(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067522
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】荷物積載率表示システム及び荷物積載率管理システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20230509BHJP
G01G 19/08 20060101ALI20230509BHJP
B65G 67/04 20060101ALI20230509BHJP
B60P 5/00 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
G01G19/08 Z
B65G67/04
B60P5/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178854
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】501418498
【氏名又は名称】矢崎エナジーシステム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 啓之
(72)【発明者】
【氏名】村松 義夫
【テーマコード(参考)】
3F076
5L049
【Fターム(参考)】
3F076AA02
3F076CA07
3F076GA10
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】様々な荷物を運送する各車両における積載率の適切な管理を容易にする。
【解決手段】各車両に搭載した車載器20は、容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3をそれぞれ測定して把握し、これらの積載率を同時に表示する。運送対象の様々な種類の荷物の中に重ね積ができない荷物や、重量の大きい荷物などが混在する場合でも、現在の積荷の状況の傾向などを作業者等が把握することが容易になり、運送効率を改善するために追加する荷物の適切な選択が容易になる。サーバを用いて複数の車両の積載率を集中的に管理する。サーバは、求車・求荷システムと連携し、追加する候補荷物の中から運送効率を改善するために適切な荷物を自動的に選択する。面積専有状態検出部11は車載カメラ又は測距センサを含み、容積専有状態検出部12は車載カメラ又は測距センサを含み、積載重量検出部13は車軸の荷重を検出する歪ゲージを含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の荷台に搭載された荷物の積載状況を報知するための荷物積載率表示システムであって、
特定の車両の荷室に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率として算出する容積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率として算出する面積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率として算出する重量積載率算出部と、
前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率のうち2つ以上の情報を同時に出力する出力制御部と、
を備える荷物積載率表示システム。
【請求項2】
前記容積積載率算出部は、前記荷室に積載された積載物全体を撮影する荷室カメラ、及び/又は前記荷室に積載された積載物各部の距離を測定する第1測距センサを含み、
前記面積積載率算出部は、前記荷台の積載された積載物全体を前記荷台の上方から撮影する荷台カメラ、及び/又は前記荷台に積載された積載物各部の距離を前記荷台の上方から測定する第2測距センサを含む、
請求項1に記載の荷物積載率表示システム。
【請求項3】
前記出力制御部は、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率のそれぞれの情報を、グラフ及び数値の両方の表示形態で同時に表示する、
請求項1又は請求項2に記載の荷物積載率表示システム。
【請求項4】
複数の車両のそれぞれについて、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率の情報を集中的に収集して管理するサーバを備える、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の荷物積載率表示システム。
【請求項5】
特定の車両の荷室に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率として算出する容積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率として算出する面積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率として算出する重量積載率算出部と、
積載先の車両が未定の荷物を表す候補荷物のデータを取得する荷物データ取得部と、
前記荷物データ取得部が取得した複数の候補荷物のデータの中から、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率に基づいて、特定の候補荷物を自動的に選定する荷物選定部と、
前記荷物選定部が選定した特定の候補荷物の情報を前記車両に対応付けて通知する荷物情報通知部と、
を備える荷物積載率管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物を運送するトラック等の車両の荷台や荷室に搭載される荷物を管理するために利用可能な荷物積載率表示システム及び荷物積載率管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の車両を用いて様々な荷物を業務として日常的に運送する貨物自動車運送業においては、輸送の効率を向上することが望まれている。トラック等の車両における輸送効率の指標の1つとして、積載率が用いられている。一般的な積載率は、トラックの最大積載重量に対して実際に積載した貨物の重量の比率を表す。つまり、積載率は数値が高いほど輸送効率が良いことを意味する。
【0003】
一方、例えば特許文献1は、ダンプトラックの荷台に積載された荷物の積載体積を正確に計測する荷台積載体積計測装置を開示している。具体的には、所定の視差を持たせた多眼カメラを用いて、ダンプトラックのベッセル内に積載された土を撮像する。また、2つの撮像画像から視差を用いて距離情報をもった画像に変換する。
【0004】
また、特許文献2は、周辺監視用のモニタ画面を用いて、運転者に直感的に積荷状態を認識可能にするダンプトラックの積載量表示装置を開示している。具体的には、ダンプトラックの画像を含む俯瞰画像を表示するモニタと、ダンプトラックの積載量を検知するペイロードメータECUと、検知結果の積載量に基づいて画像表示される積荷画像C1の大きさを切り換えてモニタに表示させるコントローラを示している。
【0005】
また、特許文献3は、配送先での荷卸し方向に応じて適切な位置に荷物を積載して、荷卸し作業を効率化するため積載位置指示装置を開示している。具体的には、配送情報、荷卸し情報及び荷物情報に基づいて、複数の荷物の各積載位置を指示する積載指示情報を算出し、積載指示情報に基づいて第一荷物の積載位置を指示し、荷重センサの出力に基づいて第一荷物が積載された位置を検出し、第一荷物が指示された積載位置に積載されたか否かを判断する。積載位置指示装置は、第一荷物が指示された積載位置に積載された場合に、第二荷物の積載位置を指示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平11-211438号公報
【特許文献2】特開2012-250694号公報
【特許文献3】特開2021-11328号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
トラックは、車両毎に最大積載重量が予め定められている。したがって、荷物をトラックに積載する場合には、一般的には積載する荷物の総重量が最大積載重量を超えない範囲内で、なるべく多くの荷物を積載することで輸送の効率を改善することが可能である。また、特許文献1又は特許文献2のようにカメラで撮影した画像に基づいて荷物の積載体積を把握することも可能である。
【0008】
しかしながら、貨物自動車運送業においてトラックで輸送する荷物の種類は様々であり、各荷物の単位体積あたりの重量は大きく異なる。また、2段以上の重ね積みができない背の低い特殊な荷物もある。
【0009】
したがって、カメラで撮影した画像や、作業者の目視に基づく積載体積から判断可能な積載率に十分な余裕がある場合でも、実際に積載した荷物の総重量が車両の最大積載重量に近く、それ以上の積載ができない可能性もある。また、重ね積みができない背の低い荷物を車両に積載してある場合には、積載体積から判断可能な現在の積載率にまだ余裕があってもそれ以上の荷物を積載できない可能性もある。
【0010】
また、様々な荷主の様々な種類の荷物を扱う貨物自動車運送業者の場合は、広い範囲に分散して配置された多数の拠点を有している場合が多い。そして、それぞれのトラックは多数の拠点の間を順次に移動しながら、各拠点で一部又は全ての荷物の荷下ろしを行ったり新たな荷物の荷積みを行う場合もある。このような各拠点での荷下ろし及び荷積みの際に積載率を適切に管理することで輸送の効率化を促進できる。しかし、様々な種類の荷物があるので、積載率を適切に管理することは難しい。
【0011】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、様々な荷物を輸送する各車両における積載率の適切な管理を容易にするために役立つ荷物積載率表示システム及び荷物積載率管理システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る上記目的は、下記構成により達成される。
【0013】
車両の荷台に搭載された荷物の積載状況を報知するための荷物積載率表示システムであって、
特定の車両の荷室に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率として算出する容積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率として算出する面積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率として算出する重量積載率算出部と、
前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率のうち2つ以上の情報を同時に出力する出力制御部と、
を備える荷物積載率表示システム。
【0014】
特定の車両の荷室に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率として算出する容積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率として算出する面積積載率算出部と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率として算出する重量積載率算出部と、
積載先の車両が未定の荷物を表す候補荷物のデータを取得する荷物データ取得部と、
前記荷物データ取得部が取得した複数の候補荷物のデータの中から、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率に基づいて、特定の候補荷物を自動的に選定する荷物選定部と、
前記荷物選定部が選定した特定の候補荷物の情報を前記車両に対応付けて通知する荷物情報通知部と、
を備える荷物積載率管理システム。
【発明の効果】
【0015】
本発明の荷物積載率表示システム及び荷物積載率管理システムは、様々な荷物を輸送する車両の積載率を適切に管理するために役立てることができる。
【0016】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】
図1は、本発明の実施形態に係る荷物積載率表示システムの構成概要を表すブロック図である。
【
図2】
図2は、荷物積載率表示システムに含まれる車載器の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図3(a)は、トラックの荷台上に搭載された積荷の例を示す平面図、
図3(b)はトラックの荷室内に収容された積荷の例を示す斜視図、
図3(c)はトラックの荷室内に収容された積荷の例を示す正面図、
図3(d)はトラックの車軸に搭載した歪ゲージの配置例を示す平面図である。
【
図4】
図4(a)及び
図4(b)は、それぞれ異なる車両における積載率の表示例を示す正面図である。
【
図5】
図5は、本発明の実施形態に係る荷物積載率管理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図6】
図6は、荷物積載率管理システムのサーバにおける特徴的な動作手順の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0019】
図1は、本発明の実施形態に係る荷物積載率表示システム50の構成概要を表すブロック図である。
【0020】
図1に示した荷物積載率表示システム50は、トラックなどの複数の車両10(10-1、10-2、10-3、・・・)を利用して様々な種類の荷物を運送する運送業者が使用するための機能を有している。
【0021】
運送業者の顧客は、運送業者が管理している求車・求荷システム42に対して顧客端末43からアクセスし荷物の運送を依頼することができる。また、顧客は、それぞれの荷物の荷物データ44を顧客端末43から求車・求荷システム42に入力することができる。
【0022】
荷物データ44は、荷物毎の寸法、重量、重ね積可否などの情報を含んでいる。例えば、顧客が壊れやすい荷物の運送を運送業者に依頼する場合には、重ね積を禁止する情報を含む荷物データ44を入力することで、輸送品質を高め、運送に伴う荷物の損傷を防止することが容易になる。
【0023】
求車・求荷システム42は、各顧客から依頼された荷物を運送するために利用可能な車両10の割り当てを荷物積載率表示システム50に対して要求する。荷物積載率表示システム50は、求車・求荷システム42の要求に従い、運送業者が管理している様々な拠点、配送元および配送先の各地点で利用可能な車両10の割り当てを荷物毎に実施することができる。
【0024】
図1に示した荷物積載率表示システム50は、各車両10を管理するサーバ30を備えている。サーバ30は、例えば所定のデータセンタに配置され、インターネットと接続されている。各車両10は、実際の荷物の積載率を表示する機能を備えた車載器20をそれぞれ搭載している。また、各車載器20は、無線通信機能を有し、公共の無線通信回線およびインターネットを経由して各車載器20とサーバ30との間でデータ通信することができる。
【0025】
管理用端末41は、運送業者の企業内の事務所等に配置され、企業内の管理者が利用可能となっている。また、管理用端末41は、インターネットを経由してサーバ30と接続されている。管理者は、管理用端末41を利用してサーバ30の機能を利用することができ、各車両10の状態や各荷物の状態を管理することができる。
【0026】
図2は、荷物積載率表示システム50に含まれる車載器20の構成例を示すブロック図である。
図2に示した車載器20を搭載する各車両10は、面積専有状態検出部11、容積専有状態検出部12、及び積載重量検出部13を備えている。また、面積専有状態検出部11、容積専有状態検出部12、及び積載重量検出部13の出力する信号がそれぞれ車載器20に入力される。
【0027】
面積専有状態検出部11は、各車両10の荷台において、実際に搭載された荷物の全体が専有している面積の状況を検出するための機能を有している。具体的には、広い範囲の全体を撮影可能な車載カメラを荷台の天井に設置することで、荷台上に配置されている荷物の状況を表す平面画像を得ることができ、この平面画像のデータを解析することで荷台全体の面積の中で荷物が専有している領域と、荷物が存在しない領域とを区別することが可能になる。
【0028】
また、大型のトラックのように荷台が比較的広い又は長い場合には、荷台の天井の互いに異なる場所に複数の車載カメラを配置することが想定される。これにより、広い荷台の面積の全域について、荷物が専有している領域と、荷物が存在しない領域とを区別することが可能になる。
【0029】
また、面積積載率取得部31の車載カメラの代わりに、側距センサが荷台の天井に配置されていてもよい。その場合は、側距センサが検出した距離の違いにより荷物の有無を識別できるので、側距センサの検出方向を荷台の領域全体に亘って二次元走査することで、荷物が専有している領域と、荷物が存在しない領域とを区別することが可能になる。例えば、LiDAR(light detection and ranging)などの側距センサは検出方向を走査できるので、荷台の領域毎に荷物の有無を識別可能である。
【0030】
一方、容積専有状態検出部12は、各車両10の荷室の三次元空間において、実際に搭載された荷物の全体が専有している容積の状況を検出するための機能を有している。具体的には、広い範囲の全体を撮影可能な複数の車載カメラを荷室天井の側方に配置して斜め方向から荷物を撮影すると共に、複数の車載カメラを間隔をあけて設置することで、荷室内に搭載されている荷物全体の状況を互いに異なる場所から撮影した複数の平面画像を得ることができる。
【0031】
また、互いに異なる場所から同時に撮影した複数の平面画像の間には視差の影響による違いが含まれているので、複数の平面画像のデータを統合して解析することで荷室内の三次元空間を専有している荷物全体の状況を立体的に把握することができる。すなわち、荷室内の領域毎の距離およびその違いを表す立体的な分布状態に基づいて、荷物が専有している領域の容積を特定することが可能である。
【0032】
また、容積積載率取得部32の車載カメラの代わりに、複数の側距センサが荷室の天井側方に互いに間隔を空けて配置されていてもよい。その場合は、複数の側距センサのそれぞれの位置で検出した距離の違いと、センサ位置の違いとに基づいて、三次元空間における各荷物の表面位置の座標を算出できる。また、各側距センサの検出方向を荷室の領域全体に亘って順次に走査することで、荷物が専有している領域と、荷物が存在しない領域との三次元空間の座標を特定することができ、荷物全体の容積の把握が可能になる。例えば、容積積載率取得部32にLiDARなどの側距センサを用いることで、荷室のほぼ全域に亘って検出方向を走査し、荷物全体の容積を測定することができる。
【0033】
一方、積載重量検出部13は、各車両10の荷台に実際に搭載された荷物全体の重量を検出する機能を有している。具体的には、後述するように車両10の車軸に取り付けられた複数の歪ゲージにより各車輪の部位に加わる荷重の変化を検出し、荷物全体の重量を把握するものである。この積載重量検出部13は、例えばLoad Indicatorと呼称される。
【0034】
図2に示すように、車載器20は、面積積載率算出部21、容積積載率算出部22、重量積載率算出部23、車両情報保持部24、積載率通知部25、表示部26、操作部27、及び無線通信部28を備えている。
【0035】
面積積載率算出部21は、面積専有状態検出部11が検出した面積専有状態の情報D2、および車両固有の面積最大値C2に基づいて、次式により面積積載率R2を算出する。
R2=D2/C2 ・・・(1)
【0036】
容積積載率算出部22は、容積専有状態検出部12が検出した容積専有状態の情報D1、および車両固有の容積最大値C1に基づいて、次式により容積積載率R1を算出する。
R1=D1/C1 ・・・(2)
【0037】
重量積載率算出部23は、積載重量検出部13が検出した積載重量の情報D3、および車両固有の最大積載重量C3に基づいて、次式により重量積載率R3を算出する。
R3=D3/C3 ・・・(3)
【0038】
車両情報保持部24は、不揮発性メモリにより構成され、容積最大値C1、面積最大値C2、および最大積載重量C3の情報を保持している。車両情報保持部24が保持する容積最大値C1、面積最大値C2、および最大積載重量C3は、この車載器20を搭載した車両10に固有の定数であり、それぞれ車両の種類に合わせて事前に決定され、車両情報保持部24に登録される。
【0039】
積載率通知部25は、測定により得られた容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の情報を荷積みを行う作業者や企業の管理者に対して通知する機能を有している。積載率通知部25が通知する容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の情報は、グラフ及び数値の形式で同時に表示部26の画面上に表示される。また、容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の情報は、サーバ30を経由して管理用端末41の画面にも表示される。
【0040】
表示部26は、液晶表示器などで構成される二次元画面を有し、文字、図形、画像などを積載率通知部25の制御により表示することができる。表示部26の画面は、車両10の運転室10c内で運転者等が視認しやすい部位や、荷台10aの後部などで荷積みする作業者等が視認しやすい部位に配置される。
【0041】
操作部27は、運転者や作業者等が操作可能な1つ以上のボタンを有している。このボタンを運転者や作業者等が操作することで、積載率の測定開始や表示切り替えなどの指示を積載率通知部25に与えることができる。操作部27は、車両10の運転室10c内で運転者等が視認しやすい部位や、荷台10aの後部などで荷積みする作業者等が視認しやすい部位に配置される。
【0042】
無線通信部28は、例えばLTE(Long Term Evolution)などの通信規格に対応した無線通信機能を有し、公衆の移動体通信網の無線基地局を経由してインターネット上のサーバ30との間でデータ通信を行うことができる。このデータ通信により、無線通信部28は、容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の情報や、自車両の現在位置、目的地などを自車両を特定可能な情報と共にサーバ30に送信することができる。自車両の現在位置(緯度/経度)は、例えばGPS(Global Positioning System)受信機を利用することで必要に応じて取得できる。
【0043】
トラックの荷台10a上に搭載された積荷15の平面レイアウトの例を
図3(a)に示す。
【0044】
図3(a)に示した例では、平面形状が矩形の荷台10a全体の領域のうち一部分の面積を多数の荷物の集合である積荷15が専有している。つまり、荷台10aにおける面積積載率R2がその最大値(100%)に比べて十分に小さいので、まだ荷物を積載可能な面積に余裕がある。すなわち、矩形の荷台10a全体の領域のうち積荷15がまだ専有していない残りの領域に、追加で新たな荷物を積載することが可能である。
【0045】
図3(a)のような平面の状況は、例えば荷台10aの天井側の部位に配置した1つ以上の車載カメラを用いて荷台10aの全域を撮影した画像に基づいて把握することが可能である。車載カメラの代わりに走査型の測距センサを利用することもできる。
【0046】
例えば、荷物の特性や荷主の要望などにより、複数の荷物を上下に積み重ねた状態で荷台10a上に搭載することが禁止される場合がある。そのような荷物をトラックに搭載する場合には、
図3(a)のような状況を検出して、面積積載率R2を把握することが重要である。
【0047】
トラックの荷室10b内に収容された積荷15の立体的なレイアウトの例を
図3(b)に示す。
【0048】
図3(b)に示した例では、箱形、すなわち直方体形状の荷室10bの三次元空間のうち一部分の容積を多数の荷物の集合である積荷15が専有している。つまり、荷室10bにおける容積積載率R1がその最大値(100%)に比べて十分に小さいので、まだ荷物を積載可能な容積に余裕がある。すなわち、箱形の荷室10b全体の立体空間のうち積荷15がまだ専有していない残りの空間に、追加で更に新たな荷物を積載することが可能である。
【0049】
図3(b)のような空間の状況は、例えば荷室10bの天井に近い側方の部位に互いに間隔を空けて配置した複数の車載カメラを用いて荷台10aの全域を撮影した画像に基づいて把握することが可能である。車載カメラの代わりに走査型の測距センサを利用することもできる。
【0050】
例えば、比較的重量が軽く、上下方向の積み重ねに特に制限がないような多数の荷物を荷室10bに搭載する場合には、荷室10bの床面から天井までの全域を荷物が専有するように複数の荷物を上下方向に積み重ねることで、荷物運送の効率を上げることが容易になる。すなわち、荷室10bの限られた容積を効率よく利用して、1回の輸送で大量の荷物を同時に運送できる。
【0051】
トラックの荷室10b内に収容された積荷15を正面側から視た例を
図3(c)に示す。また、トラックの車軸に搭載した歪ゲージの平面配置例を
図3(d)に示す。
【0052】
トラックなどの車両においては、車両毎に固有の「最大積載重量」が事前に決められている。したがって、重量の大きい荷物を運送する場合には、車両10の荷室10bに実際に搭載した積荷15全体の重量が「最大積載重量」を超えないように、すなわち重量積載率R3が最大値(100%)以下になるように制限する必要がある。
【0053】
図3(c)、
図3(d)に示した例では、車両10が3つの車軸19A、19B、及び19Cと、6つの車輪16L、16R、17L、17R、18L、及び18Rを有する場合を想定している。
【0054】
図3(c)に示すように、積荷15全体の重量の影響は、各車輪16L、16R、17L、17R、18L、及び18Rに加わる荷重の変化として検出することが可能である。そこで、本実施形態では
図3(d)に示すように車軸19A、19B、及び19Cに6個の歪ゲージ13a、13b、13c、13d、13e、及び13fを貼り付けてある。
【0055】
これらの歪ゲージ13a、13b、13c、13d、13e、及び13fは、それぞれ各車輪16L、16R、17L、17R、18L、及び18Rに加わる荷重の影響で各車軸19A、19B、19Cに発生する歪みを検出することができる。
【0056】
運転室10cに設置されている車載器20は、各歪ゲージ13a~13fが検出した歪みの空荷状態に対する差分を総合的に分析することで、積荷15全体の重量を把握することができる。
【0057】
図4(a)及び
図4(b)は、それぞれ異なる車両における積載率の表示例を示す正面図である。
図1に示した荷物積載率表示システム50においては、各々の車載器20が自車両における積載率の情報を表示部26を用いて
図4(a)、
図4(b)のように表示することができる。また、管理用端末41は各車載器20が計測した積載率の情報をサーバ30を経由して受け取り、
図4(a)、
図4(b)のように表示することができる。
【0058】
図4(a)に示した表示例では、「車両1」において計測された積載率の情報が同じ画面上に含まれるグラフ表示部61A及び数値表示部62Aに同時に表示される。グラフ表示部61Aは面積積載率グラフ61a、容積積載率グラフ61b、及び重量積載率グラフ61cの3種類の棒グラフを含んでいる。また、数値表示部62Aは面積積載率数値62a、容積積載率数値62b、及び重量積載率数値62cの3種類の数値を含んでいる。
【0059】
同様に、
図4(b)に示した表示例では「車両2」において計測された積載率の情報が同じ画面上に含まれるグラフ表示部61B及び数値表示部62Bに同時に表示される。グラフ表示部61Bは面積積載率グラフ61a、容積積載率グラフ61b、及び重量積載率グラフ61cの3種類の棒グラフを含んでいる。また、数値表示部62Bは面積積載率数値62a、容積積載率数値62b、及び重量積載率数値62cの3種類の数値を含んでいる。
【0060】
図4(a)のような情報が表示される状態では、「車両1」において容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3のいずれも最大値の100%に比べて余裕があり、更に別の荷物を追加搭載することで運送効率を向上できることが分かる。また、
図4(a)の例では容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3の中で重量積載率R3が最も大きいので、重量に比べて専有する容積又は面積が比較的大きい荷物を優先的に選択して「車両1」の荷物に追加搭載することで、重量積載率R3が最大値を超過するのを防止しやすいことが分かる。
【0061】
一方、
図4(b)のような情報が表示される状態においても、「車両2」において容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3のいずれも最大値の100%に比べて余裕があり、更に別の荷物を追加搭載することで運送効率を向上できることが分かる。また、
図4(b)の例では容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3の中で面積積載率R2が最も大きいので、専有する面積に比べて重量又は容積が比較的大きい荷物を優先的に選択して「車両2」の荷物に追加搭載することで、面積積載率R2が最大値を超過するのを防止しやすいことが分かる。
【0062】
つまり、
図4(a)、
図4(b)のように表示することで、各車両に荷物を積載する作業者や管理用端末41で状況を監視する管理者は、各車両の積載率がその上限を超過することなく、しかも運送効率を向上するように追加する荷物の種類や数を選定することが容易になる。
【0063】
図5は、本発明の実施形態に係る荷物積載率管理システム60の構成例を示すブロック図である。
【0064】
図5に示した荷物積載率管理システム60は、前述の荷物積載率表示システム50と同様に、容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3を測定する機能を有する車載器20を各車両10が搭載している。また、荷物積載率管理システム60のサーバ30は、求車・求荷システム42と連携し、各車両10に搭載する荷物を自動的に選定するための特別な機能を備えている。
【0065】
すなわち、
図5に示したサーバ30は、面積積載率取得部31、容積積載率取得部32、重量積載率取得部33、車両情報保持部34、荷物データ取得部35、及び追加荷物選択部36を備えている。
【0066】
面積積載率取得部31は、面積積載率R2の情報を複数の車両10の車載器20からそれぞれ取得する。容積積載率取得部32は、容積積載率R1の情報を複数の車両10の車載器20からそれぞれ取得する。重量積載率取得部33は、重量積載率R3の情報を複数の車両10の車載器20からそれぞれ取得する。
【0067】
車両情報保持部34は、管理対象の複数の車両10のそれぞれについて、その車両固有の事前に定めた情報、すなわち最大積載重量、荷台10aの面積、荷室10bの容積などの情報を保持している。また、車両情報保持部34は車両10毎の現在位置や目的地などの情報も逐次取得して保持し管理することができる。
【0068】
荷物データ取得部35は、各車両10に現在位置、又は運行経路上の各拠点で搭載する可能性のある新たな候補荷物の荷物データ44を求車・求荷システム42から取得する。この荷物データ44は、荷物毎の寸法、重量、重ね積可否などの情報を含んでいる。
【0069】
追加荷物選択部36は、荷物データ取得部35が求車・求荷システム42から取得した複数の候補荷物の荷物データ44の中から、各車両10に追加搭載すべき適切な荷物を自動的に選択する特別な機能を有している。この機能については後で詳細に説明する。
【0070】
追加荷物選択部36が選択した各荷物とそれを割り当てた特定の車両10との対応関係を表す情報は、追加荷物選択部36から管理用端末41、求車・求荷システム42、及び該当する車両10の車載器20に送信される。
【0071】
したがって、各車両10に新たな荷物を積み込む作業者は、自動的に選択された荷物の情報をサーバ30又は求車・求荷システム42から受け取って、該当する荷物を車両10に積み込む作業を容易に行うことができる。また、求車・求荷システム42はサーバ30から受け取る情報により、それぞれの荷物とそれを運送する車両10との対応関係を把握できる。また、管理者はサーバ30が選択したそれぞれの荷物とそれを運送する車両10との対応関係を表す情報を積載率と共に管理用端末41上で確認できる。
【0072】
図6は、荷物積載率管理システム60のサーバ30における特徴的な動作手順の例を示すフローチャートである。すなわち、
図5に示したサーバ30が
図6に示した動作手順を実行する。
図6に示した動作について以下に説明する。
【0073】
サーバ30の容積積載率取得部32は、各車両10において測定された容積積載率R1の情報を車載器20から取得する(S11)。また、面積積載率取得部31は、各車両10で測定された面積積載率R2の情報を車載器20から取得する(S12)。重量積載率取得部33は、各車両10で測定された重量積載率R3の情報を車載器20から取得する(S13)。
【0074】
追加荷物選択部36は、各車両10から取得した容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の中から、それらの最大値を最大積載率Rmaxとして決定する(S14)。
【0075】
それぞれの車両10において、最大積載率Rmaxが最大値(100%)に対して十分に余裕がある場合には、S15からS16の処理に進む。そして、荷物データ取得部35が求車・求荷システム42から各車両10に追加搭載可能な荷物候補のデータを取得して追加荷物選択部36に渡す。
【0076】
追加荷物選択部36は、容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3の中で容積積載率R1が最大の場合には、S17からS18の処理に進む。そして、荷物割り当て対象の車両10における荷室10b容積の許容範囲内(R1≦100%)で、複数の荷物候補の中から容積が小さい荷物を優先する条件で、追加する荷物を自動的に選択する(S18)。
【0077】
追加荷物選択部36は、容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3の中で面積積載率R2が最大の場合には、S19からS20の処理に進む。そして、荷物割り当て対象の車両10における荷台10a面積の許容範囲内(R2≦100%)で、複数の荷物候補の中から面積が小さい荷物を優先する条件で、追加する荷物を自動的に選択する(S20)。
【0078】
追加荷物選択部36は、容積積載率R1、面積積載率R2、重量積載率R3の中で重量積載率R3が最大の場合には、S19からS21の処理に進む。そして、荷物割り当て対象の車両10における最大積載重量の範囲内(R3≦100%)で、複数の荷物候補の中から重量が小さい荷物を優先する条件で、追加する荷物を自動的に選択する(S21)。
【0079】
サーバ30は、例えば定期的に、又は求車・求荷システム42から求車の要求が発生した場合に、あるいは各車両10の荷下ろし作業などに伴って各車両10の積載率に余裕ができたような場合に
図6に示した処理を繰り返し実施する。そして、サーバ30は、求車・求荷システム42が要求した全ての荷物について車両10への割り当てが完了した場合や、追加で荷物を搭載可能な車両がなくなったような場合に、S22で処理終了とみなして
図6の処理を終了する。
【0080】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0081】
例えば、上述の実施形態においては、各車載器20の内部で容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の計算をそれぞれ実施しているので、荷物積載率表示システム50は、サーバ30を利用せずに車載器20単独で容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3を表示することもできる。また、サーバ30を利用する場合には、面積積載率算出部21、容積積載率算出部22、及び重量積載率算出部23の機能をサーバ30側に配置し、容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3の計算処理をサーバ30の内部で行うこともできる。その場合は、面積専有状態検出部11、容積専有状態検出部12、及び積載重量検出部13が検出した結果をデータ通信により各車載器20からサーバ30に送信すれば良い。
【0082】
以上のように、本実施形態に係る荷物積載率表示システム50は、各車両の車載器20や管理用端末41は車両毎の容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3を同時に表示することができる。したがって、新たに運送する荷物を追加で車両に搭載するような場合に、適切な荷物を許容範囲を超えない範囲で選択する作業が容易になる。
【0083】
例えば、積荷15に重ね積ができない荷物が含まれる場合には、
図4(b)に示す例のように面積積載率R2が大きくなる可能性が高い。その場合は、荷積みを行う作業者は
図4(b)のような表示内容を考慮して、空いている荷台10aの領域に比較的重量の大きい荷物を優先的に追加配置することで、運送効率を上げることが容易になる。また、積荷15に重量の大きい荷物が多く含まれている場合には、4(a)に示す例のように重量積載率R3が大きくなる可能性が高い。その場合は、荷積みを行う作業者は
図4(a)のような表示内容を考慮して、空いている荷台10aの領域又は荷室10bの空間に比較的重量が小さく専有する面積又は容積が大きい荷物を優先的に追加配置することで、運送効率を上げることが容易になる。
【0084】
また、
図5に示した荷物積載率管理システム60を用いる場合には、各車両の容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3に余裕がある場合に、運送効率を上げるために効果的な特性(重量、専有面積、専有容積など)を有する追加対象の荷物をサーバ30が自動的に選択できるので、作業者や管理者の負担を軽減することが容易になる。
【0085】
ここで、上述した本発明の実施形態に係る荷物積載率表示システム及び荷物積載率管理システムの特徴をそれぞれ以下[1]~[5]に簡潔に纏めて列記する。
[1] 車両の荷台に搭載された荷物の積載状況を報知するための荷物積載率表示システムであって、
特定の車両(10)の荷室(10b)に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率(容積積載率R1)として算出する容積積載率算出部(22)と、
前記車両の荷台(10a)に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率(面積積載率R2)として算出する面積積載率算出部(21)と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率(重量積載率R3)として算出する重量積載率算出部(23)と、
前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率のうち2つ以上の情報を同時に出力する出力制御部(積載率通知部25)と、
を備える荷物積載率表示システム(50)。
【0086】
上記[1]の構成の荷物積載率表示システムによれば、各車両に拠点等で積み込む荷物を追加するような場合に、積載率の許容値を超えない範囲で運送効率を上げるために効果的な荷物を選択する際の判断が容易になる。特に、重ね積ができない特性の荷物や、重量が大きい荷物が存在する場合でも、作業者等はより適切な荷物を容易に選択できる。
【0087】
[2] 前記容積積載率算出部は、前記荷室に積載された積載物全体を撮影する荷室カメラ、及び/又は前記荷室に積載された積載物各部の距離を測定する第1測距センサ(容積専有状態検出部12)を含み、
前記面積積載率算出部は、前記荷台の積載された積載物全体を前記荷台の上方から撮影する荷台カメラ、及び/又は前記荷台に積載された積載物各部の距離を前記荷台の上方から測定する第2測距センサ(面積専有状態検出部11)を含む、
上記[1]に記載の荷物積載率表示システム。
【0088】
上記[2]の構成の荷物積載率表示システムによれば、荷室カメラ、又は第1測距センサを用いることにより、車両の荷室に積載された積載物全体の容積を把握するために必要な情報を得ることができる。また、荷台カメラ、又は第2測距センサを用いることにより、車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を把握するために必要な情報を得ることができる。
【0089】
[3] 前記出力制御部は、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率のそれぞれの情報を、グラフ及び数値の両方の表示形態で同時に表示する(
図4参照)、
上記[1]又は[2]に記載の荷物積載率表示システム。
【0090】
上記[3]の構成の荷物積載率表示システムによれば、追加する荷物を選択する作業者等は、表示された内容から、現在の荷物積載状況の傾向の違い(重量物が多い、軽い荷物が多い、重ね積できない荷物が多いなど)、及び追加可能な荷物の特性(寸法、重量など)を把握することが容易になる。
【0091】
[4] 複数の車両のそれぞれについて、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率の情報を集中的に収集して管理するサーバ(30)を備える、
上記[1]から[3]のいずれかに記載の荷物積載率表示システム。
【0092】
上記[4]の構成の荷物積載率表示システムによれば、サーバを用いて複数の車両の荷積み状況の情報を集中的に管理できるので、追加する各荷物の運送に割り当てる車両の選択が容易になる。
【0093】
[5] 特定の車両の荷室に積載された積載物全体の容積を測定し、前記荷室に対して積載物全体が専有する容積の比率を第1積載率(容積積載率R1)として算出する容積積載率算出部(22)と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体が専有する面積を測定し、前記荷台に対して積載物全体が専有する面積の比率を第2積載率(面積積載率R2)として算出する面積積載率算出部(21)と、
前記車両の荷台に積載された積載物全体の荷重を測定し、前記荷重と前記車両が許容する車両固有の最大積載重量とに応じた重量の比率を第3積載率(重量積載率R3)として算出する重量積載率算出部(23)と、
積載先の車両が未定の荷物を表す候補荷物のデータを取得する荷物データ取得部(35)と、
前記荷物データ取得部が取得した複数の候補荷物のデータの中から、前記第1積載率、前記第2積載率、及び前記第3積載率に基づいて、特定の候補荷物を自動的に選定する荷物選定部(追加荷物選択部36)と、
前記荷物選定部が選定した特定の候補荷物の情報を前記車両に対応付けて通知する荷物情報通知部(追加荷物選択部36)と、
を備える荷物積載率管理システム(60)。
【0094】
上記[5]の構成の荷物積載率管理システムによれば、各車両の容積積載率R1、面積積載率R2、及び重量積載率R3に余裕がある場合に、運送効率を上げるために効果的な特性(重量、専有面積、専有容積など)を有する追加対象の荷物を自動的に選択できるので、作業者や管理者の負担を軽減できる。
【符号の説明】
【0095】
10,10-1,10-2,10-3 車両
10a 荷台
10b 荷室
10c 運転室
11 面積専有状態検出部
12 容積専有状態検出部
13 積載重量検出部
13a,13b,13c,13d,13e,13f 歪ゲージ
15 積荷
16L,16R,17L,17R,18L,18R 車輪
19A,19B,19C 車軸
20 車載器
21 面積積載率算出部
22 容積積載率算出部
23 重量積載率算出部
24 車両情報保持部
25 積載率通知部
26 表示部
27 操作部
28 無線通信部
30 サーバ
31 面積積載率取得部
32 容積積載率取得部
33 重量積載率取得部
34 車両情報保持部
35 荷物データ取得部
36 追加荷物選択部
41 管理用端末
42 求車・求荷システム
43 顧客端末
44 荷物データ
50 荷物積載率表示システム
60 荷物積載率管理システム
61A,61B グラフ表示部
61a 面積積載率グラフ
61b 容積積載率グラフ
61c 重量積載率グラフ
62A,62B 数値表示部
62a 面積積載率数値
62b 容積積載率数値
62c 重量積載率数値
R1 容積積載率
R2 面積積載率
R3 重量積載率
Rmax 最大積載率