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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067076
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】車両充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20230509BHJP
   H02J 13/00 20060101ALI20230509BHJP
   H02J 7/04 20060101ALI20230509BHJP
   H01M 10/44 20060101ALI20230509BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20230509BHJP
   B60L 53/68 20190101ALI20230509BHJP
   B60L 53/67 20190101ALI20230509BHJP
   B60L 53/62 20190101ALI20230509BHJP
   B60L 53/53 20190101ALI20230509BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230509BHJP
   G16Y 20/20 20200101ALI20230509BHJP
   G16Y 40/30 20200101ALI20230509BHJP
【FI】
H02J7/00 P
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
H02J7/04 H
H01M10/44 Q
H01M10/48 P
B60L53/68
B60L53/67
B60L53/62
B60L53/53
G16Y10/40
G16Y20/20
G16Y40/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178047
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000124591
【氏名又は名称】河村電器産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078721
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 喜樹
(72)【発明者】
【氏名】馬渡 弘友希
(72)【発明者】
【氏名】河合 智成
(72)【発明者】
【氏名】浅井 成実
(72)【発明者】
【氏名】平井 孝資
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5H030
5H125
【Fターム(参考)】
5G064AA04
5G064AC05
5G064AC09
5G064CB06
5G064CB08
5G064CB12
5G503AA01
5G503AA04
5G503BB01
5G503CB06
5G503CB16
5G503CC07
5G503EA05
5G503FA06
5G503GB06
5G503GD03
5H030AA02
5H030AS08
5H030BB01
5H030FF42
5H030FF52
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC23
5H125AC24
5H125BE02
(57)【要約】
【課題】 繁忙期には充電器を高出力モードに移行させて、短時間充電を実施する車両充電システムを提供する。
【解決手段】 複数の充電器2と、商用電力に加えて蓄電池31の電力を充電器2に供給する蓄電池盤3と、通信ネットワークNを介して蓄電池盤3を管理する管理サーバ4とを有し、蓄電池盤3は、コンバータユニット32と、インバータユニット33と、管理サーバ4と通信する外部通信部35とを有している。充電器2は、蓄電池31を使用しない低出力モードと、蓄電池31を使用する高出力モードとの2段階の充電モードを有し、管理サーバ4は、充電器2が頻繁に使用される繁忙期を記憶するカレンダー情報記憶部41を有して、管理サーバCPU42は、カレンダー情報記憶部41の情報を基に、蓄電池盤3を介して繁忙期には充電モードを高出力モードにする。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続された車両に充電電力を供給する複数の充電器と、商用電力に加えて蓄電池の電力を前記充電器に供給する蓄電池盤と、通信ネットワークを介して前記蓄電池盤を管理する管理サーバとを有する車両充電システムであって、
前記蓄電池盤は、前記商用電力を直流変換するAC/DC変換部と、
前記AC/DC変換部の出力と、前記蓄電池の出力とを前記充電器に供給するためのDC/AC変換部と、
前記管理サーバと通信する外部通信部とを有する一方、
前記充電器は、低出力モードと前記低出力モードより大きな電流で車両充電を実施する高出力モードとの2段階の充電モードを有し、
前記管理サーバは、前記充電器が頻繁に使用される繁忙期を記憶するカレンダー情報記憶部と、前記蓄電池盤を介して個々の前記充電器の前記充電モードの切換を実施する切換制御部とを有し、
前記切換制御部は、前記カレンダー情報記憶部の情報を基に、前記繁忙期には前記充電モードを高出力モードにすることを特徴とする車両充電システム。
【請求項2】
前記蓄電池盤は、充電待ち車両の有無を認識するためのカメラを有して、前記カメラの撮像映像を前記管理サーバに送信し、
前記管理サーバは、前記蓄電池盤から送信された前記カメラの撮像映像情報を基に、充電器利用状況を判断する状況判断部を有し、
前記切換制御部は、前記繁忙期で無くても前記状況判断部が充電待ち車両が発生していると判断したら、充電器の前記充電モードを高出力モードに変更することを特徴とする請求項1記載の車両充電システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、前記蓄電池盤から前記蓄電池の蓄電残量情報を入手し、蓄電残量が所定量以下であったら、前記高出力モードへ移行しないことを特徴とする請求項1又は2記載の車両充電システム。
【請求項4】
前記充電器は、前記充電モードを表示するモード表示部を有し、現在の充電モードが表示されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の車両充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両に搭載された蓄電池を充電するための充電器を複数備えた車両充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
車両を充電するためにサービスエリア等に設置された充電スタンドは、短時間での充電を可能とする高出力充電機能を備えたものが普及している。
例えば、特許文献1では、複数の充電器と、充電器に充電電流を供給する集中蓄電池盤とを備えて、集中蓄電池盤に高速充電を実施するための蓄電池を配置して急速充電を可能とした。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-78235号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記高出力充電機能を備えた充電器は、高出力充電が可能であるため、繁忙期は有効に活用できた。しかしながら、高出力充電を実施する際は、管理者が切換スイッチを操作して低出力充電と高出力充電とを切り替えていたため、管理者の負担が大きかった。
【0005】
そこで、本発明はこのような問題点に鑑み、繁忙期には充電器を高出力モードに移行させて、短時間充電を実施する車両充電システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する為に、請求項1の発明は、接続された車両に充電電力を供給する複数の充電器と、商用電力に加えて蓄電池の電力を充電器に供給する蓄電池盤と、通信ネットワークを介して蓄電池盤を管理する管理サーバとを有する車両充電システムであって、蓄電池盤は、商用電力を直流変換するAC/DC変換部と、AC/DC変換部の出力と、蓄電池の出力とを充電器に供給するためのDC/AC変換部と、管理サーバと通信する外部通信部とを有する一方、充電器は、低出力モードと低出力モードより大きな電流で車両充電を実施する高出力モードとの2段階の充電モードを有し、管理サーバは、充電器が頻繁に使用される繁忙期を記憶するカレンダー情報記憶部と、蓄電池盤を介して個々の充電器の充電モードの切換を実施する切換制御部とを有し、切換制御部は、カレンダー情報記憶部の情報を基に、繁忙期には充電モードを高出力モードにすることを特徴とする。
この構成によれば、繁忙期には高出力モードに自動移行するため、混雑状況に応じた車両充電を実施でき、利用者にとって利便性が良い。また、低出力/高出力の切換作業が必要ないため、管理者の負担を軽減できる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成において、充電待ち車両の有無を認識するためのカメラを有して、カメラの撮像映像を管理サーバに送信し、管理サーバは、蓄電池盤から送信されたカメラの撮像映像情報を基に、充電器利用状況を判断する状況判断部を有し、切換制御部は、繁忙期で無くても状況判断部が充電待ち車両が発生していると判断したら、充電器の充電モードを高出力モードに変更することを特徴とする。
この構成によれば、繁忙期でなくても、充電器の混み具合に応じて高出力モードに切り替えるため、利用者にとって利便性がよい。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の構成において、管理サーバは、蓄電池盤から蓄電池の蓄電残量情報を入手し、蓄電残量が所定量以下であったら、高出力モードへ移行しないことを特徴とする。
この構成によれば、高出力モードへ移行させる条件が揃っても、蓄電池の充電量が所定量以下であったら移行しないため、高出力モードが途中で低出力モードに変更されるようなことを防止でき、利用者は充電終了までの時間を把握し易い。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1乃至3の何れかの記載において、充電器は、充電モードを表示するモード表示部を有し、現在の充電モードが表示されることを特徴とする。
この構成によれば、低出力モード/高出力モードの何れであるか、現在の充電モードが充電器に表示されるため、利用者が充電モードを把握し易い。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、繁忙期には高出力モードに自動移行するため、混雑状況に応じた車両充電を実施でき、利用者にとって利便性が良い。また、低出力/高出力の切換作業が必要ないため、管理者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る車両充電システムの一例を示し、蓄電池盤をブロック図で示した構成図である。
図2】管理サーバのブロック図である。
図3】充電器の充電モード切換制御の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を具体化した実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明に係る車両充電システムの一例を示す構成図であり、蓄電池盤をブロックで示している。車両充電システム1は、充電対象の車両5が接続される充電器2、蓄電池31を備えて充電器2を制御する蓄電池盤3、蓄電池盤3を管理する管理サーバ4等で構成されている。また、蓄電池盤3には、充電器2に接続された車両5を認識する車両検知センサ7、充電待ち状況を把握するためのカメラ8が接続されている。
【0013】
尚、蓄電池盤3には複数の充電器2が接続されているし、管理サーバ4は複数の蓄電池盤3を管理している。充電器2、車両検知センサ7、カメラ8は蓄電池盤3に接続され、管理サーバ4は通信ネットワークNを介して蓄電池盤3と接続されている。
【0014】
蓄電池盤3は、蓄電池31に加えて、交流を直流に変換するコンバータユニット32、充電器2に充電電力を供給するためのインバータユニット33、蓄電池盤3を制御する制御コントローラ34、管理サーバ4と通信する外部通信部35等を備えている。
コンバータユニット32はAC/DC変換回路を有し、図示しない高圧受電設備から商用電力が供給され、直流変換された出力が、蓄電池31及びインバータユニット33に供給される。インバータユニット33はDC/AC変換回路を有し、コンバータユニット32が出力する直流電力と蓄電池31の放電電力の合算電力が交流変換され、車両充電電力として充電器2に供給される。
【0015】
制御コントローラ34は、蓄電池盤3の制御に加え、充電器2及び蓄電池31を制御する。具合的に、管理サーバ4からの指示を受けて、充電器2の充電モードの切換を実施し、車両検知センサ7、カメラ8の撮像画像、蓄電池31の蓄電残量情報を管理サーバ4に通知し、蓄電池31の充放電を制御する。
蓄電池31には、充放電を管理するBMS(Battery Management System)が設けられており、制御コントローラ34はこのBMSと通信して蓄電池31を制御する。
【0016】
充電器2は、供給された交流電流を内部で直流に変換して車両5に供給する。また、モード表示部2aを有し、現在の充電モードが、例えば50kWで充電を実施する低出力モード、例えば100kWで充電を実施する高出力モードの何れであるか表示される。
【0017】
車両検知センサ7は、充電器2が接続される車両5を検知する。例えば、充電のための駐車エリアに車両5が駐車したらそれを検知して、制御コントローラ34に通知する。
【0018】
カメラ8は、充電待ちの車両5を検知するためのもので、設定された充電待ちエリアを撮像して、充電待ち車両5を撮像する。制御コントローラ34は、この画像情報を基に充電待ち車両5の混雑状況を判別する。
【0019】
図2は管理サーバ4のブロック図を示している。管理サーバ4は、充電器が混み合う時期、曜日、時間帯等を記憶するカレンダー情報記憶部41、管理サーバ4を制御する管理サーバCPU42、カメラ8から送られてきた撮像画像から車両を判別する画像解析部43、蓄電池盤3と通信する管理サーバ通信IF44等を備えている。
管理サーバCPU42は、カレンダー情報記憶部41の情報に加えて、蓄電池盤3から送られて来る充電器2の使用情報、カメラ8の撮像画像情報、蓄電池31の蓄電量情報を加味して、充電器2の出力モードの切換制御を実施する。
充電器2の出力モードは、主に商用電力で車両充電を実施する低出力モードと、商用電源に加えて蓄電池31の放電電力を使用して低出力モードより大電流で充電を実施する高出力モードの2種類がある。
このように、管理サーバCPU42は、充電器2の充電モードの切換を実施する切換制御部、充電器2の利用状況を判断する状況判断部としての機能を備えている。
尚、9はカレンダー情報等を管理サーバ4に入力するための管理用パーソナルコンピュータを示している。
【0020】
上記の如く構成された車両充電システム1の充電器2の低出力モード/高出力モードの切換制御は以下のように実施される。尚、この制御は、充電器2に車両5が接続されたら動作を開始する。
図3は、切換制御の流れを示すフローチャートであり、この図を参照して説明する。最初に充電器2が頻繁に使用される繁忙期であるか判断する(S1)。繁忙期であったら、時間帯を判断し(S2)、充電渋滞が発生する時間帯であったら(S2でYES)、蓄電池盤3の蓄電池31の蓄電残量を確認し(S3)、10%以上であったら充電器2を高出力モードにする(S4)。しかし、蓄電残量が10%未満であったら、低出力モードにする(S5)。
また、S2で充電渋滞が発生する時間帯で無ければ、低出力モードとする(S5)。
【0021】
一方、繁忙期でなく(S1でNO)、且つカメラ8の撮像画像から充電待ち車両5もないと判断したら(S6でNO)、低出力モードとするが、繁忙期で無くても充電待ち車両5があると判断したら(S6でYES)、電池残量が10%以上であることを確認し(S7でYES)、高出力モードに移行させる(S8)。しかし、充電待ち車両5があっても、蓄電残量が10%未満であったら(S7でNO)、低出力モードとする(S5)。
【0022】
尚、車両検知センサ7の情報は、充電が完了しているにも関わらず駐車し続けている車両の検知に使用され、管理サーバCPU42はそのような車両5を認識したら、管理者等に通知して、充電器2の効率の良い利用を促す。
【0023】
このように、繁忙期には高出力モードに自動移行するため、混雑状況に応じた車両5の充電を実施でき、利用者にとって利便性が良い。また、低出力/高出力の切換作業が必要ないため、管理者の負担を軽減できる。
また、繁忙期でなくても、充電器2の充電待ち車両5の有無で高出力モードへの切換を判断するため、利用者にとって利便性がよい。
更に、高出力モードへ移行させる条件が揃っても、蓄電池31の充電量が所定量以下であったら移行しないため、高出力モードが途中で低出力モードに変更されるようなことを防止でき、利用者は充電終了までの時間を把握し易い。
加えて、低出力モード/高出力モードの何れであるか、現在の充電モードが充電器2に表示されるため、利用者がそれを把握し易い。
【0024】
尚、上記実施形態では、蓄電池31の残容量が10%以上有るか無いかを、高出力モードへの切替判断の材料としているが、この数値は蓄電池の蓄電容量等で変更される数値であり、任意である。
また、低出力モードでは、商用電力による車両充電を基本とするが、蓄電池31が満充電或いはそれに近い充電状態であれば、蓄電池31の放電電力を使用しても良い。
また、システム内に高出力モード機能の無い充電器2が混在している場合は、高出力モードに移行可能な充電器2のみ移行制御が実施される。
【符号の説明】
【0025】
1・・車両充電システム、2・・充電器、2a・・モード表示部、3・・蓄電池盤、4・・管理サーバ、5・・車両、7・・車両検知センサ、8・・カメラ、31・・蓄電池、32・・コンバータユニット(AC/DC変換部)、33・・インバータユニット(DC/AC変換部)、34・・制御コントローラ、35・・外部通信部、41・・カレンダー情報記憶部、42・・管理サーバCPU(切換制御部、状況判断部)、N・・通信ネットワーク。
図1
図2
図3