(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067466
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/08 20120101AFI20230509BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178734
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 真樹
(72)【発明者】
【氏名】柴田 健太
(72)【発明者】
【氏名】春日井 友希
(72)【発明者】
【氏名】森下 遥
【テーマコード(参考)】
5L055
【Fターム(参考)】
5L055BB61
(57)【要約】 (修正有)
【課題】eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむ情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理システムにおいて、情報処理装置10は、ユーザ状態データ及びユーザ関連データを取得し、保険契約サーバ装置50からリスクスコアの要求を受け付けたならば、該ユーザ状態データ及び該ユーザ関連データに基づいてリスクスコアを算定し、算定したリスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する。そして、保険契約サーバ装置50は、該リスクスコアに基づきスポーツ保険料を計算し、その保険料をユーザAに通知する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部と
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記リスク情報算定部により算定されたリスク情報に基づいて、前記ユーザが前記スポーツ活動を行う場合のスポーツ保険料を算定する第1の算定部
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記リスク情報算定部により算定されたリスク情報に基づいて、前記ユーザの生命保険及び医療保険の少なくともいずれかの料金を算定する第2の算定部
をさらに備える請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記ユーザ関連情報は、
前記ユーザが他のユーザとの交流に係る交流情報、前記スポーツ活動の形式に係る形式情報、及び、前記スポーツ活動の環境に係る環境情報の少なくともいずれかを含む請求項1乃至3のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記交流情報は、
前記ユーザがオンライン上で他のユーザと交流する頻度を示す情報である請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記ユーザ状態情報は、
前記ユーザの動きに係る動き情報、及び、前記ユーザの身体状態に係る身体状態情報の少なくともいずれかを含む請求項1乃至5のいずれか一つに記載の情報処理システム。
【請求項7】
スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理装置を有する情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部と、
あらかじめ登録された複数の情報活用者の端末装置の中から、前記リスク情報の提供先となる端末装置を選択処理する選択処理手段と、
前記選択処理手段により選択処理された前記端末装置に対して、少なくとも前記リスク情報を通知する通知手段と
を備える情報処理システム。
【請求項8】
前記通知手段は、
前記選択処理手段により選択処理された前記端末装置に対して、前記リスク情報とともに前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報を通知する請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
スポーツ活動を行うユーザから、前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、
前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部と
を備える情報処理装置。
【請求項10】
スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理システムにおける情報処理方法であって、
前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集工程と、
前記収集工程により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定工程と
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減することを可能にする情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツを行う場合の不慮の事故や怪我に備えて、スポーツ安全保険に加入することが多い。このため、例えば特許文献1には、バイタル情報の規則的な報告の有無、健康診断の受診の有無及びスポーツクラブの利用回数を顧客のポイントに反映させ、その累計値に基づいて当該顧客の次期保険料を演算する健康管理システムが開示されている。
【0003】
最近では、「eスポーツ」と呼ばれる電子機器を用いて行う娯楽、競技、スポーツが普及しつつあり、身体を動かす「フィジカルeスポーツ」の市場も拡大している。このため、eスポーツを対象とした保険商品を提供する保険会社も存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のeスポーツを対象とする保険商品は、eスポーツ大会の主催者のリスクを補償するものであり、eスポーツ大会に参加する参加者のリスクを補償するものではない。このため、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、いかに安心してユーザがeスポーツを楽しめるようにするかが重要な課題となっている。
【0006】
本発明は、上記従来技術の課題を解決するためになされたものであって、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減することを可能にする情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明は、スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部とを備える。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、前記リスク情報算定部により算定されたリスク情報に基づいて、前記ユーザが前記スポーツ活動を行う場合のスポーツ保険料を算定する第1の算定部をさらに備える。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記リスク情報算定部により算定されたリスク情報に基づいて、前記ユーザの生命保険及び医療保険の少なくともいずれかの料金を算定する第2の算定部をさらに備える。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記ユーザ関連情報は、前記ユーザが他のユーザとの交流に係る交流情報、前記スポーツ活動の形式に係る形式情報、及び、前記スポーツ活動の環境に係る環境情報の少なくともいずれかを含む。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記交流情報は、前記ユーザがオンライン上で他のユーザと交流する頻度を示す情報である。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記ユーザ状態情報は、前記ユーザの動きに係る動き情報、及び、前記ユーザの身体状態に係る身体状態情報の少なくともいずれかを含む。
【0013】
また、本発明は、スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理装置を有する情報処理システムであって、前記情報処理装置は、前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部と、あらかじめ登録された複数の情報活用者の端末装置の中から、前記リスク情報の提供先となる端末装置を選択処理する選択処理手段と、前記選択処理手段により選択処理された前記端末装置に対して、少なくとも前記リスク情報を通知する通知手段とを備える。
【0014】
また、本発明は、上記発明において、前記通知手段は、前記選択処理手段により選択処理された前記端末装置に対して、前記リスク情報とともに前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報を通知する。
【0015】
また、本発明は、スポーツ活動を行うユーザから、前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集部と、前記収集部により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定部とを備える。
【0016】
また、本発明は、スポーツ活動を行うユーザから収集した情報を処理する情報処理システムにおける情報処理方法であって、前記ユーザの状態に係るユーザ状態情報及び前記ユーザの前記スポーツ活動に関連するユーザ関連情報を収集する収集工程と、前記収集工程により収集された前記ユーザ状態情報及び前記ユーザ関連情報に基づき、前記スポーツ活動を行う前記ユーザのリスク情報を算定するリスク情報算定工程とを含む。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむことができる。また、eスポーツの主催者にとっては過払いリスクが低くすることができ、参加者にとっては不要に割高にならないようにすることができる。すなわち、eスポーツの主催者及び参加者のいずれの立場から見ても、合理的な保険料を算出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1は、実施形態1に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した情報処理システムのシステム構成を示す図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した情報処理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、
図3に示したユーザ登録データの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、
図3に示したユーザ状態データの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、
図3に示したユーザ関連データの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、
図3に示したリスクスコアの一例を示す図である。
【
図8】
図8は、
図2に示した端末装置の構成を示す機能ブロック図である。
【
図9】
図9は、
図2に示した情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
【
図10】
図10は、
図2に示した端末装置に表示される画面イメージの一例を示す図である。
【
図11】
図11は、変型例に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【
図12】
図12は、実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明に係る情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態1では、自転車を使用したフィジカルeスポーツの保険料の算定に本発明を適用した場合を示し、実施形態2では、自転車を使用したフィジカルeスポーツのサービスや物品の広告の提供に本発明を適用した場合を示すこととする。なお、これらの実施形態によって、本発明が限定されるものではない。
【0020】
<スポーツ活動の定義>
本実施の形態におけるスポーツ活動とは、運動競技及び身体運動(キャンプその他の野外活動を含む。)であって、心身の健全な発達を図るためにされるものをいう。球技、武道、格闘技、水泳、陸上競技、モーター・マリン・スカイスポーツ、冬季スポーツ、レクリエーションスポーツ、健康美容体操、エアロビクス、ジャズダンス、太極拳、ヨガ、ストレッチ体操などのフィットネススポーツ、社交ダンス、フォークダンス、バレエ、洋舞、阿波踊り、よさこい、よさこいソーラン、レクリエーションダンス、バトントワリング、カラーガードなどのダンス、踊りウォーキング、ハイキング、軽登山、釣り、キャンプ、サイクリングなどの野外活動(ボーイ・ガールスカウト、高校生以上のベンチャースカウト、大学生以上のローバースカウトなどが行う野外活動も含まれる。)、運動会、球技大会、eスポーツなどが含まれる。なお、本実施形態では、陸上競技の一分野である自転車を使用するフィジカルeスポーツを行う場合を中心に説明する。ただし、本発明は自転車を使用するフィジカルeスポーツに限定されるものではなく、ここに示す各種のスポーツ活動を行う場合に適用することができる。
【0021】
[実施形態1]
<情報処理システムの概要>
まず、本実施形態1に係る情報処理システムの概要について説明する。
図1は、本実施形態1に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
図1に示すように、本実施形態1に係る情報処理システムは、ユーザAが自転車を使用したフィジカルeスポーツ行う状況を示している。
【0022】
ここで、ユーザAは、あらかじめフィジカルeスポーツのサービスを提供するサービス提供会社と契約しており、自転車、リストバンド38a、ローラ装置39a及び端末装置30aをサービス提供会社からレンタルしているものとする。端末装置30aは、ユーザAが装着するリストバンド38aからユーザAのバイタルデータを収集するとともに、ローラ装置39aからユーザAの活動データ(回転数)を収集し、情報処理装置10に送信する。
【0023】
ただし、自転車、リストバンド38a、ローラ装置39a及び端末装置30aは、ユーザAが所持するものであってもよい。この場合には、端末装置30aにインストールされるアプリケーションは、サービス提供会社から提供される必要がある。
【0024】
情報処理装置10は、サービス提供会社が運営するサーバ装置又はクラウド装置であり、端末装置30aに対してフィジカルeスポーツに関する情報を提供する。例えば、ユーザAが複数の他ユーザとともにトレーニングを行う場合には、他ユーザに関する情報を端末装置30aに提供する。これにより、ユーザAの端末装置30aには、他ユーザに関する情報についても表示される。
【0025】
SNSサーバ装置20は、ユーザのトレーニング中又はトレーニング前後に、他ユーザとの交流を可能にするための処理を行う装置である。例えば、ユーザAが、トレーニング中に他ユーザを指定して何らかの発話を行ったならば、SNSサーバ装置20を経由して他ユーザの端末装置30aに情報が通知される。
【0026】
大会運営サーバ装置40は、「フィジカルeスポーツ」の大会を運営する大会運営会社のサーバ装置である。この大会運営会社は、上記のサービス提供会社と同一であってもよい。この大会運営サーバ装置40は、サービス提供会社によりサービスの提供を受ける複数のユーザから大会参加のエントリを受け付けてフィジカルeスポーツ大会を運営する。
【0027】
保険契約サーバ装置50は、フィジカルeスポーツの大会に参加するユーザのスポーツ保険を提供する保険会社が運営するサーバ装置である。かかる保険会社は、保険料を固定に設定するスポーツ保険ではなく、ユーザの直近の状況に応じてスポーツ保険料を算定するものである。
【0028】
ここで、本実施形態1に係る情報処理システムでは、情報処理装置10により算定されたユーザAのリスクスコアに基づいて、保険契約サーバ装置50がスポーツ保険料を算定するよう構成している。この情報処理装置10は、端末装置30aから送信されるバイタルデータ及び活動データだけではなく、他ユーザとの交流頻度データも考慮して、リスクスコアを算定する。
【0029】
なお、この「リスクスコア」とは、バイタルデータ及び活動データを含むユーザ状態データと、他のユーザとの交流頻度などを含むユーザ関連データに基づいて、ユーザが怪我をするリスクを点数化したものであり、例えば1~10点の点数が付与される。10点に近いほど怪我のリスクが大きいことを示している。
【0030】
ここで、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会に参加する場合について説明する。ユーザAが大会に参加するためには、保険会社が提供するスポーツ保険に加入しなければならない。このスポーツ保険料は、スポーツ保険の加入申請時に定まるが、この加入申請以前のユーザAのトレーニング状況に応じて定まる。
【0031】
具体的には、端末装置30aは、ローラ装置39aにより収集されたユーザAの活動データを情報処理装置10に送信するとともに(S1)、リストバンド38aにより収集されたユーザAの活動開始前、活動中及び活動後のバイタルデータを情報処理装置10に送信する(S2)。情報処理装置10は、端末装置30aから受信した活動データ及びバイタルデータをユーザ状態データとして記憶する。
【0032】
また、ユーザAが、端末装置30aを用いてSNS上のユーザコミュニティに参加して投稿を行い、他のユーザと交流を行ったならば(S3)、SNSサーバ装置20から情報処理装置10に対して他ユーザとの交流頻度データが通知される(S4)。情報処理装置10は、交流頻度データを含むユーザ関連データを記憶する。
【0033】
その後、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会参加のエントリをしたならば(S5)、大会運営サーバ装置40は、ユーザAのエントリを受け付け、端末装置30aに対してエントリ受付通知を送付する(S6)。
【0034】
ここで、ユーザAが大会に参加するためにはスポーツ保険に加入する必要があるため、保険契約サーバ装置50に対してスポーツ保険加入申請を行う(S7)。保険契約サーバ装置50は、端末装置30aからスポーツ保険の加入申請を受信したならば、ユーザAに関するリスクスコアの要求を情報処理装置10に送信する(S8)。リスクスコアの要求を受信した情報処理装置10は、ユーザAのユーザ状態データ及びユーザ関連データに基づいてユーザAのリスクスコアを算定する(S9)。
【0035】
そして、情報処理装置10は、算定されたリスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する(S10)。保険契約サーバ装置50は、情報処理装置10からリスクスコアを受信したならば、該リスクスコアに基づいてユーザAのスポーツ保険料を算定し(S11)、算定したスポーツ保険料を端末装置30aに通知する(S12)。なお、大会運営サーバ装置40は、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会中に怪我をしたならば、事故発生情報を保険契約サーバ装置50に対して送付する(S13)。
【0036】
なお、ここでは説明の便宜上、ユーザAによるスポーツ保険料の納付、事故発生時の給付金の支払いなどについての説明を省略するが、一般のスポーツ保険又は生命保険と同様に行うことができる。
【0037】
このように、情報処理装置10は、ユーザ状態データ及びユーザ関連データを取得し、保険契約サーバ装置50からリスクスコアの要求を受け付けたならば、該ユーザ状態データ及び該ユーザ関連データに基づいてリスクスコアを算定し、算定したリスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する。そして、保険契約サーバ装置50は、該リスクスコアに基づきスポーツ保険料を計算し、その保険料をユーザAに通知するように構成したので、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむことができる。
【0038】
<情報処理システムのシステム構成>
次に、本実施形態1に係る情報処理システムのシステム構成について説明する。
図2は、
図1に示した情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図2に示すように、この情報処理システムでは、情報処理装置10と、SNSサーバ装置20と、複数の端末装置30a、30b(以下、「端末装置30」と総称する)と、大会運営サーバ装置40と、保険契約サーバ装置50とがネットワークNに接続される。
【0039】
N人のユーザがフィジカルeスポーツのサービスに参加する場合には、N台の端末装置30が設けられることになるが、ここでは2台の端末装置30a、30bのみを図示した状況を示している。端末装置30aには、リストバンド38a及びローラ装置39aが無線通信で接続され、端末装置30bには、リストバンド38b及びローラ装置39bが無線通信で接続される。なお、リストバンド38a及び38bをリストバンド38と総称し、ローラ装置39a及び39bをローラ装置39と総称する。
【0040】
なお、SNSサーバ装置20、大会運営サーバ装置40、保険契約サーバ装置50、リストバンド38及びローラ装置39については、
図1において説明したため、ここではその説明を省略する。なお、情報処理装置10と端末装置30についての詳細な説明については後述することとする。
【0041】
<情報処理装置10の構成>
次に、情報処理装置10の構成について説明する。
図3は、
図2に示した情報処理装置10の構成を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置10は、表示部11と、入力部12と、通信I/F部13と、記憶部14と、制御部15とを有する。
【0042】
表示部11は、液晶パネル又はディスプレイ装置などの表示デバイスであり、入力部12は、キーボードやマウスなどの入力デバイスである。通信I/F部13は、SNSサーバ装置20、端末装置30及び保険契約サーバ装置50と通信を行うためのインターフェース部である。
【0043】
記憶部14は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ユーザ登録データ14a、ユーザ状態データ14b、ユーザ関連データ14c及びリスクスコア14dを記憶する。
【0044】
ユーザ登録データ14aは、情報処理システムを利用するユーザが登録されたデータである。ユーザ状態データ14bは、ユーザの端末装置30から収集したバイタルデータ及びトレーニングを行ったユーザの活動データを含むデータである。
【0045】
ユーザ関連データ14cは、ユーザがSNSサーバ装置20に接続し、トレーニング中に他のユーザに声掛けした頻度や時間、SNSに投稿した回数などのデータ及びトレーニングを行う場所の環境データである。リスクスコア14dは、ユーザ状態データ14bとユーザ関連データ14cに基づいて算定される。
【0046】
制御部15は、情報処理装置10の全体を制御する制御部であり、ユーザ登録管理部15a、ユーザ状態データ収集処理部15b、ユーザ関連データ収集処理部15c、リスクスコア算定部15d及びリスクスコア通知部15e等を有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザ登録管理部15a、ユーザ状態データ収集処理部15b、ユーザ関連データ収集処理部15c、リスクスコア算定部15d及びリスクスコア通知部15e等にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0047】
ユーザ登録管理部15aは、情報処理システムを利用するユーザの登録及び削除を行う処理部である。ユーザを登録する場合には、入力部12からユーザに係る情報を入力してユーザ登録データ14aとして登録し、ユーザを削除する場合には、入力部12から所定の削除操作を行ってユーザ登録データ14aから削除する。
【0048】
ユーザ状態データ収集処理部15bは、ユーザの端末装置30から活動データ及びバイタルデータを収集して、ユーザ状態データ14bとして記憶部に記憶する処理部である。なお、活動データは、トレーニングを行うユーザのローラ装置39から収集されたデータであり、バイタルデータは、トレーニングを行うユーザのリストバンド38から収集されたデータである。
【0049】
ユーザ関連データ収集処理部15cは、SNSサーバ装置20からユーザに関するデータを収集する処理部であり、具体的には、ユーザがトレーニング中に他ユーザに声掛けした回数及び時間と、ユーザがSNSにメッセージを投稿した投稿数をユーザ関連データ14cとして収集する。なお、ユーザがトレーニングを行う部屋の環境データも、このユーザ関連データ14cに含まれる。
【0050】
リスクスコア算定部15dは、保険契約サーバ装置50からユーザのリスクスコア要求を受け付けた場合に、該ユーザのリスクスコアを算定する処理部である。具体的には、リスクスコア算定部15dは、ユーザのユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、リスクスコア14dを算定する。リスクスコア通知部15eは、リスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する処理部である。
【0051】
<ユーザ登録データ>
次に、ユーザ登録データ14aの一例を説明する。
図4は、
図3に示したユーザ登録データ14aの一例を示す図である。
図4に示すように、ユーザ登録データ14aは、ユーザIDに対して、入会日、氏名、性別、年齢、住所及び電話番号等を対応付けたデータである。
【0052】
ここでは、ユーザID「0001」に対して、入会日「2020/04/03」、氏名「明石△男」、性別「男」、年齢「42」、住所「東京都港区・・・」及び電話番号「090-1・・・」が対応付けられた状態を示している。また、ユーザID「0002」に対して、入会日「2020/04/04」、氏名「岩倉□子」、性別「女」、年齢「28」、住所「神奈川県川崎市中原区・・・」及び電話番号「070-2・・・」が対応付けられ、ユーザID「0003」に対して、入会日「2020/04/04」、氏名「上野×世」、性別「女」、年齢「33」、住所「千葉県浦安市・・・」及び電話番号「080-3・・・」が対応付けられた状態を示している。
【0053】
<ユーザ状態データ>
次に、ユーザ状態データ14bの一例を説明する。
図5は、
図3に示したユーザ状態データ14bの一例を示す図である。
図5に示すように、ユーザ状態データ14bは、ユーザIDに対して、氏名、日付、走行距離(Km)、最高速度(Km/h)、平均速度(Km/h)、血圧(平常時)、血圧(活動時)及び最高脈拍等を対応付けたデータである。ここでは、ユーザID「0001」のデータを示すこととする。
【0054】
ユーザID「0001」には、氏名「明石△男」、日付「10/1」、走行距離(Km)「263.4」、最高速度(Km/h)「61.3」、平均速度(Km/h)「30.4」、血圧(平常時)「120/62」、血圧(活動時)「185/120」及び最高脈拍「186」が対応付けられ、日付「10/2」、走行距離(Km)「421.1」、最高速度(Km/h)「52.5」、平均速度(Km/h)「22.4」、血圧(平常時)「121/61」、血圧(活動時)「182/116」及び最高脈拍「181」が対応付けられている。
【0055】
また、日付「10/3」、走行距離(Km)「120.0」、最高速度(Km/h)「65.7」、平均速度(Km/h)「35.1」、血圧(平常時)「120/61」、血圧(活動時)「180/115」及び最高脈拍「180」が対応付けられ、日付「10/4」、走行距離(Km)「321.4」、最高速度(Km/h)「51.3」、平均速度(Km/h)「21.6」、血圧(平常時)「121/63」、血圧(活動時)「180/117」及び最高脈拍「178」が対応付けられている。
【0056】
<ユーザ関連データ>
次に、ユーザ関連データ14cの一例を説明する。
図6は、
図3に示したユーザ関連データ14cの一例を示す図である。
図6に示すように、ユーザ関連データ14cは、ユーザIDに対して、氏名、日付、声掛け回数(回)、声掛け時間(分)、投稿数(回)及び活動環境等を対応付けたデータである。ここでは、ユーザID「0001」のデータを示すこととする。
【0057】
ユーザID「0001」に対して、氏名「明石△男」、日付「10/1」、声掛け回数「120」、声掛け時間「36」、投稿数「8」及び活動環境「良好」が対応付けられ、日付「10/2」、声掛け回数「200」、声掛け時間「46」、投稿数「20」及び活動環境「良好」が対応付けられている。
【0058】
また、日付「10/3」、声掛け回数「140」、声掛け時間「40」、投稿数「40」及び活動環境「良好」が対応付けられ、日付「10/4」、声掛け回数「160」、声掛け時間「41」、投稿数「15」及び活動環境「良好」が対応付けられている。
【0059】
なお、活動環境については、ユーザの端末装置30からユーザがトレーニングを行う場所の写真を収集して、情報処理装置10に図示しない画像解析処理部において、活動環境の判定を行ってもよい。例えば、活動場所が整理されており、周辺に壁などの活動をさえぎる障害物がない場合は、「良好」と判定し、活動場所が整理されているが、周辺に壁がある場合は、「普通」と判定し、活動場所が整理されておらず、周辺に障害物がある場合は、「不良」と判定する。また、ユーザが活動場所の写真とともに、ユーザ環境のデータを自己申告してもよい。
【0060】
<リスクスコア>
次に、リスクスコア14dの一例を説明する。
図7は、
図3に示したリスクスコア14dの一例を示す図である。
図7に示すように、リスクスコア14dは、リスクスコア、交流頻度、活動形式、活動環境、トレーニング状況及び身体状況等が対応付けられている。怪我をするリスクが大きくなればなるほど、リスクスコアが大きくなるようにしている。
【0061】
具体的には、リスクスコア「1」に対して、交流頻度「大」、活動形式「集団形式」、活動環境「良好」、トレーニング状況「良好」及び身体状況「良好」等が対応付けられ、リスクスコア「1.1」に対して、交流頻度「中」、活動形式「集団形式」、活動環境「良好」、トレーニング状況「良好」及び身体状況「良好」等が対応付けられている。また、リスクスコア「1.2」に対して、交流頻度「小」、活動形式「集団形式」、活動環境「良好」、トレーニング状況「良好」及び身体状況「良好」等が対応付けられ、リスクスコア「4」に対して、交流頻度「大」、活動形式「集団形式」、活動環境「普通」、トレーニング状況「普通」及び身体状況「普通」等が対応付けられている。
【0062】
また、リスクスコア「6」に対して、交流頻度「大」、活動形式「集団形式」、活動環境「不良」、トレーニング状況「不良」及び身体状況「不良」等が対応付けられ、リスクスコア「4」に対して、交流頻度「大」、活動形式「対戦形式」、活動環境「良好」、トレーニング状況「良好」及び身体状況「良好」等が対応付けられている。
【0063】
また、リスクスコア「6」に対して、交流頻度「大」、活動形式「対戦形式」、活動環境「普通」、トレーニング状況「普通」及び身体状況「普通」等が対応付けられ、リスクスコア「10」に対して、交流頻度「小」、活動形式「対戦形式」、活動環境「不良」、トレーニング状況「不良」及び身体状況「不良」等が対応付けられている。
【0064】
なお、交流頻度は、ユーザ関連データ14cの声掛け回数、声掛け時間及び投稿数に基づいて「大」、「中」、「小」に区分される。例えば、1週間の声掛け回数が140回以上、1週間の声掛け時間が200分以上、又は、1週間の投稿数が140回以上であるならば、交流頻度を「大」とする。また、1週間の声掛け回数が70回~140回、1週間の声掛け時間が35分~200分、又は、1週間の投稿数が20回~140回であるならば、交流頻度を「中」とする。また、1週間の声掛け回数が70回未満、1週間の声掛け時間が35分未満、又は、1週間の投稿数が20回未満であるならば、交流頻度を「小」とする。
【0065】
活動形式は、大会の競技形式であり、「集団形式」とは複数の人数が同時に競技に参加する形式を指し、「対戦形式」とは1対1の対戦形式を指す。トレーニング状況は、ユーザ状態データ14bの走行距離、最高速度及び平均速度のデータに基づいて、総活動量を算定し、1週間の総活動量に基づいて「良好」、「普通」又は「不良」とする。また、身体状況は、ユーザ状態データ14bの血圧(平常時)、血圧(活動時)及び最高脈拍に基づいて、「良好」、「普通」及び「不良」とする。
【0066】
<端末装置30aの構成>
次に、
図2に示したユーザの端末装置30aについて説明する。
図8は、
図2に示した端末装置30aの構成を示す機能ブロック図である。なお、端末装置30bも同様の構成となる。
図8に示すように、端末装置30aは、表示操作部31と、マイク32と、スピーカ33と、通信I/F部34と、BLE送受信部35と、記憶部36と、制御部37とを有する。
【0067】
表示操作部31は、タッチパネル式液晶ディスプレイ等の入出力デバイスである。マイク32は、ユーザの音声を電気信号に変換するデバイスである。スピーカ33は、電気信号を音に変換するデバイスである。通信I/F部34は、情報処理装置10、SNSサーバ装置20、大会運営サーバ装置40及び保険契約サーバ装置50と通信を行うためのインターフェース部である。BLE送受信部35は、ユーザが身につけるリストバンド38a及びローラ装置39aとBluetooth(登録商標)通信を行うための送受信部である。
【0068】
記憶部36は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ユーザ状態データ36a及びユーザ関連データ36bを記憶する。
【0069】
制御部37は、端末装置30aの全体を制御する制御部であり、ユーザ状態データ収集部37a、ユーザ状態データ送信部37b、ユーザ関連データ収集部37c、ユーザ関連データ送信部37d及び表示制御部37eを有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザ状態データ収集部37a、ユーザ状態データ送信部37b、ユーザ関連データ収集部37c、ユーザ関連データ送信部37d及び表示制御部37eにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0070】
ユーザ状態データ収集部37aは、リストバンド38aにより取得されたユーザのバイタルデータ及びローラ装置39aにより取得されたユーザの活動データを収集する処理部であり、ユーザ状態データ36aとして記憶部36に記憶する。ユーザ状態データ送信部37bは、ユーザ状態データ36aを情報処理装置10に送信する。
【0071】
ユーザ関連データ収集部37cは、図示しないカメラによってユーザの活動場所の画像又は映像を撮像し、ユーザ関連データ36bとして記憶部に記憶する処理部である。ユーザ関連データ送信部37dは、ユーザ関連データ36bを情報処理装置10に送信する。
【0072】
表示制御部37eは、ユーザがトレーニングを行う場合に、情報処理装置10から受信した画像データを画面イメージとして表示操作部31に表示制御を行う。表示操作部31に表示される内容は、例えば、ユーザ自身の姿、他ユーザの姿、走行速度、走行距離及びコース図等が含まれる。表示操作部31に表示される画面イメージの一例については、後述する。
【0073】
<情報処理装置10の処理手順>
次に、
図2に示した情報処理装置10の処理手順について説明する。
図9は、
図2に示した情報処理装置10の処理手順を示すフローチャートである。なお、あらかじめユーザは登録されているものとする。
【0074】
図9に示すように、情報処理装置10は、ユーザ状態データ14bを端末装置30より収集する(ステップS101)。このユーザ状態データ14bには、バイタルデータ及び活動データが含まれる。情報処理装置10は、ユーザ状態データ14bを記憶部14に記憶する(ステップS102)。
【0075】
そして、情報処理装置10は、ユーザ関連データ14cをSNSサーバ装置20より収集する(ステップS103)。このユーザ関連データ14cには、他ユーザとの交流頻度データ及び活動環境データが含まれる。情報処理装置10は、収集したユーザ関連データ14cを記憶部14に記憶する(ステップS104)。
【0076】
情報処理装置10は、保険契約サーバ装置50からリスクスコアの要求の受信待ちの状態にあり(ステップS105:No)、保険契約サーバ装置50からリスクスコアの要求を受信したならば(ステップS105:Yes)、リスクスコアの算定を行う(ステップS106)。具体的には、ユーザのユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、リスクスコア14dを算定する。情報処理装置10は、算定したリスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知し(ステップS107)、処理を終了する。
【0077】
<端末装置30aの画面イメージの一例>
次に、
図2に示したユーザの端末装置30aに表示される表示の一例を説明する。
図10は、
図2に示した端末装置30aに表示される画面イメージの一例を示す図である。
図10に示すように、画面イメージは、端末装置30aの表示操作部31のメイン画面80にユーザ自身の自転車に乗っている姿が表示され、また、他ユーザの姿が表示される。そして、その他の表示事項は、日時、走行距離、速度、心拍数などを示す状態モニタ81、コースモニタ82、他ユーザ表示83a、83b、83c、緊急呼出ボタン84及び声掛けボタン85等が表示される。
【0078】
ユーザは、他ユーザ表示に表示されているユーザにマイク32を使用して声掛け可能であり、例えば声掛けボタン85を押し、次に他ユーザ表示のユーザB83aを押すとユーザBに声掛けができる。また、例えばユーザBの表示が突然消えて、声掛けにも応答しなくなった場合に、緊急呼出ボタン84を押すことにより、救急センターに通知することができる。
【0079】
上述してきたように、本実施形態1では、情報処理装置10にユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを記憶し、保険契約サーバ装置50からリスクスコアの要求を受け付けると、該ユーザ状態データ14b及び該ユーザ関連データ14cに基づいてリスクスコアを算定し、該リスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する。そして、保険契約サーバ装置50は、該リスクスコアに基づきスポーツ保険料を計算し、その保険料をユーザAに通知するように構成したので、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむことができる。
【0080】
なお、上記実施形態1では、スポーツ保険料を計算するシステムについて説明したが、リスクスコア14dに基づいて、生命保険あるいは医療保険の保険料を算定してもよい。
【0081】
<変形例>
ところで、上記実施形態1では、ユーザAによるスポーツ保険の加入申請時にスポーツ保険料を算定する場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スポーツ保険の加入申請後のトレーニング状況に応じて事後的にスポーツ保険料の算定することもできる。そこで、本変形例では、スポーツ保険の加入申請後のトレーニング状況に応じてスポーツ保険料を算定する場合について説明する。
【0082】
図11は、本変形例に係る情報処理システムの概要を説明する説明図である。
図11に示すように、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会参加のエントリをしたならば(S31)、大会運営サーバ装置40は、ユーザAのエントリを受け付け、端末装置30aに対してエントリ受付通知を送付する(S32)。ここで、ユーザAが大会に参加するためにはスポーツ保険に加入する必要があるため、保険契約サーバ装置50に対してスポーツ保険加入申請を送信する(S33)。
【0083】
その後、ユーザAは、大会に向けてトレーニングを行うが、端末装置30aはローラ装置39aより収集されたユーザAの活動データを情報処理装置10に送信するとともに(S34)、リストバンド38aにより収集されたユーザAの活動開始前、活動中及び活動後のバイタルデータを情報処理装置10に送信する(S35)。情報処理装置10は、端末装置30aから受信した活動データ及びバイタルデータをユーザ状態データとして記憶する。
【0084】
また、ユーザAが、端末装置30aを用いてSNS上ユーザコミュニティに参加して投稿を行い、他のユーザと交流を行ったならば(S36)。SNSサーバ装置20から情報処理装置10に対して他ユーザとの交流頻度データが通知される(S37)。情報処理装置10は、交流頻度データを含むユーザ関連データを記憶する。
【0085】
保険契約サーバ装置50は、例えばフィジカルeスポーツの大会の前日にスポーツ保険料が算定される。このため、保険契約サーバ装置50は、ユーザAに関するリスクスコアの要求を情報処理装置10に送信する(S38)。情報処理装置10は、リスクスコアの要求を受信したならば、ユーザ状態データ14bとユーザ関連データ14cに基づいてユーザAのリスクスコアを算定する(S39)。
【0086】
その後、情報処理装置10は、リスクスコアを保険契約サーバ装置50に通知する(S40)。保険契約サーバ装置50は、情報処理装置10からリスクスコアを受信したならば、該リスクスコアに基づいてユーザAのスポーツ保険料の算定し(S41)、算定したスポーツ保険料を端末装置30aに通知する(S42)。なお、大会運営サーバ装置40は、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会中に怪我をしたならば、事故発生情報を保険契約サーバ装置50に送付する(S43)。
【0087】
このように、本変形例に係る情報処理システムでは、ユーザAの大会直前までのユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づくリスクスコアを利用することにより、ユーザAの大会直前のデータに基づいてスポーツ保険料を算定するように構成することができる。
【0088】
[実施形態2]
ところで、上記実施形態1及び変形例では、リスクスコアに基づいて保険料を算定する場合について説明したが、リスクスコアを他のサービスに利用することも可能である。そこで、実施形態2では、リスクスコアをあらかじめ登録された情報活用者の端末装置(以下、「活用者端末」という)に送信し、フィジカルeスポーツのサービスや物品の広告の提供を行う場合を説明する。
【0089】
次に、本実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明する。
図12は、実施形態2に係る情報処理システムの概要を説明するための説明図である。
図12に示すように、端末装置30aは、ローラ装置39aにより収集されたユーザAの活動データを情報処理装置60に送信するとともに(S1)、リストバンド38aにより収集されたユーザAの活動開始前、活動中及び活動後のバイタルデータを情報処理装置60に送信する(S2)。情報処理装置60は、端末装置30aから受信した活動データ及びバイタルデータをユーザ状態データとして記憶する。
【0090】
また、ユーザAが、端末装置30aを用いてSNS上のユーザコミュニティに参加して投稿を行い、他のユーザと交流を行ったならば(S3)、SNSサーバ装置20から情報処理装置60に対して他ユーザとの交流頻度データが通知される(S4)。情報処理装置60は、交流頻度データを含むユーザ関連データを記憶する。
【0091】
その後、ユーザAがフィジカルeスポーツの大会参加のエントリをしたならば(S5)、大会運営サーバ装置40は、ユーザAのエントリを受け付け、端末装置30aに対してエントリ受付通知を送付する(S6)。
【0092】
情報処理装置60は、収集したユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、あらかじめ登録された活用者端末データ64aから、リスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを提供する活用者端末70aを選択する(S20)。そして、情報処理装置60は、リスクスコアの算定を行い(S21)、該リスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを活用者端末70aに通知する(S22)。活用者端末70aは、情報処理装置60から算定されたリスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを受信したならば、算定されたリスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、広告あるいは推奨商品データを端末装置30aに送信する(S23)。
【0093】
<情報処理システムのシステム構成>
次に、本実施形態2に係る情報処理システムのシステム構成について説明する。
図13は、
図13に示した情報処理システムのシステム構成を示す図である。
図13に示すように、この情報処理システムでは、情報処理装置60と、SNSサーバ装置20と、複数の端末装置30a、30bと、大会運営サーバ装置40と、複数の活用者端末70a、70bとがネットワークNに接続される。
【0094】
N人のユーザがフィジカルeスポーツのサービスに参加する場合には、N台の端末装置30が設けられることになるが、ここでは2台の端末装置30a、30bのみを図示した状況を示している。端末装置30aには、リストバンド38a及びローラ装置39aが無線通信で接続され、端末装置30bには、リストバンド38b及びローラ装置39bが無線通信で接続される。なお、SNSサーバ装置20、大会運営サーバ装置40、端末装置30a、リストバンド38及びローラ装置39は、実施形態1と同様のものである。
【0095】
情報処理装置60は、サービス提供会社が運営するサーバ装置又はクラウド装置であり、端末装置30からユーザのユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを収集し、あらかじめ登録された活用者端末データからリスクスコア等を提供する活用者端末70aを選択し、選択した活用者端末70aに算定したリスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを通知する。
【0096】
活用者端末70aは、情報処理装置60から通知されたリスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、ユーザに有用な広告あるいは推奨商品のデータを通知する。例えば、情報処理装置60から活動環境が「不良」であるリスクスコアを受信したならば、活動環境を改善するためのリフォームの提案を通知する。また、情報処理装置60からバイタル状態が「不良」であるリスクスコアを受信したならば、バイタルを改善するサプリメントの提案を通知する。なお、活用者端末70bも同様の処理を行う。
【0097】
<情報処理装置60の構成>
次に、情報処理装置60の構成について説明する。
図14は、
図13に示した情報処理装置60の構成を示す機能ブロック図である。なお、
図3に示した情報処理装置10と同様の機能部についての説明は省略する。
図14に示すように、情報処理装置60は、表示部11と、入力部12と、通信I/F部13と、記憶部64と、制御部65とを有する。なお、
図3と同様の部位については、同一符号を付すこととして、その詳細な説明を省略する。
【0098】
記憶部64は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、ユーザ登録データ14a、ユーザ状態データ14b、ユーザ関連データ14c、リスクスコア14d及び活用者端末データ64aを記憶する。
【0099】
活用者端末データ64aは、情報処理装置60が収集したユーザ状態データ14b、ユーザ関連データ14c及びリスクスコア14dを活用する情報活用者、カテゴリ(例えば、バイタルや活動環境等)、連絡先、電話番号等を対応付けたデータである。
【0100】
制御部65は、情報処理装置60の全体を制御する制御部であり、ユーザ登録管理部15a、ユーザ状態データ収集処理部15b、ユーザ関連データ収集処理部15c、リスクスコア算定部15d、活用者端末登録部65a、活用者端末選択処理部65b及びリスクスコア通知部65c等を有する。実際には、これらプログラムをCPUにロードして実行することにより、ユーザ登録管理部15a、ユーザ状態データ収集処理部15b、ユーザ関連データ収集処理部15c、リスクスコア算定部15d、活用者端末登録部65a、活用者端末選択処理部65b及びリスクスコア通知部65c等にそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0101】
活用者端末登録部65aは、情報処理装置60が収集するユーザ状態データ14b、ユーザ関連データ14c及びリスクスコア14dを活用する業者の端末装置を、利用カテゴリを含めて登録する処理部である。活用者端末70aを登録する場合には、入力部12から活用者端末装置70aに係る情報を入力して活用者端末データ64aとして登録し、活用者端末70aを削除する場合には、入力部12から所定の削除操作を行って活用者端末データ64aから削除する。
【0102】
活用者端末選択処理部65bは、リスクスコアを算定する場合に、例えばユーザ状態データ14bやユーザ関連データ14cに「不良」の項目が存在する場合に、該項目のカテゴリを登録している活用者端末70aを活用者端末データ64aから選択する処理部である。
【0103】
リスクスコア通知部65cは、活用者端末選択処理部65bにより選択された活用者端末70aに、算定されたリスクスコア、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cを通知する処理部である。
【0104】
<活用者端末データの一例>
次に、
図14に示した活用者端末データ64aの一例を説明する。
図15は、
図14に示した活用者端末データ64aの一例を示す図である。
図15に示すように、活用者端末データ64aは、情報活用者に対して、カテゴリ、連絡先及び電話番号等を対応付けている。ここでは、情報活用者「Aリフォーム」に対して、カテゴリ「活動環境」、連絡先「a-refo×@ab.jp」及び電話番号「03-123・・・」が対応付けられ、情報活用者「B食品」に対して、カテゴリ「バイタル」、連絡先「b.foo△@bc.com」及び電話番号「045-987・・・」が対応付けられている。
【0105】
<情報処理装置60の処理手順>
次に、情報処理装置60の処理手順について説明する。
図16は、
図14に示した情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。ここで、ユーザ登録データ14a及び情報活用者端末装置データ64aはあらかじめ登録されているものとする。
図16に示すように、情報処理装置60は、ユーザ状態データ14bを端末装置30より収集する(ステップS201)。そして、情報処理装置60は、収集したユーザ状態データ14bを記憶部64に記憶する(ステップS202)。
【0106】
そして、情報処理装置60は、ユーザ関連データ14cをSNSサーバ装置20より収集する(ステップS203)。そして、情報処理装置60は、収集したユーザ関連データ14cを記憶部64に記憶する(ステップS204)。
【0107】
そして、情報処理装置60は、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、あらかじめ登録された活用者端末データ64aを参照し、リスクスコアを通知する活用者端末70aを選択する(ステップS205)。そして情報処理装置60は、リスクスコアを算定し(ステップS206)、選択した活用者端末70aのカテゴリに基づいたユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cと算定したリスクスコアとを活用者端末70aに通知する(ステップS207)。
【0108】
上述してきたように、本実施の形態2では、情報処理装置60に記憶されたユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cに基づいて、リスクスコアを算定し、あらかじめ登録された活用者端末70aに算定されたリスクスコアと、ユーザ状態データ14b及びユーザ関連データ14cとを通知することにより、活用者端末70aにおいてユーザにリスクを低減するための広告や推奨商品の通知を行うように構成したので、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむことができる。また、eスポーツの主催者にとっては過払いリスクが低くすることができ、参加者にとっては不要に割高にならないようにすることができる。すなわち、eスポーツの主催者及び参加者のいずれの立場から見ても、合理的な保険料を算出することができる。
【0109】
なお、上記実施形態1、変形例及び実施形態2では、バイタルデータをリストバンド38から収集していたが、ユーザが利用するヘルスケアアプリから、体重、体脂肪率、食事の記録などのデータを収集してもよい。また、上記実施形態1、変形例及び実施形態2では、本発明を、自転車を使用したフィジカルeスポーツに適用した場合について説明したが、ゴルフ、テニス等の球技のフィジカルeスポーツに適用してもよい。
【0110】
さらに、フィジカルでないeスポーツ(具体的には、コンピュータゲームやビデオゲームを使った対戦)に適用することもできる。フィジカルでないeスポーツに適用する場合には、リストバンドやローラ装置といったフィジカルeスポーツ用デバイスは特に使用せず、フィジカルeスポーツ用デバイスを使った実際の動き以外の情報を収集することになる。このことにより、上記実施形態1、変形例及び実施形態2と同様に保険料を算定することができる。
【0111】
また、eスポーツ以外のスポーツに適用することもできる。eスポーツ以外のスポーツに適用する場合には、練習(トレーニング)中に実際の動きなどの情報を収集し、大会申込み時にプレイ形式などの情報を提出させることにより、上記実施形態1、変形例及び実施形態2と同様に保険料を算定することができる。
【0112】
また、実施形態1、変形例及び実施形態2では、ユーザの活動データを、ローラ装置39を用いて収集する例を説明したが、ステッィク型のコントローラ、リストバンドやシューズのインソールに埋め込んだウェアラブル型のコントローラから収集してもよい。
【0113】
上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0114】
以上のように、本発明に係る情報処理システム、情報処理装置及び情報処理方法は、eスポーツを実施するユーザのリスクを低減し、ユーザは安心してeスポーツを楽しむようにする場合に適している。
【符号の説明】
【0115】
10 情報処理装置
11 表示部
12 入力部
13 通信I/F部
14 記憶部
14a ユーザ登録データ
14b ユーザ状態データ
14c ユーザ関連データ
14d リスクスコア
15 制御部
15a ユーザ登録管理部
15b ユーザ状態データ収集処理部
15c ユーザ関連データ収集処理部
15d リスクスコア算定部
15e リスクスコア通知部
20 SNSサーバ装置
30、30a、30b 端末装置
31 表示操作部
32 マイク
33 スピーカ
34 通信I/F部
35 BLE送受信部
36 記憶部
36a ユーザ状態データ
36b ユーザ関連データ
37 制御部
37a ユーザ状態データ収集部
37b ユーザ状態データ送信部
37c ユーザ関連データ収集部
37d ユーザ関連データ送信部
37e 表示制御部
38、38a、38b リストバンド
39、39a、39b ローラ装置
40 大会運営サーバ装置
50 保険契約サーバ装置
60 情報処理装置
64 記憶部
64a 活用者端末データ
65 制御部
65a 活用者端末登録部
65b 活用者端末選択処理部
65c リスクスコア通知部
70a、70b 活用者端末
80 メイン画面
81 状態モニタ
82 コースモニタ
83a、83b、83c 他ユーザ表示
84 緊急呼出ボタン
85 声掛けボタン
N ネットワーク