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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067603
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/205 20060101AFI20230509BHJP
   B41J 2/21 20060101ALI20230509BHJP
   B41J 2/01 20060101ALN20230509BHJP
【FI】
B41J2/205
B41J2/21
B41J2/01 305
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179001
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】藤田 泰仁
(72)【発明者】
【氏名】村松 風子
(72)【発明者】
【氏名】舘林 優太
【テーマコード(参考)】
2C056
2C057
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB58
2C056EC42
2C056EC69
2C056EC79
2C056ED01
2C056EE17
2C056EE18
2C056FA02
2C057AF21
2C057AL31
2C057AM28
2C057AN01
2C057AN07
2C057CA01
2C057CA05
2C057DA01
2C057DA05
2C057DB01
2C057DB03
2C057DB07
(57)【要約】
【課題】印刷の品質の低下を抑制する。
【解決手段】プリンタ10の制御装置60は、複数のドットの配分率が第1配分率を有する第1ドット配分率情報と、第2配分率を有する第2ドット配分率情報とに基づいて、第1配分率と第2配分率との間の中間配分率を有する中間ドット配分率情報を作成する中間配分率作成部73と、入力データPd1のベクタ形式のオブジェクトPd11の領域を、オブジェクトPd11の太さに応じて、第1領域AR11と第2領域AR12と中間領域AR13とに分割する分割部75と、第1配分率に基づいて第1領域AR11を印刷用の印刷データに変換する第1変換部81と、第2配分率に基づいて第2領域AR12を印刷データに変換する第2変換部82と、中間配分率に基づいて中間領域AR13を印刷データに変換する中間変換部83と、印刷データに基づいて印刷を行う印刷部84を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を支持する支持台と、
複数の大きさのドットのインクを吐出可能なインクヘッドと、
前記支持台に支持された媒体と前記インクヘッドとを相対的に移動させる移動機構と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
階調度に応じて、複数の大きさのドットのインクの配分率が第1配分率で示された第1ドット配分率情報を取得する第1取得部と、
前記第1配分率よりも、小さいドットのインクの配分率を高くした第2配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された第2ドット配分率情報を取得する第2取得部と、
前記第1ドット配分率情報と、前記第2ドット配分率情報とに基づいて、前記第1配分率と前記第2配分率との間になる中間配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された中間ドット配分率情報を作成する中間配分率作成部と、
ベクタ形式のオブジェクトを少なくとも含む印刷可能な入力データを取得する取得部と、
前記入力データの前記ベクタ形式のオブジェクトの領域を、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが第1の太さよりも大きい第1領域と、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが、前記第1の太さよりも小さい第2の太さ、よりも小さい第2領域と、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが前記第1の太さ以下であり、かつ、前記第2の太さ以上である中間領域と、に分割する分割部と、
前記第1配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記第1領域を、印刷用の印刷データに変換する第1変換部と、
前記第2配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記第2領域を、前記印刷データに変換する第2変換部と、
前記中間配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記中間領域を、前記印刷データに変換する中間変換部と、
前記第1変換部、前記第2変換部および前記中間変換部によって変換された前記印刷データに基づいて、複数の大きさのドットのインクを吐出させて印刷を行う印刷部と、
を備えた、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記ベクタ形式のオブジェクトは線を含み、
前記分割部は、前記線の領域のうち、前記線の幅が第1幅よりも大きい領域を前記第1領域とし、前記線の幅が前記第1幅よりも小さい第2幅、よりも小さい領域を前記第2領域とし、前記線の幅が前記第1幅以下であり、かつ、前記第2幅以上である領域を前記中間領域とする、請求項1に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記ベクタ形式のオブジェクトは文字を含み、
前記分割部は、前記文字の領域のうち、前記文字のサイズが第1サイズよりも大きい領域を前記第1領域とし、前記文字のサイズが前記第1サイズよりも小さい第2サイズ、よりも小さい領域を前記第2領域とし、前記文字のサイズが前記第1サイズ以下であり、かつ、前記第2サイズ以上である領域を前記中間領域とする、請求項1または2に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項4】
媒体を支持する支持台と、
複数の大きさのドットのインクを吐出可能なインクヘッドと、
前記支持台に支持された媒体と前記インクヘッドとを相対的に移動させる移動機構と、
制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、
階調度に応じて、複数の大きさのドットのインクの配分率が第1配分率で示された第1ドット配分率情報を取得する第1取得部と、
前記第1配分率よりも、小さいドットのインクの配分率を高くした第2配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された第2ドット配分率情報を取得する第2取得部と、
前記第1ドット配分率情報と、前記第2ドット配分率情報とに基づいて、前記第1配分率と前記第2配分率との間になる中間配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された中間ドット配分率情報を作成する中間配分率作成部と、
オブジェクトを少なくとも含む印刷可能な入力データを取得する取得部と、
前記入力データの前記オブジェクトのエッジを検出するエッジ検出部と、
前記エッジ検出部によって検出された前記オブジェクトの前記エッジに基づいて、前記オブジェクトのエッジ間距離を算出する距離算出部と、
前記入力データの前記オブジェクトの領域を、前記エッジ間距離が第1距離よりも大きい第1領域と、前記エッジ間距離が前記第1距離よりも小さい第2距離、よりも小さい第2領域と、前記エッジ間距離が前記第1距離以下であり、かつ、前記第2距離以上である中間領域と、に分割する分割部と、
前記第1配分率に基づいて前記オブジェクトの前記第1領域を、印刷用の印刷データに変換する第1変換部と、
前記第2配分率に基づいて前記オブジェクトの前記第2領域を、前記印刷データに変換する第2変換部と、
前記中間配分率に基づいて前記オブジェクトの前記中間領域を、前記印刷データに変換する中間変換部と、
前記第1変換部、前記第2変換部および前記中間変換部によって変換された前記印刷データに基づいて、複数の大きさのドットのインクを吐出させて印刷を行う印刷部と、
を備えた、インクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記制御装置は、前記取得部によって取得された前記入力データに対して色値を補正する画像補正処理を実行する画像補正処理部を備え、
前記エッジ検出部は、前記画像補正処理された前記入力データの前記オブジェクトのエッジを検出する、請求項4に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記オブジェクトは、少なくともラスタ形式のオブジェクトを含む、請求項4または5に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記インクヘッドから吐出されるインクのドットは、
第1の径を有する第1ドットと、
前記第1の径よりも小さい第2の径を有する第2ドットと、
前記第2の径よりも小さい第3の径を有する第3ドットと、
を備えている、請求項1から6までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記第2ドット配分率情報において、前記第2配分率では、前記第3ドットのインクの配分率を前記第1配分率よりも高くしている、請求項7に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記第2ドット配分率情報において、前記第2配分率では、前記第2ドットのインクの配分率を前記第1配分率よりも高くしている、請求項7または8に記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記第2ドット配分率情報において、前記第2配分率では、前記第1ドットのインクの配分率を前記第1配分率よりも低くしている、請求項7から9までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記中間配分率作成部は、前記第1配分率と前記第2配分率とに対して線形補間することで前記中間配分率を算出し、前記中間ドット配分率情報を作成する、請求項1から10までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記第1ドット配分率情報および前記第2ドット配分率情報は、前記入力データの階調度に対する、複数のドットのそれぞれの割合を示したテーブルで表現される、請求項1から11までの何れか1つに記載されたインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1には、小ドット、中ドット、大ドットの3種類の大きさのドットのインクを吐出可能な印刷処理装置が開示されている。この印刷処理装置では、印刷対象のオブジェクトの種別が文字の場合において、文字サイズがXポイント以下であるか否かを判定する。文字サイズがXポイントよりも大きい場合、通常サイズ用スクリーン処理を実行して印刷を行い、文字サイズがXポイント以下の場合、小サイズ用スクリーン処理を実行して印刷を行う。ここで、小サイズ用スクリーン処理は、通常サイズ用スクリーン処理に比べて、低濃度側にシフトされた濃度設定を行う。このことによって、印刷された小サイズの文字の判読性を高めることができる。
【0003】
例えば特許文献2には、印刷対象の線が細線の場合に、この細線が途切れて印刷されるのを低減する印刷システムが開示されている。この印刷システムでは、印刷元データに細線が存在しているとき、ディザマスクの閾値を変更し、閾値を変更したディザマスクに基づいてハーフトーン処理を実行する。このことで、インクの噴射によるドットの形成箇所を増やすことができ、細線の連続性を高めることができる。その結果、印刷画像において細線が途切れるのを低減することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004-306555号公報
【特許文献2】特開2012-157998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1に開示された印刷処理装置において、印刷対象の文字の文字サイズが大きいときと小さいときとで、異なるスクリーン処理をする場合、文字サイズが大きい文字と、小さい文字との境界の部分で印刷の品質が低下するおそれがある。また、特許文献2に開示された印刷システムにおいて、印刷対象の線が、細線であるか否かで、閾値が変更されたディザマスクに基づいてハーフトーン処理を実行する場合、細線と、細線ではない線との境界の部分で印刷の品質が低下するおそれがある。
【0006】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、印刷の品質が低下することを抑制可能なインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るインクジェットプリンタは、媒体を支持する支持台と、複数の大きさのドットのインクを吐出可能なインクヘッドと、前記支持台に支持された媒体と前記インクヘッドとを相対的に移動させる移動機構と、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、第1取得部と、第2取得部と、中間配分率作成部と、取得部と、分割部と、第1変換部と、第2変換部と、中間変換部と、印刷部とを備えている。前記第1取得部は、階調度に応じて、複数の大きさのドットのインクの配分率が第1配分率で示された第1ドット配分率情報を取得する。前記第2取得部は、前記第1配分率よりも、小さいドットのインクの配分率を高くした第2配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された第2ドット配分率情報を取得する。前記中間配分率作成部は、前記第1ドット配分率情報と、前記第2ドット配分率情報とに基づいて、前記第1配分率と前記第2配分率との間になる中間配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された中間ドット配分率情報を作成する。前記取得部は、ベクタ形式のオブジェクトを少なくとも含む印刷可能な入力データを取得する。前記分割部は、前記入力データの前記ベクタ形式のオブジェクトの領域を、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが第1の太さよりも大きい第1領域と、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが前記第1の太さよりも小さい第2の太さ、よりも小さい第2領域と、前記ベクタ形式のオブジェクトの太さが前記第1の太さ以下であり、かつ、前記第2の太さ以上である中間領域と、に分割する。前記第1変換部は、前記第1配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記第1領域を、印刷用の印刷データに変換する。前記第2変換部は、前記第2配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記第2領域を、前記印刷データに変換する。前記中間変換部は、前記中間配分率に基づいて前記ベクタ形式のオブジェクトの前記中間領域を、前記印刷データに変換する。前記印刷部は、前記第1変換部、前記第2変換部および前記中間変換部によって変換された前記印刷データに基づいて、複数の大きさのドットのインクを吐出させて印刷を行う。
【0008】
上記インクジェットプリンタによれば、ベクタ形式のオブジェクトの領域のうち、第1の太さよりも大きい第1領域に対して用いられる第1ドット配分率情報と、第2の太さよりも小さい第2領域に対して用いられる第2ドット配分率情報とに基づいて、第1領域と第2領域との間の中間領域に対して用いられる中間ドット配分率情報を作成している。よって、ベクタ形式のオブジェクトの中間領域を変換した印刷データに基づいて印刷する際、第1配分率と第2配分率との間になる中間配分率で、複数のドットのインクが吐出されるため、従来と比較して、第1領域と中間領域との境界における印刷の差、および、中間領域と第2領域との境界における印刷の差を小さくすることができる。よって、第1ドット配分率情報と第2ドット配分率情報の他に、中間ドット配分率情報を用いて、入力データを変換した印刷データに基づいて印刷をすることで、印刷の品質の低下を抑制することができる。
【0009】
本発明に係る他のインクジェットプリンタは、媒体を支持する支持台と、複数の大きさのドットのインクを吐出可能なインクヘッドと、前記支持台に支持された媒体と前記インクヘッドとを相対的に移動させる移動機構と、制御装置と、を備えている。前記制御装置は、第1取得部と、第2取得部と、中間配分率作成部と、取得部と、エッジ検出部と、距離算出部と、分割部と、第1変換部と、第2変換部と、中間変換部と、印刷部とを備えている。前記第1取得部は、階調度に応じて、複数の大きさのドットのインクの配分率が第1配分率で示された第1ドット配分率情報を取得する。前記第2取得部は、前記第1配分率よりも、小さいドットのインクの配分率を高くした第2配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された第2ドット配分率情報を取得する。前記中間配分率作成部は、前記第1ドット配分率情報と、前記第2ドット配分率情報とに基づいて、前記第1配分率と前記第2配分率との間になる中間配分率で、複数の大きさのドットのインクの配分率が示された中間ドット配分率情報を作成する。前記取得部は、オブジェクトを少なくとも含む印刷可能な入力データを取得する。前記エッジ検出部は、前記入力データの前記オブジェクトのエッジを検出する。前記距離算出部は、前記エッジ検出部によって検出された前記オブジェクトの前記エッジに基づいて、前記オブジェクトのエッジ間距離を算出する。前記分割部は、前記入力データの前記オブジェクトの領域を、前記エッジ間距離が第1距離よりも大きい第1領域と、前記エッジ間距離が前記第1距離よりも小さい第2距離、よりも小さい第2領域と、前記エッジ間距離が前記第1距離以下であり、かつ、前記第2距離以上である中間領域と、に分割する。前記第1変換部は、前記第1配分率に基づいて前記オブジェクトの前記第1領域を、印刷用の印刷データに変換する。前記第2変換部は、前記第2配分率に基づいて前記オブジェクトの前記第2領域を、前記印刷データに変換する。前記中間変換部は、前記中間配分率に基づいて前記オブジェクトの前記中間領域を、前記印刷データに変換する。前記印刷部は、前記第1変換部、前記第2変換部および前記中間変換部によって変換された前記印刷データに基づいて、複数の大きさのドットのインクを吐出させて印刷を行う。
【0010】
上記他のインクジェットプリンタによれば、入力データに含まれるオブジェクトには、太さ(例えば幅)の情報が含まれていないことがあり得る。しかしながら、ここでは、入力データのオブジェクトに対してエッジの検出をして、エッジ間距離を算出することで、オブジェクトを構成する線などの太さをエッジ間距離として算出することができる。よって、オブジェクトにおけるエッジ間距離が第1距離以下、かつ、第2距離以上の領域を中間領域とし、オブジェクトの中間領域を変換した印刷データに基づいて印刷する際、第1配分率と第2配分率との間になる中間配分率で、複数のドットのインクが吐出される。したがって、従来と比較して、第1領域と中間領域との境界におけるオブジェクトの印刷の差、および、中間領域と第2領域との境界におけるオブジェクトの印刷の差を小さくすることができる。その結果、第1ドット配分率情報と第2ドット配分率情報の他に、中間ドット配分率情報を用いて、入力データを変換した印刷データに基づいて印刷をすることで、印刷の品質の低下を抑制することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、印刷の品質が低下することを抑制可能なインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】実施形態に係るプリンタを示す正面図である。
図2】プリンタのキャリッジおよびインクヘッドの底面の構成を模式的に示す底面図である。
図3】実施形態に係るプリンタのブロック図である。
図4】インクヘッドが吐出可能な第1ドット、第2ドット、第3ドットのインクを示す模式図である。
図5】入力データの一例を示す図である。
図6】第1ドット配分率情報を示すグラフである。
図7】第2ドット配分率情報を示すグラフである。
図8】入力データにおけるベクタ形式のオブジェクトの線を示す図である。
図9】入力データにおけるベクタ形式のオブジェクトの文字を示す図である。
図10】入力データのベクタ形式のオブジェクトに対する印刷制御を示すフローチャートである。
図11】中間ドット配分率情報を示すグラフである。
図12】入力データにおけるラスタ形式のオブジェクトを示す図である。
図13】入力データのラスタ形式のオブジェクトに対する印刷制御を示すフローチャートである。
図14】エッジが検出された後のラスタ形式のオブジェクトを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら、本発明に係るインクジェットプリンタの実施形態について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら本発明を特に限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化される。
【0014】
以下、本実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下、プリンタともいう。)10について説明する。図1は、本実施形態に係るプリンタ10を示す正面図である。図2は、プリンタ10のキャリッジ17およびインクヘッド20の底面の構成を模式的に示す底面図である。図3は、本実施形態に係るプリンタ10のブロック図である。ここで、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれプリンタ10の前、後、左、右、上、下を意味するものとする。図面中の符号Yは主走査方向を示している。本実施形態では、主走査方向Yは左右方向である。図面中の符号Xは副走査方向を示している。本実施形態では、副走査方向Xは、前後方向であり、平面視において主走査方向Yと交差(ここでは直交)する方向である。ただし、これら方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0015】
プリンタ10は、図1に示す媒体5に対して印刷を行うものである。媒体5は例えばロール状の記録紙であり、いわゆるロール紙である。しかしながら、媒体5は、ロール状の記録紙に限定されない。例えば媒体5は、普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類以外に、ポリ塩化ビニルやポリエステルなどの樹脂製のシートやフィルム、板材、織布や不織布などの布帛、その他の媒体であってもよい。
【0016】
プリンタ10は、インクジェット方式のプリンタである。本実施形態では、プリンタ10は、いわゆるロールtoロールタイプのプリンタであり、ロール状の媒体5を副走査方向Xに移動させるものである。ただし、プリンタ10は、いわゆるフラットベッドタイプのプリンタであってもよく、後述の支持台13(図1参照)が副走査方向Xに移動することで、媒体5も副走査方向Xに移動するものであってもよい。また、プリンタ10は、いわゆるガントリータイプのプリンタであってもよく、支持台13に支持された媒体5自体は移動せずに、後述のインクヘッド20(図2参照)が主走査方向Yおよび副走査方向Xに移動するものであってもよい。
【0017】
図1に示すように、プリンタ10は、プリンタ本体11と、支持台13と、ガイドレール15と、キャリッジ17と、インクヘッド20(図2参照)と、移動機構30と、操作パネル50と、制御装置60と、を備えている。
【0018】
プリンタ本体11は、主走査方向Yに延びたケーシングを有している。プリンタ本体11は、脚12によって支持されている。脚12は、プリンタ本体11の下面に設けられ、当該下面から下方に延びている。
【0019】
支持台13は、媒体5を支持する。ここでは、支持台13の上面は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに広がっている。媒体5は、支持台13の上面に載置されている。支持台13上において媒体5に対して印刷が行われる。
【0020】
ガイドレール15は、支持台13の上方に配置されている。ガイドレール15は、支持台13の上面と平行になるように配置され、主走査方向Yに延びている。ガイドレール15には、キャリッジ17が係合している。キャリッジ17は、ガイドレール15に摺動可能に係合しており、ガイドレール15に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0021】
図2に示すように、インクヘッド20は、キャリッジ17に設けられている。ここでは、インクヘッド20は、その下面(ここでは後述のノズル面25)が露出するように、キャリッジ17に支持されている。インクヘッド20の数は特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド20の数は4つである。4つのインクヘッド20は、主走査方向Yに並んで配置されている。インクヘッド20は、キャリッジ17と共にガイドレール15に沿って主走査方向Yに移動可能に構成されている。
【0022】
各インクヘッド20は、ノズル面25を有している。ノズル面25は、インクヘッド20の下面を構成している。各ノズル面25には、ノズル26が形成されている。ノズル26は、ノズル面25に複数形成されており、副走査方向Xに並んで配列されている。ここで、ノズル面25において、副走査方向Xに並んだノズル26の列のことをノズル列27という。ここでは、1つのノズル面25におけるノズル列27の数は2つである。しかしながら、1つのノズル面25におけるノズル列27の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
【0023】
本実施形態では、インクヘッド20のノズル列27毎に、ノズル26から異なる色のインクが吐出される。インクヘッド20のノズル26から吐出されるインクは、例えばプロセスカラーインクまたは特色インクである。プロセスカラーインクには、例えばシアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインクなどが含まれる。特色インクは、プロセスカラーインク以外の色のインクである。特色インクには、プライマーインク、ホワイトインク、クリアインク、グロスインク、蛍光インク、メタリックインク、オレンジインク、レッドインク、バイオレットインク、ブルーインク、グリーンインクなどが含まれる。
【0024】
図1に示すように、移動機構30は、支持台13に支持された媒体5と、インクヘッド20とを相対的に移動させる機構(例えば3次元方向に移動させる機構)である。移動機構30の構成は特に限定されない。ここでは、移動機構30は、ヘッド移動機構40と、媒体移動機構45とを有している。
【0025】
ヘッド移動機構40は、支持台13に支持された媒体5に対して、インクヘッド20(図2参照)を相対的に主走査方向Yに移動させる機構である。本実施形態では、ヘッド移動機構40は、インクヘッド20およびキャリッジ17を主走査方向Yに移動させる。なお、ヘッド移動機構40の構成は特に限定されない。ここでは、ヘッド移動機構40は、図1に示すように、左右のプーリ41a、41bと、ベルト42と、スキャンモータ43とを備えている。左のプーリ41aは、ガイドレール15の左端部の周囲に設けられている。右のプーリ41bは、ガイドレール15の右端部の周囲に設けられている。ベルト42は、無端状のベルトであり、左右のプーリ41a、41bに巻き掛けられている。ベルト42には、キャリッジ17が取り付け固定されている。右のプーリ41bには、スキャンモータ43が接続されている。
【0026】
ここでは、スキャンモータ43が駆動することで、右のプーリ41bが回転し、ベルト42が走行する。このことで、キャリッジ17およびインクヘッド20は、ガイドレール15に沿って主走査方向Yに移動する。
【0027】
媒体移動機構45は、インクヘッド20に対して、支持台13に支持された媒体5を相対的に副走査方向Xに移動させる機構である。本実施形態では、媒体移動機構45は、支持台13に支持された媒体5を副走査方向Xに移動させる。なお、媒体移動機構45の構成は特に限定されない。ここでは、媒体移動機構45は、ピンチローラ46と、グリットローラ47と、フィードモータ48とを備えている。ピンチローラ46は、支持台13の上方、かつ、ガイドレール15よりも下方に設けられ、媒体5を上から押さえ付けるものである。ピンチローラ46は、平面視においてキャリッジ17よりも後方に配置されている。グリットローラ47は、支持台13に設けられ、外周形状が円柱状の部材である。グリットローラ47は、その上面部を露出させた状態で支持台13に埋設されている。グリットローラ47は、ピンチローラ46と対向している。グリットローラ47には、フィードモータ48が接続されている。
【0028】
ピンチローラ46とグリットローラ47との間に媒体5が挟まれた状態で、フィードモータ48が駆動すると、グリットローラ47が回転する。このことで、支持台13に支持された媒体5は、副走査方向Xに搬送される。
【0029】
本実施形態では、図1に示すように、操作パネル50は、プリンタ本体11の右端部に設けられている。操作パネル50には、プリンタ10の状態などを表示する表示画面51と、ユーザによって操作される入力キー52などが設けられている。
【0030】
制御装置60は、印刷に関する制御などを行う装置である。制御装置60の構成は特に限定されない。制御装置60は、例えばマイクロコンピュータである。マイクロコンピュータのハードウェアの構成は特に限定されない。制御装置60は、例えばI/Fと、CPUと、ROMと、RAMと、を備えている。制御装置60は、プリンタ本体11の内部に設けられている。ただし、制御装置60は、プリンタ本体11の外部に設置されたコンピュータなどで実現されてもよい。この場合、制御装置60は、有線または無線を介してプリンタ10の制御基板(図示せず)と通信可能に接続されている。
【0031】
本実施形態では、図3に示すように、制御装置60は、インクヘッド20、移動機構30のヘッド移動機構40(詳しくはスキャンモータ43)、移動機構30の媒体移動機構45(詳しくはフィードモータ48)、および、操作パネル50(詳しくは表示画面51および入力キー52)と通信可能に接続されている。制御装置60は、インクヘッド20、ヘッド移動機構40、媒体移動機構45、および、操作パネル50を制御する。
【0032】
図4は、インクヘッド20が吐出可能な複数のドットDt1のインクを示す模式図である。ところで、本実施形態に係るプリンタ10では、図4に示すように、インクヘッド20から複数の大きさのドットDt1のインクを吐出する。これら複数の大きさのドットDt1のインクが集合することによって、媒体5に印刷が行われる。なお、インクヘッド20が吐出するインクのドットDt1の大きさの種類の数は、特に限定されない。本実施形態では、インクヘッド20は、径が異なる3種類のドットDt1のインクを吐出することが可能である。
【0033】
ここでは、インクヘッド20から吐出されるインクのドットDt1は、第1ドットDt11と、第2ドットDt12と、第3ドットDt13とを備えている。第1ドットDt11は、いわゆる大ドットであり、第1の径A11を有している。第2ドットDt12は、いわゆる中ドットであり、第2の径A12を有している。ここで、第2の径A12は、第1の径A11よりも小さい。第3ドットDt13は、いわゆる小ドットであり、第3の径A13を有している。第3の径A13は、第1の径A11よりも小さく、かつ、第2の径A12よりも小さい。
【0034】
図5は、入力データPd1の一例を示す図である。本実施形態に係るプリンタ10では、図5に示すような入力データPd1を印刷データに変換し、変換後の印刷データに基づいて印刷が行われる。例えば入力データPd1において、色が指定された領域に対応した媒体5の領域に、インクヘッド20からインクを吐出することで、入力データPd1に基づいた印刷が媒体5に行われる。入力データPd1は、例えばPDF(Portable Document Format)形式で保存されるものである。入力データPd1は、例えば画像データと言い換えることが可能である。
【0035】
ここで、図5に示すように、入力データPd1には、オブジェクトが含まれている。オブジェクトとは、いわゆる描画編集ソフトで編集可能な全てのものの総称である。オブジェクトには、線、文字、画像などが含まれる。オブジェクトとして、ベクタ形式のオブジェクトPd11と、ラスタ形式のオブジェクトPd12と、が含まれている。なお、入力データPd1によっては、ベクタ形式のオブジェクトPd11と、ラスタ形式のオブジェクトPd12とのうち、何れか一方が配置され、他方が配置されていなくてもよい。ここで、ベクタ形式のオブジェクトPd11と、ラスタ形式のオブジェクトPd12とは、データの形式が異なる。ベクタ形式のオブジェクトPd11は、オブジェクトの幾何的情報(例えば点の座標位置、線幅、線の曲線度合いなど)が記憶されたデータ形式である。ラスタ形式のオブジェクトPd12は、オブジェクトの画素値が記憶されたデータ形式である。
【0036】
ここで、ベクタ形式のオブジェクトPd11とは、予め設定されたオブジェクトPd11の太さに関する情報が含まれるものであり、太さの情報に応じた太さで印刷が行われるものである。この太さの情報には、ベクタ形式のオブジェクトPd11に含まれる線の幅や、文字の大きさ、文字の線幅などの情報が含まれ、例えばポイントなどの単位で規定されるものである。ベクタ形式のオブジェクトPd11の一例として、例えば線Pd21、文字Pd22などが挙げられる。ここで、線Pd21には、直線および曲線が含まれる。線Pd21の幅が、ベクタ形式のオブジェクトPd11の太さである。文字Pd22とは、所定のフォントで描かれるものであり、例えば平仮名、片仮名、漢字、英数字、記号などが含まれる。文字Pd22のサイズが、ベクタ形式のオブジェクトPd11の太さである。
【0037】
ラスタ形式のオブジェクトPd12とは、入力データPd1から、ベクタ形式のオブジェクトPd11を除いたもののことである。ラスタ形式のオブジェクトPd12とは、例えば画像である。画像には、例えば絵、模様、写真などが含まれる。ラスタ形式のオブジェクトPd12とは、ベクタ形式のオブジェクトPd11とは異なり、ポイントなどの単位で表される太さに関する情報が含まれていないものである。そのため、ラスタ形式のオブジェクトPd12のどの部分が太くて、どの部分が細いかは、ラスタ形式のオブジェクトPd12から直接分からない。
【0038】
図6図7は、ドット配分率情報R1を示すグラフである。ところで、本実施形態では、入力データPd1の所定の領域において、第1ドットDt11のインクと、第2ドットDt12のインクと、第3ドットDt13のインクとが上記所定の領域に対してどれくらいの割合で吐出されるかは、図6図7などのドット配分率情報R1に基づいて行われる。
【0039】
ここで、ドット配分率情報R1とは、例えば図6に示すように、入力データPd1の階調度に応じて、複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のそれぞれの配分率を規定したものである。ドット配分率情報R1は、例えばテーブルで表現されるものであり、ドット配分率情報R1をグラフ化したものが、図6図7に示されている。なお、図6などでは、横軸に入力データPd1の階調度が示されており、縦軸に、第1ドットDt11~第3ドットDt13のそれぞれの割合(言い換えると、配分率)が示されている。入力データPd1の階調度に応じた配分率になるように、第1ドットDt11~第3ドットDt13のインクが媒体5に向かって吐出されて、入力データPd1を変換した印刷データに基づいた印刷が媒体5に行われる。
【0040】
例えばドット配分率情報R1は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)と、第2ドット配分率情報R12(図7参照)とを有している。本実施形態では、図6に示すように、第1ドット配分率情報R11は、階調度に応じて、複数の大きさのドット(ここでは、第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクの配分率が第1配分率Rt1で示された情報である。図7に示すように、第2ドット配分率情報R12は、階調度に応じて、複数の大きさのドット(ここでは、第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクの配分率が第2配分率Rt2で示された情報である。
【0041】
ここでは、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2とは異なる。第2配分率Rt2は、第1配分率Rt1よりも、小さいドットのインクの配分率を高くしたものである。本実施形態では、第2ドット配分率情報R12において、第2配分率Rt2では、第2ドットDt12および第3ドットDt13のインクの配分率を、第1配分率Rt1よりも高くしている。第1ドット配分率情報R11において、第1配分率Rt1では、第1ドットDt11のインクの配分率を、第2配分率Rt2よりも高くしている。
【0042】
従来では、例えば入力データPd1のベクタ形式のオブジェクトPd11を印刷データに変換して印刷する際、太いオブジェクトPd11(例えば、予め定められた基準太さ以上の太さのオブジェクトPd11)に対しては、第1ドット配分率情報R11(図6参照)に基づいて印刷を行い、細いオブジェクトPd11(例えば上記基準太さ未満の太さのオブジェクトPd11)に対しては、第2ドット配分率情報R12(図7参照)に基づいて印刷を行っていた。言い換えると、細いオブジェクトPd11に対する印刷では、太いオブジェクトPd11に対する印刷と比較して、第3ドットDt13や第2ドットDt12のインクの配分率を高くしていた。
【0043】
しかしながら、上述のように、第1、2ドット配分率情報R11、R12のみを使用して、入力データPd1を印刷データに変換して印刷した場合、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とが切り替わる部分、すなわち基準太さ以上と、基準太さ未満との境界において、印刷の差が出てしまい、印刷の品質が低下するおそれがあった。そこで、本実施形態に係るプリンタ10では、複数のドット配分率情報R1を使用して印刷する場合であっても、印刷の品質が低下することを抑制することができるように、印刷時の制御を行う。
【0044】
本実施形態では、図3に示すように、プリンタ10の制御装置60は、記憶部61と、第1取得部71と、第2取得部72と、中間配分率作成部73と、取得部74と、分割部75と、第1変換部81と、第2変換部82と、中間変換部83と、印刷部84とを備えている。更に、制御装置60は、画像補正処理部91と、エッジ検出部92と、距離算出部93と、を備えている。なお、制御装置60を構成する各部61~93は、1つまたは複数のプロセッサによって実現されるものであってもよいし、回路によって実現されるものであってもよい。また、制御装置60を構成する各部61~93は、所定のソフトウェアによってプログラムされて実現されるものであってもよい。
【0045】
次に、入力データPd1Aに基づいて媒体5に印刷する手順について説明する。図8図9は、それぞれ入力データPd1Aにおけるベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21A、文字Pd22Aを示す図である。図10は、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aに対する印刷制御を示すフローチャートである。ここでは、まず図8および図9に示す入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aを媒体5に印刷する手順について、図10のフローチャートに沿って説明する。
【0046】
ここでは、まず図10のステップS101では、図3の第1取得部71は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)を取得する。例えば第1ドット配分率情報R11は、記憶部61に予め記憶されている。ここでは、第1取得部71は、記憶部61に記憶された第1ドット配分率情報R11を、記憶部61から取得する。ただし、第1ドット配分率情報R11は、記憶部61に記憶されていなくてもよく、例えばプリンタ10に通信可能に接続されたパーソナルコンピュータなどの外部機器に記憶されているものあってもよい。この場合、第1取得部71は、上記外部機器から第1ドット配分率情報R11を取得してもよい。上記外部機器から取得された第1ドット配分率情報R11は、記憶部61に記憶されてもよい。
【0047】
次に、図10のステップS103では、図3の第2取得部72は、第2ドット配分率情報R12(図7参照)を取得する。ここでは、第2ドット配分率情報R12は、第1ドット配分率情報R11と同様に、記憶部61に予め記憶されている。第2取得部72は、記憶部61に記憶された第2ドット配分率情報R12を、記憶部61から取得する。ただし、第2ドット配分率情報R12は、プリンタ10に通信可能に接続された上記外部機器に記憶されていてもよい。この場合、第2取得部72は、上記外部機器から第2ドット配分率情報R12を取得してもよい。上記外部機器から取得された第2ドット配分率情報R12は、記憶部61に記憶されてもよい。
【0048】
図11は、中間ドット配分率情報R13を示すグラフである。次に、図10のステップS105では、図3の中間配分率作成部73は、図11に示すような中間ドット配分率情報R13を作成する。ここでは、中間配分率作成部73は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)と、第2ドット配分率情報R12(図7参照)とに基づいて、中間ドット配分率情報R13を作成する。ここで、中間ドット配分率情報R13とは、第1配分率Rt1(図6参照)と第2配分率Rt2(図7参照)との間になる中間配分率Rt3で、複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクの配分率が示された情報である。中間ドット配分率情報R13では、入力データPd1Aの階調度において、第1ドットDt11の配分率が、第1ドットDt11における第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間となり、第2ドットDt12の配分率が、第2ドットDt12における第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間となり、かつ、第3ドットDt13の配分率が、第3ドットDt13における第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる。
【0049】
本実施形態では、中間ドット配分率情報R13において、中間配分率Rt3では、第1ドットDt11のインクの配分率を、第1配分率Rt1よりも低くし、第2配分率Rt2よりも高くしている。中間配分率Rt3では、第2ドットDt12のインクの配分率を、第1配分率Rt1よりも高くし、第2配分率Rt2よりも低くしている。中間配分率Rt3では、第3ドットDt13のインクの配分率を、第1配分率Rt1よりも高くし、第2配分率Rt2よりも低くしている。
【0050】
なお、中間配分率作成部73による中間ドット配分率情報R13を作成する具体的な制御は、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とに基づいて作成されるものであれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、中間配分率作成部73は、線形補間を用いて中間ドット配分率情報R13を作成する。ここでは、中間配分率作成部73は、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2とに対して線形補間することで中間配分率Rt3を算出することで、中間ドット配分率情報R13を作成する。なお、中間配分率作成部73によって作成された中間ドット配分率情報R13は、図3の記憶部61に記憶される。
【0051】
次に、図10のステップS107では、図3の取得部74は、図8および図9に示すようなベクタ形式のオブジェクトPd11Aを少なくとも含む入力データPd1Aを取得する。入力データPd1Aは、例えばプリンタ10に通信可能に接続された外部機器に記憶されている。例えば外部機器には、入力データ作成用のソフトウェアがインストールされている。外部機器は、入力データ作成用のソフトウェアを用いて、入力データPd1Aを作成し、記憶している。プリンタ10の取得部74は、プリンタ10に通信可能に接続された外部機器から入力データPd1Aを取得する。外部機器から取得された入力データPd1Aは、図3の記憶部61に記憶される。なお、入力データPd1Aは、記憶部61に予め記憶されていてもよい。この場合、取得部74は、記憶部61に予め記憶された入力データPd1Aを取得してもよい。
【0052】
次に、図10のステップS109では、図3の分割部75は、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aを、図8および図9に示すように、第1領域AR11と、第2領域AR12と、中間領域AR13とに分割する。ここでは、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さに応じて、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aを分割する。本実施形態では、太いオブジェクトPd11Aの領域を第1領域AR11とし、細いオブジェクトPd11Aの領域を第2領域AR12とする。そして、太いオブジェクトPd11Aと細いオブジェクトPd11Aとの間のベクタ形式のオブジェクトPd11Aの領域を中間領域AR13とする。ここでは、中間領域AR13は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの全領域から、第1領域AR11および第2領域AR12を除いた領域である。
【0053】
本実施形態では、第1領域AR11と中間領域AR13との境界における、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さは、第1の太さである。すなわち、分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが、第1の太さよりも大きいオブジェクトPd11Aの領域を、第1領域AR11とする。図8図9では、境界線L11が、第1領域AR11と中間領域AR13の境界を示す線である。ここでは、中間領域AR13と第2領域AR12との境界における、ベクタ形式のオブジェクトPd11の太さは、第2の太さである。第2の太さは、第1の太さよりも小さい。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが、第2の太さよりも小さいオブジェクトPd11Aの領域を、第2領域AR12とする。図8図9では、境界線L12が、中間領域AR13と第2領域AR12の境界を示す線である。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが、第1の太さ以下であり、第2の太さ以上であるオブジェクトPd11Aの領域を、中間領域AR13とする。
【0054】
ここで、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さとは、ポイントという単位で表すことができる。図8に示すように、例えばベクタ形式のオブジェクトPd11Aが線Pd21Aの場合、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さとは、線Pd21Aの幅のことである。このとき、第1の太さは、第1幅と言い換えられる。第2の太さは、第2幅と言い換えられる。第2幅は、第1幅よりも小さい幅である。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aの領域のうち、線Pd21Aの幅が第1幅よりも大きい領域を第1領域AR11とし、線Pd21Aの幅が第2幅よりも小さい領域を第2領域AR12とする。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aの領域のうち、線Pd21Aの幅が第1幅以下であり、かつ、第2幅以上である領域を中間領域AR13とする。
【0055】
本実施形態では、図9に示すように、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aが文字Pd22Aの場合、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さとは、文字Pd22Aのサイズのことである。第1の太さは、第1サイズと言い換えられる。第2の太さは、第2サイズと言い換えられる。第2サイズは、第1サイズよりも小さいサイズである。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの文字Pd22Aの領域のうち、文字Pd22Aのサイズが第1サイズよりも大きい領域を第1領域AR11とし、文字Pd22Aのサイズが第2サイズよりも小さい領域を第2領域AR12とする。分割部75は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの文字Pd22Aの領域のうち、文字Pd22Aのサイズが第1サイズ以下であり、かつ、第2サイズ以上である領域を中間領域AR13とする。
【0056】
以上のように、分割部75によって、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの領域を、第1領域AR11と、第2領域AR12と、中間領域AR13とに分割した後、図10のステップS111に進む。ステップS111では、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aを、印刷データに変換する。本実施形態では、入力データPd1Aに対して、RIP(Raster Image Processor)処理をすることで、印刷データに変換される。ここで、印刷データとは、印刷用のデータのことであり、プリンタ10自身が解釈することができるデータのことである。印刷データとは、RIP処理することで得られるラスターデータまたはビットマップデータのことである。RIP処理とは、例えばラスタライズ処理のことであり、RIP処理には、ハーフトーン処理や色変換処理などが含まれる。
【0057】
本実施形態では、第1変換部81は、第1ドット配分率情報R11の第1配分率Rt1(図6参照)に基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第1領域AR11を、印刷データに変換する。ここでは、第1変換部81は、第1領域AR11に対してRIP処理をすることで、印刷データに変換する。第2変換部82は、第2ドット配分率情報R12の第2配分率Rt2(図7参照)に基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12を、印刷データに変換する。ここでは、第2変換部82は、第2領域AR12に対してRIP処理をすることで、印刷データに変換する。中間変換部83は、中間ドット配分率情報R13の中間配分率Rt3(図11参照)に基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの中間領域AR13を、印刷データに変換する。ここでは、中間変換部83は、中間領域AR13に対してRIP処理をすることで、印刷データに変換する。なお、印刷データへの変換は、領域ごとに行われてもよく、すなわち第1領域AR11、第2領域AR12、中間領域AR13に対して別々に印刷データへの変換が行われてもよい。また、印刷データへの変換は、第1領域AR11、第2領域AR12、中間領域AR13に対して一括で行われてもよい。
【0058】
このように、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aを、印刷データに変換した後、図10のステップS113では、印刷データに基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの印刷が行われる。
【0059】
本実施形態では、印刷部84は、第1変換部81、第2変換部82および中間変換部83によって変換された印刷データに基づいて、複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて印刷を行う。ここでは、印刷部84は、第1領域AR11、第2領域AR12および中間領域AR13の印刷を一括(すなわち、一度)で行う。なお、各領域の印刷は、具体的には以下のように行われる。
【0060】
例えば印刷部84は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)を用いて、印刷データに基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第1領域AR11の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、第1配分率Rt1で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aにおける線Pd21Aの第1領域AR11の印刷、および、文字Pd22Aの第1領域AR11の印刷を行う。
【0061】
印刷部84は、第2ドット配分率情報R12(図7参照)を用いて、印刷データに基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、第2配分率Rt2で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aにおける線Pd21Aの第2領域AR12の印刷、および、文字Pd22Aの第2領域AR12の印刷を行う。
【0062】
印刷部84は、中間ドット配分率情報R13(図11参照)を用いて、印刷データに基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの中間領域AR13の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、中間配分率Rt3で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aにおける線Pd21Aの中間領域AR13の印刷、および、文字Pd22Aの中間領域AR13の印刷を行う。
【0063】
以上のように、本実施形態では、第1ドット配分率情報R11、第2ドット配分率情報R12、および、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とに基づいて作成された中間ドット配分率情報R13を用いて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの印刷を行う。
【0064】
図12は、入力データPd1Aにおけるラスタ形式のオブジェクトPd12Aを示す図である。図13は、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対する印刷制御を示すフローチャートである。次に、図12に示す入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aを媒体5に印刷する手順について、図13のフローチャートに沿って説明する。
【0065】
ここでは、図13に示すように、ステップS201において、図3の第1取得部71は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)を取得し、ステップS203において、図3の第2取得部72は、第2ドット配分率情報R12(図7参照)を取得する。ステップS205では、図3の中間配分率作成部73は、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とに基づいて、中間ドット配分率情報R13(図11参照)を作成する。ステップS207では、図3の取得部74は、図12に示すようなラスタ形式のオブジェクトPd12Aを少なくとも含む入力データPd1Aを取得する。ここで、図13におけるステップS201、ステップS203、ステップS205、および、ステップS207は、それぞれ図10のステップS101、ステップS103、ステップS105、および、ステップS107と同じであるため、ここでの説明は省略する。
【0066】
次に、図13のステップS209では、図3の画像補正処理部91は、取得部74によって取得された入力データPd1A(図12参照)に対して、色値を補正する画像補正処理を実行する。画像補正処理は、後述のエッジを検出する処理の負荷を軽減させるための前処理であり、画像補正処理を実行することで、エッジが検出され易くなる。ここで、画像補正処理には、グレースケール処理が含まれる。このグレースケール処理によって、入力データPd1Aに対して、カラーをグレースケールで表現することができる。グレースケール処理が実行された入力データPd1Aは、光度以外の情報が含まれていないデータのことであり、例えばラスタ形式のオブジェクトPd12Aを光が最も強い白から、光が最も弱い黒までの間の灰色の明暗も含めて表現する。なお、画像補正処理として、空間フィルタ(例えばエッジ強調フィルタ、ノイズ除去フィルタ、色補正フィルタなど)を入力データPd1Aに適用してもよい。
【0067】
次に、図13のステップS211では、図3のエッジ検出部92は、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジを検出する。本実施形態では、エッジ検出部92は、画像補正処理された入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジを検出する。図14は、エッジが検出された後のラスタ形式のオブジェクトPd12Aを示す図である。ここで、具体的なエッジを検出する制御は、特に限定されない。本実施形態では、エッジ検出部92は、図14に示すように、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの輪郭線のみを抽出することで、オブジェクトPd12Aのエッジを検出する。
【0068】
例えばラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジとは、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの輪郭線ともいえる。ここでは、エッジを検出することで、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの輪郭線以外の情報、例えば塗りつぶし部分などは、削除される。なお、入力データPd1Aには、ラスタ形式のオブジェクトPd12A以外に、ベクタ形式のオブジェクトPd11A(図8および図9参照)が含まれることがあり得る。この場合、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aに対して、図13のステップS209の画像補正処理が実行されてもよいし、ステップS211のエッジの検出が実行されてもよい。また、入力データPd1Aに、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aと、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの両方が含まれる場合、両方のオブジェクトPd11A、Pd12AをRIP処理(ラスタライズ処理)した後、画像補正処理やエッジの検出が行われてもよい。
【0069】
次に、図13のステップS213では、図3の距離算出部93は、エッジ検出部92によって検出されたラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジに基づいて、図14に示すように、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1を算出する。ここで、エッジ間距離D1とは、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの塗りつぶした部分の幅(言い換えると太さ)のことである。エッジ間距離D1は、例えばラスタ形式のオブジェクトPd12Aの輪郭線と直交する方向における、輪郭線の間の距離のことである。そのため、エッジ間距離D1の方向は、特に限定されるものではなく、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの形状、大きさなどに応じて決定される。ただし、制御に要する時間を短縮するために、エッジ間距離D1の方向を、主走査方向Yまたは副走査方向Xなどのように、所定の方向に予め決定してもよい。この距離算出部93によって算出されたエッジ間距離D1は、記憶部61に記憶される。
【0070】
なお、入力データPd1Aにベクタ形式のオブジェクトPd11Aが含まれている場合には、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aに対して、エッジ間距離D1は算出されない。ただし、距離算出部93は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aのエッジ間距離D1を算出することも可能である。
【0071】
次に、図13のステップS215では、図3の分割部75は、図14に示すように、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aを、第1領域AR21と、第2領域AR22と、中間領域AR23とに分割する。ここでは、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1に応じて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aを分割する。本実施形態では、エッジ間距離D1が大きいオブジェクトPd12Aの領域を第1領域AR21とし、エッジ間距離D1が小さいオブジェクトPd12Aの領域を第2領域AR22とする。そして、エッジ間距離D1が大きいオブジェクトPd12Aと、エッジ間距離D1が小さいオブジェクトPd12Aとの間のオブジェクトPd12Aの領域を、中間領域AR23とする。ここでは、中間領域AR23は、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの全領域から、第1領域AR21および第2領域AR22を除いた領域である。
【0072】
本実施形態では、第1領域AR21と中間領域AR23との境界における、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1は、第1距離である。すなわち、分割部75は、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1が第1距離よりも大きいオブジェクトPd12Aの領域を、第1領域AR21とする。図14では、境界線D11が、第1領域AR21と中間領域AR23の境界を示す線である。ここでは、中間領域AR23と第2領域AR22との境界における、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1は、第2距離である。すなわち、分割部75は、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1が第2距離よりも小さいオブジェクトPd12Aの領域を、第2領域AR22とする。図14では、境界線D12が、中間領域AR23と第2領域AR22の境界を示す線である。分割部75は、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1が、第1距離以下であり、かつ、第2距離以上であるオブジェクトPd12Aの領域を、中間領域AR23とする。
【0073】
次に、図13のステップS217では、入力データPd1Aに対してRIP処理をして、印刷データに変換する。このステップS217は、図10のステップS113と同じである。ここでは、第1変換部81は、第1配分率Rt1(図6参照)に基づいて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第1領域AR21を、印刷用の印刷データに変換する。第2変換部82は、第2配分率Rt2(図7参照)に基づいて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22を、印刷データに変換する。中間変換部83は、中間配分率Rt3(図11参照)に基づいて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの中間領域AR23を、印刷データに変換する。
【0074】
次に、図13のステップS219では、図3の印刷部84は、第1変換部81、第2変換部82および中間変換部83によって変換された印刷データに基づいて、複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて媒体5に印刷を行う。ここでは、印刷部84は、第1領域AR21、第2領域AR22および中間領域AR23の印刷を一括(すなわち、一度)で行う。なお、各領域の印刷は、具体的には以下のように行われる。
【0075】
本実施形態では、印刷部84は、第1ドット配分率情報R11(図6参照)を用いて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第1領域AR21の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、第1配分率Rt1で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第1領域AR21の印刷を行う。
【0076】
印刷部84は、第2ドット配分率情報R12(図7参照)を用いて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、第2配分率Rt2で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22の印刷を行う。
【0077】
印刷部84は、中間ドット配分率情報R13(図11参照)を用いて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの中間領域AR23の印刷を行う。印刷部84は、階調度に応じて、中間配分率Rt3で複数の大きさのドット(ここでは第1ドットDt11~第3ドットDt13)のインクを吐出させて、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの中間領域AR23の印刷を行う。
【0078】
以上のように、本実施形態では、第1ドット配分率情報R11、第2ドット配分率情報R12、および、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とに基づいて作成された中間ドット配分率情報R13を用いて、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aの印刷を行う。
【0079】
なお、入力データPd1Aに、ベクタ形式のオブジェクトPd11A(図8および図9参照)と、ラスタ形式のオブジェクトPd12A(図12参照)との両方が含まれている場合には、図10のフローチャートと、図13のフローチャートとが同時に実行される。ここでは、図10のステップS101、ステップS103、ステップS105、ステップS107は、それぞれ図13のステップS201、ステップS203、ステップS205、ステップS207と同時に実行される。その後、図13のステップS209、ステップS211、ステップS213が順に実行される。その後、図10のステップS109と図13のステップS215が同時に実行され、図10のステップS111と図13のステップS217が同時に実行され、図10のステップS113と図13のステップS219が同時に実行され、入力データPd1Aから変換された印刷データに基づいて、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aと、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aが同時に媒体5に印刷される。
【0080】
以上、本実施形態では、図1に示すように、プリンタ10は、媒体5を支持する支持台13と、複数の大きさのドットDt1(図4参照)のインクを吐出可能なインクヘッド20(図2参照)と、支持台13に支持された媒体5とインクヘッド20とを相対的に移動させる移動機構30と、制御装置60とを備えている。図3に示すように、制御装置60は、第1取得部71と、第2取得部72と、中間配分率作成部73と、取得部74と、分割部75と、第1変換部81と、第2変換部82と、中間変換部83と、印刷部84とを備えている。第1取得部71は、階調度に応じて、複数の大きさのドットDt1のインクの配分率が第1配分率Rt1で示された第1ドット配分率情報R11(図6参照)を取得する。第2取得部72は、第1配分率Rt1よりも、小さいドットDt1のインクの配分率を高くした第2配分率Rt2で、複数の大きさのドットDt1のインクの配分率が示された第2ドット配分率情報R12(図7参照)を取得する。中間配分率作成部73は、第1ドット配分率情報R11と、第2ドット配分率情報R12とに基づいて、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる中間配分率Rt3で、複数の大きさのドットDt1のインクの配分率が示された中間ドット配分率情報R13(図11参照)を作成する。取得部74は、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aを少なくとも含む印刷可能な入力データPd1A(図8および図9参照)を取得する。分割部75は、図8に示すように、入力データPd1Aのベクタ形式のオブジェクトPd11Aの領域を、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが第1の太さよりも大きい第1領域AR11と、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが第1の太さよりも小さい第2の太さ、よりも小さい第2領域AR12と、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの太さが第1の太さ以下であり、かつ、第2の太さ以上である中間領域AR13と、に分割する。第1変換部81は、第1配分率Rt1(図6参照)に基づいてベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第1領域AR11を、印刷用の印刷データに変換する。第2変換部82は、第2配分率Rt2(図7参照)に基づいてベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12を、印刷データに変換する。中間変換部83は、中間配分率Rt3(図11参照)に基づいてベクタ形式のオブジェクトPd11Aの中間領域AR13を、印刷データに変換する。印刷部84は、第1変換部、第2変換部82および中間変換部83によって変換された印刷データに基づいて、複数の大きさのドットDt1のインクを吐出させて印刷を行う。
【0081】
本実施形態によれば、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの領域のうち、第1の太さよりも大きい第1領域AR11に対して用いられる第1ドット配分率情報R11と、第2の太さよりも小さい第2領域AR12に対して用いられる第2ドット配分率情報R12とに基づいて、第1領域AR11と第2領域AR12との間の中間領域AR13に対して用いられる中間ドット配分率情報R13を作成している。よって、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの中間領域AR13を変換した印刷データに基づいて印刷する際、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる中間配分率Rt3で、複数のドットDt1のインクが吐出されるため、従来と比較して、第1領域AR11と中間領域AR13との境界における印刷の差、および、中間領域AR13と第2領域AR12との境界における印刷の差を小さくすることができる。よって、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12の他に、中間ドット配分率情報R13を用いて、入力データPd1Aを変換した印刷データに基づいて印刷をすることで、印刷の品質の低下を抑制することができる。
【0082】
本実施形態では、図8に示すように、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aは、線Pd21Aを含む。分割部75は、線Pd21Aの領域のうち、線Pd21Aの幅が第1幅よりも大きい領域を第1領域AR11とし、線Pd21Aの幅が第1幅よりも小さい第2幅、よりも小さい領域を第2領域AR12とし、線Pd21Aの幅が第1幅以下であり、かつ、第2幅以上である領域を中間領域AR13とする。このように、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aが線Pd21Aの場合には、線Pd21Aの幅の大きさに応じて、線Pd21Aの領域を、第1領域AR11と、第2領域AR12と、中間領域AR13とに分割することができる。よって、線Pd21Aの中間領域AR13を印刷する際、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる中間配分率Rt3で、複数のドットDt1のインクが吐出される。そのため、従来と比較して、線Pd21Aにおける第1領域AR11と中間領域AR13との境界における印刷の差、および、線Pd21Aにおける中間領域AR13と第2領域AR12との境界における印刷の差を小さくすることができる。したがって、線Pd21Aにおける印刷の品質の低下を抑制することができる。
【0083】
本実施形態では、図9に示すように、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aは文字Pd22Aを含む。分割部75は、文字Pd22Aの領域のうち、文字Pd22Aのサイズが第1サイズよりも大きい領域を第1領域AR11とし、文字Pd22Aのサイズが第1サイズよりも小さい第2サイズ、よりも小さい領域を第2領域AR12とし、文字Pd22Aのサイズが第1サイズ以下であり、かつ、第2サイズ以上である領域を中間領域AR13とする。このように、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aが文字Pd22Aの場合には、文字Pd22Aのサイズの大きさに応じて、文字Pd22Aの領域を、第1領域AR11と、第2領域AR12と、中間領域AR13とに分割することができる。よって、文字Pd22Aの中間領域AR13を印刷する際、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる中間配分率Rt3で、複数のドットDt1のインクが吐出される。そのため、従来と比較して、文字Pd22Aにおける第1領域AR11と中間領域AR13との境界における印刷の差、および、文字Pd22Aにおける中間領域AR13と第2領域AR12との境界における印刷の差を小さくすることができる。したがって、文字Pd22Aにおける印刷の品質の低下を抑制することができる。
【0084】
本実施形態では、図3に示すように、プリンタ10の制御装置60は、取得部74と、エッジ検出部92と、距離算出部93と、分割部75と、第1変換部81と、第2変換部82と、中間変換部83とを備えている。取得部74は、図12に示すように、ラスタ形式のオブジェクト(例えば画像)Pd12Aを少なくとも含む印刷可能な入力データPd1Aを取得する。エッジ検出部92は、図14に示すように、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジを検出する。距離算出部93は、エッジ検出部92によって検出されたラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジに基づいて、オブジェクトPd12Aのエッジ間距離D1を算出する。分割部75は、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aの領域を、エッジ間距離D1が第1距離よりも大きい第1領域AR21と、エッジ間距離D1が第1距離よりも小さい第2距離、よりも小さい第2領域AR22と、エッジ間距離D1が第1距離以下であり、かつ、第2距離以上である中間領域AR23と、に分割する。第1変換部81は、第1配分率Rt1(図6参照)に基づいてラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第1領域AR21を、印刷用の印刷データに変換する。第2変換部82は、第2配分率Rt2(図7参照)に基づいてラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22を、印刷データに変換する。中間変換部83は、中間配分率Rt3(図11参照)に基づいてラスタ形式のオブジェクトPd12Aの中間領域AR23を、印刷データに変換する。印刷部84は、第1変換部81、第2変換部82および中間変換部83によって変換された印刷データに基づいて、複数の大きさのドットDt1のインクを吐出させて印刷を行う。
【0085】
ここで、入力データPd1Aに含まれるラスタ形式のオブジェクトPd12Aを構成する線などには、太さ(例えば幅)の情報が含まれていない。しかしながら、本実施形態では、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対してエッジの検出をして、エッジ間距離D1を算出することで、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aを構成する線などの太さをエッジ間距離D1として算出することができる。よって、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aにおけるエッジ間距離D1が第1距離以下、かつ、第2距離以上の領域を中間領域AR23とし、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aの中間領域AR23を変換した印刷データに基づいて印刷する際、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2との間になる中間配分率Rt3で、複数のドットDt1のインクが吐出される。したがって、従来と比較して、第1領域AR21と中間領域AR23との境界におけるオブジェクトPd12Aの印刷の差、および、中間領域AR23と第2領域AR22との境界におけるオブジェクトPd12Aの印刷の差を小さくすることができる。その結果、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12の他に、中間ドット配分率情報R13を用いて、入力データPd1Aを変換した印刷データに基づいて印刷をすることで、印刷の品質の低下を抑制することができる。
【0086】
本実施形態では、制御装置60は、取得部74によって取得された入力データPd1Aに対して色値を補正する画像補正処理を実行する画像補正処理部91(図3参照)を備えている。エッジ検出部92は、画像補正処理された入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジを検出する。例えば画像補正処理の一例であるグレースケール処理をすることで、カラーをグレースケールで表現することができる。よって、色の情報を除いた状態で、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジの検出が行われるため、オブジェクトPd12Aのエッジの検出をより適切に行うことができる。
【0087】
本実施形態では、図4に示すように、インクヘッド20から吐出されるインクのドットDt1は、第1の径A11を有する第1ドットDt11と、第1の径A11よりも小さい第2の径A12を有する第2ドットDt12と、第2の径A12よりも小さい第3の径A13を有する第3ドットDt13と、を備えている。図6および図7に示すように、第2ドット配分率情報R12において、第2配分率Rt2では、第3ドットDt13のインクの配分率を第1配分率Rt1よりも高くしている。このことによって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12や、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22を印刷する際、径が小さい第3ドットDt13のインクの量を多くして印刷される。よって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11A、および、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aであっても、品質を確保することができる。
【0088】
本実施形態では、第2ドット配分率情報R12において、第2配分率Rt2では、第2ドットDt12のインクの配分率を第1配分率Rt1よりも高くしている。このことによって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12や、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22を印刷する際、径が第1ドットDt11よりも小さい第2ドットDt12のインクの量を多くして印刷される。よって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11A、および、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aであっても、品質を確保することができる。
【0089】
本実施形態では、第2ドット配分率情報R12において、第2配分率Rt2では、第1ドットDt11のインクの配分率を第1配分率Rt1よりも低くしている。このことによって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11Aの第2領域AR12や、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aの第2領域AR22を印刷する際、径が大きい第1ドットDt11のインクの量を少なくして印刷される。よって、太さが小さいベクタ形式のオブジェクトPd11A、および、エッジ間距離D1が小さいラスタ形式のオブジェクトPd12Aであっても、品質を確保することができる。
【0090】
本実施形態では、中間配分率作成部73は、第1配分率Rt1と第2配分率Rt2とに対して線形補間することで中間配分率Rt3を算出し、中間ドット配分率情報R13を作成する。このように、線形補間の技術を用いることで、第1ドット配分率情報R11と第2ドット配分率情報R12とから中間ドット配分率情報R13を簡単に作成することができる。
【0091】
本実施形態では、第1ドット配分率情報R11および第2ドット配分率情報R12は、入力データPd1Aの階調度に対する、複数のドットDt1のそれぞれの割合を示したテーブルで表現される。このことによって、第1ドット配分率情報R11および第2ドット配分率情報R12を管理し易い。
【0092】
本実施形態では、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aおよび文字Pd22A、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対して、共通の第1ドット配分率情報R11、第2ドット配分率情報R12および中間ドット配分率情報R13を用いて、印刷が行われていた。しかしながら、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aおよび文字Pd22A、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対して、それぞれ配分率が異なる第1ドット配分率情報R11が用いられてもよいし、配分率が異なる第2ドット配分率情報R12が用いられてもよい。この場合、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aおよび文字Pd22A、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対して、それぞれ配分率が異なる中間ドット配分率情報R13が用いられてもよい。すなわち、ベクタ形式のオブジェクトPd11Aの線Pd21Aおよび文字Pd22A、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対して、それぞれ専用の第1ドット配分率情報R11、第2ドット配分率情報R12および中間ドット配分率情報R13が設定されてもよい。
【0093】
なお、本実施形態では、入力データPd1Aのラスタ形式のオブジェクトPd12Aに対して画像補正処理を実行した後で、ラスタ形式のオブジェクトPd12Aのエッジを検出していた。しかしながら、画像補正処理の実行は、省略されてもよい。
【符号の説明】
【0094】
5 媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
13 支持台
20 インクヘッド
30 移動機構
60 制御装置
71 第1取得部
72 第2取得部
73 中間配分率作成部
74 取得部
75 分割部
81 第1変換部
82 第2変換部
83 中間変換部
84 印刷部
91 画像補正処理部
92 エッジ検出部
93 距離算出部
AR11、AR21 第1領域
AR12、AR22 第2領域
AR13、AR23 中間領域
Pd1、Pd1A 入力データ
Pd11、Pd11A ベクタ形式のオブジェクト
Pd12、Pd12A ラスタ形式のオブジェクト
Pd21、Pd21A 線
Pd22、Pd22A 文字
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14