(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067607
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】マッチングシステム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/26 20120101AFI20230509BHJP
G06Q 30/08 20120101ALI20230509BHJP
【FI】
G06Q50/26
G06Q30/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021179009
(22)【出願日】2021-11-01
(71)【出願人】
【識別番号】516332392
【氏名又は名称】株式会社スカラ
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(72)【発明者】
【氏名】伊佐治 幸泰
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 大貴
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB73
5L049CC35
(57)【要約】 (修正有)
【課題】より適切な相手とのマッチングを実現するマッチングシステムを提供する。
【解決手段】社会的課題の解決を望むユーザーが募集して、社会的課題を抱える行政主体が応募し、ユーザーが行政主体を選択することで、ユーザーと行政主体とのマッチングを実現するマッチングシステムであって、管理サーバー2は、ユーザー端末から募集情報を取得する募集情報取得部21と、募集情報取得部21が取得した募集情報の全部又は一部を行政端末に開示する募集情報開示部22と、行政端末から応募情報を取得する応募情報取得部23と、応募情報取得部23が取得した応募情報の全部又は一部をユーザー端末に開示する応募情報開示部24と、ユーザー端末からマッチング情報を取得するマッチング情報取得部25と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
社会的課題の解決を望むユーザーが募集して、社会的課題を抱える行政主体が応募し、ユーザーが行政主体を選択することで、ユーザーと行政主体とのマッチングを実現するマッチングシステムであって、
ユーザーに使用され情報の入出力及び送受信が可能であるユーザー端末、並びに行政主体に使用され情報の入出力及び送受信が可能である行政端末の各々との情報の送受信が可能である管理サーバーを備え、
前記管理サーバーは、
前記ユーザー端末で入力が行われた社会的課題のジャンルに関する情報を、該ユーザーの固有情報と紐づけて募集情報として該ユーザー端末から取得する募集情報取得手段と、
前記募集情報取得手段が取得した前記募集情報の全部又は一部を、前記行政端末に開示する募集情報開示手段と、
前記募集情報に対して前記行政端末で入力が行われた社会的課題に関する情報を、該行政主体の固有情報と紐づけて応募情報として該行政端末から取得する応募情報取得手段と、
前記応募情報取得手段が取得した前記応募情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末に開示する応募情報開示手段と、
前記ユーザー端末で選択する入力が行われた前記応募情報を、該ユーザー端末を使用するユーザーの固有情報と紐づけてマッチング情報として該ユーザー端末から取得するマッチング情報取得手段と、を備えることを特徴とする
マッチングシステム。
【請求項2】
前記応募情報開示手段は、前記応募情報の全部又は一部を、該応募情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末に開示することを特徴とする
請求項1に記載のマッチングシステム。
【請求項3】
前記応募情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末で入力が行われた該応募情報の内容を評価する応募内容評価情報を、該行政端末から取得する応募内容評価情報取得手段を備え、
前記応募情報開示手段は、前記応募情報の全部又は一部を開示する際に、前記応募内容評価情報取得手段が取得した前記応募内容評価情報を併せて開示することを特徴とする
請求項2に記載のマッチングシステム。
【請求項4】
前記マッチング情報取得手段が取得した前記マッチング情報を蓄積するマッチング情報蓄積手段と、
前記マッチング情報蓄積手段が蓄積する前記マッチング情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末及び前記行政端末に開示するマッチング情報開示手段と、を備えることを特徴とする
請求項1~3のいずれかに記載のマッチングシステム。
【請求項5】
前記マッチング情報取得手段が取得した前記マッチング情報に基づいて、前記マッチングが成立しなかった行政主体の前記応募情報を、不採用情報として蓄積する不採用情報蓄積手段と、
前記不採用情報蓄積手段が蓄積する前記不採用情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末及び前記行政端末に開示する不採用情報開示手段と、を備えることを特徴とする
請求項1~4のいずれかに記載のマッチングシステム。
【請求項6】
前記不採用情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末で入力が行われた該不採用情報の内容を評価する不採用内容評価情報を、該行政端末から取得する不採用内容評価情報取得手段を備え、
前記不採用情報開示手段は、前記不採用情報の全部又は一部を開示する際に、前記不採用内容評価情報取得手段が取得した前記不採用内容評価情報を併せて開示することを特徴とする
請求項5に記載のマッチングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッチングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国及び地方公共団体(地方自治体)等の行政主体は、社会的課題を解決するために、競争入札の方式で民間企業等を募り、落札者と契約することがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、競争入札の方式では、相互のつながりは、飽くまで発注者と受注者との関係に過ぎず、それ以上の関係にはなりにくい。このため、行政主体は、社会的課題に対して本当に熱量のある民間企業とつながることが難しい。また、競争入札の方式では、提案依頼書(RFP)で仕様がガチガチに固められており、応札時の民間企業の側の自由度が低い。このため、民間企業は、応札時に、本当にできることややりたいことを提案できない。このように、競争入札の方式では、それぞれにとっての問題点があり、適切な相手とのマッチングが難しい。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、より適切な相手とのマッチングを実現するマッチングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明は、社会的課題の解決を望むユーザーが募集して、社会的課題を抱える行政主体が応募し、ユーザーが行政主体を選択することで、ユーザーと行政主体とのマッチングを実現するマッチングシステム(例えば、後述するマッチングシステム1)であって、ユーザーに使用され情報の入出力及び送受信が可能であるユーザー端末(例えば、後述するユーザー端末3)、並びに行政主体に使用され情報の入出力及び送受信が可能である行政端末(例えば、後述する行政端末4)の各々との情報の送受信が可能である管理サーバー(例えば、後述する管理サーバー2)を備え、前記管理サーバーは、前記ユーザー端末で入力が行われた社会的課題のジャンルに関する情報を、該ユーザーの固有情報と紐づけて募集情報として該ユーザー端末から取得する募集情報取得手段(例えば、後述する募集情報取得部21)と、前記募集情報取得手段が取得した前記募集情報の全部又は一部を、前記行政端末に開示する募集情報開示手段(例えば、後述する募集情報開示部22)と、前記募集情報に対して前記行政端末で入力が行われた社会的課題に関する情報を、該行政主体の固有情報と紐づけて応募情報として該行政端末から取得する応募情報取得手段(例えば、後述する応募情報取得部23)と、前記応募情報取得手段が取得した前記応募情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末に開示する応募情報開示手段(例えば、後述する応募情報開示部24)と、前記ユーザー端末で選択する入力が行われた前記応募情報を、該ユーザー端末を使用するユーザーの固有情報と紐づけてマッチング情報として該ユーザー端末から取得するマッチング情報取得手段(例えば、後述するマッチング情報取得部25)と、を備えることを特徴とするマッチングシステムである。
【0007】
本発明によれば、民間企業等のユーザーの側から、自らできることややりたいこと(問い)を社会的課題のジャンルとして提案する「逆プロポーザル方式」を実現できる。これにより、行政主体の側からすれば、社会的課題に対して本当に熱量のあるユーザーを発見することができ、金儲けを狙っているユーザーを排除できる。このように、本発明によれば、より適切な相手とのマッチングを実現することができる。
【0008】
(2)本発明はまた、前記応募情報開示手段は、前記応募情報の全部又は一部を、該応募情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末に開示することを特徴とする上記(1)に記載のマッチングシステムである。
【0009】
本発明によれば、複数の行政主体の間で社会的課題を共有することができる。これにより、マッチングシステムの利便性が向上する。
【0010】
(3)本発明はまた、前記応募情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末で入力が行われた該応募情報の内容を評価する応募内容評価情報を、該行政端末から取得する応募内容評価情報取得手段(例えば、後述する応募内容評価情報取得部26)を備え、前記応募情報開示手段は、前記応募情報の全部又は一部を開示する際に、前記応募内容評価情報取得手段が取得した前記応募内容評価情報を併せて開示することを特徴とする上記(2)に記載のマッチングシステムである。
【0011】
本発明によれば、ユーザーの側からすれば、他の行政主体の評価を得た社会的課題を発見することができる。このように、本発明によれば、より適切な相手とのマッチングを実現することができる。
【0012】
(4)本発明はまた、前記マッチング情報取得手段が取得した前記マッチング情報を蓄積するマッチング情報蓄積手段(例えば、後述するマッチング情報蓄積部34)と、前記マッチング情報蓄積手段が蓄積する前記マッチング情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末及び前記行政端末に開示するマッチング情報開示手段(例えば、後述するマッチング情報開示部27)と、を備えることを特徴とする上記(1)~(3)のいずれかに記載のマッチングシステムである。
【0013】
本発明によれば、複数のユーザー又は複数の行政主体の間で、マッチングが成立した案件を共有することができる。これにより、マッチングシステムの利便性が向上する。
【0014】
(5)本発明はまた、前記マッチング情報取得手段が取得した前記マッチング情報に基づいて、前記マッチングが成立しなかった行政主体の前記応募情報を、不採用情報として蓄積する不採用情報蓄積手段(例えば、後述する不採用情報蓄積部35)と、前記不採用情報蓄積手段が蓄積する前記不採用情報の全部又は一部を、前記ユーザー端末及び前記行政端末に開示する不採用情報開示手段(例えば、後述する不採用情報開示部28)と、を備えることを特徴とする上記(1)~(4)のいずれかに記載のマッチングシステムである。
【0015】
本発明によれば、複数のユーザー又は複数の行政主体の間で、マッチングが成立しなかった行政主体の社会的課題を共有することができる。これにより、マッチングシステムの利便性が向上する。
【0016】
(6)本発明はまた、前記不採用情報の行政主体とは異なる行政主体の前記行政端末で入力が行われた該不採用情報の内容を評価する不採用内容評価情報を、該行政端末から取得する不採用内容評価情報取得手段(例えば、後述する不採用内容評価情報取得部29)を備え、前記不採用情報開示手段は、前記不採用情報の全部又は一部を開示する際に、前記不採用内容評価情報取得手段が取得した前記不採用内容評価情報を併せて開示することを特徴とする上記(5)に記載のマッチングシステムである。
【0017】
本発明によれば、マッチングが成立しなかった行政主体の社会的課題の中から、他の行政主体の評価を得たものを把握することができる。これにより、マッチングシステムの利便性が向上する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、より適切な相手とのマッチングを実現するマッチングシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の実施形態に係るマッチングシステムが実現するマッチングサービスの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るマッチングシステムが実現する情報提供サービスの概略図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るマッチングシステムの構成を示す概略図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る管理サーバーの構成を示す概略図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る管理サーバーの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係るマッチングシステム1(
図3及び
図4参照)について詳細に説明する。
【0021】
まず、
図1及び
図2を用いて、実施形態に係るマッチングシステム1(
図3及び
図4参照)が実現するサービスについて説明する。
図1は、マッチングシステム1(
図3及び
図4参照)が実現するマッチングサービスの概略図である。
図2は、マッチングシステム1(
図3及び
図4参照)が実現する情報提供サービスの概略図である。
【0022】
図1に示すように、マッチングシステム1(
図3及び
図4参照)が実現するマッチングサービスは、社会的課題の解決を望む民間企業等のユーザー、及び社会的課題を抱える国及び地方公共団体(地方自治体)等の行政主体が利用するサービスである。このマッチングサービスは、ユーザーが募集して行政主体が応募し、その後、ユーザーが行政主体を選択することで、ユーザーと行政主体とのマッチングを実現するものである。
【0023】
その後、マッチングが成立した行政主体は、ユーザーが有する人・物・金・技術・情報等のうち、ユーザーが提供する範囲のものを利用して、社会的課題の解決に向けて動くことができる。金(資金調達)については、企業からの寄付、企業版ふるさと納税、ソーシャルインパクトボンド(SIB)の活用等が想定され、その方法は限定されるものではない。ユーザーは、行政主体とのマッチングの実績を作ることができると共に、社会的課題を解決した実績を作ることができる。また、ユーザーは、行政主体とのマッチングの実績や、社会的課題を解決した実績に基づいて、他の行政主体との関係を築く等の横展開が可能となる。このように、ユーザー及び行政主体の双方には、マッチングサービスを利用するインセンティブがある。
【0024】
具体的に、マッチングサービスでは、ユーザーは、社会的課題のジャンル、すなわち、どのような『不』を解決するかの問いを提示することで、行政主体を募集する。その後、行政主体は、提示された社会的課題のジャンルに基づいて、具体的な社会的課題、すなわち、問いに対する明確な回答を提示することで、マッチングに応募する。A4用紙1枚程度のボリュームの簡単なフォーマット(エントリーシート)が準備されているので、行政主体は、そのフォーマットを利用して社会的課題を提示する。フォーマットには、少なくとも、(1)理想の姿、(2)現状とのギャップ、(3)ギャップを解決するために現在実施していること、(4)ギャップを解消したときに得たい成果の4つの欄が設けられている。その後、ユーザーは、提示された社会的課題等に基づいて行政主体を選択することで、行政主体とのマッチングを実現する。
【0025】
例えば、ユーザーは、社会的課題のジャンルとして「交通事故」を提示することで、行政主体を募集する。その後、とある行政主体は、具体的な社会的課題として「わき見」を提示することで、マッチングに応募する。他の行政主体は、具体的な社会的課題として「信号無視」を提示することで、マッチングに応募する。さらに他の行政主体は、具体的な社会的課題として「スピード超過」を提示することで、マッチングに応募する。その後、ユーザーは、応募した行政主体の中から、例えば、「信号無視」を提示した行政主体を選択することで、行政主体とのマッチングを実現する。
【0026】
なお、マッチングサービスは、社会的課題の解決を望む者、例えば行政主体がユーザーになることを拒むものではない。また、マッチングサービスは、複数のユーザーが共同で募集することを拒むものではない。さらに、マッチングサービスは、ユーザーが複数の行政主体を選択することで、ユーザーと複数の行政主体とのマッチングとなることを拒むものではない。
【0027】
図2に示すように、マッチングシステム1(
図3及び
図4参照)が実現する情報提供サービスは、マッチングサービス(
図1参照)を利用する際に、ユーザー及び行政主体が利用するサービスであり、マッチングを支援する。この情報提供サービスは、マッチングサービス(
図1参照)で蓄積した情報をユーザーや行政主体に提供する。これにより、ユーザーは、提供された情報を参考にして、行政主体を募集したり行政主体を選択したりすることができる。また、行政主体は、提供された情報を参考にして、応募することができる。
【0028】
図1に示すマッチングサービス、及び
図2に示す情報提供サービスは、課金状況に応じて、利用できる範囲を制限するようにしてもよい。
【0029】
次に、
図3及び
図4を用いて、実施形態に係るマッチングシステム1の構成について説明する。
図3は、マッチングシステム1の構成を示す概略図である。
図4は、管理サーバー2の構成を示す概略図である。
【0030】
図3に示すように、マッチングシステム1は、管理サーバー2と、複数のユーザー端末3と、複数の行政端末4と、を備える。
【0031】
管理サーバー2は、マッチングシステム1の管理者又はその委託先が管理するサーバーであり、ユーザー端末3から取得した各種情報、及び行政端末4から取得した各種情報、並びにマッチングシステム1を運用するために必要な各種情報を蓄積する。この管理サーバー2は、インターネットに接続されていることで、複数のユーザー端末3及び複数の行政端末4の各々との情報の送受信が可能である。
【0032】
ユーザー端末3は、ユーザーに使用され情報の入出力及び送受信が可能である端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。このユーザー端末3は、インターネットに接続されていることで、管理サーバー2との情報の送受信が可能である。
【0033】
行政端末4は、行政主体に使用され情報の入出力及び送受信が可能である端末であり、パソコン、タブレット、スマートフォン等の一般的な通信端末である。この行政端末4は、インターネットに接続されていることで、管理サーバー2との情報の送受信が可能である。
【0034】
図4に示すように、管理サーバー2は、CPU11と、RAM12と、ROM13と、不揮発性メモリ14と、通信部15と、等を備える。
【0035】
CPU(Central Processing Unit)11は、各種プログラムを実行することによって、募集情報取得部21、募集情報開示部22、応募情報取得部23、応募情報開示部24、マッチング情報取得部25、応募内容評価情報取得部26、マッチング情報開示部27、不採用情報開示部28及び不採用内容評価情報取得部29等の各種機能を実現して、管理サーバー2を統括的に制御する。
【0036】
RAM(Random Access Memory)12は、CPU11の作業領域として使用される。ROM(Read Only Memory)13は、CPU11で実行される基本OSや各種プログラムを記憶している。不揮発性メモリ14は、各種情報を記録している。この不揮発性メモリ14には、会員情報蓄積部31、募集情報蓄積部32、応募情報蓄積部33、マッチング情報蓄積部34及び不採用情報蓄積部35等の各種領域が割り当てられている。通信部15は、複数のユーザー端末3及び複数の行政端末4の各々との情報の送受信を行う。
【0037】
募集情報取得部21は、ユーザー端末3で入力が行われた社会的課題のジャンルに関する情報を、当該ユーザーの固有情報と紐づけて募集情報として当該ユーザー端末3から取得する。ユーザーの固有情報には、ユーザーの識別番号、名称、担当者の役職及び氏名、並びに連絡先等の情報を含む。
【0038】
募集情報開示部22は、募集情報取得部21が取得した募集情報の全部又は一部を、行政端末4の求めに応じて当該行政端末4にリアルタイムに開示する。行政端末4に開示される募集情報の範囲は、当該募集情報のユーザーによって設定されたり、行政主体のマッチングサービスへの課金状況によって設定されたり、状況に応じて設定されることになる。
【0039】
応募情報取得部23は、募集情報に対して行政端末4で入力が行われた社会的課題に関する情報を、当該行政主体の固有情報と紐づけて応募情報として当該行政端末4から取得する。行政端末4で入力が行われた社会的課題に関する情報には、行政主体の側の金銭負担の可否、及び負担可能な金額を含む。行政主体の固有情報には、行政主体の識別番号、名称、担当者の役職(属性)及び氏名、並びに連絡先等の情報を含む。
【0040】
応募情報開示部24は、応募情報取得部23が取得した応募情報の全部又は一部を、ユーザー端末3の求めに応じて当該ユーザー端末3にリアルタイムに開示する。この応募情報開示部24は、応募情報取得部23が取得した応募情報の全部又は一部を、当該応募情報の行政主体とは異なる行政主体の行政端末4の求めに応じて当該行政端末4にリアルタイムに開示する。また、応募情報開示部24は、応募情報の全部又は一部を開示する際に、応募内容評価情報取得部26が取得した応募内容評価情報を併せて開示する。ユーザー端末3及び行政端末4に開示される応募情報の範囲は、当該応募情報の行政主体によって設定されたり、情報が開示されるユーザーや行政主体のマッチングサービスへの課金状況によって設定されたり、状況に応じて設定されることになる。
【0041】
マッチング情報取得部25は、ユーザー端末3で選択する入力が行われた応募情報を、当該ユーザー端末3を使用するユーザーの固有情報と紐づけてマッチング情報として当該ユーザー端末3から取得する。
【0042】
応募内容評価情報取得部26は、応募情報の行政主体とは異なる行政主体の行政端末4で入力が行われた当該応募情報の内容を評価する応募内容評価情報を、当該行政端末4から取得する。応募内容評価情報は、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを用いた賛否の情報であり、その数が評価になる。単純に数を評価にすることもできるが、重みを付けて評価にしてもよい。例えば、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを押した担当者の属性を重み付けの材料にすることが考えられる。また、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを押した担当者の属性自体を応募内容評価情報に組み込んでもよい。
【0043】
マッチング情報開示部27は、マッチング情報蓄積部34が蓄積するマッチング情報の全部又は一部を、ユーザー端末3の求めに応じて当該ユーザー端末3にリアルタイムに開示すると共に、行政端末4の求めに応じて当該行政端末4にリアルタイムに開示する。
【0044】
不採用情報開示部28は、不採用情報蓄積部35が蓄積する不採用情報の全部又は一部を、ユーザー端末3の求めに応じて当該ユーザー端末3にリアルタイムに開示すると共に、行政端末4の求めに応じて当該行政端末4にリアルタイムに開示する。この不採用情報開示部28は、不採用情報の全部又は一部を開示する際に、不採用内容評価情報取得部29が取得した不採用内容評価情報を併せて開示する。ユーザー端末3及び行政端末4に開示される不採用情報の範囲は、当該不採用情報の行政主体によって設定されたり、情報が開示されるユーザーや行政主体のマッチングサービス又は情報提供サービスへの課金状況によって設定されたり、状況に応じて設定されることになる。
【0045】
不採用内容評価情報取得部29は、不採用情報の行政主体とは異なる行政主体の行政端末4で入力が行われた当該不採用情報の内容を評価する不採用内容評価情報を、当該行政端末4から取得する。不採用内容評価情報は、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを用いた賛否の情報であり、その数が評価になる。単純に数を評価にすることもできるが、重みを付けて評価にしてもよい。例えば、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを押した担当者の属性を重み付けの材料にすることが考えられる。また、「いいね(グッド)」や「バッド」のボタンを押した担当者の属性自体を不採用情報に組み込んでもよい。
【0046】
会員情報蓄積部31は、サービスを利用するユーザー及び行政主体の会員情報を蓄積する。
【0047】
募集情報蓄積部32は、募集情報取得部21が取得した募集情報を蓄積する。
【0048】
応募情報蓄積部33は、応募情報取得部23が取得した応募情報を、募集情報等の関連する情報と紐づけるための整理情報と共に蓄積する。
【0049】
マッチング情報蓄積部34は、マッチング情報取得部25が取得したマッチング情報を、募集情報や応募情報等の関連する情報と紐づけるための整理情報と共に蓄積する。
【0050】
不採用情報蓄積部35は、マッチング情報取得部25が取得したマッチング情報に基づいて、マッチングが成立しなかった行政主体の応募情報を不採用情報として、募集情報や応募情報等の関連する情報と紐づけるための整理情報と共に蓄積する。
【0051】
次に、
図5を用いて、管理サーバー2の処理の流れについて説明する。
図5は、管理サーバー2の処理の流れを示すフローチャートである。
【0052】
図5に示すように、管理サーバー2は、マッチングシステム1によるマッチングサービスを提供する際に、募集情報取得ステップS1と、募集情報開示ステップS2と、応募情報取得ステップS3と、応募情報開示ステップS4と、マッチング情報取得ステップS5と、マッチング情報蓄積ステップS6と、不採用情報蓄積ステップS7と、を実行する。
【0053】
募集情報取得ステップS1では、ユーザー端末3で入力が行われた社会的課題のジャンルに関する情報を、当該ユーザーの固有情報と紐づけて募集情報として当該ユーザー端末3から取得する。なお、ユーザーは、ユーザー端末3で社会的課題のジャンルを入力する際に、マッチング情報蓄積部34に蓄積されているマッチング情報や、不採用情報蓄積部35に蓄積されている不採用情報を参考にすることができる。
【0054】
募集情報開示ステップS2では、募集情報取得ステップS1で取得した募集情報の全部又は一部を、行政端末4の求めに応じて当該行政端末4にリアルタイムに開示する。
【0055】
応募情報取得ステップS3では、募集情報開示ステップS2で開示した募集情報に対して行政端末4で社会的課題に関する情報の入力が行われた場合に、当該社会的課題に関する情報を、当該行政主体の固有情報と紐づけて応募情報として当該行政端末4から取得する。なお、行政主体は、行政端末4で社会的課題に関する情報を入力する際に、マッチング情報蓄積部34に蓄積されているマッチング情報や、不採用情報蓄積部35に蓄積されている不採用情報を参考にすることができる。
【0056】
応募情報開示ステップS4では、応募情報取得ステップS3で取得した応募情報の全部又は一部を、ユーザー端末3の求めに応じて当該ユーザー端末3にリアルタイムに開示する。この時、当該応募情報の行政主体とは異なる行政主体の行政端末4で入力が行われた当該応募情報の内容を評価する応募内容評価情報を併せて開示する。
【0057】
マッチング情報取得ステップS5では、応募情報開示ステップS4で開示した応募情報に対してユーザー端末3で選択する入力が行われた場合に、選択された当該応募情報を、当該ユーザー端末3を使用するユーザーの固有情報と紐づけてマッチング情報として当該ユーザー端末3から取得する。
【0058】
マッチング情報蓄積ステップS6では、マッチング情報取得ステップS5で取得したマッチング情報をマッチング情報蓄積部34に蓄積する。
【0059】
不採用情報蓄積ステップS7では、マッチング情報取得ステップS5で取得したマッチング情報に基づいて、マッチングが成立しなかった行政主体の応募情報を不採用情報として、不採用情報蓄積部35に蓄積する。
【0060】
このように、マッチングシステム1によれば、民間企業等のユーザーの側から、自らできることややりたいこと(問い)を社会的課題のジャンルとして提案する「逆プロポーザル方式」を実現できる。これにより、行政主体の側からすれば、社会的課題に対して本当に熱量のあるユーザーを発見することができ、金儲けを狙っているユーザーを排除できる。このように、マッチングシステム1によれば、より適切な相手とのマッチングを実現することができる。
【0061】
また、マッチングシステム1によれば、複数の行政主体の間で社会的課題を共有することができる。これにより、マッチングシステム1の利便性が向上する。
【0062】
また、マッチングシステム1によれば、ユーザーの側からすれば、他の行政主体の評価を得た社会的課題を発見することができる。このように、マッチングシステム1によれば、より適切な相手とのマッチングを実現することができる。
【0063】
また、マッチングシステム1によれば、複数のユーザー又は複数の行政主体の間で、マッチングが成立した案件を共有することができる。これにより、マッチングシステム1の利便性が向上する。
【0064】
また、マッチングシステム1によれば、複数のユーザー又は複数の行政主体の間で、マッチングが成立しなかった行政主体の社会的課題を共有することができる。これにより、マッチングシステム1の利便性が向上する。
【0065】
また、マッチングシステム1によれば、マッチングが成立しなかった行政主体の社会的課題の中から、他の行政主体の評価を得たものを把握することができる。これにより、マッチングシステム1の利便性が向上する。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更及び変形が可能である。
【0067】
例えば、上記実施形態において、ユーザーが募集する際に利用できるチャットボットやコールセンターを設け、ユーザーを支援するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施形態において、行政主体が応募する際に利用できるチャットボットやコールセンターを設け、行政主体を支援するようにしてもよい。
【0069】
また、上記実施形態において、応募情報の全部又は一部をユーザー端末3にリアルタイムに開示する際に、経過日数による応募の状況の違いを併せて開示するようにしてもよい。
【0070】
また、上記実施形態において、応募情報の全部又は一部を、当該応募情報の行政主体とは異なる行政主体の行政端末4にリアルタイムに開示する際に、経過日数による応募の状況の違いを併せて開示するようにしてもよい。
【0071】
また、上記実施形態において、ユーザーが行政主体を選択する際に利用できるヘルプ機能を設け、ユーザーを支援するようにしてもよい。ヘルプ機能としては、選択可能な行政主体を絞り込む機能や、オススメの行政主体を提案する機能等が挙げられる。このようなヘルプ機能は、マッチング情報蓄積部34や不採用情報蓄積部35に蓄積された情報や、アドバイザーの知見を用いることで実現する。
【0072】
また、上記実施形態において、ユーザーが行政主体を選択する際に、それに先立ち、選択可能な行政主体を絞り込む1次審査を自動的に行うようにしてもよい。このような1次審査は、マッチング情報蓄積部34や不採用情報蓄積部35に蓄積された情報や、アドバイザーの知見を用いることで実現する。
【0073】
また、上記実施形態において、コミュニティ機能を設け、コミュニティの形成を支援するようにしてもよい。形成するコミュニティとしては、関心のある分野のコミュニティ、企業内コミュニティ、業種コミュニティ、県内コミュニティ等が挙げられる。また、コミュニティ機能に併せて、サービスを利用するユーザーや行政主体を検索する機能を設けるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1 マッチングシステム
2 管理サーバー
3 ユーザー端末
4 行政端末
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 不揮発性メモリ
15 通信部
21 募集情報取得部(募集情報取得手段)
22 募集情報開示部(募集情報開示手段)
23 応募情報取得部(応募情報取得手段)
24 応募情報開示部(応募情報開示手段)
25 マッチング情報取得部(マッチング情報取得手段)
26 応募内容評価情報取得部(応募内容評価情報取得手段)
27 マッチング情報開示部(マッチング情報開示手段)
28 不採用情報開示部(不採用情報開示手段)
29 不採用内容評価情報取得部(不採用内容評価情報取得手段)
31 会員情報蓄積部
32 募集情報蓄積部
33 応募情報蓄積部
34 マッチング情報蓄積部(マッチング情報蓄積手段)
35 不採用情報蓄積部(不採情報蓄積手段)
S1 募集情報取得ステップ
S2 募集情報開示ステップ
S3 応募情報取得ステップ
S4 応募情報開示ステップ
S5 マッチング情報取得ステップ
S6 マッチング情報蓄積ステップ
S7 不採用情報蓄積ステップ