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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067415
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】カッターカバー及び電動調理器
(51)【国際特許分類】
   A47J 19/00 20060101AFI20230509BHJP
   A47J 42/28 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
A47J19/00 F
A47J42/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178624
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 赳
(72)【発明者】
【氏名】慶島 敏弘
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 太平
(57)【要約】
【課題】電動調理器のカッターを食器洗浄機によって安全に洗浄する。
【解決手段】ナイフカッター10は、フードプロセッサー1の回転軸3に連結可能な軸部11と、軸部11の外周部から外周側に延び且つ軸部11と回転一体の刃部12と、を有する。カッターカバー40は、軸部11を外周側から覆う筒状の軸部カバー41と、軸部カバー41の外周部から外周側に延び且つ刃部12を覆う刃部カバー42と、を備える。刃部カバー42の上側及び下側には、開口部43,44が設けられている。軸部11には、くびれ部11cが設けられている。軸部カバー41における上側の開口縁部45には、係合突起部50が設けられている。係合突起部50は、内周側に突出するとともに、くびれ部11cに係合可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動調理器の回転軸に連結可能な軸部及び該軸部の外周部から外周側に延び且つ該軸部と回転一体の刃部を有するカッターにおける、前記軸部を外周側から覆う筒状の軸部カバーと、
前記軸部カバーの外周部から外周側に延び且つ前記刃部を覆う刃部カバーと、を備え、
前記刃部カバーの少なくとも軸方向片側には、開口部が設けられており、
前記軸部には、アンダーカット部が設けられており、
前記軸部カバーにおける軸方向一方側の開口縁部には、内周側に突出するとともに前記アンダーカット部に係合可能な係合突起部が設けられている、カッターカバー。
【請求項2】
請求項1に記載のカッターカバーにおいて、
前記アンダーカット部は、前記軸部の軸方向一端部に設けられたくびれ部である、カッターカバー。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のカッターカバーにおいて、
前記軸部カバーの内周部には、内周側に突出する内周凸部が設けられている、カッターカバー。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のカッターカバーにおいて、
前記軸部の外周部には、外周側に突出する外周凸部が設けられており、
前記軸部カバーには、前記外周凸部が嵌まり込む嵌合部が設けられている、カッターカバー。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか1つに記載のカッターカバーにおいて、
前記軸部カバーにおける前記係合突起部に対して周方向に60°~120°離れた位置には、押圧部が設けられており、
前記押圧部を内周側に押圧すると、前記係合突起部が外周側に変位する、カッターカバー。
【請求項6】
前記回転軸が内部に配置され且つ被調理物が収容される容器と、
前記回転軸に連結可能な前記カッターと、
請求項1から5のいずれか1つに記載のカッターカバーと、を備える、電動調理器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、カッターカバー及び電動調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
フードプロセッサー、ミキサー及びジューサー等の電動調理器について、種々の技術が開示されている。特許文献1に開示のジューサー用搾汁モジュールは、汁排出口が形成された容器と、容器の内部に位置する網体と、網体の内部に位置して材料を搾汁するスクリューと、容器の上端に連結され、材料が投入される投入部が形成された蓋部と、投入部の上端の主投入口に回転可能に設けられ、第1位置及び第2位置に移動可能な安全カバーと、を備える。
【0003】
安全カバーは、第1カバー部と、第2カバー部と、を含む。第1カバー部は、第1位置では主投入口を開放するように立てられて、第2位置では主投入口を閉塞する。第2カバー部は、第1カバー部と一体を成しており、第1位置で下側に加えられる力により押されると、安全カバーを第2位置に移動させて、第1カバー部が主投入口を閉塞するようにする。
【0004】
かかる構成によれば、投入部のサイズを増加させて大きな材料の投入及び加工が許容されるとともに、人が投入部に手を入れる場合、人の手が投入部の下側のスクリューに達する前に安全カバーを閉塞するように構成される。これにより、投入部の拡張による安全事故の危険を予め防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2015-505712号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、電動調理器は、回転軸が内部に配置された容器と、容器内において回転軸に着脱可能に連結されるカッターと、を備える。カッターは、回転軸に着脱可能に連結される軸部と、軸部の外周部から外周側に延び且つ軸部と回転一体の刃部と、を有する。
【0007】
食器洗浄機によってカッターを洗浄する場合、通常、電動調理器の回転軸からカッターを取り外した後、取り外されたカッターをそのまま食器洗浄機の中に入れる。このため、食器洗浄機内における網棚や他の食器がカッターの刃部によって傷ついてしまうことがある。また、食器洗浄機からカッターを取り出す際に、カッターの刃部に指が触れてしまうことがある。
【0008】
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、電動調理器のカッターを食器洗浄機によって安全に洗浄することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係るカッターカバーは、電動調理器の回転軸に連結可能な軸部及び上記軸部の外周部から外周側に延び且つ上記軸部と回転一体の刃部を有するカッターにおける、上記軸部を外周側から覆う筒状の軸部カバーと、上記軸部カバーの外周部から外周側に延び且つ上記刃部を覆う刃部カバーと、を備え、上記刃部カバーの少なくとも軸方向片側には、開口部が設けられており、上記軸部には、アンダーカット部が設けられており、上記軸部カバーにおける軸方向一方側の開口縁部には、内周側に突出するとともに上記アンダーカット部に係合可能な係合突起部が設けられている。
【0010】
本開示に係る電動調理器は、上記回転軸が内部に配置され且つ被調理物が収容される容器と、上記回転軸に連結可能な上記カッターと、上記カッターカバーと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電動調理器のカッターを食器洗浄機によって安全に洗浄することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、フードプロセッサーを展開斜視図で示す。
図2図2は、フードプロセッサーを組立斜視図で示す。
図3図3は、ナイフカッターを斜視図で示す。
図4図4は、カッターカバーを斜視図で示す。
図5図5は、カッターカバーを正面図で示す。
図6図6は、カッターカバーにナイフカッターが収容された状態を斜視図で示す。
図7図7は、カッターカバーにナイフカッターが収容された状態を正面図で示す。
図8図8は、カッターカバーにナイフカッターが収容された状態を平面図で示す。
図9図9は、カッターカバーにナイフカッターが収容された状態をIX-IX線における正面断面図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物あるいはその用途を制限することを意図するものでは全くない。以下の説明において、後述する回転軸3の延びる方向を上下方向という場合がある。
【0014】
(フードプロセッサー)
図1は、電動調理器としてのフードプロセッサー1を展開斜視図で示す。図2は、フードプロセッサー1を組立斜視図で示す。フードプロセッサー1は、固体からなる被調理物Wを、細かく刻んだり、混ぜたりするものである。図1に示すように、フードプロセッサー1は、装置本体2と、回転軸3と、容器4と、ナイフカッター(アタッチメント)10と、蓋6と、付属品としてのカッターカバー40(図4参照)と、を備える。
【0015】
装置本体2は、正面視で略L字状に形成されており、ベース部2aと、載置台部2bと、縦壁部2cと、突出部2dと、2つのスイッチ2eと、を備える。ベース部2aは、水平方向に延びており、テーブル等の上に載せられる。載置台部2bは、ベース部2aの上部に設けられている。縦壁部2cは、載置台部2bに隣接するように、ベース部2aの上部に設けられている。縦壁部2cは、載置台部2bよりも高くなるように、上下方向に延びている。突出部2dは、縦壁部2cの上部から上方に突出している。2つのスイッチ2eは、突出部2dの内部に設けられ且つ上側に臨んでいる。2つのスイッチ2eは、互いに間隔を空けて配置されている。
【0016】
装置本体2の載置台部2bには、上下方向に延びる回転軸3が結合されている。装置本体2は電源(図示せず)に接続されており、電源から装置本体2への電力供給によって、回転軸3が電動駆動する。詳細には、2つのスイッチ2eを同時に押すと、回転軸3が回転駆動する。
【0017】
容器4は、透明なガラス製又は樹脂製等である。容器4は、底部4aを有する円筒状に形成されており、上部が開口している。容器4の内部には、被調理物Wが収容される。底部4aの中央部には小筒状のボス部が設けられており、当該ボス部には貫通孔4bが形成されている。貫通孔4bには、回転軸3が上下方向に貫通可能である。容器4の外周部には、把手4cが取り付けられている。図2に示すように、容器4は、装置本体2の載置台部2bの上に載せられる。このとき、回転軸3は、貫通孔4bを貫通して、容器4の内部に臨むようになる。換言すると、回転軸3は、容器4の内部に配置される。
【0018】
ナイフカッター10は、回転軸3に連結可能である。詳細には、ナイフカッター10は、容器4の内部において、回転軸3に着脱可能且つ回転一体に連結される。ナイフカッター10の詳細については、後述する。
【0019】
蓋6は、略円盤状の蓋本体6aと、嵌合部6bと、を有する。蓋本体6aの中央部は、下側に凹んでいる。嵌合部6bは、蓋本体6aの外周部から外周側に延びた後に下側に曲折している。嵌合部6bは、装置本体2の突出部2dに対応するように、下側が開口している。嵌合部6bには、下方に突出する2つの突起(図示せず)が設けられている。図2に示すように、蓋本体6aが容器4の開口を塞ぐと、嵌合部6bが突出部2dに嵌まり込む。図示しないが、このとき、上記2つの突起が2つのスイッチ2eを同時に押すことによって、回転軸3が回転駆動する。
【0020】
(ナイフカッター)
図3は、ナイフカッター10を斜視図で示す。ナイフカッター10は、比較的大きめの被調理物Wの処理に適用され、例えば、肉タネを捏ねること等に用いられる。ナイフカッター10は、軸部11と、2つの刃部12と、を有する。軸部11は、フードプロセッサー1の回転軸3に連結可能である。軸部11が回転軸3に連結されると、軸部11の中心軸Oは、回転軸3の中心軸と同軸に上下方向に延びる。
【0021】
以下、軸部11の中心軸Oの延びる方向を、軸方向又は上下方向という。軸方向における回転軸3に連結される側とは反対側を、軸方向一方側又は上側という。軸方向における回転軸3に連結される側を、軸方向他方側又は下側という。軸方向に直交する方向のうちの中心軸Oから離れる方向を、径方向外側又は外周側という。軸方向に直交する方向のうちの中心軸Oに近づく方向を、径方向内側又は内周側という。軸部11(回転軸3)の回転方向を、周方向という。
【0022】
軸部11には、本体部11aと、つまみ部11bと、くびれ部11cと、が設けられている。本体部11aは、軸方向における下端部から中間部やや上側に亘って若干縮径しながら延びる部分である。つまみ部11bは、軸方向における上端に位置する円盤状の部分である。くびれ部11cは、軸部11の上端部(軸方向一端部)に設けられており、詳細には、つまみ部11bの下側に隣接(連続)している。
【0023】
軸部11の内部には下側(底面側)に臨む凹部13が設けられている(図9参照)。凹部13内には、回転軸3に結合されるための結合軸14が収容されている(図9参照)。回転軸3が結合軸14の穴部に嵌まり込むことによって、軸部11は、回転軸3に回転一体に結合(連結)される。
【0024】
つまみ部11bは、ナイフカッター10を回転軸3に連結する時又はナイフカッター10を回転軸3から解除する時に、ユーザが掴む(つまむ)部分である。
【0025】
くびれ部11cは、本体部11aの上端から出発して上側に向かうに従って外径が小さくなった後に、途中で折り返して、つまみ部11b(軸部11の上端)に向かうに従って外径が急激に大きくなる。くびれ部11cの最小外径は、本体部11aの上端の外径よりも小さい。また、くびれ部11cの最小外径は、つまみ部11bの外径よりも小さい。すなわち、くびれ部11cは、軸部11の内周側に凹む凹部である。
【0026】
ここで、軸部11は、樹脂で形成されており、金型を用いて射出成形されてなる。軸部11にはくびれ部11cが存在するため、仮に軸部11を一体物(1部材)として成形しようとした場合、通常の方法では、成形された軸部11を金型から取り出せない。すなわち、くびれ部11cは、金型用語における「アンダーカット部」の一種である。このため、軸部11は、くびれ部11cにおける途中の折り返し点P(図7,9参照)を境界として、2部材で構成されている。
【0027】
2つの刃部12は、軸部11の外周側に配置され且つ軸部11と回転一体である。詳細には、刃部12は、軸部11の外周部に固定されている。刃部12は、軸部11の外周部から外周側に延びるとともに、周方向に延びている(旋回している)。2つの刃部12は、軸部11の中心軸Oに関して、略180°対称に配置されている。刃部12は、金属で形成されている。
【0028】
軸部11(本体部11a)の外周部の下部には、軸方向に長手の2つの外周リブ(外周凸部、外周突起)15が設けられている。外周リブ15は、外周側に突出している。2つの外周リブ15は、軸部11の中心軸Oに関して、略180°対称に配置されている(図3では片方の外周リブ15のみを図示)。外周リブ15は、容器4内で処理された被調理物Wを逃がすためのものである。
【0029】
(カッターカバー)
図4は、カッターカバー40を斜視図で示す。図5は、カッターカバー40を正面図で示す。カッターカバー40は、樹脂で形成されており、ある程度の弾性を有する。カッターカバー40は、ナイフカッター10を覆うものである。カッターカバー40は、軸部カバー41と、2つの刃部カバー42と、を備える。軸部カバー41は、略四角筒状に形成されており、中心軸O’を有する。
【0030】
以下、中心軸O’の延びる方向を、軸方向又は上下方向という。軸方向における後述する係合突起部50側を、軸方向一方側又は上側という。軸方向における後述する係合突起部50とは反対側を、軸方向他方側又は下側という。軸方向に直交する方向のうちの中心軸O’から離れる方向を、径方向外側又は外周側という。軸方向に直交する方向のうちの中心軸O’に近づく方向を、径方向内側又は内周側という。中心軸O’回りの方向を、周方向という。
【0031】
刃部カバー42は、ナイフカッター10の刃部12に対応するように、軸部カバー41の外周部から外周側に延びるとともに、周方向に延びている(旋回している)。刃部カバー42は、外周側カバー42aと、外周側カバー42aよりも内周側に位置する内周側カバー42bと、外周側カバー42aの先端部と内周側カバー42bの先端部とを連結する端部カバー42cと、を含む。2つの刃部カバー42は、中心軸O’に関して、略180°対称に配置されている。
【0032】
刃部カバー42の上側(軸方向一方側)には、開口部43が設けられている。刃部カバー42の下側(軸方向他方側)には、開口部44が設けられている。
【0033】
略四角筒状の軸部カバー41は、上側及び下側(軸方向両外側)が開口している。軸部カバー41の上端部には、開口縁部45が設けられている。軸部カバー41の下端部には、開口縁部46が設けられている。
【0034】
軸部カバー41の内周部には、軸方向に長手の4つの内周リブ(内周凸部、内周突起)47が設けられている。内周リブ47は、内周側に突出している。4つの内周リブ47は、周方向に略90°毎に配置されている(図8参照)。
【0035】
軸部カバー41における刃部カバー42に臨む部分には、第1開口部48が設けられている。第1開口部48は、軸部カバー41の下部を切り欠いて形成されている。第1開口部48は、刃部カバー42に対応して計2つある。
【0036】
第1開口部48の周方向隣りには、第2開口部49が設けられている。第2開口部49は、計2つある。第2開口部49は、軸部カバー41の下部を切り欠いて形成されている。
【0037】
軸部カバー41における上側(軸方向一方側)の開口縁部45には、2つの係合突起部50が設けられている。係合突起部50は、内周側及び上側(軸方向一方側)に突出している。係合突起部50は、略台形状に形成されている。詳細は後述するが、係合突起部50は、ナイフカッター10の軸部11におけるくびれ部11cに係合可能である。2つの係合突起部50は、中心軸O’に関して、略180°対称に配置されている。2つの係合突起部50の先端部同士の間隔は、軸部11のつまみ部11bの外径よりも小さい。
【0038】
軸部カバー41における係合突起部50の下側には、第3開口部(嵌合部)51が設けられている。軸部カバー41における第3開口部51が設けられている部分は、内周側に凹んでいる。第3開口部51は、軸部カバー41の下部を切り欠いて形成されている。第3開口部51の幅は、ナイフカッター10の軸部11に設けられた外周リブ15の幅よりも、やや大きい。第3開口部51は、計2つある。2つの第3開口部51は、中心軸O’に関して、略180°対称に配置されている。
【0039】
軸部カバー41の上側の開口縁部45における係合突起部50に対して周方向に90°離れた位置には、押圧部52が設けられている。押圧部52は、内周側にやや凹んでいる。
【0040】
(カッターカバーへのナイフカッターの収容)
図6は、カッターカバー40にナイフカッター10が収容された状態を斜視図で示す。図7は、カッターカバー40にナイフカッター10が収容された状態を正面図で示す。図8は、カッターカバー40にナイフカッター10が収容された状態を上側から見た平面図で示す。図9は、カッターカバー40にナイフカッター10が収容された状態をIX-IX線における正面断面図で示す。
【0041】
図6~9に示すように、カッターカバー40の軸部カバー41は、ナイフカッター10の軸部11を、外周側から覆う。このとき、図8,9に示すように、軸部カバー41の内周側において、内周リブ47がナイフカッター10の軸部11(本体部11a)に、近接ないし当接する。これにより、カッターカバー40の軸部カバー41は、ナイフカッター10の軸部11に対して、径方向に位置決めされる。詳細には、ナイフカッター10の中心軸Oとカッターカバー40の中心軸O’とは、互いに一致する。また、軸部カバー41の内周部と軸部11の外周部との間に、隙間Hが形成される(図9参照)。
【0042】
図6に示すように、ナイフカッター10の軸部11に設けられた外周リブ15は、軸部カバー41の第3開口部51に嵌まり込む。これにより、カッターカバー40の軸部カバー41は、ナイフカッター10の軸部11に対して、周方向に位置決めされる。
【0043】
図6,8に示すように、刃部カバー42は、ナイフカッター10の刃部12を、外周側カバー42a、内周側カバー42b及び端部カバー42cによって、覆う。刃部カバー42の上側及び下側には開口部43,44が設けられているので、ナイフカッター10の刃部12は、上側及び下側(軸方向両外側)において、外部に臨んでいる(露出している)。
【0044】
ここで、ナイフカッター10をカッターカバー40に収容する時、軸部カバー41の下側の開口縁部46を、軸部11に対して、上側(つまみ部11b側)から被せる。詳細には、軸部11のつまみ部11bを、下側の開口縁部46を介して軸部カバー41の内部に挿入して、上側の開口縁部45を介して軸部カバー41よりも上側に突出させる。
【0045】
軸部カバー41には第1開口部48が設けられているので、ナイフカッター10の刃部12は、軸部カバー41に干渉しない。また、刃部カバー42の下側には開口部44が設けられているので、ナイフカッター10の刃部12は、刃部カバー42に干渉しない。
【0046】
上述したように、2つの係合突起部50の先端部同士の間隔は、軸部11のつまみ部11bの外径よりも小さい。このため、軸部11のつまみ部11bが上側の開口縁部45を介して軸部カバー41よりも上側に突出する時に、係合突起部50は、つまみ部11bに押されて外周側に拡がる。つまみ部11bの通過後、係合突起部50は、弾性力によって元の位置に戻る。
【0047】
係合突起部50は、ナイフカッター10の軸部11におけるくびれ部11cに係合する。詳細には、係合突起部50は、軸部11におけるくびれ部11cからつまみ部11bに至る部分を、下側から支持する。
【0048】
図8に示すように、押圧部52を内周側に押圧すると、係合突起部50は、外周側に変位する。詳細には、押圧部52を内周側に押圧すると、軸部カバー41は、押圧部52による押圧方向Aに対して周方向に略90°ずれた変位方向Bにおいて、外周側に膨らむようになる。これにより、係合突起部50は、変位方向Bにおいて、外周側に変位する。そして、係合突起部50によるくびれ部11cに対する係合が解除される。
【0049】
(作用効果)
本実施形態によれば、カッターカバー40の刃部カバー42は、ナイフカッター10の刃部12を覆う。また、刃部カバー42には、上側の開口部43及び下側の開口部44が設けられている。
【0050】
このため、カッターカバー40でナイフカッター10の刃部12を覆った状態であっても、食器洗浄機の洗浄水がナイフカッター10(特に刃部12)に当たるようになるので、食器洗浄機によりナイフカッター10を洗浄することができる。
【0051】
さらに、食器洗浄機内における網棚や他の食器がナイフカッター10の刃部12に当たって傷つくことを、抑制することができる。また、食器洗浄機からナイフカッター10を取り出す際に、ナイフカッター10の刃部12に指が触れることを抑制することができるので、安全面で有利である。
【0052】
また、係合突起部50がくびれ部11cに係合するので、カッターカバー40がナイフカッター10から外れにくくなる。食器洗浄機内では下側から洗浄水が噴射されることが多いが、このような場合でも、係合突起部50がくびれ部11cに係合することによって、カッターカバー40がナイフカッター10に対して上側に抜けにくくなる。
【0053】
以上、フードプロセッサー1のナイフカッター10を、食器洗浄機によって安全に洗浄することができる。
【0054】
さらに、カッターカバー40の軸部カバー41をナイフカッター10の軸部11に対して上側(つまみ部11b側)から被せるだけで、係合突起部50がくびれ部11cに係合するので、ワンタッチでの取付が可能となり、取付容易である。
【0055】
ナイフカッター10を掴みやすくするために軸部11に通常設けられている、くびれ部11cを、係合突起部50との係合に利用するので、ナイフカッター10に対して特殊な加工等を施す必要がない。
【0056】
軸部カバー41の内周部に内周リブ47を設けることによって、軸部カバー41の内周部と軸部11の外周部との間に、隙間Hを確保することができる。これにより、軸部11を洗浄するための洗浄水の流路を、大きくすることができる。また、軸部11への洗浄水の流路を確保するために軸部カバー41を網目状にした場合に比較して、軸部カバー41の剛性を大きくすることができる。さらに、カッターカバー40をナイフカッター10に対して径方向に位置決めすることができる。これにより、カッターカバー40がナイフカッター10から外れにくくなる。
【0057】
ナイフカッター10の軸部11に設けられた外周リブ15を軸部カバー41の第3開口部51に嵌め込むことによって、カッターカバー40をナイフカッター10に対して周方向に位置決めすることができる。ここで、外周リブ15は、フードプロセッサー1の容器4内で処理された被調理物Wを逃がすために、軸部11に通常設けられているものである。このため、カッターカバー40をナイフカッター10に対して周方向に位置決めさせるためだけに、ナイフカッター10に特殊な加工等を施す必要はない。
【0058】
押圧部52を内周側に押圧するだけで、くびれ部11cに対する係合突起部50の係合を解除することができるので、カッターカバー40をナイフカッター10からワンタッチで容易に取り外すことができる。
【0059】
(その他の実施形態)
以上、本開示を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。
【0060】
係合突起部50は、2つある必要はなく、少なくとも1つあればよい。
【0061】
本実施形態では、刃部カバー42には、上側の開口部43及び下側の開口部44が設けられているが、これに限定されない。例えば、刃部カバー42の下側(軸方向片側)にのみ開口部44が設けられ、刃部カバー42の上側には開口部43が設けられなくてもよい。
【0062】
嵌合部51は、開口部の形態ではなく、外周凸部15が嵌まり込む溝部(凹部)の形態でもよい。
【0063】
上記実施形態では、押圧部52は、係合突起部50に対して周方向に90°離れた位置に配置されたが、これに限定されない。押圧部52は、係合突起部50に対して周方向に60°~120°(90°±30°)離れた位置に配置されればよい。
【0064】
アンダーカット部11cは、くびれ部の形態に限定されない。アンダーカット部11cは、例えば、凸部や形状変化部等の形態でもよい。また、軸部11の製造方法は、金型を用いた射出一体成形に限定されない。例えば、軸部11は、金属の切削や鍛造によって形成されてもよい。すなわち、仮に金型を用いて製造したと仮定した場合に、アンダーカット部となるであろう部分が、軸部11に設けられればよい。
【0065】
電動調理器1は、フードプロセッサーに限定されず、例えば、ミキサーやジューサー等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本開示は、カッターカバー及び電動調理器に適用できるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0067】
W 被調理物
1 フードプロセッサー(電動調理器)
3 回転軸
4 容器
10 ナイフカッター
11 軸部
11c くびれ部(アンダーカット部)
12 刃部
15 外周リブ(外周凸部)
40 カッターカバー
41 軸部カバー
42 刃部カバー
43 開口部
44 開口部
45 開口縁部
47 内周リブ(内周凸部)
50 係合突起部
51 第3開口部(嵌合部)
52 押圧部
図1
図2
図3
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図5
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図9