(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067239
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】施設管理支援システム、及び、情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20230509BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178308
(22)【出願日】2021-10-29
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(74)【代理人】
【識別番号】100137235
【弁理士】
【氏名又は名称】寺谷 英作
(74)【代理人】
【識別番号】100131417
【弁理士】
【氏名又は名称】道坂 伸一
(72)【発明者】
【氏名】高谷 将裕
(72)【発明者】
【氏名】丸岡 正典
(72)【発明者】
【氏名】児玉 揺
(72)【発明者】
【氏名】小久保 隆弘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】ユーザによる比較的簡単な操作に基づいて、集合施設に設けられたシステムに所定の動作を行わせることができる施設管理支援システム等を提供する。
【解決手段】施設管理支援システム10は、携帯電話20と回線交換方式の通信を行うことにより携帯電話20から認証情報を取得する第1通信部11と、集合住宅100に設けられたインターホンシステム30とパケット交換方式の通信を行う第2通信部12と、取得された認証情報に基づく認証が成立したときに、インターホンシステム30に所定の動作をさせるための動作指令情報を、第2通信部12からインターホンシステム30へ出力させる制御部13とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯電話と回線交換方式の通信を行うことにより前記携帯電話から認証情報を取得する第1通信部と、
集合施設に設けられた第1情報処理システムとパケット交換方式の通信を行う第2通信部と、
取得された前記認証情報に基づく認証が成立したときに、前記第1情報処理システムに所定の動作をさせるための動作指令情報を、前記第2通信部から前記第1情報処理システムへ出力させる制御部とを備える
施設管理支援システム。
【請求項2】
前記所定の動作には、前記集合施設の共用部に設けられた第1扉を解錠または開放する動作が含まれる
請求項1に記載の施設管理支援システム。
【請求項3】
前記所定の動作には、前記集合施設の共用部に設けられた第1扉を解錠または開放するために必要な第3認証情報を設定する動作が含まれる
請求項1に記載の施設管理支援システム。
【請求項4】
前記制御部は、設定された前記第3認証情報を前記携帯電話のユーザに通知するための通知情報を前記第1通信部に前記携帯電話へ出力させる
請求項3に記載の施設管理支援システム。
【請求項5】
前記第2通信部は、前記集合施設外に設けられた第2情報処理システムと前記パケット交換方式の通信を行い、
前記制御部は、前記認証が成立したときに、前記集合施設の共用部に設けられた第2扉を解錠または開放するために必要な第4認証情報の発行を前記第2情報処理システムに要求するための要求情報を、前記第2通信部に前記第2情報処理システムへ出力させる
請求項1~4のいずれか1項に記載の施設管理支援システム。
【請求項6】
前記第2扉には、前記集合施設の共用部に設けられた収納装置の扉が含まれる
請求項5に記載の施設管理支援システム。
【請求項7】
前記第2通信部は、前記要求情報に応じて発行された前記第4認証情報を前記第2情報処理システムから取得し、
前記制御部は、取得された前記第4認証情報を前記携帯電話のユーザに通知するための通知情報を前記第1通信部に前記携帯電話へ出力させる
請求項5または6に記載の施設管理支援システム。
【請求項8】
前記認証には、第1認証及び第2認証が含まれ、
前記認証情報には、第1認証情報、及び、第2認証情報が含まれ、
前記制御部は、取得された前記第1認証情報に基づく前記第1認証が成立した後、取得された前記第2認証情報に基づく前記第2認証が成立したとき、前記動作指令情報を前記第2通信部に前記第1情報処理システムへ出力させる
請求項1~7のいずれか1項に記載の施設管理支援システム。
【請求項9】
前記第1認証情報は、前記携帯電話の電話番号を含み、
前記第2認証情報は、前記携帯電話への入力操作によって定まる識別情報を含む
請求項8に記載の施設管理支援システム。
【請求項10】
前記第2通信部は、前記集合施設の管理者が使用する情報端末と前記パケット交換方式の通信を行い、
前記制御部は、前記認証が成立したときに、前記認証が行われたことを通知するための認証通知情報を前記第2通信部に前記情報端末へ出力させる
請求項1~9のいずれか1項に記載の施設管理支援システム。
【請求項11】
前記第2通信部は、前記集合施設の管理者が使用する情報端末と前記パケット交換方式の通信を行い、
前記制御部は、前記携帯電話から前記携帯電話のユーザが前記集合施設内で行った作業が完了したことを示す情報が取得されたとき、前記作業が完了したことを通知するための完了通知情報を、前記第2通信部に前記情報端末へ出力させる
請求項1~10のいずれか1項に記載の施設管理支援システム。
【請求項12】
前記第2通信部は、前記集合施設の管理者が使用する情報端末と前記パケット交換方式の通信を行い、
前記制御部は、前記第2通信部が前記情報端末から受信した情報に基づいて、前記認証情報を発行する
請求項1~11のいずれか1項に記載の施設管理支援システム。
【請求項13】
前記制御部は、前記第2通信部が前記情報端末から受信した情報に基づいて、前記集合施設の識別情報を前記認証情報と対応付けて記憶する
請求項12に記載の施設管理支援システム。
【請求項14】
前記制御部は、前記第2通信部が前記情報端末から受信した情報に基づいて、前記携帯電話のユーザが前記集合施設から持出可能な物品を、前記認証情報と対応付けて記憶する
請求項12または13に記載の施設管理支援システム。
【請求項15】
コンピュータシステムによって実行される情報処理方法であって、
携帯電話と回線交換方式の通信を行うことにより前記携帯電話から認証情報を取得する取得ステップと、
取得された前記認証情報に基づく認証が成立したときに、集合施設に設けられた第1情報処理システムに所定の動作をさせるための動作指令情報を、パケット交換方式の通信を行うことによって前記第1情報処理システムへ出力する出力ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項16】
携帯電話によって実行される情報処理方法であって、
ユーザの第1操作によって入力された電話番号に基づいて施設管理支援システムと回線交換方式の通信を行う通信ステップと、
前記ユーザの第2操作に基づいて、前記回線交換方式の通信によって認証情報を前記施設管理支援システムへ出力する出力ステップと、
前記認証情報を出力した後に、集合施設内の所定の電気錠を解錠するための識別情報を出音によって前記ユーザに通知する通知ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項17】
集合施設の管理者が使用する情報端末によって実行される情報処理方法であって、
前記管理者の操作によって入力された携帯電話に関連する情報を施設管理支援システムへ送信する送信ステップと、
前記施設管理支援システムから認証情報を受信する受信ステップとを含む
情報処理方法。
【請求項18】
請求項15~17のいずれか1項に記載の情報処理方法を、コンピュータシステムに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設管理支援システム、及び、情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、集合住宅で用いられるインターホンシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、ユーザによる比較的簡単な操作に基づいて、集合施設に設けられたシステムに所定の動作を行わせることができる施設管理支援システム等を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様に係る施設管理支援システムは、携帯電話と回線交換方式の通信を行うことにより前記携帯電話から認証情報を取得する第1通信部と、集合施設に設けられた第1情報処理システムとパケット交換方式の通信を行う第2通信部と、取得された前記認証情報に基づく認証が成立したときに、前記第1情報処理システムに所定の動作をさせるための動作指令情報を、前記第2通信部から前記第1情報処理システムへ出力させる制御部とを備える。
【0006】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータシステムによって実行される情報処理方法であって、携帯電話と回線交換方式の通信を行うことにより前記携帯電話から認証情報を取得する取得ステップと、取得された前記認証情報に基づく認証が成立したときに、集合施設に設けられた第1情報処理システムに所定の動作をさせるための動作指令情報を、パケット交換方式の通信を行うことによって前記第1情報処理システムへ出力する出力ステップとを含む。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、携帯電話によって実行される情報処理方法であって、ユーザの第1操作によって入力された電話番号に基づいて施設管理支援システムと回線交換方式の通信を行う通信ステップと、前記ユーザの第2操作に基づいて、前記回線交換方式の通信によって認証情報を前記施設管理支援システムへ出力する出力ステップと、前記認証情報を出力した後に、集合施設内の所定の電気錠を解錠するための識別情報を出音によって前記ユーザに通知する通知ステップとを含む。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、集合施設の管理者が使用する情報端末によって実行される情報処理方法であって、前記管理者の操作によって入力された携帯電話に関連する情報を施設管理支援システムへ送信する送信ステップと、前記施設管理支援システムから認証情報を受信する受信ステップとを含む。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、前記情報処理方法をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明の施設管理支援システム等は、ユーザによる比較的簡単な操作に基づいて、集合施設に設けられたシステムに所定の動作を行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、実施の形態に係る施設管理支援システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、実施の形態に係る施設管理支援システムの動作の概要を示す図である。
【
図3】
図3は、事前登録動作の例1のシーケンス図である。
【
図5】
図5は、事前登録動作の例2のシーケンス図である。
【
図6】
図6は、集合住宅管理情報の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、作業の支援動作のシーケンス図である。
【
図9】
図9は、キーボックスの解錠動作のシーケンス図である。
【
図11】
図11は、作業完了の通知動作のシーケンス図である。
【
図12】
図12は、変形例に係る作業の支援動作のシーケンス図である。
【
図13】
図13は、パスコードの入力に基づくオートロック式ドアの解錠動作のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
【0013】
なお、各図は模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化される場合がある。
【0014】
(実施の形態)
[構成]
まず、実施の形態に係る施設管理支援システムの構成について説明する。
図1は、実施の形態に係る施設管理支援システムの機能構成を示すブロック図である。
図2は、実施の形態に係る施設管理支援システムの動作の概要を示す図である。
【0015】
施設管理支援システム10は、集合住宅100に適用されるシステムである。集合住宅100は、集合施設の一例であり、具体的には、マンション、寮、または、社宅などである。ここで、集合住宅100の改修、集合住宅100内の清掃、または、集合住宅100の電気工事などのサービスを提供する事業者(以下、サービス提供事業者とも記載される)は、作業者を集合住宅100へ派遣する場合がある。このような場合、集合住宅の管理者は、作業者の訪問日時に集合住宅100に滞在し、作業者を集合住宅100内に招き入れるためにオートロック式ドア34を解錠したり、作業に必要な鍵を作業者に手渡したりすることが一般的である。
【0016】
これに対し、
図2に示されるように、施設管理支援システム10によれば、作業者は、作業当日に集合住宅100に到着した後、携帯電話20を用いて所定の電話番号に電話をかけることで(
図2の(a))、管理者が不在であっても、オートロック式ドア34を解錠(または開放)(
図2の(b))することができる。また、図示されないが、作業者は、さらに集合住宅100の共用部101に入場し、キーボックス37から作業に必要な鍵を受け取ることができる。施設管理支援システム10によれば、管理者は作業当日に集合住宅100に滞在する必要は無い。つまり、施設管理支援システム10は、管理者の集合住宅100の管理業務を支援することができる。また、施設管理支援システム10によれば、集合住宅100へ入場するためにスマートフォンにアプリケーションプログラムをあらかじめインストールしておき、オートロック式ドア34の解錠権限を得るための設定を行うといった複雑な操作を行う必要はない。このため、スマートフォンなどの取り扱いに不慣れな作業者であっても、容易に集合住宅100へ入場するための手続きを行うことができる。
【0017】
なお、
図1では、集合住宅100が1つだけ図示されているが、施設管理支援システム10は、集合住宅100を含む複数の集合住宅を対象に業務支援を行うことができる。つまり、施設管理支援システム10は、複数の集合住宅それぞれの管理者の管理業務を支援することができる。
【0018】
以下、このような施設管理支援システム10の具体的な構成について説明する。施設管理支援システム10は、例えば、集合住宅100の外に位置する、1つまたは複数のサーバ装置によって実現されるシステムである。施設管理支援システム10は、携帯電話20からの電話を受けて集合住宅100に設けられたドアを解錠するための情報処理を行う。集合住宅100に設けられたドアは、具体的には、オートロック式ドア34、キーボックス37のドア、及び、宅配ボックス36のドアなどである。ドアを解錠するための情報処理には、ドアを実際に解錠する情報処理だけでなく、ドアを解錠するためのパスコードを発行する情報処理などが含まれる。施設管理支援システム10は、具体的には、第1通信部11と、第2通信部12と、制御部13と、記憶部14とを備える。
【0019】
第1通信部11は、施設管理支援システム10が、音声通話用の通信ネットワークを介して携帯電話20と音声通話用の通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。つまり、第1通信部11によって行われる通信は、回線交換方式の通信である。第1通信部11によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。
【0020】
第2通信部12は、施設管理支援システム10が、インターネットなどの広域通信ネットワーク80を介して、インターホンシステム30(ゲートウェイ装置33)、認証管理サーバ40、第1情報端末50、及び、第2情報端末60などと通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。第2通信部12によって行われる通信は、パケット交換方式の通信である。第2通信部12によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信に用いられる通信規格についても特に限定されない。
【0021】
制御部13は、上述の情報処理を行う。制御部13は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。制御部13の機能は、例えば、制御部13を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部14に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0022】
記憶部14は、上記情報処理に必要な情報、及び、制御部13が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部14は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)によって実現されるが、半導体メモリなどによって実現されてもよい。
【0023】
ところで、
図1には、施設管理支援システム10に加えて、携帯電話20、インターホンシステム30、認証管理サーバ40、第1情報端末50、及び、第2情報端末60も図示されている。以下、これらのシステムまたは装置の構成について説明する。
【0024】
携帯電話20は、作業者が所定の電話番号に電話をかけるために使用する情報端末であり、言い換えれば、電話端末である。携帯電話20は、フィーチャーフォンまたはスマートフォンなどの携帯型の電話端末である。携帯電話20は、通信部21と、操作受付部22と、通話処理部23と、記憶部24と、音出力部25とを備える。
【0025】
通信部21は、携帯電話20が、音声通話用の通信ネットワークを介して施設管理支援システム10と音声通話用の通信を行うための通信モジュール(通信回路)である。通信部21によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。
【0026】
操作受付部22は、作業者の電話番号の入力操作等を受け付ける。操作受付部22は、例えば、タッチパネル、または、ハードウェアキー(押しボタン)によって実現される。
【0027】
通話処理部23は、通話(電話)に関する情報処理を行う。通話処理部23は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。通話処理部23の機能は、例えば、通話処理部23を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部24に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0028】
記憶部24は、上記通話に関する情報処理に必要な情報、及び、通話処理部23が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部24は、例えば、半導体メモリなどによって実現される。
【0029】
音出力部25は、音声通話中に作業者の耳元へ向けて音を出力する。音出力部25は、スピーカによって実現される。
【0030】
インターホンシステム30は、集合住宅100内に設けられるシステムであり、第1情報処理システムの一例である。インターホンシステム30は、ロビーインターホン31、制御装置32、ゲートウェイ装置33、オートロック式ドア34、認証管理装置35、宅配ボックス36、及び、キーボックス37を備える。ロビーインターホン31、制御装置32、ゲートウェイ装置33、オートロック式ドア34、認証管理装置35、宅配ボックス36、及び、キーボックス37は、集合住宅100の共用部101に設けられる。
【0031】
ロビーインターホン31は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)のオートロック式ドア34の外側(屋外側)に設けられる情報端末である。ロビーインターホン31は、例えば、オートロック式ドア34を制御する。ロビーインターホン31は、テンキー及び呼出ボタンなどによって構成されるユーザインターフェースを有し、集合住宅100への訪問者は、テンキーを通じて訪問先の部屋番号を入力することで、居住者と通話し、オートロック式ドア34の解錠を依頼することができる。
【0032】
制御装置32は、集合住宅100内に設けられた装置の制御、及び、集合住宅100内に設けられた装置間の通信(例えば、ロビーインターホン31とインターホン親機(図示せず)との間の通信)の制御などを行う装置である。
【0033】
ゲートウェイ装置33は、ロビーインターホン31などの集合住宅100に設けられた装置が、広域通信ネットワーク80を通じて、施設管理支援システム10、認証管理サーバ40、第1情報端末50、及び、第2情報端末60と通信するための通信装置である。
【0034】
オートロック式ドア34は、集合住宅100のエントランス(つまり、共用部101)に設けられた扉である。オートロック式ドア34は、解錠(または開放)されてから一定時間の経過後に自動的に施錠(または閉鎖)される。オートロック式ドア34が有する扉は、引き戸であってもよいし、開き戸であってもよい。なお、ここでの解錠は、例えば、オートロック式ドア34のロック機構(電気錠など)を解除することを意味する。開放は、例えば、ロック機構を解除した上でさらにオートロック式ドア34を開放することを意味する。
【0035】
なお、以下の実施の形態では、オートロック式ドア34が解錠される例について説明するが、オートロック式ドア34は開放されてもよい。つまり、以下の実施の形態において、オートロック式ドア34の解錠は、適宜、オートロック式ドア34の開放に読み替えられてもよい。
【0036】
認証管理装置35は、オートロック式ドア34の解錠(または開放)に関する認証処理を行う装置である。認証管理装置35は、具体的には、ロビーインターホン31が有するユーザインターフェース(図示せず)に入力された番号が所定の番号と一致するか否かの認証を行い、一致する場合にオートロック式ドア34を解錠(または開放)する。認証管理装置35は、例えば、集合住宅100の管理人室などに設置される。認証管理装置35とオートロック式ドア34とは、制御装置32を介して通信を行う。
【0037】
宅配ボックス36は、集合住宅100の居住者が専有部に不在であるときに荷物の配送業者の配達員が居住者宛ての荷物を入庫するための収納装置である。宅配ボックス36は、集合住宅100に居住する複数の居住者によって共用される宅配ボックスである。宅配ボックス36は電気錠を有し、宅配ボックス36の扉は当該電気錠によって施錠または解錠される。宅配ボックス36は、共用部101に設けられる。
【0038】
宅配ボックス36は、テンキーなどによって構成されるユーザインターフェースを有し、配達員または居住者は、テンキーを通じて所定のパスコードを入力することで、宅配ボックス36を利用する(宅配ボックス36の扉を解錠する)ことができる。
【0039】
キーボックス37は、集合住宅100内で使用される複数の鍵が収納される収納装置である。キーボックス37はキーボックス37の扉の解錠または施錠を行う第1電気錠、及び、キーボックス37に収容された複数の鍵を保持する保持構造の解錠または施錠を行う第2電気錠を有する。また、キーボックス37は、鍵が保持構造に保持されているか否かをセンシングするセンサを有する。キーボックス37は、共用部101に設けられる。作業者等は、オートロック式ドア34を解錠して集合住宅100内へ入ることでキーボックス37に触れることができる。
【0040】
キーボックス37は、テンキーなどによって構成されるユーザインターフェースを有し、管理者は、テンキーを通じて所定のパスコードを入力することで、キーボックス37内の鍵を取り出すことができる。
【0041】
認証管理サーバ40は、キーボックス37の解錠に関する認証処理を行うサーバである。認証管理サーバ40は、集合住宅100の外に設けられた第2情報処理システムの一例である。認証管理サーバ40は、具体的には、キーボックス37が有するユーザインターフェース(図示せず)に入力された番号が所定の番号と一致するか否かの認証を行い、一致する場合にキーボックス37の扉(キーボックス37が有する電気錠)を解錠する。認証管理サーバ40は、集合住宅100の外に設けられる。なお、認証管理サーバ40とキーボックス37とは、制御装置32、ゲートウェイ装置33、及び、広域通信ネットワーク80を介して通信を行う。
【0042】
第1情報端末50は、集合住宅100の管理者が使用する情報端末である。第1情報端末50は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。
図1では、第1情報端末50は、集合住宅100の外に位置するが、集合住宅100内に位置する場合もある。第1情報端末50は、具体的には、通信部51と、操作受付部52と、情報処理部53と、記憶部54と、表示部55とを備える。
【0043】
通信部51は、第1情報端末50が、施設管理支援システム10と広域通信ネットワーク80を介して通信を行うための通信回路(通信モジュール)である。通信部51によって行われる通信は、例えば、有線通信であるが、無線通信であってもよい。通信部51によって行われる通信の通信規格は特に限定されない。
【0044】
操作受付部52は、管理者の操作を受け付ける。操作受付部52は、例えば、マウス及びキーボードによって実現されるが、タッチパネルによって実現されてもよい。
【0045】
情報処理部53は、後述の事前登録動作において第1情報端末50をユーザインターフェースとして機能させるための情報処理を行う。情報処理部53は、例えば、マイクロコンピュータによって実現されるが、プロセッサによって実現されてもよい。情報処理部53の機能は、例えば、情報処理部53を構成するマイクロコンピュータまたはプロセッサ等が記憶部54に記憶されたコンピュータプログラムを実行することによって実現される。
【0046】
記憶部54は、上記情報処理に必要な情報、及び、情報処理部53が実行するコンピュータプログラムなどが記憶される記憶装置である。記憶部54は、例えば、半導体メモリによって実現されるが、HDDによって実現されてもよい。
【0047】
表示部55は、画像を表示する。表示部55は、例えば、液晶パネルまたは有機EL(Electro Luminescence)パネルなどの表示パネルによって実現される。
【0048】
第2情報端末60は、上述のサービス提供事業者の従業員が使用する情報端末である。第2情報端末60は、例えば、パーソナルコンピュータなどの据え置き型の情報端末であるが、スマートフォンまたはタブレット端末などの携帯型の情報端末であってもよい。第2情報端末60の詳細な機能構成は、第1情報端末50と同様であるが、
図1では詳細な図示が省略されている。
【0049】
[事前登録動作の例1]
上述のように、施設管理支援システム10は、携帯電話20からの電話に基づいて、オートロック式ドア34等の解錠を行うことができる。ここで、集合住宅100の管理者は、サービス提供事業者に関する情報の事前登録を行う。以下、このような施設管理支援システム10の事前登録動作の例1について説明する。
図3は、事前登録動作の例1のシーケンス図である。
【0050】
集合住宅の管理者は、サービス提供事業者に関する情報を登録するための登録操作を行い、第1情報端末50の操作受付部52はこのような登録操作を受け付ける(S11)。情報処理部53は、登録操作が受け付けられると、登録操作によって入力された情報を含む登録要求を、通信部51に施設管理支援システム10へ送信させる(S12)。
【0051】
登録操作によって入力される情報には、例えば、集合住宅100の名称、サービス提供事業者の名称、サービスが提供される日に集合住宅100を訪問する作業者の名称、当該作業者が所持する携帯電話20の電話番号、及び、キーボックス37に収容された複数の鍵のうち作業者に持ち出しを許可する鍵の識別情報(番号または名称)を示す持ち出し許可情報などが含まれる。なお、これらの登録操作によって入力される情報は、一例であり、例示された情報の一部が省略されてもよいし、登録操作によって入力される情報に例示されていない情報が含まれてもよい。登録操作によって入力される情報に携帯電話20に関連する情報が含まれる場合、ステップS12の処理は、管理者の操作によって入力された携帯電話20に関連する情報を施設管理支援システム10へ送信する処理であると考えることもできる。
【0052】
施設管理支援システム10の第2通信部12は、登録要求を受信する。制御部13は、登録要求が受信されたことを契機にパスコードを発行し(S13)、発行したパスコードと登録要求に含まれる情報とを対応付けて記憶部14に登録情報として記憶する(S14)。
図4は、登録情報の一例を示す図である。
【0053】
図4に示されるように、制御部13は、登録要求(第2通信部12が第1情報端末50から受信した情報)に基づいて、パスコード(認証情報の一例)を発行し、発行したパスコードを、集合住宅100の識別情報(名称)、及び、作業者(携帯電話20のユーザ)が持出可能な物品(鍵)を示す情報などと対応付けて記憶する。
【0054】
次に、制御部13は、発行したパスコードと所定の電話番号とを通知するためのパスコード通知情報を、第2通信部12に第1情報端末50へ送信させる(S15)。ここでの所定の電話番号は、回線交換方式の通信によって施設管理支援システム10に通信接続するための電話番号である。ステップS15の処理は、携帯電話20が施設管理支援システム10からパスコード(認証情報)を受信する処理と考えることもできる。
【0055】
第1情報端末50の通信部51は、パスコード通知情報を受信し、情報処理部53は、受信されたパスコード通知情報に基づいて、パスコード及び所定の電話番号を表示部55に表示する(S16)。管理者は、表示部55に表示されたパスコード及び所定の電話番号を、電子メールまたは電話などにより、サービス提供事業者(より詳細には、作業者)へ伝える。
【0056】
このように、事前登録動作の例1によれば、施設管理支援システム10の記憶部14に登録情報が記憶されるとともに、作業者は所定の電話番号とパスコードとを把握することができる。
【0057】
[事前登録動作の例2]
次に、施設管理支援システム10の事前登録動作の例2について説明する。
図5は、事前登録動作の例2のシーケンス図である。
【0058】
サービス提供事業者の従業員は、サービス提供事業者に関する情報を登録するための登録操作を行い、第2情報端末60はこのような登録操作を受け付ける(S21)。第2情報端末60は、登録操作が受け付けられると、登録操作によって入力された情報を含む登録要求を施設管理支援システム10へ送信する(S22)。登録操作によって入力される情報は、事前登録動作の例1と同様である。
【0059】
施設管理支援システム10の第2通信部12は、登録要求を受信する。ここで、記憶部14には、集合住宅100の名称と、当該集合住宅100の管理者の連絡先(電子メールアドレス、または、第1情報端末50の識別情報など)が対応付けられた集合住宅管理情報が記憶されている。
図6は、集合住宅管理情報の一例を示す図である。なお、
図6に示されるように集合住宅管理情報には、集合住宅100に設けられたゲートウェイ装置33の識別情報(以下、ゲートウェイIDとも記載される)が含まれる。
【0060】
なお、ゲートウェイIDは、ゲートウェイ装置33を他のゲートウェイ装置と区別するための情報であり、集合住宅100を他の建物(集合住宅)と区別するための情報でもある。ゲートウェイIDは、例えば、MAC(Media Access Control)アドレスなどのゲートウェイ装置33の機器IDである。
【0061】
制御部13は、受信された登録要求に含まれる集合住宅100の名称と、記憶部14にあらかじめ記憶された集合住宅管理情報に基づいて、集合住宅100の管理者の連絡先(第1情報端末50)を特定し、サービス提供事業者に関する情報の登録の承認を求める承認要求を第2通信部12に特定した連絡先へ送信させる(S23)。
【0062】
第1情報端末50の通信部51は、承認要求を受信し、情報処理部53は、受信された承認要求に基づいて、承認画面を表示部55に表示する(S24)。管理者は、表示部55に承認画面が表示されているときに、サービス提供事業者に関する情報の登録を承認するための承認操作を行い、操作受付部52はこのような承認操作を受け付ける(S25)。情報処理部53は、承認操作が受け付けられると、承認情報を通信部51に施設管理支援システム10へ送信させる(S26)。
【0063】
施設管理支援システム10の第2通信部12は、承認情報を受信する。制御部13は、承認情報が受信されたことを契機にパスコードを発行し(S27)、発行したパスコードと登録要求に含まれる情報とを対応付けて記憶部14に登録情報として記憶する(S28)。登録情報については、
図4を用いて説明した通りである。なお、登録情報に含まれる作業者(携帯電話20のユーザ)が持出可能な物品(鍵)を示す持ち出し許可情報については、サービス提供事業者の従業員が入力することは難しい場合があるが、鍵に「2F電気系統の鍵」といったような名称が付与されていれば、サービス提供事業者の従業員が必要な鍵の名称を入力することが可能である。
【0064】
次に、制御部13は、発行したパスコードと所定の電話番号とを通知するためのパスコード通知情報を、第2通信部12に第2情報端末60へ送信させる(S29)。第2情報端末60は、パスコード通知情報を受信し、受信されたパスコード通知情報に基づいて、パスコード及び所定の電話番号を表示する(S30)。サービス提供事業者の従業員は、表示されたパスコード及び所定の電話番号を、電子メールまたは電話などにより、作業者へ伝える。
【0065】
このように、事前登録動作の例2によれば、施設管理支援システム10の記憶部14に登録情報が記憶されるとともに、作業者は所定の電話番号とパスコードとを把握することができる。
【0066】
[作業の支援動作]
次に、作業者が集合住宅100において作業を行う当日に行われる、作業の支援動作の例1について説明する。
図7は、作業の支援動作のシーケンス図である。
【0067】
事前登録動作の例1または例2が行われた後、作業者は、作業を行う当日に集合住宅100を訪れて上記所定の電話番号に電話をかける。作業者は、具体的には、上記所定の電話番号の入力操作を行い、携帯電話20の操作受付部22は電話番号の入力操作を受け付ける(S41)。
【0068】
通話処理部23は、操作受付部22によって所定の電話番号の入力操作が受け付けられると、通信部21を用いた回線交換方式の通信により、施設管理支援システム10に通信接続する(S42)。つまり、携帯電話20と施設管理支援システム10との専用の通信回線が形成される。携帯電話20と施設管理支援システム10との通信接続は、少なくとも後述のステップS56まで維持される。このとき施設管理支援システム10には、携帯電話20の電話番号が通知される。言い換えれば、施設管理支援システム10の第1通信部11は、携帯電話20の電話番号を取得する。
【0069】
施設管理支援システム10の制御部13は、取得された携帯電話20の電話番号(第1認証情報の一例)に基づく電話番号認証(第1認証の一例)を行う(S43)。制御部13は、登録情報に携帯電話20の電話番号が含まれる(電話番号が登録されている)場合に電話番号認証が成立したと判定し、登録情報に携帯電話20の電話番号が含まれていない(電話番号が登録されていない)場合に、電話番号認証が不成立であると判定する。制御部13は、電話番号認証が成立したと判定すると、パスコード要求(音信号)を、第1通信部11に携帯電話20へ送信させる(S44)。
【0070】
携帯電話20の通信部21は、パスコード要求を受信し、通話処理部23は、音出力部25に受信されたパスコード要求(音信号)を再生させる。具体的には、音出力部25は、「パスコードを入力してください」といったパスコードの入力を促すメッセージ(音)を出力する(S45)。
【0071】
作業者は、パスコードの入力を促すメッセージにしたがって、パスコードの入力操作を行い、操作受付部22はパスコードの入力操作を受け付ける(S46)。ここで入力されるパスコードは、事前登録動作の例1または例2によって作業者に伝えられたパスコードである。
【0072】
携帯電話20の操作受付部22によってパスコードの入力操作が受け付けられると、通話処理部23は、パスコードを通信部21に施設管理支援システム10へ送信させる(S47)。
【0073】
施設管理支援システム10の第1通信部11は、パスコードを取得(受信)し、制御部13は、取得されたパスコード(第2認証情報の一例)に基づくパスコード認証(第2認証の一例)を行う(S48)。制御部13は、登録情報においてステップS42で取得された電話番号に対応付けられた(登録情報内の)パスコードと、ステップS47において取得されたパスコードとが一致する場合にパスコード認証が成立したと判定する。一方、制御部13は、登録情報においてステップS42で取得された電話番号に対応付けられた(登録情報内の)パスコードと、ステップS47において取得されたパスコードとが一致しない場合に、パスコード認証が不成立であると判定する。
【0074】
制御部13は、ステップS48においてパスコード認証が成立したと判定したときに、オートロック式ドア34を解錠するための解錠指令を、第2通信部12にインターホンシステム30へ出力(送信)させる(S49)。解錠指令は、インターホンシステム30に所定の動作をさせるための動作指令情報の一例である。
【0075】
制御部13は、具体的には、登録情報において携帯電話20の電話番号に対応付けられた集合住宅100の名称を特定する。続いて、制御部13は、集合住宅管理情報において、特定された集合住宅100の名称に対応付けられたゲートウェイIDを解錠指令の出力先として決定する。これにより、制御部13は、作業者が訪問中の集合住宅100に設けられたインターホンシステム30(ゲートウェイ装置33)に解錠指令を出力することができる。第2通信部12によって出力(送信)された解錠指令は、広域通信ネットワーク80、ゲートウェイ装置33、及び、制御装置32を介して認証管理装置35によって受信される。認証管理装置35は、受信した解錠指令に基づいてオートロック式ドア34を解錠する(S50)。これにより、作業者は、集合住宅100内へ入場することができる。なお、ステップS50におけるオートロック式ドア34の解錠は、認証管理装置35に代えてロビーインターホン31によって行われてもよい。
【0076】
また、制御部13は、パスコード認証が成立したと判定したときに、要求情報を第2通信部12に認証管理サーバ40へ出力(送信)させる(S51)。要求情報は、キーボックス37の扉(蓋)を解錠するために必要な、キーボックス37用のパスコード(第4認証情報の一例)の発行を認証管理サーバ40(集合住宅100の外に設けられた第2情報処理システムの一例)に要求するための情報である。要求情報には、集合住宅管理情報に基づいて特定されるキーボックス37のIDと、登録情報に基づいて特定される持ち出し許可情報とが含まれる。
【0077】
認証管理サーバ40は、要求情報を受信し、要求情報が受信されたことを契機にパスコードを発行する(S52)。認証管理サーバ40は、発行したパスコードと、要求情報に含まれるキーボックス37のID、及び、持ち出し許可情報とを対応付けて設定情報として記憶する(S53)。
図8は、設定情報の一例を示す図である。
【0078】
図8に示されるように、認証管理サーバ40は、要求情報に基づいてパスコードを発行し、発行したパスコードを、キーボックス37のID、及び、持ち出し許可情報と対応付けて記憶する。また、
図8に示されるように、パスコードには有効期限が設定される。有効期限は、あらかじめ認証管理サーバ40の設計者等によって定められるが、集合住宅100の管理者、または、サービス提供事業者の従業者によって指定されてもよい。例えば、ステップS11において有効期限を指定する操作が受け付けられれば、集合住宅100の管理者は、有効期限を指定することができる。同様に、ステップS21において有効期限を指定する操作が受け付けられれば、サービス提供事業者の従業者は、有効期限を指定することができる。
【0079】
次に、認証管理サーバ40は、要求情報に応じて発行したパスコードを施設管理支援システム10へ出力(送信)する(S54)。
【0080】
施設管理支援システム10の第2通信部12は、パスコードを認証管理サーバ40から取得(受信)する。制御部13は、取得されたパスコードを作業者(携帯電話20のユーザ)に通知するためのパスコード通知情報(音信号)を第1通信部11に携帯電話20へ出力させる(S55)。
【0081】
携帯電話20の通信部21は、パスコード通知情報を受信し、通話処理部23は、受信されたパスコード通知情報(音信号)を音出力部25に再生させる。音出力部25は、具体的には、「パスコードは1234です」といったパスコードを通知するためのメッセージ(音)を出力する(S56)。これにより、作業者は、キーボックス37へ入力すべきパスコードを把握することができる。
【0082】
また、制御部13は、ステップS48においてパスコード認証が成立したと判定したときに、パスコード認証が行われたこと(より詳細には、認証が成立したこと)を通知するための認証通知情報を第2通信部12に第1情報端末50へ出力(送信)させる(S57)。
【0083】
第1情報端末50の通信部51は、認証通知情報を受信し、情報処理部53は、受信された認証通知情報に基づいて、認証が行われたことに関連する通知画面を表示部55に表示する(S58)。認証通知情報にサービス提供事業者の名称、及び、作業者の名称等が含まれれば、情報処理部53は、サービス提供事業者の名称及び作業者の名称等を含む通知画面を表示部55に表示することができる。これにより、管理者は、作業者が集合住宅100へ到着し、集合住宅100内へ入場したこと(作業者が作業可能な状態になったこと)を把握することができる。
【0084】
以上説明したように、施設管理支援システム10は、電話番号認証、及び、パスコード認証が成立したことを契機に、オートロック式ドア34を解錠し、キーボックス37用のパスコードを作業者へ通知し、認証が行われたこと(作業者が集合住宅100に入場したこと)を管理者へ通知することができる。作業者は、集合住宅100へ到着した後、携帯電話20を用いて所定の電話番号へ電話をかけることで、集合住宅100へ入場し、かつ、キーボックス37から鍵を持ち出すことができる。
【0085】
なお、作業の支援動作において、電話番号認証(ステップS43)、及び、パスコード認証(ステップS48)の両方が行われることは必須ではなく、電話番号認証、及び、パスコード認証の少なくとも一方の認証が行われればよい。
【0086】
[キーボックスの解錠動作]
上記ステップS56の処理によれば、作業者は、キーボックス37のパスコードを把握することができ、キーボックス37の扉を解錠することができる。以下、キーボックス37の解錠動作について説明する。
図9は、キーボックス37の解錠動作のシーケンス図である。
【0087】
作業者は、集合住宅100(共用部101)に入場し、キーボックス37に近づくと、パスコードの入力操作をキーボックス37が有するユーザインターフェースに対して行う。ここで入力されるパスコードは、ステップS55で音出力部25によって出力されたパスコードである。キーボックス37は、作業者からパスコードの入力操作を受け付け(S61)、認証要求を認証管理サーバ40へ送信する(S62)。
図9では図示されないが、認証要求は、より詳細には、制御装置32、ゲートウェイ装置33、及び、広域通信ネットワーク80を介して認証管理サーバ40へ送信される。認証要求には、ステップS61において入力されたパスコードと、キーボックス37のIDとが含まれる。
【0088】
認証管理サーバ40は、認証要求を受信し、受信した認証要求に基づいて認証処理を行う(S63)。
【0089】
認証処理において、認証管理サーバ40は、
図8に示される設定情報において、認証要求に含まれるキーボックス37のIDに対応付けられたパスコード及び有効期限を特定し、特定したパスコードが有効期限内であるか否かを確認する。認証管理サーバ40は、特定したパスコードが有効期限内であり、かつ、特定したパスコードと、認証要求に含まれるパスコードとが一致する場合には認証が成立したと判定する。なお、認証管理サーバ40は、特定したパスコードが有効期限切れである場合、及び、特定したパスコードと認証要求に含まれるパスコードとが一致しない場合には認証が不成立であると判定する。
【0090】
認証管理サーバ40は、認証が成立する(認証処理に成功する)と、解錠指令をキーボックス37へ送信する(S64)。解錠指令は、より詳細には、広域通信ネットワーク80、ゲートウェイ装置33、及び、制御装置32を介してキーボックス37へ送信される。解錠指令には、設定情報においてキーボックス37のIDに対応付けられた持ち出し許可情報(鍵の識別情報)が含まれる。
【0091】
キーボックス37は、解錠指令を受信し、受信した解錠指令に基づいてキーボックスの扉に対応する第1電気錠を解錠する(S65)。また、キーボックス37は、解錠指令に含まれる持ち出し許可情報に基づいて、持ち出し許可情報が示す鍵のみを作業員が持ち出せるように鍵の保持構造に対応する第2電気錠を解錠する(S66)。これにより、作業員は、持ち出し許可情報によってあらかじめ登録された鍵のみを持ち出すことができる。
【0092】
キーボックス37は、第1電気錠及び第2電気錠の解錠が完了し、センサによって鍵が保持構造から取り外されたことを検知すると、鍵が持ち出されたことを示す持ち出し済み通知を認証管理サーバ40へ送信する(S67)。
図9では図示されないが、持ち出し済み通知は、より詳細には、制御装置32、ゲートウェイ装置33、及び、広域通信ネットワーク80を介して認証管理サーバ40へ送信される。
【0093】
認証管理サーバ40は、持ち出し済み通知を受信すると、施設管理支援システム10の記憶部14に記憶されている持ち出し履歴情報の更新を依頼する更新依頼情報を、施設管理支援システム10へ送信する(S68)。更新依頼情報には、キーボックス37のID、持ち出された鍵の識別情報、及び、鍵が持ち出された時刻を示す時刻情報が含まれる。
【0094】
施設管理支援システム10の第2通信部12は、更新依頼情報を受信する。制御部13は、受信された更新依頼情報に基づいて、記憶部14に記憶された持ち出し履歴情報を更新する(S69)。
図10は、持ち出し履歴情報の一例を示す図である。なお、制御部13は、登録情報を参照することにより、ステップS55でキーボックス37用のパスコードを通知したサービス提供事業者(つまり、鍵を持ち出した作業員が属するサービス提供事業者)を特定することができる。つまり、制御部13は、持ち出し履歴情報に、鍵を持ち出した作業員が属するサービス提供事業者の名称(
図10の持ち出し者に相当)を含めることができる。なお、鍵が返却されると、
図10のステータスは「持ち出し中」から「保管中」に変更される。
【0095】
このように施設管理支援システム10によって持ち出し履歴情報が管理されれば、施設管理支援システム10は、鍵が持ち出されたままで返却されないような場合に、サービス提供事業者の第2情報端末60(または携帯電話20)へ鍵の返却を促す通知を行うことができる。
【0096】
[作業完了の通知動作]
作業者は、キーボックス37から持ち出した鍵を使用して作業を完了すると、鍵を返却し、かつ、作業が完了したことを管理者へ通知する。以下、このとき行われる作業完了の通知動作について説明する。
図11は、作業完了の通知動作のシーケンス図である。
【0097】
作業者は、作業が完了すると、上記所定の電話番号に電話をかける。作業者は、具体的には、上記所定の電話番号の入力操作を行い、携帯電話20の操作受付部22は電話番号の入力操作を受け付ける(S71)。
【0098】
通話処理部23は、操作受付部22によって所定の電話番号の入力操作が受け付けられると、通信部21を用いた回線交換方式の通信により、施設管理支援システム10に通信接続する(S72)。つまり、携帯電話20と施設管理支援システム10との専用の通信回線が形成される。このとき施設管理支援システム10には、携帯電話20の電話番号が通知される。言い換えれば、施設管理支援システム10の第1通信部11は、携帯電話20の電話番号を取得する。
【0099】
施設管理支援システム10の制御部13は、メッセージ情報(音信号)を、第1通信部11に携帯電話20へ送信させる(S73)。
【0100】
携帯電話20の通信部21は、メッセージ情報を受信し、通話処理部23は、受信されたメッセージ情報を音出力部25に再生させる。具体的には、音出力部25は、「作業が完了した場合は1を入力してください」といった所定の番号の入力を促すメッセージ(音)を出力する(S74)。作業者は、所定の番号の入力操作を行い、携帯電話20の操作受付部22は所定の番号の入力操作を受け付ける(S75)。
【0101】
このとき施設管理支援システム10の制御部13は、第1通信部11を介して所定の番号が入力されたことを検知する(S76)。言い換えれば、制御部13は、携帯電話20から所定の番号を取得する。所定の番号は、作業者が集合住宅100内で行った作業が完了したことを示す情報の一例である。制御部13は、所定の番号が入力されたことを検知されたときに、作業が完了したことを通知するための完了通知情報を、第2通信部12に第1情報端末50へ出力(送信)させる(S77)。なお、完了通知情報の出力先(第1情報端末50)は、ステップS72において取得された電話番号、登録情報、及び、集合住宅管理情報によって特定することができる。
【0102】
第1情報端末50の通信部51は、完了通知情報を受信し、情報処理部53は、受信された完了通知情報に基づいて、完了通知画面を表示部55に表示する(S78)。これにより、管理者は、作業が完了したことを把握することができる。
【0103】
なお、
図11の例では、作業者は、電話(回線交換方式の通信)により、作業の完了を施設管理支援システム10へ申告する例について説明されたが、携帯電話20がスマートフォンである場合には、作業者は、ブラウザまたはアプリケーションプログラムを実行することにより、作業の完了を施設管理支援システム10へ申告することもできる。この場合、作業者は、携帯電話20で撮影した作業状況を示す写真をパケット交換方式の通信により施設管理支援システム10へアップロードすることができる。つまり、作業者は、作業に関する詳細情報を管理者に提供することができる。
【0104】
[作業の支援動作の変形例]
図7の作業の支援動作においては、作業者が所定の電話番号に電話をかけるとオートロック式ドア34が自動的に解錠された。しかしながら、オートロック式ドア34を自動的に解錠するのではなく、作業者へオートロック式ドア34を解錠するための一時的なパスコードが通知されてもよい。
図12は、変形例に係る作業の支援動作のシーケンス図である。
【0105】
ステップS81~ステップS88の処理は、
図7のステップS41~ステップS48の処理と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0106】
制御部13は、ステップS88においてパスコード認証が成立したと判定したときに、オートロック式ドア34用のパスコード(第3認証情報の一例)を発行する(S89)。制御部13は、発行したパスコードを設定するための設定指令を、第2通信部12にインターホンシステム30へ出力(送信)させる(S90)。設定指令は、インターホンシステム30に所定の動作をさせるための動作指令情報の一例である。
【0107】
設定指令には、発行したパスコード、及び、当該パスコードの有効期限が含まれる。有効期限は、あらかじめ施設管理支援システム10の設計者等によって定められるが、集合住宅100の管理者、または、サービス提供事業者の従業者によって指定されてもよい。例えば、ステップS11において有効期限を指定する操作が受け付けられれば、集合住宅100の管理者は、有効期限を指定することができる。同様に、ステップS21において有効期限を指定する操作が受け付けられれば、サービス提供事業者の従業者は、有効期限を指定することができる。
【0108】
ステップS90において、制御部13は、具体的には、登録情報において携帯電話20の電話番号に対応付けられた集合住宅100の名称を特定する。続いて、制御部13は、集合住宅管理情報において、特定された集合住宅100の名称に対応付けられたゲートウェイIDを解錠指令の出力先として決定する。これにより、制御部13は、作業者が訪問中の集合住宅100に設けられたインターホンシステム30(ゲートウェイ装置33)に設定指令を出力することができる。第2通信部12によって出力(送信)された設定指令は、広域通信ネットワーク80、ゲートウェイ装置33、及び、制御装置32を介して認証管理装置35によって受信される。認証管理装置35は、受信した設定指令に基づいて、設定指令に含まれる有効期限の間、設定指令に含まれるパスコードを有効に設定する(S91)。
【0109】
一方、制御部13は、発行したパスコードを作業者(携帯電話20のユーザ)に通知するためのパスコード通知情報(音信号)を第1通信部11に携帯電話20へ出力させる(S92)。
【0110】
携帯電話20の通信部21は、パスコード通知情報を受信し、通話処理部23は、受信されたパスコード通知情報(音信号)を音出力部25に再生させる。音出力部25は、具体的には、「パスコードは5678です」といったパスコードを通知するためのメッセージ(音)を出力する(S93)。これにより、作業者は、ロビーインターホン31へ入力すべき、オートロック式ドア34を解錠するためのパスコードを把握することができる。
【0111】
また、
図12では図示されないが、ステップS93の処理の後、
図7のステップS51~ステップS56の処理(キーボックス37用のパスコードの発行及び通知)と、ステップS57~ステップS58の処理(認証が行われたことの通知)も行われる。
【0112】
以上説明したように、施設管理支援システム10は、電話番号認証、及び、パスコード認証が成立したことを契機に、オートロック式ドア34用のパスコード、及び、キーボックス37用のパスコードを作業者へ通知し、認証が行われたこと(作業者が集合住宅100に入場したこと)を管理者へ通知することができる。作業者は、集合住宅100へ到着した後、携帯電話20を用いて所定の電話番号へ電話をかけることで、集合住宅100へ入場し、かつ、キーボックス37から鍵を持ち出すことができる。
【0113】
なお、
図12の作業の支援動作においては、オートロック式ドア34用のパスコードは施設管理支援システム10が発行し、キーボックス37用のパスコードは認証管理サーバ40が発行する。このため、オートロック式ドア34用のパスコードと、キーボックス37用のパスコードとは異なる。しかしながら、オートロック式ドア34用のパスコードと、キーボックス37用のパスコードとは共通化されてもよい。
【0114】
例えば、施設管理支援システム10によってオートロック式ドア34用のパスコードが発行される前に、
図7のステップS51~ステップS54の処理(キーボックス37用のパスコードの発行及び取得)が行われれば、制御部13は、取得されたキーボックス用のパスコードと同一のパスコードを認証管理装置35に設定することができる。これにより、オートロック式ドア34用のパスコードと、キーボックス37用のパスコードとの共通化が実現される。
【0115】
ここで、作業者が、オートロック式ドア34のパスコードを入力することでオートロック式ドア34が解錠されるときの動作について補足する。
図13は、パスコードの入力に基づくオートロック式ドア34の解錠動作のシーケンス図である。
【0116】
作業者は、ロビーインターホン31に近づくと、パスコードの入力操作をロビーインターホン31が有するユーザインターフェースに対して行う。ここで入力されるパスコードは、ステップS93で音出力部25によって出力されたパスコードである。ロビーインターホン31は、作業者からパスコードの入力操作を受け付け(S101)、認証要求を認証管理装置35へ送信する(S102)。
図13では図示されないが、認証要求は、より詳細には、制御装置32を介して認証管理装置35へ送信される。認証要求には、ステップS101において入力されたパスコードが含まれる。
【0117】
認証管理装置35は、認証要求を受信し、受信した認証要求に基づいて認証処理を行う(S103)。認証処理において、認証管理装置35は、認証要求に含まれるパスコードと、ステップS91において設定されたパスコードであって有効期限が切れていないパスコードとが一致する場合には認証が成立したと判定する。なお、認証管理装置35は、認証要求に含まれるパスコードと、ステップS91において設定されたパスコードであって有効期限が切れていないパスコードとが一致しない場合には認証が不成立であると判定する。
【0118】
認証管理装置35は、認証が成立する(認証処理に成功する)と、解錠指令をオートロック式ドア34へ送信する(S104)。解錠指令は、より詳細には、制御装置32及びロビーインターホン31を介してオートロック式ドア34へ送信される。この結果、オートロック式ドア34が解錠される(S105)。
【0119】
[サービスの変形例]
上記実施の形態では、サービス提供事業者は、管理者等の依頼に基づいて集合住宅100へ作業者を派遣する事業者であったが、集合住宅100の居住者等の個人的な依頼に基づいて集合住宅100へ作業者を派遣する事業者であってもよい。このような事業者は、例えば、配達サービス、訪問介護サービス、または、家事代行サービスなどを提供する事業者である。
【0120】
ここで、サービス提供事業者が配達サービスを提供する事業者である場合、作業者(配達員)には、キーボックス37用のパスコードに代えて、宅配ボックス36用のパスコードが提供されてもよい。宅配ボックス36用のパスコードを作業者に通知する方法については、キーボックス37用のパスコードを作業者に通知する方法と同様であるため詳細な説明が省略される。
【0121】
[認証の変形例]
上記実施の形態では、キーボックス37用のパスコードの認証は、集合住宅100の外に設けられた認証管理サーバ40によって行われたが、施設管理支援システム10によって行われてもよい。キーボックス37用のパスコードの認証は、キーボックス37自体によって行われてもよいし、集合住宅100内に設けられた他の装置によって行われてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では、オートロック式ドア34用のパスコードの認証は、集合住宅100内に設けられた認証管理装置35によって行われたが、集合住宅100内の他の装置(ロビーインターホン31など)によって行われてもよい。オートロック式ドア34用のパスコードの認証は、集合住宅100の外に設けられた装置によって行われてもよく、施設管理支援システム10によって行われてもよいし、施設管理支援システム10以外のサーバシステムによって行われてもよい。
【0123】
[集合住宅を特定するための情報の変形例]
上記実施の形態では、複数の集合住宅の中から集合住宅100を特定するための情報としてゲートウェイIDが用いられたが、このような情報としてゲートウェイIDが使用されることは必須ではない。例えば、ゲートウェイIDに代えて制御装置32のIDが使用されてもよい。また、集合住宅100を特定するための情報は、集合住宅100の名称、または、集合住宅100の住所などであってもよい。
【0124】
[効果等]
以上説明したように、施設管理支援システム10は、携帯電話20と回線交換方式の通信を行うことにより携帯電話20から認証情報を取得する第1通信部11と、集合住宅100に設けられたインターホンシステム30とパケット交換方式の通信を行う第2通信部12と、取得された認証情報に基づく認証が成立したときに、インターホンシステム30に所定の動作をさせるための動作指令情報を、第2通信部12からインターホンシステム30へ出力させる制御部13とを備える。集合住宅100は、集合施設の一例であり、インターホンシステム30は、第1情報処理システムの一例である。ここでの認証は、電話番号認証(ステップS43)、及び、パスコード認証(ステップS48)の少なくとも一方の認証である。
【0125】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザによる比較的簡単な操作(具体的には、電話をかけるための操作)に基づいて、集合住宅100に設けられたインターホンシステム30に所定の動作を行わせることができる。
【0126】
また、例えば、上記所定の動作には、集合住宅100の共用部101に設けられた第1扉を解錠または開放する動作が含まれる。第1扉は、上記実施の形態では、オートロック式ドア34である。
【0127】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが第1扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0128】
また、例えば、上記所定の動作には、集合住宅100の共用部に設けられた第1扉を解錠または開放するために必要な第3認証情報を設定する動作が含まれる。第3認証情報は、上記実施の形態では、オートロック式ドア34用のパスコードである。
【0129】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが第1扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0130】
また、例えば、制御部13は、設定された第3認証情報を携帯電話20のユーザに通知するための通知情報を第1通信部11に携帯電話20へ出力させる。
【0131】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが第1扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0132】
また、例えば、第2通信部12は、集合住宅100外に設けられた認証管理サーバ40とパケット交換方式の通信を行う。制御部13は、上記認証が成立したときに、集合住宅100の共用部101に設けられた第2扉を解錠または開放するために必要な第4認証情報の発行を認証管理サーバ40に要求するための要求情報を、第2通信部12に認証管理サーバ40へ出力させる。認証管理サーバ40は、第2情報処理システムの一例である。第4認証情報は、上記実施の形態では、キーボックス37用のパスコードである。
【0133】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが第2扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0134】
また、例えば、第2扉には、集合住宅100の共用部に設けられた収納装置の扉が含まれる。収納装置の扉とは、鍵を収納するキーボックス37の扉、または、荷物を収納する宅配ボックス36の扉などである。
【0135】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザがキーボックス37の扉、または、宅配ボックス36の扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0136】
また、例えば、第2通信部12は、要求情報に応じて発行された第4認証情報を認証管理サーバ40から取得する。制御部13は、取得された第4認証情報を携帯電話20のユーザに通知するための通知情報を第1通信部11に携帯電話20へ出力させる。
【0137】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが第2扉を解錠または開放することを支援することができる。
【0138】
また、例えば、上記認証には、第1認証及び第2認証が含まれ、上記認証情報には、第1認証情報、及び、第2認証情報が含まれる。制御部13は、取得された第1認証情報に基づく第1認証が成立した後、取得された第2認証情報に基づく第2認証が成立したとき、動作指令情報を第2通信部12にインターホンシステム30へ出力させる。
【0139】
このような施設管理支援システム10は、2段階の認証により、インターホンシステム30に所定の動作を行わせることができる。
【0140】
また、例えば、第1認証情報は、携帯電話20の電話番号を含み、第2認証情報は、携帯電話20への入力操作によって定まる識別情報(パスコード)を含む。
【0141】
このような施設管理支援システム10は、電話番号認証及びパスコード認証の2段階の認証により、インターホンシステム30に所定の動作を行わせることができる。
【0142】
また、例えば、第2通信部12は、集合住宅100の管理者が使用する第1情報端末50とパケット交換方式の通信を行う。制御部13は、上記認証が成立したときに、上記認証が行われたことを通知するための認証通知情報を第2通信部12に第1情報端末50へ出力させる。
【0143】
このような施設管理支援システム10は、インターホンシステム30に所定の動作をさせるための認証が行われたことを集合住宅100の管理者へ通知することができる。
【0144】
また、例えば、第2通信部12は、集合住宅100の管理者が使用する第1情報端末50とパケット交換方式の通信を行う。制御部13は、携帯電話20から携帯電話20のユーザが集合住宅100内で行った作業が完了したことを示す情報が取得されたとき、作業が完了したことを通知するための完了通知情報を、第2通信部12に第1情報端末50へ出力させる。
【0145】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが集合住宅100内で行った作業が完了したことを集合住宅100の管理者へ通知することができる。
【0146】
また、例えば、第2通信部12は、集合住宅100の管理者が使用する第1情報端末50とパケット交換方式の通信を行う。制御部13は、第2通信部12が第1情報端末50から受信した情報に基づいて、上記認証情報を発行する。
【0147】
このような施設管理支援システム10は、管理者が使用する第1情報端末50から受信した情報に基づいて認証情報を発行することができる。
【0148】
また、例えば、制御部13は、第2通信部12が第1情報端末50から受信した情報に基づいて、集合住宅100の識別情報を認証情報と対応付けて記憶する。
【0149】
このような施設管理支援システム10は、集合住宅100を他の集合住宅と区別して認証を行うことができる。
【0150】
また、例えば、制御部13は、第2通信部12が第1情報端末50から受信した情報に基づいて、携帯電話20のユーザが集合住宅100から持出可能な物品を、認証情報と対応付けて記憶する。携帯電話20のユーザが集合住宅100から持出可能な物品は、上記実施の形態では鍵であり、当該物品は、持ち出し許可情報として記憶部14に記憶される。なお、持ち出し可能な物品は、鍵以外の物品であってもよい。
【0151】
このような施設管理支援システム10は、携帯電話20のユーザが集合住宅100から持出可能な物品を管理することができる。
【0152】
また、施設管理支援システム10などのコンピュータシステムによって実行される情報処理方法は、携帯電話20と回線交換方式の通信を行うことにより携帯電話20から認証情報を取得する取得ステップS47と、取得された認証情報に基づく認証が成立したときに、集合住宅100に設けられたインターホンシステム30に所定の動作をさせるための動作指令情報を、パケット交換方式の通信を行うことによってインターホンシステム30へ出力する出力ステップS49とを含む。
【0153】
このような情報処理方法は、携帯電話20のユーザによる比較的簡単な操作(具体的には、電話をかけるための操作)に基づいて、集合住宅100に設けられたインターホンシステム30に所定の動作を行わせることができる。
【0154】
また、携帯電話20によって実行される情報処理方法は、ユーザの第1操作によって入力された電話番号に基づいて施設管理支援システム10と回線交換方式の通信を行う通信ステップS42と、ユーザの第2操作に基づいて、回線交換方式の通信によって認証情報を施設管理支援システム10へ出力する出力ステップS47と、認証情報を出力した後に、集合住宅100内の所定の電気錠を解錠するための識別情報を出音によってユーザに通知する通知ステップS56とを含む。ここでの所定の電気錠は、オートロック式ドア34に設けられた電気錠、キーボックス37に設けられた電気錠、または、宅配ボックス36に設けられた電気錠などである。
【0155】
このような情報処理方法は、携帯電話20のユーザが所定の電気錠を解錠することを支援することができる。
【0156】
また、集合住宅100の管理者が使用する第1情報端末50によって実行される情報処理方法であって、管理者の操作によって入力された携帯電話20に関連する情報を施設管理支援システム10へ送信する送信ステップS12と、施設管理支援システム10から認証情報を受信する受信ステップS14とを含む。
【0157】
このような情報処理方法は、管理者が使用する第1情報端末50に認証情報を送信(通知)することができる。
【0158】
(その他の実施の形態)
以上、実施の形態について説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
【0159】
例えば、上記実施の形態では、施設管理支援システムは、集合住宅に適用されたが、集合住宅以外の集合施設に適用されてもよい。例えば、施設管理支援システムは、オフィス、工場、研究施設、医療施設、宿泊施設等の、複数の施設(複数の会社、部課、部門等)を含む集合施設であって、共用のエントランスを備える集合施設に適用することができる。集合施設がオフィス等である場合、集合施設に設けられる第1情報処理システムは、入退管理システム等であってもよい。
【0160】
例えば、施設管理支援システムは、複数の装置(例えば、複数のサーバ)によって実現されたてもよいし、単一の装置(例えば、単一のサーバ)として実現されてもよい。施設管理支援システムが複数の装置によって実現される場合、施設管理支援システムが備える構成要素(特に、機能的な構成要素)は、複数の装置にどのように振り分けられてもよい。
【0161】
例えば、上記実施の形態における装置間の通信方法については特に限定されるものではない。また、装置間の通信においては、図示されない中継装置(ブロードバンドルータなど)が介在してもよい。
【0162】
また、上記実施の形態において、特定の処理部が実行する処理を別の処理部が実行してもよい。また、複数の処理の順序が変更されてもよいし、複数の処理が並行して実行されてもよい。
【0163】
また、上記実施の形態において、各構成要素は、各構成要素に適したソフトウェアプログラムを実行することによって実現されてもよい。各構成要素は、CPUまたはプロセッサなどのプログラム実行部が、ハードディスクまたは半導体メモリなどの記録媒体に記録されたソフトウェアプログラムを読み出して実行することによって実現されてもよい。
【0164】
また、各構成要素は、ハードウェアによって実現されてもよい。例えば、各構成要素は、回路(または集積回路)でもよい。これらの回路は、全体として1つの回路を構成してもよいし、それぞれ別々の回路でもよい。また、これらの回路は、それぞれ、汎用的な回路でもよいし、専用の回路でもよい。
【0165】
また、本発明の全般的または具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD-ROMなどの記録媒体で実現されてもよい。また、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【0166】
例えば、本発明は、上記実施の形態の施設管理支援システム、携帯電話、第1情報端末、または、第2情報端末などのコンピュータが実行する情報処理に相当する情報処理方法として実現されてもよいし、コンピュータにこれらの情報処理方法を実行させるためのプログラム(コンピュータプログラムプロダクト)として実現されてもよい。また、本発明は、このようなプログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な非一時的な記録媒体として実現されてもよい。
【0167】
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態、または、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。
【符号の説明】
【0168】
10 施設管理支援システム
11 第1通信部
12 第2通信部
13 制御部
14 記憶部
20 携帯電話
30 インターホンシステム(第1情報処理システム)
34 オートロック式ドア(第1扉)
40 認証管理サーバ(第2情報処理システム)
50 第1情報端末(情報端末)
100 集合住宅(集合施設)
101 共用部