IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日東精工株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-部品供給装置 図1
  • 特開-部品供給装置 図2
  • 特開-部品供給装置 図3
  • 特開-部品供給装置 図4
  • 特開-部品供給装置 図5
  • 特開-部品供給装置 図6
  • 特開-部品供給装置 図7
  • 特開-部品供給装置 図8
  • 特開-部品供給装置 図9
  • 特開-部品供給装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067194
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】部品供給装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/14 20060101AFI20230509BHJP
   B08B 5/00 20060101ALI20230509BHJP
   B65G 47/08 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65G47/14 101C
B08B5/00
B65G47/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178223
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】池田 一也
【テーマコード(参考)】
3B116
3F080
【Fターム(参考)】
3B116AA46
3B116AB02
3B116AB44
3B116BB72
3B116BB75
3B116BB77
3B116CD22
3B116CD42
3B116CD43
3F080AA24
3F080BA01
3F080BA02
3F080BC01
3F080BF24
3F080CB03
3F080CB09
3F080CB14
3F080CF05
3F080CF23
3F080CG13
3F080CG14
3F080DA18
3F080EA09
3F080EA10
3F080FB08
(57)【要約】
【課題】本発明は、ねじ表面から排除された付着物が周囲に飛散しないように構成された部品供給装置を提供する。
【解決手段】
頭付き棒状部品Nを整列搬送する整列搬送手段20と、この整列搬送手段20の終端部に到達した頭付き棒状部品Nを個別に取り出す切り出しユニット21とを備え、前記切り出しユニット21は、前記整列搬送手段20の終端部に到達した頭付き棒状部品Nの頭部を吊下し、軸部を遊嵌可能な吊下溝42と、前記吊下溝42に連設される吸引ユニット50とを有し、前記吸引ユニット50のエア吸引駆動により、頭付き棒状部品Nに付着している付着物を回収するように構成されていることを特徴とする部品供給装置10による。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭付き棒状部品を整列搬送する整列搬送手段と、この整列搬送手段の終端部に到達した頭付き棒状部品を個別に取り出す切り出しユニットとを備える部品供給装置において、
前記切り出しユニットは、前記整列搬送手段の終端部に到達した頭付き棒状部品の頭部を吊下し、軸部を遊嵌可能な吊下溝と、前記吊下溝に連設される吸引ユニットとを有し、
前記吸引ユニットのエア吸引駆動により、頭付き棒状部品に付着している付着物を回収するように構成されていることを特徴とする部品供給装置。
【請求項2】
前記切り出しユニットは、前記吊下溝が形成された吊下部材および当該吊下部材を移動させる移動手段を備え、
前記吊下部材は、移動手段の駆動により吊下溝が整列搬送手段と連続する位置から吊下溝が吸引ユニットと連続する位置に移動することを特徴とする請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記切り出しユニットは、前記吊下溝が吸引ユニットに連通した際、当該吊下溝の開口部を閉鎖可能なフレームを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記切り出しユニットには、吊下溝が吸引ユニットに連接した際、当該吊下溝に吊下された頭付き棒状部品を検出する検出センサが設けられており、当該検出センサからの信号に基づき前記前記吸引ユニットの駆動が制御されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れかに記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記切り出しユニットは、前記吊下溝に連通可能な通過穴を有しており、
前記吊下溝は、頭付き棒状部品が通過穴の上方に達した際、頭付き棒状部品の吊り下げ状態を解き下方へ排出するよう構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載の部品供給装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動締結装置等の加工機にねじを供給する部品供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動締結装置等の加工機にねじ等の頭付き棒状部品を供給する部品供給装置として、特許文献1に開示されたものが知られている。この部品供給装置は、ねじを多量に貯留可能な貯留ホッパと、ねじを吊り下げて一列に搬送する案内レール部材と、案内レール部材の終端に連続し、ねじを排出する排出部とを有しており、排出部まで搬送したねじを自動締結装置に圧送するように構成されている。また、この部品供給装置の案内レール部材の両側には、洗浄機構が設けられており、この洗浄機構は、案内レールに吊り下げて搬送される途中のねじに向かって圧縮空気を噴出するように構成されていた。このため、ねじは、その表面に付着した塵や埃、製造過程で生じた切り粉等の付着物が圧縮空気により吹き飛ばされ、洗浄された状態にて排出部に搬送されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5718257号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の部品供給装置は、洗浄機構が案内レールの両側面から圧縮空気を噴出する構造であった。そのため、洗浄機構から噴出された圧縮空気が案内レール付近で衝突し、乱流となることで、ねじの表面から吹き飛ばされた付着物が舞い、当該ねじの前段あるいは後段のねじに再度付着することがあるとともに部品供給装置周囲に飛散することもあった。また、側方から噴出される圧縮空気が案内レール部材に遮られることで、ねじの頭部座面および軸部の上端部に当たらないことがあった。このため、ねじの頭部座面および軸部の上端部周辺での付着物が除去しきれないという問題もあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みて創生されたものであり、ねじ表面から排除された付着物が周囲に飛散しないように構成された部品供給装置の提供を目的とする。この目的を達成するために本発明は、 頭付き棒状部品を整列搬送する整列搬送手段と、この整列搬送手段の終端部に到達した頭付き棒状部品を個別に取り出す切り出しユニットとを備える部品供給装置において、前記切り出しユニットは、前記整列搬送手段の終端部に到達した頭付き棒状部品の頭部を吊下し、軸部を遊嵌可能な吊下溝と、前記吊下溝に連設される吸引ユニットとを有し、前記吸引ユニットのエア吸引駆動により、頭付き棒状部品に付着している付着物を回収するように構成されていることを特徴とする。なお、前記切り出しユニットは、前記吊下溝が形成された吊下部材および当該吊下部材を移動させる移動手段を備え、前記吊下部材は、移動手段の駆動により吊下溝が整列搬送手段と連続する位置から吊下溝が吸引ユニットと連続する位置に移動することが好ましい。また、前記切り出しユニットは、前記吊下溝が吸引ユニットに連通した際、当該吊下溝の開口部を閉鎖可能なフレームを備えることが好ましい。さらに、前記切り出しユニットには、吊下溝が吸引ユニットに連接した際、当該吊下溝に吊下された頭付き棒状部品を検出する検出センサが設けられており、当該検出センサからの信号に基づき前記前記吸引ユニットの駆動が制御されていることが好ましい。しかも、前記切り出しユニットは、前記吊下溝に連通可能な通過穴を有しており、前記吊下溝は、頭付き棒状部品が通過穴の上方に達した際、頭付き棒状部品の吊り下げ状態を解き下方へ排出するよう構成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、吸引ユニットのエア吸引駆動によって頭付き棒状部品の表面に付いた付着物を回収する構成であるため、頭付き棒状部品表面から除去された付着物が周囲に飛散することがない等の利点がある。なお、吊下部材が移動手段の駆動を受けて移動し、一本毎に付着物の回収を行うことでより、前段または後段の頭付き棒状部品に付着物が付くことが防止される。また、吸引ユニットによる吸引時、前記吊下溝の搬送手段側の開口部が閉鎖されるため、吸引ユニットの吸気量が比較的少なくても吊下溝内では付着物の除去に十分な流速を実現可能となる。結果、吸引ユニットの駆動に必要なエネルギーが比較的少なくなり、効率良く駆動できる等の利点もある。また、検出センサの信号に基づき吸引ユニットの駆動を制御するため、頭付き棒状部品が吸引ユニットの上方に到着後、吊下部材を即座に駆動させることが可能となる。このため、待機時間が短縮され、サイクルタイムが向上する等の利点もある。さらに、頭付き棒状部品が通過穴を通じて排出される構成により、頭付き棒状部品を自動締結装置等の下流工程まで搬送することができ、よりサイクルタイムが向上する等の利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明に係る部品供給装置を示す平面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1の状態から次の状態へ移行した状態を示す平面図である。
図4図3のB-B線断面図である。
図5】本発明に係る部品供給装置の他の実施形態を示す平面図である。
図6図5のC-C線断面図である。
図7図5の状態から次の状態へ移行した状態を示す平面図である。
図8図7のD-D線断面図である。
図9図7の状態から次の状態へ移行した状態を示す平面図である。
図10図9のE-E線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。図1ないし図4においては、頭付き棒状部品の一例であるねじNを別途設けられる自動締結装置(図示せず)に供給する部品供給装置10である。この部品供給装置10は、前方にねじNを搬送するシュートレール20と、このシュートレール20上の最前のねじNを受取り、シュートレールLと直交する方向に移動させる切り出しユニット21と、シュートレール20および切り出しユニット21の駆動を制御する制御部とを備え、前記切り出しユニット21は、フレーム30と、このフレーム30内に配され、シュートレール20からねじNを受取る支持ユニット40と、この支持ユニット40に支持されたねじNを洗浄する吸引ユニット50とを有する。
【0009】
前記シュートレール20は、前後方向に延びる2本の板材から構成されており、この板材は、前記ねじNの軸部外径より若干広く、なおかつ頭部外径より狭い所定の隙間を開けて設置されている。このため、シュートレール20は、その上面にねじNの頭部座面を当接させた状態にて吊り下げ支持可能となる。また、このシュートレール20には、バイブレータ(図示せず)が接続されており、このバイブレータの振動により吊り下げ支持したねじNを前方に搬送するように構成されている。このシュートレール20の後方には、ねじNを多数貯留可能な貯留部(図示せず)が接続されており、この貯留部は、シュートレール20上にねじNを一列に供給するよう構成されている。
【0010】
前記フレーム30は、図1および図3に示すように後方に開口する供給口31が形成されている。この供給口31は、前記シュートレール20が進入しており、その前方には、シュートレール20に対して直交方向(以下、横方向という)に延びる切欠溝32が連続している。この切欠溝32は、その横方向片側が側壁34によって閉鎖されているとともに当該切欠溝32の底面には、供給口31より側壁34から離反する側(以下、開口側という)に下方に貫通する吸気穴33が形成されている。またフレーム30の上面には、前記供給口31より側壁34側に蓋部材35が固定されている一方、前記供給口31より開口側に検出センサ36が固定されている。この検出センサ36は、投光側から受光側へと検出光を投光する一対の光学センサであり、当該検出光が前記吸気穴33の上方を通過するように配置されている。このため、後述の駆動時、吸気穴33の上方に位置するねじNが達すると、当該ねじNの頭部によって前記検出光を遮断され、制御部がねじNを検出する。
【0011】
前記支持ユニット40は、前記切欠溝32内に配置される吊下ブロック41を備えている。この吊下ブロック41は、その前後方向の厚さが前記切欠溝32の溝幅とほぼ同寸に構成されており、切欠溝32に沿って摺動自在に構成されている。また、吊下ブロック41の後方面には、上下方向に貫通する略U字形状の吊下溝42が切欠き形成されている。この吊下溝42は、その溝幅が前記シュートレール20と同様、前記ねじNの軸部外径より若干広く、なおかつ頭部外径より狭く構成されており、シュートレール20から受け取ったねじNを吊り下げ支持可能に構成されている。さらに、支持ユニット40は、吊下ブロック41を切欠溝32に沿って往復移動させるシリンダ43を備えている。このシリンダ43は、前記側壁34に固定されており、そのピストンロッドが前記吊下ブロック41に連結されている。なお、このシリンダ43のストロークは、ピストンロッドの収縮時、図1および図2に示すように吊下ブロック41の吊下溝42がシュートレール20に連続する一方、ピストンロッドの伸張時、図3および図4に示すように吊下溝42が前記フレーム30の吸気穴33に連続する寸法に設定されている。
【0012】
前記吸引ユニット50は、前記フレーム30に形成された吸気穴33に連続する吸気ホース51と、この吸気ホース51に連続する吸気手段52を備えており、吸気手段52の駆動により、吸気ホース51を介して吸気穴33から空気を吸引することが可能に構成されている。また、吸気ホース51は、その途中にフィルター53を有しており、後述する駆動時、吸引された空気中の埃等を除去可能に構成されている。
【0013】
制御部は、前記バイブレータと、検出センサ36と、前記シリンダ43と、吸気手段52とに接続されており、各種駆動を制御可能に構成されている。また、前記自動締結装置等の外部装置とも接続されており、外部装置から入力された信号に従い駆動可能に構成されている。
【0014】
なお、前記自動締結装置は、ねじNと嵌合するドライバビット(図示せず)およびこのドライバビットを内包する円筒形状のビットガイド(図示せず)と、このドライバビットおよびビットガイドを水平方向および上下方向に移動させる移動機構(図示せず)とを備えている。なお、ビットガイドには、真空ポンプが連続しており、この真空ポンプの駆動を受けてその下端開口部にねじNを吸着保持可能に構成されている。
【0015】
次に上記のように構成された部品供給装置10の作用を説明する。
駆動信号が入力されると制御部は、前記バイブレータに駆動させるとともに、図1に示すように前記シリンダ43のピストンロッドを収縮させる。これにより、前記シュートレール20が振動し、シュートレール20上に吊り下げ支持されたねじNが前方に振動搬送されるとともに、吊下ブロック41の吊下溝42がシュートレール20の終端部に連続する。このため、先頭のねじNがシュートレール20の終端部から吊下溝42に受け渡される。吊下溝42にねじNが受け渡されると、制御部は、前記シリンダ43のピストンロッドを伸張させ、前記吊下溝42を前記吸気穴33の上方まで移動させる。吊下溝42が吸気穴33に連続すると、図3に示すように当該吊下溝42に吊り下げ支持されたねじNの頭部が前記検出センサ36の検出光を遮断する。検出センサ36の検出光が遮断されると、制御部は、前記吸気手段52を駆動させ、吸気穴33および吸気穴33に連続する吊下溝42内の空気を吸気する。これにより、ねじNの座面と吊下ブロック41の上面との隙間等から空気が吊下溝42内に流入し、この流入した空気が吊下溝42内を勢いよく通過する。この結果、ねじNの頭部および軸部の表面に付着していた切り粉や埃等の付着物がねじNの表面から除去される。このねじNの表面から除去された付着物は、空気に乗って吸引ユニット50に回収される。
【0016】
上述のように吸引ユニット50のねじNの洗浄工程が所定時間経過すると、制御部は、前記吸気手段52に停止指令を出力するとともに、前記自動締結装置へ駆動指令を出力する。これにより、前記自動締結装置の移動手段が駆動し、前記吸着パイプを前記吊下溝42の上方に水平移動させる。吸着パイプが吊下溝42の上方に達すると、制御部は、再度駆動指令を出力して吸着パイプを吊下溝42に向かい下降させる。下降する吸着パイプの下端がねじNの頭部に当接すると、制御部は前記真空ポンプを作動させ、吸着パイプの下端にねじNを吸着保持させる。その後、制御部は、前記移動手段を再度駆動させて吸着パイプおよびこれに吸着保持されるねじNを所定の締め付け位置に搬送する。このように自動締結装置によりねじNが吊下溝42から抜去され、前記検出センサ36間の検出光が通過可能になると、制御部は、前記シリンダ43のピストンロッドを収縮させる。これにより、前記吊下溝42がシュートレール20に再度連続し、次段のねじNを受け取り可能となる。
【0017】
上述のように本発明の部品供給装置10は、吸気手段52によってねじNに付着した切り粉等の付着物を吸引するように構成されているため、ねじNから除去された付着物が周辺に飛散することがなく、もちろん前段あるいは次段のねじN等に付着すること等も防止される。また、
吸引ユニット50の駆動時、前記吊下溝42の後方側が切欠溝32の溝壁によって閉鎖されているため、吸気手段52による吸気量が比較的少なくても当該吊下溝42内では付着物を除去するのに十分な流速となる。このため、比較的駆動に必要なエネルギーが少なくて良く、効率の良い駆動が可能となる。なお、ねじNの表面から回収された付着物は吸気ホース51の途中に設けられたフィルター53により、空気中から除去される。このため、付着物が混入していない空気を排出することができる。
【0018】
以下、本発明の部品供給装置10の他の実施形態である第二の部品供給装置11を図5ないし図10に基づいて説明する。この部品供給装置11は、基本構成が前記部品供給装置10と同様に構成されており、前記シュートレール20と、このシュートレール20の前方に設けられる切り出しユニット22を備えており、この切り出しユニット22は、フレーム60と、シュートレール20からねじNを受取る支持ユニット70と、この支持ユニット70に支持されたねじNを洗浄する吸引ユニット50とを有する。
【0019】
前記フレーム60は、図5に示すようにシュートレール20が進入する供給口61と、この供給口61に連続する切欠溝62とが形成されており、この切欠溝62は、供給口61に連続する低段部63と、低段部63の前方に形成される高段部64とからなる多段形状に構成されている。この切欠溝62の低段部63の底面には、供給口61から所定の寸法離れた位置に吸気穴65および前記ねじNの頭部外径より大きい穴径に構成された通過穴66が貫通形成されている。この通過穴66は、吸気穴65より開口側に設けられており、その下端には、外部の自動締結装置(図示せず)まで続くねじ通過ホース67が連続している。一方、高段部64の底面には、その一端が前記供給口61の前方に位置し、当該一端から開口側に向かうにつれて徐々に前方に向かうよう構成された係合溝68が形成されている。
【0020】
上記部品供給装置11の支持ユニット70は、前記切欠溝62の低段部63内に配される摺動ブロック71を有する。この摺動ブロック71は、その前後方向の厚さが低段部63の溝幅とほぼ同寸かつその上面が前記高段部64に連続するように寸法設定されており、低段部63に沿って摺動自在に構成されている。この摺動ブロック71の後方面には、上下方向に貫通する略U字形状の通過凹部72が切欠き形成されており、この通過凹部72は、その溝幅がねじNの頭部の外径より大きく構成されている。この摺動ブロック71には、シリンダ73のピストンロッドが連結されており、このシリンダ73の駆動により、低段部63内を摺動する。なお、シリンダ73は、通過凹部72がシュートレール20の前方に連続する位置と、通過凹部72が吸気穴65に連通する位置と、通過凹部72が通過穴66に連通する位置との3箇所で摺動ブロック71を停止させるように構成されている。
【0021】
また、前記摺動ブロック71の上面には、規制部材74が固定されており、この規制部材74は、その下面に前後方向に貫通するガイド溝が形成されている。このガイド溝は、その延長線が前記通過凹部72の延長線と交差するよう構成されており、その内部には、吊下板75が前後方向摺動自在に収容されている。この吊下板75は、その後端部にねじNの軸部外径より大きく、なおかつ頭部外径より小さく構成された吊下溝76が形成されている。さらに、吊下板75の前端部には、下方に延びる円柱形状の係合部77が形成されており、この係合部77は、前記高段部64に形成された前記係合溝68に係合している。このため、吊下板75は、前記規制部材74に規制され、摺動ブロック71の横方向移動に連動するとともに、係合溝68に従い前記摺動ブロック71に対して前後に摺動するように構成されている。なお、係合溝68は、通過凹部72がシュートレール20に連続した際、吊下板75を後退させて吊下溝76をシュートレール20と連続させる一方、通過凹部72が通過穴66に連通した際、吊下板75を前進させて吊下溝76がねじNの吊り下げ状態を解除して通過凹部72内に滑落させるように設定されている。
【0022】
次に上述のように構成された部品供給装置11の作用について説明する。
駆動信号が入力させると、制御部は、シリンダ73を駆動させて、摺動ブロック71の通過凹部72をシュートレール20に連続させる。この時、吊下板75は、係合溝68に沿って後退しており、図6に示すように吊下溝76がシュートレール20に連続している。このため、シュートレール20の終端部に位置するねじNは、その頭部座面を吊下板75に当接させて状態で吊り下げ支持される。制御部は、吊下板75がねじNを受け取ると、シリンダ73を駆動させて、摺動ブロック71を吸気穴65に向けて移動させる。この時、吊下板75は、規制部材74によって摺動ブロック71に対して横方向の移動が規制されており、かつ係合溝68に沿って前後移動するように構成されているため、摺動ブロック71が横方向に移動するに従い、徐々に前進する。また、制御部は、図7および図8に示すように通過凹部72が前記吸気穴65に連通すると、前記シリンダ73の駆動を停止させるとともに前記吸気穴65に連続する吸気手段52を作動させる。これにより、前述の部品供給装置10と同様にねじNが洗浄される。ねじNの洗浄が終了すると、制御部はシリンダ73を再度伸張させて、摺動ブロック71を通過穴66に向けて移動させる。この時、吊下板75は、係合溝68に沿ってさらに前進する。これにより、図9に示すように前記通過凹部72が通過穴66に連通するとほぼ同時にねじNが吊下板75から外れる。このため、図10に示すようにねじNは通過凹部72およびこれの下方に連続している通過穴66を落下していき、所定の自動締結装置まで供給される。
【0023】
上述のように構成された部品供給装置11は、前記部品供給装置10と同様、ねじNから除去された付着物が周辺に飛散することがない等の利点を有するとともに、ねじNを所定の自動締結装置まで搬送することが可能となる。このため、自動締結装置の吸着パイプ等の移動が不要となり、前記部品供給装置10および自動締結装置のサイクルタイムを向上させることが可能という利点を有する。
【0024】
なお、本発明に係る部品供給装置10,11は、前述したものに限定するものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、前記吊下ブロック41や吊下板75等は、シュートレール20から受け取ったねじNを吊り下げ支持する吊下部材の一例であり、頭付き棒状部品の形状等に合わせて、その厚さや吊下溝42,76の溝幅等が適宜変更されてよい。また、シリンダ43は、吊下部材を切欠溝32,62に沿って往復移動させる往復移動手段の一例であり、ボールねじ機構等他のその他の往復移動手段であっても何ら問題ない。同様に検出センサ36も光学センサに限定されず、近接センサ等その他のセンサであっても何ら問題ない。さらに、シュートレール20は、頭付き棒状部品を一列に整列させた状態にて搬送する整列搬送手段の一例であり、一対の無端ベルトを回転させてその間に吊り下げ支持するねじNを前方に搬送する手段等その他構成であっても何ら問題ない。
【符号の説明】
【0025】
10,11 … 部品供給装置
20 … 整列搬送手段
21,22 … 切り出しユニット
30,60 … フレーム
31,61 … 供給口
32,62 … 切欠溝
33,65 … 吸気穴
41,75 … 吊下部材
42,76 … 吊下溝
43,73 … 往復移動手段
50 … 吸引ユニット
65 … 通過穴
N … 頭付き棒状部品
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10