(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067155
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】支持部材
(51)【国際特許分類】
E02D 27/42 20060101AFI20230509BHJP
A01M 29/30 20110101ALI20230509BHJP
【FI】
E02D27/42 A
A01M29/30
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178167
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】521323532
【氏名又は名称】田畑 稔之
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】田畑 稔之
【テーマコード(参考)】
2B121
2D046
【Fターム(参考)】
2B121BB27
2B121EA26
2B121FA12
2D046DA32
2D046DA37
(57)【要約】
【課題】容易に、支柱をより安定させる。
【解決手段】支持部材10は、一部が地中に埋められたポール110を支持する。支持部材10は、接地部12と、保持部11と、接続部13とを備える。接地部12は、地面に接地する。保持部11は、接地部12の上方に配置され、ポール110を保持する。接続部13は、接地部12と保持部11とを接続する。接地部12は、貫通孔121を有する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が地中に埋められた柱を支持する支持部材であって、
地面に接地する接地部と、
前記接地部の上方に配置され、前記柱を保持する保持部と、
前記接地部と前記保持部とを接続する接続部と
を備え、
前記接地部は、貫通孔を有する、支持部材。
【請求項2】
前記接地部は、円形の平板である、請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記接続部は、前記接地部に対して垂直に配置された平板である、請求項1又は請求項2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記保持部は、筒状であり、
前記接続部は、
前記保持部の側面の上方側に連結される第1連結部と、
前記接地部の上面の外周側に連結される第2連結部と、
前記第1連結部の上方の端部と、前記第2連結部の外周側の端部とを連結する外縁部と
を有する、請求項3に記載の支持部材。
【請求項5】
前記接続部は、前記第1連結部の下方の端部と、前記第2連結部の中央側の端部とを連結する内縁部を更に有する、請求項4に記載の支持部材。
【請求項6】
前記接地部は、前記接地部を地面に固定する固定部材が取り付けられる取付部を有する、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の支持部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持部材に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の杭倒れ防止装置は、略円筒孔形状の杭貫通孔を有し、略円筒孔形状の一方側に地中に埋込み、杭貫通孔を貫通して一端が地中に埋め込まれた杭が倒れることを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の杭倒れ防止装置は、一部を地中に埋め込む必要があり、又、杭を撤去する際には、周囲を元通りにすることが難しい等、設置及び撤去の際の作業性が良くない。
【0005】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、容易に、支柱をより安定させることが可能な支持部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る支持部材は、一部が地中に埋められた柱を支持する。支持部材は、接地部と、保持部と、接続部とを備える。前記接地部は、地面に接地する。前記保持部は、前記接地部の上方に配置され、前記柱を保持する。前記接続部は、前記接地部と前記保持部とを接続する。前記接地部は、貫通孔を有する。
【0007】
本発明に係る支持部材において、前記接地部は、円形の平板であることが好ましい。
【0008】
本発明に係る支持部材において、前記接続部は、前記接地部に対して垂直に配置された平板であることが好ましい。
【0009】
本発明に係る支持部材において、前記保持部は、筒状であることが好ましい。前記接続部は、前記保持部の側面の上方側に連結される第1連結部と、前記接地部の上面の外周側に連結される第2連結部と、前記第1連結部の上方の端部と、前記第2連結部の外周側の端部とを連結する外縁部とを有することが好ましい。
【0010】
本発明に係る支持部材において、前記接続部は、前記第1連結部の下方の端部と、前記第2連結部の中央側の端部とを連結する内縁部を更に有することが好ましい。
【0011】
本発明に係る支持部材において、前記接地部は、前記接地部を地面に固定する固定部材が取り付けられる取付部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、容易に、支柱をより安定させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の実施形態に係る支持部材を用いた防護柵示す図である。
【
図2】支持部材が設けられた柱を上方から見た斜視図である。
【
図3】支持部材が設けられた柱を下方から見た斜視図である。
【
図5】支持部材が取り付けられたポールの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
【0015】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る支持部材10を用いた防護柵100について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る支持部材10を用いた防護柵100を示す図である。
【0016】
防護柵100は、例えば、畑に動物が侵入することを防ぐために設けられる。防護柵100は、複数のポール110と、防護ネット120と、ワイヤー130とで構成される。具体的には、複数のポール110の上側に、鳥の侵入を防ぐ防護ネット120が張られ、複数のポール110の下側に、獣の侵入を防ぐワイヤー130が張られている。ポール110は、柱の一例である。
【0017】
防護柵100を安定して設置するために、ポール110を地中に深く打ち込むことが望ましい。つまり、ポール110は、一部が地中に埋められている。ポール110を地中に深く打ち込むためには、ポール110を長くする必要があり、可搬性及び作業性等が悪くなる。
【0018】
また、ポール110の地中部分が短くても、コンクリート等で周囲を固めたり、杭倒れを防止する部材を一緒に地中に埋めたりして防護柵100の安定性を向上させる方法が考えられるが、防護柵100を撤去する際、周囲を元通りにすることが難しい等のデメリットがあり、ポール110の撤去の際にも作業性が悪い。
【0019】
他に、防護柵100の安定性を向上させるために、ポール110に支持部材10を設けることで、ポール110と地面との接触面積を増やす方法が考えられる。
【0020】
次に、
図1~
図3を参照して、本発明の実施形態に係る支持部材10が設けられた柱について説明する。
図2及び
図3は、本発明の実施形態に係る支持部材10が設けられた柱を示す図である。
図2は、支持部材10が設けられた柱を上方から見た斜視図である。
図3は、支持部材10が設けられた柱を下方から見た斜視図である。
【0021】
支持部材10は、ポール110に接続される。具体的には、支持部材10は、ポール110が地中に打ち込まれる前に、予めポール110の設置位置に配置される。ポール110は、配置された支持部材10を貫通して地中に打ち込まれる。
【0022】
次に、
図4~
図7を参照して、支持部材10を説明する。
図4は、支持部材10の下面図である。
図5は、支持部材10が取り付けられたポール110の側面図である。
図6は、支持部材10の上面図である。
図7は、
図5に示す支持部材10の拡大図である。
【0023】
支持部材10は、保持部11と、接地部12と、3つの接続部13とを備える。接地部12は、地面に接地する。接地部12は、貫通孔121を有する。貫通孔121は、例えば円形であり、接地部12を垂直に貫通する。貫通孔121の径は、ポール110の径と同じ大きさか、ポール110の径より大きい。
【0024】
支持部材10がポール110に取り付けられると、ポール110は、貫通孔121の内側に位置する。貫通孔121は、例えば、接地部12の中央部に位置する。保持部11は、接地部12の上方に配置され、ポール110を保持する。接続部13は、接地部12と保持部11とを接続する。本実施形態において、支持部材10は、単一の素材で構成される。具体的には、保持部11、接地部12及び接続部13は、同じ素材で構成される。例えば、保持部11、接地部12及び接続部13は、金属製又は樹脂製である。
【0025】
保持部11は、例えば、接地部12の上方に固定された筒である。具体的には、保持部11は、貫通孔121の上方に位置する。保持部11には、ポール110が挿入される。保持部11の径は、ポール110の径と同じ大きさか、ポール110の径より大きい。また、保持部11の径は、貫通孔121の径と同じ大きさであってもよいし、異なる大きさであってもよい。
【0026】
例えば、保持部11の下端は、接地部12に連結される。具体的には、保持部11の下端は、貫通孔121の周囲の領域に連結される。
【0027】
保持部11は、挿入されたポール110を固定して保持する。具体的には、
図6及び
図7に示すように、保持部11に挿入されたポール110は、保持部11の外側からボルト11B等で固定される。
【0028】
3つの接続部13は、それぞれ、接地部12と保持部11との間に、接地部12及び保持部11に対して垂直に配置された平板である。接続部13は、第1連結部131と、第2連結部132と、外縁部133と、内縁部134とを有する。第1連結部131は、保持部11の側面の上方側に連結される。第2連結部132は、接地部12の上面の外周側に連結される。
【0029】
支持部材10が金属製である場合、例えば、溶接により、第1連結部131と保持部11の側面とが連結され、第2連結部132と接地部12の上面の外周側とが連結される。
【0030】
また、支持部材10が樹脂製である場合、例えば、保持部11、接地部12及び接続部13が一体成形されることにより、第1連結部131と保持部11の側面とが連結され、第2連結部132と接地部12の上面の外周側とが連結される。
【0031】
外縁部133は、第1連結部131の上方の端部と、第2連結部132の外周側の端部とを連結する。内縁部134は、第1連結部131の下方の端部と、第2連結部132の中央側の端部とを連結する。つまり、ポール110と、接地部12と、内縁部134とで囲まれた領域は空洞である。したがって、接続部13が軽量化される。よって、支持部材10の持ち運びが容易になる。
【0032】
なお、第1連結部131の下方の端部が接地部12であり、第2連結部132の中央側の端部が貫通孔121の縁であってもよい。つまり、接続部13が内縁部134を有していなくてもよい。
【0033】
3つの接続部13は、例えば、互いに等間隔で配置される。具体的には、
図6に示すように、3つの接続部13は、それぞれ、120°間隔で配置される。
【0034】
本実施形態において、接地部12の面積が大きいほど、支持部材10に接続されたポール110を安定させることができる。例えば、
図3に示すように、接地部12は、直径が300mm~400mm程度の円形の平板である。したがって、接地部12は、ポール110を中心とするいずれの方向に対してもポール110を安定させることができる。なお、接地部12は、円形以外の形状でもよい。
【0035】
図7に示すように、例えば、ポール110に対する外縁部133の角度αは、45°である。ポール110に対する内縁部134の角度βは、例えば、45°である。角度α及び角度βは、45°に限らない。また、角度α及び角度βは、互いに異なる角度であってもよい。
【0036】
次に、
図8及び
図9を参照して、支持部材10の変形例を説明する。
図8は、支持部材10の変形例の上面図である。
図9は、
図8に示す支持部材10の側面の拡大図である。
【0037】
支持部材10の変形例における接地部12は、取付部12Hを有する。取付部12Hには、接地部12を地面に固定する固定部材12Pが取り付けられる。例えば、固定部材12Pは、釘及びペグ等である。取付部12Hは、例えば、接地部12に設けられた1つ以上の円形の貫通孔である。取付部12Hの径は、釘又はペグの頭部を除く胴体部が通る程度である。取付部12Hは、円形以外の形状でもよい。
【0038】
釘又はペグの胴体部が、地面に設置された支持部材10の取付部12Hを通り、地面に刺されることで、支持部材10が地面に対して固定される。したがって、ポール110をより安定させることができる。
【0039】
本実施形態において、接続部13の数を3つとしたが、接続部13の数は、3つに限定されない。また、複数の接続部13の間隔は、等間隔でなくてもよい。
【0040】
以上、図面(
図1~
図9)を参照して本発明の実施形態について説明した。ただし、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施できる。また、上記の実施形態に開示される複数の構成要素は適宜改変可能である。例えば、ある実施形態に示される全構成要素のうちのある構成要素を別の実施形態の構成要素に追加してもよく、または、ある実施形態に示される全構成要素のうちのいくつかの構成要素を実施形態から削除してもよい。
【0041】
また、図面は、発明の理解を容易にするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の構成は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、柱の支持の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0043】
10 :支持部材
11 :保持部
12 :接地部
12H :取付部
12P :固定部材
13 :接続部
110 :ポール
121 :貫通孔
131 :第1連結部
132 :第2連結部
133 :外縁部
134 :内縁部
α :角度
β :角度
【手続補正書】
【提出日】2022-11-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が地中に埋められた柱を支持する支持部材であって、
地面に接地する接地部と、
前記接地部の上方に配置され、前記柱を保持する保持部と、
前記接地部と前記保持部とを接続する接続部と
を備え、
前記接地部は、貫通孔を有し、
前記保持部は、筒状であり、
前記接続部は、
前記保持部の側面の上方側に連結される第1連結部と、
前記接地部の上面の外周側に連結される第2連結部と、
前記第1連結部の上方の端部と、前記第2連結部の外周側の端部とを連結する外縁部と
を有し、
前記第1連結部の前記上方の端部は、前記保持部の上端と下端との間における中央の位置より前記保持部の前記上端側に連結され、
前記第2連結部の前記外周側の端部は、前記接地部の縁と前記貫通孔の縁との間における中央の位置より前記接地部の前記外周側に連結される、支持部材。
【請求項2】
前記接地部は、円形の平板である、請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記接続部は、前記接地部に対して垂直に配置された平板である、請求項1又は請求項2に記載の支持部材。
【請求項4】
前記接続部は、前記第1連結部の下方の端部と、前記第2連結部の中央側の端部とを連結する内縁部を更に有する、請求項1に記載の支持部材。
【請求項5】
前記接地部は、前記接地部を地面に固定する固定部材が取り付けられる取付部を有する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の支持部材。
【手続補正書】
【提出日】2023-04-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一部が地中に埋められた柱を支持する支持部材であって、
地面に接地する接地部と、
前記接地部の上方に配置され、前記柱を固定して保持する保持部と、
前記接地部と前記保持部とを接続する接続部と
を備え、
前記接地部は、貫通孔を有し、
前記保持部は、筒状であり、
前記接続部は、
前記保持部の側面の上方側に連結される第1連結部と、
前記接地部の上面の外周側に連結される第2連結部と、
前記第1連結部の上方の端部と、前記第2連結部の外周側の端部とを連結する外縁部と
を有し、
前記第1連結部の前記上方の端部は、前記保持部の上端と下端との間における中央の位置より前記保持部の前記上端側に連結され、
前記第2連結部の前記外周側の端部は、前記接地部の縁と前記貫通孔の縁との間における中央の位置より前記接地部の前記外周側に連結され、
前記接地部は、円形の平板であり、
前記保持部には、前記柱が挿入され、
前記保持部は、挿入された前記柱を外側から固定する、支持部材。
【請求項2】
前記接続部は、前記接地部に対して垂直に配置された平板である、請求項1に記載の支持部材。
【請求項3】
前記接続部は、前記第1連結部の下方の端部と、前記第2連結部の中央側の端部とを連結する内縁部を更に有する、請求項1に記載の支持部材。
【請求項4】
前記接地部は、前記接地部を地面に固定する固定部材が取り付けられる取付部を有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の支持部材。