IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067397
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】防水コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/52 20060101AFI20230509BHJP
   H01R 31/06 20060101ALI20230509BHJP
   H01R 13/405 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01R13/52 301F
H01R31/06 Z
H01R13/405
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178588
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 琢男
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 裕二
(72)【発明者】
【氏名】小寺 真史
【テーマコード(参考)】
5E087
【Fターム(参考)】
5E087EE06
5E087FF02
5E087GG03
5E087JJ01
5E087LL01
5E087MM03
5E087MM05
5E087RR12
(57)【要約】
【課題】優れた防水効果を有する防水コネクタを提供する。
【解決手段】ハウジング31に保持される端子部材21の被保持部24は、被保持部24の外周面に配置された少なくとも1つの防水形状部25と、第1接続部22から第2接続部23に向かう長手方向において防水形状部25を挟んで防水形状部25の両側に配置された貫通孔26とを有し、防水形状部25は、被保持部24の外周面の全周にわたって配置され且つ所定の表面粗さを有し、貫通孔26は、被保持部24の外周面に対して垂直な方向に所定の表面粗さよりも大きい寸法を有し、被保持部24のすべての表面は、絶縁性樹脂により覆われている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続対象物と第2の接続対象物を互いに電気的に接続する防水コネクタであって、
導電性材料からなる1つ以上の端子部材と、
前記端子部材を保持し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと
を備え、
前記端子部材は、前記第1の接続対象物に接続される第1接続部と、前記第2の接続対象物に接続される第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部の間に配置され且つ前記ハウジングに保持される被保持部とを有し、
前記被保持部は、前記被保持部の外周面に配置された少なくとも1つの防水形状部と、前記第1接続部から前記第2接続部に向かう長手方向において前記防水形状部を挟んで前記防水形状部の両側に配置されたスパイク部とを有し、
前記防水形状部は、前記被保持部の前記外周面の全周にわたって配置され且つ所定の表面粗さを有し、
前記スパイク部は、前記被保持部の前記外周面に対して垂直な方向に前記所定の表面粗さよりも大きい寸法を有する構造体からなり、
前記被保持部のすべての表面は、前記絶縁性樹脂により覆われていることを特徴とする防水コネクタ。
【請求項2】
前記被保持部は、前記長手方向に互いに間隔を隔てて配置された2つ以上の前記防水形状部を有し、前記長手方向において、それぞれの前記防水形状部の両側に前記スパイク部が配置されている請求項1に記載の防水コネクタ。
【請求項3】
前記スパイク部は、前記長手方向において、前記防水形状部に隣接している請求項1または2に記載の防水コネクタ。
【請求項4】
前記防水形状部は、前記長手方向において、隣接する前記スパイク部に重複しない領域を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項5】
前記スパイク部は、前記構造体として、前記被保持部を前記長手方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項6】
前記スパイク部は、前記構造体として、前記防水形状部よりも前記被保持部の内部に向かって窪む凹部を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項7】
前記凹部は、前記被保持部の前記外周面の全周を連続的に囲む溝からなる請求項6に記載の防水コネクタ。
【請求項8】
前記凹部は、前記被保持部の前記外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置された複数の窪みを有する請求項6に記載の防水コネクタ。
【請求項9】
前記スパイク部は、前記構造体として、前記防水形状部よりも前記被保持部の外部に向かって突出する凸部を有する請求項1~4のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項10】
前記凸部は、前記被保持部の前記外周面の全周を連続的に囲む突起からなる請求項9に記載の防水コネクタ。
【請求項11】
前記凸部は、前記被保持部の前記外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置された複数の突起を有する請求項9に記載の防水コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防水コネクタに係り、特に、第1の接続対象物と第2の接続対象物を互いに電気的に接続する防水コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の電子機器、電気機器等において、防水機能に対する要求が高く、これらの機器に使用されるコネクタとして、防水性を備えた防水コネクタの開発が進められている。
この種の防水コネクタとして、例えば、特許文献1には、図24に示されるように、被覆電線1から露出する導体2に端子金具3を固着し、導体2と端子金具3の固着部分を樹脂材料からなるハウジング4で覆った防水コネクタが開示されている。
【0003】
端子金具3は、ほぼ円柱形状を有しており、端子金具3に、端子金具3の長手方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔5が形成され、また、端子金具3の外周面に、端子金具3の周方向に延びる2本の周溝6が形成されている。
ハウジング4を成形する際に、端子金具3の貫通孔5の内部および2本の周溝6の内部に溶融状態の樹脂材料が充填され、その後、冷却されることで、樹脂材料が貫通孔5内で固化されて柱状体7を形成すると共に2本の周溝6内で固化されて2つの円環体8を形成する。
【0004】
一般に、端子金具3を構成する金属材料とハウジング4を形成する樹脂材料とでは、互いに熱膨張係数が異なり、温度変化に対する熱変形量が異なるが、貫通孔5内に柱状体7が位置しているため、柱状体7の位置では端子金具3とハウジング4とが互いに固定された状態にある。従って、ハウジング4の成形時に樹脂材料が冷却されて収縮すると、端子金具3の長手方向において、2つの円環体8が端子金具3の2本の周溝6の内壁面に押し付けられ、シール面を形成する。これらのシール面により、防水効果を得ることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2016-219217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されると、ハウジング4を形成する樹脂に次第に歪みが発生し、柱状体7の位置で端子金具3とハウジング4とが互いに固定されていても、端子金具3の周溝6の内壁面に対するハウジング4の円環体8の接触圧が低減し、防水効果が低下するおそれがあった。
【0007】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、優れた防水効果を有する防水コネクタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係る防水コネクタは、
第1の接続対象物と第2の接続対象物を互いに電気的に接続する防水コネクタであって、
導電性材料からなる1つ以上の端子部材と、
端子部材を保持し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと
を備え、
端子部材は、第1の接続対象物に接続される第1接続部と、第2の接続対象物に接続される第2接続部と、第1接続部と第2接続部の間に配置され且つハウジングに保持される被保持部とを有し、
被保持部は、被保持部の外周面に配置された少なくとも1つの防水形状部と、第1接続部から第2接続部に向かう長手方向において防水形状部を挟んで防水形状部の両側に配置されたスパイク部とを有し、
防水形状部は、被保持部の外周面の全周にわたって配置され且つ所定の表面粗さを有し、
スパイク部は、被保持部の外周面に対して垂直な方向に所定の表面粗さよりも大きい寸法を有する構造体からなり、
被保持部のすべての表面は、絶縁性樹脂により覆われているものである。
【0009】
被保持部は、長手方向に互いに間隔を隔てて配置された2つ以上の防水形状部を有し、長手方向において、それぞれの防水形状部の両側にスパイク部が配置されているように構成することもできる。
スパイク部は、長手方向において、防水形状部に隣接していることが好ましい。
防水形状部は、長手方向において、隣接するスパイク部に重複しない領域を有することが好ましい。
【0010】
スパイク部は、構造体として、被保持部を長手方向に対して交差する方向に貫通する貫通孔を有することができる。
【0011】
スパイク部は、構造体として、防水形状部よりも被保持部の内部に向かって窪む凹部を有することもできる。
凹部は、被保持部の外周面の全周を連続的に囲む溝からなっていてもよく、あるいは、被保持部の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置された複数の窪みを有していてもよい。
【0012】
スパイク部は、構造体として、防水形状部よりも被保持部の外部に向かって突出する凸部を有することもできる。
凸部は、被保持部の外周面の全周を連続的に囲む突起からなっていてもよく、あるいは、被保持部の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置された複数の突起を有していてもよい。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、端子部材の被保持部は、被保持部の外周面に配置された少なくとも1つの防水形状部と、第1接続部から第2接続部に向かう長手方向において防水形状部を挟んで防水形状部の両側に配置されたスパイク部とを有し、防水形状部は、被保持部の外周面の全周にわたって配置され且つ所定の表面粗さを有し、スパイク部は、被保持部の外周面に対して垂直な方向に所定の表面粗さよりも大きい寸法を有する構造体からなり、被保持部のすべての表面は、絶縁性樹脂により覆われているので、優れた防水効果を有する防水コネクタを実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】この発明の実施の形態1に係る防水コネクタを示す斜視図である。
図2】実施の形態1に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図3】実施の形態1に係る防水コネクタを示す透視図である。
図4】実施の形態1に係る防水コネクタを示す側面断面図である。
図5図4の要部拡大図である。
図6】実施の形態1の変形例1に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す部分平面図である。
図7】実施の形態1の変形例2に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す部分平面図である。
図8】実施の形態1の変形例3に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図9】実施の形態1の変形例4に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図10】実施の形態1の変形例4に係る防水コネクタの部分拡大断面図である。
図11】実施の形態1の変形例5に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図12】実施の形態1の変形例6に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図13】実施の形態1の変形例7に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図14】実施の形態1の変形例7に係る防水コネクタの部分拡大断面図である。
図15】実施の形態1の変形例8に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図16】実施の形態1の変形例9に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図17】実施の形態2に係る防水コネクタを示す斜視図である。
図18】実施の形態2に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図19】実施の形態2に係る防水コネクタを示す透視図である。
図20】実施の形態2の変形例1に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図21】実施の形態2の変形例2に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図22】実施の形態2の変形例3に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図23】実施の形態2の変形例4に係る防水コネクタに用いられる端子部材を示す斜視図である。
図24】従来の防水コネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
[実施の形態1]
図1に、実施の形態1に係る防水コネクタ11を示す。防水コネクタ11は、端子部材21と、端子部材21を保持するハウジング31を備えている。端子部材21は、導電性を有する金属材料から形成され、ハウジング31は、絶縁性樹脂から形成されている。
【0016】
図2に示されるように、端子部材21は、長手方向に沿って延びる細長い平板形状を有している。また、端子部材21は、長手方向の一端に配置された第1接続部22と、長手方向の他端に配置された第2接続部23と、第1接続部22と第2接続部23の間に配置された被保持部24を有している。
【0017】
ここで、便宜上、平板形状の端子部材21がXY面に沿って延び、端子部材21の長手方向に沿って第1接続部22から第2接続部23に向かう方向を+Y方向、XY面に垂直な端子部材21の厚さ方向をZ方向と呼ぶものとする。
【0018】
図3に示されるように、端子部材21の被保持部24は、ハウジング31の内部に埋設されており、第1接続部22は、被保持部24の-Y方向側に位置してハウジング31から露出し、第2接続部23は、被保持部24の+Y方向側に位置してハウジング31から露出している。第1接続部22および第2接続部23は、それぞれ、後述する第1の接続対象物P1および第2の接続対象物P2に接続されるものである。
【0019】
図2および図3に示されるように、端子部材21の被保持部24には、XZ面内において被保持部24を囲むように被保持部24の外周面の全周にわたって帯状の防水形状部25が配置されている。防水形状部25は、Y方向における端子部材21のほぼ中央部に位置し、一定のY方向の幅を有しており、また、防水形状部25以外の箇所の端子部材21の表面よりも粗い所定の表面粗さを有する粗面から形成されている。この所定の表面粗さは、端子部材21の被保持部24をハウジング31内に一体成形する際に、防水形状部25と絶縁性樹脂との密着性を高めるためのものである。
【0020】
なお、表面粗さは、例えば、国際規格ISO-25178に定められている面粗さパラメータである「算術平均高さSa」により評価することができる。算術平均高さSaは、表面の平均面に対して、各点の高さの差の絶対値の平均を表している。また、同じく国際規格ISO-25178に定められている「最大高さSz」により評価することもできる。最大高さSzは、表面の最も高い点から最も低い点までの距離を表している。
【0021】
防水形状部25は、微細な凹凸形状がランダムに配置された粗面でもよく、また、微細な凹部および微細な凸部の少なくとも一方が、規則的または離散的に配置された粗面でもよい。このような粗面の所定の面積の領域内における凹凸の高低差の平均値または最大値を、防水形状部25の表面粗さとして評価することもできる。
【0022】
さらに、端子部材21の被保持部24には、端子部材21の長手方向であるY方向において防水形状部25を挟んで防水形状部25の両側に、それぞれ、端子部材21をZ方向に貫通する貫通孔26が配置されている。貫通孔26は、Y方向において防水形状部25に隣接している。これらの貫通孔26は、被保持部24の外周面に対して垂直な方向、すなわち、Z方向に防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい寸法を有する構造物をなすもので、この発明における「スパイク部」を構成している。実際、貫通孔26は、端子部材21をZ方向に貫通しているので、Z方向に端子部材21の厚さに相当する寸法を有している。
【0023】
貫通孔26からなるスパイク部は、端子部材21の被保持部24をハウジング31内に一体成形する際に、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が、スパイク部を構成する構造物の内部に充填され、その後、冷却されて固化することで、防水形状部25とハウジング31を形成する絶縁性樹脂との密着状態を維持するためのものである。
このような防水形状部25および貫通孔26を含む被保持部24のすべての表面は、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂により覆われている。
【0024】
端子部材21の被保持部24をハウジング31内に一体成形することにより、被保持部24の表面は、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂に密着するが、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されると、端子部材21を形成する金属材料とハウジング31を形成する樹脂材料の熱膨張係数の違いに起因して、被保持部24とハウジング31の界面にせん断力が発生するおそれがある。しかしながら、防水形状部25の両側にそれぞれ配置された貫通孔26からなるスパイク部の内部に、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂の一部が充填されているので、せん断力により、防水形状部25を構成する粗面の微細な凹凸が破壊されて、ハウジング31が防水形状部25の表面に沿って変位し、防水形状部25から剥離することが防止される。
【0025】
スパイク部を構成する構造物は、被保持部24の外周面に対して垂直な方向、すなわち、Z方向に防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい寸法を有している。
また、Z方向から見た貫通孔26の形状は、円、長円、多角形等、特に限定されない。
【0026】
図4に示されるように、端子部材21の被保持部24をハウジング31内に一体成形すると、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が、被保持部24の防水形状部25の表面上に接触すると共に、防水形状部25の両側にそれぞれ配置されている貫通孔26の内部に充填され、その後、冷却されて固化する。
これにより、図5に示されるように、被保持部24の+Z方向側に位置する樹脂部分M1と被保持部24の-Z方向側に位置する樹脂部分M1とが、貫通孔26の内部に充填された樹脂部分M2により互いに連結される。
【0027】
さらに、溶融状態の絶縁性樹脂が冷却されて固化する際には、絶縁性樹脂の収縮が発生するため、被保持部24の+Z方向側に位置する樹脂部分M1と被保持部24の-Z方向側に位置する樹脂部分M1は、貫通孔26の内部に充填された樹脂部分M2を介して互いにZ方向に引き寄せられる。その結果、一対の貫通孔26の間に位置する防水形状部25と、防水形状部25の+Z方向側に位置する樹脂部分M1および防水形状部25の-Z方向側に位置する樹脂部分M1との密着力が増大する。
【0028】
このため、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されても、端子部材21の被保持部24の防水形状部25と、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂との密着状態は維持され、長期にわたって優れた防水効果を発揮することが可能となる。
また、Y方向における防水形状部25の両側に、それぞれ、貫通孔26が配置されているため、熱衝撃を受ける際に、防水形状部25を構成する粗面の微細な凹凸に作用する力が、+Y方向または-Y方向の一方向に偏ることがなく、防水形状部25と絶縁性樹脂との密着力の向上が図られている。
【0029】
なお、防水コネクタ11は、図4に示されるように、ハウジング31から露出している端子部材21の第1接続部22に第1の接続対象物P1が接続され、ハウジング31から露出している端子部材21の第2接続部23に第2の接続対象物P2が接続された状態で使用される。第1の接続対象物P1と第2の接続対象物P2は、防水コネクタ11を介して互いに電気的に接続される。
【0030】
また、ハウジング31は、第1の接続対象物P1または第2の接続対象物P2を有する機器の筐体に取り付けられるように構成することもできる。あるいは、ハウジング31を機器の筐体に取り付けることなく、防水コネクタ11を第1の接続対象物P1および第2の接続対象物P2のための中継コネクタとして使用することもできる。
さらに、ハウジング31が、図示しない相手側コネクタの一部を収容する相手側コネクタ収容部を有し、防水コネクタ11に相手側コネクタが嵌合することにより、端子部材21の第1接続部22または第2接続部23が、相手側コネクタの接続端子に電気的に接続されるように構成してもよい。
【0031】
なお、スパイク部を構成する構造物としての貫通孔26は、Y方向において防水形状部25に隣接しているが、必ずしも、防水形状部25に隣接する必要はなく、防水形状部25からY方向に間隔を隔てて貫通孔26を配置することもできる。
ただし、防水形状部25と絶縁性樹脂との密着性を高めるため、および、防水コネクタ11の小型化を図るために、貫通孔26は防水形状部25に隣接することが好ましい。
また、貫通孔26は、必ずしも、端子部材21の長手方向に直交するZ方向に沿って端子部材21を貫通する必要はなく、端子部材21の長手方向に対して交差する方向に貫通していればよい。
【0032】
[実施の形態1の変形例1]
実施の形態1における端子部材21では、スパイク部を構成する構造物として、防水形状部25のY方向の両側に配置された貫通孔26が、それぞれ防水形状部25に隣接しているが、これに限るものではない。
図6は、実施の形態1の変形例1に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Aを示している。端子部材21Aの被保持部24には、Y方向における防水形状部25の両側にそれぞれ貫通孔26が配置されているが、端子部材21Aの厚さ方向であるZ方向から見たときに、それぞれの貫通孔26の一部が、防水形状部25に重複して防水形状部25の形成領域内に入り込んでいる。
【0033】
ただし、防水形状部25は、端子部材21Aの長手方向であるY方向において、隣接する貫通孔26に重複しない領域Rを有している。言い替えると、Y方向に間隔を隔てて配置された2つの貫通孔26の間に、被保持部24の外周面の全周にわたって延びる防水形状部25からなる領域Rが存在している。領域Rは、XZ面内において被保持部24を囲むように被保持部24の外周面の全周にわたって帯状に延びている。
【0034】
端子部材21Aの被保持部24をハウジング31内に一体成形する際に、Y方向において領域Rを挟むように配置された2つの貫通孔26内に、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が充填され、その後、冷却されて固化されるため、せん断力により絶縁性樹脂が被保持部24の表面、特に、防水形状部25からなる領域Rから剥離することが防止される。
また、それぞれの貫通孔26内に充填された樹脂部分により、被保持部24の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部24の-Z方向側に位置する樹脂部分が互いに連結される。
従って、貫通孔26の一部が防水形状部25に重複していても、領域Rの存在により、優れた防水効果を発揮することができる。
【0035】
同様に、Z方向から見たときに、Y方向に間隔を隔てて配置された2つの貫通孔26のすべてが、防水形状部25に重複していても、2つの貫通孔26の間に、被保持部24の外周面の全周にわたって延びる防水形状部25からなる領域Rが存在していれば、優れた防水効果を得ることができる。
【0036】
[実施の形態1の変形例2]
実施の形態1における端子部材21では、Y方向における防水形状部25の両側に、それぞれ1つの貫通孔26が配置されているが、Y方向における防水形状部25の両側あるいは片側に配置される貫通孔26の個数を複数にすることもできる。
図7は、実施の形態1の変形例2に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Bを示している。端子部材21Bの被保持部24には、Y方向における防水形状部25の両側に、それぞれ、端子部材21Bの幅方向であるX方向に配列された2つの貫通孔26が配置されている。
【0037】
端子部材21Bの被保持部24をハウジング31内に一体成形する際には、防水形状部25の+Y方向側に配置されている2つの貫通孔26と、防水形状部25の-Y方向側に配置されている2つの貫通孔26のそれぞれの内部に、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が充填され、その後、冷却されて固化される。このため、せん断力により絶縁性樹脂が防水形状部25から剥離することを、さらに効果的に防止することができる。
また、計4つの貫通孔26内に充填された樹脂部分により、被保持部24の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部24の-Z方向側に位置する樹脂部分が互いに連結されるので、防水形状部25と絶縁性樹脂との密着力が増大する。
従って、優れた防水効果が得られる。
【0038】
[実施の形態1の変形例3]
実施の形態1における端子部材21は、1つの防水形状部25を有し、Y方向における防水形状部25の両側に、それぞれ1つの貫通孔26が配置されているが、複数の防水形状部25が配置されていてもよい。
図8は、実施の形態1の変形例3に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Cを示している。端子部材21Cは、被保持部24に、2つの防水形状部25と3つの貫通孔26を有している。
【0039】
2つの防水形状部25は、Y方向に互いに間隔を隔てて配置され、それぞれ、XZ面内において被保持部24を囲むように被保持部24の外周面の全周にわたって帯状に延びている。そして、Y方向におけるそれぞれの防水形状部25の両側に貫通孔26が配置されている。
3つの貫通孔26は、2つの防水形状部25のうち+Y方向側に位置する防水形状部25のさらに+Y方向側に隣接して配置された貫通孔26と、2つの防水形状部25の間において双方の防水形状部25に隣接して配置された貫通孔26と、2つの防水形状部25のうち-Y方向側に位置する防水形状部25のさらに-Y方向側に隣接して配置された貫通孔26からなっている。
【0040】
端子部材21Cの被保持部24をハウジング31内に一体成形する際には、3つの貫通孔26の内部に、それぞれ、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が充填され、その後、冷却されて固化される。このため、せん断力により絶縁性樹脂が防水形状部25から剥離することを、効果的に防止することができる。
また、3つの貫通孔26内に充填された樹脂部分により、被保持部24の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部24の-Z方向側に位置する樹脂部分が互いに連結されるので、2つの防水形状部25と絶縁性樹脂との密着力がそれぞれ増大する。
従って、2つの防水形状部25により、防水効果を向上させることができる。
【0041】
同様に、3つ以上の防水形状部25が、Y方向に互いに間隔を隔てて配置され、Y方向におけるそれぞれの防水形状部25の両側に貫通孔26が配置されるように構成することもできる。
【0042】
[実施の形態1の変形例4]
実施の形態1における端子部材21は、スパイク部を構成する構造物として、端子部材21を厚さ方向に貫通する貫通孔26を有しているが、貫通孔26に限るものではない。
図9は、実施の形態1の変形例4に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Dを示している。端子部材21Dは、被保持部24に、2つの防水形状部25と3つの凹部27Aを有している。
【0043】
防水形状部25は、XZ面内において被保持部24を囲むように被保持部24の外周面の全周にわたって帯状に延び、防水形状部25以外の箇所の端子部材21Dの表面よりも粗い所定の表面粗さを有している。
凹部27Aは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部24を貫通することなく、防水形状部25よりも被保持部24の内部に向かって窪んだ形状を有している。具体的には、凹部27Aは、XZ面内において被保持部24の外周面の全周を連続的に囲む溝からなり、被保持部24の外周面に対して垂直な方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい深さ寸法を有している。
【0044】
2つの防水形状部25と3つの凹部27Aは、端子部材21Dの長手方向であるY方向に交互に配列され、それぞれの防水形状部25のY方向における両側に凹部27Aが配置されている。
3つの凹部27Aは、2つの防水形状部25のうち+Y方向側に位置する防水形状部25のさらに+Y方向側に隣接して配置された凹部27Aと、2つの防水形状部25の間において双方の防水形状部25に隣接して配置された凹部27Aと、2つの防水形状部25のうち-Y方向側に位置する防水形状部25のさらに-Y方向側に隣接して配置された凹部27Aからなっている。
【0045】
端子部材21Dの被保持部24をハウジング31内に一体成形すると、図10に示されるように、溶融状態の絶縁性樹脂が、2つの防水形状部25の表面上に接触すると共に、3つの凹部27Aの内部に充填され、その後、冷却されて固化する。そして、2つの防水形状部25を含めた被保持部24の表面上に位置する樹脂部分M3は、3つの凹部27Aの内部に充填された樹脂部分M4と一体になる。
【0046】
このようにして3つの凹部27Aの内部にそれぞれ嵌め込まれた樹脂部分M4の存在により、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されても、せん断力によりハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Dの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止される。
従って、優れた防水効果が得られる。
【0047】
[実施の形態1の変形例5]
実施の形態1の変形例4における端子部材21Dは、スパイク部を構成する構造物として、XZ面内において被保持部24の外周面の全周を連続的に囲む溝からなる凹部27Aを有しているが、このような凹部27Aに限るものではない。
図11は、実施の形態1の変形例5に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Eを示している。端子部材21Eは、変形例4における端子部材21Dにおいて、3つの凹部27Aの代わりに3つの凹部27Bを有するものである。
【0048】
凹部27Bは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部24の+Z方向を向いた表面と-Z方向を向いた表面にそれぞれX方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部25よりも被保持部24の内部に向かって窪んだ窪みを有している。被保持部24の+X方向を向いた表面と-X方向を向いた表面に窪みは形成されておらず、被保持部24の+Z方向側の窪みと-Z方向側の窪みは、XZ面内において被保持部24の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。それぞれの窪みは、Z方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい深さ寸法を有している。
【0049】
実施の形態1の変形例4における凹部27Aの代わりに、このような窪みを有する凹部27Bを有していても、実施の形態1の変形例4と同様に、凹部27Bの内部に嵌め込まれた樹脂部分の存在により、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Eの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止され、優れた防水効果を発揮することができる。
【0050】
[実施の形態1の変形例6]
図12は、実施の形態1の変形例6に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Fを示している。端子部材21Fは、変形例4における端子部材21Dにおいて、3つの凹部27Aの代わりに3つの凹部27Cを有するものである。
【0051】
凹部27Cは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部24の+X方向を向いた表面と-X方向を向いた表面にそれぞれZ方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部25よりも被保持部24の内部に向かって窪んだ窪みを有している。被保持部24の+Z方向を向いた表面と-Z方向を向いた表面に窪みは形成されておらず、被保持部24の+X方向側の窪みと-X方向側の窪みは、XZ面内において被保持部24の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。それぞれの窪みは、X方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい深さ寸法を有している。
【0052】
実施の形態1の変形例4における凹部27Aの代わりに、このような窪みを有する凹部27Cを有していても、実施の形態1の変形例4および変形例5と同様に、凹部27Cの内部に嵌め込まれた樹脂部分の存在により、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Fの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止され、優れた防水効果を発揮することができる。
【0053】
なお、上記の実施の形態1の変形例4、5、6では、端子部材21D、21E、21Fが、2つの防水形状部25を有しているが、これに限るものではなく、1つの防水形状部25または3つ以上の防水形状部25を有し、Y方向におけるそれぞれの防水形状部25の両側に凹部27A、27B、27Cが配置されるように構成することもできる。
【0054】
[実施の形態1の変形例7]
図13は、実施の形態1の変形例7に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Gを示している。端子部材21Gは、被保持部24に、2つの防水形状部25と3つの凸部28Aを有している。
【0055】
防水形状部25は、XZ面内において被保持部24を囲むように被保持部24の外周面の全周にわたって帯状に延び、防水形状部25以外の箇所の端子部材21Gの表面よりも粗い所定の表面粗さを有している。
凸部28Aは、スパイク部を構成する構造物であり、防水形状部25よりも被保持部24の外部に向かって突出する形状を有している。具体的には、凸部28Aは、XZ面内において被保持部24の外周面の全周を連続的に囲む突起からなり、被保持部24の外周面に対して垂直な方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい高さ寸法を有している。
【0056】
2つの防水形状部25と3つの凸部28Aは、端子部材21Gの長手方向であるY方向に交互に配列され、それぞれの防水形状部25のY方向における両側に凸部28Aが配置されている。
3つの凸部28Aは、2つの防水形状部25のうち+Y方向側に位置する防水形状部25のさらに+Y方向側に隣接して配置された凸部28Aと、2つの防水形状部25の間において双方の防水形状部25に隣接して配置された凸部28Aと、2つの防水形状部25のうち-Y方向側に位置する防水形状部25のさらに-Y方向側に隣接して配置された凸部28Aからなっている。
【0057】
それぞれの防水形状部25のY方向における両側に凸部28Aが配置されていることから、防水形状部25の表面と、防水形状部25の両側にそれぞれ配置された凸部28Aの側面により、防水形状部25の表面上に凹部が形成されることとなる。
【0058】
端子部材21Gの被保持部24をハウジング31内に一体成形すると、図14に示されるように、溶融状態の絶縁性樹脂が、3つの凸部28Aの表面上に接触すると共に、防水形状部25の表面上に形成された凹部に充填され、その後、冷却されて固化する。そして、3つの凸部28Aの表面上に位置する樹脂部分M5は、防水形状部25の表面上に形成された凹部に充填された樹脂部分M6と一体になる。
【0059】
このようにして2つの防水形状部25の表面上に形成された凹部にそれぞれ嵌め込まれた樹脂部分M6の存在により、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されても、せん断力によりハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Gの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止される。
従って、優れた防水効果が得られる。
【0060】
[実施の形態1の変形例8]
実施の形態1の変形例7における端子部材21Gは、スパイク部を構成する構造物として、XZ面内において被保持部24の外周面の全周を連続的に囲む突起からなる凸部28Aを有しているが、このような凸部28Aに限るものではない。
図15は、実施の形態1の変形例8に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Hを示している。端子部材21Hは、変形例7における端子部材21Gにおいて、3つの凸部28Aの代わりに3つの凸部28Bを有するものである。
【0061】
凸部28Bは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部24の+Z方向を向いた表面と-Z方向を向いた表面にそれぞれX方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部25よりも被保持部24の外部に向かって突出する突起を有している。被保持部24の+X方向を向いた表面と-X方向を向いた表面に突起は形成されておらず、被保持部24の+Z方向側の突起と-Z方向側の突起は、XZ面内において被保持部24の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。それぞれの突起は、Z方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい高さ寸法を有している。
【0062】
それぞれの防水形状部25のY方向における両側に凸部28Bが配置されていることから、防水形状部25の表面と、防水形状部25の両側にそれぞれ配置された凸部28Bの側面により、防水形状部25の+Z方向を向いた表面上および-Z方向を向いた表面上にそれぞれ凹部が形成されることとなる。
【0063】
実施の形態1の変形例7における凸部28Aの代わりに、このような突起を有する凸部28Bを有していても、実施の形態1の変形例7と同様に、2つの防水形状部25の+Z方向を向いた表面上および-Z方向を向いた表面上に形成された凹部にそれぞれ嵌め込まれた樹脂部分の存在により、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Hの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止され、優れた防水効果を発揮することができる。
【0064】
[実施の形態1の変形例9]
図16は、実施の形態1の変形例9に係る防水コネクタに用いられる端子部材21Jを示している。端子部材21Jは、変形例7における端子部材21Gにおいて、3つの凸部28Aの代わりに3つの凸部28Cを有するものである。
【0065】
凸部28Cは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部24の+X方向を向いた表面と-X方向を向いた表面にそれぞれZ方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部25よりも被保持部24の外部に向かって突出する突起を有している。被保持部24の+Z方向を向いた表面と-Z方向を向いた表面に突起は形成されておらず、被保持部24の+X方向側の突起と-X方向側の突起は、XZ面内において被保持部24の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。それぞれの突起は、X方向に、防水形状部25の所定の表面粗さよりも大きい高さ寸法を有している。
【0066】
それぞれの防水形状部25のY方向における両側に凸部28Cが配置されていることから、防水形状部25の表面と、防水形状部25の両側にそれぞれ配置された凸部28Cの側面により、防水形状部25の+X方向を向いた表面上および-X方向を向いた表面上にそれぞれ凹部が形成されることとなる。
【0067】
実施の形態1の変形例7における凸部28Aの代わりに、このような突起を有する凸部28Cを有していても、実施の形態1の変形例7および変形例8と同様に、2つの防水形状部25の+X方向を向いた表面上および-X方向を向いた表面上に形成された凹部にそれぞれ嵌め込まれた樹脂部分の存在により、ハウジング31を形成する絶縁性樹脂が端子部材21Jの被保持部24の防水形状部25から剥離することが防止され、優れた防水効果を発揮することができる。
【0068】
なお、上記の実施の形態1の変形例7、8、9では、端子部材21G、21H、21Jが、2つの防水形状部25を有しているが、これに限るものではなく、1つの防水形状部25または3つ以上の防水形状部25を有し、Y方向におけるそれぞれの防水形状部25の両側に凸部28A、28B、28Cが配置されるように構成することもできる。
【0069】
[実施の形態2]
図17に、実施の形態2に係る防水コネクタ41を示す。防水コネクタ41は、端子部材51と、端子部材51を保持するハウジング61を備えている。端子部材51は、導電性を有する金属材料から形成され、ハウジング61は、絶縁性樹脂から形成されている。
【0070】
図18に示されるように、端子部材51は、長手方向に沿って延びる円柱形状を有している。また、端子部材51は、長手方向の一端に配置された第1接続部52と、長手方向の他端に配置された第2接続部53と、第1接続部52と第2接続部53の間に配置された被保持部54を有している。
【0071】
ここで、便宜上、円柱形状の端子部材51の長手方向に沿って第1接続部52から第2接続部53に向かう方向を+Y方向、端子部材51の長手方向に対して垂直な面をXZ面と呼ぶものとする。
【0072】
図19に示されるように、端子部材51の被保持部54は、ハウジング61の内部に埋設されており、第1接続部52は、被保持部54の-Y方向側に位置してハウジング61から露出し、第2接続部53は、被保持部54の+Y方向側に位置してハウジング61から露出している。
【0073】
図18および図19に示されるように、端子部材51の被保持部54には、XZ面内において被保持部54を囲むように被保持部54の外周面の全周にわたって帯状の防水形状部55が配置されている。防水形状部55は、Y方向における端子部材51のほぼ中央部に位置し、一定のY方向の幅を有しており、また、実施の形態1における端子部材21の防水形状部25と同様に、防水形状部55以外の箇所の端子部材51の表面よりも粗い所定の表面粗さを有している。
【0074】
また、端子部材51の被保持部54には、端子部材51の長手方向であるY方向において防水形状部55を挟んで防水形状部55の両側に隣接して、それぞれ、貫通孔56が配置されている。これらの貫通孔56は、円柱形状の端子部材51を、互いに平行にZ方向に貫通している。貫通孔56は、Z方向に防水形状部55の所定の表面粗さよりも大きい寸法を有する構造物をなすもので、この発明における「スパイク部」を構成している。
【0075】
端子部材51の被保持部54をハウジング61内に一体成形すると、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が、防水形状部55を含む被保持部54の表面上に接触すると共に、Y方向における防水形状部55の両側にそれぞれ配置されている貫通孔56の内部に充填され、その後、冷却されて固化する。
これにより、被保持部54の周辺に位置する樹脂部分と、貫通孔56の内部に充填された樹脂部分とが、互いに連結される。
【0076】
さらに、溶融状態の絶縁性樹脂が冷却されて固化する際には、絶縁性樹脂の収縮が発生するため、被保持部54の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部54の-Z方向側に位置する樹脂部分は、Z方向に延びる貫通孔56の内部に充填された樹脂部分を介して互いにZ方向に引き寄せられる。その結果、2つの貫通孔56の間に位置する防水形状部55と、防水形状部55の+Z方向側に位置する樹脂部分および防水形状部55の-Z方向側に位置する樹脂部分との密着力が増大する。
【0077】
このため、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されても、せん断力によりハウジング61を形成する絶縁性樹脂が端子部材51の被保持部54の防水形状部55から剥離することが防止され、優れた防水効果を得ることが可能となる。
【0078】
[実施の形態2の変形例1]
実施の形態2における端子部材51では、スパイク部を構成する構造物として、防水形状部55のY方向の両側に、端子部材51をZ方向に貫通する貫通孔56が配置されているが、これらの貫通孔56は、互いに平行に延びている必要はない。
【0079】
図20は、実施の形態2の変形例1に係る防水コネクタに用いられる端子部材51Aを示している。端子部材51Aの被保持部54には、Y方向における防水形状部55の両側にそれぞれ貫通孔56が配置されているが、これら2つの貫通孔56は、互いに平行に延びるのではなく、一方の貫通孔56は、円柱形状の端子部材51AをZ方向に貫通し、他方の貫通孔56は、円柱形状の端子部材51AをX方向に貫通している。
【0080】
このように、端子部材51Aが、互いに貫通方向が異なる2つの貫通孔56を有していても、端子部材51Aの被保持部54をハウジング61内に一体成形する際には、2つの貫通孔56の内部に、それぞれ、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が充填され、その後、冷却されて固化される。このため、せん断力により絶縁性樹脂が防水形状部55から剥離することを、効果的に防止することができる。
【0081】
また、溶融状態の絶縁性樹脂が冷却されて固化する際に絶縁性樹脂の収縮が発生するため、端子部材51AをZ方向に貫通する貫通孔56の近傍においては、被保持部54の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部54の-Z方向側に位置する樹脂部分が、Z方向に延びる貫通孔56の内部に充填された樹脂部分を介して互いにZ方向に引き寄せられる。同様に、端子部材51AをX方向に貫通する貫通孔56の近傍においては、被保持部54の+X方向側に位置する樹脂部分と被保持部54の-X方向側に位置する樹脂部分が、X方向に延びる貫通孔56の内部に充填された樹脂部分を介して互いにX方向に引き寄せられる。
【0082】
このため、2つの貫通孔56の間に位置する防水形状部55と、防水形状部55の+Z方向側に位置する樹脂部分および防水形状部55の-Z方向側に位置する樹脂部分との密着力が、Z方向においても、X方向においても、増大する。
従って、さらに優れた防水効果を得ることが可能となる。
なお、2つの貫通孔56は、互いに直交する方向に延びるものに限らず、互いに交差する任意の方向に延びていてもよい。
【0083】
[実施の形態2の変形例2]
実施の形態2における端子部材51は、1つの防水形状部55を有し、Y方向における防水形状部55の両側に、それぞれ1つの貫通孔56が配置されているが、複数の防水形状部55が配置されていてもよい。
【0084】
図21は、実施の形態2の変形例2に係る防水コネクタに用いられる端子部材51Bを示している。端子部材51Bは、被保持部54に、2つの防水形状部55と3つの貫通孔56を有している。
2つの防水形状部55は、Y方向に互いに間隔を隔てて配置され、それぞれ、XZ面内において被保持部54を囲むように被保持部54の外周面の全周にわたって帯状に延びている。そして、Y方向におけるそれぞれの防水形状部55の両側に貫通孔56が配置されている。
【0085】
3つの貫通孔56は、2つの防水形状部55のうち+Y方向側に位置する防水形状部55のさらに+Y方向側に隣接して配置された貫通孔56と、2つの防水形状部55の間において双方の防水形状部55に隣接して配置された貫通孔56と、2つの防水形状部55のうち-Y方向側に位置する防水形状部55のさらに-Y方向側に隣接して配置された貫通孔56からなっている。
【0086】
端子部材51Bの被保持部54をハウジング61内に一体成形する際には、3つの貫通孔56の内部に、それぞれ、溶融状態の絶縁性樹脂の一部が充填され、その後、冷却されて固化される。このため、せん断力により絶縁性樹脂が防水形状部55から剥離することを、効果的に防止することができる。
【0087】
また、溶融状態の絶縁性樹脂が冷却されて固化する際には、絶縁性樹脂の収縮が発生するため、被保持部54の+Z方向側に位置する樹脂部分と被保持部54の-Z方向側に位置する樹脂部分は、それぞれZ方向に延びる3つの貫通孔56内に充填された樹脂部分を介して互いにZ方向に引き寄せられる。その結果、2つの防水形状部55と絶縁性樹脂との密着力がそれぞれ増大する。
従って、2つの防水形状部55により、防水効果を向上させることができる。
【0088】
3つの貫通孔56は、互いに異なる方向に沿って延びていてもよい。
また、同様に、3つ以上の防水形状部55が、Y方向に互いに間隔を隔てて配置され、Y方向におけるそれぞれの防水形状部55の両側に貫通孔56が配置されるように構成することもできる。
【0089】
[実施の形態2の変形例3]
実施の形態2における端子部材51は、スパイク部を構成する構造物として、円柱形状の端子部材51を径方向に貫通する貫通孔56を有しているが、貫通孔56に限るものではない。
図22は、実施の形態2の変形例3に係る防水コネクタに用いられる端子部材51Cを示している。端子部材51Cは、被保持部54に、2つの防水形状部55と3つの凹部57Aを有している。
【0090】
防水形状部55は、XZ面内において被保持部54を囲むように被保持部54の外周面の全周にわたって帯状に延び、防水形状部55以外の箇所の端子部材51Cの表面よりも粗い所定の表面粗さを有している。
凹部57Aは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部54を貫通することなく、防水形状部55よりも被保持部54の内部に向かって窪んだ形状を有している。具体的には、凹部57Aは、XZ面内において被保持部54の外周面の全周を連続的に囲む溝からなり、被保持部54の外周面に対して垂直な方向に、防水形状部55の所定の表面粗さよりも大きい深さ寸法を有している。
【0091】
2つの防水形状部55と3つの凹部57Aは、端子部材51Cの長手方向であるY方向に交互に配列され、それぞれの防水形状部55のY方向における両側に凹部57Aが配置されている。
3つの凹部57Aは、2つの防水形状部55のうち+Y方向側に位置する防水形状部55のさらに+Y方向側に隣接して配置された凹部57Aと、2つの防水形状部55の間において双方の防水形状部55に隣接して配置された凹部57Aと、2つの防水形状部55のうち-Y方向側に位置する防水形状部55のさらに-Y方向側に隣接して配置された凹部57Aからなっている。
【0092】
端子部材51Cの被保持部54をハウジング61内に一体成形すると、溶融状態の絶縁性樹脂が、2つの防水形状部55の表面上に接触すると共に、3つの凹部57Aの内部に充填され、その後、冷却されて固化する。そして、2つの防水形状部55を含めた被保持部54の表面上に位置する樹脂部分は、3つの凹部57Aの内部に充填された樹脂部分と一体になる。
【0093】
このようにして3つの凹部57Aの内部にそれぞれ嵌め込まれた樹脂部分の存在により、環境温度の変化による熱衝撃が繰り返されても、せん断力によりハウジング61を形成する絶縁性樹脂が端子部材51Cの被保持部54の防水形状部55から剥離することが防止される。
従って、優れた防水効果が得られる。
【0094】
[実施の形態2の変形例4]
実施の形態2の変形例3における端子部材51Cは、スパイク部を構成する構造物として、XZ面内において被保持部24の外周面の全周を連続的に囲む溝からなる凹部57Aを有しているが、このような凹部57Aに限るものではない。
図23は、実施の形態2の変形例4に係る防水コネクタに用いられる端子部材51Dを示している。端子部材51Dは、変形例3における端子部材51Cにおいて、3つの凹部57Aの代わりに3つの凹部57Bを有するものである。
【0095】
凹部57Bは、スパイク部を構成する構造物であり、被保持部54の+X方向を向いた部分の表面に、Z方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部55よりも被保持部54の内部に向かって窪んだ窪みを有している。図23には示されていないが、凹部57Bは、被保持部54の-X方向を向いた部分の表面にも、Z方向に沿って直線状に延び且つ防水形状部55よりも被保持部54の内部に向かって窪んだ窪みを有している。被保持部54の+Z方向を向いた部分の表面と-Z方向を向いた部分の表面に窪みは形成されておらず、被保持部54の+X方向側の窪みと-X方向側の窪みは、XZ面内において被保持部54の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置されている。それぞれの窪みは、X方向に、防水形状部55の所定の表面粗さよりも大きい深さ寸法を有している。
【0096】
実施の形態2の変形例3における凹部57Aの代わりに、このような窪みを有する凹部57Bを有していても、実施の形態2の変形例3と同様に、凹部57Bの内部に嵌め込まれた樹脂部分の存在により、ハウジング61を形成する絶縁性樹脂が端子部材51Dの被保持部54の防水形状部55から剥離することが防止され、優れた防水効果を発揮することができる。
【0097】
なお、上記の実施の形態2の変形例3、4では、端子部材51C、51Dが、2つの防水形状部55を有しているが、これに限るものではなく、1つの防水形状部55または3つ以上の防水形状部55を有し、Y方向におけるそれぞれの防水形状部55の両側に凹部57A、57Bが配置されるように構成することもできる。
【0098】
また、上記の実施の形態2の変形例3、4における凹部57A、57Bの代わりに、防水形状部55の両側に、それぞれ、防水形状部55よりも被保持部54の外部に向かって突出する凸部を配置することもできる。
凸部は、XZ面内において被保持部54の外周面の全周を連続的に囲む突起から構成することもでき、また、被保持部54の外周面の周方向に互いに間隔を隔てて配置された複数の突起を有するものであってもよい。ただし、これらの突起は、被保持部54の外周面に対して垂直な方向に、防水形状部55の所定の表面粗さよりも大きい高さ寸法を有するものとする。
【0099】
なお、上記の実施の形態1、実施の形態1の変形例1~9、実施の形態2、実施の形態2の変形例1~4において、スパイク部を構成する構造物として用いられた貫通孔26、56の内周面、凹部27A、27B、27C、57A、57Bの内面、凸部28A、28B、28Cの外面は、防水形状部25、55より滑らかな平滑面とすることもでき、また、防水形状部25、55の所定の表面粗さ以上の表面粗さを有する粗面とすることもできる。
【符号の説明】
【0100】
1 被覆電線、2 導体、3 端子金具、4 ハウジング、5 貫通孔、6 周溝、7 柱状体、8 円環体、11,41 防水コネクタ、21,21A,21B,21C,21D,21E,21F,21G,21H,21J,51,51A,51B,51C,51D 端子部材、22,52 第1接続部、23,53 第2接続部、24,54 被保持部、25,55 防水形状部、26,56 貫通孔、27A,27B,27C,57A,57B 凹部、28A,28B,28C 凸部、31,61 ハウジング、P1 第1の接続対象物、P2 第2の接続対象物、M1,M2,M3,M4,M5,M6 樹脂部分、R 領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
【手続補正書】
【提出日】2023-03-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の接続対象物と第2の接続対象物を互いに電気的に接続する防水コネクタであって、
導電性材料からなる1つ以上の端子部材と、
前記端子部材を保持し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと
を備え、
前記端子部材は、前記第1の接続対象物に接続される第1接続部と、前記第2の接続対象物に接続される第2接続部と、前記第1接続部と前記第2接続部の間に配置され且つ前記ハウジングに保持される被保持部とを有し、
前記被保持部は、前記被保持部の外周面の全周にわたって配置された少なくとも1つの帯状の防水形状部と、前記第1接続部から前記第2接続部に向かう長手方向において前記防水形状部を挟んで前記防水形状部の両側に配置され且つそれぞれ前記被保持部を前記長手方向に対して交差する方向に貫通する2つの貫通孔とを有し、
前記防水形状部は、前記防水形状部以外の箇所の前記被保持部の前記外周面よりも粗い所定の表面粗さを有し、
前記被保持部のすべての表面は、前記絶縁性樹脂により覆われていることを特徴とする防水コネクタ。
【請求項2】
前記被保持部は、前記長手方向に互いに間隔を隔てて配置された2つ以上の前記防水形状部を有し、前記長手方向において、それぞれの前記防水形状部の両側に前記貫通孔が配置されている請求項1に記載の防水コネクタ。
【請求項3】
前記貫通孔は、前記長手方向において、前記防水形状部に隣接している請求項1または2に記載の防水コネクタ。
【請求項4】
前記防水形状部は、前記長手方向において、隣接する前記貫通孔に重複しない領域を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項5】
前記2つの貫通孔は、互いに異なる方向に前記被保持部を貫通する請求項1~4のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【請求項6】
前記被保持部は、円柱形状を有する請求項1~5のいずれか一項に記載の防水コネクタ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
この発明に係る防水コネクタは、
第1の接続対象物と第2の接続対象物を互いに電気的に接続する防水コネクタであって、
導電性材料からなる1つ以上の端子部材と、
端子部材を保持し且つ絶縁性樹脂からなるハウジングと
を備え、
端子部材は、第1の接続対象物に接続される第1接続部と、第2の接続対象物に接続される第2接続部と、第1接続部と第2接続部の間に配置され且つハウジングに保持される被保持部とを有し、
被保持部は、被保持部の外周面の全周にわたって配置された少なくとも1つの帯状の防水形状部と、第1接続部から第2接続部に向かう長手方向において防水形状部を挟んで防水形状部の両側に配置され且つそれぞれ被保持部を長手方向に対して交差する方向に貫通する2つの貫通孔とを有し、
防水形状部は、防水形状部以外の箇所の被保持部の外周面よりも粗い所定の表面粗さを有し
被保持部のすべての表面は、絶縁性樹脂により覆われているものである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
被保持部は、長手方向に互いに間隔を隔てて配置された2つ以上の防水形状部を有し、長手方向において、それぞれの防水形状部の両側に貫通孔が配置されているように構成することもできる。
貫通孔は、長手方向において、防水形状部に隣接していることが好ましい。
防水形状部は、長手方向において、隣接する貫通孔に重複しない領域を有することが好ましい。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
2つの貫通孔は、互いに異なる方向に被保持部を貫通することができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
被保持部は、円柱形状を有することもできる
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【補正の内容】