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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067595
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】剪定枝細断装置
(51)【国際特許分類】
   B02C 18/14 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
B02C18/14 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021178990
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000132909
【氏名又は名称】株式会社タカキタ
(74)【代理人】
【識別番号】100111349
【弁理士】
【氏名又は名称】久留 徹
(72)【発明者】
【氏名】岡嶋 弘
【テーマコード(参考)】
4D065
【Fターム(参考)】
4D065CA17
4D065CB03
4D065CC01
4D065DD11
4D065DD19
4D065EB11
4D065ED16
4D065EE08
(57)【要約】
【課題】剪定枝を細断する際に、太い枝であっても容易に細断させることができ、また、細い枝についても細かく細断できるようにした剪定枝細断装置を提供する。
【解決手段】剪定枝を収容するケーシング2内で回転可能に設けられた回転軸4と、当該回転軸4の外周に揺動可能に設けられた回転刃5と、前記ケーシング2内に設けられ、前記回転刃5との間に挟まった剪定枝を細断させる固定刃6とを設ける。そして、回転刃5を回転させた際における最大回転領域を前記固定刃6と第一のオーバーラップ量だけオーバーラップさせるとともに、前記回転刃5を固定刃6から退避させるように最大限揺動させた場合において、前記第一のオーバーラップ量よりも小さい第二のオーバーラップ量で、前記固定刃6とオーバーラップさせるようにする。そして、固定刃5に保持されている太い枝について、揺動した回転刃5によって切り込みを入れていくようにする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
剪定枝を収容するケーシングと、
当該ケーシング内で回転可能に設けられた回転軸と、
当該回転軸の外周に揺動可能に設けられた回転刃と、
前記ケーシング内に設けられ、前記回転刃との間に挟まった剪定枝を細断させる固定刃と、
を設けてなる剪定枝細断装置において、
前記回転刃を回転させた際における最大回転領域を前記固定刃と第一のオーバーラップ量だけオーバーラップさせるとともに、前記回転刃を固定刃から退避させるように最大限揺動させた場合において、前記第一のオーバーラップ量よりも小さい第二のオーバーラップ量で、前記固定刃とオーバーラップさせるようにしたことを特徴とする剪定枝細断装置。
【請求項2】
前記回転刃の側辺に、回転方向に沿って先端側を先行させるような湾曲部を設けた請求項1に記載の剪定枝細断装置。
【請求項3】
前記湾曲部における回転方向に沿った先端部分に尖状部を設けた請求項2に記載の剪定枝細断装置。
【請求項4】
前記回転刃が、回転方向に沿った平面状の薄板で構成されるものである請求項1に記載の剪定枝細断装置。
【請求項5】
前記ケーシングに開口部を設けるとともに、当該開口部を介してケーシング内に収容される固定刃を固定する取付部とをケーシングに設け、当該取付部に、前記固定刃の高さ位置を調整するための調整部を設けるようにした請求項1に記載の剪定枝細断装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場などにおける樹木の剪定枝を細断できるようにした剪定枝細断装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
果樹園や一般家庭などの樹木などは、定期的に剪定作業が行われる。
【0003】
このとき、その剪定された枝は圃場に放置され、乾燥させた後、一定の場所に収集されて焼却されるが、剪定枝を焼却する際に煙が発生するため、近隣住民の苦情の対象となってしまう。
【0004】
これに対して、圃場に放置された剪定枝をトラクターなどに連結された細断装置を用いて細断する方法もある(特許文献1参照)。
【0005】
この細断装置は、トラクターの後部に連結されるケーシングと、このケーシングの内側に設けられた左右方向の回転軸の外周に取り付けられる回転刃と、ケーシングの内側に取り付けられる固定刃とを設けて構成されるものであって、トラクターの走行によって取り込まれた剪定枝を回転刃と固定刃で細断させるようにしたものである。このような装置を用いれば、圃場に列状に収集された剪定枝をトラクターの走行によって細断させることができるため、焼却場所までの運搬や焼却などの作業がなくなるというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001-238512号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような細断装置においても、次のような問題がある。
【0008】
すなわち、上記特許文献1に示される装置で剪定枝を細断する場合、固定刃とオーバーラップさせた状態で回転刃を回転させ、固定刃と回転刃との間に剪定枝を挟み込んで細断させるようにしているが、回転刃が回転軸に固定されていると、太い枝を細断する際に固定刃との間に挟まって回動軸が動かなくなってしまう。これに対して、回転軸のトルクを上げて強制的に太い枝を細断させるようにすればよいが、果樹園の細い通路を通行できるような小さなトラクターでは、馬力がないため、トルクを上げることができない。
【0009】
一方、固定刃と回転刃とをオーバーラップさせないように設ければ、太い枝の挟み込みがなくなるが、このような隙間を設けると、細い枝などが隙間からすり抜けてしまい、細断させることができなくなる。
【0010】
そこで、本発明は上記課題に着目してなされたものであり、剪定枝を細断する際に、太い枝であっても容易に細断させることができ、また、細い枝についても細かく細断できるようにした剪定枝細断装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
すなわち、本発明は上記課題を解決するために、剪定枝を収容するケーシングと、当該ケーシング内で回転可能に設けられた回転軸と、当該回転軸の外周に揺動可能に設けられた回転刃と、前記ケーシング内に設けられ、前記回転刃との間に挟まった剪定枝を細断させる固定刃とを設けてなる剪定枝細断装置において、前記回転刃を回転させた際における最大回転領域を前記固定刃と第一のオーバーラップ量だけオーバーラップさせるとともに、前記回転刃を固定刃から退避させるように最大限揺動させた場合において、前記第一のオーバーラップ量よりも小さい第二のオーバーラップ量で、前記固定刃とオーバーラップさせるようにしたものである。
【0012】
このように構成すれば、太い枝を細断する場合であっても、回転刃を退避させて回転軸の回転を維持させることができるとともに、固定刃とのオーバーラップ量を小さくすることによって、太い枝の表面から徐々に切り込みを入れて細断していくことができるようになる。しかも、回転刃が最大限揺動した場合であっても、固定刃とオーバーラップしているため、細い枝が固定刃との隙間からすり抜けてしまうことなく、細い枝についても確実に細断することができるようになる。
【0013】
また、このような発明において、前記回転刃の側辺に、回転方向に沿って先端側を先行させるような湾曲部を設ける。
【0014】
このように構成すれば、湾曲部で剪定枝を保持させるようにしておくことができるため、回転刃の遠心力で剪定枝が回転領域の外側に飛ばされて細断できなくなることを防止できる。
【0015】
さらに、当該湾曲部における回転方向に沿った先端部分に尖状部を設ける。
【0016】
このように構成すれば、尖状部で太い枝に切込みを入れて、徐々に細断していくことができるようになる。
【0017】
また、前記回転刃を、回転方向に沿った平面状の薄板で構成する。
【0018】
このように構成すれば、小さな回転トルクで回転させた場合であっても、薄板の側辺によって、剪定枝の茎稈と略直交方向から切れ込みを入れていくことができるようになる。
【0019】
また、前記ケーシングに開口部を設けるとともに、当該開口部を介してケーシング内に収容される固定刃を固定する取付部をケーシングに設け、当該取付部に、前記固定刃の高さ位置を調整するための調整部を設けるようにする。
【0020】
このように構成すれば、枝の太さに応じて固定刃とのオーバーラップ量を調整することができるため、太い枝であっても細断することができるようになる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、太い枝を細断する場合であっても、回転刃を退避させて回転軸の回転を維持させることができるとともに、固定刃とのオーバーラップ量を小さくすることによって、太い枝の表面から切り込みを入れて、徐々に細断していくことができるようになる。しかも、回転刃が最大限揺動した場合であっても、固定刃とオーバーラップしているため、細い枝が固定刃との隙間からすり抜けてしまうことなく、細い枝についても確実に細断することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の一実施の形態を示す剪定枝細断装置の断面概略図
図2】同形態における平面概略図(固定刃フレームを取り付けていない状態)
図3】同形態におけるカーテンを示す図
図4】同形態における固定刃と回転刃のオーバーラップ状態を示す図
図5】同形態における回転軸に螺旋状に取り付けられる固定刃の位置を示す図
図6】同形態における固定刃を示す図
図7】同形態における回転刃と固定刃の配置状態を示す図
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0024】
この実施の形態における剪定枝細断装置1は、トラクター(図示せず)の後部に連結され、圃場を走行しながら列状に並べられた剪定枝を細断できるようにしたものであって、図1図2に示すように、トラクターの後部に連結されるケーシング2と、当該ケーシング2に取り付けられ、トラクターのPTOからの回転力によって駆動し、ケーシング2の左右方向に跨る軸を中心に回転する回転軸4と、当該回転軸4の外周に沿って設けられた回転刃5と、当該回転刃5に対向して設けられた固定刃6とを設けて構成されるものである。そして、特徴的に、回転刃5を揺動可能に取り付けるとともに、回転刃5の最大回転領域を固定刃6と第一のオーバーラップ量S1(図4参照)でオーバーラップさせ、また、回転刃5を揺動させて固定刃6から最も退避させた状態において、前記第一のオーバーラップ量S1よりも小さな第二のオーバーラップ量S2でオーバーラップさせるようにしたものである。これにより、細い枝については、小さな第二のオーバーラップ量S2以上のオーバーラップ量で回転する回転刃5で細断させることができるとともに、太い枝や硬い枝については、退避させた固定刃5の先端側で切り込みを入れ、徐々に細断させていくことができるようにしたものである。以下、本実施の形態について詳細に説明する。なお、説明において、トラクターの進行方向を前後方向とし、これに水平面内で直交する方向を左右方向として説明する。
【0025】
まず、ケーシング2は、トラクターの後部に連結される横長状に構成されるものであって、下向きに開口するように設けられている。このケーシング2は、トラクターのトップリンクに上部中央部分で吊り下げられ、また、左右部分でトラクターのロアリンクに取り付けられる。また、このケーシング2の前面には、圃場の剪定枝を取り入れるための取入口21が設けられており、この取入口21に取り付けられたカーテン22を介して剪定枝を取り入れられるようになっている。このカーテン22は、ケーシング2の内部に剪定枝を取り入れるために、スリット部分22b(図3参照)を設けており、また、ケーシング2の内部で細断された剪定枝の前方へ飛散させないように、前後のカーテン要素22aをスリット部分22bが千鳥状となるように取り付けている。これにより、取入口21に剪定枝を取り入れる際にカーテン要素22aが撓んだ場合であっても、前方側のカーテン要素22aを垂れ下げておくことができるため、ケーシング2の内部から剪定枝が前方に飛散することがなくなる。
【0026】
一方、このケーシング2の後方側には、図1に示すように、細断された剪定枝をケーシング2内に戻すための戻し部23が着脱可能に取り付けられる。この戻し部23は、ケーシング2の後部下端側をケーシング2の内側に屈曲させるように設けられており、これにより、細断された剪定枝をケーシング2の内部に戻して、さらに細かく細断させるようにしている。
【0027】
このケーシング2には、図示しないトラクターのPTOに連結され、PTOの回転力を左右方向に沿った軸の回転力に変換させるために駆動部3(図1および図2参照)が設けられる。この駆動部3は、PTOの回転力を左右方向のシャフトの回転力に変換させ、そのシャフトの回転力を、側面に設けられた図示しないスプロケットを介して、回転軸4を回転させるように構成されている。
【0028】
このケーシング2内に設けられる回転軸4は、図5図7に示すように、ケーシング2の左右方向に沿って設けられ、その外周部分に回転刃5を設けて構成される。
【0029】
この回転刃5は、図5に示すように、回転軸4に沿って螺旋状になるように設けられるものであって、回転方向に沿った面と平行な薄板状に構成され、その側面部で剪定枝の茎稈を略直交方向に細断できるようになっている。この回転刃5は、回転軸4の外周に設けられた軸支部51aの揺動軸51に取り付けられており、その揺動軸51を中心に回転方向に沿って揺動できるようにしている。そして、遠心力によって最大限広がった第一の回転領域A1と、最も退避させた最大限小さな第二の回転領域A2(図4参照)の範囲内で揺動させながら回転できるようになっている。この回転刃5の先端側には、回転方向に向かう方向の先端部分に尖らせた尖状部52を設けており、この尖状部52から内側に湾曲させた湾曲部53を設けるようにしている。そして、この尖状部52で太い剪定枝の表面に切り込みを入れられるようにするとともに、湾曲部53で剪定枝を保持させ、固定刃6との間に挟み込んで細断できるようにしている。なお、この回転刃5は、対称形状に構成されており、これによって、回転刃5の側辺が摩耗した場合であっても、前後に反転させることで、新しい刃で細断できるようになっている。
【0030】
一方、この回転刃5に対向した位置に設けられる固定刃6は、図1に示すように、ケーシング2の内側に取り付けられるものであって、図4に示すように、回転刃5との間に剪定枝を挟み込んで細断できるように構成されている。この固定刃6は、図7に示すように、左右方向に所定の隙間をもって内側で回転刃5を回転させられるように、固定刃フレーム61の下方に設けられており、ケーシング2の上部に設けられたスリット状の開口部24に挿入して、固定刃フレーム61の左右端部に設けられた取付プレート63を介してケーシング2の取付プレート25に取り付けられる。この固定刃フレーム61をケーシング2に取り付ける場合は、中央部分に設けられた把持部64を手で持ち上げて高さを調整し、ケーシング2の左右に設けられた取付プレート25の長穴26にボルトやナットを取り付けて固定する。
【0031】
また、この固定刃6の側辺部分は、漸次下方に向かうに従って前後幅を小さくするようなピラミッド状に構成されており、ピラミッド状の段差部分62に剪定枝をスライドさせながら細断することで、剪定枝に衝撃を与えて細断できるようにしている。なお、この固定刃6についても、対称形状となるように設けられており、これによって、固定刃フレーム61を左右逆に取り付けることで、摩耗していない刃を用いて細断できるようにしている。
【0032】
次に、このように構成された剪定枝細断装置1を用いて、圃場に列状に集められた剪定枝を細断する際の作用について説明する。
【0033】
まず、剪定作業を行うに際して、剪定枝細断装置1をトラクターの後部に設けられたトップリンクやロアリンクに取り付け、また、PTOと駆動部3とを連結させて、回転軸4を回転させるようにする。
【0034】
そして、このように回転軸4を回転させながらトラクターを走行させ、列状に放置された剪定枝をケーシング2の取入口21から取り入れていく。このとき、剪定枝は、トラクターの走行方向に対して、略直交する方向(左右方向)に取入口21のカーテン22を介して取り入れられることになる。
【0035】
すると、カーテン22を介して取り入れられた剪定枝は、下方部分が前向きに回転する回転刃5に当たり、その際、回転刃5の側辺に設けられた湾曲部53で保持されながら回転する。
【0036】
このように湾曲部53に保持されながら回転してきた剪定枝のうち、細い枝については、固定刃6と第一のオーバーラップ量S1でオーバーラップする回転刃5との間に挟み込まれて細断される。
【0037】
一方、太い枝が取り込まれた場合は、図4に示すように、回転刃5を揺動軸51を中心に固定枝から退避するように揺動させるが、その際、ピラミッド状に構成された固定刃6の段差部分62によって衝撃が与えられ、表面に切り込みが入れられる。そして、最も退避した状態の回転刃5の尖状部52によって、剪定枝の表面に切り込みが入れられ、回転刃5が回転していく。そして、後続の回転刃5によって徐々に太い枝の切り込みが深くなり、最終的に細断される。
【0038】
なお、このように回転刃5を退避させた状態において、細い枝が混入している場合は、常に固定刃6と回転刃5がオーバーラップした状態であるため、その細い枝についても、固定刃6と回転刃5の間に挟み込んで細断させることができるようになる。
【0039】
そして、このように細断された剪定枝を、ケーシング2内で周回させ、ケーシング2の後部に設けられた戻し部23によって、再び前方側の回転領域に戻して、同様に、固定刃6と回転刃5との間に挟み込んで細断する。
【0040】
なお、このように剪定枝を細断している作業中に、次の剪定枝が取入口21から取り込まれた場合、前方に向けて回転する回転刃5によって、細断された剪定枝が前方に飛散することになるが、二枚のカーテン要素22aを千鳥状に設けているため、前方側のカーテン要素22aを常に垂れ下げておくことができ、運転席側への飛散を抑制することができるようになる。
【0041】
このように上記実施の形態によれば、剪定枝を収容するケーシング2と、当該ケーシング2内で回転可能に設けられた回転軸4と、当該回転軸4の外周に揺動可能に設けられた回転刃5と、前記ケーシング2内に設けられ、前記回転刃5との間に挟まった剪定枝を細断させる固定刃6とを設けてなる剪定枝細断装置1において、前記回転刃5を回転させた際における最大回転領域を前記固定刃6と第一のオーバーラップ量だけオーバーラップさせるとともに、前記回転刃5を固定刃6から退避させるように最大限揺動させた場合において、前記第一のオーバーラップ量よりも小さい第二のオーバーラップ量で、前記固定刃6とオーバーラップさせるようにしたので、太い枝を細断する場合であっても、回転刃5を退避させて回転軸4の回転を維持させることができるとともに、固定刃6とのオーバーラップ量を小さくすることによって、太い枝の表面から切り込みを入れて、徐々に細断していくことができるようになる。しかも、回転刃5が最大限揺動した場合であっても、固定刃6とオーバーラップしているため、細い枝が固定刃6との隙間からすり抜けてしまうことなく、細い枝についても確実に細断することができるようになる。
【0042】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、種々の態様で実施することができる。
【0043】
例えば、上記実施の形態では、トラクターの後部に連結させるように構成したが、トラクターの前方部分に連結させるようにしてもよい。この場合、駆動部3としては油圧によって駆動させるようにするとよい。
【0044】
また、上記実施の形態では、トラクターに連結させるようにしているが、トラクター以外の走行車に取り付けるようにしてもよく、あるいは、このような走行車に取り付けることなく、据え置き型の剪定枝細断装置として使用してもよい。このような据え置き型の剪定枝細断装置として使用する場合は、上方から剪定枝を投入し、同様の回転刃5や固定刃6で細断させ、下方から排出させるようにする。
【0045】
さらに、上記実施の形態では、回転刃5を略T字状に構成したが、側辺が直線状となるような薄板で構成するようにしてもよく、また、側辺に鋸状の段差を設けて細断させるようにしてもよい。
【0046】
また、上記実施の形態では、固定刃フレーム61を取付プレート25の長穴26を介して取り付けるようにしたが、これ以外の方法でケーシング2に取り付けるようにしてもよい。この際、固定刃フレーム61の高さ位置については、長穴26ではなく、ネジの回転量によって高さ位置を調整するなどの方法を用いるようにしてもよい。
【0047】
また、上記実施の形態では、カーテン22を密着して二枚取り付けるようにしたが、前後の隙間を空けてケーシング2に取り付けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1・・・剪定枝細断装置
2・・・ケーシング
21・・・取入口
22・・・カーテン
22a・・・カーテン要素
23・・・戻し部
24・・・開口部
25・・・取付プレート
26・・・長穴
3・・・駆動部
4・・・回転軸
5・・・回転刃
51・・揺動軸
52・・・尖状部
53・・・湾曲部
6・・・固定刃
61・・・固定刃フレーム
62・・・段差部分
63・・・取付プレート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7