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  • 特開-自動貫入試験機 図1
  • 特開-自動貫入試験機 図2
  • 特開-自動貫入試験機 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067195
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】自動貫入試験機
(51)【国際特許分類】
   E02D 1/02 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
E02D1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178224
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000227467
【氏名又は名称】日東精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】白波瀬 雅史
(72)【発明者】
【氏名】清水 晴彦
【テーマコード(参考)】
2D043
【Fターム(参考)】
2D043AA03
2D043AB04
2D043AC01
(57)【要約】
【課題】
高トルクで貫入ロッドを回転貫入可能な自動貫入試験機の提供。
【解決手段】
ベースプレート2と、ベースプレートに立設されたフレーム10と、フレームに沿って昇降可能な昇降台14と、ベースプレートに立設され、上下方向に移動する昇降台をガイドするガイド支柱3と、前記昇降台に設けたチャック30に回転可能に保持され、昇降台の下降に伴って地中に回転貫入する貫入ロッド4とを備える自動貫入試験機1による。この自動貫入試験機よれば、昇降台がフレームとガイド支柱に沿って昇降するように構成されているので、高トルクで貫入ロッドを地中に回転貫入させても、貫入試験機本体が振れたり、傾いたりすることを防止できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースプレートと、
ベースプレートに立設されたフレームと、
フレームに沿って昇降可能な昇降台と、
ベースプレートに立設され、上下方向に移動する昇降台をガイドするガイド支柱と、
前記昇降台に設けたチャックに回転可能に保持され、昇降台の下降に伴って地中に回転貫入する貫入ロッドと、
を備えることを特徴とする自動貫入試験機。
【請求項2】
前記ガイド支柱は、一対の支柱から成ることを特徴とする請求項1に記載の自動貫入試験機。
【請求項3】
前記ガイド支柱は、連結梁によってフレームに固定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動貫入試験機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貫入ロッドを地中へ貫入し、その貫入抵抗に基づいて地盤の硬軟を判定する自動貫入試験機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動貫入試験機の一例としては、特許文献1に示すものがある。
【0003】
特許文献1に示す自動貫入試験機は、昇降用モータの駆動によって支柱に沿って昇降可能な昇降可能な昇降台を有している。この昇降台には、チャックが設けられており、このチャックに貫入ロッドを保持し、回転用モータの駆動によって貫入ロッドを回転するように構成されている。この構成により、貫入ロッドは、昇降台の下降に伴って地中に回転貫入する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-92202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記自動貫入試験機は、昇降台が支柱のみで支持されているため、貫入ロッドを高トルクで地中に回転させた場合、貫入試験機本体が振れたり、傾いたりすることがあった。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みて創成されたものであり、高トルクで貫入ロッドを回転貫入可能な自動貫入試験機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ベースプレートと、ベースプレートに立設されたフレームと、フレームに沿って昇降可能な昇降台と、ベースプレートに立設され、上下方向に移動する昇降台をガイドするガイド支柱と、前記昇降台に設けたチャックに回転可能に保持され、昇降台の下降に伴って地中に回転貫入する貫入ロッドと、を備える自動貫入試験機による。
【0008】
前記ガイド支柱は、一対の支柱から成ることが好ましい。
【0009】
前記ガイド支柱は、連結梁によってフレームに固定されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の自動貫入試験機によれば、昇降台がフレームとガイド支柱に沿って昇降するように構成されているので、高トルクで貫入ロッドを地中に回転貫入させても、貫入試験機本体が振れたり、傾いたりすることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の自動貫入試験機の斜視図である。
図2】本発明の自動貫入試験機の昇降ユニットの構成を示す要部拡大一部切欠断面図である。
図3】本発明の自動貫入試験機のチャックの構成を示す要部拡大一部切欠断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1において、1は自動貫入試験機であり、クローラー100に載置した状態で使用し、先端にスクリューポイント4aを備える貫入ロッド4を地中に回転貫入するように構成されている。
【0013】
クローラー100は、エンジン101とハンドル102を備えており、エンジン101の回転によってクローラー103が走行するように構成されている。
【0014】
自動貫入試験機1は、クローラー100の上部に載置されるベースプレート2を有している。このベースプレート2には、一対の支柱11,12で構成されるフレーム10が立設されている。
【0015】
フレーム10の一方の支柱11には、高さ方向に沿ってピンラック13が配置されている。そして、このフレーム10の前方にはピンラック13に沿って上下方向に昇降するよう、昇降台14が取り付けられている。
【0016】
図2に示すように、昇降台14には、昇降ユニット20が載置されている。昇降ユニット20は、昇降用モータ22の駆動軸(図示せず)に一方向クラッチを介して接続されるスプロケット21を有しており、昇降用モータ22の駆動に伴ってスプロケット21がピンラック13に沿って回転することで昇降台14を昇降するように構成されている。
【0017】
また、昇降ユニット20の一方向クラッチ23の作用により、昇降台14が上昇しようとする方向にスプロケット21を回転させるよう昇降用モータ22が駆動(便宜上、この駆動を正転駆動とする)したとき、昇降用モータ22の駆動がスプロケット21へ伝達される。このため、(昇降台14の総重量に基づく荷重1)-(昇降用モータ22の出力トルクに応じた上昇力)で決定される荷重が試験荷重として貫入ロッド4に負荷される。
【0018】
一方、これとは逆に昇降用モータ22が駆動(便宜上、この駆動を逆転駆動とする)すると、一方向クラッチ23は空転する。このため、昇降用モータ22の駆動がスプロケット21に伝達されない状態を創出でき、貫入ロッド4には昇降台14の総重量に基づく荷重を負荷することができる。
【0019】
図3に示すように、昇降台14には前記チャック30が配置されており、回転用モータ36の駆動に伴って回転可能に構成されている。このチャック30は、貫入ロッド4が挿通可能かつ回転可能に支持された中空スリーブ31を備えている。この中空スリーブ31は、貫入ロッド4に形成された長溝4aに係合する剛球32が配置されるとともに、中空スリーブ31の下部にはスプロケット33が設けられている。前記剛球32は、ばね34で常時付勢されたスライドスリーブ35によって常時中空スリーブ31の中空穴部31aに突出する位置に支持されており、この状態で貫入ロッド4の長溝4aに係合する。なお、スライドスリーブ35をばね34の付勢に抗して押し下げると、剛球32は動作可能となり、貫入ロッド4の保持を解くことができる。
【0020】
前記回転用モータ36の出力軸36aには遊星歯車機構を介して第2出力軸37が連結されている。この第2出力軸37の下部にはスプロケット38が一体に固定されており、このスプロケット38と前記中空スリーブ31の下部に設けられたスプロケット33とは環状チェーン39を巻き掛けて連結されている。この構成により、回転用モータ36の回転駆動をチャック軸31へ伝達することで、貫入ロッド4が回転する。
【0021】
前記遊星歯車機構はフランジ40に収容されており、このフランジ40の上方には前記回転用モータ36が配置してある。また、前記遊星歯車機構20は、前記回転用モータ36の出力軸36aと一体に回転するように取付けられた太陽ギア41と、この太陽ギア41と噛合し、かつ当該太陽ギア41を中心としてその周囲を自転しつつ公転する複数の遊星ギア42と、リング状に形成され内歯を有するインターナルギア43とから構成されている。このインターナルギア43は、その内歯が前記複数の遊星ギア42と噛合して、これら遊星ギア42の自転および公転を案内するように構成されている。これら遊星ギア42の下面には前記第2出力軸37が当該遊星ギア42と一体に回転可能に取付けられて、この第2出力軸37と前記回転用モータ36の出力軸36aとは同一軸線上に配置されている。また、前記遊星ギア42の間には、それぞれキャリア44が介在しており、これらキャリア44は前記第2出力軸37に一体成形されている。
【0022】
前記フランジ40の内周面には、内方を向いた梁45が当該フランジに一体成形されており、これら梁45は前記インターナルギア43を挟んで互いに対向するように位置している。これら梁45には前記インターナルギア43が固定されており、前記遊星ギア42の回転に伴って回転しないようになっている。この梁45の側面には前記インターナルギア43が貫入ロッド4による回転反力を受け、この回転反力が当該梁45に作用する方向で互いに対向するようにして歪みゲージ46が取付けられており、これら歪みゲージ46と梁45によって前記トルクセンサが構成されている。
【0023】
前記ベースプレート2には、昇降台14を貫くようにしてガイド支柱3が立設されている。このガイド支柱3は一対のポール3a,3bを有しており、これらポール3a,3bの上端部が連結梁3c,3dを介してフレーム10に固定されている。また、ガイド支柱3のポール3a,3bには上下方向に移動可能にホルダ3e,3fが挿通されている。このホルダ3e,3fに昇降台14を固定することにより、ガイド支柱3は、ホルダ3e,3fと一体にポール3a,3bに沿って上下方向に移動する昇降台14をガイドするように構成されている。
【0024】
本発明の自動貫入試験機1によれば、昇降台14がフレーム10とガイド支柱3に沿って昇降するように構成されているので、高トルクで貫入ロッド4を地中に回転貫入させても、貫入試験機本体が振れたり、傾いたりすることを防止できる。
【符号の説明】
【0025】
1 自動貫入試験機
2 ベースプレート
3 ガイド支柱
3a,3b ポール
3c,3d 連結梁
3e,3f ホルダ
4 貫入ロッド
4a スクリューポイント
10 フレーム
11,12 支柱
13 ピンラック
14 昇降台
20 昇降ユニット
30 チャック
36 回転用モータ
100 クローラー
図1
図2
図3