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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023006731
(43)【公開日】2023-01-18
(54)【発明の名称】超音波美容器
(51)【国際特許分類】
   A61H 23/02 20060101AFI20230111BHJP
【FI】
A61H23/02 341
A61H23/02 386
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021109478
(22)【出願日】2021-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】512255192
【氏名又は名称】株式会社リファイン
(74)【代理人】
【識別番号】100127764
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 泰州
(72)【発明者】
【氏名】保坂 雅彦
【テーマコード(参考)】
4C074
【Fターム(参考)】
4C074AA03
4C074AA04
4C074BB01
4C074CC03
4C074DD05
4C074FF09
4C074GG11
4C074HH09
(57)【要約】
【課題】 本発明は、異なる周波数の超音波を付与することができるうえ、異なる周波数の超音波を重ねて付与することもできる新規な超音波美容器を提供することを目的とする。
【解決手段】
超音波美容器1にメガヘルツオーダーの周波数又はキロヘルツオーダーの周波数のいずれかの超音波を選択的に出力するプローブ2(2A、2B)を一対具備し、選択された周波数の超音波を各プローブ2(2A、2B)から同時に出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚表面を通じて体内に超音波を付与するための超音波美容器であって、
メガヘルツオーダーの周波数又はキロヘルツオーダーの周波数のいずれかの超音波を選択的に出力するプローブを一対具備してなり、
選択された周波数の超音波を各プローブから同時に出力できるようになされたことを特徴とする超音波美容器。
【請求項2】
請求項1に記載の超音波美容器において、
更に、各プローブから出力される超音波の周波数を決定する制御装置を具備してなり、
前記制御装置を介して、一方のプローブからメガヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する間、他方のプローブからキロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する第一モードが選択可能となされた超音波美容器。
【請求項3】
請求項2に記載の超音波美容器において、
前記第一モードの実行時、一定時間経過毎に各プローブから出力される超音波の周波数が切り替わるようになされた超音波美容器。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれか1項に記載の超音波美容器において、
前記制御装置を介して、両方のプローブから同時にメガヘルツオーダーの周波数、又は、キロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する第二モードが選択可能となされた超音波美容器。
【請求項5】
請求項4に記載の超音波美容器において、
前記第二モードの実行時、一定時間経過毎に各プローブから出力される超音波の周波数が切り替わるようになされた超音波美容器。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の超音波美容器において、
更に、一方のプローブが陰極、他方のプローブが陽極として機能する電気刺激回路が構築されてなる超音波美容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚表面を通じて体内に超音波を付与するための超音波美容器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、皮膚表面を通じて体内に超音波を付与することによって種々の美容効果を与える美容器(超音波美容器)が普及している。この超音波美容器は発振回路の出力端子に圧電セラミックス等の個体振動子を接続し、交流信号(交流電圧)を印加することによって前記個体振動子を振動させ、もって超音波を発生させる仕組みのものが一般的である。
【0003】
ところで、この種の超音波美容器において用いられる個体振動子には、超音波が効率よく発生する周波数(振動子周波数)がある。この振動子周波数は個体振動子が厚くなるほど小さくなり、個体振動子が薄くなるほど大きくなる。
【0004】
そのため、従来の超音波美容器では、発生させたい超音波の周波数に応じて個体振動子の厚さが決定されていた。例えば、肌の美容(例えば、肌の皺やシミ取り、引き締め等)を目的とする場合には、メガヘルツオーダーの周波数(例えば、1~5MHz)の超音波が発生するように設計される。一方、痩身を目的とする場合には、キロヘルツオーダーの周波数(例えば、20~50KHz)の超音波が発生するように設計される。
【0005】
最近では、周波数の異なる複数の超音波を発生させることができる個体振動子(超音波振動子)が開発されている(例えば、下記特許文献1、2参照。)。又、周波数の異なる超音波を重ねて出力することができる超音波美容器も開発されている(例えば、下記特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002-248151号公報
【特許文献2】特開2011‐155776号公報
【特許文献3】特開2018‐202294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
即ち、前記特許文献1、2に開示された個体振動子を用いて超音波美容器を構築すれば、超音波の周波数を適宜変更して付与することができるようになる。又、前記特許文献3に開示された超音波美容器によれば、異なる周波数の超音波を重ねて付与することができる。
【0008】
しかしながら、前記特許文献1、2に開示された個体振動子を用いた超音波美容器では周波数の異なる超音波を重ねて出力することができない。一方、前記特許文献3に開示された超音波美容器では付与し得る超音波が限定的となる。
【0009】
本発明は、前記技術的課題に鑑みて完成されたものであり、異なる周波数の超音波を付与することができるうえ、異なる周波数の超音波を重ねて付与することもできる新規な超音波美容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記技術的課題を解決する本発明の超音波美容器は、皮膚表面を通じて体内に超音波を付与するための超音波美容器であって、メガヘルツオーダーの周波数又はキロヘルツオーダーの周波数のいずれかの超音波を選択的に出力するプローブを一対具備してなり、選択された周波数の超音波を各プローブから同時に出力できるようになされたことを特徴とする(以下、「本発明美容器」と称する。)。
【0011】
前記本発明美容器においては、更に、各プローブから出力される超音波の周波数を決定する制御装置を具備してなり、前記制御装置を介して、一方のプローブからメガヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する間、他方のプローブからキロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する第一モードが選択可能となされたものが好ましい態様となる。
【0012】
前記本発明美容器においては、前記第一モードの実行時、一定時間経過毎に各プローブから出力される超音波の周波数が切り替わるようになされたものが好ましい態様となる。
【0013】
前記本発明美容器においては、前記制御装置を介して、両方のプローブから同時にメガヘルツオーダーの周波数、又は、キロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力する第二モードが選択可能となされたものが好ましい態様となる。
【0014】
前記本発明美容器においては、前記第二モードの実行時、一定時間経過毎に各プローブから出力される超音波の周波数が切り替わるようになされたものが好ましい態様となる。
【0015】
前記本発明美容器においては、更に、一方のプローブが陰極、他方のプローブが陽極として機能する電気刺激回路が構築されてなるものが好ましい態様となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、異なる周波数の超音波を付与することができるうえ、異なる周波数の超音波を重ねて付与することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本発明美容器を示す斜視図である。
図2図2は、前記本発明美容器の使用態様を一部断面状態で示す正面図である。
図3図3(a)、(b)は、各プローブから出力される超音波の波形図であり、図3(c)は、各プローブから出力された超音波が合成された合成波の波形図である。
図4図4は、本発明美容器の制御装置を模式的に示すブロック図である。
図5図5は、第一モードの実行時における制御手順を示すフローチャートである。
図6図6は、第二モードの実行時における制御手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
【0019】
<本発明美容器1>
図1に、本発明美容器1の一実施形態を示す。前記本発明美容器1は、一対のプローブ2(2A、2B)を具備する。
【0020】
‐プローブ2(2A、2B)‐
前記プローブ2(2A、2B)は、超音波を出力するための機械要素である。本発明においては、前記プローブ2(2A、2B)につき、いずれもメガヘルツオーダーの周波数又はキロヘルツオーダーの周波数のいずれかの超音波を選択的に出力することができ、又、選択されたいずれかの周波数の超音波を各プローブ2(2A、2B)から同時に出力できる仕組みとなされる。本実施形態においては、各プローブ2(2A、2B)内に配された個体振動子それぞれに対し、美容器本体3から個別の始動信号を供給することによって各プローブ2(2A、2B)から同時に超音波を出力し得る仕組みを構築している。又、各プローブ内にメガヘルツオーダーとキロヘルツオーダーの二種の発振回路を内蔵し、本体からの始動信号によりどちらか一方の選択された側の発振回路を作動させることによって各プローブから発生させる超音波の周波数を選択できる仕組みを構築している。なお、始動信号により選択されなかった側の発振回路は休止状態となる。即ち、メガヘルツオーダーの発振回路が本体からの始動振動により選択されているときはキロヘルツオーダーの発振回路は休止となる。逆にキロヘルツオーダーの発振回路が始動信号により選択された場合はメガヘルツオーダーの発振回路は休止状態となる。
【0021】
前記構成を有する本発明美容器1は、皮膚表面を通じて体内に超音波を付与するための装置である。図2に示すように、前記本発明美容器1では、脚や腕、或いは胴体などの施術箇所(M)に、前記プローブ2(2A、2B)を接触させて超音波を付与する。この際、二本のプローブ2(2A、2B)は、施術箇所(M)を挟むように配される。
【0022】
この状態で、各プローブ2(2A、2B)から(若しくは一方のプローブ2Aのみから)メガヘルツオーダーの周波数の超音波を出力すれば、図3(a)に示すような波形のメガヘルツオーダーの周波数の超音波を施術箇所(M)に付与することができる。
【0023】
又、各プローブ2(2A、2B)から(若しくは一方のプローブ2Aのみから)キロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力すれば、図3(b)に示すような波形のキロヘルツオーダーの周波数の超音波を施術箇所(M)に付与することができる。
【0024】
更に、一方のプローブ2Aからメガヘルツオーダーの周波数の超音波を出力し、他方のプローブ2Bからキロヘルツオーダーの周波数の超音波を出力すれば、図3(c)に示すような波形の合成波を施術箇所(M)に付与することができる。
【0025】
即ち、前記本発明美容器1によれば、異なる周波数の超音波を付与することができるうえ、異なる周波数の超音波を重ねて付与することもできるため、超音波の性質に応じた種々の美容効果を施術箇所(M)に与えることができる。
【0026】
なお、本実施形態においては、前記プローブ2(2A、2B)から出力される超音波の周波数について特に言及していないが、メガヘルツオーダーの周波数の超音波については1~5MHzが好ましく、キロヘルツオーダーの周波数の超音波については20~50KHzが好ましい。
【0027】
又、本実施形態においては、前記プローブ2(2A、2B)から出力される超音波の波長の選択は使用者の操作によって行われているが、図4に示すように、制御装置4を介したモード選択にて超音波が自動的に出力される仕組みとすることが好ましい。
【0028】
‐制御装置4‐
図4に示す制御装置4は、記憶手段41と、演算手段42と、制御手段43と、を具備する。この制御装置4において、前記記憶手段41は1ないし複数のモードを記憶する役割を担う。又、前記演算手段42は選択されたモードに応じた制御手順に順じて各プローブ2(2A、2B)から出力させる超音波の周波数を決定する役割を担う。更に、前記制御手段43は、決定された周波数の超音波が各プローブ2(2A、2B)から出力されるように命令する役割を担う。
【0029】
以下、図5及び図6に示す制御手順となされた二種類のモード(第一モードと第二モード)の実行を説明する。
【0030】
‐第一モード‐
図5に示す第一モードでは、第一モードの実行が命令されると(S11)、一方のプローブ2Aに対してメガヘルツオーダーの周波数の超音波の出力が命じられ(S12)、他方のプローブ2Bに対してキロヘルツオーダーの周波数の超音波の出力が命じられる(S13)。その後、一定時間経過する毎に(S14)、各プローブ2(2A、2B)から出力される超音波の出力を反転する命令が与えられる(S15)。
【0031】
即ち、第一モードが選択されれば、自動的にメガヘルツオーダーの周波数の超音波とキロヘルツオーダーの周波数の超音波の合成波が施術箇所(M)に付与される。又、一定時間毎に各超音波の出力先が変わるようにも制御されているため、一定時間毎に異なる刺激を施術箇所(M)に与えることができる。
【0032】
‐第二モード‐
一方、図6に示す第二モードでは、第二モードの実行が命令されると(S21)、各プローブ2(2A、2B)に対してメガヘルツオーダーの周波数の超音波の出力が命じられる(S22、S23)。その後、一定時間経過する毎に(S24)、各プローブ2(2A、2B)から出力される超音波の出力を変更する命令が与えられる(S25)。
【0033】
即ち、第二モードが選択されれば、自動的にメガヘルツオーダーの周波数の超音波とキロヘルツオーダーの周波数の超音波が交互に施術箇所(M)に付与される。一定時間毎に付与される超音波の波長が変わるため、一定時間毎に異なる刺激を施術箇所(M)に与えることができる。
【0034】
ところで、本実施形態においては施術箇所(M)に対して付与する刺激を超音波のみとしているが、本発明においては、超音波の刺激に加えて他の刺激を付与することを否定しない。
【0035】
例えば、温熱や冷熱等の熱的刺激を併用しても良いし、電気等の刺激を併用しても良い。電気刺激を併用する場合にあっては、一方のプローブ2Aが陽極、他方のプローブ2Bが陰極として機能する電気刺激回路を構築することが好ましい。
【0036】
なお、本発明は、その精神又は主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。更に、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
【符号の説明】
【0037】
1 本発明美容器(超音波美容器)
2 プローブ
3 美容器本体
4 制御装置
41 記憶手段
42 演算手段
43 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6