(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067427
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】プレゼンテーション用システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 7/15 20060101AFI20230509BHJP
H04N 23/60 20230101ALI20230509BHJP
H04N 23/661 20230101ALI20230509BHJP
H04N 5/222 20060101ALI20230509BHJP
H04L 65/403 20220101ALI20230509BHJP
H04N 5/262 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H04N7/15
H04N5/232 290
H04N5/232 060
H04N5/232 300
H04N5/222 300
H04L65/403
H04N5/262
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178656
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000139780
【氏名又は名称】株式会社イトーキ
(74)【代理人】
【識別番号】100088672
【弁理士】
【氏名又は名称】吉竹 英俊
(74)【代理人】
【識別番号】100088845
【弁理士】
【氏名又は名称】有田 貴弘
(72)【発明者】
【氏名】西川 政行
【テーマコード(参考)】
5C023
5C122
5C164
【Fターム(参考)】
5C023AA05
5C023AA14
5C023AA16
5C023AA18
5C023CA03
5C023DA08
5C122DA08
5C122DA28
5C122EA63
5C122EA67
5C122FA18
5C122FH11
5C122FH18
5C122FK37
5C122FK41
5C122GC53
5C122HB01
5C122HB05
5C164FA10
5C164PA31
5C164UB82S
5C164UB89S
5C164VA02P
5C164VA07P
(57)【要約】
【課題】プレゼンターが資料画像に対して整合的なジェスチャを容易に行えるようにすることを目的とする。
【解決手段】プレゼンテーション用システムであって、プレゼンターを撮影するカメラによって撮影された撮影画像に基づいて前記画像を生成する画像処理を実行する処理部と、前記処理部を制御するための操作入力を受け付ける操作受付装置40と、を備え、前記処理部は、前記操作受付装置40に入力された内容に基づいて、前記撮影画像のうち前記プレゼンターPを含むプレゼンター画像Paと、資料画像H2とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像Rを生成し、前記プレゼンテーション画像Rを少なくとも前記プレゼンターの確認用画像Sとして出力する、プレゼンテーション用システム。
【選択図】
図15
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システムであって、
プレゼンターを撮影するカメラによって撮影された撮影画像に基づいて前記画像を生成する画像処理を実行する処理部と、
前記処理部を制御するための操作入力を受け付ける操作受付装置と、
を備え、
前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、前記撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成し、前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する、プレゼンテーション用システム。
【請求項2】
請求項1に記載のプレゼンテーション用システムであって、
前記処理部は、前記撮影画像から前記プレゼンターを抽出した画像を前記プレゼンター画像とする、プレゼンテーション用システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載のプレゼンテーション用システムであって、
前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、前記プレゼンター画像と、前記資料画像と、前記プレゼンター画像及び前記資料画像のうちの少なくとも一方と重ね合わされる画像とのうちの一つの透過度合を調整する、プレゼンテーション用システム。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のプレゼンテーション用システムであって、
前記資料画像は、前記プレゼンターの手元資料を撮影する手元カメラによって撮影された手元資料画像と、コンピュータ情報処理可能な電子データに基づく電子データ資料画像とのうちの一方又は両方である、プレゼンテーション用システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のプレゼンテーション用システムであって、
前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、背景画像と、前記プレゼンテーション画像とが重なる背景付画像を生成する、プレゼンテーション用システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか1つに記載のプレゼンテーション用システムであって、
前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、文字図形による入力情報と、前記プレゼンテーション画像とが重なる文字図形付加プレゼンテーション画像を生成する、プレゼンテーション用システム。
【請求項7】
ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システム用のプログラムであって、
コンピュータに、
操作入力を受け付ける処理と、
操作入力された内容に基づいて、プレゼンターを撮影した撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成する処理と、
前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する処理と、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は、プレゼンテーション用システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、会議室における参加者をカメラによって撮影し、当該撮影画像を表示装置に表示することを開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、表示装置には、撮影された参加者の画像と資料画像とが表示される場合がある。この場合、参加者に対して、資料画像に整合的なジェスチャを行うことが要請される。
【0005】
そこで、本開示は、プレゼンターが資料画像に対して整合的なジェスチャを容易に行えるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、プレゼンテーション用システムは、ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システムであって、プレゼンターを撮影するカメラによって撮影された撮影画像に基づいて前記画像を生成する画像処理を実行する処理部と、前記処理部を制御するための操作入力を受け付ける操作受付装置と、を備え、前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、前記撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成し、前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する、プレゼンテーション用システムである。
【0007】
また、上記課題を解決するためのプログラムは、ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システム用のプログラムであって、コンピュータに、操作入力を受け付ける処理と、操作入力された内容に基づいて、プレゼンターを撮影した撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成する処理と、前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する処理と、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0008】
プレゼンテーション用システム又はプログラムによると、プレゼンターが資料画像に対して整合的なジェスチャを容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1はプレゼンテーション用システムを含むプレゼンテーションシステムの全体構成を示すブロック図である。
【
図2】
図2は会議用端末において会議のために生成される会議画像の例を示す図である。
【
図3】
図3は撮影表示ユニットの一例を示す概略図である。
【
図5】
図5は画像合成装置及び画像切替合成装置を示す斜視図である。
【
図6】
図6は画像合成装置における処理例を示すフローチャートである。
【
図7】
図7は画像切替合成装置における処理例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は1つのスイッチが操作された場合におけるプレゼンテーション画像Rの表示例を示す図である。
【
図9】
図9はプレゼンター画像を背景画像に重ね合せた表示例を示す図である。
【
図10】
図10は2つのスイッチが操作された場合におけるプレゼンテーション画像の表示例を示す図である。
【
図11】
図11はプレゼンター画像の透過度合の調整例を示す説明図である。
【
図12】
図12は3つのスイッチが操作された場合におけるプレゼンテーション画像の表示例を示す図である。
【
図13】
図13は画像切替合成装置における画像の重ね合せ表示例を示す図である。
【
図14】
図14は確認用画像Sの透過度合の調整例を示す説明図である。
【
図15】
図15はプレゼンターによるプレゼンテーション力動作例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
{実施形態}
以下、実施形態に係るプレゼンテーション用システム及びプログラムについて説明する。
【0011】
<プレゼンテーションシステム10の全体構成について>
図1はプレゼンテーション用システム30を含むプレゼンテーションシステム10の全体構成を示すブロック図である。
【0012】
本実施形態では、主としてプレゼンテーションがWeb会議であることを想定した説明がなされる。プレゼンテーションが、Web会議であることは必須ではない。プレゼンテーションは、1対1のビデオ通話を前提とするプログラムを利用したコミュニケーション、専用回線を通じたオンライン会議、テレビ電話等を通じてなされてもよい。プレゼンテーションは、ネットワーク18を介して少なくとも一方向へ画像を伝達するコミュニケーションを行うものであればよい。また、プレゼンテーションは、録画され所定の記憶媒体に保存されて再生されることで視聴者に対して訴求するものであってもよい。プレゼンテーション用システム30及びプログラムは、そのような意味でのプレゼンテーションに用いられ得る。なお、画像は、動画及び静止画のいずれであってもよい。
【0013】
プレゼンテーションシステム10は、会議用端末12を備える。会議用端末12は、例えば、プロセッサ13と、記憶装置14等を備えるコンピュータによって構成される。プロセッサ13は、プログラムに従って演算処理を実行する電気回路を備える。記憶装置14は、磁気記録媒体、フラッシュメモリ等の不揮発メモリである。記憶装置14に、遠隔地に存在する人との間でコミュニケーションを行うためのプログラムとして、オンラインによる会議用プログラム14aが記憶されている。プロセッサ13が会議用プログラム14aに記述された手順に従って演算処理を実行することで、会議用端末12がオンラインによる会議のための処理を実行する。
【0014】
会議用端末12に、マイクスピーカユニット15が接続される。マイクスピーカユニット15は、会議参加者の声を収集するマイクと、他の会議参加者による声を発するスピーカとを一体化したユニットである。マイクとスピーカとは別体とされる場合もある。スピーカに代えて、ヘッドホン又はインナイヤホンが用いられてもよい。本会議用端末12を利用する会議参加者は、マイクスピーカユニット15を通じて声を伝達し、他の会議参加者の声を聞くことができる。
【0015】
会議用端末12は、ネットワーク18を介して遠隔地に存在する他の参加者側の会議用端末19に接続される。会議用端末19は、会議用端末12と同様に、会議用プログラムが実装されたコンピュータによって構成される。遠隔地の会議用端末19は、1つであってもよいし、複数であってもよい。会議用端末12は、ノートパソコン等のパーソナルコンピュータであってもいし、スマートフォンであってもよい。ネットワーク18は、中継装置及びインターネット等を含む。ネットワーク18には、公衆回線が含まれてもよいし、専用回線が含まれてもよい。ネットワーク18には、Wi-Fi(商標)等の無線LAN(Local Area Network)が含まれてもよい。
【0016】
会議用端末12、19は、会議用プログラム14aに従って処理を実行することで、会議のための画像を生成する。会議のための画像は、会議用端末12から外部に出力され、表示装置62に表示される。出力された画像を表示するための構成例については、後に詳述される。会議のための画像は、遠隔地参加者の会議用端末19のモニタに表示される。各参加者は、モニタを通じて会議のための画像を視認することで、円滑なプレゼンテーションを行うことができる。
【0017】
図2は会議用端末12、19において会議のために生成される会議画像G1、G2、G3の例を示す図である。例えば、各会議用端末12、19は、個別画像を有しており、当該個別画像が、ネットワーク18を通じて各会議用端末12、19間で共有される。個別画像は、例えば、カメラによって撮影された画像であり、例えば、参加者を含む画像である。会議画像G1では、複数の個別画像Gaが、同じ大きさで、縦横に並べて表示される。会議画像G2では、複数の個別画像Gaが、会議画像G2における右領域(又は左領域)に並べて表示される。会議画像G2の中央に、個別画像Gaよりも大きくメイン画像Gbが表示される。複数の個別画像Gaは、会議画像G2における上又は下に並べて表示されてもよい。会議画像G3では、中央に大きくメイン画像Gbが表示され、個別画像Gaは表示されない。会議画像G2、G3において、メイン画像Gbには、例えば、複数の個別画像Gaのうち発言者の個別画像Gaが表示される。メイン画像Gbには、会議用端末12、19のいずれかから提供される共有画像が表示されてもよい。共有画像は、例えば、会議用端末12、19のいずれかにおいて実行されるアプリケーションプログラムの閲覧又は操作のための画像である。会議画像G1、G2における個別画像Gaとしては、自己の個別画像Gaを含まず、他の参加者の個別画像Gaを含む場合がある。各会議参加者は、会議用プログラム14aにおける表示設定を変更することで、自己のモニタの表示レイアウトを、上記会議画像G1、G2、G3に切替えることができる。以下では、一例として会議画像G1を想定した説明がなされることがある。
【0018】
本会議用端末12を利用する会議参加者が、当該会議においてプレゼンターとして行動する場合、会議画像G1、G2、G3のいずれにおいても、会議用端末19には、プレゼンターの個別画像Gaが表示され得る。本実施形態におけるプレゼンテーション用システム30は、例えば、遠隔コミュニケーションによってプレゼンテーションを行う場合に、個別画像Gaとして表示可能なプレゼンテーション画像Rを生成するためのシステムである。プレゼンテーション画像Rは、共有画像として会議用端末19に表示されてもよい。
【0019】
<プレゼンテーション用システムについて>
<プレゼンテーション画像生成のための全体構成について>
図1に示すように、プレゼンテーション用システム30は、画像合成装置40を備える。画像合成装置40には、撮影表示ユニット60からの画像H1を含む信号と、コンピュータ70からの画像H2を含む信号と、手元カメラ80からの画像H3を含む信号とが入力される。画像合成装置40は、画像H1、H2、H3のうちの1つの画像、又は、画像H1、H2、H3のうちの複数を合成した画像を、プレゼンテーション画像Rとして出力する装置である。画像合成装置40から出力されるプレゼンテーション画像Rが会議用端末12に入力される。これにより、会議用端末12は、プレゼンター側の会議用端末12の個別画像Gaとして、当該プレゼンテーション画像Rを他の会議用端末19との間で共有する。
【0020】
プレゼンテーション用システム30は、画像切替合成装置50をさらに備えている。プレゼンテーション画像Rは、確認用画像Sとして画像切替合成装置50に出力される。また、会議用端末12における会議画像G1、G2、G3が画像切替合成装置50に出力される。例えば、会議画像G1が画像切替合成装置50に出力される。画像切替合成装置50は、確認用画像Sと会議画像G1とを切替えて又は合成して、表示画像Tとして表示装置62に出力する。表示装置62に、当該表示画像Tに応じた画像が表示される。表示画像Tは、遠隔地の会議用端末19には送信されないことが想定される。
【0021】
<合成画像例について>
画像合成装置40において合成対象となる画像例について説明する。
【0022】
画像H1を生成する撮影表示ユニット60は、表示装置62と、カメラ65とが一体化されたユニットである。表示装置62には、会議画像G1、G2、G3のいずれかが表示されるとよい。表示装置62には、プレゼンター側の個別画像Gaが表示されてもよい。
【0023】
表示装置62とカメラ65とが一体化されることで、表示装置62を視認するプレゼンターを、カメラ65が容易に撮影できる。
【0024】
カメラ65は、表示装置62の枠等に一体化されてもよい。カメラ65が表示装置62における表示画面内に配置されたり、カメラ65が表示装置62における表示画面内を経由してプレゼンターを撮影したりしてもよい。
【0025】
図3は撮影表示ユニット60の一例を示す概略図である。撮影表示ユニット60は、表示パネル装置63とハーフミラー64とを含む表示装置62と、カメラ65とを含む。この撮影表示ユニット60は、カメラ65が表示装置62における表示画面内を経由してプレゼンターPを撮影するユニット例である。
【0026】
表示パネル装置63は、画像信号に基づいて、視覚的に認識可能な画像を生成する装置であり、例えば、液晶表示装置、有機EL表示装置である。表示パネル装置63は、例えば、表示画面を上向きにした姿勢で、机上等に設置される。ハーフミラー64は、入射する光の一部を反射し、一部を透過する鏡である。ハーフミラー64は、表示パネル装置63の上方において傾斜した姿勢で設置される。より具体的には、ハーフミラー64は、表示パネル装置63上に、プレゼンターPから遠い位置からプレゼンターPに近づく位置に向けて上向き傾斜する姿勢で設置される。
【0027】
カメラ65は、プレゼンターPを撮影するカメラであり、プレゼンターPと対向する位置に配置される。カメラ65とプレゼンターPとの間にハーフミラー64が配置される。
【0028】
本撮影表示ユニット60によると、表示装置62の表示画像がハーフミラー64によって反射される。このため、プレゼンターPは、ハーフミラー64を見ることによって、当該ハーフミラー64に写り込んだ表示装置62の表示画面を認識することができる。カメラ65は、ハーフミラー64を透過する光によって、プレゼンターPを撮影することができる。よって、撮影表示ユニット60にプレゼンテーション用の資料を表示させれば、プレゼンターPが当該資料を見る視線と、プレゼンターPがカメラ65を見る視線とをなるべく一致させることができる。かかるカメラ65によって撮影された画像が、他の参加者に表示された場合、他の参加者は、目線が自己を向いているように感じることができる。カメラ65による撮影画像H1が画像合成装置40に入力される。なお、表示装置とカメラとが一体化されることは必須ではない。
【0029】
図1に示すように、コンピュータ70は、例えば、プロセッサ71と、記憶装置72等を備えるコンピュータによって構成される。コンピュータ70は、例えば、デスクトップパソコン、ノートパソコン等のパーソナルコンピュータである。なお、会議用端末12が、コンピュータ70の処理機能を有していてもよい。
【0030】
記憶装置72には、資料データ72aが格納されている。資料データ72aは、コンピュータ70によってコンピュータ情報処理可能な電子データの一例である。資料データ72aは、例えば、表計算プログラム、ワードプロセッサプログラム又はプレゼンテーションプログラムによって処理可能なデータであることが想定される。資料データ72aは、コンピュータによる情報処理可能な電子データとして利用できるものであればよく、その記憶のための媒体として、磁気記録媒体又は光学記録媒体が利用されてもよい。
【0031】
より具体的には、資料データ72aは、プレゼンターがプレゼンテーションを行うための資料であることが想定される。例えば、資料データ72aは、プレゼンテーションのための現状又は将来を説明するためのグラフ、表等の図を含んだり、プレゼンテーション内容をまとめた文字を含んだりすることが想定される。
【0032】
例えば、コンピュータ70は、資料データ72aを読込んで、当該資料データ72aに応じた表示をプログラム上に再現し、利用者によって視覚的に認識可能な電子データ資料画像H2を生成する。当該電子データ資料画像H2が画像合成装置40に入力される。
【0033】
手元カメラ80は、プレゼンターの手元資料を撮影するためのカメラである。プレゼンターがプレゼンテーションを行う場合に、机の上に置かれた手元の資料を見せたい場合があり、そのような場合に、手元カメラ80が用いられる。
【0034】
図4は手元カメラ80の一例を示す図である。手元カメラ80は、支持部82と、カメラ84とを備える。支持部82は、例えば、机100の上に載置されるベース82aと、当該ベース82aから上方に延びる支持フレーム82bとを含む。支持フレーム82bの先端にカメラ84が下向き姿勢で支持される。机100上に載置された支持部82によって支持されたカメラ84は、机100上方から当該机100に置かれた手元資料86を撮影することができる。
図4では机100上に文具88(例えば、筆記具)が載置されている。カメラ84によって撮影された手元資料画像H3には、手元資料86の画像が含まれる。撮影範囲によっては、手元資料画像H3には、机100の上面、文具88等が含まれ得る。手元カメラ80が支持部82によって支持されることは必須ではなく、プレゼンターが手で持って任意の姿勢で手元資料86を撮影することができるカメラであってもよい。上記手元資料画像H3が画像合成装置40に入力される。
【0035】
<画像合成装置及び画像切替合成装置について>
図5は画像合成装置40及び画像切替合成装置50を示す斜視図である。
【0036】
図1及び
図4に示すように、画像合成装置40は、撮影表示ユニット60、コンピュータ70及び手元カメラ80に接続されており、それぞれから画像H1、H2、H3が入力される。画像合成装置40は、会議用端末12に接続されており、画像合成装置40におけるプレゼンテーション画像Rが会議用端末12に入力される。画像合成装置40は、画像切替合成装置50にも接続されており、プレゼンテーション画像Rと同じ画像が確認用画像Sとして画像切替合成装置50に入力される。
【0037】
画像合成装置40は、プロセッサ41と、記憶装置42とを含むコンピュータによって構成されている。記憶装置42に、コンピュータを、プレゼンテーション用システムにおける画像合成装置40として動作させるためのプログラム42aが格納されている。プロセッサ41がプログラム42aに記述された手順に従って演算処理を実行することで、コンピュータが、後述する
図6フローチャートに示すように、プレゼンテーション画像Rを生成するための画像処理を実行する。プロセッサ41がプログラム42aに従って処理を実行することによって、プレゼンターを撮影するカメラ65によって撮影された撮影画像H1に基づいて、ネットワーク18を通じて相手方に伝達するための画像を生成する画像処理を実行する処理部としての機能が実現される。
【0038】
画像合成装置40は、切替スイッチ44と、調整受付部45とを備える。切替スイッチ44と調整受付部45は、プロセッサ41を含む処理部を制御するための操作入力を受け付けるマンマシンインターフェースである。
【0039】
切替スイッチ44は、例えば、画像H1、H2、H3のうちからプレゼンテーション画像Rとして表示させるべき画像を切替えるための操作入力を受け付けるスイッチである。
図4では、切替スイッチ44は、押されることによって閉じた状態となり、再度押されることによって開いた状態となるプッシュスイッチである。
【0040】
調整受付部45は、画像の透過度の指定に関する操作入力を受け付ける。
図4では、調整受付部45は、スライドタイプの可変抵抗器、又は、多数の接点を有するスライドスイッチである。つまみ45aを左右にスライド移動させることで、その位置に応じて画像の透過度に関する操作入力が受け付けられる。
【0041】
切替スイッチ44又は調整受付部45が上記構成であることは必須ではない。1つのスイッチの操作回数に応じて、表示させるべき画像が切替えられたり、透過度が変更されたりしてもよい。切替スイッチ44又は調整受付部45は、コンピュータに接続されたキーボードであってもよい。切替スイッチ44又は調整受付部45は、コンピュータにおける表示画面と当該表示画面に対するマウス操作又はタッチ操作によって実現されてもよい。
【0042】
画像合成装置40に情報入力装置49が接続されてもよい。情報入力装置49は、文字図形を入力するためのマンマシンインターフェースであり、例えば、キーボード、マウスである。文字図形は、文字及び図形の一方又は両方である。情報入力装置49の役割については後に変形例として説明する。
【0043】
画像切替合成装置50は、画像合成装置40及び会議用端末12に接続されている。会議用端末12からの会議画像G1と、画像合成装置40からの確認用画像Sが画像切替合成装置50に入力される。画像切替合成装置50は、表示装置62に接続されている。画像切替合成装置50により生成された表示画像Tが表示装置62に表示される。なお、画像合成装置40及び画像切替合成装置50に各画像を伝達するための信号経路は、有線経路であってもよいし、無線経路であってもよい。
【0044】
画像切替合成装置50は、プロセッサ51と、記憶装置52とを含むコンピュータによって構成されている。記憶装置52に、コンピュータを、プレゼンテーション用システムにおける画像切替合成装置50として動作させるためのプログラム52aが格納されている。プロセッサ51がプログラム52aに記述された手順に従って演算処理を実行することで、コンピュータが、後述する
図7のフローチャートに示すように、表示画像Tを生成するための画像処理を実行する。画像切替合成装置50による処理も、プレゼンテーション用システムにおける処理部の処理の一部である。
【0045】
画像合成装置40における処理と画像切替合成装置50における処理とは、単一のプロセッサによって実現されてもよいし、複数のプロセッサによって分散して実現されてもよい。例えば、画像合成装置40における処理の一部又は画像切替合成装置50における処理の一部が、画像処理プロセッサによって実現されてもよい。画像合成装置40における処理と画像切替合成装置50における処理との一部又は全部は、汎用的なコンピュータによって実現されてもよい。
【0046】
画像切替合成装置50は、調整受付部55を備える。調整受付部55は、プロセッサ41を含む処理部を制御するための操作入力を受け付けるマンマシンインターフェースである。
【0047】
調整受付部55は、画像の透過度の指定に関する操作入力を受け付ける。
図4では、調整受付部55は、調整受付部45と同様に、スライドタイプの可変抵抗器、又は、多数の接点を有するスライドスイッチである。つまみ55aを左右にスライド移動させることで、その位置に応じて画像の透過度に関する操作入力が受け付けられる。
【0048】
調整受付部55が上記構成であることは必須ではない。1つのスイッチの操作回数に応じて、透過度が順次大きくなるか又は小さくなるように変更されてもよい。調整受付部55は、コンピュータに接続されたキーボードであってもよい。調整受付部55は、コンピュータにおける表示画面と当該表示画面に対するマウス操作又はタッチ操作によって実現されてもよい。
【0049】
<画像合成装置における処理について>
図6は画像合成装置40における処理例を示すフローチャートである。画像合成装置40は、処理部として、操作受付部としての切替スイッチ44に入力された内容に基づいて、撮影画像H1のうちプレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像H2、H3とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像Rを生成し、プレゼンテーション画像Rを少なくともプレゼンターのための確認用画像Sとして出力する処理を実行する。
【0050】
フローチャートに即して説明すると、画像合成装置40に対する電源投入後、画像合成装置40の処理が開始される。ステップS1において、初期設定が読込まれる。初期設定は、プレゼンテーション画像に表示すべき内容に関する設定であり、例えば、当該プレゼンテーション画像Rに表示される画像H1、H2、H3の選択、透過度合に関する設定を含む。初期設定は、例えば、画像合成装置40の前回の終了時の設定であってもよい。
【0051】
次ステップS2において、読込まれた初期設定に応じて、生成すべきプレゼンテーション画像Rのレイアウト設定及び透過度合を設定する。
【0052】
次ステップS3において、設定に応じた画像処理が開始される。プレゼンテーション画像Rにおけるレイアウトが画像H1、H2、H3のうちの1つを表示する内容である場合、画像処理は、画像H1、H2、H3のうちの1つをそのまま出力する処理であってもよい。画像H1については、後で説明するプレゼンテーション画像R4、R5との違和感を無くすため、左右反転されてもよい。プレゼンテーション画像Rにおけるレイアウトが画像H1、H2、H3のうちの1つを表示する内容である場合、画像処理は、画像H1、H2、H3のうちの1つを他の背景画像に合成して出力する処理であってもよい。
【0053】
プレゼンテーション画像Rにおけるレイアウトが画像H1、H2、H3のうちの複数を表示する内容である場合、画像処理は、例えば、画像H1、H2、H3のうちの1つを背景とし、画像H1、H2、H3のうちの他の1つ又は2つを合成する処理であってもよい。この場合において、画像H1、H2、H3のうち背景よりも小さく合成される1つ又は2つの画像の位置及びサイズは、予め設定された位置及びサイズであってもよい。これらの位置及びサイズは、画像合成装置40に対する指示を受け付ける操作受付装置を介した指示によって調整されてもよい。この画像合成によって得られるプレゼンテーション画像Rの一部の例が、後述するように、撮影画像H1のうちプレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像H2、H3とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、プレゼンターが左右反転している画像の例である。
【0054】
画像H1、H2、H3のうちの1つを背景とし、画像H1、H2、H3のうちの他の1つ又は2つを重ね合せて合成した画像は、他の背景画像に重ね合せて合成して出力されてもよい。
【0055】
画像H1、H2、H3のうちの1つを背景とし、画像H1、H2、H3のうちの他の1つ又は2つを重ね合せて合成する場合、又は、背景画像に他の画像を重ね合せて合成する場合、後から重ね合わされる画像の透過度合が、上記調整受付部45に対する操作によって受け付けられる。例えば、透過度合が0であれば、後から重ね合わされる画像の領域には背景画像は表示されない。透過度合が100に向けて大きくなるほど、後から重ね合わされる画像が透けて背景画像がはっきり表示されるようになる。透過度合が100になれば、後から重ね合わされる画像は視認されない。
【0056】
画像処理後の画像は、プレゼンテーション画像Rとして会議用端末12に出力される。会議用端末12からネットワーク18を介して他の遠隔地の会議用端末12において表示される。プレゼンテーション画像Rは、確認用画像Sとしても出力される。
【0057】
次ステップS4において、切替スイッチ44からの出力に基づいてレイアウト設定の変更の有無が判定される。切替スイッチ44に対する操作無しと判定された場合、レイアウト設定変更無しと判定され、ステップS5に進む。切替スイッチ44に対する走査有りと判定された場合、レイアウト設定変更有りと判定され、ステップS7に進む。
【0058】
ステップS7では、切替スイッチ44からの出力に基づいて、プレゼンテーション画像Rにおけるレイアウトが決定される。その後、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が実行される。これにより、変更されたレイアウトに応じたプレゼンテーション画像Rを生成する処理が実行される。
【0059】
ステップS4においてYESと判定された場合、ステップS5に進む。ステップS5において、調整受付部45からの出力に基づいて透過度合の設定の変更の有無が判定される。調整受付部45に対する操作が無い場合、透過度合の設定変更無しと判定され、ステップS6に進む。調整受付部45に対する操作が検出された場合、透過度合の設定変更有りと判定され、ステップS8に進む。
【0060】
ステップS8では、調整受付部45からの出力に基づいて透過度合が決定される。その後、ステップS2に戻り、ステップS2以降の処理が実行される。これにより、変更された透過度合に応じたプレゼンテーション画像Rを生成する処理が実行される。
【0061】
ステップS5においてYESと判定された場合、ステップS6に進む。ステップS6において、画像処理の終了の有無が判定される。例えば、カメラ65からの入力が無かった場合、電源スイッチがオフにされた場合等に、画像処理が終了と判定されてもよい。画像処理が終了でなければ、ステップS3に戻って、レイアウト設定及び透過度を変更せずに、画像処理を継続する。画像処理が終了であれば、一連の処理を終了する。この際、終了時点における、プレゼンテーション画像Rに表示される画像H1、H2、H3の選択、透過度合に関する設定が、電源オフ状態でも保持される記憶装置に記憶されてもよい。
【0062】
<画像切替合成装置における処理について>
図7は画像切替合成装置50における処理例を示すフローチャートである。
【0063】
画像切替合成装置50に対する電源投入後、画像切替合成装置50の処理が開始される。ステップS11において、初期設定が読込まれる。初期設定は、表示画像Tにおいて重ね合わされた画像の透過度合に関する設定であり、例えば、会議画像G1に重ね合されるプレゼンテーション画像Rの透過度合に関する設定を含む。初期設定は、例えば、画像切替合成装置50の前回の終了時の設定であってもよい。
【0064】
次ステップS12において、読込まれた初期設定に応じて、透過度合を設定する。
【0065】
次ステップS13において、設定に応じた画像合成処理が開始される。画像合成処理は、会議画像G1にプレゼンテーション画像Rを重ね合せて合成する処理である。会議画像G1におけるプレゼンテーション画像Rの位置及びサイズは、予め設定された位置及びサイズであってもよい。これらの位置及びサイズは、画像切替合成装置50に対する指示を受け付ける操作受付装置を介した指示によって調整されてもよい。
【0066】
透過度合は、会議画像G1に対するプレゼンテーション画像Rの透過度合である。例えば、透過度合が0であれば、プレゼンテーション画像Rの領域には会議画像G1は表示されない。透過度合が100に向けて大きくなるほど、後から重ね合わされるプレゼンテーション画像Rが透けて背景の会議画像G1がはっきり表示されるようになる。透過度合が100になれば、後から重ね合わされるプレゼンテーション画像Rは視認されず、会議画像G1の全体がはっきりと表示される。
【0067】
合成処理後の画像は、表示画像Tとして表示装置62に出力される。プレゼンターは、表示装置62を通じて、会議画像G1にプレゼンテーション画像Rが重ね合された表示画像Tを視認することができる。
【0068】
次ステップS14において、調整受付部55からの出力に基づいて透過度合の設定の変更の有無が判定される。調整受付部55に対する操作が無い場合、透過度合の設定変更無しと判定され、ステップS15に進む。調整受付部55に対する操作が検出された場合、透過度合の設定変更有りと判定され、ステップS16に進む。
【0069】
ステップS16では、調整受付部55からの出力に基づいて透過度合が決定される。その後、ステップS12に戻り、ステップS12以降の処理が実行される。これにより、変更された透過度合に応じた表示画像Tを合成する処理が実行される。
【0070】
ステップS14においてYESと判定された場合、ステップS15に進む。ステップS15において、画像処理の終了の有無が判定される。例えば、プレゼンテーション画像Rの入力が無かった場合、電源スイッチがオフにされた場合等に、終了と判定されてもよい。合成処理が終了でなければ、ステップS13に戻って、透過度合を変更せずに合成処理を継続する。画像処理が終了であれば、一連の処理を終了する。この際、終了時点における、透過度合に関する設定が、電源オフ状態でも保持される記憶装置に記憶されてもよい。
【0071】
<画像合成装置40の設定に応じた表示例>
画像合成装置40の切替スイッチ44及び調整受付部45に対する操作に応じたプレゼンテーション画像R(確認用画像S)の表示例について説明する。
【0072】
前提として、切替スイッチ44は、3つのスイッチ44a、44b、44cを含む。スイッチ44aがプレゼンターを含む撮影画像H1に対応付けられ、スイッチ44bが電子データ資料画像H2に対応付けられ、スイッチ44cが手元資料画像H3に対応付けられている。スイッチ44aがオン操作されると、プレゼンターを含む撮影画像H1が選択され、スイッチ44bがオン操作されると、電子データ資料画像H2が選択され、スイッチ44cがオン操作されると、手元資料画像H3がオン操作される。スイッチ44a、44b、44cは、ラジオボタンのように選択的な操作を受け付けるスイッチではない。このため、3つのスイッチ44a、44b、44cに対する複数のオン操作が受け付けられる。なお、スイッチ44a、44b、44cは、オン状態で再度オン操作されることによってオフ状態に復帰するスイッチであってもよい。
【0073】
調整受付部45は、スライド移動可能なつまみ45aを有しており、当該つまみ45aをスライド移動させることで、透過度合の設定が受け付けられる。
【0074】
図8はスイッチ44a、44b、44cのうちの1つがオン操作された場合におけるプレゼンテーション画像Rの表示例を示す図である。
図8及び以降の各図において、オン状態となっているスイッチ44a、44b、44c内に中抜き円の印が表示される場合がある。また、以下の説明において、区別のため、プレゼンテーション画像Rの符号の後に数字等を付加する場合がある。
【0075】
スイッチ44aのみがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R1には、プレゼンターを含む撮影画像H1が表示される。プレゼンテーション画像R1において、プレゼンターは左右反転していてもよいし、左右反転していなくてもよい。スイッチ44bのみがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R2には、電子データ資料画像H2が表示される。スイッチ44cのみがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R3には、手元資料画像H3が表示される。このため、スイッチ44a、44b、44cのいずれかを選択的にオン状態とすることによって、最も大きくかつ全体的に表示させたい画像H1、H2又はH3のみがプレゼンテーション画像R1、R2又はR3に表示される。
【0076】
なお、スイッチ44aのみがオン状態となっている場合、
図9に示すように、プレゼンテーション画像R1aは、撮影画像H1からプレゼンターPを抽出した画像をプレゼンター画像Paとし、当該プレゼンター画像Paを、背景画像Bに重ね合わせて合成した画像であってもよい。背景画像Bは予め画像合成装置40に記憶された画像である。背景画像Bは、例えば、書棚を示す画像、机及び椅子等が写り込んだオフィスを示す画像、その他、任意の模様の静止画像であってもよい。プレゼンターPの抽出は、例えば、撮影画像H1における背景色とプレゼンターの顔、髪及び服の色の違い、動きの有無等に基づいて画像抽出を行う処理によって実現され得る。他のプレゼンテーション画像R2~R9が背景画像Bに重ね合わされてもよい。
【0077】
図10はスイッチ44a、44b、44cのうちの2つがオン操作された場合におけるプレゼンテーション画像Rの表示例を示す図である。
図10において、オン状態となっているスイッチ44a、44b、44c内に中抜き円の印が表示されている。
図10以降の各図において、中抜きの円内に、オン操作された順番が表示される場合がある。
【0078】
スイッチ44a、44bがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R4は、撮影画像H1のうちプレゼンターを含むプレゼンター画像Paと、電子データ資料画像H2とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、プレゼンターPが左右反転している画像である。
【0079】
本実施形態では、プレゼンター画像Paは、撮影画像H1からプレゼンターPを抽出した画像である。プレゼンター画像Paは、プレゼンターPを抽出した画像である必要は無い。プレゼンター画像Paには、プレゼンターPが写り込んでいればよく、例えば、プレゼンター画像Paは、撮影画像H1の全体又は撮影画像H1の一部をプレゼンターの存在領域の境界ではないラインに沿ってプレゼンターPを含むように切抜いた画像であってもよい。
【0080】
本例では、電子データ資料画像H2の片隅(右下隅)にプレゼンター画像Paが左右反転して重ね合わされている。プレゼンテーション画像R4において、電子データ資料画像H2の左右方向と、プレゼンター画像Pa(プレゼンターP)の左右方向とは逆である。このため、電子データ資料画像H2中における文字が鏡文字ではない非左右反転文字として認識され、かつ、プレゼンターPの左右の手の位置は、電子データ資料画像H2における左右とは逆に認識される。例えば、プレゼンターPが、文字付の書類を所持し又は文字付の衣服を着用している場合、当該書類又は衣服の文字は、鏡文字である左右反転文字として認識され得る。プレゼンターが左右逆(ミラー像)である画像はいずれの時点で生成されてもよい。撮影画像H1からプレゼンター画像Paを抽出する前の時点で撮影画像H1の全体が左右反転処理されてもよいし、抽出後のプレゼンター画像Paが左右反転されてもよい。カメラ65からプレゼンターP及びその背景を含む左右反転画像が出力されてもよい。
【0081】
電子データ資料画像H2におけるプレゼンター画像Paの位置及びサイズは、予め設定された位置及びサイズである。当該位置及びサイズは、画像合成装置40に対する指示を受け付ける操作受付装置を介した指示によって調整されてもよい。
【0082】
なお、スイッチ44a、44bがオン状態となっている場合、その操作順にかかわらず、上記プレゼンテーション画像R4が表示されてもよい。
【0083】
スイッチ44a、44cがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R5は、撮影画像H1のうちプレゼンターを含むプレゼンター画像Paと、手元資料画像H3とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、プレゼンターPが左右反転している画像である。
【0084】
つまり、上記プレゼンテーション画像R4において、電子データ資料画像H2に代えて、手元資料画像H3が表示された画像が、プレゼンテーション画像R5である。プレゼンテーション画像R5に関する他の説明は、プレゼンテーション画像R4に関する説明と同様とすることができるため、以降の説明を省略する。
【0085】
なお、スイッチ44a、44cがオン状態となっている場合、その操作順にかかわらず、上記プレゼンテーション画像R5が表示されてもよい。
【0086】
スイッチ44b、44cがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R6、R7は、電子データ資料画像H2と、手元資料画像H3とが、それぞれの左右方向を一致させた状態で、少なくとも部分的に重なる画像である。
【0087】
より具体的には、プレゼンテーション画像R6は、電子データ資料画像H2に、当該画像H2よりも小さい手元資料画像H3を重ねた画像である。本例では、電子データ資料画像H2の片隅(右上隅)に手元資料画像H3が重なっている。手元資料画像H3は、電子データ資料画像H2に対するワイプ画像であるともいえる。手元資料画像H3の位置及びサイズは予め設定されていてもよく、調整されてもよい。
【0088】
プレゼンテーション画像R7は、手元資料画像H3に、当該画像H3よりも小さい電子データ資料画像H2を重ねた画像である。本例では、手元資料画像H3の片隅(右上隅)に電子データ資料画像H2が重なっている。電子データ資料画像H2の位置及びサイズは予め設定されていてもよく、調整されてもよい。
【0089】
プレゼンテーション画像R6は、電子データ資料画像H2を手元資料画像H3よりも視認し易く表示するための画像であり、プレゼンテーション画像R7は、手元資料画像H3を、電子データ資料画像H2よりも視認し易く表示するための画像である。
【0090】
例えば、スイッチ44bを操作した後にスイッチ44cが操作された場合に、プレゼンテーション画像R6が表示され、スイッチ44cを操作した後にスイッチ44bが操作された場合に、プレゼンテーション画像R7が表示されてもよい。つまり、先に操作されたスイッチ44b、44cに対応する画像が大きく表示されてもよい。
【0091】
プレゼンテーション画像R4、R5において、プレゼンター画像Paの透過度合が調整されてもよい。例えば、
図11に示すように、調整受付部45を介してプレゼンター画像Paの透過度合が設定される。プロセッサ41は、設定された透過度合に応じて、電子データ資料画像H2に重ね合わされるプレゼンター画像Paの透過度合を調整する。透過度合が0から100のなかで半分程度に調整されると、プレゼンテーション画像R4において、プレゼンター画像Paが透けて、当該プレゼンター画像Paの表示領域内に電子データ資料画像H2が視認される。なお、透過画像は、例えば、透過領域内において、背景となる画像の各画素の色成分と、重ね合わされる画像の各画素の色成分とを、透過度合に応じた割合で重み付けして加算することによって生成される。透過度合を小さくすれば、プレゼンテーション画像R4において、プレゼンター画像Paがはっきりと表示され、透過度合を大きくすれば、プレゼンター画像Paが薄くなり、背景側の電子データ資料画像H2の全体がはっきりと表示されるようになる。
【0092】
同様に、プレゼンテーション画像R6、R7において、重ね合わされる電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3の透過度合が調整されてもよい。
【0093】
図12はスイッチ44a、44b、44cのうちの3つがオン操作された場合におけるプレゼンテーション画像Rの表示例を示す図である。
【0094】
スイッチ44a、44b、44cがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R8は、撮影画像H1のうちプレゼンターを含むプレゼンター画像Paと、手元資料画像H3とが、電子データ資料画像H2に対して、少なくとも部分的に重なり、かつ、プレゼンターPが左右反転している画像である。
【0095】
本実施形態では、プレゼンター画像Paは、撮影画像H1からプレゼンターPを抽出した画像である。電子データ資料画像H2の片隅(右下隅)にプレゼンター画像Paが重ね合わされている。電子データ資料画像H2の他の片隅(右上隅)に手元資料画像H3が重ね合わされている。プレゼンター画像Paは、電子データ資料画像H2及び手元資料画像H3に対して左右逆となっている。
【0096】
電子データ資料画像H2におけるプレゼンター画像Pa及び手元資料画像H3の位置及びサイズは、予め設定された位置及びサイズである。当該位置及びサイズは、画像合成装置40に対する指示を受け付ける操作受付装置を介した指示によって調整されてもよい。
【0097】
スイッチ44a、44b、44cがオン状態となっている場合、プレゼンテーション画像R9のように、手元資料画像H3に、プレゼンター画像Paと電子データ資料画像H2とが重ね合わされてもよい。
【0098】
本実施形態では、手元資料画像H3の片隅(右下隅)にプレゼンター画像Paが重ね合わされている。手元資料画像H3の他の片隅(右上隅)に電子データ資料画像H2が重ね合わされている。つまり、プレゼンテーション画像R9は、上記プレゼンテーション画像R8に対して、電子データ資料画像H2と手元資料画像H3とを入替えだ画像である。プレゼンター画像Paの左右方向は、電子データ資料画像H2及び手元資料画像H3の左右方向に対して反対となっている。
【0099】
電子データ資料画像H2と手元資料画像H3との関係では、先に操作されたスイッチ44b、44cに対応する画像を大きく表示するようにするとよい。例えば、スイッチ44bの操作後にスイッチ44cが操作された場合に、電子データ資料画像H2を大きく表示し、スイッチ44cの操作後にスイッチ44bが操作された場合に、手元資料画像H3を大きく表示してもよい。
【0100】
プレゼンター画像Paについては、対応するスイッチ44aの操作順に関係無く、プレゼンテーション画像R8、R9の一定位置に表示するようにしてもよい。
【0101】
<画像切替合成装置の設定に応じた表示例>
画像切替合成装置50の調整受付部55に対する操作に応じた表示画像Tの表示例について説明する。
【0102】
画像切替合成装置50では、
図13に示すように、会議画像G1に確認用画像Sを重ね合せて合成する処理を実行し、当該画像を表示画像Tとして出力する。表示画像Tは、表示装置62に表示される。本例では、会議画像G1の中央に確認用画像Sが重ね合わされる。確認用画像Sの位置は、会議画像G1の上、下、左、右、又はいずれかの隅に偏った位置であってもよい。確認用画像Sの位置、サイズは、画像合成装置40に対する指示を受け付ける操作受付装置を介した指示によって調整されてもよい。
【0103】
プレゼンターは、表示装置62を見ることで、会議画像G1と、確認用画像Sとを視認することができる。プレゼンターは、会議画像G1に表示される他の参加者の表情、反応を確認しながら、確認用画像Sを見てプレゼンテーションを行うことができる。
【0104】
確認用画像Sの透過度合が0に設定されている場合、会議画像G1のうち確認用画像Sが表示される領域では、参加者を視認できない。
【0105】
図14に示すように、確認用画像Sの透過度合が調整されることで、当該確認用画像Sの背景側の画像が視認されるようになる。例えば、調整受付部55を介して確認用画像Sの透過度合が設定される。プロセッサ51は、設定された透過度合に応じて、会議画像G1に重ね合わされる確認用画像Sの透過度合を調整する。透過度合が0から100のなかで半分程度に調整されると、確認用画像Sが透けて、当該確認用画像Sの表示領域内に会議画像G1が視認される。透過度合を小さくすれば、確認用画像Sが見えなくなり、会議画像G1の全体がはっきりと表示されるようになる。
【0106】
よって、画像切替合成装置50は、調整受付部55に対する透過度合の調整に応じて確認用画像Sの透過度合を調整しつつ、表示画像Tにおける表示内容を、会議画像G1に確認用画像Sが重ね合わされた態様と、会議画像G1の全体が表示された態様との間で切替える。なお、確認用画像Sの透過度合の調整は、資料画像H2、H3の透過度合の調整の一例である。上記例では、会議画像G1の一部に確認用画像Sが確認用画像Sの透過度合を調整する例が説明された。しかしながら、確認用画像Sの一部に会議画像G1が重ね合わされてもよい。この場合、会議画像G1の透過度合が調整されてもよい。
【0107】
<使用例>
本プレゼンテーション用システム30を用いたプレゼンターPによるプレゼンテーション例を説明する。
【0108】
図15に示すように、机100上に撮影表示ユニット60が載置されているとする。机100上には、画像合成装置40及び画像切替合成装置50が載置される。机100上には、手元カメラ80が載置されてもよい。
【0109】
プレゼンターPは、机100の前に座り、又は、立って、プレゼンテーションすることができる。撮影表示ユニット60における表示装置62には、上記表示画像Tが表示されている。表示画像Tには、会議画像G1及び確認用画像Sが表示されている。このため、プレゼンターPは、会議画像G1を通じて参加者の反応等を確認しつつ、プレゼンテーションすることができる。
【0110】
確認用画像Sの内容は、画像合成装置40に対する操作によって切替えられる。このため、プレゼンテーション中において、電子データ資料画像H2を参照したい場合、机100上の手元資料を手元カメラ80によって撮影した手元資料画像H3を参照したい場合等、必要に応じてプレゼンテーション画像Rを適宜切替えることができる。
【0111】
確認用画像Sにプレゼンター画像Paが含まれる場合、プレゼンター画像PaにおけるプレゼンターPの左右方向は、電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3の左右方向とは逆となっている。つまり、現実空間に存するプレゼンターPから見て、確認用画像SにおけるプレゼンターPはミラー像として観察され得る。このため、例えば、現実空間のプレゼンターPが左手を挙げると、撮影表示ユニット60に表示される確認用画像SにおけるプレゼンターPは、現実空間のプレゼンターPを基準として左側の手(確認用画像S内のプレゼンターPを基準とすると右手)を挙げる。このため、プレゼンターPは、自己の動きと確認用画像Sにおける動きとを、自己を基準とする左右方向で統一して把握することができる。換言すれは、鏡を見て自己の動きをコントロールしつつ、電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3に対するプレゼンテーションを実行できる。プレゼンターPは、確認用画像Sにおける電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3に対するプレゼンターPの動きを視認しつつ、自己の動きをコントロールしやすい。例えば、プレゼンターPは、電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3に重ね合わされたプレゼンターPが、電子データ資料画像H2又は手元資料画像H3においてどの部分を指し示しているかを確認することができる。
【0112】
このため、プレゼンテーション画像Rにおいて、資料画像H2、H3に対する、プレゼンター画像Paにおけるプレゼンターのジェスチャの整合性が増す。また、プレゼンターPは、資料画像H2、H3と整合性がある説明のためのジェスチャを行い易い。
【0113】
<効果等>
このように構成されたプレゼンテーション用システム30及びプログラム42aによると、プレゼンターPを含むプレゼンター画像Paと、資料画像H2、H3とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、プレゼンターPが左右反転しているプレゼンテーション画像R(R4、R5、R8、R9)を生成し、プレゼンテーション画像Rを少なくともプレゼンターPの確認用画像Sとして出力する。このため、プレゼンターPは、当該プレゼンテーション画像R(R4、R5、R8、R9)を見ながらジェスチャを行うことにより、資料画像H2、H3に対して左右の位置関係が整合的なジェスチャを容易に行える。
【0114】
また、プレゼンターPを抽出したプレゼンター画像Paが、資料画像H2、H3に重ね合わされることによって、資料画像H2、H3が隠されにくくなり、プレゼンターPのジェスチャが資料画像の理解を促進することができる。
【0115】
また、プレゼンター画像Pa、資料画像H2、H3、それらの背景の画像等の視認の必要性等に応じて、操作受付装置としての調整受付部45、55に入力された内容に基づいて、プレゼンター画像Pa、資料画像H2、H3、個別画像Gaの少なくとも一つの透過度合を調整することができる。
【0116】
また、資料画像H2、H3は、手元カメラ80によって撮影された手元資料画像H3と、電子データ資料画像H2とのうちの一方又は両方であるため、手元資料画像及び電子データ資料画像の一方又は両方に対して、プレゼンターPのジェスチャをわかりやすく表示できる。
【0117】
また、上記したように、プレゼンテーション画像Rと背景画像とが重なった背景付画像が生成されてもよい。背景画像は、例えば、
図9で説明した背景画像Bであってもよい。また、上記会議画像G1も背景画像の一種であると把握され得る。背景付画像によってプレゼンテーションのイメージ付を行ったり、他の情報を確認したりすることができる。
【0118】
{付記}
図16に示すように、文字図形による入力情報110と、プレゼンテーション画像Rとが重なる文字図形付加プレゼンテーション画像RFが生成されてもよい。
図16では、プレゼンテーション画像R4に文字110a及び図形110bが付加されている。
【0119】
文字図形とは、文字又は図形の一方又は両方である。文字図形は、例えば、情報入力装置49を通じて入力され得る。情報入力装置49は、プレゼンテーション画像Rの生成処理中において文字図形の入力を受け付けているとよい。これにより、プレゼンテーション中に、プレゼンターPは、説明の内容に応じて適宜プレゼンテーション画像Rに文字図形を追加できる。
【0120】
上記実施形態において、画像合成装置40にプレゼンター画像、電子データ資料画像及び手元資料画像の全てが入力されることは必須ではない。画像合成装置40には、プレゼンター画像とは別に、電子データ資料画像及び手元資料画像のうちの一方が入力されてもよい。
【0121】
画像合成装置40が画像の切替え機能を有することは必須ではなく、プレゼンター画像を、電子データ資料画像及び手元資料画像の一方又は両方に合成すればよい。
【0122】
画像合成装置40が透過度合の調整機能を有することは必須ではない。
【0123】
上記実施形態において、画像切替合成装置50は省略されてもよい。
【0124】
画像合成装置40及び画像切替合成装置50の処理機能の一部又は全部が、会議用端末12又はコンピュータ70によって処理されてもよい。
【0125】
なお、上記実施形態及び各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組合わせることができる。
【0126】
本開示は、下記の各態様を開示する。
【0127】
第1の態様は、ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システムであって、プレゼンターを撮影するカメラによって撮影された撮影画像に基づいて前記画像を生成する画像処理を実行する処理部と、前記処理部を制御するための操作入力を受け付ける操作受付装置と、を備え、前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、前記撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成し、前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する、プレゼンテーション用システムである。
【0128】
このプレゼンテーション用システムによると、プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像が、プレゼンターに表示される。このため、プレゼンターは、当該プレゼンテーション画像を見ながらジェスチャを行うことにより、資料画像に対して左右の位置関係が整合的なジェスチャを容易に行える。
【0129】
第2の態様は、第1の態様に係るプレゼンテーション用システムであって、前記処理部は、前記撮影画像から前記プレゼンターを抽出した画像を前記プレゼンター画像としたものである。
【0130】
このように、プレゼンターを抽出したプレゼンター画像が、資料画像に重ね合わされることによって、プレゼンターのジェスチャが資料画像の理解を促進することができる。
【0131】
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るプレゼンテーション用システムであって、前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、前記プレゼンター画像と、前記資料画像と、前記プレゼンター画像及び前記資料画像のうちの少なくとも一方と重ね合わされる画像とのうちの一つの透過度合を調整してもよい。
【0132】
これにより、プレゼンター画像、前記資料画像及びそれらに重ね合わされる画像等の視認の必要性等に応じて、画像の透過度合を調整することができる。
【0133】
第4の態様は、第1から第3のいずれか1つの態様に係るプレゼンテーション用システムであって、前記資料画像は、前記プレゼンターの手元資料を撮影する手元カメラによって撮影された手元資料画像と、コンピュータ情報処理可能な電子データに基づく電子データ資料画像とのうちの一方又は両方としたものである。
【0134】
これにより、手元資料画像及び電子データ資料画像の一方又は両方に対して、プレゼンターのジェスチャをわかりやすく表示できる。
【0135】
第5の態様は、第1から第4のいずれか1つの態様に係るプレゼンテーション用システムであって、前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、背景画像と、前記プレゼンテーション画像とが重なる背景付画像を生成するものである。
【0136】
これにより、背景に、プレゼンテーション画像を重ねて確認したり、相手に見せたりすることができる。
【0137】
第6の態様は、第1から第5のいずれか1つの態様に係るプレゼンテーション用システムであって、前記処理部は、前記操作受付装置に入力された内容に基づいて、文字図形による入力情報と、前記プレゼンテーション画像とが重なる文字図形付加プレゼンテーション画像を生成するものである。
【0138】
これにより、プレゼンテーション画像に文字図形を付加することができる。
【0139】
第7の態様は、ネットワークを介して画像を伝達する遠隔コミュニケーション又は収録によるプレゼンテーションに用いられるプレゼンテーション用システム用のプログラムであって、コンピュータに、操作入力を受け付ける処理と、操作入力された内容に基づいて、プレゼンターを撮影した撮影画像のうち前記プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像を生成する処理と、前記プレゼンテーション画像を少なくとも前記プレゼンターの確認用画像として出力する処理と、を実行させるためのプログラムである。
【0140】
これにより、プレゼンターを含むプレゼンター画像と、資料画像とが、少なくとも部分的に重なり、かつ、前記プレゼンターが左右反転しているプレゼンテーション画像が、プレゼンターに表示される。このため、プレゼンターは、当該プレゼンテーション画像を見ながらジェスチャを行うことにより、資料画像に対して左右の位置関係が整合的なジェスチャを容易に行える。
【0141】
上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
【0142】
例えば、上記実施形態においては、遠隔コミュニケーションにより、リアルタイムにプレゼンテーションが行われる例について説明されているが、プレゼンテーションは所定の記憶媒体に録画されてもよい。その際、プレゼンテーションの収録時に上記システムを適用することで、上記実施形態と同様の作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0143】
10 プレゼンテーションシステム
30 プレゼンテーション用システム
40 画像合成装置
41 プロセッサ
42 記憶装置
42a プログラム
44 切替スイッチ
44a、44b、44c スイッチ
45 調整受付部
49 情報入力装置
50 画像切替合成装置
51 プロセッサ
52 記憶装置
52a プログラム
55 調整受付部
60 撮影表示ユニット
62 表示装置
65 カメラ
72a 資料データ
80 手元カメラ
100 文字図形による入力情報
B 背景画像
G1 会議画像(背景画像)
H1 撮影画像
H2 電子データ資料画像
H3 手元資料画像
P プレゼンター
Pa プレゼンター画像
R(R4、R5、R8、R9) プレゼンテーション画像
RF 文字図形付加プレゼンテーション画像
S 確認用画像
T 表示画像