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  • 特開-可搬式給電装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067224
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】可搬式給電装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/00 20060101AFI20230509BHJP
   A47B 97/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01R25/00 C
A47B97/00 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178264
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】守田 圭
(57)【要約】
【課題】テーブルに添設して使用される可搬式給電装置において、細い支柱であってもベース体に強固に固定できて組み立ても容易な技術を開示する。
【解決手段】給電装置1は、床に置かれるベース体3と、ベース体3の縁部から立ち上がった支柱4と、支柱4の上端から水平状に延びてテーブル2の上方に入り込むアーム5とを有しており、アーム5にコンセントユニット6が内蔵されている。支柱4は、ベース体3に上向きビス21で固定されて一対の継手20に横向きビス22で固定されている。一対の継手20の合わせ面に、電源ケーブル11が通る空間が空いている。一対の継手20は同一品であり、係合突起27と係合溝28との嵌め合わせによってずれ不能に保持されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に載るベース体と、前記ベース体から立ち上がった中空の支柱と、前記支柱の上端に設けた給電部と、を有し、
前記支柱は、前記ベース体に固定されたブロック状の継手にビスで固定されて、前記継手には電源ケーブルの挿通を許容する空間が空いており、前記ベース体には、前記継手を通過した電源ケーブルを下方に引き出すケーブル挿通穴が空いている、
可搬式給電装置。
【請求項2】
前記継手は、水平方向に重なるように対を成していて、前記一対の継手の対向した面に前記電源ケーブルの挿通を許容する空間が形成されており、
かつ、前記一対の継手は、前記ベース体と前記支柱とにそれぞれ別々のビスで固定されている、
請求項1に記載した可搬式給電装置。
【請求項3】
前記一対の継手は同一形状であり、相対向した面のうち一方の長手側縁には上下長手の係合突起が形成されて他方の長手側縁には上下長手の係合溝が形成されており、一方の継手の係合突起と他方の継手の係合穴とが嵌合している、
請求項2に記載した可搬式給電装置。
【請求項4】
前記一対の継手において前記係合突起を設けている側部に、少なくとも下向きに開口した雌ねじ穴が形成されており、前記ベース体の下方から貫通したビスが前記雌ねじ穴にねじ込まれている、
請求項3に記載した可搬式給電装置。
【請求項5】
前記一対の継手の下端には、前記電源ケーブルを掴持する樋状部が下向きに突設されており、前記樋状部は、前記ベース体に設けたケーブル挿通穴に密嵌している、
請求項2~4のうちのいずれかに記載した可搬式給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、オフィス等で使用される可搬式給電装置(コンセントユニット)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや家庭、店舗等の様々な場所でノートパソコンやプロジェクタ等の電子・電気機器が多用されており、これら電子・電気機器には、一般にコンセントから給電されている。コンセントの態様としては、壁に設けた固定式のタイプや、延長コードに設けたテーブルタップのタイプ、或いは、机や間仕切などの什器に固定的に設けられたタイプなどがある。
【0003】
さて、近年のオフィスでのワーキングスタイルとして、固定された席を持たないフリーアドレス方式が広がっているが、このフリーアドレス方式のワーキングスタイルでは、テーブルは融通性を重視して簡易なタイプが多用される傾向にあるため、ノートパソコンの電源としてはテーブルタップが多用されることになるが、ケーブルを床上に這わせるのは美観や歩行の安全の点で問題であるため、ケーブルを二重床から引き出してその先端にテーブルタップを接続することになるが、この方式では、テーブルタップは床に配置されるため融通性が悪い問題や、見た目もよくないという問題がある。
【0004】
そこで、床上に自立できてどこにでも持ち運びできる可搬式給電装置が提案されており、その例として特許文献1には、円形のベース体に角形の伸縮式マストを立設し、上下動する可動マストの側面にコンセントを設けたスタンドタイプが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002-110302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1において、角形でダクト状のマストはベース体に固定された部分も有しており、電源ケーブルはマストの固定部からベース体の下方に引き出されている。そして、特許文献1においては、マストの固定部をどのような方法でベース体に固定しているのか説明は成されていないが、例えば、固定部とベース体とを溶接によって固定する方法や、ブラケット板をベース体に溶接してこのブラケット板に固定部をビス止めする方法などが考えられる。
【0007】
そこで検討するに、溶接によって直接に固定する方法は、作業に手間がかかる問題や、肉盛り部が外側に露出していると塗装していても体裁が悪いといった問題、或いは、ベース体が合成樹脂製であると適用できないといった問題がある。ベース体やマストの交換をできないという問題もある。
【0008】
他方、ブラケット板を利用したビス止めは、ブラケット板をベース体に溶接することに手間がかかる問題や、ベース体が合成樹脂製であると適用できないといった問題、或いは、板材同士のビス止めでは強固に締結できない場合があるといった問題がある。
【0009】
また、特許文献1のマストのようにマストがかなりの大きさである場合は、平面積が大きいためブラケット板方式でもマストを安定的に固定できると云えるが、例えば1辺が数センチ幅の角パイプのような支柱をベース体に立設する場合は、ブラケット板方式では、ブラケット板と支柱との滑りを的確に防止できずに高い固定強度を確保し難い問題も懸念される。
【0010】
本願発明はこのような現状を背景にして成されたものであり、どこにでも持ち運びできて便利な可搬式給電装置に関し、細い支柱であってもベース体に強固に固定できる等の利点を有する技術を開示せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は様々な構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明に係る可搬式給電装置は、
「床面に載るベース体と、前記ベース体から立ち上がった中空の支柱と、前記支柱の上端に設けた給電部と、を有し、
前記支柱は、前記ベース体に固定されたブロック状の継手にビスで固定されて、前記継手には電源ケーブルの挿通を許容する空間が空いており、前記ベース体には、前記継手を通過した電源ケーブルを下方に引き出すケーブル挿通穴が空いている」
という構成になっている。
【0012】
なお、本願発明で特定しているブロック状は、板状でなくビスがねじ込まれる厚さを有して塊状の外観を呈しているという意味であり、外周に凹所が形成されていてもよい。継手はアルミダイキャスト品のような金属製としたり合成樹脂製としたりすることができるが、合成樹脂製の場合、ナットを嵌め込んでこれにビスをねじ込むことも可能である。
【0013】
請求項2の発明は請求項1の展開例であり、
「前記継手は、水平方向に重なるように対を成していて、前記一対の継手の対向した面に前記電源ケーブルの挿通を許容する空間が形成されており、
かつ、前記一対の継手は、前記ベース体と前記支柱とにそれぞれ別々のビスで固定されている」
という構成になっている。
【0014】
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記一対の継手は同一形状であり、相対向した面のうち一方の長手側縁には上下長手の係合突起が形成されて他方の長手側縁には上下長手の係合溝が形成されており、一方の継手の係合突起と他方の継手の係合穴とが嵌合している」
という構成になっている。
【0015】
請求項4の発明は請求項3の展開例であり、
「前記一対の継手において前記係合突起を設けている側部に、少なくとも下向きに開口した雌ねじ穴が形成されており、前記ベース体の下方から貫通したビスが前記雌ねじ穴にねじ込まれている」
という構成になっている。
【0016】
請求項5の発明は請求項2~4のうちのいずれかを具体化したもので、
「前記一対の継手の下端には、前記電源ケーブルを掴持する樋状部が下向きに突設されており、前記樋状部は、前記ベース体に設けたケーブル挿通穴に密嵌している」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0017】
本願発明の継手はブロック状であるため、ベース体及び支柱との密着面積を大きくして、ベース体及び支柱に対して高い強度でビス止めできる。従って、外寸が数センチの支柱であっても、ベース体に対して高い強度で固定できる。これにより、スリムな可搬式給電装置を堅牢な構造で提供できる。また、継手はベース体及び支柱に対してビス止めされているため、溶接作業は不要で組み立ての手間を軽減できると共に、支柱やベース体の交換も簡単に実現できる。また、継手は支柱の形状に合わせて形成できるため、各種の形状の支柱に対応できる利点もある。
【0018】
継手は単一構造品も採用可能であるが、請求項2のように2つに分離した方式を採用すると、それぞれの継手をビスのねじ込みで支柱に強く引き付けできるため、固定強度の面で有利である。また、給電装置を組み立てるに際しては、支柱から引き出された電源ケーブルを挟んでから支柱に挿入できるため、継手に電源ケーブルを通す作業は不要であり、それだけ作業性を向上できる。また、一対の継手で電源ケーブルをバタ付かない状態に保持することも可能である。
【0019】
請求項3の構成では、継手を一対に分離しつつ、係合突起と係合溝との嵌合によってずれない状態に一体化できるため、継手を2つに分離したものでありながら、一対の継手を一体化して支柱の固定強度向上に貢献できる。
【0020】
請求項4の構成では、継手の雌ねじ穴は係合突起を設けた部位に形成しているため、雌ねじ穴の上下長さを長くすることができる(上下全長に亙って開口させることもできる。)。従って、1本のビスによる固定であっても、長さの長いビスを使用して継手をベース体に強固に固定できる。
【0021】
請求項5の構成では、電源ケーブルは継手によって掴持されているため、何らかの理由で電源ケーブルの露出部が引っ張られても、支柱の内部に隠れた部位に引っ張り力が作用することを防止できる。従って、電源ケーブルがコンセントユニットから外れてしまったり接触不良になったりすることを防止できる。
【0022】
また、支柱の内部で電源ケーブルに遊びがあり過ぎると、給電装置の持ち運びに際して、電源ケーブルに踊り現象が生じて支柱の内面に当たって音を発することが有り得るが、請求項5の構成では、支柱の内部において電源ケーブルを張った状態に保持できるため、電源ケーブルの踊り現象を防止して異音の発生を防止できる利点もある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は給電装置の使用状態の全体斜視図、(B)は(A)のB-B視側面図、(C)は平面図である。
図2】(A)は給電装置を下方から見た斜視図、(B)は底面図、(C)は(A)のC-C視断面図、(D)は別例の下方斜視図である。
図3】(A)は支柱を分離した状態での斜視図、(B)は継手も分離した状態での斜視図である。
図4】主として継手を説明するための図で、(A)は上方から見た分離斜視図、(B)は下方から見た分離斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(1).基本構造
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1に示すように、給電装置1は、テーブル2の外周部(一般に左又は右の短辺部)に配置して使用されるものであり、床に載る円形でプレート状のベース体3と、ベース体3の縁部から立ち上がった支柱4と、支柱4の上端から水平状に曲がったアーム5とを備えている。支柱4は、テーブル2における天板2aの上面よりも高い高さに設定されており、アーム5は、平面視でベース体3を二分する姿勢で延びている。アーム5はアーム状ホルダーと呼ぶことも可能である。
【0025】
従って、ベース体3をテーブル2の内部に入り込ませることにより、アーム5を、テーブル2の上方にオーバーハングさせた状態に配置できる。図1(C)のとおり、アーム5は、平面視で先端がベース体3の外側にはみ出ない寸法に設定されている。なお、ベース体3は金属板製又は合成樹脂製である。
【0026】
以下では、方向を特定するため前後・左右の文言を使用するが、アーム5の長手方向を前後方向として、アーム5の長手方向と直交した水平方向を左右方向としている。前と後ろは、アーム5の自由端の側を前として、支柱4の側を後ろとしている。
【0027】
支柱4及びアーム5はスチール製の角パイプをL形に曲げて一体に形成されており、アーム5の内部に、図1(C)に示すコンセントユニット6が内蔵されている。アーム5の先端はキャップ7で塞がれている。コンセントユニット6は4口タイプであり、アーム5の上面に四角形の4つの開口8が形成されて、開口8には、コンセントユニット6に形成した上向きの突起部6aが嵌入しており、突起部6aに一対ずつの差し込み口6bを形成している。なお、コンセントユニット6の構造は、本願発明とは直接には関係ないので、詳細な説明は省略する。
【0028】
図2(A)(C)に示すように、アーム5と支柱4とが繋がったコーナー部の内角面に、アーム5の基端から支柱4の上端に向け延びる内向きのリブ9を形成している。
【0029】
図2(A)(B)に示すように、ベース体3の下面には4つの接地体10が周方向に並んで配置され、ビス止めや接着等の手段でベース体3の下面に固定されている。接地体10は合成樹脂製であり、外向き面はベース体3の外周面よりも僅かに曲率半径が小さい円弧状に形成され、ベース体3の中心に向いた内向き面は平坦面に形成されている。
【0030】
そして、接地体10の外向き面には、電源ケーブル11を巻き込みできる凹溝12が形成されて、内向き面には、電源ケーブル11の一端に接続されたプラグ13の端子を差し込みできる一対ずつのダミー差し込み口14が形成されている。従って、給電装置1を使用しないときには、電源ケーブル11は、接地体10の群の凹溝12に巻き込んで、プラグ13をいずれかの接地体10のダミー差し込み口14に接続しておくことにより、電源ケーブル11をばらけない状態に保持している。
【0031】
接地体10は合成樹脂製であるがある程度の厚さがあるので、周方向と放射方向とに延びる多数のリブ15を形成して、軽量化しつつ厚さを保持している。また、図2(A)に示すように、接地体10の内向き側面部を、ダミー差し込み口14を挟んだ両側において外側に湾曲させ、この湾曲部の下端に、電源ケーブル11を載せ得るケーブル受け部10aを設けている。ケーブル受け部10aには、電源ケーブル11のずれ落ちを防止する上向きの堰片10bを設けている。
【0032】
接地体10の数は任意に設定できる。図2(D)に示す変形例では、8個の接地体10を周方向に並べている。接地体10の個数を少なくすると、凹溝12の長さを長くして接地体10の群より成る巻き取り装置をドラムに近い形状に形成できる。隣り合った接地体10の間には、若干の間隔の隙間16が空いている。給電装置1の使用に際しては、隣り合った接地体10の間の隙間16から電源ケーブル11を外側に引き出すことができる。
【0033】
図2(A)(B)(D)に示すように、ベース体3のうち支柱4の下方の部位には、上下に貫通したケーブル挿通穴17が空いている。支柱4はベース体の周縁部に設けているため、ケーブル挿通穴17は、隣り合った2つの接地体10の間の隙間16に開口している。
【0034】
(2).支柱の接続構造
図3,4に示すように、支柱4は、左右に重なり合った前後一対の継手20を介してベース体3に接続されている。すなわち、ベース体3に下方から挿通した上向きビス21を継手20にねじ込むことにより、継手20をベース体3に固定し、支柱4に側方から挿通した横向きビス22を継手20にねじ込むことにより、支柱4を継手20に固定している。
【0035】
従って、ベース体3と支柱4とにはそれぞれビス挿通穴23,24が開口しており、また、継手20には、上向きビス21がねじ込まれる縦長雌ねじ穴25と、横向きビス22がねじ込まれる横長雌ねじ穴26とが形成されている。
【0036】
継手20は、箱状に形成されていて重なり合うとブロック状の外観を呈しており、互いに重なり合う長手側縁に、縦長の係合突起27と係合溝28とが振り分けて形成されている。一対の継手20は同じ構造になっているが、一方の継手20の係合突起27と他方の継手20の係合溝28とが嵌合することにより、一対の継手20は支柱4の内部でずれ不能に保持されている。
【0037】
継手20の対向した部位は電源ケーブル11が通る凹所になっており、この凹所に十字状のリブ29と、横長雌ねじ穴26を形成するための筒状ボス30とが形成されている。継手20の上端には、電源ケーブル11を通すために内向き切欠き31が形成されている。
【0038】
また、継手20の下面には、互いに重なり合って電源ケーブル11を抱持する半割状の樋状部32が下向きに突設されており、樋状部32はベース体3のビス挿通穴23に密嵌している。従って、樋状部32は、継手20をベース体3に対して位置決めする機能も備えている。
【0039】
電源ケーブル11は一対の樋状部32で掴持されているため、電源ケーブル11を支柱の内部で張った状態に保持できる。従って、給電装置1を持ち運びするに際して、支柱4の内部で電源ケーブル11が振れ動いてカタカタと異音を発したり、電源ケーブル11に外からの引っ張り力が作用したときに電源ケーブル11が損傷したり、電源ケーブル11がコンセントユニット6から外れたりするようなことはない。
【0040】
一対の継手20において対向した部位は電源ケーブル11が通る空間になっているが、継手20はそれぞれ1本ずつの横向きビス22で支柱4に固定されているため、横向きビス22は電源ケーブル11が通る空間を横切ることはない。従って、横向きビス22が電源ケーブル11に干渉する不具合は生じない。また、継手20はそれぞれ横向きビス22によって支柱4の内面に引き付けられるため、支柱4と継手20との固定強度を向上できる。
【0041】
継手20は1本の上向きビス21でベース体3に固定されているのが、縦長雌ねじ穴25は係合突起27を設けた部位に形成されていて上下に貫通しているため、上向きビス21は長さの長いものを使用できる。従って、1本の上向きビス21による固定でありながら、継手20をベース体3に強固に固定できる。なお、一対の継手20をそれぞれ2本ずつの上向きビス21でベース体3に固定することは可能である。
【0042】
支柱4の前後壁板にビス挿通穴24が空いているが、図4(B)から把握できるように、ビス挿通穴24の箇所は内向きに突出したバーリング部になっている。そこで、継手20のうち支柱4と対向した部位の上面には、支柱4を嵌め込むに際してバーリング部を逃がすための外向き切欠き33を形成している。また、外向き切欠き33を挟んだ左右両側に縦長溝33aを形成している。従って、継手20は、縦長の4本のリブを介して支柱4の内面に当接している。
【0043】
なお、本実施形態では、電源ケーブル11は、二重床から引き出した外部コンセントに接続してもよいし、建物の壁に設けた外部コンセントに接続してもよい。可搬式であるため、必要に応じて任意の場所に持ち運んで使用できる。従って、フリーアドレス方式のオフィスにも好適である。
【0044】
既に述べたように、アーム5はテーブル2の上方にオーバーハングさせることができるため、ノートパソコン等の機器のプラグは、椅子に腰掛けたままで差し込み口6bに挿脱できる。しかも、コンセントユニット6の差し込み口6bは上向きに開口しているため、テーブル2を挟んで向かい合ったいずれの人も全ての差し込み口6bを使用可能であり、従って、差し込み口数が足りなくなることはなくて、使い勝手がよい。
【0045】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、支柱を丸パイプで構成することも可能であり、この場合は、継手は平面視半円形に形成される。もとより、支柱は正6角形や楕円形のような様々な形状を採用可能であり、継手も支柱の形状に合わせた形状に形成したらよい。また、継手は、上下複数箇所において支柱にビス止めすることも可能である。
【0046】
ベース体の平面視形態は円形である必要はないのであり、四角形や六角形、楕円形などの様々な形態を採用できる。支柱をベース体の中央部に固定することも可能である。更に、実施形態は長い電源ケーブルを使用して外部電源に接続する方式であったが、本願発明は、ベース体にバッテリーを搭載した方式の可搬式給電装置にも適用できる。この場合、ベース体は、バッテリーを着脱できる上向きに開口したトレー状(箱状)に構成することが可能であり、この場合は、支柱は、ベース体を構成する底板の縁部に継手を介して固定したらよい。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本願発明は、可搬式給電装置に具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0048】
1 給電装置
3 ベース体
4 支柱
5 アーム(ホルダー)
6 コンセントユニット
10 接地体
11 電源ケーブル
20 継手
21 上向きビス
22 横向きビス
23,24 ビス挿通穴
25,26 雌ねじ穴
32 樋状部(ケーブル抱持部)
図1
図2
図3
図4