(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067420
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】ドレンソケット
(51)【国際特許分類】
F24F 13/22 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
F24F1/0007 361B
F24F1/02 371B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178639
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】浜畑 厚平
(72)【発明者】
【氏名】二ノ宮 浩三
【テーマコード(参考)】
3L050
【Fターム(参考)】
3L050BD02
3L050BD05
3L050BF04
(57)【要約】
【課題】ドレン水の逆流を抑制するとともに、ドレンポンプの排出流量を確保することができるドレンソケットを提供する。
【解決手段】、筐体15に取付けられる支持板81と、支持板81の機内側に位置しドレンポンプ28に接続される機内側排出管83と、支持板81の機外側に位置する機外側排出管84と、を備え、機内側排出管83は、支持板81側の大径部87と、ドレンポンプ28側の小径部86と、を備え、大径部87と小径部86とは、扁平部85を介して接続されている。これにより、扁平部85を設けることで、ドレンポンプ28による排出流量を確保することができるとともに、ドレン水の逆流を抑制することができる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体の内部に、送風機と、当該送風機を囲む室内熱交換器と、当該室内熱交換器を下方から覆うドレンパンとを備えた室内ユニットのドレン水を外部に排出するためのドレンソケットにおいて、
前記筐体に取付けられる支持板と、前記支持板の機内側に位置しドレンポンプに接続される機内側排出管と、前記支持板の機外側に位置する機外側排出管と、を備え、
前記機内側排出管は、前記支持板側の大径部と、前記ドレンポンプ側の小径部と、を備え、
前記大径部と前記小径部とは、扁平部を介して接続されている、
ドレンソケット。
【請求項2】
前記扁平部と前記小径部との接続部の断面形状は、円形状に形成され、
前記扁平部と前記大径部との接続部の断面形状は、略半円形の扁平形状に形成されている、
請求項1に記載のドレンソケット。
【請求項3】
前記扁平部は、前記大径部の上縁部に接続され、前記大径部の前記扁平部との接続箇所の下方には、壁部が形成されている、
請求項1または請求項2に記載のドレンソケット。
【請求項4】
前記扁平部は、前記小径部から前記大径部に至る途中で、断面形状円形状の前記小径部から断面形状略半円形状の扁平形状に徐々に変化するように形成され、
前記小径部から前記大径部に至る前記扁平部の断面積は、円形状から扁平形状に変化しても同一となるように形成されている、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のドレンソケット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、空気調和装置の室内ユニットにおけるドレン水を排出するためのドレンソケットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、空気調和機において、熱交換器で発生したドレン水を排出するための機内ホースと機外ホースとは、ドレンソケットによって連結される。ドレンソケットは、機内側の小円筒部と機外側の大円筒部で構成され、小円筒部の中心軸が大円筒部の中心軸の上側に偏って連通するソケットを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、ドレン水の逆流を抑制するとともに、ドレンポンプの排出流量を確保することができるドレンソケットを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示におけるドレンソケットは、筐体の内部に、送風機と、当該送風機を囲む室内熱交換器と、当該室内熱交換器を下方から覆うドレンパンとを備えた室内ユニットのドレン水を外部に排出するためのドレンソケットにおいて、前記筐体に取付けられる支持板と、前記支持板の機内側に位置しドレンポンプに接続される機内側排出管と、前記支持板の機外側に位置する機外側排出管と、を備え、前記機内側排出管は、前記支持板側の大径部と、前記ドレンポンプ側の小径部と、を備え、前記大径部と前記小径部とは、扁平部を介して接続されている。
【発明の効果】
【0006】
本開示によれば、ドレン水の逆流を抑制するとともに、ドレンポンプの排出流量を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】実施の形態1における室内ユニットを示す斜視図
【
図2】実施の形態1における室内ユニットの内部構造を示す断面図
【
図3】実施の形態1における室内ユニットの下方から見た平面図
【
図4】実施の形態1における室内ユニットの筐体に取付けられるドレンソケットを示す斜視図
【
図5】実施の形態1における室内ユニットの筐体を取り外した状態のドレンソケットを示す斜視図
【
図6】実施の形態1におけるドレンソケットの下方から見た斜視図
【
図7】実施の形態1におけるドレンソケットの側面図
【
図8】実施の形態1におけるドレンソケットの上方からみた斜視図
【
図9】実施の形態1におけるドレンソケットの大径部側から見た正面図
【
図10】実施の形態1におけるドレンソケットの小径部側から見た正面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に想到するに至った当時、熱交換器で発生したドレン水を排出するための機内ホースと機外ホースとは、ドレンソケットによって連結され、ドレンソケットは、機内側の小円筒部と機外側の大円筒部で構成され、小円筒部の中心軸が大円筒部の中心軸の上側に偏って連通することで、ドレンポンプを停止した場合のドレン水の戻り量を低減する技術があった。
【0009】
しかしながら、従来の技術では、戻り水量をさらに削減する場合、小円筒部の内径を小さくするか、または小円筒部をさらに上側に偏って連通する必要があるが、流量が制限されることによるポンプ吐出量の減少を招くとともに、ドレンソケットを製造する場合の金型構造による制約があるという課題を発明者らは発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
本開示は、ドレン水の逆流を抑制するとともに、ドレンポンプの排出流量を確保することができるドレンソケットを提供する。
【0010】
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
【0011】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して、実施の形態1を説明する。
【0012】
[1-1-1 室内ユニットの構成]
以下、本発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る空気調和装置の天井埋込型の室内ユニット10を示す斜視図である。
図2は、室内ユニット10の内部構造を示す断面図である。
図3は、室内ユニット10の下方から見た平面図である。
なお、以下の説明において、上下、内外とは、天井に設置された室内ユニット10を基準として説明している。また、空調後の空気が吹き出される空間を被調和室としている。
【0013】
室内ユニット10は、室内ユニット本体14と、室内ユニット本体14の下側開口を覆う化粧パネル30とを備えている。
室内ユニット本体14は、下面の略全面が開口した略箱型の筐体15を備える。室内ユニット本体14は、筐体15の内部に、発泡スチロール製の断熱部材16と、室内熱交換器17と、送風機18と、室内熱交換器17のドレン水を受けるドレンパン19と、送風機18に吸い込まれる空気を整流するベルマウス20とを備える。
【0014】
化粧パネル30は、室内ユニット本体14の下面の開口を覆うように平面視で略四角形の板状に形成されている。
化粧パネル30の中央部分には、ベルマウス20に連通するパネル側吸い込み口31が形成されている。化粧パネル30には、パネル側吸い込み口31を覆う吸い込みグリル32が着脱可能に取り付けられている。吸い込みグリル32の室内ユニット本体14側には、空気中の塵などを除去するための図示しないフィルタが設けられている。
【0015】
化粧パネル30のパネル側吸い込み口31の外側であって化粧パネル30の外周部の各辺に沿った位置には、空調後の空気を被調和室に送るパネル側吹出口34がそれぞれ形成されている。すなわち、パネル側吹出口34は、平面視で略四角形の化粧パネル30の各辺に沿うように設けられており、パネル側吹出口34から4方向に空気が吹き出される。
パネル側吹出口34には、吹出方向を調整可能なフラップ35(
図1)がそれぞれ設けられている。
【0016】
図2、
図3に示すように、断熱部材16は、筐体15の側板15aおよび天板15bの内面に設けられており、筐体15における結露の発生を防止する。
【0017】
送風機18は、ファンモータ23と、遠心ファン24とを備えて構成される。ファンモータ23は、下方に延びる回転軸23aを備え、遠心ファン24は、回転軸23aに固定される。ファンモータ23は、平面視において室内ユニット10の略中央に配置され、筐体15の天板15bに固定されている。
遠心ファン24は、回転軸23aに固定される円板状の主板24aと、主板24aの下方で主板24aと略同軸に配置される環状のシュラウド24bと、シュラウド24bと主板24aとを連結する複数の翼24cとを備える。翼24cは、主板24aの周方向に互いに間隔をあけて複数配置される。
【0018】
室内熱交換器17は、送風機18の略全体を側方から囲うように、板状の熱交換器を平面視で略四角形状に折り曲げるようにして形成されている。
室内熱交換器17は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能し、暖房運転時には冷媒の蒸発器として機能する。室内熱交換器17は、室内ユニット本体14の内部に吸い込まれる室内の空気と冷媒との熱交換を行って、冷房運転時には空調室内の空気を冷却し、暖房運転時には室内の空気を加熱することができるように構成されている。
【0019】
ドレンパン19は、室内熱交換器17で発生するドレン水を受けることができるように、室内熱交換器17の下方に配置される。ドレンパン19は発泡スチロール製である。
ドレンパン19は、筐体15の下面の開口の略全体を塞ぐように略矩形の板状に形成されている。ドレンパン19は、平面視において中央部に、送風機18に吸い込まれる空気が通るドレンパン側吸込み口25(吸込み通路)を備える。また、ドレンパン19は、ドレンパン側吸込み口25の外側で、各パネル側吹出口34に重なる位置に、被調和室へ吹き出される空気が通るドレンパン側吹出口26を備える。ドレンパン側吹出口26は、筐体15の側板15aに沿って延びる長方形状に形成されている。
【0020】
さらに、ドレンパン19は、室内熱交換器17の下端部が収容される凹状の熱交換器収容部27を備える。熱交換器収容部27は、ドレンパン側吹出口26とドレンパン側吸込み口25との間に形成されており、ドレンパン19の外周部に沿って一周する水路状に形成されている。
熱交換器収容部27は、室内熱交換器17の内周部の下面に当接する受け面部27aと、受け面部27aの外側で受け面部27aよりも一段低く形成されたドレン水通路27bとを備える。ドレン水通路27bは、室内熱交換器17の外周部の下面の下方に位置する。
室内ユニット10は、ドレン水通路27b上に、ドレン水を排出するドレンポンプ28を備える。
【0021】
ドレン水通路27bは、平面視では、室内熱交換器17の下面に沿う四角形状に形成されている。ドレン水通路27bは、その4つの角部の内の1か所に、ドレン水通路27bの位置が最も高くなる最高地点29Hを備える。また、ドレン水通路27bは、最高地点29hを備えた角部の隣の1か所の角部に、ドレン水通路27bの位置が最も低くなる最低地点29Lを備える。ドレンポンプ28の吸い込み口は、最低地点29Lに配置されている。
【0022】
ドレン水通路27bは、最高地点29Hから隣の角部である最低地点29Lまで下る第1の通路41と、最高地点29Hから他の2箇所の角部を経て最低地点29Lまで下る第2の通路42とを備える。
第2の通路42は、第1の通路41よりも緩い傾斜且つ第1の通路41よりも長い経路で最高地点29Hから最低地点29Lまで下る。
ドレン水は、
図3に破線の矢印で示されるように、第1の通路41および第2の通路42をそれぞれ通って高い位置から最低地点29Lのドレンポンプ28まで流れ、ドレンポンプ28に吸い出されて外部に排出される。
【0023】
ベルマウス20は、内部に空気が通る筒状に形成されている。ベルマウス20は、ドレンパン19のドレンパン側吸込み口25の上面に沿うように枠状に形成されて略水平に延びる水平部20aと、水平部20aの内周部から曲面状に上方に立ち上がる筒状の中央吸込み口20bとを備える。ベルマウス20は、ドレンパン19よりも強度が高い樹脂で形成されている。
ベルマウス20は、ドレンパン19の中央のドレンパン側吸込み口25に水平部20aが嵌合され、ドレンパン19に支持される。
また、ドレンパン19の下面であってドレンパン側吸い込み口の周囲には、樹脂などからなる支持板70が取り付けられている。
【0024】
室内熱交換器17、ドレンパン19およびベルマウス20で囲まれることで、筐体15の内側には、送風機18が収納される送風機室43が形成される。また、室内熱交換器17の外側面と筐体15の側板15aの断熱部材16との間には、室内熱交換器17で熱交換された後の空気が通る送風路44が形成されている。
室内ユニット10が運転されると、送風機18の回転によって、被調和室の空気がパネル側吸い込み口31(
図1)からベルマウス20を経て送風機室43に吸い込まれる。次いで、送風機室43の空気は、送風機18によって外側に送風され、室内熱交換器17を通過する際に熱交換されて送風路44に流れ、パネル側吹出口34(
図1)から被調和室に吹き出される。ドレンパン側吹出口26は、送風路44の一部を構成している。
【0025】
室内ユニット10は、室内ユニット10の電子回路基板45を収納する電装箱46を備えている。
【0026】
図2、
図3に示すように、室内ユニット本体14は、ドレンパン19の下方に、静電霧化装置60を備える。静電霧化装置60は、帯電微粒子水を含むミストを発生させることで、空気中のウイルス、カビ、アレルギーの原因となる物質、および、菌などを抑制したり、空気を脱臭したりすることができる。帯電微粒子水は、除菌作用や脱臭作用などを発揮するラジカルなどの有効成分を含んでいる。
静電霧化装置60は、供給される水分に放電して帯電微粒子水を含むミストを生成する放電部61と、放電部61に印加する高電圧を発生させる電源回路(図示せず)と、放電部61および前記電源回路などを収納する箱型のケース62と、ケース62内に吸い込んだ空気を排出する吹き出し部63とを備える。
【0027】
ケース62の上面には、ケース62内への空気の吸込み口64が設けられている。吸込み口64は、上方に延びる管状に形成されており、ベルマウス20の面一部50の開口52に接続される。
静電霧化装置60は、ドレンパン19の下方で化粧パネル30の上方に配置される。すなわち、静電霧化装置60は、ドレンパン19と化粧パネル30との間の空間に配置される。
詳細には、静電霧化装置60のケース62は、ベルマウス支持部49の下方且つドレンパン本体部48の内側方に位置し、空間Kに配置されている。
静電霧化装置60の吹き出し部63は、ケース62の外側面部から外側に延びるチューブ状に形成されている。吹き出し部63の外端部には、送風路44に開口する吹き出し口63aが形成されている。
吹き出し口63aは、ドレンパン側吹出口26の下部に開口している。吹き出し部63は、
図5の側面視では、ケース62側の出口から吹き出し口63aまで下るように配置されている。
【0028】
[1-1-2 ドレンソケットの構成]
図4は、室内ユニットの筐体15に取付けられるドレンソケットを示す斜視図である。
図5は、室内ユニットの筐体15を取り外した状態のドレンソケットを示す斜視図である。
図6は、ドレンソケットの下方から見た斜視図である。
図7は、ドレンソケットの側面図である。
図8は、ドレンソケットの上方からみた斜視図である。
図9は、ドレンソケットの大径部側から見た正面図である。
図10は、ドレンソケットの小径部側から見た正面図である。
【0029】
図4、
図5に示すように、本実施の形態においては、ドレンポンプ28が設置される箇所の筐体15の側面には、ドレンソケット80が取付けられている。
ドレンソケット80は、筐体15に取付けられる平板状の支持板81を備えている。
支持板81には、平面視において所定の角度で傾斜するドレン排出管82が貫通して設けられている。
ドレン排出管82の支持板81より機内側は、機内側排出管83とされ、支持板81より機外側は、機外側排出管84とされている。
機内側排出管83および機外側排出管84は、支持板81の接続箇所では、略同様の径に形成されている。
【0030】
機内側排出管83は、機内接続管90を介してドレンポンプ28の吐出口に接続されている。
機外側排出管84は、機外接続管91を介して図示しないドレン排水管に接続されている。
【0031】
機内側排出管83の中途部には、扁平部85が形成されている。
機内側排出管83のドレンポンプ28側の径は、機内側排出管83の支持板81側の径より小さく形成された小径部86とされている。
なお、以下の説明において、機内側排出管83の支持板81側を大径部87という。
扁平部85は、機内側排出管83の大径部87と、小径部86とを連続して接続する箇所である。すなわち、ドレンポンプ28から送られるドレン水は、機内接続管90、小径部86、扁平部85、大径部87を経て機外接続管91に送られる。
【0032】
図9、
図10に示すように、扁平部85は、小径部86との接続部においては、断面形状円形状に形成されている。扁平部85は、大径部87との接続部においては、断面形状略半円形状に形成されている。扁平部85と大径部87とは、大径部87の上縁に沿うように接続されている。
そして、扁平部85と大径部87との接続箇所の扁平部85より下方には、平板状の壁部88が形成されている。
【0033】
扁平部85は、小径部86から大径部87に至るまで、断面形状円形状の小径部86から断面形状略半円形状の扁平形状に徐々に変化するように形成されている。
小径部86から大径部87に至る扁平部85の断面積は、円形状から扁平形状に変化しても同一となるように形成されている。
【0034】
[1-2.動作]
送風機18を駆動することにより、送風機室43に吸い込まれた空気の大部分は、室内熱交換器17を通り、室内熱交換器17で熱交換され、送風路44およびパネル側吹出口34を通って、被調和室に吹き出される。
送風機室43の空気の一部は、送風機18に押されるようにしてベルマウス20の開口52に流れ、吸込み口64から静電霧化装置60のケース62内に入り、ケース62内で帯電微粒子水を含むミストが混ざる。このミストが混ざった空気は、送風機18の送風力によって吹き出し部63に流され、吹き出し口63aから送風路44を流れる空気に合流する。このように、送風路44を流れる空気に、送風機18の送風力によってミストが混ざった空気を混ぜることができるため、ミストを含む空気を被調和室に効率良く行き渡らせることができる。
【0035】
また、室内熱交換器17を流れる冷媒と室内空気との熱交換により、室内熱交換器17に結露が生じた場合、結露は、ドレン水となってドレンパン19に貯留される。
ドレンパン19に所定量のドレン水が貯留されると、ドレンポンプ28が動作され、ドレンパン19に溜まったドレン水が排出される。
ドレン水は、機内接続管90、小径部86、扁平部85、大径部87を経てドレン排水管に送られ、外部に排出される。
【0036】
この場合に、本実施の形態においては、機内側排出管83の小径部86から大径部87に至るまで、断面形状円形状の小径部86から断面形状略半円形状の扁平形状に徐々に変化するように形成されている。しかも、小径部86から大径部87に至る扁平部85の断面積は、円形状から扁平形状に変化しても同一となるように形成されている。
そのため、機内側排出管83の小径部86から大径部87にドレン水が流れる場合に、流水抵抗を抑制することができ、円滑にドレン水を送ることができる。
【0037】
また、ドレン水の排出が完了し、ドレンポンプ28を停止した場合、ドレン水の逆流現象が生じるが、本実施の形態においては、大径部87と扁平部85との接続箇所の下方に壁部88が形成されているので、逆流したドレン水が扁平部85に流入することを抑制することができる。
【0038】
[1-3.効果等]
以上説明したように、本実施形態においては、筐体15に取付けられる支持板81と、支持板81の機内側に位置しドレンポンプ28に接続される機内側排出管83と、支持板81の機外側に位置する機外側排出管84と、を備え、機内側排出管83は、支持板81側の大径部87と、ドレンポンプ28側の小径部86と、を備え、大径部87と小径部86とは、扁平部85を介して接続されている。
これにより、扁平部85を設けることで、ドレンポンプ28による排出流量を確保することができるとともに、ドレン水の逆流を抑制することができる。
【0039】
また、本実施形態においては、扁平部85と小径部86との接続部の断面形状は、円形状に形成され、扁平部85と大径部87との接続部の断面形状は、略半円形の扁平形状に形成されている。
これにより、扁平部85をドレン水が流れる際に、ドレン水の流量抵抗を抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態においては、扁平部85は、大径部87の上縁部に接続され、大径部87の扁平部85との接続箇所の下方には、壁部88が形成されている。
これにより、扁平部85を大径部87の上縁部に接続し、その下方に壁部88を形成することで、ドレン水の排出流量を確保するとともに、壁部88によりドレン水の逆流を抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態においては、扁平部85は、小径部86から大径部87に至る途中で、断面形状円形状の小径部86から断面形状略半円形状の扁平形状に徐々に変化するように形成され、小径部86から大径部87に至る扁平部85の断面積は、円形状から扁平形状に変化しても同一となるように形成されている。
これにより、小径部86から扁平部85の内部を流れる際に、断面積が同一となっているので、ドレン水の排出量を確保することができ、ドレン水の流量抵抗を抑制することができる。
【0042】
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本開示は、ドレン水を排出し、ドレン水の逆流を抑制することができるドレンソケットに好適に利用可能である。
【符号の説明】
【0044】
10 室内ユニット
15 筐体
17 室内熱交換器
18 送風機
19 ドレンパン
20 ベルマウス
24 遠心ファン
28 ドレンポンプ
48 ドレンパン本体部
60 静電霧化装置
80 ドレンソケット
81 支持板
82 ドレン排出管
83 機内側排出管
84 機外側排出管
85 扁平部
86 小径部
87 大径部
88 壁部
90 機内接続管
91 機外接続管