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特開2023-67156アイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラム
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  • 特開-アイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラム 図1
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  • 特開-アイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラム 図6C
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067156
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】アイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04817 20220101AFI20230509BHJP
   H04M 1/724 20210101ALI20230509BHJP
【FI】
G06F3/0481 170
H04M1/724
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178168
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000001487
【氏名又は名称】フォルシアクラリオン・エレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078880
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100183760
【弁理士】
【氏名又は名称】山鹿 宗貴
(72)【発明者】
【氏名】松下 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】椎名 あずさ
(72)【発明者】
【氏名】佐倉 淳
【テーマコード(参考)】
5E555
5K127
【Fターム(参考)】
5E555AA02
5E555AA04
5E555BA02
5E555BA04
5E555BA05
5E555BA06
5E555BA20
5E555BA23
5E555BA24
5E555BB02
5E555BB04
5E555BB05
5E555BB06
5E555BB20
5E555BB23
5E555BB24
5E555BC07
5E555BC08
5E555BE12
5E555CA12
5E555CB14
5E555CB59
5E555CC03
5E555DA02
5E555DB18
5E555DC13
5E555DC26
5E555DC36
5E555FA08
5K127AA12
5K127BA03
5K127CA10
5K127CB22
5K127CB30
5K127GA04
5K127GA29
5K127HA08
(57)【要約】
【課題】表示エリアに表示中のアイコンを削除して別のアイコンを配置する際の操作性を向上させること。
【解決手段】アイコン表示制御装置を、アイコンを配置可能な第1の表示エリアを表示するエリア表示部と、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するための所定の操作が行われると、第1の表示エリアに既に配置されている第2のアイコンを削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移部と、削除モードにおいて第2のアイコンが削除されると、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するアイコン配置部と、を備える構成とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アイコンを配置可能な第1の表示エリアを表示するエリア表示部と、
前記第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するための所定の操作が行われると、前記第1の表示エリアに既に配置されている第2のアイコンを削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移部と、
前記削除モードにおいて前記第2のアイコンが削除されると、前記第1の表示エリアに前記第1のアイコンを配置するアイコン配置部と、を備える、
アイコン表示制御装置。
【請求項2】
前記削除モードに遷移してから前記第2のアイコンが削除されるまでの期間、前記第1のアイコンは、前記第1の表示エリアと異なる第2の表示エリアに配置される、
請求項1に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項3】
前記削除モード中、画面のなかで、前記第1の表示エリア及び前記第2の表示エリア以外のエリアを、前記第1の表示エリア及び前記第2の表示エリアよりも低い輝度で表示する、
請求項2に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項4】
前記削除モード中、前記第2のアイコンが配置された前記第1の表示エリアを、前記削除モードに遷移する前と比べて、拡大して表示する、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項5】
前記削除モード中、前記第1のアイコンも削除対象として設定される、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項6】
前記所定の操作が行われたときに前記第1の表示エリアに前記第1のアイコンを配置するスペースがない場合に、前記削除モード遷移部は、前記削除モードに遷移する、
請求項1から請求項5の何れか一項に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項7】
前記アイコン配置部は、前記第2のアイコンを削除することによって空いたスペースに前記第1のアイコンを配置する、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載のアイコン表示制御装置。
【請求項8】
アイコンを配置可能な第1の表示エリアを表示するエリア表示ステップと、
前記第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するための所定の操作が行われると、前記第1の表示エリアに既に配置されている第2のアイコンを削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移ステップと、
前記削除モードにおいて前記第2のアイコンが削除されると、前記第1の表示エリアに前記第1のアイコンを配置するアイコン配置ステップと、をコンピュータに実行させる、
アイコン表示制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アイコンの表示制御を行うアイコン表示制御装置が知れられている。この種のアイコン表示制御装置の具体的構成は、例えば特許文献1に記載されている。
【0003】
特許文献1に記載されたアイコン表示制御装置は、削除モード中に削除対象アプリケーションのアイコンがタッチされると、このアプリケーションに関連する削除候補アプリケーションを抽出し、抽出された削除候補アプリケーションと削除対象アプリケーションとを一括して削除する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-26961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に例示されるアイコン表示制御装置では、アイコンを表示する表示エリアの大きさは有限である。そのため、一画面で表示させることができるアイコンの数にも限度がある。表示エリアに表示中のアイコンが上限数に達している場合、そのままでは、表示エリアに新たなアイコンを追加して表示させることができない。ユーザは、例えば、表示中のアイコンを削除することによって新たなアイコンを表示するスペースを確保する必要がある。
【0006】
このような場合、ユーザは、削除モードに遷移する操作、アイコンの削除操作、登録モードに遷移する操作、新たなアイコンの登録操作等を行う必要がある。このような煩雑な操作が必要なため、ユーザビリティが低いという問題が指摘される。
【0007】
本発明は上記の事情に鑑み、表示エリアに表示中のアイコンを削除して別のアイコンを配置する際の操作性を向上させることができるアイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置は、アイコンを配置可能な第1の表示エリアを表示するエリア表示部と、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するための所定の操作が行われると、第1の表示エリアに既に配置されている第2のアイコンを削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移部と、削除モードにおいて第2のアイコンが削除されると、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するアイコン配置部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラムにおいて、表示エリアに表示中のアイコンを削除して別のアイコンを配置する際の操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置の構成を示すブロック図である。
図2A】本発明の一実施形態においてタッチパネルディスプレイの画面に表示される画像の一例を示す図である。
図2B】本発明の一実施形態においてタッチパネルディスプレイの画面に表示される画像の一例を示す図である。
図3】本発明の一実施形態においてCPUにより実行されるアイコン表示制御プログラムの処理を示すフローチャートである。
図4図3のステップS107のサブルーチンを示す図である。
図5】本発明の一実施形態において削除モード時に画面に表示される画像の一例を示す図である。
図6A図4のステップS208~S211の処理の一例を示す図である。
図6B図4のステップS208~S211の処理の一例を示す図である。
図6C図4のステップS208~S211の処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置及びアイコン表示制御プログラムについて説明する。
【0012】
本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置は、例えばカーオーディオやナビゲーション装置等の車載型の装置である。なお、アイコン表示制御装置は、車載型の装置に限らず、スマートフォン、フィーチャフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、PND(Portable Navigation Device)、携帯ゲーム機等の他の形態の装置であってもよい。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態に係るアイコン表示制御装置1の構成を示すブロック図である。図1に示されるように、アイコン表示制御装置1は、制御部100、通信インタフェース部110、操作部120、表示部130、音声出力部140及び振動部150を備える。なお、図1では、本実施形態の説明に必要な主たる構成要素を図示しており、例えばアイコン表示制御装置1として必須な構成要素である筐体など、一部の構成要素については、その図示を適宜省略する。
【0014】
制御部100は、アイコン表示制御装置1全体を制御するものであり、CPU(Central Processing Unit)100A、RAM(Random Access Memory)100B、ROM(Read Only Memory)100C、入出力ポート100D及びこれらのポートを結ぶバスライン等よりなるマイクロコンピュータである。
【0015】
CPU100Aは、ROM100Cに記憶されたプログラムを読み込み、読み込まれたプログラムに従ってアイコン表示制御装置1を制御する。CPU100Aは、機能ブロックとして、エリア表示部100a、削除モード遷移部100b及びアイコン配置部100cを備える。
【0016】
プロセッサの一例であるCPU100Aは、例えばシングルプロセッサ又はマルチプロセッサであり、少なくとも1つのプロセッサを含む。複数のプロセッサを含む構成とした場合、プロセッサ10は、単一の装置としてパッケージ化されたものであってもよく、アイコン表示制御装置1内で物理的に分離した複数の装置で構成されてもよい。
【0017】
RAM100Bは、プログラムやデータを一時的に記憶する記憶部であり、ワークエリアを提供する。RAM100Bは、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)である。
【0018】
RAM100Bには、アイコン情報104及びアイコン配置情報106が記憶される。アイコン情報104は、アイコンの画像、表示サイズ、形状、対応するコンテンツ(例えば音楽再生アプリケーション、ラジオ再生アプリケーション、地図アプリケーション等)の起動情報等を含む。
【0019】
ROM100Cは、アイコン表示制御プログラム102をはじめとする各種プログラム及びデータを記憶する不揮発性メモリである。ROM100Cは、例えばフラッシュメモリである。上記で例示的に挙げた、音楽再生アプリケーション、ラジオ再生アプリケーション、地図アプリケーションは、ROM100Cに記憶されている。
【0020】
ROM100Cに記憶されたアイコン表示制御プログラム102は、アイコンを配置可能な第1の表示エリアを表示するエリア表示ステップと、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するための所定の操作が行われると、第1の表示エリアに既に配置されている第2のアイコンを削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移ステップと、削除モードにおいて第2のアイコンが削除されると、第1の表示エリアに第1のアイコンを配置するアイコン配置ステップとを、コンピュータであるCPU100Aに実行させる。アイコン表示制御プログラム102の実行により、表示エリアに表示中のアイコンを削除して別のアイコンを配置する際の操作性が向上する。アイコン表示制御プログラム102の詳細は後述する。
【0021】
本実施形態において、CPU100Aの各機能ブロックは、ソフトウェアであるアイコン表示制御プログラム102により実現される。なお、CPU100Aの各機能ブロックは、一部又は全部が専用の論理回路等のハードウェアにより実現されてもよい。
【0022】
入出力ポート100Dは、制御部100と他の構成要素(具体的には、通信インタフェース部110、操作部120、表示部130、音声出力部140及び振動部150)とを接続する。
【0023】
通信インタフェース部110は、他の端末装置との通信処理を担うインタフェースである。アイコン表示制御装置1は、通信インタフェース部110により、公衆回線やVPN(Virtual Private Network)等の閉域網の通信回線を介して他の端末装置と相互通信可能に接続される。
【0024】
操作部120は、ボタンやスイッチなど、ユーザがアイコン表示制御装置1を操作するための操作部材である。
【0025】
表示部130は、タッチパネルディスプレイ132及びタッチパネルディスプレイ132を駆動するディスプレイドライバ134を有する。タッチパネルディスプレイ132は、画面全域がタッチ操作可能に構成される。なお、「タッチパネルディスプレイ」は、単に「タッチパネル」と呼ばれてもよく、また、「タッチスクリーン」又は「タッチ画面」と呼ばれてもよい。
【0026】
タッチパネルディスプレイ132は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro Luminescence)を用いて構成される。タッチパネルディスプレイ132には、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波表面弾性波方式、赤外線光学イメージング方式、電磁誘導方式が採用される。タッチパネルディスプレイ132には、画面(言い換えるとタッチ操作可能な領域)をタッチする圧力を感知する感圧センサ136が内蔵される。
【0027】
音声出力部140は、スピーカ142及びスピーカ142を駆動するスピーカドライバ144を有する。スピーカドライバ144によりスピーカ142が駆動されることにより、例えばROM100Cや不図示の記憶媒体(HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、着脱可能なメモリカード等)に記憶された楽曲や音声がスピーカ142から出力される。
【0028】
振動部150は、バイブレータ152及びバイブレータ152を駆動するバイブレータドライバ154を有する。バイブレータ152は、例えばERM(Eccentric Rotating Mass)やLRA(Linear Resonant Actuator)、ピエゾを用いて構成される。バイブレータドライバ154によりバイブレータ152が駆動されることにより、タッチパネルディスプレイ132の画面が振動する。
【0029】
図2A及び図2Bは、タッチパネルディスプレイ132の画面138に表示される画像の一例を示す図である。なお、図2A及び図2Bに、ユーザが画面138をタッチした様子を示す手のアイコンを記す。このアイコンの指先の位置が画面138に対するユーザのタッチ位置TPである。画面138に対するユーザのタッチ位置TPは、XとYの2次元の座標情報として取得される。画面138の左右方向がX方向に対応し、画面138の上下方向がY方向に対応する。
【0030】
図2Aに示されるように、画面138には、アイコン表示エリア220及び固定アイコン表示エリア230を含むGUI(Graphical User Interface)画面が表示される。
【0031】
アイコン表示エリア220及び固定アイコン表示エリア230には、各コンテンツに対応するアイコンが表示される。ユーザは、アイコン表示エリア220や固定アイコン表示エリア230のアイコンをタッチすることにより、タッチされたアイコンに対応付けられたコンテンツをCPU100Aに実行させることができる。便宜上、アイコン表示エリア220に配置されたアイコンに符号222を付し、固定アイコン表示エリア230に配置されたアイコンに符号232を付す。
【0032】
ユーザがアイコン222又は232をタッチすると、タッチされたアイコンに対応付けられたコンテンツの実行が開始されるとともに、図2Bに示されるように、アイコン表示エリア220の前面にウィンドウ210が重畳して表示される。ウィンドウ210には、タッチされたアイコンに対応付けられたコンテンツ(例えば音楽再生アプリケーション、ラジオ再生アプリケーション、地図アプリケーション等)の画像が表示される。例示的には、音楽再生アプリケーションのウィンドウ210には、再生中の音楽のジャケット画像、曲名、アーティスト名、再生位置等が表示される。ラジオ再生アプリケーションには、放送局名、番組名、放送周波数等が表示される。
【0033】
ウィンドウ210の側方にはボタン212が表示される。ユーザがボタン212をタッチすると、ウィンドウ210が消去されて、画面138が図2Aに示される画面に戻る。ユーザがウィンドウ210に対するスワイプ操作を行うことにより、画面138が図2Aに示される画面に戻るようにしてもよい。
【0034】
アイコン222及び232は、ウィンドウ210よりも表示サイズが小さい。そのため、アイコン222及び232で表示可能な情報量はウィンドウ210よりも限られる。例えば、音楽再生アプリケーションのアイコン222や232では、当該アプリケーションであることを示すアイコン画像のみが表示される。
【0035】
アイコン表示制御プログラム102は、アイコン情報104に含まれる表示サイズ及び形状の情報により、アイコン表示エリア220及び固定アイコン表示エリア230内の各アイコン222及び232の表示サイズ及び形状を管理する。また、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン配置情報106により、アイコン表示エリア220及び固定アイコン表示エリア230内の各アイコン222及び232の配置を管理する。
【0036】
図2Bに示されるように、ウィンドウ210が表示されると、アイコン表示エリア220に配置されたアイコン222が見えなくなる。すなわち、アイコン222は、常時見えるわけではない。
【0037】
これに対し、固定アイコン表示エリア230に配置されたアイコン232は、常時見える。そのため、典型的には、ユーザは、使用頻度の高いコンテンツに対応するアイコン232を固定アイコン表示エリア230に配置する。
【0038】
固定アイコン表示エリア230には、例示的に最大で6つのアイコン232を配置することができる。なお、固定アイコン表示エリア230に配置可能なアイコン232の数はこれに限らない。別の実施形態では、固定アイコン表示エリア230に配置可能なアイコン232の数は5つ以下であってもよく、また、7つ以上であってもよい。
【0039】
固定アイコン表示エリア230に配置可能なアイコン232の数には限りがある。従来構成では、例えばアイコン232の入れ替えを行う場合、削除モードに遷移する操作、アイコンの削除操作、登録モードに遷移する操作、新たなアイコンの登録操作等の煩雑な操作をユーザに強いることになる。ユーザが画面138を注視できる機会が限られる状況(例えば運転手が車に乗っている間など)では、このような煩雑な操作を行うことは難しい。
【0040】
そこで、本実施形態では、CPU100Aによるアイコン表示制御プログラム102の実行により、ユーザは、固定アイコン表示エリア230に対するアイコン232の配置の変更(例えばアイコン232の入れ替え)をより簡単な操作で行えるようになっている。
【0041】
図3は、本発明の一実施形態においてCPU100Aにより実行されるアイコン表示制御プログラム102の処理を示すフローチャートである。例えば、アイコン表示制御装置1のシステムが起動されると、図3に示されるフローチャートの処理の実行が開始される。また、アイコン表示制御装置1のシステムが停止されると、図3に示されるフローチャートの処理が終了する。
【0042】
アイコン表示制御装置1のシステムが起動されると、アイコン表示制御プログラム102は、図2Aに例示されるGUI画面を画面138に表示させる(ステップS101)。このように、ステップS101において、アイコン表示制御プログラム102は、アイコンを配置可能な固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)を表示するエリア表示部100aとして動作する。
【0043】
アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230に第1のアイコン(すなわち、固定アイコン表示エリア230に現在配置されていないアイコンであり、以下、「未配置アイコン」と記す。)を配置するための所定の操作が行われたか否かを判定する(ステップS102)。
【0044】
例えば、感圧センサ136により、アイコン表示エリア220に配置されたアイコン222のうちの未配置アイコンが所定閾値以上の圧力でタッチされたことが検知されると、アイコン表示制御プログラム102は、この未配置アイコンをドラッグ・アンド・ドロップ操作可能なモードに遷移させる。上記の所定の操作は、このモードにおいて未配置アイコンを固定アイコン表示エリア230内にドラッグ・アンド・ドロップする操作である。画面138に対するタッチが解除されると(例えばユーザが画面138から指を離すと)、このモードが終了する。
【0045】
未配置アイコンに対応するコンテンツを表示するウィンドウ210のブックマークボタン210aをタッチする操作を上記の所定の操作としてもよい。
【0046】
上記の所定の操作が行われると(ステップS102:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、配置対象である未配置アイコンを配置できるスペースが固定アイコン表示エリア230にあるか否かを判定する(ステップS103)。
【0047】
未配置アイコンを配置できるスペースが固定アイコン表示エリア230にある場合(ステップS103:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230における未配置アイコンの位置が指定されたか否かを判定する(ステップS104)。
【0048】
固定アイコン表示エリア230における未配置アイコンの位置が指定されると(ステップS104:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、その指定位置に未配置アイコンを配置する(ステップS105)。
【0049】
例えば、アイコン表示エリア220からドラッグされた未配置アイコンの、固定アイコン表示エリア230内でのドロップ位置(すなわちユーザが画面138から指を離した位置)が、上記の指定位置である。
【0050】
固定アイコン表示エリア230における未配置アイコンの位置が指定されない場合(ステップS104:NO)、アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230内の所定位置に未配置アイコンを配置する(ステップS106)。
【0051】
例えば、ブックマークボタン210aがタッチされた場合、アイコン表示制御プログラム102は、未配置アイコンの位置が指定されていないと判定する。
【0052】
上記の所定位置は、例えば、先頭位置に最も近い空きスペース位置である。図2Aを例に取ると、固定アイコン表示エリア230の上段でかつ最もX方向負側の位置が先頭位置である。固定アイコン表示エリア230の上段でかつ先頭位置からX方向正側に離れる位置ほど、先頭位置から遠い位置となる。また、固定アイコン表示エリア230の下段でかつ最もX方向負側の位置(下段先頭位置)が、上段の各位置よりも更に先頭位置から遠い位置となる。固定アイコン表示エリア230の下段でかつ下段先頭位置からX方向正側に離れる位置ほど、下段先頭位置よりも更に先頭位置から遠い位置となる。
【0053】
ステップS105及びS106の処理後、アイコン表示制御プログラム102は、ステップS102の処理に戻り、所定の操作の入力を待機する。
【0054】
未配置アイコンを配置できるスペースが固定アイコン表示エリア230にない場合(ステップS103:NO)、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン232を削除可能な削除モードに遷移して削除モードを実行する(ステップS107)。
【0055】
このように、ステップS107において、アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)に未配置アイコン(第1のアイコン)を配置するための所定の操作が行われると、固定アイコン表示エリア230に既に配置されているアイコン232(第2のアイコン)を削除可能な削除モードに遷移する削除モード遷移部100bとして動作する。より詳細には、削除モード遷移部100bとして動作するアイコン表示制御プログラム102は、上記の所定の操作が行われたときに固定アイコン表示エリア230に未配置アイコンを配置するスペースがないとき、削除モードに遷移する。
【0056】
アイコン表示制御プログラム102は、削除モードに遷移したことを示す音声をスピーカ142から出力させてもよい。また、アイコン表示制御プログラム102は、バイブレータ152を駆動して所定のパターンで画面138を振動させることにより、削除モードに遷移したことをユーザに報知してもよい。
【0057】
また、アイコン表示制御プログラム102は、削除モードに遷移したことをユーザに報知する画像(例えばゴミ箱マーク)を画面138に表示させてもよい。また、アイコン表示制御プログラム102は、削除モードに遷移すると、例えば「削除したアイコンをタッチしてください」といったメッセージを画面138に表示させたり音声ガイダンスとしてスピーカ142から出力させたりしてもよい。
【0058】
図4は、図3のステップS107のサブルーチンを示す図である。図5は、削除モード時に画面138に表示される画像の一例を示す図である。
【0059】
図4に示されるように、アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230に隣接した位置に仮配置エリア260を表示し、表示された仮配置エリア260に配置対象である未配置アイコンを配置する(ステップS201)。以下、仮配置エリア260に配置される未配置アイコンに符号262を付す。
【0060】
本実施形態では、削除モード中、アイコン232だけでなく未配置アイコン262も削除対象として設定される。削除対象の全てのアイコンをユーザの視界に収まりやすくするため、固定アイコン表示エリア230に隣接した位置に仮配置エリア260が表示され、仮配置エリア260に未配置アイコン262が配置される。
【0061】
図5では、仮配置エリア260が固定アイコン表示エリア230の上方中央位置に表示されるが、仮配置エリア260の表示位置はこれに限らない。仮配置エリア260は、固定アイコン表示エリア230の下方中央位置など、図5とは異なる位置で固定アイコン表示エリア230に隣接して配置されてもよい。また、仮配置エリア260は、固定アイコン表示エリア230に隣接しない位置に配置されてもよい。
【0062】
ユーザは、アイコン232だけを削除対象として設定することもできる。この場合、アイコン表示制御プログラム102は、削除モード中、仮配置エリア260及び未配置アイコン262を画面138に表示しなくてもよい。すなわち、アイコン表示制御プログラム102は、ステップS201の処理を省いてもよい。
【0063】
アイコン表示制御プログラム102は、画面138のなかで、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260以外のエリアを、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260よりも低い輝度で表示する(ステップS202)。
【0064】
例示的には、アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230を削除モード遷移前と変わらない輝度で表示するとともに仮配置エリア260を固定アイコン表示エリア230と同じ輝度で表示する一方、削除モード遷移前に対して固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260以外のエリアの輝度を低下させる。これにより、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260以外のエリアの輝度が固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260よりも低くなる。
【0065】
画面138のなかで、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260が明るく表示されるため、ユーザは、固定アイコン表示エリア230内のアイコン232及び仮配置エリア260内の未配置アイコン262を視認しやすくなる。
【0066】
アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230を、削除モードに遷移する前と比べて、拡大して表示する(ステップS203)。
【0067】
固定アイコン表示エリア230の表示を拡大することにより、アイコン232の表示サイズが大きくなり、また、アイコン232同士の間隔が広くなる。そのため、削除モード中、ユーザが削除したいアイコン232と異なるアイコン232をタッチするという操作ミスが起こりにくくなる。
【0068】
アイコン表示制御プログラム102は、固定アイコン表示エリア230内のアイコン232及び仮配置エリア260内の未配置アイコン262に対して削除ボタン270を重畳して表示する(ステップS204)。これにより、図5に例示される画像が画面138に表示される。アイコン232及び未配置アイコン262の各アイコンには、それぞれに重畳して表示された削除ボタン270が対応付けられる。ユーザは、削除ボタン270をタッチすることにより、タッチされた削除ボタン270に対応付けられたアイコン232や未配置アイコン262を削除することができる。
【0069】
ユーザは、削除ボタン270がタッチされたか否かを判定する(ステップS205)。削除ボタン270がタッチされていないと(ステップS205:NO)、アイコン表示制御プログラム102は、削除モードに対する終了操作が行われたか否かを判定する(ステップS206)。この終了操作は、例えば、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260以外の低輝度エリアを長押しする操作や低輝度エリアを強くタッチする操作である。
【0070】
削除モードに対する終了操作が行われると(ステップS206:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、画面138を削除モードに遷移する直前の表示に戻して(ステップS207)、削除モードを終了する。アイコン表示制御プログラム102は、ステップS102の処理に戻り、所定の操作の入力を待機する。この場合、何れのアイコン232も削除されることなく削除モードが終了する。仮配置エリア260内の未配置アイコン262が削除されて削除モードが終了した、と言い換えることもできる。
【0071】
削除ボタン270がタッチされると(ステップS205:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、タッチされた削除ボタン270に対応付けられたアイコン232又は未配置アイコン262を削除する(ステップS208)。
【0072】
アイコン232が削除された場合(ステップS209:YES)、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン232を削除することによって空いた、固定アイコン表示エリア230内のスペースに、未配置アイコン262を配置する(ステップS210)。アイコン表示制御プログラム102は、画面138を削除モードに遷移する直前の表示(但し、固定アイコン表示エリア230内は未配置アイコン262を配置後の表示)に戻して(ステップS211)、削除モードを終了する。アイコン表示制御プログラム102は、ステップS102の処理に戻り、所定の操作の入力を待機する。
【0073】
図6A図6Cに、ステップS208~S211の処理の一例を示す。図6Aの例で削除されるアイコン232に符号232bを付す。また、アイコン232bを削除することによって空いたスペースに符号Sを付す。
【0074】
図6Aに示されるアイコン232bに対応付けられた削除ボタン270がタッチされると、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン232bを削除する(ステップS208及びステップS209:YES)。図6Cに示されるように、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン232bを削除することによって空いたスペースS(図6B参照)に、未配置アイコン262を配置して(ステップS210)、画面138を削除モードに遷移する直前の表示に戻す(ステップS211)。
【0075】
なお、固定アイコン表示エリア230内における未配置アイコン262の位置は上記の位置に限らない。別の実施形態では、アイコン表示制御プログラム102は、アイコン232を削除することによって空いたスペースを詰めるように、当該スペースよりも後段のアイコン232(先頭位置から離れて位置するアイコン232)を先頭位置側に移動させ、後段のアイコン232を移動させることによって空いた最後段のスペースに、未配置アイコン262を配置してもよい。
【0076】
未配置アイコン262が削除された場合(ステップS209:NO)、アイコン表示制御プログラム102は、画面138を削除モードに遷移する直前の表示に戻して(ステップS207)、削除モードを終了し、ステップS102の処理に戻り、所定の操作の入力を待機する。
【0077】
このように、ステップS107において、アイコン表示制御プログラム102は、削除モードに遷移してからアイコン232(第2のアイコン)が削除されるまでの期間、未配置アイコン262(第1のアイコン)を固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)と異なる仮配置エリア260(第2の表示エリア)に配置する。
【0078】
また、ステップS107において、アイコン表示制御プログラム102は、削除モード中、画面138のなかで、固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)及び仮配置エリア260(第2の表示エリア)以外のエリアを、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260よりも低い輝度で表示する。
【0079】
また、ステップS107において、アイコン表示制御プログラム102は、削除モード中、アイコン232(第2のアイコン)が配置された固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)を、削除モードに遷移する前と比べて、拡大して表示する。
【0080】
また、ステップS107において、アイコン表示制御プログラム102は、削除モードにおいてアイコン232(第2のアイコン)が削除されると、固定アイコン表示エリア230(第1の表示エリア)に未配置アイコン262(第1のアイコン)を配置するアイコン配置部100cとして動作する。
【0081】
このように、本実施形態では、固定アイコン表示エリア230に未配置アイコン262を配置するための所定の操作を行って削除対象のアイコン232を選択するという簡単な操作だけで、固定アイコン表示エリア230に対するアイコン232の入れ替えを行うことができる。すなわち、従来のアイコン表示制御装置に対し、このような入れ替えを行う際の操作性が向上したものとなっている。
【0082】
以上が本発明の例示的な実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば明細書中に例示的に明示される実施形態等又は自明な実施形態等を適宜組み合わせた内容も本願の実施形態に含まれる。
【0083】
上記の実施形態において、ユーザは、削除ボタン270をタッチすることにより、アイコン232又は未配置アイコン262を削除することができる。アイコンの削除操作はこれに限らない。ユーザは、アイコン232を固定アイコン表示エリア230外へはじき出すようにアイコン232に対するスワイプ操作又はフリック操作を行うことにより、アイコン232を削除することもできる。ユーザは、アイコン232をダブルタップすることにより、アイコン232を削除することもできる。ユーザは、未配置アイコン262についても、同様のスワイプ操作、フリック操作、ダブルタップ操作を行うことにより、削除することもできる。
【0084】
アイコン232又は未配置アイコン262は、画面138に対するタッチ操作に限らず、例えば、操作部120に設けられたボタンに対する操作によって削除可能であってもよい。
【0085】
上記の実施形態で説明したアイコン表示制御プログラム102の処理内容はあくまで一例である。例えば、ステップS202やステップS203の処理を行わないアイコン表示制御プログラム102も本発明の範疇である。すなわち、アイコン表示制御プログラム102は、削除モード中、固定アイコン表示エリア230及び仮配置エリア260以外のエリアの輝度を低下させなくてもよく、また、固定アイコン表示エリア230の拡大表示を行わなくてもよい。
【0086】
例えば、ステップS102の操作入力待機時に画面138の任意の位置が長押しされると、アイコン表示制御プログラム102は、編集モードに遷移してもよい。編集モードに遷移すると、アイコン表示制御プログラム102は、図4のステップS203と同様に、固定アイコン表示エリア230を、編集モードに遷移する前と比べて、拡大して表示する。ユーザは、固定アイコン表示エリア230内のアイコン232をドラッグ・アンド・ドロップ操作することにより、固定アイコン表示エリア230内におけるアイコン232の並び順を変更することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 :アイコン表示制御装置
100 :制御部
100A :CPU
100B :RAM
100C :ROM
100D :入出力ポート
100a :エリア表示部
100b :削除モード遷移部
100c :アイコン配置部
102 :アイコン表示制御プログラム
110 :通信インタフェース部
120 :操作部
130 :表示部
132 :タッチパネルディスプレイ
134 :ディスプレイドライバ
136 :感圧センサ
140 :音声出力部
142 :スピーカ
144 :スピーカドライバ
150 :振動部
152 :バイブレータ
154 :バイブレータドライバ
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C