDを特定すると、記憶部212に記憶させる。
【0058】
次いで、制御部211は、ステップS103の処理で特定したナンバー又は投稿者IDの少なくとも何れか一方と、ユーザ162を識別するためのユーザIDを含むリクエストデータを情報提供サーバ300に送信し(ステップ104)、情報提供処理における処理を終了する。なお、ユーザ162のユーザIDは予め記憶部212に記憶しておくこととする。
【0059】
これに対して、情報提供サーバ300の制御部311は、車載器200からリクエストデータを受信し(ステップS201)、記憶部312に記憶させる。
【0060】
次に、制御部311は、提供情報テーブル321を参照し、ステップS201の処理で受信したリクエストデータに含まれるナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方に基づいて、SNSアクセス情報を取得する(ステップS202)。SNSアクセス情報が複数記述されている場合には全て取得することが好ましいが、一部のSNSアクセス情報を取得することとしてもよい。
【0061】
次いで、制御部311は、ユーザ情報テーブル322を参照し、ステップS201の処理で取得したリクエストデータに含まれるユーザIDに基づいて、宛先情報を取得する(ステップS203)。
【0062】
次いで、制御部311は、ステップS203の処理で取得した宛先情報が示す宛先に、ステップS202の処理で取得したSNSアクセス情報を送信し(ステップS204)、情報提供処理における処理を終了する。
【0063】
これに対して、スマートフォン400の制御部411は、情報提供サーバ300からSNSアクセス情報を受信し(ステップS301)、記憶部412に記憶させる。
【0064】
次に、制御部411は、ステップS301の処理で受信したSNSアクセス情報をユーザ162に提示し(ステップS302)、情報提供処理における処理を終了する。
【0065】
なお、ステップS302の処理におけるSNSアクセス情報の提示方法は様々な方法を採用することができる。例えば、電子メールでSNSアクセス情報を受信した場合には、電子メールアプリケーションが起動された際にテキスト情報として提示することとしてもよい。また、スマートフォン400にインストールされたブラウザが起動された際に、SNSアクセス情報に基づいて、サービスAにおける投稿者152の投稿ページ(投稿情報が掲載されている画面)を表示することにより、SNSアクセス情報を提示することとしてもよい。更にまた、スマートフォン400にインストールされたサービスAの専用アプリケーションが起動された際に、SNSアクセス情報に基づいて、投稿者152の投稿ページを表示することにより、SNSアクセス情報を提示することとしてもよい。
【0066】
以上説明したように、本実施例における情報提供サーバ300は、記憶部312(「記憶手段」の一例)が、車両(「所有物」の一例)に取り付けられたナンバープレート154(「標識」の一例)が示すナンバー(「識別情報」の一例)又は二次元コード155(「標識」の一例)が示す投稿者ID(「識別情報」の一例)の少なくとも一方と、SNS(「インターネット上のサービス」の一例)における車両の所有者にアクセスするためのSNSアクセス情報(「アクセス情報」の一例)とを対応付けて記憶し、制御部311(「識別情報取得手段」、「送信手段」の一例)が、ユーザ162による指示に基づいて特定されたナンバー又は投稿者IDの少なくとも何れか一方を取得し、取得したナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方と対応付けて記憶されているSNSアクセス情報を、ユーザ162のスマートフォン400(「端末装置」の一例)に送信する。
【0067】
したがって、情報提供サーバ300によれば、ユーザ162は自分の嗜好に合致する車両151を見かけた際に、車両151に取り付けられたナンバープレート154が示すナンバー又は二次元コード155が示す投稿者IDを車載器200が特定するための指示をすることにより、SNSにおける車両151の所有者にアクセスするためのSNSアクセス情報をスマートフォン400により受信することができる。よって、ユーザは、SNSにおいて、ユーザの嗜好と合致する車両を所有する所有者、すなわち、ユーザの嗜好と合致する情報を提供する可能性の高い情報提供者をフォローすることができる。
【0068】
また、本実施例における情報提供サーバ300の制御部311は、ユーザ162が指定した車両151に取り付けられたナンバープレート154又は二次元コード155の少なくとも一方を撮影して得られた画像に基づいて特定されたナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方を取得する。これにより、ユーザ162はナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方を直接、入力することなく、これらを特定させることができる。
【0069】
[6.変形例]
次に、本実施例の変形例について説明する。なお、以下に説明する変形例や本実施例は適宜組み合わせることができる。
【0070】
[6.1.変形例1]
本実施例では、車載器200の制御部211は、ユーザ162による「一台前の車(本実施例では車両151とする)をフォローして」との発話による指示に基づいて、対象の車両のナンバープレート154又は二次元コード155の少なくとも何れか一方からナンバーや投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定することとしたが、ユーザが制御部211にナンバー又は投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定させるための指示の仕方には様々な仕方を採用することができる。以下、その一例について説明する。
【0071】
まず、車載器200の記憶部212に、車外撮影用カメラ219により撮影される画像から、車両の色、車両の車種名、車両の車種別(セダン、スポーツカー、SUV(Sport Utility Vehicle)、ミニバン、トラック等)、自車両(画像を撮影した車外撮影用カメラ219)を基準とした方向、を判別するプログラムを記憶させておく。そして、制御部211は、例えば、ユーザ162による「目の前の赤い車をフォローして」、「目の前の○○○(車種名)をフォローして」、「目の前のSUVをフォローして」、「右前方の車をフォローして」といった発話による指示に基づいて、対象の車両を判別し、当該車両のナンバープレートのナンバー又は二次元コードが示す投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定する。
【0072】
また、車外撮影用カメラ219により車両151の周囲を動画で撮影して車載器200の記憶部212に記憶させることとし、制御部211が、例えば、ユーザ162による「5分前に一台前を走っていた赤い車をフォローして」といった発話による指示に基づいて、記憶部212に記憶されている動画の中から、対象の車両を判別し、当該車両のナンバープレートのナンバー又は二次元コードが示す投稿者IDの少なくとも何れか一方を特定することとしてもよい。
【0073】
さらに、制御部211は、ナンバープレートに示されたナンバーをユーザ162が読み上げた音声に基づいて特定されたナンバーを取得することとしてもよい。例えば、ユーザ162による「高尾 302 も 12-34の車をフォローして」との発話による指示に基づいて、ナンバーを特定することとしてもよい。
【0074】
[6.2.変形例2]
本実施例では、情報提供サーバ300の制御部311は、車載器200からリクエストデータを受信すると、ステップS203の処理で取得した宛先情報が示す宛先に、ステップS202の処理で取得したSNSアクセス情報を送信することとした。ここで、ユーザ162が指示の中で車両を指定している場合(例えば、「一台前の車」を指定している場合)において、当該指定した車両と、車載器200の制御部211が特定したナンバー又は投稿者ID少なくとも何れか一方の基となるナンバー又は二次元コードが取り付けられていた車両が一致しない「車両の不一致」が発生すると、ユーザ162のスマートフォン400には全く意図しない投稿者のSNSアクセス情報が送信されることとなる。そこで、情報提供システムSは、ユーザ162が指示の中で指定した車両に関連する車両関連情報(例えば、車両を写した画像)をユーザ162に提示して車両の不一致が発生していないかを確認してもらうこととしてもよい。
【0075】
具体的には、情報提供サーバ300の提供情報テーブル321に、投稿者ID又はナンバーと対応付けて車両に関連する車両関連情報を更に記憶させる。車両関連情報は、車両を写した静止画や動画、車両の車種、色等の車両の特徴を示す特徴情報等とすることができる。そして、情報提供サーバ300の制御部311は、車載器200からリクエストデータを受信すると、提供情報テーブル321を参照し、ナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方に基づいて車両関連情報を取得し、車載器200又はスマートフォン400に当該車両関連情報を含む、当該車両関連情報をユーザ162に提示させるための提示データを送信する。車載器200の制御部211又はスマートフォン400の制御部411は、提示データを受信した場合に車両関連情報をユーザ162に提示する。車両関連情報の提示方法は、例えば、車両関連情報が静止画や動画である場合には、タッチパネル215、415に表示させ、車両関連情報が車両の特徴情報である場合には、当該特徴情報が示す特徴をスピーカー217、417から音声で出力させることとする。
【0076】
これに対してユーザ162は、車両の不一致が発生していないか確認し、確認結果を車載器200又はスマートフォン400に入力する。入力方法は、車内マイク216、マイク416への音声入力であっても良いし、タッチパネル215、415への入力であってもよい。車載器200の制御部211又はスマートフォン400の制御部211は、入力された確認結果を示す確認結果情報を情報提供サーバ300に送信する。そして、確認結果情報を受信した情報提供サーバ300の制御部311は、確認結果情報の示す確認結果に応じて処理を行う。すなわち、車両の不一致が発生していなければ、ステップS202以降の処理を行う。一方、車両の不一致が発生している場合には、ステップS202以降の処理を行わずに、指示を再度行ってもらうためのメッセージをユーザ162に提示させるためのデータを車載器200又はスマートフォン400に送信する。
【0077】
[6.3.変形例3]
本実施例及び各変形例では、情報提供サーバ300が車載器200から車両151に対応するナンバー又は投稿者IDの少なくとも一方を受信し、これに基づいて、SNSアクセス情報を取得し、スマートフォン400に送信する場合について説明したが、情報提供サーバ300の制御部311が行う処理(例えば、図8のステップS202-ステップS204の処理)を車載器200の制御部211が行うこととしてもよい。例えば、車載器の制御部211は、ステップS103の処理の後、ステップS202-ステップS204の処理を行う。なお、この場合には、提供情報テーブル321及びユーザ情報テーブル322を車載器200の記憶部212に記憶させておくこととする。但し、ユーザ情報テーブル322については、ユーザ162や車両161を利用するユーザの宛先情報のみが記述されたものであってもよい。
【0078】
[6.4.変形例4]
本実施例では、ユーザ162が車両151の所有者である投稿者152をフォローする場合について説明したが、車両以外の所有可能な有体物(例えば、帽子、衣服、靴、鞄等の身に付ける物、自転車等の乗り物、建物など)に二次元コードを取り付けることにより、当該所有者である投稿者をフォローすることができるようにしてもよい。
【0079】
[6.5.変形例5]
本実施例では、車載器200がユーザ162の指示に基づいてナンバー又は投稿者IDを特定して、リクエストデータを情報提供サーバ300に送信することとしたが、車載器200の代わりに、スマートフォン400がこれらの処理を行うこととしてもよい。この場合、ユーザ162は、歩行中に気に入った車両を見つけた場合に、スマートフォン400のカメラ418により撮影し、スマートフォン400の制御部411にステップS103-ステップS104の処理を行わせることにより、当該車両の所有者をフォローすることができるようになる。
【0080】
[6.6.変形例6]
本実施例では、SNSアクセス情報がユーザ162のスマートフォン400に送信されることとしたが、情報提供サーバ300の制御部311は、SNSアクセス情報に代えて又は加えて、投稿者152が管理する、インターネット上で情報を提供するサービスを行うホームページへのアクセス情報(例えば、URL)をスマートフォン400に送信することとしてもよい。また、SNSやホームページ以外のインターネット上のサービスにおける投稿者152へアクセスするためのアクセス情報を送信することとしてもよい。この場合、情報提供テーブル321にアクセス情報を記述しておき、制御部311は、これを取得して、スマートフォン400に送信することとする。
【符号の説明】
【0081】
100 :情報提供装置
101 :記憶手段
102 :識別情報取得手段
103 :送信手段
151 :車両
152 :投稿者
153 :スマートフォン
154 :ナンバープレート
155 :二次元コード
161 :車両
162 :ユーザ
200 :車載器
211 :制御部
211a :CPU
211b :ROM
211c :RAM
212 :記憶部
213 :通信部
214 :表示ユニット
214a :グラフィックスコントローラ
214b :バッファメモリ
215 :タッチパネル
216 :車内マイク
217 :スピーカー
218 :車内撮影用カメラ
219 :車外撮影用カメラ
300 :情報提供サーバ
311 :制御部
311a :CPU
311b :ROM
311c :RAM
312 :記憶部
313 :通信部
321 :提供情報テーブル
322 :ユーザ情報テーブル
400 :スマートフォン
411 :制御部
411a :CPU
411b :ROM
411c :RAM
412 :記憶部
413 :通信部
414 :表示ユニット
414a :グラフィックスコントローラ
414b :バッファメモリ
415 :タッチパネル
416 :マイク
417 :スピーカー
418 :カメラ
S :情報提供システム
NW :情報通信ネットワーク
図1
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図8