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特開2023-67546検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067546
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/956 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
G01N21/956 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178909
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】角田 耕一
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 祥平
【テーマコード(参考)】
2G051
【Fターム(参考)】
2G051AA65
2G051AB14
2G051AC04
2G051BA01
2G051BB03
2G051BB05
2G051BC01
2G051CA04
2G051CB01
2G051CB05
2G051EA11
2G051EB01
2G051EC01
(57)【要約】
【課題】 曲面を有する物体の検出精度を向上させることができる検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】 検査システムIS1において、画像取得部41は、第1光L1が照射されているときに生成された第1撮像画像のデータ、及び第2光L2が照射されているときに生成された第2撮像画像のデータを取得する。判定部42は、第1撮像画像に基づいて、回路基板9にはんだボールB1が存在しているか否かを判定する。位置検出部43は、第1撮像画像においてはんだボールB1が写っている領域の位置を検出位置として検出する。抽出部44は、検出位置に基づいて、第2撮像画像から、はんだボールB1が写っている領域を含む検査画像を抽出する。検査部45は、検査画像に基づいてはんだボールB1の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象を撮像した撮像画像を生成する撮像装置と、
前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光を前記検査対象に照射する第1照明装置と、
前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光を照射する第2照明装置と、
前記撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する画像処理システムと、を備え、
前記画像処理システムは、
前記第1光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する画像取得部と、
前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する判定部と、
前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する位置検出部と、
前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する抽出部と、
前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する検査部と、を備える
検査システム。
【請求項2】
前記抽出部は、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む所定のサイズの領域を前記検査画像として抽出する
請求項1の検査システム。
【請求項3】
前記検査部は、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって構築された検査用学習モデルに前記検査画像を入力することで、前記物体の大きさを検出する
請求項1又は2の検査システム。
【請求項4】
前記検査用学習モデルは、前記検査画像からセグメンテーション画像を生成し、前記セグメンテーション画像に基づいて前記物体の大きさを検出する
請求項3の検査システム。
【請求項5】
前記検査用学習モデルは、前記検査画像において前記物体が写っている領域を認識し、
前記検査部は、前記検査用学習モデルの認識結果に基づいて前記物体の大きさを検出する
請求項3の検査システム。
【請求項6】
前記検査部は、前記検査画像に対してエッジ抽出処理を行った後に、前記物体の大きさを判定する
請求項1又は2の検査システム。
【請求項7】
前記検査対象は、回路基板であり、
前記物体は、はんだボールである
請求項1乃至6のいずれか1つの検査システム。
【請求項8】
撮像装置が検査対象を撮像した撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する画像処理システムであって、
前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光が前記検査対象に照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する画像取得部と、
前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する判定部と、
前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する位置検出部と、
前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する抽出部と、
前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する検査部と、を備える
画像処理システム。
【請求項9】
前記抽出部は、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む所定のサイズの領域を前記検査画像として抽出する
請求項8の画像処理システム。
【請求項10】
前記検査部は、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって構築された検査用学習モデルに前記検査画像を入力し、前記検査用学習モデルが判定した前記物体の大きさを前記検出結果とする
請求項8又は9の画像処理システム。
【請求項11】
前記検査用学習モデルは、前記検査画像からセグメンテーション画像を生成し、前記セグメンテーション画像に基づいて前記物体の大きさを判定する
請求項10の画像処理システム。
【請求項12】
前記検査用学習モデルは、前記検査画像において前記物体が写っている領域を認識し、当該認識結果に基づいて前記物体の大きさを判定する
請求項10の画像処理システム。
【請求項13】
前記検査部は、前記検査画像に対してエッジ抽出処理を行った後に、前記物体の大きさを判定する
請求項8又は9の画像処理システム。
【請求項14】
前記検査対象は、部品を実装された回路基板であり、
前記物体は、はんだボールである
請求項8乃至13のいずれか1つの画像処理システム。
【請求項15】
撮像装置が検査対象を撮像した撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する画像処理方法であって、
前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光が前記検査対象に照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する画像取得ステップと、
前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する判定ステップと、
前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する位置検出ステップと、
前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する抽出ステップと、
前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する検査ステップと、を含む
画像処理方法。
【請求項16】
コンピュータシステムに、請求項15記載の画像処理方法を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、プリント基板上のはんだボールを検出するはんだボール検査装置(以降、従来技術と称す)を提案している。従来技術は、撮像装置、及びデータ処理装置を備える。撮像装置は、プリント基板上の所定領域の画像を得る。データ処理装置は、撮像装置で得られた画像のうち、所定の輝度値を有する連続した画素群を識別する。そして、データ処理装置は、識別された各画素群についてその面積を算出するとともに、面積が所定値以下の画素群についてその円形度を算出する。そして、データ処理装置は、円形度が所定値以上の画素群をはんだボールと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-108850号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、例えばはんだボールのような曲面を有する物体の検出する際に、検出精度の向上が求められている。
【0005】
本開示の目的は、曲面を有する物体の検出精度を向上させることができる検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る検査システムは、撮像装置と、第1照明装置と、第2照明装置と、画像処理システムと、を備える。前記撮像装置は、検査対象を撮像した撮像画像を生成する。前記第1照明装置は、前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光を前記検査対象に照射する。前記第2照明装置は、前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光を照射する。前記画像処理システムは、前記撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する。そして、前記画像処理システムは、画像取得部と、判定部と、位置検出部と、抽出部と、検査部と、を備える。前記画像取得部は、前記第1光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する。前記判定部は、前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する。前記位置検出部は、前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する。前記抽出部は、前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する。前記検査部は、前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0007】
本開示の一態様に係る画像処理システムは、撮像装置が検査対象を撮像した撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する。前記画像処理システムは、画像取得部と、判定部と、位置検出部と、抽出部と、検査部と、を備える。前記画像取得部は、前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光が前記検査対象に照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する。前記判定部は、前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する。前記位置検出部は、前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する。前記抽出部は、前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する。前記検査部は、前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0008】
本開示の一態様に係る画像処理方法は、撮像装置が検査対象を撮像した撮像画像に基づいて、前記検査対象において曲面を有する物体を検出する。前記画像処理方法は、画像取得ステップと、判定ステップと、位置検出ステップと、抽出ステップと、検査ステップと、を含む。前記画像取得ステップは、前記撮像装置の光軸に対して同軸となる第1光が前記検査対象に照射されているときに生成された前記撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び前記光軸に交差する方向から前記検査対象に第2光が照射されているときに生成された前記撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する。前記判定ステップは、前記第1撮像画像に基づいて、前記検査対象に前記物体が存在しているか否かを判定する。前記位置検出ステップは、前記検査対象に前記物体が存在していれば、前記第1撮像画像において前記物体が写っている領域の位置を検出位置として検出する。前記抽出ステップは、前記検出位置に基づいて、前記第2撮像画像から、前記物体が写っている領域を含む検査画像を抽出する。前記検査ステップは、前記検査画像に基づいて前記物体の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータシステムに、上述の画像処理方法を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように、本開示は、曲面を有する物体の検出精度を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態の画像処理システムを備える検査システムの構成を示すブロック図である。
図2図2は、同上の検査システムの第1照明装置を示す一部破断した側面図である。
図3図3は、同上の検査システムの第2照明装置を示す一部破断した側面図である。
図4図4は、同上の検査システムの第1撮像画像を示す図である。
図5図5は、同上の検査システムの第1照明装置が照射する第1光を示す側面図である。
図6図6は、同上の検査システムの第1撮像画像の一部を抽出した抽出画像を示す図である。
図7図7は、同上の検査システムの第2撮像画像を示す図である。
図8図8は、同上の検査システムの第2照明装置が照射する第2光を示す側面図である。
図9図9は、同上の検査システムの検査画像を示す図である。
図10図10は、同上の検査システムの二値化画像を示す図である。
図11図11Aは、同上の検査システムの第1撮像画像の一部であり、ほこりが写っている画像を示す図である。図11Bは、同上の検査システムの第2撮像画像の一部であり、ほこりが写っている画像を示す図である。
図12図12Aは、同上の検査システムの第1撮像画像の一部であり、リード端子が写っている画像を示す図である。図12Bは、同上の検査システムの第2撮像画像の一部であり、リード端子が写っている画像を示す図である。
図13図13は、同上の画像処理方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の実施形態は、検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラムに関する。より詳細には、撮像画像に基づいて、検査対象において曲面を有する物体を検出する検査システム、画像処理システム、画像処理方法、及びプログラムに関する。
【0013】
なお、以下に説明する実施形態は、本開示の実施形態の一例にすぎない。本開示は、以下の実施形態に限定されず、本開示の効果を奏することができれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0014】
(実施形態)
(1)検査システムの概略
本実施形態の検査システムは、コンピュータシステムを用いた画像処理技術により、検査対象において曲面を有する物体を検出する。本実施形態では、検査対象は回路基板であり、検出対象となる物体ははんだボールである。
【0015】
回路基板には、導体のパターンが形成され、様々な電気部品、及び電子部品が実装されている。各部品は、基板にはんだ付けされることで、基板に機械的に固定され、かつ、導体のパターンに電気的に接続される。しかし、はんだ付けの工程において、溶けたはんだが基板上に飛散して、はんだボールを形成することがある。はんだボールは、基板に実装されている電気部品のリード端子、電子部品のリード端子に付着したり、導体のパターンに付着したりすると、回路基板の不具合の要因となり得る。そこで、検査システムは、回路基板のはんだボールを検出することで、回路基板の検査を行う。
【0016】
図1は、本実施形態の検査システムIS1のブロック構成を示す。そして、検査システムIS1は、回路基板9を検査対象とし、はんだボールB1を検出対象の物体として、回路基板9のはんだボールB1を検出する。すなわち、回路基板9の不具合の要因となるはんだボールB1の検査が可能となる。
【0017】
はんだボールB1は、回路基板9に部品(電気部品、電子部品など)を実装する際に行われるはんだ付けの工程で、溶けたはんだが回路基板上に飛散することで形成される。はんだボールB1の表面は、球状、半球状、又は球状の一部からなる曲面を有する。図1では、はんだボールB1の表面を球状の曲面B11としている。
【0018】
検査システムIS1は、撮像装置3と、第1照明装置1と、第2照明装置2と、画像処理システム4と、を備える。撮像装置3は、検査対象である回路基板9を撮像した撮像画像を生成する。第1照明装置1は、撮像装置3の光軸OA1に対して同軸となる第1光L1を回路基板9に照射する。第2照明装置2は、光軸OA1に交差する方向から回路基板9に第2光L2を照射する。画像処理システム4は、撮像画像に基づいて、回路基板9において曲面B11を有する物体であるはんだボールB1を検出する。
【0019】
そして、画像処理システム4は、画像取得部41と、判定部42と、位置検出部43と、抽出部44と、検査部45と、を備える。画像取得部41は、第1光L1が照射されているときに生成された撮像画像である第1撮像画像のデータ、及び第2光L2が照射されているときに生成された撮像画像である第2撮像画像のデータを取得する。判定部42は、第1撮像画像に基づいて、回路基板9にはんだボールB1が存在しているか否かを判定する。位置検出部43は、回路基板9にはんだボールB1が存在していれば、第1撮像画像においてはんだボールB1が写っている領域の位置を検出位置として検出する。抽出部44は、検出位置に基づいて、第2撮像画像から、はんだボールB1が写っている領域を含む検査画像を抽出する。検査部45は、検査画像に基づいてはんだボールB1の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0020】
検査システムIS1、及び画像処理システム4は、上述の構成を備えることで、曲面B11を有する物体である、はんだボールB1の検出精度を向上させることができる。
【0021】
(2)検査システムの詳細
検査システムIS1は、図1に示すように、撮像装置3と、第1照明装置1と、第2照明装置2と、画像処理システム4と、を備える。
【0022】
回路基板9は、図示しない搬送装置などによって検査システムIS1に搬入される。そして、検査システムIS1による検査が終了すると、搬送装置などによって検査システムIS1から搬出される。回路基板9は、矩形板形状であり、回路基板9の厚み方向に対向する第1面91及び第2面92を有する。図1では、互いに直交するX軸、Y軸、Z軸を規定し、検査システムIS1に搬入された回路基板9は、第1面91及び第2面92がX-Y平面(X軸とY軸とで規定される面)に沿うように配置されている。すなわち、第1面91及び第2面92の各法線は、Z軸に沿って延びている。図1では、検査システムIS1は、第1面91上のはんだボールB1を検出する。
【0023】
(2.1)撮像装置
撮像装置3は、レンズ、及び複数の撮像素子を有する。撮像素子は、CCD(Charged Coupled Devices)、又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などである。そして、撮像素子がレンズによって集光された光を受光することで、撮像装置3は、白黒(又はカラー)の静止画を撮像することができる。撮像装置3が撮像した画像(撮像画像)は、撮像画像の各画素の濃淡値が例えば256段階(濃淡値0-255のいずれか)に設定された濃淡画像である。撮像装置3は、撮像画像のデータとして、濃淡画像のデータを画像処理システム4へ送信する。なお、本実施形態において、暗い画素は濃淡値が低く、明るい画素は濃淡値が高くなる。
【0024】
撮像装置3の光軸をOA1とすると、撮像装置3は、光軸OA1がZ軸に沿うように、回路基板9の第1面91に対向して設置されている。すなわち、光軸OA1は、Z軸と平行、又はほぼ平行になる。
【0025】
(2.2)第1照明装置
第1照明装置1は、図2に示すように、Z軸に沿って対向する撮像装置3と回路基板9との間に配置されている。また、第1照明装置1が点灯するとき、第2照明装置2は、撮像装置3と回路基板9との間から外されている。すなわち、Z軸に沿って、撮像装置3、第1照明装置1、回路基板9の順に配置されている。そして、第1照明装置1は、撮像装置3の光軸OA1に対して同軸となる第1光L1を検査対象である回路基板9に照射する。すなわち、第1照明装置1は、撮像装置3の同軸照明として機能する。図1では、第1光L1は、回路基板9の第1面91に、第1面91の法線方向から入射する。
【0026】
具体的に、第1照明装置1は、図2に示すように、光源11、及びハーフミラー12を備える。光源11とハーフミラー12とは、X軸に沿って対向している。
【0027】
光源11は、ケース111、複数の固体発光素子112、及び拡散板113を備える。
【0028】
ケース111は、一端を閉塞した円筒形状である。ケース111の軸方向はX軸に沿っている。ケース111の内部において、ケース111の一端の底面には、複数の固体発光素子112が配置されている。固体発光素子112は、LED(Light Emitting Diode)、又は有機EL(Organic Electro Luminescence、OEL)などであり、所定の光色の光L100を発する。光L100の光色は、例えば白、黄、青、赤、又は2色以上の混色である。
【0029】
ケース111は、底面に対向する開口に嵌め込まれた拡散板113を備えており、固体発光素子112が発した光L100は、拡散板113を透過することで拡散光となる。拡散板113を透過した光L100は、X軸に沿ってハーフミラー12に向かって進む。
【0030】
ハーフミラー12は、ハーフミラー12の中心を光軸OA1が通るように配置されている。さらに、ハーフミラー12は、X-Y平面に対して45度の角度で交差するように配置されている。すなわち、ハーフミラー12は、撮像装置3の光軸OA1に対して45度の角度で交差するように配置されている。撮像装置3は、ハーフミラー12を介して回路基板9の第1面91を撮像する。
【0031】
そして、光源11から出射した光L100は、ハーフミラー12に到達すると、ハーフミラー12で反射する第1光L1と、ハーフミラー12を透過する透過光L101とに分かれる。ハーフミラー12で反射した第1光L1は、Z軸に沿って回路基板9に向かって進み、回路基板9の第1面91に照射される。すなわち、第1光L1は、撮像装置3の光軸OA1に対して同軸の光となり、第1面91に照射される。
【0032】
上述の第1照明装置1は、図1に示す仮想発光面10と等価になる。仮想発光面10は、回路基板9の第1面91に対してZ軸に沿って対向し、光軸OA1に対して同軸の光である第1光L1を、回路基板9の第1面91に向かって照射する仮想光源である。
【0033】
(2.3)第2照明装置
第2照明装置2は、図3に示すように、Z軸に沿って対向する撮像装置3と回路基板9との間に配置されている。また、第2照明装置2が点灯するとき、第1照明装置1は、撮像装置3と回路基板9との間から外されている。すなわち、Z軸に沿って、撮像装置3、第2照明装置2、回路基板9の順に配置されている。そして、第2照明装置2は、撮像装置3の光軸OA1に交差する方向から回路基板9に第2光L2を照射する。すなわち、第2照明装置2は、回路基板9の第1面91に斜めに入射するように第2光L2を照射する。
【0034】
具体的に、第2照明装置2は、図3に示すように、ケース21、及び複数の固体発光素子22を備えるリング照明である。
【0035】
ケース21は、円環形状のケース本体211を備え、ケース本体211の内周側には円柱状の挿通孔23が形成されている。ケース本体211は、中空構造であり、複数の固体発光素子22が収納されている。
【0036】
複数の固体発光素子22は、ケース本体211の内部に円環状に配置されている。固体発光素子22は、LED、又は有機ELなどであり、所定の光色の第2光L2を発する。第2光L2の光色は、例えば白、黄、青、赤、又は2色以上の混色である。
【0037】
固体発光素子22から出射した第2光L2は、ケース21の内周側の側面(挿通孔23の側面)から出射し、回路基板9の第1面91に向かって進む。このとき、第2光L2は、撮像装置3の光軸OA1に交差する方向に進み、回路基板9の第1面91に照射される。すなわち、第2光L2は、光軸OA1に交差する方向である斜め方向から第1面91に照射される。
【0038】
また、撮像装置3の光軸OA1は円柱状の挿通孔23の中心軸を通っており、撮像装置3は、挿通孔23を介して回路基板9の第1面91を撮像する。
【0039】
(2.4)画像処理システム
画像処理システム4は、図1に示すように、画像取得部41、判定部42、位置検出部43、抽出部44、及び検査部45を備える。
【0040】
画像処理システム4は、コンピュータシステムを備えることが好ましい。すなわち、画像処理システム4では、CPU(Central Processing Unit)、又はMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサがメモリに記憶されているプログラムを読み出して実行することによって、画像処理システム4の一部又は全部の機能が実現される。画像処理システム4は、プログラムに従って動作するプロセッサを主なハードウェア構成として備える。プロセッサは、プログラムを実行することによって機能を実現することができれば、その種類は問わない。プロセッサは、半導体集積回路(IC)、又はLSI(Large Scale Integration)を含む一つ又は複数の電子回路で構成される。ここでは、ICやLSIと呼んでいるが、集積の度合いによって呼び方が変わり、システムLSI、VLSI(Very Large Scale Integration)、若しくはULSI(Ultra Large Scale Integration)と呼ばれるものであってもよい。LSIの製造後にプログラムされる、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はLSI内部の接合関係の再構成又はLSI内部の回路区画のセットアップができる再構成可能な論理デバイスも同じ目的で使うことができる。複数の電子回路は、一つのチップに集積されてもよいし、複数のチップに設けられてもよい。複数のチップは集約して配置されてもよいし、分散して配置されてもよい。
【0041】
(2.4.1)画像取得部
画像取得部41は、撮像装置3との間で、有線通信又は無線通信を行うことで、撮像装置3が生成した撮像画像のデータを取得する。本実施形態では、撮像画像のデータは、濃淡画像のデータである。なお、有線通信は、例えばツイストペアケーブル、専用通信線、またはLAN(Local Area Network)ケーブルなどを介した有線通信である。無線通信は、例えばWi-Fi(登録商標)、又は免許を必要としない小電力無線(特定小電力無線)等の規格に準拠した無線通信である。
【0042】
具体的に、画像取得部41は、図4に示す第1撮像画像G1のデータ、及び図7に示す第2撮像画像G2のデータを撮像装置3から取得する。
【0043】
(第1撮像画像)
図4に示す第1撮像画像G1は、第1照明装置1が撮像装置3と回路基板9との間に位置して点灯し、第2照明装置2が撮像装置3と回路基板9との間から外されて消灯しているときに、撮像装置3が回路基板9を撮像した濃淡画像である。すなわち、第1撮像画像G1のデータは、第1光L1が回路基板9に照射され、かつ、第2光L2が回路基板9に照射されていないときに撮像装置3が撮像した濃淡画像のデータである。
【0044】
第1撮像画像G1を構成する各画素の濃淡値は、回路基板9の第1面91における第1光L1の反射光の量によって決まる。第1撮像画像G1において明るい画素(濃淡値が高い画素)は、回路基板9の第1面91において第1光L1の反射光が多いエリアに対応する。第1撮像画像G1において暗い画素(濃淡値が低い画素)は、回路基板9の第1面91において第1光L1の反射光が少ないエリアに対応する。すなわち、回路基板9の第1面91は、第1光L1の反射光の量が多い程、第1撮像画像G1では明るい画素で表される。なお、図4では、はんだボールB1が写っている領域を、対象領域R1としている。
【0045】
図5では、第1光L1がはんだボールB1に照射されている。第1光L1は、撮像装置3の光軸OA1に対して同軸となる光であり、はんだボールB1の球状の曲面B11に対して、Z軸に沿った方向から照射される。はんだボールB1に照射された第1光L1のうち、曲面B11の頂点(球状の曲面B11において撮像装置3に最も近い点)付近に照射された第1光L1は、曲面B11の頂点付近で反射して、反射光L11となる。反射光L11は、Z軸(光軸OA1)に沿って撮像装置3に向かって進み、ハーフミラー12を透過した後に撮像装置3に入射する。ボールB1に照射された第1光L1のうち、曲面B11の頂点付近を囲むエリア(頂点からずれたエリア)に照射された第1光L1は、曲面B11の頂点付近を囲むエリアで反射して、反射光L12となる。反射光L12は、撮像装置3に向かって進まず、Z軸(光軸OA1)に交差する方向に向かって進む。すなわち、反射光L11は撮像装置3に入射し、反射光L12は撮像装置3に入射しない。
【0046】
この結果、第1撮像画像G1においてはんだボールB1が写っている領域である対象領域R1は、図6の第1明領域R11及び第1暗領域R12で構成される。図6は、第1撮像画像G1の一部を抽出した抽出画像G11を示す。
【0047】
第1明領域R11は、反射光L11によって周囲より明るくなっている各画素を有する点状の領域である。第1暗領域R12は、反射光L11の量が第1明領域R11より少ないために、第1明領域R11より暗くなっている各画素を有する領域であり、第1明領域R11の周囲を円環状に囲んでいる。すなわち、第1明領域R11は、はんだボールB1の曲面B11の頂点付近に対応し、第1暗領域R12は、はんだボールB1の曲面B11の頂点付近を囲む領域に対応している。
【0048】
(第2撮像画像)
図7に示す第2撮像画像G2は、第2照明装置2が撮像装置3と回路基板9との間に位置して点灯し、第1照明装置1が撮像装置3と回路基板9との間から外されて消灯しているときに、撮像装置3が回路基板9を撮像した濃淡画像である。すなわち、第2撮像画像G2のデータは、第2光L2が回路基板9に照射され、かつ、第1光L1が回路基板9に照射されていないときに撮像装置3が撮像した濃淡画像のデータである。
【0049】
第2撮像画像G2を構成する各画素の濃淡値は、回路基板9の第1面91における第2光L2の反射光の量によって決まる。第2撮像画像G2において明るい画素(濃淡値が高い画素)は、回路基板9の第1面91において第2光L2の反射光が多いエリアに対応する。第2撮像画像G2において暗い画素(濃淡値が低い画素)は、回路基板9の第1面91において第2光L2の反射光が少ないエリアに対応する。すなわち、回路基板9の第1面91は、第2光L2の反射光の量が多い程、第2撮像画像G2では明るい画素で表される。
【0050】
図8では、第2光L2がはんだボールB1に照射されている。第2光L2は、撮像装置3の光軸OA1に交差する方向(斜め方向)から、はんだボールB1の球状の曲面B11に照射される。すなわち、第2光L2は、Z軸に交差する方向から、曲面B11の頂点を中心とする半球面のエリアに照射される。そして、第2光L2は、曲面B11の頂点を中心とする半球面のエリアで反射して、反射光L21となる。反射光L21は、撮像装置3に向かって進んで、撮像装置3に入射する。
【0051】
この結果、第2撮像画像G2においてはんだボールB1が写っている領域は、図7及び図9の第2明領域R2で構成される。図9は、第2撮像画像G2の一部を抽出した検査画像G21を示す。第2明領域R2は、反射光L21によって周囲より明るくなっている各画素を有する円形の領域である。すなわち、第2明領域R2は、はんだボールB1の曲面B11の頂点を中心とする半球面のエリアに対応しており、第1撮像画像G1の第1明領域R11より広く、対象領域R1とほぼ同じ形状及び大きさになる。
【0052】
(2.4.2)判定部
判定部42は、第1撮像画像G1に基づいて、回路基板9にはんだボールB1が存在しているか否かを判定する。
【0053】
具体的に、第1撮像画像G1において、第1明領域R11及び第1暗領域R12(図6参照)のように、点状の明領域の周囲を円環状の暗領域が囲んでいる領域があれば、当該領域は、はんだボールB1が写っている領域である可能性が高い。
【0054】
そこで、判定部42は、ディープラーニング(Deep Learning)などの機械学習によって構築された判定用学習モデルを用いて、第1撮像画像G1においてはんだボールB1が写っている領域の有無を判定する(回路基板9にはんだボールB1が存在しているか否かを判定する)。
【0055】
判定用学習モデルは、FCN(Fully Convolutional Networks)を用いたディープラーニングによって構築されることが好ましい。機械学習は、第1撮像画像、及び第1撮像画像のセグメンテーション画像を教師データとする。第1撮像画像のセグメンテーション画像は、セマンティックセグメンテーション(Semantic Segmentation)の処理によって、第1撮像画像を構成する全ての画素にラベルを対応付けて、第1撮像画像内を複数のクラスに分割した画像である。本実施形態では、セマンティックセグメンテーションによって分割される複数のクラスに「はんだボール」が含まれている。この結果、判定用学習モデルは、第1撮像画像G1を入力されると、第1撮像画像G1にセマンティックセグメンテーションの処理を施して、第1撮像画像G1を複数のクラスに分割することができる。
【0056】
そして、判定用学習モデルは、第1撮像画像G1に「はんだボール」のクラスが存在すれば、回路基板9にはんだボールB1が存在していると判定して、当該判定結果を出力する。また、判定用学習モデルは、第1撮像画像G1に「はんだボール」のクラスが存在しなければ、回路基板9にはんだボールB1が存在していないと判定して、当該判定結果を出力する。
【0057】
図11Aの画像G101は、第1撮像画像G1の一部であり、暗領域R101にほこりが写っている。暗領域R101は、第1明領域R11及び第1暗領域R12(図6参照)のように、点状の明領域の周囲を円環状の暗領域が囲んでいる領域ではない。したがって、判定部42は、暗領域R101を、はんだボールB1が写っている領域であるとは判定しない。なお、図11Bの画像G201は、第2撮像画像G2の一部であり、明領域R201にほこりが写っている。
【0058】
図12Aの画像G102は、第1撮像画像G1の一部であり、領域R102にリード端子(金属端子)が写っている。領域R102は、リード端子の形状を表す暗領域R102aを有し、暗領域R102a内には扁平形状の2つの明領域R102bが存在している。明領域R102bは、第1明領域R11及び第1暗領域R12(図6参照)のように、点状の明領域の周囲を円環状の暗領域が囲んでいる領域ではない。したがって、判定部42は、明領域R102bを、はんだボールB1が写っている領域であるとは判定しない。なお、図12Bの画像G202は、第2撮像画像G2の一部であり、領域R202にリード端子が写っている。領域R202は、不規則な形状の暗領域R202a、及び不規則な形状の明領域R202bを有する。
【0059】
判定用学習モデルを構築する機械学習システムは、検査システムIS1が備える構成、検査システムIS1の外部に設けられる構成のいずれでもよい。
【0060】
(2.4.3)位置検出部
位置検出部43は、回路基板9にはんだボールB1が存在していれば、第1撮像画像G1においてはんだボールB1が写っている領域の位置を検出位置として検出する。
【0061】
具体的に、判定部42が回路基板9にはんだボールB1が存在している、と判定すると、位置検出部43は、第1撮像画像G1における対象領域R1の座標(検出座標)を、検出位置として求める。第1撮像画像G1における対象領域R1は、第1明領域R11及び第1暗領域R12で構成されており(図6参照)、検出座標は、第1明領域R11の中心の座標で表される。検出座標は、第1撮像画像G1に設定されている画像座標系で表される。
【0062】
(2.4.4)抽出部
抽出部44は、検出位置に基づいて、第2撮像画像G2から、はんだボールB1が写っている領域を含む検査画像G21(図9参照)を抽出する。このとき、抽出部44は、第2撮像画像G2から、はんだボールB1が写っている領域を含む所定のサイズの領域を検査画像G21として抽出することが好ましい。
【0063】
具体的に、位置検出部43が、第1撮像画像G1から対象領域R1の座標である検出座標を検出すると、抽出部44は、検出座標を第2撮像画像G2に適用する。第1撮像画像G1と画像座標系と第2撮像画像G2の画像座標系とは共通であるので、第2撮像画像G2における検出座標には、はんだボールB1が写っている領域である第2明領域R2(図7及び図9参照)が存在している。
【0064】
そこで、抽出部44は、第2撮像画像G2から、検出座標(対象領域R1だけでなく、第2明領域R2の座標にも対応)を中心とする矩形状の領域を検査画像G21として抽出する。矩形状の検査画像G21の縦、横のサイズは予め決められており、第2明領域R2(はんだボールB1が写っている領域)の全体が検査画像G21に含まれるように設定されている。
【0065】
抽出部44は、検査画像G21のサイズを、第2撮像画像G2の解像度に応じて設定することで、後述の検査部45による検査画像G21における第2明領域R2の検出精度を向上させることができる。一般に、検査画像G21のサイズが小さい程、検査部45による検出精度は向上する。
【0066】
(2.4.5)検査部
検査部45は、検査画像G21に基づいてはんだボールB1の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0067】
具体的に、検査部45は、濃淡画像である検査画像G21を二値化処理して、図10の二値化画像G3を生成する。検査部45は、検査画像G21の各画素の濃淡値を二値化閾値と比較し、濃淡値が二値化閾値以上である画素を明画素(濃淡値=255)とし、濃淡値が二値化閾値未満である画素を暗画素(濃淡値=0)とする。検査部45は、二値化閾値として、予め決められた一定値、又は検査画像G21の各画素の濃淡値から求めた値を用いることが好ましい。二値化画像G3は、第2明領域R2に対応する複数の明画素からなる検査領域R31、及び第2明領域R2以外の領域に対応する複数の暗画素からなる第3暗領域R32を含む。検査領域R31は、第3暗領域R32に囲まれている。
【0068】
そして、検査部45は、検査領域R31のサイズに基づいて、はんだボールB1の大きさを検出する。検査領域R31はほぼ円形状であり、検査部45は、検査領域R31の直径D1に対応する画素数に基づいて、はんだボールB1の直径を求めることができる。検査部45は、検査領域R31の複数個所における各直径を求め、複数の直径の最大値、最小値、又は平均値に基づいて、はんだボールB1の直径を求めてもよい。
【0069】
そして、検査部45は、はんだボールB1の直径のデータを、検出結果として上位システムHS1に出力する。
【0070】
また、判定部42が回路基板9にはんだボールB1が存在していないと判定したとき、検査部45は、はんだボールB1がない旨を検出結果として上位システムHS1に出力する。
【0071】
(2.5)上位システム
上位システムHS1は、回路基板9の製造工程を管理するシステムである。
【0072】
上位システムHS1は、検査部45から検出結果を受け取る。そして、上位システムHS1は、検出結果としてはんだボールB1の直径のデータを受け取った場合、はんだボールB1の直径を予め決められた検査閾値と比較する。この場合、上位システムHS1は、はんだボールB1の直径が検査閾値以上であれば、回路基板9を不良と判定し、はんだボールB1の直径が検査閾値未満であれば、回路基板9を良と判定する。
【0073】
上位システムHS1は、検出結果としてはんだボールB1がない旨を受け取った場合も、回路基板9を良と判定する。
【0074】
そして、上位システムHS1は、良と判定した回路基板9を、搬送装置などによって検査システムIS1から搬出して、後段の工程に流す。上位システムHS1は、不良と判定した回路基板9を、搬送装置などによって検査システムIS1から搬出して、回路基板9からはんだボールB1を除去する手直し工程に流す。
【0075】
(2.6)利点
上述のように、検査システムIS1は、第1照明装置1が発する第1光L1を用いて撮像された第1撮像画像G1と、第2照明装置2が発する第2光L2を用いて撮像された第2撮像画像G2とに基づいて、回路基板9に存在するはんだボールB1の大きさを検出する。このような検査システムIS1は、第1撮像画像G1に基づいて、曲面(特に球状の曲面B11)を有するはんだボールB1の有無、位置を精度よく判定できる。また、検査システムIS1は、第2撮像画像G2に基づいて、曲面(特に球状の曲面B11)を有するはんだボールB1の大きさを精度よく検出できる。すなわち、検査システムIS1は、曲面B11を有する物体である、はんだボールB1の検出精度を向上させることができる。
【0076】
(3)第1変形例
検査部45は、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって構築された検査用学習モデルに検査画像G21を入力することで、はんだボールB1の大きさを検出してもよい。検査部45は、検査用学習モデルを用いることで、はんだボールB1の検出精度を向上させることができる。
【0077】
例えば、検査用学習モデルは、検査画像G21からセグメンテーション画像を生成し、セグメンテーション画像に基づいてはんだボールB1の大きさを検出する。検査部45は、セグメンテーション画像を用いることで、はんだボールB1の検出精度を向上させることができる。
【0078】
具体的に、検査用学習モデルは、FCNを用いたディープラーニングによって構築されることが好ましい。機械学習は、回路基板9を撮像した多数の教師画像、及び各教師画像のセグメンテーション画像を、教師データとする。教師画像のサイズは、検査画像G21のサイズと同じである。教師画像のセグメンテーション画像は、セマンティックセグメンテーションの処理によって、教師画像を構成する全ての画素にラベルを対応付けて、教師画像内を複数のクラスに分割した画像である。本実施形態では、セマンティックセグメンテーションによって分割される複数のクラスに「はんだボール」が含まれている。この結果、検査用学習モデルは、検査画像G21を入力されると、検査画像G21にセマンティックセグメンテーションの処理を施して、検査画像G21を複数のクラスに分割したセグメンテーション検査画像を生成することができる。
【0079】
検査用学習モデルは、セグメンテーション検査画像から、「はんだボール」クラスの領域を抽出し、「はんだボール」クラスの領域の大きさ(例えば、直径)を検出する。
【0080】
検査部45は、検査用学習モデルが検出した「はんだボール」クラスの領域の大きさを、はんだボールB1の大きさの検出結果として上位システムHS1に出力する。
【0081】
なお、検査用学習モデルを構築する機械学習システムは、検査システムIS1が備える構成、検査システムIS1の外部に設けられる構成のいずれでもよい。
【0082】
(4)第2変形例
検査部45は、機械学習によってニューラルネットワークを用いて構築された検査用学習モデルに検査画像G21を入力することで、はんだボールB1の大きさを検出してもよい。
【0083】
検査用学習モデルは、検査画像G21においてはんだボールB1が写っている領域を認識し、検査部45は、検査用学習モデルの認識結果に基づいてはんだボールB1の大きさを検出する。
【0084】
具体的に、検査用学習モデルは、第1変形例と同様に、検査画像G21を入力されると、検査画像G21にセマンティックセグメンテーションの処理を施して、検査画像G21を複数のクラスに分割したセグメンテーション検査画像を生成する。
【0085】
そして、第2変形例では、第1変形例と異なり、検査部45が、セグメンテーション検査画像から、「はんだボール」クラスの領域を抽出し、「はんだボール」クラスの領域の大きさ(例えば、直径)を検出する。すなわち、第1変形例では、検査用学習モデルが「はんだボール」クラスの領域の大きさを検出するのに対し、第2変形例では、検査部45が、セグメンテーション検査画像に画像処理を施すことで「はんだボール」クラスの領域の大きさを検出する。
【0086】
検査部45は、「はんだボール」クラスの領域の大きさを、はんだボールB1の大きさの検出結果として上位システムHS1に出力する。
【0087】
なお、検査用学習モデルを構築する機械学習システムは、検査システムIS1が備える構成、検査システムIS1の外部に設けられる構成のいずれでもよい。
【0088】
(5)第3変形例
検査部45は、検査画像G21に対してエッジ抽出処理を行った後に、はんだボールB1の大きさを判定してもよい。
【0089】
具体的に、検査部45は、検査画像G21に二値化、微分フィルタ、及びソーベルフィルタ(Sobel filter)などの少なくとも1つの処理を施して、検査画像G21からエッジを抽出する。そして、検査部45は、エッジで囲まれた円形状又はほぼ円形状の領域の大きさ(例えば、直径)を、はんだボールB1の大きさの検出結果として上位システムHS1に出力する。
【0090】
(6)第4変形例
検査部45は、上述のように求めたはんだボールB1の直径を予め決められた検査閾値と比較してもよい。この場合、検査部45は、はんだボールB1の直径が検査閾値以上であれば、回路基板9を不良と判定し、はんだボールB1の直径が検査閾値未満であれば、回路基板9を良と判定する。検査部45は、はんだボールB1が検出されなかったときも回路基板9を良と判定する。
【0091】
そして、検査部45は、はんだボールB1の大きさの検出結果だけでなく、回路基板9の良否判定の結果も、上位システムHS1に出力する。
【0092】
(7)第5変形例
上述の判定用学習モデル及び検査用学習モデルは、FCNを用いたディープラーニングによって構築された学習モデルに限定されない。判定用学習モデル及び検査用学習モデルは、例えばCNN(Convolutional Neural Network)などを用いて構築されてもよい。また、判定用学習モデル及び検査用学習モデルは、サポートベクターマシン(Support Vector Machine)などの他のアルゴリズムを用いてもよい。
【0093】
(8)検査方法
上述の画像処理システム4が実行する画像処理方法は、図13のフローチャートに表される。
【0094】
検査方法は、撮像装置3が回路基板9を撮像した撮像画像に基づいて、回路基板9においてはんだボールB1を検出する画像処理方法である。検査方法は、画像取得ステップS1と、判定ステップS2と、位置検出ステップS3と、抽出ステップS4と、検査ステップS5と、を含む。
【0095】
画像取得ステップS1では、画像取得部41が、第1撮像画像G1のデータ、及び第2撮像画像G2のデータを取得する。第1撮像画像G1は、第1照明装置1が撮像装置3と回路基板9との間に位置して点灯し、第2照明装置2が撮像装置3と回路基板9との間から外されて消灯しているときに、撮像装置3が回路基板9を撮像した撮像画像である。第2撮像画像G2は、第2照明装置2が撮像装置3と回路基板9との間に位置して点灯し、第1照明装置1が撮像装置3と回路基板9との間から外されて消灯しているときに、撮像装置3が回路基板9を撮像した撮像画像である。すなわち、第1撮像画像G1は、撮像装置3の光軸OA1に対して同軸となる第1光L1が回路基板9に照射されているときに生成された撮像画像である。第2撮像画像G2は、光軸OA1に交差する方向から回路基板9に第2光L2が照射されているときに生成された撮像画像である。
【0096】
判定ステップS2では、判定部42が、第1撮像画像G1に基づいて、回路基板9にはんだボールB1が存在しているか否かを判定する。
【0097】
位置検出ステップS3では、位置検出部43が、回路基板9にはんだボールB1が存在していれば、第1撮像画像G1においてはんだボールB1が写っている領域の位置を検出位置として検出する。
【0098】
抽出ステップS4では、抽出部44が、検出位置に基づいて、第2撮像画像G2から、はんだボールB1が写っている領域を含む検査画像G21を抽出する。
【0099】
検査ステップS5では、検査部45が、検査画像G21に基づいてはんだボールB1の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0100】
画像処理方法は、上述の各ステップを備えることで、曲面B11を有する物体である、はんだボールB1の検出精度を向上させることができる。
【0101】
(9)その他の変形例
画像処理システム4が検出する物体は、はんだボールB1に限定されず、鋼球、又は樹脂ボールなどであってもよい。すなわち、画像処理システム4が検出する物体は、曲面を有する物体であればよく、特に球状又は半球状の曲面を有する物体であることが好ましい。
【0102】
検査部45は、はんだボールB1などの物体の大きさとして、物体の直径を検出する構成に限定されない。検査部45は、物体の大きさとして、物体の面積、長さ、又は幅などを検出してもよい。
【0103】
検査システムIS1は、第1照明装置1及び第2照明装置2の両方が撮像装置3と回路基板9との間に位置していても、第1撮像画像G1及び第2撮像画像G2を撮像可能な構成であってもよい。
【0104】
画像処理システム4の各機能を複数の装置に分散して、複数の装置が画像処理システム4を構成してもよい。例えば、画像処理システム4は、クラウドコンピューティング技術によって実現されてもよい。
【0105】
また、画像処理システム4は、パーソナルコンピュータなどの1つの装置で構成されてもよい。
【0106】
(10)まとめ
実施形態に係る第1の態様の検査システム(IS1)は、撮像装置(3)と、第1照明装置(1)と、第2照明装置(2)と、画像処理システム(4)と、を備える。撮像装置(3)は、検査対象(9)を撮像した撮像画像を生成する。第1照明装置(1)は、撮像装置(3)の光軸(OA1)に対して同軸となる第1光(L1)を検査対象(9)に照射する。第2照明装置(2)は、光軸(OA1)に交差する方向から検査対象(9)に第2光(L2)を照射する。画像処理システム(4)は、撮像画像に基づいて、検査対象(9)において曲面(B11)を有する物体(B1)を検出する。そして、画像処理システム(4)は、画像取得部(41)と、判定部(42)と、位置検出部(43)と、抽出部(44)と、検査部(45)と、を備える。画像取得部(41)は、第1光(L1)が照射されているときに生成された撮像画像である第1撮像画像(G1)のデータ、及び第2光(L2)が照射されているときに生成された撮像画像である第2撮像画像(G2)のデータを取得する。判定部(42)は、第1撮像画像(G1)に基づいて、検査対象(9)に物体(B1)が存在しているか否かを判定する。位置検出部(43)は、検査対象(9)に物体(B1)が存在していれば、第1撮像画像(G1)において物体(B1)が写っている領域の位置を検出位置として検出する。抽出部(44)は、検出位置に基づいて、第2撮像画像(G2)から、物体(B1)が写っている領域を含む検査画像(G21)を抽出する。検査部(45)は、検査画像(G21)に基づいて物体(B1)の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0107】
上述の検査システム(IS1)は、曲面(B11)を有する物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0108】
実施形態に係る第2の態様の検査システム(IS1)では、第1の態様において、抽出部(44)は、第2撮像画像(G2)から、物体(B1)が写っている領域を含む所定のサイズの領域を検査画像(G21)として抽出することが好ましい。
【0109】
上述の検査システム(IS1)は、検査画像(G21)のサイズを、第2撮像画像(G2)の解像度に応じて設定することで、検査部(45)の検出精度を向上させることができる。
【0110】
実施形態に係る第3の態様の検査システム(IS1)では、第1又は第2の態様において、検査部(45)は、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって構築された検査用学習モデルに検査画像(G21)を入力することで、物体(B1)の大きさを検出することが好ましい。
【0111】
上述の検査システム(IS1)は、検査用学習モデルを用いることで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0112】
実施形態に係る第4の態様の検査システム(IS1)では、第3の態様において、検査用学習モデルは、検査画像(G21)からセグメンテーション画像を生成し、セグメンテーション画像に基づいて物体(B1)の大きさを検出することが好ましい。
【0113】
上述の検査システム(IS1)は、セグメンテーション画像を用いることで、検査部(45)によるはんだボール(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0114】
実施形態に係る第5の態様の検査システム(IS1)では、第3の態様において、検査用学習モデルは、検査画像(G21)において物体(B1)が写っている領域を認識し、検査部(45)は、検査用学習モデルの認識結果に基づいて物体(B1)の大きさを検出することが好ましい。
【0115】
上述の検査システム(IS1)は、検査用学習モデルを用いることで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0116】
実施形態に係る第6の態様の検査システム(IS1)では、第1又は第2の態様において、検査部(45)は、検査画像(G21)に対してエッジ抽出処理を行った後に、物体(B1)の大きさを判定することが好ましい。
【0117】
上述の検査システム(IS1)は、エッジ抽出処理を行うことで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0118】
実施形態に係る第7の態様の検査システム(IS1)では、第1乃至第6の態様のいずれか1つにおいて、検査対象は、回路基板(9)であり、物体は、はんだボール(B1)であることが好ましい。
【0119】
上述の検査システム(IS1)は、回路基板(9)の不具合の要因となるはんだボール(B1)の検査を行うことができる。
【0120】
実施形態に係る第8の態様の画像処理システム(4)は、撮像装置(3)が検査対象(9)を撮像した撮像画像に基づいて、検査対象(9)において曲面(B11)を有する物体(B1)を検出する。画像処理システム(4)は、画像取得部(41)と、判定部(42)と、位置検出部(43)と、抽出部(44)と、検査部(45)と、を備える。画像取得部(41)は、撮像装置(3)の光軸(OA1)に対して同軸となる第1光(L1)が検査対象(9)に照射されているときに生成された撮像画像である第1撮像画像(G1)のデータ、及び光軸(OA1)に交差する方向から検査対象(9)に第2光(L2)が照射されているときに生成された撮像画像である第2撮像画像(G2)のデータを取得する。判定部(42)は、第1撮像画像(G1)に基づいて、検査対象(9)に物体(B1)が存在しているか否かを判定する。位置検出部(43)は、検査対象(9)に物体(B1)が存在していれば、第1撮像画像(G1)において物体(B1)が写っている領域の位置を検出位置として検出する。抽出部(44)は、検出位置に基づいて、第2撮像画像(G2)から、物体(B1)が写っている領域を含む検査画像(G21)を抽出する。検査部(45)は、検査画像(G21)に基づいて物体(B1)の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0121】
上述の画像処理システム(4)は、曲面(B11)を有する物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0122】
実施形態に係る第9の態様の画像処理システム(4)では、第8の態様において、抽出部(44)は、第2撮像画像(G2)から、物体(B1)が写っている領域を含む所定のサイズの領域を検査画像(G21)として抽出することが好ましい。
【0123】
上述の画像処理システム(4)は、検査画像(G21)のサイズを、第2撮像画像(G2)の解像度に応じて設定することで、検査部(45)の検出精度を向上させることができる。
【0124】
実施形態に係る第10の態様の画像処理システム(4)では、第8又は第9の態様において、検査部(45)は、ニューラルネットワークを用いた機械学習によって構築された検査用学習モデルに検査画像(G21)を入力し、検査用学習モデルが判定した物体(B1)の大きさを検出結果とすることが好ましい。
【0125】
上述の画像処理システム(4)は、検査用学習モデルを用いることで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0126】
実施形態に係る第11の態様の画像処理システム(4)では、第10の態様において、検査用学習モデルは、検査画像(G21)からセグメンテーション画像を生成し、セグメンテーション画像に基づいて物体(B1)の大きさを判定することが好ましい。
【0127】
上述の画像処理システム(4)は、セグメンテーション画像を用いることで、検査部(45)によるはんだボール(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0128】
実施形態に係る第12の態様の画像処理システム(4)では、第10の態様において、検査用学習モデルは、検査画像(G21)において物体(B1)が写っている領域を認識し、当該認識結果に基づいて物体(B1)の大きさを判定することが好ましい。
【0129】
上述の画像処理システム(4)は、検査用学習モデルを用いることで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0130】
実施形態に係る第13の態様の画像処理システム(4)では、第8又は第9の態様において、検査部(45)は、検査画像(G21)に対してエッジ抽出処理を行った後に、物体(B1)の大きさを判定することが好ましい。
【0131】
上述の画像処理システム(4)は、エッジ抽出処理を行うことで、検査部(45)による物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0132】
実施形態に係る第14の態様の画像処理システム(4)では、第8乃至第13の態様のいずれか1つにおいて、検査対象は、回路基板(9)であり、物体は、はんだボール(B1)であることが好ましい。
【0133】
上述の画像処理システム(4)は、回路基板(9)の不具合の要因となるはんだボール(B1)の検査を行うことができる。
【0134】
実施形態に係る第15の態様の画像処理方法は、撮像装置(3)が検査対象(9)を撮像した撮像画像に基づいて、検査対象(9)において曲面(B11)を有する物体(B1)を検出する。画像処理方法は、画像取得ステップ(S1)と、判定ステップ(S2)と、位置検出ステップ(S3)と、抽出ステップ(S4)と、検査ステップ(S5)と、を含む。画像取得ステップ(S1)は、撮像装置(3)の光軸(OA1)に対して同軸となる第1光(L1)が検査対象(9)に照射されているときに生成された撮像画像である第1撮像画像(G1)のデータ、及び光軸(OA1)に交差する方向から検査対象(9)に第2光(L2)が照射されているときに生成された撮像画像である第2撮像画像(G2)のデータを取得する。判定ステップ(S2)は、第1撮像画像(G1)に基づいて、検査対象(9)に物体(B1)が存在しているか否かを判定する。位置検出ステップ(S3)は、検査対象(9)に物体(B1)が存在していれば、第1撮像画像(G1)において物体(B1)が写っている領域の位置を検出位置として検出する。抽出ステップ(S4)は、検出位置に基づいて、第2撮像画像(G2)から、物体(B1)が写っている領域を含む検査画像(G21)を抽出する。検査ステップ(S5)は、検査画像(G21)に基づいて物体(B1)の大きさを検出し、検出結果を出力する。
【0135】
上述の画像処理方法は、曲面(B11)を有する物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【0136】
実施形態に係る第16の態様のプログラムは、コンピュータシステムに、第15の態様の画像処理方法を実行させる。
【0137】
上述のプログラムは、曲面(B11)を有する物体(B1)の検出精度を向上させることができる。
【符号の説明】
【0138】
IS1 検査システム
1 第1照明装置
2 第2照明装置
3 撮像装置
4 画像処理システム
41 画像取得部
42 判定部
43 位置検出部
44 抽出部
45 検査部
9 回路基板(検査対象)
OA1 光軸
L1 第1光
L2 第2光
B1 はんだボール(物体)
B11 曲面
G1 第1撮像画像
G2 第2撮像画像
G21 検査画像
S1 画像取得ステップ
S2 判定ステップ
S3 位置検出ステップ
S4 抽出ステップ
S5 検査ステップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13