(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067592
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】水処理装置及び水処理方法
(51)【国際特許分類】
B01D 36/02 20060101AFI20230509BHJP
C02F 1/76 20230101ALI20230509BHJP
C02F 1/28 20230101ALI20230509BHJP
【FI】
B01D36/02
C02F1/76
C02F1/28 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178981
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000148209
【氏名又は名称】株式会社川本製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】川村 理桜
(72)【発明者】
【氏名】葛籠 佑斗
(72)【発明者】
【氏名】木谷 圭太
(72)【発明者】
【氏名】安井 亜祐美
(72)【発明者】
【氏名】柳川 英明
【テーマコード(参考)】
4D050
4D116
4D624
【Fターム(参考)】
4D050AA02
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4D624DB03
4D624DB23
(57)【要約】
【課題】塩素濃度を調整することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供する。
【解決手段】本発明の一形態にかかる水処理装置は、通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過装置と、前記第1濾過装置の一次側において、第1濾過装置に供給される原水に塩素を注入する薬液注入装置と、前記第1濾過装置の二次側において、濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過装置と、前記第1濾過装置から前記第2濾過装置に第1濾過処理された第1処理水が流れる第1処理水路と、前記第2濾過装置の二次側において濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路と、前記第1処理水路から第1処理水を前記第2処理水路に供給するバイパス流路と、を有する通水路と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過装置と、
前記第1濾過装置の一次側において、第1濾過装置に供給される原水に塩素を注入する薬液注入装置と、
前記第1濾過装置の二次側において、濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過装置と、
前記第1濾過装置から前記第2濾過装置に第1濾過処理された第1処理水が流れる第1処理水路と、前記第2濾過装置の二次側において第2濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路と、前記第1処理水路から第1処理水を前記第2処理水路に供給するバイパス流路と、を有する通水路と、を備える、水処理装置。
【請求項2】
前記第2濾過装置は活性炭を含む濾過材を有するとともに、
前記バイパス流路を通じて、前記第1処理水の一部を、前記第2処理水に所定量注入する濃度調整部を備える請求項1記載の水処理装置。
【請求項3】
前記濃度調整部は、前記バイパス流路を通る流量を調整することで、塩素濃度を調整する、請求項2記載の水処理装置。
【請求項4】
前記第1濾過装置及び前記第2濾過装置は、前記複数の流路の接続状態を切替えることにより、濾過処理及び逆洗処理を含む複数の処理を切替える、流路切替手段を備える、請求項1乃至3のいずれか記載の水処理装置。
【請求項5】
前記第2濾過装置は、活性炭を含む濾過材を収容する濾過槽と、
前記濾過槽の上部に接続される吸込管と、
前記濾過槽の下部に接続される回収管と、を備え、
前記流路切替手段は、前記吸込管、前記回収管、供給側及び排出側の複数の流路と、に接続され、流路の開閉状態を切り替える複数の流路切替弁を備え、
一端が第1の流路切替弁と前記吸込管の間に接続され、他端が前記回収管と第2の流路切替弁との間に接続され前記バイパス流路を構成するバイパス管を備え、
前記バイパス管は、開閉弁と、逆止弁と、を備える、請求項4に記載の水処理装置。
【請求項6】
前記第2濾過装置は、活性炭を含む濾過材を収容する濾過槽と、
前記濾過槽の上部に接続される吸込管と、
前記濾過槽の下部に接続される回収管と、を備え、
前記流路切替手段は、前記吸込管と、前記回収管と、供給側及び排出側の複数の流路に接続されるとともに、流路の開閉状態を切り替える複数の流路切替弁を備え、
一端が第1の流路切替弁の一次側の流路に接続され、他端が第2の流路切替弁の二次側の流路に接続され前記バイパス流路を構成するバイパス管を備え、
前記バイパス管は開閉弁を備える、請求項4に記載の水処理装置。
【請求項7】
第1濾過装置に通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過処理と、
前記第1濾過装置の一次側において、第1濾過装置に供給される原水に塩素を注入する薬液注入処理と、
前記第1濾過装置の二次側において、第2濾過装置に供給される濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過処理と、
第1濾過処理された第1処理水を、前記第1濾過装置と前記第2濾過装置との間から、前記第2濾過装置の二次側において濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路に、供給するバイパス処理と、を備える、水処理方法。
【請求項8】
前記第2濾過装置は活性炭を含む濾過材を有するとともに、
前記第1処理水の一部を、前記第2処理水に所定量注入する濃度調整処理を備える、請求項7に記載の水処理方法。
【請求項9】
前記濃度調整処理は、前記バイパス流路を通る流量を調整することで、塩素濃度を調整する、請求項8に記載の水処理方法。
【請求項10】
複数の流路の接続状態を切替えることにより、濾過処理及び逆洗処理を含む複数の処理を切替える、請求項7乃至9のいずれか記載の水処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水処理装置及び水処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
井戸などの水源から供給される原水を濾過する水処理装置において、井戸水に含まれる鉄やマンガンを、次亜塩素酸ナトリウムによって酸化させ、濾過装置に充填した濾過材で除去している。除鉄除マンガン処理に必要な塩素が不足すると正常な処理が行われないため、濾過装置の二次側である程度の塩素が余剰するように、塩素を添加する必要があるが、余剰させる塩素濃度が高い場合、そのまま使用するのに支障となる場合がある。また、余剰させる塩素濃度が低い場合、原水の鉄やマンガンの濃度が変動した際処理に必要な塩素濃度が不足することで正常な処理が行われない可能性がある。対策として、十分な余剰塩素濃度を含有させた除鉄除マンガン処理水を活性炭濾過装置に通水し、塩素を取り除いた後、再度その二次側で塩素を添加して適性な塩素濃度となるように調整する方法もあるが、複数台の薬液注入の設置が必要であり、機器設置や保守のためのコストが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明の実施形態は、単純な構成で、塩素濃度を調整することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一形態にかかる水処理装置は、通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過装置と、前記第1濾過装置の一次側において、第1濾過装置に供給される原水に塩素を注入する薬液注入装置と、前記第1濾過装置の二次側において、濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過装置と、前記第1濾過装置から前記第2濾過装置に第1濾過処理された第1処理水が流れる第1処理水路と、前記第2濾過装置の二次側において濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路と、前記第1処理水路から第1処理水を前記第2処理水路に供給するバイパス流路と、を有する通水路と、を備える。
【0006】
本発明の他の一形態に係る水処理方法は、第1濾過装置に通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過処理と、前記第1濾過装置の一次側において、第1濾過装置に供給される原水に塩素を注入する薬液注入処理と、前記第1濾過装置の二次側において、濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過処理と、第1濾過処理された第1処理水を、前記第1濾過装置と前記第2濾過装置との間から、前記第2濾過装置の二次側において濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路に、供給するバイパス処理と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば単純な構成で、塩素濃度を調整することが可能な水処理装置及び水処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1実施形態にかかる水処理装置の構成を示す説明図。
【
図2】同水処理装置の第2濾過装置の構成を示す正面図。
【
図9】同水処理装置の濾過処理及び逆洗処理のフローを示す説明図。
【
図10】同実施形態にかかるボール弁の開度と混合比率の関係を示すグラフ。
【
図11】同実施形態において、原水塩素濃度の目標を2mg/Lとした場合の混合比率と圧力、原水の塩素濃度、及び処理水の塩素濃度の関係を示すグラフ。
【
図12】同実施形態において、原水塩素濃度の目標を2mg/Lとした場合の処理水の塩素濃度とバルブの開度と差圧を示すグラフ。
【
図13】同実施形態において、原水塩素濃度の目標を5mg/Lとした場合の混合比率と圧力、原水の塩素濃度、及び処理水の塩素濃度の関係を示すグラフ。
【
図14】同実施形態において、原水塩素濃度の目標を5mg/Lとした場合の処理水の塩素濃度とバルブの開度と差圧を示すグラフ。
【
図15】他の実施形態にかかる水処理装置の構成及び逆洗処理のフローを示す説明図。
【
図21】他の実施形態にかかる水処理装置の第2濾過装置の構成を示す正面図。
【
図26】他の実施形態にかかる水処理装置の構成を示す説明図。
【
図27】他の実施形態にかかる水処理装置の構成を示す説明図。
【
図28】他の実施形態にかかる水処理装置のボール弁の構成を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態にかかる水処理装置1及び水処理方法について、
図1乃至
図12を参照して説明する。
図1は本実施形態に係る水処理装置1の構成及びフローを示す説明図である。
図2は、水処理装置1の第2濾過装置14の側面図、
図3は第2濾過装置14の正面図を示す。
図4は第2濾過装置14の一部の構成を示す側面図である。
図5及び
図6は、同水処理装置の濾過処理を示す説明図であり、
図7及び
図8は同水処理装置の逆洗処理を示す説明図である。
図9は、同水処理装置の濾過処理及び逆洗処理のフローを示す説明図である。
【0010】
図1に示すように、水処理装置1は、原水の供給源10に設けられた原水ポンプ11と、薬液注入装置12と、第1濾過装置13と、第2濾過装置14と、処理水槽15と、処理水槽15に接続された逆洗ポンプ16と、処理水路17と、逆洗水路18と、複数の排水路19、20と、制御盤30と、を備える。
【0011】
水処理装置1は、供給源からの原水に薬液注入装置12で薬液を注入し、第1濾過装置13により原水中に含まれる鉄及びマンガンを除去するとともに、原水中に存在する砂等の固形物を除去可能に形成されている。また、水処理装置1は、第1濾過装置13で鉄及びマンガンを除去した第1処理水の塩素濃度を、第2濾過装置14によって調整可能に構成されている。
【0012】
処理水路17は配管部材で構成される通水路を複数備える。処理水路17は、供給源10から薬液注入装置12に至る原水路17a、薬液注入装置12から第1濾過装置13に至る供給路17b、処理流路の一次側の第2三方弁42に至る流路17c、第1濾過装置13から第2濾過装置14に至る第1処理水路17d、処理流路の二次側に配される三方弁46に至る流路17e、第2濾過装置14から処理水槽15に至る第2処理水路17f、処理水槽15を経て給水先に接続される給水路を備える。また、処理水路17は、第1処理水路17dから分岐して試験ドレンD3に接続される試験排水路19cと、第2処理流路17fから分岐して試験ドレンD13に接続される試験排水路20cと、を備える。濾過処理時には、原水ポンプ11によって、供給源10の水が、薬液注入装置12、第1濾過装置13、第2濾過装置14、処理水槽15を経て、給水先に送られる。
【0013】
逆洗水路18は配管部材で構成される通水路を複数備える。逆洗水路18は、処理水槽15から分岐して第1濾過装置13及び第2濾過装置14にそれぞれ接続される2系統の流路を構成する。逆洗処理において、逆洗ポンプ16によって、処理水槽15の水が、逆洗水路18を介して、第1濾過装置13または第2濾過装置14に送られる。
【0014】
第1排水路19は、配管部材で構成される通水路を複数備える。第1排水路19は、ポートP3から逆洗ドレンD1に接続される逆洗排水路19aと、ポートP9から洗浄ドレンD2に接続される洗浄排水路19bと、を備える。
【0015】
第2排水路20は、配管部材で構成される通水路を複数備える。第1排水路19は、ポートP13から逆洗ドレンD11に接続される逆洗用排水路20aと、ポートP19から洗浄ドレンD12に接続される洗浄排水路20bと、を備える。
【0016】
各流路の所定箇所には逆止弁S1及び開閉弁S2~S17が設けられる。逆止弁S1は、流路の流れを一方向に規制する。開閉弁S2~S17は、例えば電磁式の開閉弁であり、制御部30aの制御に応じて開閉することで、複数の流路の接続状態を切替える。
【0017】
供給源10は、例えば井戸である。供給源10に原水ポンプ11が設けられる。
【0018】
原水ポンプ11は、ポンプと、ポンプを駆動するモータと、を備える。原水ポンプ11は、供給源10の水を処理水路17において二次側に送る。なお、原水ポンプ11は例えば陸上ポンプであってもよいし、水中ポンプであってもよい。
【0019】
薬液注入装置12は、薬液槽21と、注入ポンプ22と、流量検出装置と、を備える。
【0020】
薬液槽21は、内部に酸化剤、具体的には次亜塩素酸ナトリウムを含有する薬液を貯留する。注入ポンプ22は、例えばソレノイドによって駆動するダイヤフラムポンプである。注入ポンプ22は、薬液槽21に接続され、処理水路17に、所定量の薬液を注入する。
【0021】
第1濾過装置13は、濾過槽31と、吸込管32と、回収管33と、流路切替ユニット(流路切替手段)34と、を備える。
【0022】
濾過槽31は、例えば上壁と下壁と周壁とを有する円筒状に構成される。濾過槽31は、内部に濾過材部31aと、濾過材部31aの下方に配される支持層としての砂利部31bと、を備える。濾過材部31aは、複数種類の濾過材が積層されて構成される。複数の濾過材の一は、薬液が注入された原水から鉄を除去可能に構成されている。複数の濾過材の一は、薬液が注入された原水からマンガンを除去可能に構成されている。複数の濾過材の一は、原水に含まれる固形物を除去可能に形成されている。
【0023】
吸込管32は、濾過槽31に接続される。吸込管32の一方の端部は流路切替ユニット34に接続され、吸込管32の他方の端部は、濾過槽31の上部、例えば複数の濾過材の最上層の上方に、配置される。
【0024】
回収管33は、例えば濾過槽31に接続される。回収管33の一方の端部は、流路切替ユニット34に接続され、他方の端部は、濾過槽31の下部、例えば複数の濾過材の最下層の下方に、配置される。回収管33の他方の端部は例えば砂利部31bの位置に配される。すなわち、回収管33は、濾過槽31の下端部から、鉛直方向に沿って上方に延び、管部の下端は濾過槽31の底面近傍に配されている。回収管33の下端部には、フィルタを備える回収口33aが設けられる。管部の上端部は、流路切替ユニット34に接続され、複数の流路へ接続可能に構成されるとともに、接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0025】
流路切替ユニット34は、例えば3つの三方弁41,42,43を備え、複数の流路の接続状態を切替える。三方弁41,42,43は、電磁弁であり、制御盤30に接続されて接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。三方弁41,42,43は、それぞれ3つのポートP1~P3,P4~P6、P7~P9を有しており、制御盤30によって内部の流路を切り替えることで、これらのいずれか2つのポートを接続する。例えば流路切替ユニット34において、三方弁43を省略してもよい。
【0026】
流路切替ユニット34は、3つの三方弁41,42,43によって、一次側の処理水路17bと、逆洗水路18と、吸込管32と、回収管33と、二次側の処理水路17c、17dと、逆洗排水路19aと、洗浄排水路19bの接続状態を切替える。
【0027】
三方弁41は、供給側の処理水路17bと、吸込管32と、排水側の排水路19aとにそれぞれ接続される3つのポートP1,P2,P3を備え、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。第1の三方弁41は、例えば流路17bと吸込管32を接続し、あるいは吸込管32と流路19aを接続する。
【0028】
三方弁42は、逆洗水路18と回収管33と処理流路の二次側に配される三方弁43に至る流路17cにそれぞれ接続されるポートP4,P5,P6を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。第2の三方弁42は、例えば回収管33と流路17cとを接続し、あるいは流路18と回収管33を接続する。
【0029】
三方弁43は、処理流路の一次側の第2三方弁42に至る流路17cと二次側の流路17dと試験排水側の流路19bとにそれぞれ接続される3つのポートP7,P8,P9を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。三方弁43は、例えば流路17cと流路17dを接続し、あるいは流路17cと流路19bを接続する。
【0030】
図1乃至
図9に示す第2濾過装置14は、濾過槽35と、吸込管36と、回収管37と、流路切替ユニット38と、を備える。
【0031】
濾過槽35は、内部に濾過材が収容されるとともに、通水可能に構成されている。濾過槽35は、例えば上壁と下壁と周壁とを有する円筒状に構成される。濾過材は少なくとも活性炭を備え、第1処理水の塩素を除去可能に構成される。一例として濾過槽35内に、濾過材としての活性炭35aと、活性炭35aの下側に配される砂利35bとが配される。
【0032】
吸込管36は、濾過槽35に接続される。吸込管36の一方の端部は流路切替ユニット38に接続され、吸込管36の他方の端部は、複数の濾過材の最上層の上方に配置される。
【0033】
回収管37は、濾過槽35に接続される。回収管37の一方の端部は、流路切替ユニット38に接続され、他方の端部は複数の濾過材の最下層の下方に配置される。すなわち、回収管37は、濾過槽35の下端部から、鉛直方向に沿って上方に延び、管部の下端は濾過槽35の底面近傍に配されている。回収管37の下端部には、フィルタを備える回収口37aが設けられる。管部の上端部は、流路切替ユニット38に接続され、複数の流路へ接続可能に構成されるとともに、接続先及び開閉状態が切替え可能に構成されている。
【0034】
流路切替ユニット38は、例えば3つの三方弁44,45,46と、バイパス流路47aを構成するバイパス管47と、バイパス管47に設けられた逆止弁49と、開閉弁48と、を備える。流路切替ユニット38は、複数の流路の接続状態を切替える。第1の流路切替弁としての三方弁44,第2の流路切替弁としての三方弁45、第3の流路切替え弁としての三方弁46は、電磁弁であり、内部のボールの回転により流路が切り替わるボール弁である。三方弁44、45,46は制御盤30に接続されて開閉状態が切替え可能に構成されている。三方弁44,45,46は、それぞれ3つのポートを有しており、制御盤30によって内部の流路を切り替えることで、これらのいずれか2つのポートを接続する。例えば流路切替ユニット38において、三方弁46を省略してもよい。
【0035】
第1の三方弁44は、供給側の処理水路17dと、吸込管36と、排水側の排水路20aとにそれぞれ接続される3つのポートP11,P12,P13を備え、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。三方弁44は、例えば流路17dと吸込管36を接続し、あるいは吸込管36と流路20aを接続する。
【0036】
三方弁45は、回収管37と逆洗水路18と処理流路の二次側に配される三方弁46に至る流路17eとにそれぞれ接続されるポートP14,P15,P16を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。三方弁45は、例えば回収管37と流路17eとを接続し、あるいは流路18と回収管37を接続する。
【0037】
三方弁46は、処理流路の一次側の三方弁45に至る流路17eと二次側の流路17fと試験排水側の流路20bとにそれぞれ接続される3つのポートP17,P18,P19を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。三方弁46は、例えば流路17eと流路17fを接続し、あるいは流路17eと流路20bを接続する。
【0038】
バイパス管47は、第1処理水路と第2処理水路とを連通可能に接続するバイパス流路を構成する。バイパス管47の一端は、流路切替ユニット38の、例えば三方弁44のポートP12と吸込管36との間に接続される。バイパス管47の他端は、三方弁45のポートP15と回収管37との間に接続される。また、バイパス管47の流路には、開閉弁としてのボール弁48と、逆止弁49と、が設けられる。一例として、バイパス管47は、ナイロンチューブ51と、ナイロンチューブ51を接続する複数のチューブカップリング52と、ブッシング53と、逆止弁付きのボール弁54を備える。バイパス管47は、バイパス流路を通じて第1処理水の一部を第2処理水に注入する濃度調整部となる。すなわち、バイパス管47は、バイパス流路47aを通る第1処理水の流量を調整することで、塩素濃度を調整する。
【0039】
図10乃至
図14に示すように、ボール弁48は制御部30aの制御により開度が調整可能である。すなわち、バイパス管47、ボール弁48及び制御部30aは、ボール弁48の開度の調整により塩素の混合比率を調整する濃度調整処理を行う濃度調整部となる。
【0040】
第2流路切替ユニット38は、3つの三方弁44,45,46によって、一次側の処理水路17dと、逆洗水路18と、吸込管36と、回収管37と、二次側の第2処理水路17eと、逆洗排水路20aと、洗浄排水路20bとの、流路の接続状態を切替える。
【0041】
具体的には第4の三方弁44は、供給側の第1処理水路17dと、吸込管36と、排水側の排水路20aとに接続される3つのポートP11,P12,P13を備え、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。第5の三方弁45は、逆洗水路18と回収管37と処理流路の二次側に配される第6三方弁46に至る流路17eにそれぞれ接続されるポートP14,P15,P16を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。第6の三方弁46は、処理流路の一次側の第5三方弁45に至る流路17eと排水側の流路20bと二次側の第2処理水路17fとにそれぞれ接続される3つのポートP17,P18,P19を有し、ポートの開閉によってこれらのうち2つの流路を接続する。
【0042】
また、第2流路切替ユニット38は、バイパス管47に設けられた開閉弁48の開閉により、バイパス流路47aに第1処理水を流すことで、第2処理水に第1処理水を所定量注入し、塩素濃度を調整する。
【0043】
処理水槽15は、第2濾過装置14を通過した処理水を貯留可能に構成された容器である。処理水槽15には、処理水の液面位置を検出する液面センサが設けられている。液面センサは信号線を介して制御部30aに接続されている。液面センサは、処理水の液面位置を検出し、液位情報を電気信号として制御部30aに送る。
【0044】
逆洗ポンプ16は、モータと、モータに接続されたインペラを有するポンプ部と、を備える。逆洗ポンプは、処理水槽15からの水を増圧して二次側の給水先に圧送する。
【0045】
給水ポンプ50は、モータと、モータに接続されたインペラを有する単段または多段のポンプ部と、を備える。給水ポンプ50は、処理水槽15からの水を増圧して二次側の給水先に圧送する。
【0046】
制御盤30は、各種データを記憶する記憶部と、所定のプログラムに基づいて各部の動作を制御する制御部30aと、インターフェイス部と、を備える。
【0047】
記憶部は、例えば、制御に必要な情報として、各種プログラムや、各種基準値や閾値を記憶する。なお、各種閾値や設定値は、例えば操作入力によってユーザーが任意に設定変更可能に構成されている。
【0048】
例えば制御部30aは、各センサによって検出される検出値に基づき、各種の演算処理を行い、インバータの周波数制御により、原水ポンプ11のモータを変速運転または停止させる。具体的には、制御部30aは、各インバータに制御信号を送信し、所定のタイミングで原水ポンプ11に対応するインバータを制御することでポンプの動作を制御する。
【0049】
また、制御部30aは、例えばセンサによって検出される検出値や操作入力に基づき、各種の演算処理を行い、流路切替え手段としての流路切替ユニット34,38に設けられる複数の弁41~46や各流路に配される弁S1~S17の開閉を制御することで流路の接続状態を切替える。
【0050】
水処理装置1は、これらの流路の切替とポンプ11,16の動作制御により、複数種類の処理を行わせる。具体的には、水処理装置1は、制御部30aの制御により、濾過処理、逆洗処理、及び洗浄処理を行う。
【0051】
また、制御部30aは、例えばセンサによって検出される検出値や操作入力に基づき、各種の演算処理を行い、流路切替ユニット34,38のポートや、弁S1~S17の開閉を制御することで流路の接続状態を切替える。
【0052】
なお、バイパス管47の開閉弁48については制御部30aの自動制御により開度が調整される。
図10乃至
図14はバイパス管47における開閉弁48の開度と、塩素濃度、及び混合比率の変化を示すグラフである。
図10は開閉弁48の開度と処理水(第2処理水)に混合した原水(第1処理水)の割合を示す混合比率の関係を示すグラフであり、
図11は原水塩素濃度の目標を2mg/Lとした場合のバイパス管前後の差圧と混合比率の関係を示す表である。
図12は
図11のデータを開閉弁48の開度毎にプロットしたグラフである。
図13は原水塩素濃度の目標を5mg/Lとした場合のバイパス管前後の差圧と混合比率の関係を示す表であり、
図14は
図13のデータを開閉弁48の開度毎にプロットしたグラフである。
図10に示すように、開閉弁48の開度は混合比率と関係していることが判る。したがって、開閉弁48の開度を調整することで、原水が処理水にどれだけ混合するかを任意に操作できる。
【0053】
以下、本実施形態にかかる水処理装置1が行う各種動作について
図1乃至
図9を参照して説明する。
図5及び
図6は濾過処理、
図7及び
図8は逆洗処理をそれぞれ示している。
【0054】
濾過処理は、薬液注入装置12を駆動して原水に薬液を注入し、濾過槽31で濾過処理することで原水から鉄、マンガン及び固形物からなる不純物を除去する通常運転を行う機能である。濾過処理は、制御部30aは濾過装置13,14を駆動して原水に薬液を注入し、濾過槽31で濾過処理することにより原水から鉄、マンガン及び固形物からなる不純物を除去するとともに、濾過槽35で塩素を除去しつつバイパス管により所定の塩素濃度に調整する、通常運転を行う機能である。
【0055】
濾過処理は、第1濾過装置の一次側において、原水に塩素を注入する薬液注入処理と、第1濾過装置に通水することで水に含まれる鉄またはマンガンを除去する第1濾過処理と、第1濾過装置の二次側において濾過処理後の第1処理水の塩素を除去する第2濾過処理と、第1濾過装置と第2濾過装置との間で第1濾過処理された第1処理水を、第2濾過装置の二次側において濾過処理された第2処理水が流れる第2処理水路に供給することで塩素濃度を調整するバイパス処理と、を備える。
【0056】
濾過処理において、制御部30aは、濾過装置13、14の一次側から二次側への流路が、処理水路17a、17b、吸込管32、濾過槽31、回収管33、処理水路17c、17d、吸込管36、濾過槽35、回収管37、処理水路17e、17fの順に流れるように、三方弁41、42,43,44,45,46及び通水路の開閉弁Sを切り替える。
【0057】
このとき、濾過装置14のバイパス管47は、開状態として、第1処理水のうち所定量の第1処理水が第2処理水に供給される。
【0058】
つまり、制御部30aは、第1濾過装置13において、ポートP1、P2、P5,P6,P7,P8を開け、その他を閉じ、濾過処理用の流路を設定する。また、制御部30aは、第2濾過装置14において、ポートP11,P12,P15,P16,P17,P18と、バイパス管47の逆止弁付ボール弁54を開け、その他を閉じ、濾過処理用の流路を設定する。
【0059】
この状態で、制御部30aは、所定のタイミングで、原水ポンプ11を駆動する。例えば制御部30aは、例えば液面センサで検出される液位情報に基づき、処理水槽15の液位が所定のポンプ起動基準値まで下がったことを検知すると、原水ポンプ11を駆動する。原水ポンプ11の駆動により、原水は、揚水され、薬液注入装置12、第1濾過槽31、及び第2濾過槽35、を通り、濾過処理及び塩素濃度の調整がされる。すなわち、第1濾過装置13において除鉄、除マンガン及び固形物等の不純物が取り除かれて第1処理水L1となり、さらに第2濾過装置14の濾過槽35を通ることにより塩素が取り除かれるとともに、バイパス流路47によって所定量の第1処理水L1が注入されることで、所定の塩素濃度の第2処理水L2となる。
【0060】
図7乃至
図9は逆洗処理を示す説明図である。ここでは、処理水を利用する逆洗処理を示す。逆洗処理は、回収管33から逆洗水を流し、濾過槽31、35の濾過材を通って下から上へ流れる用に通水して排水することで、濾過材を逆洗し、濾過槽35の内部の濾過材を攪拌して除去能力を持続させる処理である。なお濾過槽31にはバイパス流路47は存在しない。
【0061】
具体的には、濾過装置13及び14の流路が、逆洗水路18、回収管33、37、濾過槽31、35、吸込管32、36、逆洗排水路19a,20aの順に流れるように、三方弁41、42,43,44,45,46及び通水路の開閉弁Sを切り替える。
【0062】
つまり、制御部30aは、第1濾過装置13において、ポートP4、P5、P2,P3,及び弁S4,S5、S15,S16を開け、その他を閉じ、逆洗用の流路を設定する。また、制御部30aは、第2濾過装置14において、ポートP14、P15、P12,P13と、弁S9,S10,S15、S16の流路を開け、その他を閉じ、逆洗処理用の流路を設定する。
【0063】
この状態で、制御部30aは所定のタイミングで逆洗ポンプ16を駆動して逆洗水L3を流路切替ユニット34,38にそれぞれ送ると、回収管33,37から濾過材を通り、吸込管32、36に流れ、排水路19a,20aから排水される。この逆洗処理によって、濾過槽31、35の下から上へ原水を流すことで、濾過材を洗浄し、濾過槽31、35内にたまった酸化物や微粒子を排出する。このとき、バイパス管47には逆止弁49が配されることから、逆洗時に原水が給水先へ流れることを防止できる。
【0064】
洗浄処理は逆洗処理の際に濾過槽31,35の内部に残存した逆洗水を排水として捨て水し,濾過槽を洗浄する処理である。洗浄処理は、濾過処理と同じ流路を通って濾過槽31、35を通った後、濾過槽31の処理水が処理水路17dには流れずに洗浄排水路19bに排水される。濾過槽35の処理水は17fには流れずに洗浄排水路20bに排水される。
【0065】
洗浄処理において,制御部30aは濾過装置13の1次側から2次側への流路が、処理水路17a,17b,吸込管32,濾過槽31,回収管33,処理水路17c,洗浄排水路19bの順で流れるように、流路を設定する。また、制御部30aは、濾過装置14の1次側から2次側への流路を、処理水路17a,17b,吸込管32,濾過槽31,回収管33,処理水路17c,17d,吸込管36,濾過槽35,回収管37,処理水路17e,洗浄排水路20bの順に流れるように設定する。
【0066】
試験排水処理は、例えば水質をチェックする目的で、処理水を一部採水する処理である。試験排水処理として、制御部30aは、濾過処理の開閉状態から、試験排水路19c,20c側の開閉弁S7、S12を開け試験排水路19c,20cから処理水を採水して試験ドレンD3、D13にメンテナンスのための処理水を導くことができる。このとき、処理水路17d、17eの開閉弁S8、S14は閉じていても開いていてもよい。例えば水質に異常が見られる場合には水槽15に水が流れないように、S14、を閉じ、D3,D13から処理水を排水させてメンテナンスを実施する。
【0067】
本実施形態にかかる水処理装置1及び水処理方法によれば、以下のような効果が得られる。すなわち、第1の濾過槽の二次側と、第2の濾過槽の二次側を連通するバイパス菅を設け、第1濾過処理後の第1処理水を、第2の濾過処理後の第2処理水に注入することで、簡単な装置構成にて塩素濃度を調整できる。すなわち、例えば第2濾過装置の二次側にさらに薬液注入装置を設ける場合と比べて、装置構成を単純化でき、設備や二次側の薬液費用や二次側の薬液注入装置のメンテナンス費用を抑えられ、設置スペースを小さくすることができる。また、バイパス管47の開閉弁の開度を制御することで、塩素濃度を所望の濃度に調整することができる。また、第2の濾過装置が処理する塩素量は、バイパス配管47に分岐させる分減少するため、濾過材の交換周期を長くしてコストを削減できる。
【0068】
さらに、上記実施形態においては、バイパス配管が、流路切替弁と、吸込管及び回収管の間に接続されるため、流路切替ユニット38の流路を切替る動作だけで逆洗を実施でき、かつ、バイパス管47を通って濾過装置の二次側に原水が流出することを防止できる。
【0069】
本発明は上記各実施形態そのままに限定されるものではなく、各部の具体的な構成や処理は適宜変更可能である。
【0070】
例えば、上記各実施形態において、第2濾過装置14の逆洗処理として、処理水による逆洗処理を行う例を説明したが、これに限られるものではなく、第1処理水(原水)を用いて逆洗処理を行ってもよい。例えば他の実施形態として
図15乃至
図20に示す水処理装置1Aは、原水を用いて逆洗処理を行う第2濾過装置14Aを備える。第2濾過装置14Aは、処理水路17dから分岐して三方弁44のポートP14に至る流路17gを備える。第2濾過装置14Aにおける原水となる第1処理水が流路17gから供給される。第2濾過装置14Aにおいて、流路17g、ポートP14,P15、P12,P13と弁S10の流路を開け、その他を閉じることで、原水による逆洗処理用の流路を設定できる。すなわち、
図19乃至
図20に示すように、原水となる第1処理水が、ポートP14,P15を通って回収管37から活性炭濾過槽35に流れ込み、上方の36a、36を通って三方弁44のポートP12,P13と開閉弁S10を経て逆洗排水路20aから逆洗ドレンD11に排出される。なお、
図15乃至
図18に示すように、本実施形態にかかる水処理装置1A及び第2濾過装置14Aにおける濾過処理は上記水処理装置1及び第2濾過装置14と同様の手順にて行われる。
【0071】
上記実施形態においては制御部30aによって切り替えられる電動の三方弁を示したがこれに限られるものではなく、手動、自動、形状、構造は適宜変更可能である。また、上記実施形態において流路切替ユニット38が二つの3方弁を備える例を示したが、三方弁44,45の機能を一体に備える5方弁140を用いる構成としてもよい。他の実施形態として
図21乃至
図25に示す第2濾過装置14Bは、流路切替ユニット38に手動5方弁44Aを備える。
図21は、第2濾過装置14Bの構成を示す正面図であり、
図22及び
図23はそれぞれ第2濾過装置14Bの側面図及び平面図を示す。
図24は第2濾過装置14Bの濾過処理を示す説明図であり、
図25は第2濾過処理装置14Bの逆洗処理を示す説明図である。第2濾過装置14Bにおいて、例えば5方弁140、バイパス管47、活性炭濾過槽35、の順番に配置される。濾過処理を行う際には、
図26に示すように、第1処理水の一部が第2処理水に流れる。また
図25に示すように、逆洗処理の場合にはバイパス管47に逆止弁49が配されていることから、ボール弁48を閉じなくても、逆洗水がバイパス管47を逆流する原水リークを防止することができる。
【0072】
本実施形態によれば、電動開閉弁を制御する必要がなく、安価に目的を達成でき、バイパス配管を実装しない構成と同じ動作で課題を解消することが可能となる。
【0073】
上記第1実施形態において、バイパス管47が流路切替えユニット38において、逆洗切替え用のバルブである三方弁44,45と濾過槽35との間に配される例を示したが、これに限られるものではない。例えば他の実施形態として
図26に示す水処理装置の濾過装置14C、
図27に示す水処理装置の第2濾過装置14Dのように、三方弁44,45を備える流路切替ユニット38の外側に、バイパス管47を配置してもよい。これらの実施形態において、バイパス管47の一端は、流路切替ユニット38の、例えば三方弁44のポートP11の一次側に配され、バイパス管47の他端は、三方弁45のポートP16の二次側に接続される。また、バイパス管47の流路には、開閉弁としてのボール弁55、が設けられる。一例として、バイパス管47は、ナイロンチューブ51と、ナイロンチューブ51を接続する複数のチューブカップリング52と、ブッシング53と、ボール弁55を備える。ボール弁55は制御部30aにより開度が調整可能である。制御部30aはボール弁55の開度の調整により塩素の混合比率を調整する濃度調整手段となる。本実施形態において、逆洗時に手動または自動で混合比率調整バルブとしてのボール弁55を閉じることで、逆洗時に原水が給水先へリークしてしまうことを防止することができる。本実施形態においても、バイパス菅47によって、第1処理水L1を第2処理水L2の流路に注入することで、簡単な構成で、塩素濃度を調整することが可能となる。
【0074】
また、例えば他の実施形態として
図28に示すように、ユーザが手動で開度を調節しやすくするために、開閉弁48に、開度に対応する目盛り48aを表示してもよい。
【0075】
さらに、バイパス流路47の一次側及び二次側の少なくともいずれかあるいは両方に、塩素濃度を検出する濃度センサを設け、濃度調整前または調整後、あるいはその両方における塩素濃度のデータに基づいて、バイパス流路47の開閉弁48の開度をフィードバック制御してもよい。
【0076】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0077】
1…水処理装置、10…供給源、11…原水ポンプ、12…薬液注入装置、13…第1濾過装置、14…第2濾過装置、14A、14B、14C…濾過装置、15…処理水槽、16…逆洗ポンプ、17…処理水路、17a…原水路(処理水路)、17b…供給路(処理水路)、17d…第1処理水路(流路)、17e…処理水路(流路)、18…逆洗水路、19、19A、19B…排水路、19a…逆洗排水路、19b…洗浄排水路、19c…試験排水路、20…排水路、20a…逆洗排水路、20b…洗浄排水路、20c…試験排水路、21…薬液槽、22…注入ポンプ、30…制御盤、30a…制御部、31…濾過槽、32…吸込管、33…回収管、33a…回収口、34…流路切替ユニット、35…濾過槽、36…吸込管、37…回収管、37a…回収口、38…流路切替ユニット、41~46…三方弁、47…バイパス管、47a…バイパス流路、48…開閉弁、49…逆止弁、50…給水ポンプ、51…ナイロンチューブ、52…チューブカップリング、53…ブッシング、54…逆止弁付ボール弁、55…ボール弁、D1…逆洗ドレン、D2…洗浄ドレン、D3…試験ドレン、D11…逆洗ドレン、D12…洗浄ドレン、D13…試験ドレン、L1…第1処理水、L2…第2処理水、L3…逆洗水、P1~P9、P11~P19…ポート、S1~S17…開閉弁。