IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 美津濃株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図1
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図2
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図3
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図4
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図5
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図6
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図7
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図8
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図9
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図10
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図11
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図12
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図13
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図14
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図15
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図16
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図17
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図18
  • 特開-野球またはソフトボール用捕球具 図19
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067075
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】野球またはソフトボール用捕球具
(51)【国際特許分類】
   A63B 71/14 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A63B71/14 K
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178042
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000005935
【氏名又は名称】美津濃株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 雄貴
(72)【発明者】
【氏名】前田 賢司
(72)【発明者】
【氏名】粂 和弘
(72)【発明者】
【氏名】神田 章裕
(72)【発明者】
【氏名】茂木 結矢
(57)【要約】
【課題】ウェブ部の可動範囲を広げることができる野球またはソフトボール用捕球具を提供する。
【解決手段】野球またはソフトボール用捕球具1は、親指部21と、人差し指部22と、ウェブ部4とを備えている。ウェブ部4は、第1突出部41と、第2突出部42とを含んでいる。第1突出部41は第1貫通孔H1を有している。第2突出部42は第2貫通孔H2を有している。第1貫通孔H1と第2貫通孔H2の少なくとも何れかは、当該貫通孔を形成する周縁において、親指部21側または人差し指部22側の根本から斜め上方向に延在する傾斜縁を有している。第1突出部41と第2突出部42は、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とが鎖状に連結した状態で係合している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の手に装着される野球またはソフトボール用捕球具であって、
前記装着者の前記手の親指を受け入れ可能な親指部と、
前記装着者の前記手の人差し指を受け入れ可能な人差し指部と、
前記親指部と前記人差し指部との間に配置されたウェブ部とを備え、
前記親指部と前記人差し指部は付け根部および指先部を含み、
前記ウェブ部は、
前記親指部から前記人差し指部に向けて突出する第1突出部と、
前記人差し指部から前記親指部に向けて突出する第2突出部とを含み、
前記第1突出部は第1貫通孔を有し、
前記第2突出部は第2貫通孔を有し、
前記第1貫通孔と前記第2貫通孔の少なくとも何れかは、当該貫通孔を形成する周縁において、前記親指部側または前記人差し指部側の根本から斜め上方向に延在する傾斜縁を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部は、前記第1貫通孔と前記第2貫通孔とが鎖状に連結した状態で係合している、野球またはソフトボール用捕球具。
【請求項2】
前記第1突出部は、前記第1貫通孔の前記付け根部側に第3貫通孔を有し、
前記第1突出部は、前記第1貫通孔の上に第1延在部、前記第1貫通孔の下に第3延在部、前記第3貫通孔の下に第5延在部を有し、
前記第2突出部は、前記第2貫通孔の上に第2延在部、前記第2貫通孔の下に第4延在部を有し、
前記第2延在部が前記第1貫通孔に挿通しており、前記第3延在部が前記第2貫通孔に挿通しており、前記第4延在部が前記第3貫通孔に挿通しており、
前記第1突出部と前記第2突出部は、前記第1貫通孔と前記第3貫通孔との間にある、前記第3延在部と前記第2貫通孔が鎖状に連結した状態で係合しており、
前記第1貫通孔の前記付け根部側に前記傾斜縁がある、請求項1に記載の野球またはソフトボール用捕球具。
【請求項3】
前記第3延在部は、前記親指部が前記付け根部から前記指先部に向けて延びる延在方向において前記指先部に向けて突き出すように湾曲している、請求項2に記載の野球またはソフトボール用捕球具。
【請求項4】
前記第3延在部は、前記ウェブ部の背面側、または受球面側に突き出すように湾曲している、請求項2または3に記載の野球またはソフトボール用捕球具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、野球またはソフトボール用捕球具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、野球またはソフトボール用捕球具には閉じやすさが求められている。特開2021-29572号公報(特許文献1)には、閉じやすさを向上させることができる野球またはソフトボール用捕球具が記載されている。
【0003】
上記公報に記載された野球またはソフトボール用捕球具は、ウェブ部を備えている。ウェブ部は、親指部から人差し指部に向けて突出する第1突出部と、人差し指部から親指部に向けて突出する第2突出部とを含んでいる。野球またはソフトボール用捕球具が開閉されることにより、第1突出部と第2突出部とは相対的に移動可能に構成されている。このため、野球またはソフトボール用捕球具が閉じられたときに、親指部と人差し指部との間の距離をストレスなく短くすることができる。そのため、親指部と人差し指部とを十分に接近させることができる。したがって、野球またはソフトボール用捕球具の閉じやすさを向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-29572号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記公報に記載された野球またはソフトボール用捕球具では、ウェブ部の可動範囲に改善の余地がある。
【0006】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的はウェブ部の可動範囲を広げることができる野球またはソフトボール用捕球具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の野球またはソフトボール用捕球具は、装着者の手に装着されるものである。野球またはソフトボール用捕球具は、親指部と、人差し指部と、ウェブ部とを備えている。親指部は、装着者の手の親指を受け入れ可能に構成されている。人差し指部は、装着者の手の人差し指を受け入れ可能に構成されている。ウェブ部は、親指部と人差し指部との間に配置されている。親指部と人差し指部は、付け根部および指先部を含んでいる。ウェブ部は、第1突出部と、第2突出部とを含んでいる。第1突出部は第1貫通孔を有している。第2突出部は第2貫通孔を有している。第1貫通孔と第2貫通孔の少なくとも何れかは、当該貫通孔を形成する周縁において、親指部側または人差し指部側の根本から斜め上方向に延在する傾斜縁を有している。第1突出部と第2突出部は、第1貫通孔と第2貫通孔とが鎖状に連結した状態で係合している。
【発明の効果】
【0008】
本発明の野球またはソフトボール用捕球具によれば、ウェブ部の可動範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の受球面側から見た構成を概略的に示す正面図である。
図2】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の背面側から見た構成を概略的に示す背面図である。
図3】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の親指部側から見た構成を概略的に示す左側面図である。
図4】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の指先側から見た構成を概略的に示す上面図である。
図5】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の親指部と人差し指部とが接近した状態を概略的に示す背面図である。
図6】比較例の野球またはソフトボール用捕球具のウェブ部の背面側から見た構成を模式的に示す背面図である。
図7】比較例の野球またはソフトボール用捕球具の親指部と人差し指部とが接近した状態でのウェブ部の背面側から見た構成を模式的に示す背面図である。
図8】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具のウェブ部の背面側から見た構成を模式的に示す背面図である。
図9】本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具の親指部と人差し指部とが接近した状態でのウェブ部の背面側から見た構成を模式的に示す背面図である。
図10】本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具の受球面側から見た構成を概略的に示す正面図である。
図11】本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具の背面側から見た構成を概略的に示す背面図である。
図12】本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具の親指部と人差し指部とが接近した状態を概略的に示す背面図である。
図13】本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具の指先側から見た構成を概略的に示す上面図である。
図14】本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具の親指部と人差し指部とが接近した状態を指先側から概略的に示す上面図である。
図15】本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具の第1突出部および第2突出部の受球面側から見た構成を模式的に示す正面図である。
図16】本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具の変形例1の第1突出部および第2突出部の受球面側から見た構成を模式的に示す正面図である。
図17】本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具の変形例2の第1突出部および第2突出部の受球面側から見た構成を模式的に示す正面図である。
図18】本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具の変形例3の第1突出部および第2突出部の受球面側から見た構成を模式的に示す正面図である。
図19】本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具の変形例4の第1突出部および第2突出部の受球面側から見た構成を模式的に示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、特に言及しない限り、以下の図面において同一または対応する部分には同一の参照符号を付し、その説明を繰り返さない。
【0011】
(実施の形態1)
図1図4を参照して、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1の構成について説明する。本発明の実施の形態1では、野球またはソフトボール用捕球具1として野球またはソフトボール用グラブを例示しているが、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、キャッチャーミット、ファーストミットなどであってもよい。
【0012】
図1および図2に示されるように、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、装着者(使用者)の手100に装着されるものである。本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、指部2と、本体部3と、ウェブ部4と、複数の紐部5と、手口6とを主に備えている。
【0013】
指部2は、装着者の手100の各指を受け入れ可能に構成されている。つまり、指部2は、装着者の手100の親指101、人差し指102、中指103、薬指104および小指105を受け入れ可能に構成されている。指部2は、親指部21、人差し指部22、中指部23、薬指部24および小指部25を含んでいる。
【0014】
親指部21は、装着者の手100の親指101を受け入れ可能に構成されている。親指部21と人差し指部22は、付け根部BFおよび指先部FTを含んでいる。付け根部BFは、親指部21の付け根に配置されている。指先部FTは、親指部21の指先に配置されている。人差し指部22は、装着者の手100の人差し指102を受け入れ可能に構成されている。中指部23は、装着者の手100の中指103を受け入れ可能に構成されている。薬指部24は、装着者の手100の薬指104を受け入れ可能に構成されている。小指部25は、装着者の手100の小指105を受け入れ可能に構成されている。
【0015】
親指部21、人差し指部22、中指部23、薬指部24および小指部25の各々は、装着者の手100の親指101、人差し指102、中指103、薬指104および小指105の各々をそれぞれ受け入れるように袋状に構成されている。
【0016】
本体部3は、装着者の手100を受け入れ可能に構成されている。本体部3は、装着者の手100を受け入れるように袋状に構成されている。本体部3は、親指部21、人差し指部22、中指部23、薬指部24および小指部25にそれぞれ接続されている。
【0017】
本体部3は、装着者の手100の手掌106側に配置された手掌部31と、装着者の手100の手の甲107側に配置された手甲部32とを含んでいる。
【0018】
手掌部31は、指部2に接続されている。つまり、手掌部31は、親指部21、人差し指部22、中指部23、薬指部24および小指部25にそれぞれ接続されている。手掌部31は装着者の手掌106を覆うように構成されている。
【0019】
手甲部32は、指部2に接続されている。つまり、手甲部32は、親指部21、人差し指部22、中指部23、薬指部24および小指部25にそれぞれ接続されている。手甲部32は装着者の手100の手の甲107に沿うように構成されている。
【0020】
ウェブ部4は、親指部21と人差し指部22との間に配置されている。ウェブ部4は、親指部21と人差し指部22との間の領域の少なくとも一部を覆うように構成されている。ウェブ部4は、中央に可動式の構造を有している。
【0021】
ウェブ部4は、第1突出部41と、第2突出部42とを含んでいる。第1突出部41は、親指部21から人差し指部22に向けて突出する。第1突出部41は、親指部21と一体に構成されている。なお、第1突出部41は、親指部21と別体に構成されていてもよい。第1突出部41は、第1貫通孔H1を有している。第1突出部41は、略E字形状を有している。第1突出部41は、第1先端T1を有している。第1先端T1は、人差し指部22側に位置しており、後述する第1折れ曲がり部C1および第3折れ曲がり部C3の外縁である。第1先端T1は、第2先端T2よりも人差し指部22の近くに配置されている。第1突出部41は、第2突出部42に固定されていない。つまり、第1突出部41は、第2突出部42に縫い合わされたりすることにより固定されていない。
【0022】
第2突出部42は、人差し指部22から親指部21に向けて突出する。第2突出部42は、人差し指部22と一体に構成されている。なお、第2突出部42は、人差し指部22と別体に構成されていてもよい。第2突出部42は、第2貫通孔H2を有している。第2突出部42は、略U字形状を有している。第2突出部42は、第2先端T2を有している。第2先端T2は、親指部21側に位置しており、後述する第2折れ曲がり部C2の外縁である。第2先端T2は、第1先端T1よりも親指部21の近くに配置されている。
【0023】
第1貫通孔H1と第2貫通孔H2の少なくとも何れかは、当該貫通孔を形成する周縁において、親指部21側または人差し指部22側の根本から斜め上方向に延在する傾斜縁を有している。周縁は、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2の少なくとも何れかを取り囲む部分である。傾斜縁は、親指部21側または人差し指部22側の根本から斜め上方向に延在する部分である。本実施の形態では、第1貫通孔H1を形成する周縁に傾斜縁が設けられている。第1突出部41と第2突出部42は、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とが鎖状に連結した状態で係合している。
【0024】
野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより、第1突出部41と第2突出部42とは相対的に移動可能に構成されている。第1突出部41と第2突出部42とは互いに係止可能に構成されている。第1突出部41の略E字形状と第2突出部42の略U字形状とは互いに挿入しあって係合可能に構成されている。
【0025】
野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより、第1先端T1と第2先端T2とは相対的に移動可能に構成されている。野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより、第1先端T1と第2先端T2とは互いの距離を変更可能に構成されている。具体的には、第1先端T1と第2先端T2とは、野球またはソフトボール用捕球具1が開かれたときに互いの距離が近くなり、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられたときに互いの距離が遠くなるように構成されている。
【0026】
第1突出部41は、第1延在部E1と、第1折れ曲がり部C1とを含んでいる。第1延在部E1は、親指部21から人差し指部22に向けて延在する。第1延在部E1は、親指部21から人差し指部22に向けて直線状に延在している。第1折れ曲がり部C1は、第1延在部E1から折れ曲がる。第1折れ曲がり部C1は、第1延在部E1から親指部21と人差し指部22との間の領域に向けて折れ曲がっている。
【0027】
第2突出部42は、第2延在部E2と、第2折れ曲がり部C2とを含んでいる。第2延在部E2は、人差し指部22から親指部21に向けて延在する。第2延在部E2は、人差し指部22から親指部21に向けて直線状に延在している。第2折れ曲がり部C2は、第2延在部E2から折れ曲がる。第2折れ曲がり部C2は、第2延在部E2から親指部21と人差し指部22との間の領域に向けて折れ曲がっている。
【0028】
第1折れ曲がり部C1は、第2折れ曲がり部C2よりも人差し指部22の近くに配置されている。第1折れ曲がり部C1は、第2延在部E2よりも背面8側に配置されている。
【0029】
第2折れ曲がり部C2は、第1折れ曲がり部C1よりも親指部21の近くに配置されている。第2折れ曲がり部C2は、第3延在部E3よりも背面8側に配置されている。
【0030】
野球またはソフトボール用捕球具1が開かれることにより、第1折れ曲がり部C1と第2折れ曲がり部C2とは互いに係止可能に構成されている。第1折れ曲がり部C1と第2折れ曲がり部C2とは、第1折れ曲がり部C1の親指部21側に位置する内側端と第2折れ曲がり部C2の人差し指部22側に位置する内側端とが互いに係止可能に構成されている。
【0031】
また、第1折れ曲がり部C1は、第2延在部E2よりも受球面7側に配置されていてもよい。
【0032】
また、第1突出部41および第2突出部42の形状は、上記と逆であってもよい。つまり、第1突出部41が上記の第2突出部42の略U字形状を有しており、第2突出部42が上記の第1突出部41の略E字形状を有していてもよい。
【0033】
第2延在部E2は、人差し指部22から親指部21に向けて傾斜するテーパ部TPを含んでいる。テーパ部TPは、人差し指部22から親指部21に向けて幅が狭くなる先細り形状を有している。テーパ部TPは、第2延在部E2のウェブ部4の先端側に配置されている。ウェブ部4の先端側とは、ウェブ部4の指先側である。つまり、テーパ部TPは、第2延在部E2の第2貫通孔H2とは反対側に配置されている。
【0034】
テーパ部TPは、野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより第1延在部E1および第1折れ曲がり部C1の少なくともいずれかに摺動可能に構成されている。テーパ部TPは、第1延在部E1のウェブ部4の根元側の内側端および第1折れ曲がり部C1のウェブ部4の根元側の内側端の少なくともいずれかに摺動可能に構成されている。ウェブ部4の根元側とは、ウェブ部4の本体部3側である。
【0035】
第1突出部41は、第3延在部E3を含んでいる。第3延在部E3は、親指部21から人差し指部22に向けて延在している。第3延在部E3は、親指部21から人差し指部22に向けて直線状に延在している。第3延在部E3は、第1折れ曲がり部C1に接続されている。第3延在部E3は、第1延在部E1よりもウェブ部4の根元側で第1折れ曲がり部C1に接続されている。
【0036】
第3延在部E3は、親指部21が付け根部BFから指先部FTに向けて延びる延在方向D1に対して斜めに延在しており、かつ延在方向D1において親指部21から第1折れ曲がり部C1に向けて付け根部BFから離れるように延在している。
【0037】
第2突出部42は、第4延在部E4を含んでいる。第4延在部E4は、人差し指部22から親指部21に向けて延在している。第4延在部E4は、人差し指部22から親指部21に向けて直線状に延在している。第4延在部E4は、第2折れ曲がり部C2に接続されている。第4延在部E4は、第2延在部E2よりもウェブ部4の根元側で第2折れ曲がり部C2に接続されている。
【0038】
第2突出部42は、第1貫通孔H1に挿入されている。第2延在部E2および第2折れ曲がり部C2の少なくともいずれかが第1貫通孔H1に挿入されている。第1貫通孔H1は、親指部21と第1延在部E1と第1折れ曲がり部C1と第3延在部E3とに囲まれている。
【0039】
第1突出部41は、第2貫通孔H2に挿入されている。第3延在部E3および第1折れ曲がり部C1の少なくともいずれかが第2貫通孔H2に挿入されている。第2貫通孔H2は、人差し指部22と第2延在部E2と第2折れ曲がり部C2と第4延在部E4とに囲まれている。第2貫通孔H2は、略長方形状に構成されている。
【0040】
第1突出部41が第2貫通孔H2に挿入されており、第2突出部42が第1貫通孔H1に挿入されていることにより、第1突出部41と第2突出部42とは相対的に移動可能に互いに連結されている。
【0041】
野球またはソフトボール用捕球具が開閉されることにより、第2突出部42は第1貫通孔H1内を移動可能に構成されており、第1突出部41は第2貫通孔H2内を移動可能に構成されている。
【0042】
ウェブ部4は、第1突出部41が第2貫通孔H2内を移動し、第2突出部42が第1貫通孔H1内を移動することにより、第1突出部41の人差し指部22側の端と人差し指部22との距離および第2突出部42の親指部21側の端と親指部21との距離を変更可能に構成されている。
【0043】
第2延在部E2は、第1貫通孔H1よりも幅が小さい。つまり、第1延在部E1から第1貫通孔H1を挟んで第3延在部E3に向かう方向において、第2延在部E2の幅は、第1貫通孔H1の孔径よりも小さい。
【0044】
第3延在部E3は、第2貫通孔H2よりも幅が小さい。つまり、第2延在部E2から第2貫通孔H2を挟んで第4延在部E4に向かう方向において、第3延在部E3の幅は、第2貫通孔H2の孔径よりも小さい。
【0045】
第1突出部41は、第3折れ曲がり部C3と、第5延在部E5とを含んでいる。第3折れ曲がり部C3は、第3延在部E3から折れ曲がる。第3折れ曲がり部C3は、第3延在部E3から第1折れ曲がり部C1とは反対側に折れ曲がっている。
【0046】
第3折れ曲がり部C3は、第2折れ曲がり部C2よりも人差し指部22の近くに配置されている。第3折れ曲がり部C3は、第4延在部E4よりも背面8側に配置されている。
【0047】
野球またはソフトボール用捕球具1が開かれることにより、第3折れ曲がり部C3と第2折れ曲がり部C2とは互いに係止可能に構成されている。第3折れ曲がり部C3と第2折れ曲がり部C2とは、第3折れ曲がり部C3の親指部21側に位置する内側端と第2折れ曲がり部C2の人差し指部22側に位置する内側端とが互いに係止可能に構成されている。
【0048】
第5延在部E5は、親指部21から人差し指部22に向けて延在する。第5延在部E5は、親指部21から人差し指部22に向けて直線状に延在している。第5延在部E5は、第3折れ曲がり部C3に接続されている。第5延在部E5は、第3延在部E3よりもウェブ部4の根元側で第3折れ曲がり部C3に接続されている。
【0049】
第1突出部41は、第1貫通孔H1の付け根部BF側に第3貫通孔H3を有している。第2突出部42は、第3貫通孔H3に挿入されている。第4延在部E4および第2折れ曲がり部C2の少なくともいずれかが第3貫通孔H3に挿入されている。第3貫通孔H3は、親指部21と第3延在部E3と第3折れ曲がり部C3と第5延在部E5とに囲まれている。
【0050】
野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより、第2突出部42は第3貫通孔H3内を移動可能に構成されている。本実施の形態では、野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されることにより、第2突出部42は、第1貫通孔H1および第3貫通孔H3内を移動可能に構成されている。
【0051】
第1突出部41の先端側において、第3貫通孔H3の幅は、第1貫通孔H1の幅よりも大きい。第1突出部41の親指部21との接続部分において、第3貫通孔H3の幅は、第1貫通孔H1の幅よりも小さい。
【0052】
第3貫通孔H3は、第1貫通孔H1よりも手口6の近くに配置されている。つまり、第1貫通孔H1はウェブ部4の先端側に配置されており、第3貫通孔H3はウェブ部4の根元側に配置されている。
【0053】
第1突出部41は、第1貫通孔H1の上に第1延在部E1、第1貫通孔H1の下に第3延在部E3、第3貫通孔H3の下に第5延在部E5を有している。第2突出部42は、第2貫通孔H2の上に第2延在部E2、第2貫通孔H2の下に第4延在部E4を有している。第2延在部E2が第1貫通孔H1に挿通している。第3延在部E3が第2貫通孔H2に挿通している。第4延在部E4が第3貫通孔H3に挿通している。第1突出部41と第2突出部42は、第1貫通孔H1と第3貫通孔H3との間にある、第3延在部E3と第2貫通孔H2が鎖状に連結した状態で係合している。第1貫通孔H1の付け根部BF側に傾斜縁がある。
【0054】
本発明の実施の形態1では、親指部21および第1突出部41には、複数の貫通孔が設けられているが、貫通孔は1つのみ設けられていてもよい。また、人差し指部22および第2突出部42には、1つの貫通孔が設けられているが、貫通孔は複数設けられていてもよい。
【0055】
複数の紐部5のうち一部の紐部5は、親指部21および人差し指部22の各々とウェブ部4とにまたがって配置されている。また、複数の紐部5のうち他の紐部5は、人差し指部22から小指部25にわたって隣り合う指部同士にまたがって配置されている。本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、複数の紐部5の各々は1本の紐状に構成されている。なお、複数の紐部5の各々の構成はこれに限定されず、2本の交差する紐状に構成されていてもよい。また、紐部5は無くてもよい。この場合、指部2が一体として構成されていてもよい。
【0056】
手口6は、野球またはソフトボール用捕球具1に装着者の手100を挿入するための挿入口である。手口6は、装着者の手100を挿入可能に構成されている。手口6は、本体部3の端部に設けられている。具体的には、手口6は、手掌部31および手甲部32の各々の指部2と反対側の端部に設けられている。手口6は、装着者の手100の手首108に沿うように設けられている。
【0057】
受球面7は、装着者の手100の手掌106側に配置されている。受球面7はボールを受けるためのものである。受球面7は、指部2、本体部3、ウェブ部4、および紐部5の各部の装着者の手100の手掌106側に配置された部分により構成されている。本体部3の手掌部31は受球面7の一部を構成している。
【0058】
背面8は、装着者の手の甲107側に配置されている。背面8は、指部2、本体部3、ウェブ部4および紐部5の各部の装着者の手の甲107側に配置された部分により構成されている。本体部3の手甲部32は背面8の一部を構成している。
【0059】
本発明の実施の形態1では、指部2と、本体部3と、ウェブ部4と、紐部5とは、樹脂により構成されている。具体的には、指部2と、本体部3と、ウェブ部4と、紐部5とは、樹脂を用いて一体的に作製されている。ここで一体的に作製されているとは、1つの部材で作製されていることを意味している。
【0060】
本発明の実施の形態1では、ウェブ部4が樹脂により構成されていればよい。また、指部2と、ウェブ部4とが樹脂により構成されていてもよい。さらに、指部2と、本体部3と、ウェブ部4とが樹脂により構成されていてもよい。
【0061】
樹脂は、単一の材料からなっていてもよい。また、樹脂は、複数の材料からなっていてもよい。
【0062】
樹脂は、JISK6251の引張試験の条件を参考に引張り試験を実施した場合に、100%以上伸長可能なエラストマーからなっていてもよい。ここで100%以上伸長可能とは、引張り試験において樹脂(試料)が破断するまでに100%以上伸長可能であることを意味している。
【0063】
樹脂は、具体的には、たとえば、ポリウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリスチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、ポリブタジエン系エラストマー、シリコンゴム等である。また、樹脂は、たとえば、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリエチレン等の熱可塑性合成樹脂の発泡体、ポリウレタン(PU)等の熱硬化性樹脂の発泡体、または天然ゴム、合成ゴム等のラバー素材の発泡体でもよい。合成ゴムとしては、ポリイソプレン、ポリブタジエン、スチレン-ブタジエン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体、エチレン-プロピレン-ジエン共重合体、エチレン-プロピレン共重合体、ポリクロロプレン、イソブチレン-イソプレン共重合体等を用いることができる。
【0064】
なお、本発明の実施の形態1では、指部2と、本体部3と、ウェブ部4と、紐部5とが樹脂を用いて一体的に作製されているため、指部2、本体部3、ウェブ部4および紐部5の各々を縫着する縫い目がない。
【0065】
図2および図3に示されるように、野球またはソフトボール用捕球具1が装着者の手100に装着されていない状態において、指部2および本体部3は、装着者の手首側から指先側にわたって手掌106側から手の甲107側に突出するように湾曲している。つまり、野球またはソフトボール用捕球具1が装着者の手100に装着されていない状態で、図3において両矢印で示すように、装着者の手首側から指先側にわたって背面側に膨らむように背面8のアーチ形状が維持されている。樹脂の厚さ、硬さなどを適宜選択することにより、装着者の手首側から指先側にわたって背面側に膨らむように背面8のアーチ形状を維持することが可能である。
【0066】
図2および図4に示されるように、野球またはソフトボール用捕球具1が装着者の手100に装着されていない状態において、指部2および本体部3は、装着者の親指101側から小指105側にわたって手掌106側から手の甲107側に突出するように湾曲している。つまり、野球またはソフトボール用捕球具1が装着者の手100に装着されていない状態で、図4において両矢印で示すように、装着者の親指101側から小指105側にわたって背面側に膨らむように背面8のアーチ形状が維持されている。樹脂の厚さ、硬さなどを適宜選択することにより、装着者の親指101側から小指105側にわたって背面側に膨らむように背面8のアーチ形状を維持することが可能である。
【0067】
次に、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1の製造方法について説明する。
【0068】
本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、3Dプリンタ(三次元造形装置)により製造される。3Dプリンタの造形方法は限定されない。3Dプリンタの造形方法として、たとえば、材料押出法、材料噴射法、粉末床溶融結合法、結合剤噴射法、液槽光重合法などがある。
【0069】
材料押出法(material extrusion)は、フィラメント化した熱可塑性樹脂(造形材料)をノズル内で溶融し、溶融した該造形材料をノズルから射出し、積層する方法である。材料押出法の通称は、熱溶解積層方式(FDM:Fused Deposition ModelingまたはFFF:Fused Filament Fabrication)である。
【0070】
材料噴射法(material jetting)は、光硬化性樹脂をヘッドから吹き付け、紫外線で硬化させながら積層する方法である。材料噴射法の通称は、インクジェット式、マテリアルジェッティングまたはMJP(MultiJet Printing)である。
【0071】
粉末床溶融結合法(powder bed fusion)は、敷き詰められた粉末にレーザ光を当てて焼結させ積層する方法である。粉末床溶融結合法の通称は、粉末焼結、SLS(Selective Laser Sintering)、DMLS(Direct Metal Laser Sintering)、EBM(Electron Beam Melting)またはSLM(Selective Laser Melting)である。
【0072】
結合剤噴射法(binder jetting)は、敷き詰められた粉末にバインダ(接着剤)を吹き付けて固定させ積層する方法である。結合剤噴射法の通称は、インクジェット式、バインダージェットまたはCJP(Color Jet Printing)である。
【0073】
液槽光重合法(vat photopolymerization)は、液体の光硬化性樹脂を入れたプールにレーザ光を当て、硬化させて積層する方法である。液槽光重合法の通称は、光造形またはSLA(Stereolithography)である。
【0074】
なお、上記では、指部2、本体部3、ウェブ部4および紐部5が樹脂により構成されている例について説明したが、これらの材料は樹脂に限定されない。これらの材料は、例えば革でもよい。
【0075】
次に、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1の開閉動作について説明する。
【0076】
図2を参照して、野球またはソフトボール用捕球具1が開かれると、第1先端T1と第2先端T2とは互いの距離が近くなる。野球またはソフトボール用捕球具1が最も開かれたときに、第1先端T1と第2先端T2とは互いの距離が最も近くなる。
【0077】
図5を参照して、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられると、第1突出部41と第2突出部42とは独立して互いに重なり合うように移動する。具体的には、第1突出部41の第3延在部E3が第2貫通孔H2内を移動し、第2突出部42の第2延在部E2および第4延在部E4が第1貫通孔H1内および第3貫通孔H3内を移動することにより、第1突出部41の第1先端T1は人差し指部22に近づくように移動し、第2突出部42の第2先端T2は親指部21に近づくように移動する。したがって、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられるにつれて、第1先端T1と第2先端T2とは互いの距離が遠くなる。野球またはソフトボール用捕球具1が最も閉じられたときに、第1先端T1と第2先端T2とは互いの距離が最も遠くなる。
【0078】
続いて、図6図9を参照して、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1のウェブ部4の可動範囲について、比較例と対比して説明する。図6図9は、ウェブ部4、親指部21および人差し指部22を模式的に示している。
【0079】
図6を参照して、比較例の野球またはソフトボール用捕球具1のウェブ部4では、第3延在部E3は、延在方向D1に対して直交する水平方向D2に延在している。親指部21および第1突出部41が水平方向D2に移動する場合には、ウェブ部4の可動範囲Aは、第3延在部E3の長さと等しい。なお、ウェブ部4の可動範囲Aは、第1突出部41の第2突出部42に対する可動範囲である。
【0080】
図7を参照して、実際には、比較例の野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられると、親指部21および第1突出部41は、人差し指部22および第2突出部42に対して回転する。つまり、親指部21および第1突出部41は、野球またはソフトボール用捕球具1が開かれたときに比べて回転する。親指部21および第1突出部41は、回転角θで回転する。このため、比較例の野球またはソフトボール用捕球具1では、ウェブ部4の可動範囲Aは、親指部21および第1突出部41が延在方向D1に対して直交する水平方向D2に移動する場合よりも小さくなる。
【0081】
図8を参照して、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、第3延在部E3は、延在方向D1に対して斜めに延在しており、かつ延在方向D1において親指部21から第1折れ曲がり部C1に向けて付け根部BF(図1参照)から離れるように延在している。つまり、第3延在部E3は、延在方向D1に対して直交する水平方向D2に対して、親指部21および第1突出部41の回転方向に沿うように斜めに延在している。
【0082】
図9を参照して、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられると、親指部21および第1突出部41は、人差し指部22および第2突出部42に対して回転角θで回転する。つまり、親指部21および第1突出部41は、野球またはソフトボール用捕球具1が開かれたときに比べて回転角θで回転する。このため、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、ウェブ部4の可動範囲Aは、親指部21および第1突出部41が水平方向D2に移動する場合よりも小さくなることを防ぐことができる。したがって、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、比較例の野球またはソフトボール用捕球具1よりもウェブ部4の可動範囲Aを広げることができる。
【0083】
次に、本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1の作用効果について説明する。
【0084】
本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1によれば、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2の少なくとも何れかは、当該貫通孔を形成する周縁において、親指部21側または人差し指部22側の根本から斜め上方向に延在する傾斜縁を有している。第1突出部41と第2突出部42は、第1貫通孔H1と第2貫通孔H2とが鎖状に連結した状態で係合している。本実施の形態では、第3延在部E3は、親指部21が付け根部BFから指先部FTに向けて延びる延在方向D1に対して斜めに延在しており、かつ延在方向D1において親指部21から第1折れ曲がり部C1に向けて付け根部BFから離れるように延在している。このため、ウェブ部4の可動範囲を広げることができる。したがって、野球またはソフトボール用捕球具1の親指部21と人差し指部22との距離が縮まりやすくすることができる。これにより、野球またはソフトボール用捕球具1を開閉しやすくすることができる。
【0085】
本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1によれば、第1突出部41と第2突出部42は、第1貫通孔H1と第3貫通孔H3との間にある、第3延在部E3と第2貫通孔H2が鎖状に連結した状態で係合している。本実施の形態では、第2突出部42は、第3貫通孔H3に挿入されている。このため、第2突出部42が第1貫通孔H1のみに挿入されている場合よりも第1突出部41と第2突出部42との間をボールが通り抜けることを防ぐことができる。
【0086】
本発明の実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1によれば、第1突出部41の先端側において、第3貫通孔H3の幅は、第1貫通孔H1の幅よりも大きい。このため、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられることにより親指部21および第1突出部41が回転したときに、ウェブ部4の可動範囲を広げることができる。
【0087】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、特に説明しない限り、実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と同様の構成および作用効果を有している。
【0088】
図10図12を参照して、本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、第3延在部E3の形状が実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と主に異なっている。
【0089】
本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、第3延在部E3は、親指部21が付け根部BFから指先部FTに向けて延びる延在方向D1において指先部FTに向けて突き出すように湾曲している。第3延在部E3は、円弧状に湾曲している。第3延在部E3は、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられたときの親指部21および第1突出部41の回転方向に沿うように湾曲している。
【0090】
本発明の実施の形態2に係る野球またはソフトボール用捕球具1によれば、第3延在部E3は、延在方向D1において指先部FTに向けて突き出すように湾曲している。このため、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられることにより親指部21および第1突出部41が回転したときに、親指部21および第1突出部41の回転に沿ってウェブ部4の可動範囲を広げることができる。したがって、野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されるときに、親指部21と人差し指部22とをなめらかに可動させることができる。これにより、野球またはソフトボール用捕球具1をなめらかに開閉することができる。
【0091】
(実施の形態3)
本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、特に説明しない限り、実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と同様の構成および作用効果を有している。
【0092】
図13および図14を参照して、本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具1は、第3延在部E3の形状が実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と主に異なっている。
【0093】
本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、第3延在部E3は、ウェブ部4の背面8側に突き出すように湾曲している。第3延在部E3は、円弧状に湾曲している。第3延在部E3は、ウェブ部4の背面8のアーチ形状に沿うように湾曲している。
【0094】
なお、第1突出部41および第2突出部42の形状が上記と逆である場合、第3延在部E3は、ウェブ部4の受球面7側に突き出すように湾曲している。
【0095】
本発明の実施の形態3に係る野球またはソフトボール用捕球具1によれば、第3延在部E3は、ウェブ部4の背面8側、または受球面7側に突き出すように湾曲している。このため、野球またはソフトボール用捕球具1が閉じられたときに、ウェブ部4の背面8、または受球面7に沿ってウェブ部4の可動範囲を広げることができる。したがって、野球またはソフトボール用捕球具1が開閉されるときに、親指部21と人差し指部22とをなめらかに可動させることができる。これにより、野球またはソフトボール用捕球具1をなめらかに開閉することができる。
【0096】
(実施の形態4)
本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具1では、特に説明しない限り、実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と同様の構成および作用効果を有している。図15図19では、第1突出部41および第2突出部42が模式的に示されている。
【0097】
図15図19を参照して、本発明の実施の形態4に係る野球またはソフトボール用捕球具1および本実施の形態の変形例1~4の野球またはソフトボール用捕球具1は、第1突出部41および第2突出部42の形状が実施の形態1に係る野球またはソフトボール用捕球具1と主に異なっている。
【0098】
傾斜縁の始点SPは、第1貫通孔H1または第2貫通孔H2の周縁の付け根部BF側において、親指部21と人差し指部22の間の何れかの地点にある。傾斜縁の終点EPは、始点SPよりも指先側に存在して、付け根部BFと指先部FTの間の何れかの地点にあればよい。傾斜縁は完全な傾斜部のみではなくフラットな領域を含んでいても良い。傾斜縁は直線でなくても良い。
【0099】
上記の各実施の形態は適宜組み合わせることができる。
【0100】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
【符号の説明】
【0101】
1 野球またはソフトボール用捕球具、2 指部、3 本体部、4 ウェブ部、5 紐部、6 手口、7 受球面、8 背面、21 親指部、22 人差し指部、23 中指部、24 薬指部、25 小指部、31 手掌部、32 手甲部、41 第1突出部、42 第2突出部、100 手、101 親指、102 人差し指、103 中指、104 薬指、105 小指、106 手掌、107 手の甲、108 手首、BF 付け根部、C1 第1折れ曲がり部、C2 第2折れ曲がり部、C3 第3折れ曲がり部、D1 延在方向、E1 第1延在部、E2 第2延在部、E3 第3延在部、E4 第4延在部、E5 第5延在部、FT 指先部、H1 第1貫通孔、H2 第2貫通孔、H3 第3貫通孔、T1 第1先端、T2 第2先端、TP テーパ部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19