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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067593
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】梱包資材及びブランク
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/30 20060101AFI20230509BHJP
   B65D 71/00 20060101ALI20230509BHJP
   B65D 77/26 20060101ALI20230509BHJP
   B65D 81/05 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
B65D85/30 310
B65D71/00
B65D77/26 Q
B65D81/05 500A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178987
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】391026302
【氏名又は名称】株式会社コイケ
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】久保 将崇
【テーマコード(参考)】
3E066
3E067
3E096
【Fターム(参考)】
3E066AA68
3E066BA06
3E066CA04
3E066HA04
3E066JA03
3E066LA30
3E066NA48
3E067AA21
3E067AB99
3E067AC04
3E067BA06
3E067BA19
3E067BA31
3E067BB02B
3E067BB02C
3E067EC32
3E067EC38
3E067ED20
3E067FC01
3E067GD03
3E096AA04
3E096AA09
3E096BB01
3E096CA03
3E096CB03
3E096DA01
3E096DA03
3E096DA04
3E096EA01
3E096FA09
3E096GA09
3E096GA11
(57)【要約】
【課題】被梱包品の移動を規制できる梱包資材、及びブランクを提供すること。
【解決手段】梱包資材1は、胴部3の外径が首部6の外径より大きい複数の瓶2の梱包に用いられ、段ボールで形成される箱10に収容される梱包資材1であって、複数の瓶2の胴部3の移動を規制する放射状の切り欠き45が複数形成される、段ボールで形成される第1規制部材30と、複数の瓶2の移動を規制する第2孔53が複数形成される基部51、及び基部51に一体に形成され、箱10内の上面に当接することで基部51が複数の瓶2の上端より上方に移動することを規制する縦壁部52を備える、段ボールで形成される第2規制部材50と、を備える。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部より下方の部分の外形が前記上部の外形よりも大きい複数の被梱包品の梱包に用いられ、段ボールで形成される箱に収容される梱包資材であって、
前記複数の被梱包品の下部の移動を規制する放射状の切り欠きが複数形成される、段ボールで形成される第1規制部材と、
前記複数の被梱包品の移動を規制する孔が複数形成される基部、及び前記基部に一体に形成され、前記箱内の上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する縦壁部を備える、段ボールで形成される第2規制部材と、
を備える梱包資材。
【請求項2】
前記第1規制部材は、前記複数の切り欠きが形成される矩形板状の上壁部、前記上壁部の対向する一対の縁に一体に形成される矩形板状の一対の側壁部、前記一対の側壁部の下端に一体に形成され、前記複数の切り欠きと対向する下壁部を備える、
請求項1に記載の梱包資材。
【請求項3】
前記複数の切り欠きは前記上壁部の縁より内側に配置され、
前記孔は、前記基部の縁より内側に配置される、
請求項2に記載の梱包資材。
【請求項4】
前記複数の被梱包品は、前記下部の外形の大きさが異なる2以上を含み、
前記第1規制部材は、複数の第1規制部材用孔を有し、前記切り欠きは前記第1規制部材用孔の周囲に形成され、
前記第1規制部材用孔は、外形が最小の前記被梱包品の前記下部が嵌る形状に形成される、
請求項1に記載の梱包資材。
【請求項5】
前記箱を備える請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の梱包資材。
【請求項6】
複数の被梱包品の下部の移動を規制する放射状の切り欠きが複数形成され、上壁部を構成する矩形状の第1面部と、
前記第1面部と第1折線を介して一体に形成され、前記第1折線で曲折されることで第1側壁部を構成する矩形状の第2面部と、
前記第1折線と反対側で前記第1面部と第2折線を介して一体に形成され、前記第2折線で曲折されることで第2側壁部を構成する矩形状の第3面部と、
前記第1折線と反対側で前記第2面部と第3折線を介して一体に形成され、前記第3折線で曲折されることで第1下壁部を構成する矩形状の第4面部と、
前記第2折線と反対側で前記第3面部と第4折線を介して一体に形成され、前記第4折線で曲折されることで第2下壁部を構成する矩形状の第5面部と、
を備え、段ボールから形成されるブランク。
【請求項7】
複数の被梱包品の上部の移動を規制する孔が複数形成され、基部を構成する矩形状の第1面部と、
前記第1面部と第1折線を介して一体に形成され、前記第1折線で曲折されることで、箱内の上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する第1縦壁部を構成する矩形状の第2面部と、
前記第1折線と反対側で前記第1面部と第2折線を介して一体に形成され、前記第2折線で曲折されることで、前記上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する第2縦壁部を構成する矩形状の第3面部と、
を備え、段ボールから形成されるブランク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被梱包品を梱包する梱包資材及びブランクに関する。
【背景技術】
【0002】
従前から、瓶等の下部の外形が上部の外形より大きい被梱包品を梱包する梱包資材が知られている(例えば、特許文献1参照)。梱包資材として、例えば、箱と、箱内に収容されて被梱包品の下部の移動を規制する第1規制部材と、箱内に収容されて被梱包品の上部の移動を規制する第2規制部材と、を備える梱包資材が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-168338号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の梱包資材には以下の問題があった。すなわち、箱内で第2規制部材が上方に移動することで被梱包品の上部が第2規制部材から抜けてしまう虞がある、という問題がある。第2規制部材から上部が抜けることで、被梱包品が箱内で移動し、箱の内側面または他の被梱包品に当接する虞がある。
【0005】
この為、本発明は、被梱包品の移動を規制し、複数の被梱包品どうしの接触を防止できる梱包資材、及びブランクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の梱包資材は、上部より下方の部分の外形が前記上部の外形よりも大きい複数の被梱包品の梱包に用いられ、段ボールで形成される箱に収容される梱包資材であって、前記複数の被梱包品の前記下部の移動を規制する放射状の切り欠きが複数形成される、段ボールで形成される第1規制部材と、前記複数の被梱包品の移動を規制する孔が複数形成される基部、及び前記基部に一体に形成され、前記箱内の上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する縦壁部を備える、段ボールで形成される第2規制部材と、を備える。
【0007】
本発明のブランクは、複数の被梱包品の下部の移動を規制する放射状の切り欠きが複数形成され、上壁部を構成する矩形状の第1面部と、前記第1面部と第1折線を介して一体に形成され、前記第1折線で曲折されることで第1側壁部を構成する矩形状の第2面部と、前記第1折線と反対側で前記第1面部と第2折線を介して一体に形成され、前記第2折線で曲折されることで第2側壁部を構成する矩形状の第3面部と、前記第1折線と反対側で前記第2面部と第3折線を介して一体に形成され、前記第3折線で曲折されることで第1下壁部を構成する矩形状の第4面部と、前記第2折線と反対側で前記第3面部と第4折線を介して一体に形成され、前記第4折線で曲折されることで第2下壁部を構成する矩形状の第5面部と、を備え、段ボールから形成される。
【0008】
本発明のブランクは、複数の被梱包品の上部の移動を規制する孔が複数形成され、基部を構成する矩形状の第1面部と、前記第1面部と第1折線を介して一体に形成され、前記第1折線で曲折されることで、箱内の上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する第1縦壁部を構成する矩形状の第2面部と、前記第1折線と反対側で前記第1面部と第2折線を介して一体に形成され、前記第2折線で曲折されることで、前記上面に当接することで前記基部が前記複数の被梱包品の上端より上方に移動することを規制する第2縦壁部を構成する矩形状の第3面部と、を備え、段ボールから形成される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、被梱包品の移動を規制し、複数の被梱包品どうしの接触を防止できる梱包資材、及びブランクを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る梱包資材、及び同梱包資材に梱包される複数の被梱包品を示す斜視図。
図2】複数の同被梱包品が同梱包資材によって梱包された状態を、同被梱包資材を一部切り欠いて示す断面図。
図3】同被梱包資材の第2規制部材の第1孔及び同被梱包品の下端の大きさの関係を示す説明図。
図4】同梱包資材の第2規制部材を形成する第1ブランクの構成を示す平面図。
図5】同梱包資材の第2規制部材を形成する第2ブランクの構成を示す平面図。
図6】同第2規制部材に複数の同被梱包品が保持された状態を、同被梱包品の箱及び同第2規制部材の一部を切り欠いて示す斜視図。
図7】同第2規制部材及び同第2規制部材に複数の被梱包品が保持された状態を、同箱、同第2規制部材、及び同第2規制部材の一部を切り欠いて示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一実施形態に係る梱包資材1を、図1乃至図7を用いて説明する。
図1は、梱包資材1、及び梱包資材1に梱包される複数の被梱包品2を示す斜視図である。図2は、複数の被梱包品2が梱包資材1によって梱包された状態を、梱包資材1を一部切り欠いて示す断面図である。図3は、梱包資材1の第1規制部材30の第1孔43及び被梱包品2の下端の大きさの関係を示す説明図である。図4は、梱包資材1の第1規制部材30を形成する第1ブランク60の構成を示す平面図である。図5は、梱包資材1の第2規制部材50を形成する第2ブランク70の構成を示す平面図である。図6は、第1規制部材30に複数の被梱包品2が保持された状態を、梱包資材1の箱10及び第1規制部材30の一部を切り欠いて示す斜視図である。図7は、第1規制部材30及び第2規制部材50に複数の被梱包品2が支持された状態を、箱10、第1規制部材30、及び第2規制部材50の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【0012】
図1に示すように、梱包資材1は、箱10と、第1規制部材30と、第2規制部材50と、を備える。梱包資材1は、複数の被梱包品2の梱包に用いられる。
被梱包品2は、上部より下方の部分の外形が、上部の外形より大きい形状を有する。上部より下方の部分の外形は、上下方向に直交する、上部より下方の部分の断面の外形であり、上部の外形は、上下方向に直交する上部の外形である。被梱包品の形状として、例えば、上部の外形が最小であり、下部の外形が最大となる形状がある。また、被梱包品の形状の他の例として、上部及び下部の間の部分の外形が、上部より大きい形状がある。この場合、下部の外形の大きさは、上部の外形と同じ、上部の外形より大きい、または、上部の外形より小さくてもよい。被梱包品は、第2規制部材50の後述する第2孔53内に上部を配置でき、上部より下方の部分が第2規制部材50の後述する基部51に当接することで第2規制部材50の下方への移動を規制する形状であればよい。
複数の被梱包品2は、例えば、高さが異なる2以上の被梱包品を含む。また、複数の被梱包品2は、例えば、上部より下方の部分の外形の大きさが異なる2以上の被梱包品を含む。被梱包品2は、例えば、瓶である。以下、被梱包品を瓶2として説明する。複数の瓶2は、例えば、高さが異なる2以上の瓶を含み、下部の外形の大きさが異なる2以上の瓶を含む。
【0013】
瓶2は、円筒状に形成される胴部3と、胴部3の下端に形成される下壁部4と、円筒状に形成される首部6と、胴部3及び首部6を連続する肩部5と、を備える。瓶2の下部となる胴部3の外径は、瓶2の上部となる首部6の外径より大きい。梱包資材1は、例えば6本の瓶2を梱包する。なお、被梱包品は、瓶に限定されるものではない。被梱包品は、上部より下方の部分の外形が上部の外形よりも大きいものであれば、例えば、雑貨、反物、グラス、マグカップ、スプレー缶、工芸品、陶器であってもよい。
【0014】
箱10は、段ボールで形成される。段ボールは、例えば、中芯と、中芯の少なくとも一方の面に設けられるライナと、を備える。箱10は、箱用胴部11と、箱用下壁部12と、箱用上壁部13と、を備える。
【0015】
箱用胴部11は、例えば、上下方向に長い矩形の筒状に形成される。箱用胴部11の上下方向に直交する断面は、例えば一方向に長い矩形状に形成される。箱用胴部11は、箱用第1側壁部14と、箱用第2側壁部15と、箱用第3側壁部16と、箱用第4側壁部17と、を備える。箱用第1側壁部14及び箱用第2側壁部15は、対向配置される。箱用第3側壁部16及び箱用第4側壁部17は対向配置される。箱用第1側壁部14及び箱用第2側壁部15は、箱用第3側壁部16及び箱用第4側壁部17に比較して長い板状に形成される。
【0016】
図1、2、6に示すように、箱用下壁部12は、箱用胴部11の下端に形成される。箱用下壁部12は、箱用胴部11を閉塞可能に形成される。箱用下壁部12は、例えば、箱用胴部11の下端を開閉可能に形成される。箱用下壁部12は例えば第1外フラップ18と、第2外フラップ19と、第1内フラップ20と、第2内フラップ21と、を備える。
【0017】
第1外フラップ18は、箱用第1側壁部14の下端に形成される。第2外フラップ19は、箱用第2側壁部15の下端に形成される。第1内フラップ20は、箱用第3側壁部16の下端に形成される。第2内フラップ21は、箱用第4側壁部17の下端に形成される。
【0018】
第1外フラップ18及び第2外フラップ19の上方に、第1内フラップ20及び第2内フラップ21が配置される。固定部材22により第1外フラップ18及び第2外フラップ19が固定されることで、箱用胴部11の下端が閉塞される。固定部材22が設けられていない状態では、フラップ18、19、20、21を回動することで、箱用胴部11の下端を開放できる。
【0019】
箱用上壁部13は、箱用胴部11の上端に形成される。箱用上壁部13は、例えば箱用胴部11の上端を開閉可能に形成される。箱用上壁部13は例えば、第3外フラップ23と、第4外フラップ24と、第3内フラップ25と、第4内フラップ26と、を備える。
【0020】
第3外フラップ23は、箱用第2側壁部15の上端に形成される。第4外フラップ24は、箱用第1側壁部14の上端に形成される。第3内フラップ25は、箱用第3側壁部16の上端に形成される。第4内フラップ26は箱用第4側壁部17の上端に形成される。
【0021】
第3内フラップ25及び第4内フラップ26は、第3外フラップ23及び第4外フラップ24の上方に配置される。第3外フラップ23及び第4外フラップ24が、例えば固定部材22により固定されることで、箱用胴部11の上端が閉塞される。固定部材22が設けられていない状態では、フラップ23、24、25、26を回動することで、箱用胴部11の上端を開放できる。
【0022】
第1規制部材30は、箱10に収容され、箱10内の底面に配置される。第1規制部材30は、段ボールで形成される。第1規制部材30は、複数の瓶2の下部である胴部3の移動を規制可能に形成される。ここで、胴部3の移動とは、瓶2の上下方向に交差する方向の移動である。
【0023】
第1規制部材30は、例えば、胴部31と、下壁部32と、上壁部33と、を備える。
胴部31は、例えば、軸方向に直交する断面が、箱10の上下方向に直交する断面と同形状に形成される。胴部31は、例えば矩形の筒状に形成される。胴部31は、例えば、箱10の内側面との間に第1規制部材30を移動可能とする程度の隙間を有する大きさを有する。
【0024】
胴部31は、例えば、第1側壁部35と、第2側壁部36と、第3側壁部37と、第4側壁部38と、を備える。第1側壁部35及び第2側壁部36は、対向配置される。第3側壁部37及び第4側壁部38は対向配置される。第1側壁部35及び第2側壁部36は、第3側壁部37及び第4側壁部38に比較して一方向に長い板状に形成される。
【0025】
下壁部32は、胴部31の下端に形成される。下壁部32は、例えば胴部31の下端を閉塞する。下壁部32は例えば、第1フラップ39と、第2フラップ40と、を備える。
【0026】
第1フラップ39は、第1側壁部35の下端に形成される。第1フラップ39は、胴部31の下端開口の一部、例えば第1側壁部35側の半分を閉塞する矩形板状に形成される。第1フラップ39は、例えば、第3側壁部37の下端の一部、及び第4側壁部38の下端の一部に当接する。
【0027】
第2フラップ40は、第2側壁部36の下端に形成される。第2フラップ40は、胴部31の下端開口の他部、例えば第2側壁部36側の半分を閉塞する矩形板状に形成される。第2フラップ40は、例えば、第3側壁部37の下端の他部、及び第4側壁部38の下端の他部に当接する。第1フラップ39及び第2フラップ40は、例えば固定部材22で固定されてもよい。
【0028】
上壁部33は、胴部31の上端に形成される。上壁部33は、例えば、第1側壁部35の上端、第2側壁部36の上端、第3側壁部37の上端、及び、第4側壁部38の上端と一体に形成される。
【0029】
上壁部33には、複数の瓶2の下部の移動を規制する複数の規制部41が形成される。規制部41の数は、例えば6個であり、2行3列に配置される。複数の規制部41は、下壁部32と対向する。図3に示すように、規制部41は、第1孔43と、放射状の切込み45と、を備える。
【0030】
第1孔43は、上壁部33に開口する。第1孔43は、例えば、複数の被梱包品のうち、下部の外形が最小となる被梱包品の当該下部が嵌る形状に形成される。または、第1孔43は、下部の外形が最小となる被梱包品の当該下部より小さくてもよい。本実施形態では、被梱包品が瓶であり、下部である胴部3が円筒状であることから、第1孔43は、円形状に形成される。そして、第1孔43の内径は、複数の瓶2のうち胴部3の外径が最小となる瓶2の胴部3が嵌る内径以下、例えば当該胴部3の外径以下の寸法に設定される。
【0031】
本実施形態では、第1孔43の内径は、例えば、複数の瓶2の胴部3のうち外径が最小となる瓶2の胴部3が嵌る外径例えば当該胴部の外径と同じ寸法、または若干大きい寸法に設定される。図3には、複数の瓶2のうち、胴部3の外径が最小値である瓶2A、胴部3の外径が最大値である瓶2B、及び胴部3の外径が瓶2Aより大径で瓶2Bより小径な瓶2Cの一例を示している。瓶2Aは、実線で示され、瓶2B、2Cは、2点鎖線で示される。
【0032】
切れ込み45は、第1孔43の周囲に形成される。切れ込み45は、上壁部33を貫通する。切れ込み45は、第1孔43と連通する。切れ込み45は、第1孔43の径方向に延びる、例えば線状に形成される。
【0033】
切れ込み45の第1孔43と反対側の一端は、例えば、規制部41上に被梱包品を載置した状態で上下方向に規制部41を見たときに、被梱包品2の下部の外周上、または当該外周より外側に配置される。本実施形態では、第1孔43の中心から切れ込み45の第1孔43と反対側の一端までの長さは、外径が最大である胴部3の外径の1/2以上の寸法に設定される。なお、図3では、第1孔43の中心から切り欠き45の第1孔43と反対側の一端までの距離は、例えば、瓶2Bの胴部3の外径の1/2に設定されている。
【0034】
上壁部33の例えば下面には、切れ込み45の第1孔43と反対側の一端を通る例えば円に沿って、折線の一例である圧痕Lが形成される。上壁部33の切れ込み45間の部分は、折り曲げ片44を形成する。複数の折り曲げ片44は、下方に押圧されることで折り曲げられる。
【0035】
図1、2に示すように、第2規制部材50は、複数の瓶2の上部の移動を規制可能に形成される。第2規制部材50は、段ボールで形成される。第2規制部材50は、例えば、基部51と、縦壁部52と、を備える。
【0036】
基部51は、板状に形成される。基部51は、例えば、箱10の上下方向に直交する断面の内縁形状より若干小さい矩形板状に形成される。基部51は、複数の瓶2の首部6を配置可能な複数の第2孔53と、梱包作業を行う作業者の指を配置可能な配置部54と、を備える。
【0037】
複数の第2孔53は、例えば複数の第1孔43と同数である6個形成され、2列3行に配置される。複数の第2孔53は、複数の瓶2の首部6の移動を規制可能に形成される。ここで、首部6の移動とは、首部6の上下方向に直交する方向の移動である。第2孔53は、首部6が縁に当接することで、首部6の移動を規制する。
【0038】
第2孔53は、首部6が第2孔53内で移動しても、首部6が第2孔53の縁に当接することで首部6の移動を停止させて当該首部6を有する瓶2が他の瓶2に当接すること及び瓶2が箱10の内側面に当接することを防止できる大きさを有する。
【0039】
複数の第2孔53は、被梱包品の上部が挿通可能であって、被梱包品の上部より下方の部分が挿通できない大きさに形成される。本実施形態では、複数の第2孔53の内径は、複数の瓶2の首部6のうち外径が最大となる首部6の外径以上であって、複数の瓶2の胴部3のうち外径が最小となる胴部3の外径より小さい寸法に設定される。この為、第2規制部材50は、いずれかの瓶2の肩部5に載置される。
【0040】
配置部54は、例えば、孔、または、基部51の縁に形成される凹部である。配置部54は、複数例えば2つ形成される。配置部54は、例えば、対向する一対の縁の中央に形成される凹部である。配置部54は、例えば半円状に形成される。
【0041】
縦壁部52は、例えば、基部51の長手方向に沿う一対の縁に形成される。一対の縦壁部52は、上方に延出する。一対の縦壁部52は、例えば矩形の板状に形成される。一対の縦壁部52は、箱10の内部空間の上面すなわち箱用上壁部13の下面に当接することで基部51が複数の瓶2の上端より上方に移動することを規制する。換言すると、一対の縦壁部52は、複数の瓶2の首部6が複数の第2孔53から抜け出ることを規制する。
【0042】
一対の縦壁部52の基部51に対する高さは、例えば、図2に示すように、複数の瓶2の首部6が複数の第2孔53に配置された状態で、一対の縦壁部52が箱10の内部空間の上面に当接する寸法である。または、図7に示すように、一対の縦壁部52の基部51に対する高さは、例えば、複数の瓶2の首部6が複数の第2孔53に配置された状態で、一対の縦壁部52及び箱10の内部空間の上面の間の隙間が、基部51の下面から複数の瓶2のうち高さが最小の瓶2の上端までの距離未満となる寸法である。
【0043】
また、このように構成される第1規制部材30及び第2規制部材50では、複数の規制部41は上壁部33の縁より内側の所定位置に配置され、複数の第2孔53は基部51の縁より内側の所定位置に配置される。
【0044】
これら所定位置は、第1規制部材30及び第2規制部材50が箱10の内側面側に移動して内側面に当接して、瓶2の首部6が第2孔53内を移動して第2孔53の縁に当接した状態であっても、複数の瓶2が箱10の内側面に当接せず、複数の瓶2どうしが互いに当接しない位置である。換言すると、第1規制部材30及び第2規制部材50は、複数の瓶2どうしが当接する移動を規制し、複数の瓶2が箱10の内側面に当接する移動を規制する。
【0045】
次に、第1規制部材30を形成する第1ブランク60について図4を用いて説明する。
図4示すように、第1ブランク60は、第1規制部材30を展開した形状に、段ボールのシート部材を例えば打ち抜き加工により切断した素材片である。図4中、実線は、第1ブランク60の折線を示す。折線は、第1ブランク60の組み立て時に第1ブランク60を折り込む部位であり、例えば、第1ブランク60の製造時に形成される、折線を案内する圧痕である。以下、折線を「圧痕」として説明する。
【0046】
第1ブランク60は、第1面部81と、第2面部82と、第3面部83と、第4面部84と、第5面部85と、第6面部86と、第7面部87と、を備える。
【0047】
第1面部81は、上壁部33を構成する。第1面部81は、矩形状に形成される。第1面部81は、圧痕L1、L2、L5、L6を介して、面部82、83、86、87と一体に形成される。第1面部81は、複数の規制部41、及び複数の圧痕Lを備える。
【0048】
第2面部82は、圧痕L1、L3を介して第1面部81及び第4面部84と一体に形成される。第2面部82は、圧痕L1で曲折されることで第1側壁部35を構成する。
第3面部83は、圧痕L1と反対側で第1面部81と圧痕L2を介して一体に形成される。また、第3面部83は、圧痕L4を介して第5面部85と一体に形成される。第3面部83は、圧痕L2で曲折されることで第2側壁部36を構成する。
【0049】
第4面部84は、圧痕L1と反対側で第2面部82と圧痕L3を介して一体に形成される。第4面部84は、圧痕L3で曲折されることで、第1フラップ39を構成する。
【0050】
第5面部85は、圧痕L2と反対側で第3面部83と圧痕L4を介して一体に形成される。第5面部85は、圧痕L4で曲折されることで第2フラップ40を構成する。
第6面部86は、第2面部82及び第3面部83の並び方向に直交する方向の一方側で、第1面部81と圧痕L5を介して一体に形成される。第6面部86は、圧痕L5で曲折されることで、第3側壁部37を構成する。
第7面部87は、第6面部86と反対側で第1面部81と圧痕L6を介して一体に形成される。第7面部87は、圧痕L6で曲折されることで、第4側壁部38を構成する。
【0051】
次に、第2規制部材50を形成する第2ブランク70について図5を用いて説明する。
図5示すように、第2ブランク70は、第2規制部材50を展開した形状に、段ボールのシート部材を例えば打ち抜き加工により切断した素材片である。図5中、実線は、第2ブランク70の組み立て時に第2ブランク70を折り込む部位である折線であり、以下、「圧痕」として説明する。
【0052】
第2ブランク70は、第8面部(第1面部)91と、第9面部(第2面部)92と、第10面部(第3面部)93と、を備える。
第8面部91は、圧痕L7、L8を介して、面部92、93と一体に形成される。
第9面部92は、圧痕L7を介して第8面部91と一体に形成される。第9面部92は、圧痕L7で曲折されることで、一方の縦壁部(第1縦壁部)52を構成する。
第10面部93は、圧痕L7と反対側で第8面部91と圧痕L8を介して一体に形成される。第10面部93は、圧痕L8で曲折されることで、他方の縦壁部(第2縦壁部)52を構成する。
【0053】
次に、梱包資材1で複数の瓶2を梱包する作業の一例を説明する。
まず、図1に示すように、作業者は、箱10を形成するブランクから、箱用下壁部12が閉じ、箱用上壁部13が開いた状態の箱10を形成する。次に、作業者は、箱10内の底面に第1規制部材30を配置する。
【0054】
次に、作業者は、上壁部33の複数の規制部41に、複数の瓶2の胴部3を配置し、下端を第1規制部材30の内部空間の底面すなわち下壁部32の上面に載置する。図3に示すように、胴部3の外径が最小の瓶2Aは、第1孔43内に嵌る。
【0055】
胴部3の外径が第1孔43の内径よりも大きい場合は、図3に示す瓶2B、2Cのように、作業者は、瓶2の下端を第1孔43の周囲に配置し、瓶2を下方に押し込む。図6に示すように、瓶2が押し込まれることで、折り曲げ片44が押し下げられる。結果、第1孔43が広がり、第1孔43内に瓶2の下部が挿入される。折り曲げ片44の押し下げられた部分は、瓶2の周面に当接する。
【0056】
次に、作業者は、配置部54に指を配置して第2規制部材50を保持し、第2規制部材50を縦壁部52が基部51に対して上方に配置される姿勢にし、複数の瓶2の首部6、及び第2規制部材50の複数の第2孔53の位置が上下方向で対向するよう、第2規制部材50の位置を合わせる。
【0057】
図7に示すように、作業者は、第2規制部材50を下方に移動して第2規制部材50を箱10内に収容して、複数の瓶2の首部6を複数の第2孔53内に挿入する。作業者は、第2規制部材50の下方への移動が停止される位置まで、第2規制部材50を下方に下げる。下方への移動が停止される位置は、基部51の下面がいずれかの瓶2の肩部5に当接する位置である。
【0058】
次に、作業者は、箱10の第3内フラップ25及び第4内フラップ26を箱10の内側に折り曲げる。次に、作業者は、第3外フラップ23及び第4外フラップ24を箱10の内側に折り曲げて、固定部材22により、第3外フラップ23及び第4外フラップ24を固定する。第3外フラップ23及び第4外フラップ24が固定されることで、箱10の箱用上壁部13が形成される。このように、第3外フラップ23及び第4外フラップ24を固定することで、梱包資材1による複数の瓶2の梱包が完了する。
【0059】
このように、梱包資材1は、複数の瓶2の胴部3の移動を規制する複数の規制部41を備える第1規制部材30と、複数の瓶2の首部6の移動を規制する複数の第2孔53を備える第2規制部材50と、を備える。この為、箱10内で第1規制部材30及び第2規制部材50が移動しても、第1規制部材30及び第2規制部材50が箱10の内側面に当接し、瓶2の首部6が第2孔53の縁に当接することで、瓶2が箱10の内側面、及び他の瓶2に当接することが防止される。さらに、第2規制部材50は、縦壁部52を備える。そして、縦壁部52は、箱10内の上面に当接することで基部51が複数の瓶2の上端より上方に移動することを規制する。この為、第2孔53から瓶2の首部6が抜けることが防止される。さらに、第1規制部材30の規制部41は、放射状の切れ込み45を備える。この為、規制部41は、異なる外径の胴部3を有する複数の瓶2の移動を規制可能である。このように、本実施形態の梱包資材1によれば、箱10内で複数の瓶2の移動を規制し、複数の瓶2どうしが接触することを防止できる。
【0060】
さらに、瓶2は、第1規制部材30の第1孔43に嵌り、または、折り曲げ片44が当接することで、第1規制部材30に位置決めされる。この為、第2規制部材50を下方に移動することで第2規制部材50の複数の第2孔53に複数の瓶2の首部6を配置できるので、第2規制部材50の設置作業の効率を向上できる。
【0061】
さらに、第1規制部材30は、矩形板状の上壁部33と、上壁部33に一体に形成される矩形板状の第1側壁部35及び第2側壁部36と、第1側壁部35及び第2側壁部36と一体に形成される第1フラップ39及び第2フラップ40と、を備える。そして、第1フラップ39及び第2フラップ40は、複数の規制部41と対向する。
【0062】
この為、第1規制部材30を簡単に形成することができ、第1側壁部35及び第2側壁部36により第1規制部材30を安定して配置することができ、さらに、第1フラップ30及び第2フラップ40に複数の瓶2を載置させることができるので、箱10内で第1規制部材30が上下方向に移動することを防止できる。
【0063】
さらに、第1孔43の内径は、複数の瓶2のうち外径が最小の胴部3が嵌る寸法に設定される。この為、外径が最小の胴部3を有する瓶2の挿入時には、折り曲げ片44を変形させることがないので、規制部41に設置しやすい。
【0064】
なお、上述の例では、第1規制部材30の規制部41は、一例として、第1孔43及び切れ込み45を備える構成が説明されたが、これに限定されない。他の例では、規制部41は、第1孔43を備えず放射状の切れ込み45を備える構成であってもよい。
【0065】
また、上述の例では、第2規制部材50は、一対の縦壁部52を備える構成が一例として説明されたが、これに限定されない。他の例では、第2規制部材50は、1つの縦壁部52を備える構成であってもよい。
【0066】
また、上述の例では、第1規制部材30の胴部31は、矩形の直方体状に形成される例が一例として説明されたが、これに限定されない。第1規制部材30の胴部31は、例えば箱10の箱用胴部11の形状に合わせて形成されてもよい。例えば、箱用胴部11が円筒状に形成される場合は、第1規制部材30の胴部31は、円筒状に形成されてもよい。
【0067】
また、上述の例では、第2規制部材50の基部51は、矩形の板状に形成される例が一例として説明されたが、これに限定されない。基部51は、箱10の箱用胴部11の形状に合わせて形成されてもよい。例えば、箱用胴部11が円筒状に形成される場合は、基部51は、円形の板状に形成されてもよい。
【0068】
また、上述の例では、箱10の箱用胴部11が矩形の筒状に形成され、第1規制部材30の上壁部33が矩形板状に形成され、上壁部33の対向する一対の縁に一体に形成されて下壁部32が一体に形成される第1側壁部35及び第2側壁部36が矩形板状に形成される構成が、一例として説明されたが、これに限定されない。例えば、箱用胴部11が矩形以外の筒状に形成される構成であっても、上壁部33が矩形板状に形成され、第1側壁部35及び第2側壁部36が矩形板状に形成されることで、箱10の底面上に第1規制部材30を安定して載置させることができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の発明が含まれており、開示される複数の構成要件から選択された組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、課題が解決でき、効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0070】
1…梱包資材、2…瓶(被梱包品)、3…胴部(下部)、6…首部(上部)、10…箱、30…第1規制部材、32…下壁部、33…上壁部、35…第1側壁部(側壁部)、36…第2側壁部(側壁部)、39…第1フラップ(第1下壁部)、40…第2フラップ(第2下壁部)、41…規制部、43…第1孔(第1規制部材用孔)、50…第2規制部材、51…基部、52…縦壁部(第1縦壁部、第2縦壁部)、53…第2孔(孔)、60…第1ブランク、70…第2ブランク、81…第1面部、82…第2面部、83…第3面部、84…第4面部、85…第5面部、86…第6面部、87…第7面部、91…第8面部(第1面部)、92…第9面部(第2面部)、93…第10面部(第3面部)、L1…圧痕(第1折線)、L2…圧痕(第2折線)、L3…圧痕(第3折線)、L4…圧痕(第4折線)、L7…圧痕(第1折線)、L8…圧痕(第2折線)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7