(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067233
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】選別補助装置
(51)【国際特許分類】
B65G 43/08 20060101AFI20230509BHJP
B07C 5/342 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65G43/08 C
B07C5/342
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178296
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】000163095
【氏名又は名称】極東開発工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002192
【氏名又は名称】弁理士法人落合特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山本 剛彦
(72)【発明者】
【氏名】前田 賢一
【テーマコード(参考)】
3F027
3F079
【Fターム(参考)】
3F027AA02
3F027CA07
3F027DA02
3F027EA04
3F027EA09
3F027FA12
3F079CB30
3F079DA12
3F079EA15
(57)【要約】
【課題】コンベア上の多数の搬送物の中から特定搬送物を取り除く作業を補助する選別補助装置であって、コンベア上の搬送物を撮影するカメラと、投影エリアがコンベア上に存するプロジェクタと、カメラの撮影画像とコンベアの搬送速度に基づいてプロジェクタの投影画像を設定する制御装置とを備えたものにおいて、特定搬送物の指標が投影されるコンベア上の投影エリアを広く確保して、選別作業範囲を拡大する。
【解決手段】複数のプロジェクタP1,P2は、コンベア1上での各々の投影エリアA1,A2が搬送方向に相互に隣接し、制御装置Cは、カメラCAの撮影画像Zから特定搬送物Xa,Xb,Xcを選定可能であり、且つ該特定搬送物の位置を示す指標La,Lb,Lcが、相互に隣接する複数の投影エリアA1,A2においてコンベア1の搬送速度に応じ下流側に移動してコンベア1上に投影されるようにプロジェクタP1,P2に対し画像データを出力する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンベア(1)上に載置されて搬送される多数の搬送物の中から特定搬送物(Xa,Xb,Xc)を選別して取り除く作業を補助するための選別補助装置において、
前記コンベア(1)上の所定の撮影エリア(A0)で搬送物を撮影するカメラ(CA)と、前記コンベア(1)上での各々の投影エリア(A1,A2)が搬送方向に相互に並ぶ複数のプロジェクタ(P1,P2)と、前記カメラ(CA)の撮影画像(Z)及び前記コンベア(1)の搬送速度に基づいて前記複数のプロジェクタ(P1,P2)の前記コンベア(1)上での投影画像(S1,S2)を設定する制御装置(C)とを備え、
前記制御装置(C)は、前記撮影画像(Z)から前記特定搬送物(Xa,Xb,Xc)を選定可能であり、且つその選定した特定搬送物(Xa,Xb,Xc)の位置を示す指標(La,Lb,Lc)が、前記搬送方向に相互に並ぶ複数の前記投影エリア(A1,A2)において前記コンベア(1)の搬送速度に応じ下流側に移動して投影されるように、前記複数のプロジェクタ(P1,P2)に対し前記投影画像(S1,S2)の画像データを出力可能であることを特徴とする選別補助装置。
【請求項2】
前記制御装置(C)は、前記撮影画像(Z)から一旦、特定搬送物(Xa,Xb,Xc)を選定すると、当該特定搬送物(Xa,Xb,Xc)の位置を示す前記指標(La,Lb,Lc)が、前記コンベア(1)上で投影開始されてから最下流側の前記投影エリア(A2)の下流端に到達するまで、その指標(La,Lb,Lc)を連続的に移動して投影し続けるように前記複数のプロジェクタ(P1,P2)に対し前記投影画像(S1,S2)の画像データを出力可能であることを特徴とする、請求項1に記載の選別補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンベア上に載置されて搬送される多数の搬送物(例えば家庭塵埃等の廃棄物)の中から特定搬送物(例えば危険物)を選別して取り除く作業を補助するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記した選別補助装置は、例えば特許文献1に開示されるように従来公知であり、この公知のものでは、コンベア上の搬送物を撮影するカメラと、投影エリアがコンベア上に存する単一のプロジェクタと、カメラの撮影画像に基づいてプロジェクタのコンベア上での投影画像を設定する制御装置とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の選別補助装置では、プロジェクタが只1基しか設置されていないため、コンベア上における投影エリアが狭くなって、選別作業範囲が制限される不都合がある。
【0005】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、従来装置の問題を解決可能とした選別補助装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明は、コンベア上に載置されて搬送される多数の搬送物の中から特定搬送物を選別して取り除く作業を補助するための選別補助装置において、前記コンベア上の所定の撮影エリアで搬送物を撮影するカメラと、前記コンベア上での各々の投影エリアが搬送方向に相互に並ぶ複数のプロジェクタと、前記カメラの撮影画像及び前記コンベアの搬送速度に基づいて前記複数のプロジェクタの前記コンベア上での投影画像を設定する制御装置とを備え、前記制御装置は、前記撮影画像から前記特定搬送物を選定可能であり、且つその選定した特定搬送物の位置を示す指標が、前記搬送方向に相互に並ぶ複数の前記投影エリアにおいて前記コンベアの搬送速度に応じ下流側に移動して投影されるように、前記複数のプロジェクタに対し前記投影画像の画像データを出力可能であることを第1の特徴とする。
【0007】
また本発明は、第1の特徴に加えて、前記制御装置は、前記撮影画像から一旦、特定搬送物を選定すると、当該特定搬送物の位置を示す前記指標が、前記コンベア上で投影開始されてから最下流側の前記投影エリアの下流端に到達するまで、その指標を連続的に移動して投影し続けるように前記複数のプロジェクタに対し前記投影画像の画像データを出力可能であることを第2の特徴とする。
【0008】
尚、本発明及び本明細書において、「下流」とは、コンベアの搬送方向を基準とするものであり、具体的には、搬送方向下流を意味する。
【発明の効果】
【0009】
第1の特徴によれば、コンベア上の所定の撮影エリアで搬送物を撮影するカメラと、コンベア上での各々の投影エリアが搬送方向に相互に並ぶ複数のプロジェクタと、カメラの撮影画像及びコンベアの搬送速度に基づいて複数のプロジェクタのコンベア上での投影画像を設定する制御装置とを備え、制御装置は、撮影画像から特定搬送物を選定可能であり、且つその選定した特定搬送物の位置を示す指標が、搬送方向に相互に並ぶ複数の投影エリアにおいてコンベアの搬送速度に応じて下流側に移動して投影されるように複数のプロジェクタに画像データを出力可能である。これにより、複数のプロジェクタの複数の投影エリアがコンベア上でその搬送方向に相互に並ぶ配置となり、しかも特定搬送物の位置を示す指標が、複数の投影エリアにおいてコンベアの搬送速度に応じ下流側に移動してコンベア上に投影可能となるため、特定搬送物を示す指標の、コンベア上での投影エリアを広く確保可能となり、従って、選別作業範囲を容易に拡大することができる。
【0010】
また第2の特徴によれば、制御装置は、カメラの撮影画像から一旦、特定搬送物を選定すると、当該特定搬送物の位置を示す指標が、コンベア上で投影開始されてから最下流側の投影エリアの下流端に到達するまで、その指標を連続的に移動して投影し続けるように複数のプロジェクタに対し画像データを出力可能である。これにより、一旦選定された特定搬送物が搬送途中で他物の影になる等して隠れた場合でも、この特定搬送物に対応した指標は、投影開始から最下流側の投影エリアの下流端に到達するまで投影が終始継続し、従って、その隠れた特定搬送物の存在を作業員に容易且つ効果的に気づかせることができるから、見落とし防止に有効であり、選別作業性及び選別精度の向上に寄与することができる。また、カメラの撮影コマが短時間の間隔で小刻みに撮られた場合に、1のコマで選定された特定搬送物が次のコマで消え(例えば他物の影に隠れ)更に次のコマで再び現れる等の繰り返しに因り、特定搬送物に対応した投影指標がチラつく虞れがあるが、第2の特徴によれば、指標が途切れなく連続投影されることで、上記した指標のチラつきも無くすことができて、指標の見落とし防止に一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の選別補助装置の第1実施形態を示す全体概要図であって、コンベアの平面図及び側面図、並びに制御ブロック図を纏めて示す
【
図2】第2実施形態を示すコンベア要部の平面図及び側面図
【
図3】第2実施形態の変形例を示すコンベア要部の、
図2に対応した平面図及び側面図
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の実施形態を、添付図面により以下に具体的に説明する。
【0013】
先ず、第1実施形態を示す
図1には、家庭ごみ等の多数の廃棄物が所定の搬送方向(
図1で白抜き矢印の方向)に搬送可能なコンベア1の一例が示される。このコンベア1の搬送ベルト1b上には、その上流端部において不図示の廃棄物搬入手段(例えば、他のコンベア装置や廃棄物投入装置等)から多数の廃棄物が次々と投入されてくる。
【0014】
その投入廃棄物は、コンベア1により下流端に向かって、即ち上記白抜き矢印方向にゆっくりと搬送される。このとき、コンベア1の途中部分(例えば下流端寄りの中間部)の両側には、
図1で明らかなように、少なくとも一人の作業員8が待機している。
【0015】
そして、作業員8は、コンベア1上の廃棄物より特定廃棄物としての危険物Xa,Xb,Xcを目視且つ手作業により選別して、近くの回収ボックス(図示せず)に投入する。その回収ボックスに集まる危険物群は、別途回収されて、適正な危険物処理が別の場所にて行われる。
【0016】
一方、危険物が選別除去された後の残りの搬送物は、コンベア1の下流端から、不図示の廃棄物搬出手段(例えば他のコンベア装置や廃棄物搬出装置等)を以て外部の搬出場所まで搬出される。
【0017】
而して、本発明の選別補助装置SSは、上記したようなコンベア1両側で待機する選別作業員8による特定搬送物(実施形態では危険物)の選別除去作業を補助して、その作業効率を高めるために使用される。次に選別補助装置SSの具体例を説明する。
【0018】
この選別補助装置SSは、コンベア1上の所定の撮影エリアAOで搬送物を撮影するカメラCAと、コンベア1上での各々の投影エリア(即ち第1,第2投影エリアA1,A2)が搬送方向で相互に隣接するようにコンベア1上に配設される第1,第2プロジェクタP1,P2と、カメラCA及び第1,第2プロジェクタP1,P2と連係する制御装置Cとを備える。その制御装置Cは、後述するようにカメラCAから撮像画像Zのデータを受け取り、且つ第1,第2プロジェクタP1,P2に対し、これらがコンベア1上に投影すべき投影画像S1,S2の画像データを送る機能を果たす。
【0019】
コンベア1は、無端状の搬送ベルト1bと、搬送ベルト1bが巻き掛けられる駆動輪2及び被動輪3と、駆動輪2を回転駆動するモータMとを備える。モータMの回転は、エンコーダ4で検出され、その検出情報は、上記制御装置C(具体的にはコンベア情報計測部Cc)に送られる。
【0020】
制御装置Cは、エンコーダ4からのモータ回転速度に基づきコンベア1の搬送速度を演算可能なコンベア情報計測部Ccと、カメラCAの撮影画像Zに写るコンベア1上の多数の搬送物から危険物Xa,Xb,XcをAI技術により検知特定可能な危険物判定部Caと、危険物判定部Caが判定した危険物判定情報及びコンベア情報計測部Ccが演算したコンベア搬送速度に基づいて第1,第2プロジェクタP1,P2のコンベア1上での投影画像(即ち第1,第2投影画像S1,S2)を定め且つその画像データを第1,第2プロジェクタP1,P2に出力する画像決定出力部Cpとを備える。
【0021】
特に危険物判定部Caは、コンベア1の所定撮影エリアA0でのカメラCAの撮影画像Zから、AI技術を活用して特定搬送物としての危険物(例えばスプレー缶、ライター類、燃料タンク、小型家電、電池類等)Xa,Xb,Xcを選定可能に構成される。この場合、例えば、カメラCAの撮影画像Zに写る搬送物群から熟練の手選別作業員が目で見て危険物と判る無数の映像パターンをAIに指示してデータを蓄積させる等すれば、危険物判定部CaのAI機能部の危険物判定精度を高めることができる。
【0022】
また特に画像決定出力部Caは、危険物判定部Caが選定した危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcが、第1,第2プロジェクタP1,P2の相隣なる第1,第2投影エリアA1,A2においてコンベア1の搬送速度に応じ下流側に移動してコンベア1上に投影されるように、第1,第2プロジェクタP1,P2に対し第1,第2投影画像S1,S2の画像データを出力可能に構成される。この場合、選定危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcは、実施形態では選定危険物Xa,Xb,Xcを取り囲む四角枠状の目印ラインで表記され、且つそれが指標であることを際立たせて明確化できる投影色(例えば橙色等)や投影明度に設定される。
【0023】
尚、選定危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcは、実施形態の表示態様に限定されず、少なくとも指示する搬送物が危険物であることを際立たせて明確化できる表示態様であればよい。
【0024】
しかも実施形態の画像決定出力部Caは、カメラCAの撮影画像Zから一旦、危険物Xa,Xb,Xcを特定すると、その特定した当該危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcがコンベア1上(即ち最上流の第1投影エリアA1)で投影開始されてから最下流側の第2投影エリアA2の下流端に到達するまでの期間中、終始、当該指標La,Lb,Lcを連続的に移動して投影し続けるように、第1,第2プロジェクタP1,P2に対し第1,第2投影画像S1,S2の画像データを出力可能である。
【0025】
以上説明したように選別補助装置SSの制御装置Cは、これの画像決定出力部Caが、カメラCAのコンベア1上での撮影画像Zとコンベア1の搬送速度とに基づいて、第1,第2プロジェクタP1,P2のコンベア1上での投影画像(即ち第1,第2投影画像S1,S2)を設定可能である。しかも危険物判定部CaがカメラCAの撮影画像Zから危険物Xa,Xb,Xcを選定可能であり、且つ画像決定出力部Caは、危険物判定部Caで選定した危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcが、第1,第2プロジェクタP1,P2の相隣なる第1,第2投影エリアA1,A2においてコンベア1の搬送速度に応じて下流側に移動して投影されるように、第1,第2プロジェクタP1,P2に画像データを出力可能である。
【0026】
このように第1,第2プロジェクタP1,P2の各投影エリアA1,A2がコンベア1上でその搬送方向に相互に並ぶ配置となり、しかも危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcが、相隣なる投影エリアA1,A2においてコンベア1の搬送速度に応じ下流側に移動してコンベア1上に投影可能となるため、危険物Xa,Xb,Xcを示す指標La,Lb,Lcの、コンベア1上での投影エリアA1,A2を広く確保可能となり、従って、作業員8による選別作業範囲を容易に拡大できる。
【0027】
また特に実施形態の画像決定出力部Caは、カメラCAの撮影画像Zから一旦、危険物Xa,Xb,Xcを選定すると、当該危険物Xa,Xb,Xcの位置を示す指標La,Lb,Lcが、コンベア1上の第1投影エリアA1で投影開始されてから最下流側の第2投影エリアA2の下流端に到達するまで、終始その指標La,Lb,Lcを連続的に移動して投影し続けるように、第1,第2プロジェクタP1,P2に対し画像データを出力可能である。これにより、一旦選定された危険物Xa,Xb,Xcが搬送途中で他物の影になる等して隠れた場合でも、この危険物Xa,Xb,Xcに対応した指標La,Lb,Lcは、投影開始から最下流側の第2投影エリアA2の下流端に到達するまで投影が途切れずに継続する。従って、その隠れた危険物Xa,Xb,Xcの存在を作業員8に容易且つ効果的に気づかせることができるから、見落とし防止に有効であり、選別作業性及び選別精度の向上に寄与することができる。
【0028】
ところでカメラCAの撮影コマが短時間の間隔で小刻みに撮られた場合に、1のコマで選定された危険物Xa,Xb,Xcが次のコマで消え(例えば他物の影に隠れ)更に次のコマで再び現れる等の繰返しに因り、危険物Xa,Xb,Xcに対応した投影指標La,Lb,Lcがチラつく虞れがある。しかるに実施形態では、前述の如く指標La,Lb,Lcが投影開始されてから最下流側の第2投影エリアA2の下流端に到達するまで連続的に移動・投影される制御態様であるため、指標La,Lb,Lcのチラつきを無くして、指標La,Lb,Lcの見落とし防止に一層効果的である。
【0029】
また
図2には、本発明の第2実施形態が示される。即ち、前記第1実施形態では、カメラCAの撮影エリアA0と、最上流側の第1プロジェクタP1の第1投影エリアA1とがコンベア1上で互いに重なり合わない配置(即ち撮影エリアA0から下流側に離れて第1投影エリアA1を配置)したものを示したが、第2実施形態では、カメラCAの撮影エリアA0と最上流側の第1プロジェクタP1の第1投影エリアA1とが一致する(即ち重なり合う)配置とされる。
【0030】
そのため、第2実施形態では、制御装置CがカメラCAの撮影画像Zから危険物Xa,Xb,Xcを選定後、第1プロジェクタP1のコンベア1上での第1投影エリアA1において直ちに指標La,Lb,Lcの投影が開始され、しかもその投影開始位置は、第1投影エリアA1の途中となる。
【0031】
尚、第2実施形態では、カメラCAを第1プロジェクタP1よりも上流側に配置したが、
図3に示す、第2実施形態の変形例のように、カメラCAを第1プロジェクタP1と第2プロジェクタP2との中間に配置してもよい。この変形例も、第2実施形態と同様の作用効果を発揮可能である。
【0032】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はその実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施形態を実施可能である。
【0033】
例えば、前記実施形態では、2基のプロジェクタP1,P2により、コンベア1上での2つの投影エリアA1,A2を搬送方向に並ぶ配置とするものを例示したが、本発明では、3基以上のプロジェクタで、その数と同数の投影エリアを搬送方向に並ぶ配置としてもよい。
【0034】
また前記実施形態では、相互に並ぶ複数の投影エリアA1,A2が互いに隣接(連続)配置したものを示したが、本発明では、上流側の第1投影エリアA1の下流端と、下流側の第2投影エリアA2の上流端とが一部重なり合う配置であってもよい。この場合、危険物Xa,Xb,Xcに対応した指標La,Lb,Lcは、第1,第2投影エリアA1,A2相互の重なり合う箇所では両方のプロジェクタP1,P2から投影されてもよいし、或いは何れか一方のプロジェクタP1(P2)から投影され且つ他方のプロジェクタP2(P1)から投影されないように設定してもよい。或いはまた、本発明では、上流側の第1投影エリアA1の下流端と、下流側の第2投影エリアA2の上流端との間に若干の隙間が存する配置であってもよく、この場合、指標La,Lb,Lcは、第1投影エリアA1の下流端から一旦消えても、隙間を超えたと推測される時間(コンベア速度と隙間寸法から算出可能)の経過後に、第2投影エリアA2の上流端で投影が再開される。
【0035】
また前記実施形態では、コンベア1の搬送速度を、コンベア駆動用モータMの回転速度を検知する回転速度センサ(エンコーダ4)で計測するものを示したが、モータMへの動作速度出力(例えばモータMに出力するモータ電流値)に基づいてモータ回転速度(従ってコンベア搬送速度)を間接的に計測、演算してもよい。或いはまた、コンベアベルト1bの移動速度を直接計測する速度センサを用いてもよい。
【0036】
また前記実施形態では、コンベア1で搬送される搬送物として家庭塵埃等の廃棄物を例示し、またカメラCAの撮影画像Zに基づいて選定すべき特定搬送物として危険物(例えばスプレー缶、ライター類、燃料タンク、小型家電、電池類等)Xa,Xb,Xcを例示したが、本発明の搬送物及び特定搬送物は、実施形態に限定されない。例えば、選別除去すべき特定搬送物は、特定のリサイクル有効品(例えば金属缶、PET容器等)であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
A0・・・・・・コンベア上の撮影エリア
A1,A2・・・投影エリアとしての第1,第2投影エリア
C・・・・・・・制御装置
CA・・・・・・カメラ
La,Lb,Lc・・危険物(特定搬送物)の位置を示す指標
P1,P2・・・複数のプロジェクタとしての第1,第2プロジェクタ
S1,S2・・・投影画像としての第1,第2投影画像
SS・・・・・・選別補助装置
Xa,Xb,Xc・・特定搬送物としての危険物
Z・・・・・・・カメラの撮影画像
1・・・・・・・コンベア