(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067148
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置および経路探索方法
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230509BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230509BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178157
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】弁理士法人湘洋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 冬樹
(72)【発明者】
【氏名】安西 俊孝
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HB22
2C032HC08
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
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2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
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5H181LL02
5H181LL07
5H181LL08
5H181LL11
5H181LL15
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、荷の大きさにより車両のサイズが変化する車両において、予期せぬ衝突を事前に避ける経路を利用することができる技術を提供することにある。
【解決手段】
本発明に係るナビゲーション装置は、道路の大きさを含む道路の形状の情報を記憶する道路形状記憶部と、車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、目的地の入力を受け付ける入力受付部と、車両の所定の位置に設置されたカメラを通じて荷台に載置した荷の情報を取得する荷情報取得部と、荷情報取得部で取得した情報を用いて荷の大きさを算出する荷サイズ算出部と、道路の形状の情報と、荷台に関する情報と、現在位置と、目的地と、荷の大きさと、を用いて、荷が載置された車両が通行可能な目的地までの経路を算出する経路算出部と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
道路の大きさを含む道路の形状の情報を記憶する道路形状記憶部と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、
前記車両の目的地の入力を受け付ける入力受付部と、
前記車両の所定の位置に設置されたカメラを通じて荷台に載置した荷の情報を取得する荷情報取得部と、
前記荷情報取得部で取得した情報を用いて前記荷の大きさを算出する荷サイズ算出部と、
前記道路の形状の情報と、前記荷台に関する情報と、前記現在位置取得部により取得した前記現在位置と、前記入力受付部で受け付けた前記目的地と、前記荷サイズ算出部で算出した前記荷の大きさと、を用いて、前記荷が載置された前記車両が通行可能な前記目的地までの経路を算出する経路算出部と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記道路の大きさには地上高の制限情報が含まれ、
前記荷台に関する情報には、前記荷台の地上高に関する情報が含まれ、
前記荷の大きさには、前記荷の高さに関する情報が含まれ、
前記経路算出部は、前記荷台の地上高と、前記荷の高さと、を用いて前記荷台に載置した前記荷の地上高を算出し、前記地上高の制限情報を用いて前記車両が通行可能な経路を算出する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置であって、
前記道路の大きさには、前記道路の道路幅の情報が含まれ、
前記荷台に関する情報には、前記荷台の幅に関する情報が含まれ、
前記荷の大きさには、前記荷の長手方向の長さに関する情報が含まれ、
前記経路算出部は、前記荷台の幅と、前記荷の長手方向の長さと、を用いて前記荷台に載置した前記荷の旋回軌跡を算出し、前記道路幅の情報を用いて前記車両が旋回可能な経路を算出する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記荷情報取得部は、前記荷を撮影して前記荷の情報を取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路算出部は、算出した前記目的地までの経路のうち、衝突可能性のある地点を強調表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、
前記経路算出部は、衝突可能性のある地点について注意メッセージを表示する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置を用いた経路探索方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
道路の大きさを含む道路の形状の情報を記憶する道路形状記憶部と、
車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、プロセッサーと、を備え、
前記プロセッサーは、
前記車両の目的地の入力を受け付ける入力受付ステップと、
前記車両の所定の位置に設置されたカメラを通じて荷台に載置した荷の情報を取得する荷情報取得ステップと、
前記荷情報取得ステップにて取得した情報を用いて前記荷の大きさを算出する荷サイズ算出ステップと、
前記道路の形状の情報と、前記荷台に関する情報と、前記現在位置取得部により取得した前記現在位置と、前記入力受付ステップにて受け付けた前記目的地と、前記荷サイズ算出ステップにて算出した前記荷の大きさと、を用いて、前記荷が載置された前記車両が通行可能な前記目的地までの経路を算出する経路算出ステップと、
を実施することを特徴とする経路探索方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置および経路探索方法の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
「車両の幅、高さ及び重量を含む車両諸元情報を取得する車両情報取得手段と、通行可能車両の幅、高さ又は重量が制限されている通行制限箇所に関する通行制限情報を取得する通行制限情報取得手段と、車両諸元情報と通行制限情報とに基づいて、通行制限箇所のうち車両が通行できない通行不能箇所を判定する通行不能箇所判定手段と、通行不能箇所を対象外として、車両の現在地から目的地までの誘導経路を算出する誘導経路算出手段とを設ける。車両情報取得手段では、電子ナンバープレートから車両諸元情報を取得する」ナビゲーション装置に係る技術が、特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような技術では、車両諸元情報を電子ナンバープレートから取得して、通行不能箇所を判定し誘導経路を算出することができる。しかし、カーキャリアカーやピックアップトラック等、車両の走行時の最高点や車両の前後長等のサイズが積載する荷の大きさや形状に依存する車両の場合には、車両諸元情報は役に立たず、予期せぬ衝突が起こる可能性が高い誘導経路を算出してしまうことがある。
【0005】
本発明の目的は、荷の大きさにより車両のサイズが変化する車両において、予期せぬ衝突を事前に避ける経路を利用することができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題の少なくとも一部を解決する手段を複数含んでいるが、その例を挙げるならば、以下のとおりである。上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、道路の大きさを含む道路の形状の情報を記憶する道路形状記憶部と、車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、前記車両の目的地の入力を受け付ける入力受付部と、前記車両の所定の位置に設置されたカメラを通じて荷台に載置した荷の情報を取得する荷情報取得部と、前記荷情報取得部で取得した情報を用いて前記荷の大きさを算出する荷サイズ算出部と、前記道路の形状の情報と、前記荷台に関する情報と、前記現在位置取得部により取得した前記現在位置と、前記入力受付部で受け付けた前記目的地と、前記荷サイズ算出部で算出した前記荷の大きさと、を用いて、前記荷が載置された前記車両が通行可能な前記目的地までの経路を算出する経路算出部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、荷の大きさにより車両のサイズが変化する車両において、予期せぬ衝突を事前に避ける経路を利用することができる技術を提供することが可能となる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】ナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
【
図2】地図情報記憶部のデータ構造の例を示す図である。
【
図3】道路形状記憶部のデータ構造の例を示す図である。
【
図4】経路補足情報のデータ構造の例を示す図である。
【
図5】ナビゲーション装置のハードウェア構成例を示す図である。
【
図7】旋回軌跡と道路幅の関係の例を示す図である。
【
図8】カメラによる地上高の計算の例を示す図である。
【
図9】経路算出処理の処理フローの例を示す図である。
【
図10】経路候補表示処理の処理フローの例を示す図である。
【
図11】経路候補表示処理の画面出力の例を示す図である。
【
図12】経路候補表示処理の画面出力の別の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係るナビゲーションシステムについて、図面を参照して説明する。なお、
図1~
図12は、ナビゲーションシステム1の全ての構成を示すものではなく、理解容易のため、適宜、構成の一部を省略して描いている。以下の実施形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
【0010】
また、以下の実施形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
【0011】
さらに、以下の実施形態において、その構成要素(要素ステップ等も含む)は、特に明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0012】
同様に、以下の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは特に明示した場合および原理的に明らかにそうではないと考えられる場合等を除き、実質的にその形状等に近似または類似するもの等を含むものとする。このことは、数値および範囲についても同様である。
【0013】
また、以下の説明では、「メモリ」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上のメモリデバイスであり、典型的には主記憶デバイスでよい。メモリにおける少なくとも一つのメモリデバイスは、揮発性メモリデバイスであってもよいし不揮発性メモリデバイスであってもよい。
【0014】
また、以下の説明では、「ストレージ装置」は、一つ以上の記憶デバイスの一例である一つ以上の永続記憶デバイスでよい。永続記憶デバイスは、典型的には、不揮発性の記憶デバイス(例えば補助記憶デバイス)でよく、具体的には、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、NVME(Non-Volatile Memory Express)ドライブ、又は、SCM(Storage Class Memory)でよい。
【0015】
また、以下の説明では、「記憶部」は、メモリとストレージ装置のうちメモリかまたはメモリとストレージ装置の両方であってもよい。
【0016】
また、以下の説明では、「処理部」または「プロセッサー」は、一つ以上のプロセッサーデバイスでよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、典型的には、CPU(Central Processing Unit)のようなマイクロプロセッサーデバイスでよいが、GPU(Graphics Processing Unit)のような他種のプロセッサーデバイスでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、シングルコアでもよいしマルチコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、プロセッサーコアでもよい。少なくとも一つのプロセッサーデバイスは、処理の一部又は全部を行うハードウェア記述言語によりゲートアレイの集合体である回路(例えばFPGA(Field-Programmable Gate Array)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit))といった広義のプロセッサーデバイスでもよい。
【0017】
また、以下の説明では、「yyy部」の表現にて機能を説明することがあるが、機能は、一つ以上のコンピュータプログラムがプロセッサーによって実行されることで実現されてもよいし、一つ以上のハードウェア回路(例えばFPGA又はASIC)によって実現されてもよいし、それらの組合せによって実現されてもよい。プログラムがプロセッサーによって実行されることで機能が実現される場合、定められた処理が、適宜に記憶装置及び/又はインターフェース装置等を用いながら行われるため、機能はプロセッサーの少なくとも一部とされてもよい。機能を主語として説明された処理は、プロセッサーあるいはそのプロセッサーを有する装置が行う処理としてもよい。プログラムは、プログラムソースからインストールされてもよい。プログラムソースは、例えば、プログラム配布計算機又は計算機が読み取り可能な記録媒体(例えば非一時的な記録媒体)であってもよい。各機能の説明は一例であり、複数の機能が一つの機能にまとめられたり、一つの機能が複数の機能に分割されたりしてもよい。
【0018】
また、以下の説明では、「プログラム」や「処理部」を主語として処理を説明する場合には、プログラムや処理部を主語として説明された処理は、プロセッサーあるいはそのプロセッサーを有する装置が行う処理としてもよい。また、二つ以上のプログラムが一つのプログラムとして実現されてもよいし、一つのプログラムが二つ以上のプログラムとして実現されてもよい。
【0019】
また、以下の説明では、「ナビゲーションシステム」は、一つ以上の物理的な計算機(例えば、カーナビゲーション装置等のナビゲーション装置)で構成されたシステムでもよいし、物理的な計算リソース群(例えば、クラウド基盤)上に実現されたシステム(例えば、クラウドコンピューティングシステム)でもよい。ナビゲーション装置が表示用情報を「表示する」ことは、ナビゲーション装置が有する表示デバイスに表示用情報を表示することであってもよいし、ナビゲーション装置が表示用計算機(スマートフォンやタブレットパソコン等)に表示用情報を送信することであってもよい(後者の場合は表示用計算機によって表示用情報が表示される)。
【0020】
[実施例]本実施例では、荷台に載置されたカメラを用いて荷台および荷を実際に撮影して得たサイズ情報(主に、荷高さ、荷長さ(前方および後方への荷のオーバーハングの長さ))を用いて、ナビゲーション装置が提供する経路上の所定の地点を通行可能でないと判定した場合、その地点にマーキングを行い、誘導経路として選択されないようにする例を説明する。
【0021】
図1は、ナビゲーションシステムの構成例を示す図である。ナビゲーションシステム1は、カメラ制御ユニット100と、出力装置群110と、入力装置群120と、高さ計測カメラ130と、長さ計測カメラ140と、ナビゲーション装置200と、を含む。また、カメラ制御ユニット100と、出力装置群110と、入力装置群120と、高さ計測カメラ130と、長さ計測カメラ140と、ナビゲーション装置200とは、互いに車載ネットワークにより通信可能に接続される。
【0022】
この車載ネットワークは、車載Ethernet、CAN FD(CAN with Flexible Data-Rate)、CXPI(Clock Extension Peripheral Interface)等の車載ネットワーク、Bluetooth(登録商標)、USB(Universal Serial Bus)等の有線接続、Wi-Fi(登録商標)、インターネットあるいはイントラネット等を含む各種のネットワークである。車載ネットワークは、これに限られず、さらに、WAN(Wide Area Network)、携帯電話網等、あるいはこれらが複合した通信網であってもよい。また、車載ネットワークは、携帯電話通信網等の無線通信網上のVPN(Virtual Private Network)等であってもよい。
【0023】
カメラ制御ユニット100には、画像取得部101と、画像認識処理部102と、が含まれる。また、カメラ制御ユニット100には、高さ計測カメラ130と、長さ計測カメラ140と、あるいはそのいずれかのカメラが接続されている。
【0024】
画像取得部101は、高さ計測カメラ130と、長さ計測カメラ140と、あるいはそのいずれかのカメラを制御して、高さ計測カメラ130と、長さ計測カメラ140と、あるいはそのいずれかのカメラから画像を取得する。
【0025】
画像認識処理部102は、画像取得部101が取得した画像に対して画像認識処理を行い、映り込んだ物体(荷)の輪郭の特定、映り込んだ物体(荷)の認識および特定を行う。
【0026】
出力装置群110には、ディスプレイ111と、ブザー装置112と、スピーカー113と、あるいは少なくともそのいずれかが含まれる。ディスプレイ111は、カメラ制御ユニット100またはナビゲーション装置200が作成した画面情報を表示させる。ブザー装置112は、カメラ制御ユニット100またはナビゲーション装置200が作成した発音指示を受け付けて、ブザー音を発する。スピーカー113は、カメラ制御ユニット100またはナビゲーション装置200が作成した音声情報を受け付けて、発音(再生)する。
【0027】
入力装置群120には、タッチパネル121と、車速センサー122と、GPS(Global Positioning System)センサー123と、アクセルセンサー124と、ブレーキセンサー125と、車高センサー126と、が含まれる。少なくとも、入力装置群120には、GPSセンサー123が含まれる。
【0028】
タッチパネル121は、ディスプレイ111の表示面に搭載され、ディスプレイ111の表面に接触した導電体のディスプレイ111上の接触位置(座標)および接触動作の種類(タップ、ロングタップ、マルチタップ、スワイプ、ピンチ等)を検出する。
【0029】
車速センサー122は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両が走行する速度を検出する。GPSセンサー123は、GPS電波を受信して、現在位置を特定する。なお、GPSセンサー123は、GPSに限られるものではなく、GLONASS(Global Navigation Satellite System)等の衛星からの電波を受信して、地球上の緯度経度等の座標情報を得るものであってもよい。アクセルセンサー124は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両のアクセル開度を検出する。ブレーキセンサー125は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両のブレーキ踏力を検出する。車高センサー126は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両の荷台の地上高を検出する。
【0030】
高さ計測カメラ130は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両の荷台に載置された荷の高さを計測するために設置されるカメラである。また、高さ計測カメラ130は、可視光を撮像するものであるが、赤外光等の不可視光を撮像するものであってもよいことは、言うまでもない。
【0031】
長さ計測カメラ140は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両の荷台に載置された荷の、車両前後方向の長さを計測するために設置されるカメラである。また、長さ計測カメラ140は、可視光を撮像するものであるが、赤外光等の不可視光を撮像するものであってもよいことは、言うまでもない。
【0032】
ナビゲーション装置200は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両の経路を誘導する装置である。ナビゲーション装置200には、記憶部210と、処理部220と、が含まれる。記憶部210には、地図情報記憶部211と、道路形状記憶部212と、経路補足情報記憶部213と、が含まれる。処理部220には、入力受付部221と、現在位置取得部222と、経路算出部223と、経路検証部224と、荷情報取得部225と、荷サイズ算出部226と、が含まれる。
【0033】
図2は、地図情報記憶部のデータ構造の例を示す図である。地図情報記憶部211では、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)211aごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ211bが対応付けられる。
【0034】
リンクデータ211bは、リンクの識別子であるリンクID211cごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード・終了ノード211d)の座標情報と、リンクを含む道路の種別を示す道路種別211eと、リンクの長さを示すリンク長211fと、予め記憶されたリンク旅行時間211gと、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク211hと、経路探索を行う際にコストとして用いるリンクコスト211jと、リンクの渋滞度を特定する渋滞度211kと、を含む。
【0035】
なお、ここでは、リンクの両端のノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理する。
【0036】
図3は、道路形状記憶部のデータ構造の例を示す図である。道路形状記憶部212は、道路の大きさを含む道路の形状の情報を記憶する。道路の大きさには、地上高の情報、あるいは道路の道路幅の情報を含む。具体的には、道路形状記憶部212は、道路を特定する道路ID212aと、道路幅を特定する道路幅212bと、地上高212cと、道路および道路に面する構造物の3Dモデル等の道路形状データ212dと、を含む。
【0037】
図4は、経路補足情報記憶部のデータ構造の例を示す図である。経路補足情報記憶部213は、緯度と経度を特定する経路上の位置213aと、位置213aにある対象物を特定する213bと、位置213aにて示すメッセージ213cと、が含まれる。
【0038】
図1の説明に戻る。入力受付部221は、タッチパネル121を介して入力された利用者からの入力指示を受け付け、その入力指示に関する情報であるタッチの座標位置とともに、要求内容に対応する処理を実行するように他の処理部へ伝達する。例えば、利用者が経路の探索を要求したときは、その要求指示内容を経路算出部223に要求する。
【0039】
現在位置取得部222は、GPSセンサー123を用いて、現在地の座標を特定する。
【0040】
経路算出部223は、現在地と、目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。当該経路探索においては、経路算出部223は、地図情報記憶部211およびダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコスト211jに基づいて、リンクコスト211jの合計が最小となる経路を探索する。なお、経路算出部223は、リンクコスト211jに限られず、リンク長211fあるいはリンク旅行時間211gを用いて経路を探索してもよい。あるいは経路算出部223は、経路算出を、図示しないインターネット等のネットワークを介してクラウドサーバー等に依頼して、算出された経路を受信することで取得するようにしてもよい。また、経路算出部223は、算出した経路のうち、衝突可能性のある地点を強調表示する。あるいは、経路算出部223は、算出した経路のうち、衝突可能性のある地点について注意メッセージを表示する。
【0041】
経路検証部224は、経路算出部223の処理の一部として動作し、経路算出部223が算出した経路について、衝突可能性のある地点が含まれていないか検証し、含まれている場合にはその地点を特定する。その処理において、経路検証部224は、車両の旋回軌跡を算出して道路幅および道路の形状と対比することで、衝突可能性の算出を行う。すなわち、経路検証部224は、経路上の交差点や曲がり角等において旋回可能か否か判定するといえる。また、経路検証部224は、車高センサー126により取得した荷台の積載面の地上高と、荷の高さと、を用いて荷台に載置した荷の地上高を算出し、道路上の地上高の制限情報と対比して衝突可能性を算出し、車両が通行可能な経路を算出する。すなわち、経路検証部224は、経路上の橋やトンネルをくぐる地点等において通行可能か否か判定するといえる。
【0042】
荷情報取得部225は、ナビゲーションシステム1が搭載される車両の荷台に載置されたカメラを通じて荷台に載置した荷に関する情報を取得する。具体的には、荷情報取得部225は、カメラ制御ユニット100に指示して、高さ計測カメラ130および長さ計測カメラ140の撮影した画像を取得し、荷の存在に関する情報を取得する。
【0043】
荷サイズ算出部226は、荷情報取得部225で取得した情報を用いて荷の大きさを算出する。具体的には、荷サイズ算出部226は、荷情報取得部225で取得した情報すなわち画像を解析し、後述する荷の地上高(荷高さ)の計算の例により荷高さおよび長手方向の荷長さを算出する。
【0044】
図5は、ナビゲーション装置のハードウェア構成例を示す図である。ナビゲーション装置10は、プロセッサー(例えば、CPU:Central Processing Unit、あるいはGPU:Graphics Processing Unit)150と、RAM(Random Access Memory)等のメモリ160と、ハードディスク装置(Hard Disk Drive:HDD)やSSD(Solid State Drive)などのストレージ装置170と、カメラ制御装置30、ディスプレイ装置40、ブザー装置50、スピーカー60および各種入力装置70との接続を行うインターフェースを担うネットワーク接続装置180と、これらを互いに接続するバス190と、を備えた一般的なナビゲーション装置により実現できる。
【0045】
上記したナビゲーション装置200の処理部220の各機能部、すなわち入力受付部221、現在位置取得部222、経路算出部223、経路検証部224、荷情報取得部225、荷サイズ算出部226とは、プロセッサー150が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、メモリ160またはストレージ装置170には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0046】
図6は、カメラの車載例を示す図である。本例では、トンネル等の道路の高さ方向の通行を制限する構造物300との衝突を想定した高さ計測カメラ130および長さ計測カメラ140の搭載例を示している。高さ計測カメラ130は、トラックの前方側の屋根に、荷を撮像範囲に含めて荷台のある後方に向けて取り付けられている。長さ計測カメラ140は、荷台の基部に、荷を撮像範囲に含めて荷の後端に向けて取り付けられている。
【0047】
ただし、これに限られず、車両の形状や荷の特徴に応じて搭載位置を変更してもよい。例えば、カーキャリアカーの場合には、高さ計測カメラを荷台の側面の梁に上方に向けて取り付けるようにしてもよい。車両が車両を荷台に乗せて運ぶカーキャリアカーの場合、荷の積載時の最高点(=荷高さ)は運ばれる車の形状に応じて変化するため、側面からの視点で撮影して最高点の高さを算出するようにしてもよい。あるいは、例えば、重機を荷台に積載して搬送するトラックの場合には、複雑な形状あるいは形状が変化する重機の最高点を適切に検出するために、複数のカメラを備えて複数の視点で撮影して最高点の高さを算出するようにしてもよい。
【0048】
またあるいは、カメラに代えて、レーダーセンサーや距離計による距離計測を行ってもよいし、視差に基づくステレオカメラによる距離計測を行って荷の最高点を計測するようにしてもよい。
【0049】
図7は、旋回軌跡と道路幅の関係の例を示す図である。旋回軌跡とは、
図7に示すように、車両が右左折を行う際に車体および荷が通過する範囲の軌跡である。旋回時には、内側には内輪差による前後輪の軌跡のずれが発生し、外側には後輪軸からの後方へのオーバーハングによる張り出しが発生する。すなわち、旋回軌跡の内側に主に影響する要素は車両のホイールベース(荷台の幅)であり、旋回軌跡の外側に主に影響する要素は車両後方のオーバーハング量であるといえる。例えば、図に示す右折道路400をオーバーハングが短い車両410およびオーバーハングが長い車両411が走行する場合に、荷の後方へのオーバーハング量にΔ(デルタ)Lの差がある場合には、車体左側に必要なスペースにはΔLに応じた差が生じる。つまり、オーバーハングが長い車両411であっても、道路幅がΔLに対して十分なΔWだけ拡幅された広い道路401では、旋回可能であるといえる。
【0050】
図8は、カメラによる地上高の計算の例を示す図である。原理的には、荷台の積載物の高さHは、カメラの視野の中心線からの荷高さ方向の距離Aと、カメラ取付高さYとの和で示される。そして、距離Aは、積載物までの距離Xと撮像面上の高さである撮像高さZの積を、焦点距離fで除した値となる。レンズによる球面収差やコマ収差、非点収差、像面歪曲、歪曲収差等、各種のザイデル収差がある場合であっても、既存の収差を補正するアルゴリズムを適用する処理を行うことにより、距離Aを求めることができる。そして、荷の地上高(荷高さ)は、荷台の積載面の地上高Hcと、荷台の積載物の高さHとの和であるといえる。
【0051】
図9は、経路算出処理の処理フローの例を示す図である。経路算出処理は、ナビゲーション装置200の入力受付部221が所定の経路算出要求を受け付けると、開始される。
【0052】
まず、荷情報取得部225は、カメラ映像を取得する(ステップS001)。具体的には、荷情報取得部225は、カメラ制御ユニット100に指示して、高さ計測カメラ130および長さ計測カメラ140の撮影した画像を取得し、荷の存在に関する情報を取得する。
【0053】
そして、荷サイズ算出部226は、荷高さ(地上高)、荷長さを検知する(ステップS002)。具体的には、荷サイズ算出部226は、画像認識処理部102に荷の画像認識を依頼し、荷情報取得部225で取得した情報すなわち画像を解析し、前述の地上高の計算の例により荷高さを算出する。長手方向の荷長さについても、荷高さと同様の原理により、撮像面上の高さを用いて算出できる。
【0054】
そして、経路検証部224は、旋回軌跡を算出する(ステップS003)。具体的には、経路検証部224は、車両後方のオーバーハング量すなわち長手方向の荷長さを用いて旋回軌跡の外側を算出し、車両の諸元(荷台の幅)を用いて旋回軌跡の内側を算出する。
【0055】
そして、経路算出部223は、経路探索を行う(ステップS004)。具体的には、まず、経路算出部223は、目的地の入力を受け付ける。例えば、経路算出部223は、利用者より入力受付部221および入力装置群120のいずれか(タッチパネル121)を介して目的地となる座標の入力を受け付ける。なお、目的地が施設である場合には、経路算出部223は、該施設の名称や住所、電話番号等の入力を受け付けて施設データを検索し、目的地となる座標を特定するようにしてもよい。
【0056】
そして、経路算出部223は、現在地から目的地までの経路探索を行う。具体的には、経路算出部223は、現在位置取得部222が取得した位置情報を現在地として、目的地を目指す適切な経路(推奨経路)を一つまたは複数探索する。当該経路探索においては、地図情報記憶部211およびダイクストラ法等の経路探索ロジックを用いて、道路の所定の区間(リンク)に対して予め設定されたリンクコストに基づいて、リンクコストが小さい経路を探索することが考えられる。しかし、これに限られず、経路算出部223は、過去の履歴を用いて同様の経路を探索するようにしてもよい。
【0057】
そして、経路検証部224は、経路算出部223が算出した全経路のそれぞれについて、後述するステップS006~ステップS011の処理を実施する(ステップS005,ステップS012)。
【0058】
経路検証部224は、算出した車両の荷高さを用いて、衝突可能性(高さ)の判定を行う(ステップS006)。具体的には、経路検証部224は、車両の荷高さを、経路の道路上のトンネルや歩道橋等の構造物の高さ制限(道路の地上高)と対比することで、衝突可能性の算出を行う。
【0059】
経路上に高さについての衝突可能性が存在しない場合には、経路検証部224は、高さについて該経路はクリアであると判定する(ステップS007)。クリアではない場合(ステップS007にて「No」の場合)には、経路検証部224は、後述するステップS011に制御を進める。
【0060】
クリアである場合(ステップS007にて「Yes」の場合)には、経路検証部224は、算出した車両の旋回軌跡を用いて、衝突可能性(幅)の判定を行う(ステップS008)。具体的には、経路検証部224は、算出した車両の旋回軌跡を、経路の道路幅および道路の形状と対比することで、衝突可能性の算出を行う。
【0061】
経路上に幅についての衝突可能性が存在しない場合には、経路検証部224は、道路幅について該経路はクリアであると判定する(ステップS009)。クリアではない場合(ステップS009にて「No」の場合)には、経路検証部224は、後述するステップS011に制御を進める。
【0062】
クリアである場合(ステップS009にて「Yes」の場合)には、経路検証部224は、該経路に安全フラグを立てる(ステップS010)。具体的には、経路検証部224は、該経路に関連付けて、図示しないメモリ領域に安全フラグを記録する。
【0063】
クリアでない場合(ステップS007またはステップS009のいずれかで「No」の場合)には、経路検証部224は、衝突予測地点にメッセージを付ける(ステップS011)。具体的には、経路検証部224は、衝突が予測される位置に関連付けて、衝突可能性が関連する対象物と、メッセージと、を経路補足情報記憶部213に格納する。例えば、経路検証部224は、経路上のある位置が構造物の高さに関連して衝突可能性がある場合、対象物213bを「構造物」として、メッセージ213cを「選択された経路では、構造物が荷台と衝突する可能性あります。荷台高さ・長さを確認してください。」のような所定のメッセージを経路補足情報記憶部213に格納する。
【0064】
以上が、経路算出処理の流れである。経路算出処理によれば、目的地までの経路探索を行って、経路上の通過地点において、荷高さまたは荷長さに起因する衝突可能性の有無を判定することができる。
【0065】
図10は、経路候補表示処理の処理フローの例を示す図である。経路候補表示処理は、経路算出処理に続けて開始される。
【0066】
まず、経路算出部223は、経路候補を取得する(ステップS101)。具体的には、経路算出部223は、経路算出処理のステップS004にて算出された経路の情報を取得する。
【0067】
そして、経路算出部223は、安全フラグ、経路補足データを取得する(ステップS102)。具体的には、経路算出部223は、経路ごとに、経路算出処理のステップS010で立てられた安全フラグと、ステップS011で経路補足情報記憶部213に格納されたメッセージを含む補足データを取得する。
【0068】
そして、経路算出部223は、安全な経路があるか否か判定する(ステップS103)。具体的には、経路算出部223は、安全フラグが立てられた経路が一つ以上あるか判定する。
【0069】
安全な経路が一つもない場合(ステップS103にて「No」の場合)には、経路算出部223は、道路の重みづけを変更する(ステップS104)。具体的には、経路算出部223は、取得した経路候補を構成するリンクについて、地図情報記憶部211のリンクコスト211jを所定の方法で高く設定する。リンクコストを高くする方法は、リンクコストに所定の係数(例えば、「1.5」等)を掛ける方法や、リンクコストに所定の定数(例えば、「5」等)を足す方法が考えられる。このようにすることで、再探索時に当該経路を避ける経路を探索することが可能となる。そして、経路算出部223は、経路算出処理のステップS004に制御を戻して、経路探索からやり直す(エントリーポイントA)。
【0070】
安全な経路が一つ以上ある場合(ステップS103にて「Yes」の場合)には、経路算出部223は、取得した全経路のそれぞれについて、後述するステップS106~ステップS108の処理を実施する(ステップS105,ステップS109)。
【0071】
経路算出部223は、対象経路が安全か否か判定する(ステップS106)。具体的には、経路算出部223は、対象経路には安全フラグが立てられているか判定する。
【0072】
対象経路が安全である場合(ステップS106にて「Yes」の場合)には、経路算出部223は、選択可能に対象の経路を描画する(ステップS107)。具体的には、経路算出部223は、対象の経路を表示可能な範囲の地図の縮尺を設定して地図を描画し、該地図に経路を重畳させて表示させる。また、経路算出部223は、経路を選択すると、当該経路を誘導する対象として受け付けることが可能となるように経路を表示する。
【0073】
対象経路が安全でない場合(ステップS106にて「No」の場合)には、経路算出部223は、選択不可能に対象の経路を描画し、衝突可能性のある地点を強調表示する(ステップS108)。具体的には、経路算出部223は、対象の経路を表示可能な範囲の地図の縮尺を設定して地図を描画し、該地図に経路を重畳させて表示させる。また、経路算出部223は、経路を選択すると、当該経路を誘導する対象として受け付けることが可能とならないように経路を表示する。そして、経路算出部223は、当該経路上の衝突可能性のある地点を強調する表示(例えば、該地点へのアイコンの配置や、メッセージの表示)を行う。
【0074】
以上が、経路候補表示処理の流れである。経路候補表示処理によれば、目的地までの経路探索を行って、経路上の通過地点において、荷高さまたは荷長さに起因する衝突可能性の有無を示し、衝突可能性のない安全な経路を誘導経路に採用することができる。
【0075】
図11は、経路候補表示処理の画面出力の例を示す図である。経路選択画面500では、出発地から目的地までを含む地図が表示されており、A経路510と、B経路520と、C経路530と、が地図に重畳表示されている。A経路510は衝突可能性のある地点が経路に含まれず、安全な経路であるため、実線で選択可能に表示されている。B経路520およびC経路530は、安全な経路でないため、破線で選択不可能に表示されている。B経路520は、衝突可能性(高さ)のある構造物が経路上に含まれるため、構造物の位置にこれを示すアイコン521が表示され、さらには、「衝突可能性構造物」とのメッセージ525が表示される。C経路530は、衝突可能性(幅)のある交差点が経路上に含まれるため、交差点の位置にこれを示すアイコン531が表示され、さらには、「衝突可能性交差点」とのメッセージ535が表示される。また、C経路530にはさらに、衝突可能性(高さ)のある構造物が経路上に含まれるため、構造物の位置にこれを示すアイコン532が表示され、さらには、「衝突可能性構造物」とのメッセージ536が表示される。
【0076】
図12は、経路候補表示処理の画面出力の別の例を示す図である。経路選択画面550では、経路選択画面500と同様に、出発地から目的地までを含む地図が表示されており、A経路510と、B経路520と、C経路530と、が地図に重畳表示されているものとする。そして、経路算出部223は、安全でないB経路520あるいはC経路530に対する選択を受け付けると、「選択された経路では、構造物が荷台と衝突する可能性あります。荷台高さ・長さを確認してください。」との旨のメッセージウィジェット551を表示する。
【0077】
以上が、実施例に係るナビゲーションシステム1である。実施例に係るナビゲーションシステム1あるいはナビゲーション装置200によれば、荷の大きさにより車両のサイズが変化する車両において、予期せぬ衝突を事前に避ける経路を利用することができる。
【0078】
ただし、本発明は、上記の実施例に制限されない。上記の実施例は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記の実施例では、経路算出処理のステップS006において、高さの衝突可能性を判定し、ステップS008において、幅の衝突可能性を判定しているが、これに限られない。
【0079】
例えば、経路を所定の部分に分割して、各部分について高さおよび幅の判定を同時的に行うようにしてもよい。このようにすることで、地図情報の読み出し効率が上がるため、経路算出の応答時間を短縮することができる。
【0080】
他にも例えば、すべての案内地点において撮像を行う必要はないため、経路上で他車の衝突事故の多発地点を事前に抽出して絞り込むようにしてもよい。このようにすることで、衝突可能性の判定頻度を減らし、電力消費を抑えることが可能となる。
【0081】
以上、変形例について説明した。
【符号の説明】
【0082】
1:ナビゲーションシステム、100:カメラ制御ユニット、101:画像取得部、102:画像認識処理部、110:出力装置群、111:ディスプレイ、112:ブザー装置、113:スピーカー、120:入力装置群、121:タッチパネル、122:車速センサー、123:GPSセンサー、124:アクセルセンサー、125:ブレーキセンサー、126:車高センサー、130:高さ計測カメラ、140:長さ計測カメラ、200:ナビゲーション装置、210:記憶部、211:地図情報記憶部、212:道路形状記憶部、213:経路補足情報記憶部、220:処理部、221:入力受付部、222:現在位置取得部、223:経路算出部、224:経路検証部、225:荷情報取得部、226:荷サイズ算出部。