(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067225
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】給電装置付きテーブル
(51)【国際特許分類】
A47B 13/00 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
A47B13/00 B
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178265
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100099966
【弁理士】
【氏名又は名称】西 博幸
(74)【代理人】
【識別番号】100134751
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 隆一
(72)【発明者】
【氏名】守田 圭
(72)【発明者】
【氏名】今 健一
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NN01
3B053NP08
3B053NQ08
3B053NQ10
(57)【要約】
【課題】机上面を広く使用できてコンセントも使いやすいテーブルを提供する。
【解決手段】天板2の上方に、左右長手のホルダー4が左右の支柱3を介して配置されており、ホルダー4の内部にコンセントユニット5が配置されている。コンセントユニット5の差し込み口7は、ホルダー4の上面に空けた開口6から上向きに露出ている。電源ケーブル8は、ホルダー4及び支柱3の内部を通ってテーブルの外側に引き出される。コンセントユニット5は天板2の上方にあるため、コンセントユニット5が物品の載置の邪魔になることはない。プラグの挿脱に際しては、使用者は着座したままで手を天板2をホルダー4の上に伸ばしたら足りるため、使いやすい。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
天板の上方に、プラグを挿脱自在なコンセントユニットが、前記天板から立ち上がった支柱を有するホルダーを介して配置されている、
給電装置付きテーブル。
【請求項2】
前記ホルダーは、複数本の支柱で支持された角パイプ状の形態であり、前記ホルダーの内部に前記コンセントユニットが配置されて、前記ホルダーの上面と側面とのうち少なくとも一方、前記コンセントユニットの差し込み口を露出させる開口が空いている、
請求項1に記載した給電装置付きテーブル。
【請求項3】
前記コンセントユニットは、前記ホルダーの開口に内側から嵌入する突起部を有しており、前記突起部に前記プラグの差し込み口が開口している、
請求項2に記載した給電装置付きテーブル。
【請求項4】
前記ホルダーは、平面視で前記天板を二分するように配置されている、
請求項2又は3に記載した給電装置付きテーブル。
【請求項5】
前記天板は左右方向に長い形態で、前記ホルダーも左右長手の形態になっており、前記ホルダーの複数箇所にコンセントユニットを配置している、
請求項2~4のうちのいずれかに記載した給電装置付きテーブル。
【請求項6】
前記天板には前記支柱の内部と連通した取り付け穴が空いている一方、
前記支柱は中空に形成されて前記天板の上面に重なる上フランジ板を設けており、前記天板の面に配置した下フランジ板と前記上フランジ板とで前記天板を挟持することにより、前記支柱を前記天板に固定している、
請求項1~5のうちのいずれかに記載した給電装置付きテーブル。
【請求項7】
前記コンセントユニットは、その差し込み口を上向きに開口させた状態で前記ホルダーに装着されている、
請求項1~6のうちのいずれかに記載した給電装置付きテーブル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、給電装置付き(コンセント付き)テーブルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
オフィスや店舗、家庭などで使用するテーブル(机)において、電源用のコンセントを設けることは広く行われている。例えば、天板の後部にコンセント配置穴を設けて、コンセントを、その上面が天板の上面と略同一面を成すようにして配置することが行われている。また、天板の中央部等に配線穴を空けて、天板の下面等に固定されたブラケットにコンセントを固定し、配線穴からプラグをコンセントに挿脱する構造ものも見られる。いわゆる学習机において、机上棚にコンセントを設けることも広く行われている。
【0003】
他方、特許文献1には、机上パネルが水平旋回自在に取り付けられたコンセントユニットを天板の上面に固定したものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さて、近年のオフィスでのワーキングスタイルとして、固定された席を持たないフリーアドレス方式が広がっている。また、ワーカーが単独で執務するスタイルの他に、複数人が討議してアイデアを出し合うようなスタイルも広がっている。もとより、商談や打合せのように、1つのテーブルを複数人が向かい合わせて使用することは従来から行われている。
【0006】
オフィス用のテーブルもワーキングスタイルの変化に対応して進化すべきである。特に、ワーキングツールがノートパソコンやタブレット端末に移行している現代のオフィスにおいて、これらの電子機器に簡単に給電できる使い勝手の良いテーブルが求められていると云える。
【0007】
そこで従来技術を検討するに、電源をとるという機能は満たしているが、人が向かい合わせで使用するに当たって使い勝手がよく、また、コンセントに邪魔されずに机上面を広く使用できるといは言い難い。
【0008】
本願発明はこのような現状を背景にして成されたものであり、オフィスの執務環境の変化等に対応して使い勝手がよい給電装置付きテーブルを開示せんとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明は様々の構成を含んでおり、その典型例を各請求項で特定している。このうち請求項1の発明は上位概念を成すもので、給電装置付きテーブルは、
「天板の上方に、プラグを挿脱自在なコンセントユニットが、前記天板から立ち上がった支柱を有するホルダーを介して配置されている」
という構成になっている。
【0010】
請求項2の発明は請求項1の展開例であり、
「前記ホルダーは、複数本の支柱で支持された角パイプ状の形態であり、前記ホルダーの内部に前記コンセントユニットが配置されて、前記ホルダーの上面と側面とのうち少なくとも一方、前記コンセントユニットの差し込み口を露出させる開口が空いている」
という構成になっている。
【0011】
請求項3の発明は請求項2の展開例であり、
「前記コンセントユニットは、前記ホルダーの開口に内側から嵌入する突起部を有しており、前記突起部に前記プラグの差し込み口が開口している」
という構成になっている。
【0012】
請求項4の発明請求項2又は3の展開例であり、
「前記ホルダーは、平面視で前記天板を二分するように配置されている」
という構成になっている。
【0013】
請求項5の発明は、請求項2~4のうちのいずれかにおいて、
「前記天板は左右方向に長い形態で、前記ホルダーも左右長手の形態になっており、前記ホルダーの複数箇所にコンセントユニットを配置している」
という構成になっている。
【0014】
請求項6は、請求項1~5のうちのいずれかにおいて
「前記天板には前記支柱の内部と連通した取り付け穴が空いている一方、
前記支柱は中空に形成されて前記天板の上面に重なる上フランジ板を設けており、前記天板の面に配置した下フランジ板と前記上フランジ板とで前記天板を挟持することにより、前記支柱を前記天板に固定している」
という構成になっている。
【0015】
請求項7の発明は、請求項1~6のうちのいずれかにおいて、
「前記コンセントユニットは、その差し込み口を上向きに開口させた状態で前記ホルダーに装着されている」
という構成になっている。
【発明の効果】
【0016】
本願発明では、コンセントユニットは天板の上方に配置されているため、机上面において物品でコンセントユニットが隠れたたり、物品を天板上に載せるに際してコンセントユニットが邪魔なったりすることは無く、机上面を広く使用しつつノートパソコン等の電子機器に給電できる。
【0017】
また、コンセントが天板に埋設されていたり直接に固定されていたりすると、例えば飲み物を零したときに、零れた飲み物がコンセントの差し込み口に入り込んでショートや漏電の事故を起こすことが懸念されるが、本願発明ではコンセントユニットが天板の上方に離れて配置されているため、天板上に飲み物を零してもショートや漏電の問題は皆無であって安全性にも優れている。また、天板の掃除もコンセントユニットに邪魔されることなく容易に行える(水に濡らした雑巾も問題なく使用できるため、天板の汚れを拭き取って綺麗に掃除することも簡単に実現できる。)。
【0018】
また、コンセントユニットはその差し込み口が天板の上方において露出しているため、プラグの挿脱をしごく簡単に行えて使い勝手がよい。特に、テーブルを複数人が向かい合わせで使用する場合は、いずれの人も手を伸ばしてプラグを簡単に挿脱できるため、昨今のワーキングスタイルにマッチして、知的生産性の向上に貢献できる。勿論、商談や打合せにも好適であるし、1人で使用する場合も便利である。
【0019】
ホルダーの形態は様々に具体化できるが、請求項2のようにホルダーを角パイプ状に形成して複数の支柱で支持すると、高い強度を確保しつつ、テーブルの使用者のいずれもが手を伸ばすだけでプラグを容易に挿脱できる状態を現出できるため、使い勝手を更に向上できる。
【0020】
また、ホルダーを他の用途に使用することも可能である。例えば、ホルダーをスチール製にすると、マグネットを使用して紙片類を止めることができる。また、ホルダーのうちコンセントユニットが配置されていない部位に小テーブルを取り付けて、飲み物やミニプランター等の小物の載置に利用することも可能になる。
【0021】
ホルダーを角パイプ状に形成した場合において、請求項3の構成を採用すると、コンセントユニットにおいて差し込み口が形成されている突起部の外面とホルダーの外面とを同一面に揃えることができるため、ホルダーに設けた開口の内周面が見えることを防止して美観を向上できる利点である。
【0022】
ホルダーの配置位置はテーブルの大きさや形状等に応じて設定できるが、請求項4のように平面視で前記天板を二分するように配置すると、複数人が向かい合わせで使用するテーブルに好適である。
【0023】
また、天板が長方形で前後両側に複数人ずつが座るようになっている場合、請求項5のようにホルダーに複数のコンセントユニットを配置していると、いずれの人も他人に気兼ねすることなくコンセントユニットを使用できるため、使い勝手を更に向上できる。
【0024】
天板に対する支柱の取り付け手段は様々な構造を採用できるが、請求項6のようにフランジ板による挟み付け構造を採用すると、天板には鬼目ナットを装着するなどの加工は不要であり、天板には取り付け穴を空けるだけでよいため、天板の加工の手間を軽減できる。
【0025】
コンセントユニットの差し込み口は側方(水平方向)に開口させることも可能であるが、請求項7のように上向きに開口させると、テーブルを挟んで向かい合ったいずれの人も手を伸ばすだけで各コンセントユニットを使用できるため、ノートパソコン等の機器がテーブルを挟んで片側に偏っている場合でも、的確に対応できる。すなわち、コンセントユニットの口数の全体の数は足りているのには、特定の人がコンセントユニットを使用しにくいという事態の発生を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】第1実施形態を示す図で、(A)は全体の斜視図、(B)は部分的な一部破断斜視図、(C)は部分的な分離斜視図である。
【
図2】(A)は支柱とホルダーとの接続状態を示す一部破断正面図、(B)は部分側面図、(C)は
図2(B)及び
図4(A)のIIC-IIC 視断面図である。
【
図3】支柱の取り付け構造を示す図で、(A)は上から見た斜視図、(B)は下から見た斜視図、(C)は支柱固定用部材を上方から見た斜視図、(D)は支柱固定用部材を下方から見た斜視図である。
【
図4】コンセントユニットを示す図で、(A)は上方から見た分離斜視図、(B)は下方から見た分離斜視図である。
【
図5】第2実施形態のコンセントユニットを示す図で、(A)は上方から見た分離斜視図、(B)は下方から見た分離斜視図である。
【
図6】(A)は第2実施形態の組み立てた状態での側側面図、(B)は第2実施形態の組み立て途中での側断面図、(C)は第3実施形態の断面図である。
【
図7】(A)は第3実施形態の部分斜視図、(B)は第4実施形態の平面図、(C)は(B)のC-C視断面図、(D)は第5実施形態の平面図、(E)は(D)のE-E視断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
(1).実施形態の概要
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、テーブルは左右の脚1で支持された天板2を有し、天板2の前後中間部の上方に、左右の支柱(足体)3を介して左右長手で中空角形のホルダー4が配置されており、ホルダー4の内部に左右2つのコンセントユニット5が内蔵されている。脚1はロ字形になっているが、棒脚や門型、或いはH形などの各種のものを使用できる。天板2は合板を含む木製であるが、スチール製や積層品であってもよい。
【0028】
ホルダー4は角形鋼管を切断して使用しており、コンセントユニット5を配置した箇所に長方形の4つの開口6が長手方向に並んで形成されており、各開口6に、コンセントユニット5から差し込み口7が露出している。以下では、コンセントユニット5の説明に関して前後・左右の文言を使用するが、前後方向はホルダー4の軸心方向から見た方向、左右方向はホルダー4の軸心と直交した水平方向としている。前と後ろに関しては、ホルダー4の端の側を前としている。
【0029】
支柱3は丸パイプ製であり、その上端をホルダー4に下面板に溶接している。
図2(A)に明示するように、コンセントユニット5に接続された電源ケーブル8は、ホルダー4の内部から支柱3に内部を通って下方に引き出されている。この場合、2つのコンセントユニット5の電源ケーブル8は1本に纏められて、1本の支柱3の下方に引き出されている。
【0030】
すなわち、左右のコンセントユニット5において電源ケーブル8を共有して、共有された電源ケーブル8の芯線から両コンセントユニット5の各端子に枝線が分岐している。従って、2つ(複数)のコンセントユニット5を備えつつ、外部電源に接続する電源ケーブル8は1本で足りる。このため、配線作業の手間を軽減できる。もとより、各コンセントユニット5ごとに電源ケーブル8を設けることは可能である。
【0031】
図2(B)に示すように、天板2の下面には、電源ケーブル8を受ける左右長手のダクト9がビス止めされている。電源ケーブル8は、ダクト8の端からテーブルの外側に引き出されて外部電源に接続される。
【0032】
(2).支柱3の固定構造
図3に示すように、支柱3の下部には、天板2の上面に重なるリング板状の上フランジ板10が溶接されており、上フランジ板10の下面に、中継板11を介して一対(複数個)のナット(ロングナット)12が固定されている。ナット12は、その上端が中継板11にかしめ付け又は溶接で回転不能に固定されており、中継板11は、その外周部に形成した複数の切欠きの箇所が上フランジ板10に溶接されている(スポット溶接してもよい。)。
【0033】
なお、ナット12は前後に一対配置しているが、左右に一対配置してもよいし、3個以上のナット12を周方向に等間隔で配置してもよい。また、ナット12を上フランジ板10の下面に直接溶接することも可能である。
【0034】
天板2には、ナット12外接(又は近接)する円形の取り付け穴13が空いている。ナット12の下端は天板2の下面よりも上に位置しており、天板2の下面にリング板状の下フランジ板14を重ねて、下フランジ板14に挿通された2本の上向きビス15をナット12にねじ込んでいる。従って、天板2が上下のフランジ板10,14で挟み付けられて、支柱3は天板2に対して固定される。
【0035】
下フランジ板14には、合成樹脂製の保護ブッシュ16が下方から嵌着されており、かつ、保護ブッシュ16には、下方からキャップ17が嵌着している。保護ブッシュ16は、その下端に外向きフランジ部18を設けると共に、その外周の下端には、下フランジ板14の内周に嵌着するリブ19の群を形成している。従って、保護ブッシュ16は、下方からの圧入によって下フランジ板14に外れ不能に取り付けられる。
【0036】
保護ブッシュ16の下端には内向きフランジ部20を形成している一方、キャップ17の上面には、保護ブッシュ16の内向きフランジ部20に係合する一対の係合爪21を上向きに突設している。従って、キャップ17は下向き脱落不能でかつ回転可能に保持されている。
【0037】
キャップ17には、電源ケーブル8を引き出す切欠き22が形成されている。従って、電源ケーブル8を側方に引き出すことができる。支柱3は天板2の側部に配置されているで、実施形態のようにキャップ17に切欠き22を形成していると、電源ケーブル8の引出し方向を特定できるため、必ずしもダクト9を設けなくてもよい。実施形態のように、2つの(複数の)コンセントユニット5の電源ケーブル8を1本にまとめると、電源ケーブル8は天板2の一側縁の箇所のみに位置するため、ダクト9を使用せずに外側に引き出すことを容易に実現できる。
【0038】
支柱3の固定手段としては、下フランジ板14に、支柱3の下部に螺合するナット筒を設けて、上下のフランジ板10,14で天板2を挟み固定することも可能である。
【0039】
(3).給電部
図4(
図2(C)も参照)に示すように、コンセントユニット5は、一対ずつのプラグの差し込み口(端子口)7が形成された4つのプラグホルダー27と、プラグホルダー27の群に上から重なる前後長手のアッパケース28と、プラグホルダー27の群に下から重なる前後長手のロアケース29とを備えている。ロアケース29の前端にはエンドプラグホルダー30を装着できるが、本実施形態では、コンセントユニット5はホルダー4の端部から奥に入っているので、エンドプラグホルダー27を使用することはできない。従って、エンドプラグホルダー30の表示は参考である。
【0040】
アッパケース28は左右の側板を備えて、下向きに開口した角形樋状の形態を成しており、プラグホルダー27が下方から嵌入する4つの窓穴31が空いている。他方、プラグホルダー27には、アッパケース28の下面に当たる前後のフランジ部32が形成されており、フランジ部32がアッパケース28に下方から当たった状態で、各プラグホルダー27は、アッパケース28の上に露出したホルダー4の開口6に嵌入している。従って、各プラグホルダー27のうちホルダー4の開口6から上向きに露出した部位が突起部27aになって、突起部27aに差し込み口7が開口している。
【0041】
ロアケース29は、左右の側板29aと前面板29bと後面板29cとを有して上向き開口の箱状の形態を成しており、アッパケース28とロアケース29とで各プラグホルダー27を上下から挟み固定している。図示は省略しているが、各プラグホルダー36には、電源ケーブル11から分岐した2本ずつの枝線が接続されている。
【0042】
アッパケース28に、長さが長い3本の下向きロングボス筒33と、長さが短い2本の下向きショートボス筒34とを前後に交互に配置して下向きに突設している一方、ロアケース29には、アッパケース28の下向きロングボス筒33に被嵌する上向きショート受け筒35と、アッパケース28のショートボス筒34に被嵌する2本の上向きロング受け筒36とを突設しており、ボス筒33,34と受け筒35,36とを嵌合させている(強制嵌合させて、上下ケース28,29を一体化してもよいし、上下ケース28,29をビスで固定してもよい。)。
【0043】
なお、ロアケース29の一端部には、エンドプラグホルダー30のフランジ部32が上から嵌まるフロント係合溝37を形成している。エンドプラグホルダー30は、アッパケース28によって上向き移動不能に保持され得る。コンセントユニット5をホルダー4の端に配置している場合は、エンドプラグホルダー30を使用可能である。この場合は、エンドプラグホルダー30を充電用USBポートに代えることも可能である。
【0044】
図2(C)に示すように、ホルダー4の下面板に、ロアケース29における2本の上向きロング受け筒36に下方から嵌入当接するビス38がねじ込まれており、ビス38によってコンセントユニット6を上向きに押し上げて、プラグホルダー27の突起部27aがホルダー4の開口8に嵌入した状態を保持している。
【0045】
ロアケース29の後面板29a及びアッパケース28の後面板には、電源ケーブル8を引出すために上向きの切欠き39を形成している。また、
図2(C)に示すように、ロアケース29には、プラグホルダー27の下方でかつ受け筒35,36を挟んだ両側に、電源ケーブル8が通る通路40を形成している。なお、
図4(A)に一点鎖線で示すように、ロアケース29の前面板29cにも切欠き39を形成することは可能である。
【0046】
図1(C)や3(A)に示すように、ホルダー4の両端はキャップ41で塞がれている。
図4(B)に示すように、キャップ41には角筒状の足体42を設けており、足体42がホルダー4の先端部に弾性的に嵌入するようになっている。足体42の外周には断面山形の突条を形成しており、突条をホルダー4に線接触させることにより、弾性力を利用して取り付けている。
【0047】
(4).まとめ
本実施形態では、コンセントユニット5は天板2の上方に配置されているため、机上面において物品でコンセントユニット5が隠れたり、物品を天板上に載せるに際してコンセントユニット5が邪魔なったりすることは無く、机上面を広く使用しつつ機器に給電できる。特に、実施形態のように支柱3を天板2の左右側部に寄せて配置すると、支柱3が物品の邪魔になりにくいため、特に好適である。
【0048】
実施形態のようにコンセントユニット5を左右2か所に配置すると、左右に2人の人が並んで使用するにおいて、それぞれの人がその前のコンセントユニット5を使用できるため、使い勝手がよい。ホルダー4の側面に差し込み口7を開口させることも可能であるが、実施形態のように差し込み口7をホルダー4の上面に開口させると、対向した人がいずれも全ての差し込み口7を使用できるため、差し込み口7の数をできるだけ少なくしつつ、机上で使用する多くの機器に対応できる。
【0049】
実施形態のようにホルダー4を中空構造に形成すると、コンセントユニット5は差し込み口7しか露出しないため、すっきりとした外観で美観に優れている。特に、コンセントユニット5における突起部27aの上面とホルダー4の上面とが同一面に揃っているため、見た目は更に良い。この場合、コンセントユニット5はホルダー4に挿入してから押し上げることになるが、実施形態のようにビス38を使用すると、簡単な構造でコンセントユニット5の押し上げできる利点がある。
【0050】
図1(A)に一点鎖線で示すように、ホルダー4のうち左右のコンセントユニット5の間の部位に小テーブル43を配置ことも可能である。小テーブル43には、小型プランターや飲み物などの小物を載置できて便利である。
【0051】
(5).第2実施形態
次に、
図5,6に示す第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態のコンセントユニット5の他の利用形態であり、この実施形態では、ロアケース29の下方に、当該ロアケース29と略同じ全長の押さえ部材46が配置されており、押さえ部材46の挿入によってコンセントユニット5を押し上げている。
【0052】
図5に明示するように、押さえ部材46は左右の側板46aと前面板46bとを有して樋状の形態を成しており、左右の側板でロアケース29を左右両側から抱持しているが、押さえ部材46の左右側板46aを、奥から順に上向き低段部47、上向き中段部48、上向き高段部49の三段の高さに形成して階段状に高さを変えると共に、各上向き段部47,48,49に、抜き穴によって線ばね状に形成された押しばね部50を上向きに突設している。
【0053】
他方、ロアケース29の左右側面には、押さえ部材46の側板46aが入り込む肉盗み部(幅狭部)51を形成しており、肉盗み部51の上面(段差面)に、押さえ部材46の各段部47,48,49に対応して、下向き低段部52、下向き中段部53、下向き高段部54の三段の下向き段部を形成している。
【0054】
隣り合った段部47,48,49,52,53,54の高低差は、ホルダー4の板厚よりも僅かに大きい程度に設定している。そして、コンセントユニット5をアッパケース28に装着に当たっては、例えば、
図6(B)に示すように、押さえ部材46の上向き低段部47をロアケース29の下向き中段部52に重ねた状態で、コンセントユニット5をホルダー4に挿入して、各プラグホルダー27の上向き突部27aをホルダー4の開口6に下方から嵌入させてから、押さえ部材46を上向きに押しつつ奥に押し込む。
【0055】
すると、押さえ部材46を押し込みきると、各プラグホルダー27がホルダー4の開口6に嵌合した状態で、押さえ部材46の各段部47,48,49がロアケース29の各段部52,53,54に下方から当接することにより、上下ケース27,28は全長にわたって下向き動不能に保持されて、コンセントユニット5は安定した状態に保持される。この場合は、押さえ部材46に押しばね部50を形成しているため、各部材に製造誤差があっても、コンセントユニット5をガタ付きのない状態に保持できる。
【0056】
押さえ部材46の下面には左右複数対ずつの下向きリブ55を設けており、下向きリブ55がホルダー4の下内面に当たるように設定している。このように下向きリブ55を設けると、押さえ部材46はホルダー4に対して線接触状に当たるため、押さえ部材46の挿入をスムースに行える。
【0057】
また、ロアケース29における左右側板29aの前端部に下向きに開口したストッパー凹所59を形成する一方、押さえ部材46における左右側板46aの前端には、ストッパー凹所56に下方から嵌合するばね片状のストッパー片60を設けており、これらストッパー片57とストッパー凹所56との嵌まり合いによってロアケース29と押さえ部材46とを相対動不能に保持することにより、コンセントユニット5は前後動不能に保持されている。
【0058】
本実施形態では、ホルダー4の下面にビス穴等の穴は不要であるため、ホルダー4の加工の手間を抑制できる。なお、第2実施形態のコンセントユニット5は、第1実施形態のコンセントユニット5を共用している。本実施形態では、2つのコンセントユニット5は、その高段部49,54がホルダー4の端部側に位置するように逆向きの姿勢で配置されている。ホルダー4の下面板に、コンセントユニット5の挿入位置を規定するビスを下方からねじ込んでおいてもよい。
【0059】
(6).第3実施形態
図6(C)に示す別例では、押さえ部材46をクリップ方式に構成している。すなわち、押さえ部材46は、ホルダー4に形成された前後長手の長穴61に下方から嵌入するように前後長手の板状に形成されており、その前後両端に、スリット62によって区画された下向きの係合足63を形成し、係合足63の下端に、ホルダー4における下板の内面に当接する係合爪64を形成している。
【0060】
コンセントユニット5には、押さえ部材46が下方から嵌入する溝穴65を形成している。コンセントユニット5は簡略して表示しており、ハッチングも施していない。押さえ部材46には、第2実施形態と同様の構造の押しばね部50を設けている。図では、押しばね部50は変形しきった状態に表示している。
【0061】
この例では、コンセントユニット5の全高はホルダー4に内部の上下幅よりも僅かに小さい寸法に設定しており、コンセントユニット5の突起部27a(図示せず)をホルダー4の開口6(図示せず)に嵌合させた状態で、コンセントユニット5の溝穴65に下方から押し込むと、係合爪64がホルダー4の下面部に係合して、押さえ部材46は外れ不能に保持されると共に、コンセントユニット5は前後ずれ不能に保持される。この状態で、コンセントユニット5は押さえ部材46の押しばね部50によって弾性的に付勢されているため、ガタ付きのない状態に保持される。
【0062】
この例では、押さえ部材46は、ホルダー4の下面部に左右一対ずつでかつ前後に複数対配置するのが好ましい。また、押さえ部材46は、隣り合った突起部27aの間に配置するのが好ましい。
【0063】
(7).第4~6実施形態
図7(A)に示す第4実施形態では、ホルダー4及び支柱3を板金製にした構造の例を示している。すなわち、ホルダー4は上向きに開口したコ字形のチャンネル状に形成されており、その内部に、テーブルタップ状のコンセントユニット5を固定している。支柱3はホルダー4に一体に形成されて中空に形成されており、その下端に、天板2に重なる下板3aを設けて、下板3aを天板2にビス(図示せず)で固定している。
【0064】
ホルダー4の底板には、下向きの補強リブ66が全長にわたって膨出形成されており、補強リブ66の内部に電源ケーブル8を通している。図示は省略しているが、ホルダー4と支柱3とが繋がったコーナー部には樹脂製のキャップを装着している。
【0065】
下板3aを天板2にビス止めすることに代えて、支柱3の下端に、一点鎖線で示すように、天板2を外側から囲うクランプ部67を設けて、クランプ部67の下板に設けたビスを天板2に下方から直接に又は当て板を介して当接させることも可能である。クランプ方式を採用すると既存のテーブルにも適用できる。なお、クランプ方式の給電装置は独立して請求項たり得る。
【0066】
図7(B)(C)に示す第5実施形態では、前後幅が大きい大型テーブルへの適用例として、ホルダー4をループ状に形成して、ホルダー4に、多数のコンセントユニット5を適宜間隔で配置している。コンセントユニット5の差し込み口は上に開口させてもよいが、本実施形態では、コンセントユニット5にはプラグ68は片側からしか挿脱できないため、側面に開口させるのが好ましい。実施形態のテーブルは小判形であるが、長方形や円形などであってもよい。
【0067】
図7(D)(E)に示す第6実施形態では、空間を囲うようにループ構造になっているテーブルに適用している。この実施形態では、天板2の内周部の上方に支柱3の群を介してホルダー4を配置している。この場合も、コンセントユニット5は天板2の片方だけから使用されるため、差し込み口はホルダー4の側面に開口させるのが使いやすい。
【0068】
以上、本願発明の実施形態を説明したが、本願発明は他にも様々に具体化できる。例えば、コンセントユニットはホルダーの1か箇所だけに配置してもよいし、各コンセントユニットにおいて差し込み口の口数は任意に設定できる。また、ホルダーは単なる板状や下向き開口コ字形などであってもよい。
【0069】
1本の支柱3の上端にホルダーを設けて、全体としてT形に形成することも可能である。実施形態ではホルダーは天板の1か所に設置しているが、天板の複数か所に配置しても良い。例えば、テーブルは左右長さが3m以上のロングタイプもあるが、このようなロングテーブルの場合は、複数のホルダーを配置してもよいし、1本のホルダーを配置して中間支柱で支持してもよい。ホルダーに、パソコンやタブレットと接続できるモニターを取り付けることも可能である。
【0070】
実施形態のコンセントユニットは上下のケースとプラグホルダーとの3種類の部材で構成されているが、1つのケースにプラグホルダー部を設けた構造など、様々な構造に具体化できる。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本願発明は、給電装置付きテーブルに具体化できる。従って、産業上利用できる。
【符号の説明】
【0072】
2 天板
3 給電装置を構成する支柱
4 給電装置を構成するホルダー
5 給電装置を構成するコンセントユニット
6 ホルダーの開口
10 上フランジ板
13 取り付け穴
14 下フランジ板
27 プラグホルダー
28 アッパケース
29 ロアケース
38 押さえ用のビス
46 押さえ部材