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特開2023-67682磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法
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  • 特開-磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法 図1
  • 特開-磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067682
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法
(51)【国際特許分類】
   G01M 17/08 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
G01M17/08
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022006898
(22)【出願日】2022-01-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-05-08
(31)【優先権主張番号】202111257653.4
(32)【優先日】2021-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516379320
【氏名又は名称】西南交通大学
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鄭 ▲クン▼
(72)【発明者】
【氏名】程 言行
(72)【発明者】
【氏名】冦 龍
(72)【発明者】
【氏名】黄 歓
(72)【発明者】
【氏名】▲カ▼ 志昊
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼ 自剛
(57)【要約】      (修正有)
【課題】模擬装置の技術分野に関し、具体的には、車体浮上ガイド機構、移動機構及び磁気レール変動模擬機構を含む磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法に関する。
【解決手段】車体浮上ガイド機構は、模擬される高温超伝導ピン止め磁気浮上列車が単一のデュワーに加える力の大きさを検出するための機構であり、移動機構は、車体浮上ガイド機構を移動させるためのものであり、磁気レール変動模擬機構は、車体浮上ガイド機構に可変力を加え、現実の鉄道が前記車体浮上ガイド機構に加える変化し続ける電磁力を模擬するためのものである。本発明では、試験デュワーの下方に従来の質量が大きい回転機械装置の代わりに前記磁気レール変動模擬機構を設けるとともに、磁気レール変動模擬機構に流れる電流の大きさ、方向及び変化頻度を調整することにより、磁気浮上式列車が異なる進行速度で走行するときの揺れる様子及び受ける力を模擬する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体浮上ガイド機構と、移動機構と、磁気レール変動模擬機構(2)とを含む磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置であって、
前記車体浮上ガイド機構は、模擬される高温超伝導ピン止め磁気浮上が単一のデュワー(即ち、浮上ガイド装置)に加える力の大きさを検出するための機構であり、
前記移動機構は、前記車体浮上ガイド機構を移動させるためのものであり、
前記磁気レール変動模擬機構(2)は、前記車体浮上ガイド機構の下方に設けられ、前記車体浮上ガイド機構に可変力を加えるためのものであり、
前記可変力は、現実の鉄道が前記車体浮上ガイド機構に加える変化し続ける電磁力を模擬するためのものであることを特徴とする、磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項2】
前記磁気レール変動模擬機構(2)は、永磁レール(21)と、磁界変化機構とを含み、前記磁界変化機構は、前記永磁レール(21)の磁界を変化させるためのものであることを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項3】
前記磁界変化機構は、第1磁界変化機構と、第2磁界変化機構とを含み、前記第1磁界変化機構は、前記永磁レール(21)の上方の磁束密度を変化させるためのものであり、前記第2磁界変化機構は、前記永磁レール(21)の両側の磁束密度を変化させるためのものであることを特徴とする、請求項2に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項4】
前記第1磁界変化機構は、複数の励磁バー(22)を含み、複数の前記励磁バー(22)は、前記永磁レール(21)の頂部に設けられ、前記励磁バー(22)は、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続されることを特徴とする、請求項3に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項5】
前記第2磁界変化機構は、2つの励磁バー(22)を含み、前記2つの励磁バー(22)は、それぞれ前記永磁レール(21)の両側壁に設けられ、前記励磁バー(22)は、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットとを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続されることを特徴とする、請求項3に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項6】
前記車体浮上ガイド機構は、試験デュワー(3)、複数の超伝導ブロック(32)、固定板(4)、及びシャシダイナモメータ(5)を含み、前記試験デュワー(3)は、前記磁気レール変動模擬機構(2)の上方に設けられ、複数の前記超伝導ブロック(32)は、前記試験デュワー(3)のキャビティ内に設けられかつ前記試験デュワー(3)の軸方向に沿って前記試験デュワー(3)のキャビティの底部に均等に分布し、前記固定板(4)は、前記試験デュワー(3)の頂部に設けられ、前記シャシダイナモメータ(5)は、前記固定板(4)の上方に設けられ、前記シャシダイナモメータ(5)の4つの頂角は、それぞれ接続ピン(8)により前記固定板(4)の4つの頂角に接続され、前記接続ピン(8)には、歪ゲージ式力センサが設けられることを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項7】
前記固定板(4)は、前記試験デュワー(3)の頂部に取り外し可能に設けられ、前記試験デュワー(3)の側壁には、複数の加速度センサが設けられることを特徴とする、請求項6に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項8】
前記移動機構は、縦方向移動機構、横方向移動機構、上下移動機構及び支持フレーム(6)を含み、前記縦方向移動機構には、横方向移動機構が設けられ、前記縦方向移動機構は、前記横方向移動機構を縦方向において移動させるためのものであり、前記横方向移動機構には、上下移動機構が設けられ、前記横方向移動機構は、前記上下移動機構を横方向において移動させるためのものであり、前記上下移動機構には、支持フレーム(6)が設けられ、前記上下移動機構は、前記支持フレーム(6)を上下移動させるためのものであり、前記支持フレーム(6)における前記上下移動機構から遠い端は、前記車体浮上ガイド機構に固定して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項9】
前記縦方向移動機構は、縦方向レール(76)と、縦方向モータ(75)とを含み、前記横方向移動機構は、横方向レール(74)と、横方向モータ(73)とを含み、前記上下移動機構は、鉛直レール(72)と、鉛直モータ(71)とを含み、前記縦方向レール(76)の端部には、前記縦方向モータ(75)が設けられ、前記縦方向レール(76)上に前記横方向レール(74)が摺動可能に設けられ、前記横方向レール(74)の底部は、前記縦方向モータ(75)の出力軸に接続され、前記横方向レール(74)は、前記縦方向レール(76)に垂直であり、前記横方向レール(74)上に前記鉛直レール(72)が摺動可能に設けられ、前記鉛直レール(72)の底部は、前記横方向モータ(73)の出力端に接続され、前記鉛直レール(72)の頂部には、前記鉛直モータ(71)が設けられ、前記鉛直レール(72)上に前記支持フレーム(6)が設けられ、鉛直モータ(71)の出力軸は、前記支持フレーム(6)の一端に接続されることを特徴とする、請求項8に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか1項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置に基づく模擬方法において、
前記試験デュワー(3)に液体窒素を加え、超伝導ブロック(31)を磁界において超伝導状態となるように冷却し、試験デュワー(3)を永磁レール(21)の上方に浮上させ、
前記試験デュワー(3)に列車が高速走行する際の単一のデュワーの振動を模擬するための振動が発生ように、各前記励磁バー(22)における複数の巻線ユニット(222)に所定の変動電流区間を導入し、前記試験デュワー(3)の側壁に設けられる複数の加速度センサから送信された動的加速度監視データを受信し、前記変動電流区間は、経時に大きさ及び方向が変化し続ける電流であり、前記動的加速度監視データは、前記加速度センサが検出した加速度数値であり、
第1所定時間が経過した後、前記動的加速度監視データの受信を停止させ、前記第1所定時間は、前記変動電流区間が前記巻線ユニット(222)を流れる時間の長さであり、
固定板(4)を前記試験デュワー(3)の頂部に移動させるように前記移動機構を制御し、そして前記試験デュワー(3)の頂部を前記固定板(4)に固定して接続させ、
前記試験デュワー(3)が可変力を受けるように、各前記励磁バー(22)における複数の巻線ユニット(222)に前記所定の変動電流区間を再度導入し、接続ピン(8)に設けられる複数の歪ゲージ式力センサから送信された静的力監視データを受信し、前記可変力は、列車が高速走行する際に磁気レールが列車の単一のデュワーに加える変化し続ける磁力を模擬するためのものであり、前記静的力監視データは、各前記歪ゲージ式力センサが検出した引張力又は圧力の数値であることを特徴とする、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、模擬装置の技術分野に関し、具体的には、磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置及びその模擬方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高温超伝導ピン止め磁気浮上列車が磁界が不均一な現実の鉄道を走行する様子を模擬するための従来の模擬装置は、質量が大きく、不均一な回転磁気レール装置と固定のデュワーとの間の相対運動により模擬している。このような模擬装置は、体積が大きく、模擬走行速度が低いという問題があった。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、上記問題を改善するために、磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置を提供することである。上述した目的を達成するために、本発明は以下の技術的手段を採用する。
【0004】
第1態様では、本発明の実施例によれば、磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置が提供される。この装置は、車体浮上ガイド機構と、移動機構と、磁気レール変動模擬機構とを含み、前記車体浮上ガイド機構は、模擬される列車の単一のデュワーが受ける力の大きさを検出するための機構であり、前記移動機構は、前記車体浮上ガイド機構を移動させるためのものであり、前記磁気レール変動模擬機構は、前記車体浮上ガイド機構の下方に設けられかつ前記車体浮上ガイド機構に可変力を加えるためのものであり、前記可変力は、現実の鉄道が前記列車の単一のデュワーに加える変化し続ける電磁力を模擬するためのものである。
【0005】
好ましくは、前記磁気レール変動模擬機構は、永磁レールと、磁界変化機構とを含み、前記磁界変化機構は、前記永磁レールの磁界を変化させるためのものである。
【0006】
好ましくは、前記磁界変化機構は、第1磁界変化機構と、第2磁界変化機構とを含み、前記第1磁界変化機構は、前記永磁レールの上方の磁束密度を変化させるためのものであり、前記第2磁界変化機構は、前記永磁レールの両側の磁束密度を変化させるためのものである。
【0007】
好ましくは、前記第1磁界変化機構は、複数の励磁バーを含み、複数の前記励磁バーは、前記永磁レールの頂部に設けられ、前記励磁バーは、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットとを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続される。
【0008】
好ましくは、前記第2磁界変化機構は、2つの励磁バーを含み、前記2つの励磁バーは、それぞれ前記永磁レールの両側壁に設けられ、前記励磁バーは、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットとを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続される。
【0009】
好ましくは、前記車体浮上ガイド機構は、試験デュワー、複数の超伝導ブロック、固定板及びシャシダイナモメータを含み、前記試験デュワーは、前記磁気レール変動模擬機構の上方に設けられ、前記複数の超伝導ブロックは、前記試験デュワーのキャビティ内に設けられ、前記試験デュワーの軸方向に沿って前記試験デュワーのキャビティの底部に均等に分布し、前記固定板は、前記試験デュワーの頂部に設けられ、前記シャシダイナモメータは、前記固定板の上方に設けられ、前記シャシダイナモメータの4つの頂角はそれぞれ接続ピンにより前記固定板の4つの頂角に接続され、前記接続ピンには、歪ゲージ式力センサが設けられる。
【0010】
好ましくは、前記固定板は、前記試験デュワーの頂部に取り外し可能に設けられ、前記試験デュワーの側壁には、複数の加速度センサが設けられる。
【0011】
好ましくは、前記移動機構は、縦方向移動機構、横方向移動機構、上下移動機構及び支持フレームを含み、前記縦方向移動機構上に横方向移動機構が設けられ、前記縦方向移動機構は、前記横方向移動機構を縦方向において移動させるためのものであり、前記横方向移動機構上に上下移動機構が設けられ、前記横方向移動機構は、前記上下移動機構を横方向において移動させるためのものであり、前記上下移動機構上に支持フレームが設けられ、前記上下移動機構は、前記支持フレームを上下移動させるためのものであり、前記支持フレームにおける前記上下移動機構から遠い端は、前記車体浮上ガイド機構に固定して接続される。
【0012】
好ましくは、前記縦方向移動機構は、縦方向レールと縦方向モータとを含み、前記横方向移動機構は、横方向レールと横方向モータとを含み、前記上下移動機構は、鉛直レールと鉛直モータとを含み、前記縦方向レールの端部には前記縦方向モータが設けられ、前記縦方向レール上に前記横方向レールが摺動可能に設けられ、前記横方向レールの底部は、前記縦方向モータの出力軸に接続され、前記横方向レールは、前記縦方向レールに垂直であり、前記横方向レール上に前記鉛直レールが摺動可能に設けられ、前記鉛直レールの底部は、前記横方向モータの出力端に接続され、前記鉛直レールの頂部には、前記鉛直モータが設けられ、前記鉛直レール上に前記支持フレームが設けられ、鉛直モータの出力軸は、前記支持フレームの一端に接続される。
【0013】
第2では、本発明の実施例によれば、以下のステップを含む前記磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置に基づく模擬方法が提供される。
前記試験デュワーに液体窒素を加え、超伝導ブロックを磁界において超伝導状態となるように冷却し、前記試験デュワーを前記永磁レールの上方に浮上させ、
前記試験デュワーに列車が高速走行する際の単一のデュワーの振動を模擬するための振動が発生ように、各前記励磁バーにおける複数の巻線ユニットに所定の変動電流区間を導入し、前記試験デュワーの側壁に設けられる複数の前記加速度センサから送信された動的加速度監視データを受信し、前記変動電流区間は、経時に大きさ及び方向が変化し続ける電流であり、前記動的加速度監視データは、前記加速度センサが検出した加速度数値であり、
第1所定時間が経過した後、前記動的加速度監視データの受信を停止させ、前記第1所定時間は、前記変動電流区間が前記巻線ユニットを流れる時間の長さであり、
前記固定板を前記試験デュワーの頂部に移動させるように前記移動機構を制御し、そして前記試験デュワーの頂部を前記固定板に固定して接続させ、
前記試験デュワーが可変力を受けるように、各前記励磁バーにおける複数の巻線ユニットに前記所定の変動電流区間を再度導入し、前記接続ピンに設けられる複数の前記歪ゲージ式力センサから送信された静的力監視データを受信し、前記可変力は、列車が高速走行する際に磁気レールが列車の単一のデュワーに加える変化し続ける磁力を模擬するためのものであり、前記静的力監視データは、各前記歪ゲージ式力センサが検出した引張力又は圧力の数値である。
【0014】
本発明は以下の有益な効果を有する。
本発明では、前記試験デュワーの下方に従来の質量が大きい回転機械装置の代わりに前記磁気レール変動模擬機構を設けるとともに、前記磁気レール変動模擬機構に流れる電流の大きさ、方向及び変化頻度を調整することにより、磁気浮上式列車が異なる進行速度で走行するときの揺れる様子及び受ける力を模擬する。
【0015】
本発明の他の特徴及び利点については後述され、一部が明細書により明確になったり、本発明の実施例により理解されたりすることができる。本発明の目的及び他の利点は、本明細書、特許請求の範囲及び図面に示される構造により実現及び取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明の実施例の技術的手段をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明する。理解できるように、以下の図面は、本発明のいくつかの実施例のみを示し、本発明の範囲を限定するものではない。これらの図面に基づいて当業者が創造的努力なしに関連する他の図面を得ることができる。
【0017】
図1】本発明の実施例に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置の構造模式図である。
図2】本発明の実施例に記載の磁気レール変動模擬機構の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の実施例の目的、技術的手段及び利点をより明確にするために、以下、本発明の実施例における図面により本発明の実施例における技術的手段を明確かつ完全に説明する。以下の実施例は、本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。通常、図面に示される本発明の実施例の部材は、様々な配置により設計することができる。したがって、以下の図面に提供される本発明の実施例に対する詳細な説明は、本発明の保護範囲を制限するものではなく、本発明の好ましい実施例に過ぎない。本発明の実施例に基づいて、当業者が創造的努力なしに得られる全ての他の実施例は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【0019】
なお、以下の図面には、類似の符号は、類似の部材を示す。したがって、ある部材がある図面において定義された以上、他の図面にはそれをさらに定義及び解釈する必要がない。また、本発明において、「第1」、「第2」などの用語は、区別して説明するためのものだけであり、相対的な重要性を示唆するものではない。
【0020】
実施例1
図1に示すように、本実施例によれば、車体浮上ガイド機構と、移動機構と、磁気レール変動模擬機構2とを含む磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置が提供される。
【0021】
前記車体浮上ガイド機構は、模擬される列車の1つのデュワーが受ける力の大きさを検出するための機構である。
本実施例において、前記車体浮上ガイド機構は、図1に示される試験デュワー3、前記試験デュワー3に設けられる固定板4、及び前記固定板4の上方に設けられるシャシダイナモメータ(chassis dynamometer)から構成されてもよい。前記固定板4の4つの頂角とシャシダイナモメータ5の4つの頂角とは接続ピンによって接続され、接続ピンには、対応する歪ゲージ式力センサが設けられる。
【0022】
前記歪ゲージ式力センサは、前記試験デュワー3の4つの頂角が受ける力の状況を検出し、計算して前記試験デュワー3の振動の変動状況を間接模擬するためのものである。
【0023】
前記移動機構は、前記車体浮上ガイド機構を移動させるためのものである。
前記移動機構は、図1に示される鉛直モータ71、鉛直スライドレール72、横方向モータ73、横方向スライドレール74、縦方向モータ75、縦方向スライドレール76から構成される6方向移動機構であってもよく、図1の支持フレーム6を介して前記車体浮上ガイド機構におけるシャシダイナモメータ5に固定して接続される。
前記鉛直モータ71及び鉛直スライドレール72は、上下移動機構を構成し、前記支持フレーム6を上下移動させることで前記車体浮上ガイド機構を上下移動させる。
前記横方向モータ73及び横方向スライドレール74は、横方向移動機構を構成し、前記上下移動機構を水平面上において左右移動させることで前記車体浮上ガイド機構を水平位置において左右移動させる。
前記縦方向モータ75及び縦方向スライドレール76は、縦方向移動機構を構成し、前記横方向移動機構を水平位置において前後移動させることで前記車体浮上ガイド機構を水平位置において前後移動させる。
模擬実験において、前記移動機構は、前記縦方向移動機構、上下移動機構及び横方向移動機構により前記車体浮上ガイド機構の位置を調整することによりそれを所望の模擬実験所定位置に到達させる。
【0024】
前記磁気レール変動模擬機構2を移動させて前記車体浮上ガイド機構を移動させる方法に比べ、本発明の方法は、より便利であり、調整範囲がより広い。
【0025】
前記磁気レール変動模擬機構2は、前記車体浮上ガイド機構の下方に設けられ、前記車体浮上ガイド機構に可変力を加える。前記可変力は、実際の鉄道が前記列車の単一のデュワーに加える変化し続ける電磁力を模擬するためのものである。
【0026】
図2に示すように、前記磁気レール変動模擬機構2は、前記永磁レール21及び複数の励磁バー22から構成されてもよい。
前記永磁レール21は、図2に示される5本の角棒状の永久磁石が接合して構成される。前記複数の励磁バー22は、それぞれ前記永磁レール21の上面及び両側に設けられる。好ましくは、前記永磁レール21の頂部には、2つの前記励磁バー22が設けられ、前記永磁レール21の両側にはそれぞれ1つの前記励磁バー22が設けられる。これによって、前記永磁レール21の定磁界強度を変化させることで高速磁気浮上式列車が実際の鉄道で走行するときの不均一な鉄道磁界を模擬することができる。
【0027】
好ましくは、前記永磁レール21の定磁界強度を変化させる態様は、具体的に以下の通りであってもよい。
励磁バー22は、コイルホルダー221と、前記コイルホルダー221に設けられる複数の巻線ユニット222とを含む。各前記巻線ユニットは、それぞれ独立して制御される。模擬実験を行う際に、前記永磁レール21頂部に設けられる2つの前記励磁バー22における前記巻線ユニット222に流れる電流の方向及び大きさを制御することにより前記永磁レール21の上方の磁界強度を変化させることで前記永磁レール21が前記車体浮上ガイド機構に加える電磁力の大きさを変化させる。また、前記コイルホルダー221にそれぞれ独立した複数の前記巻線ユニット222が設けられているため、前記車体浮上ガイド機構の異なる部位は大きさが異なる電磁力を受けることができることで、前記磁気浮上式列車が高速走行する際の磁気レール鉄道の磁界強度の不均一による列車車体の振動を模擬することができる。
【0028】
好ましくは、前記移動機構及び前記磁気レール変動模擬機構2は、いずれも特定のベース1に設けられ、かつ前記移動機構は、前記磁気レール変動模擬機構2の片側に位置する。
【0029】
本発明では、前記試験デュワーの下方に従来の質量が大きい回転機械装置の代わりに前記磁気レール変動模擬機構を設けるとともに、前記磁気レール変動模擬機構に流れる電流の大きさ、方向及び変化頻度を調整することにより、磁気浮上式列車が異なる進行速度で走行するときの揺れる様子及び受ける力を模擬する。
【0030】
本発明の具体的な実施形態において、前記磁気レール変動模擬機構2は、永磁レール21と磁界変化機構とを含む。前記磁界変化機構は、前記永磁レール21の磁界を変化させるためのものである。
【0031】
永磁レール21は、図2に示すように、5本の角棒状の永久磁石が接合して構成される。前記複数の励磁バー22は、それぞれ前記永磁レール21の上面及び両側に設けられ、前記永磁レール21の定磁界強度を変化させることで高速磁気浮上式列車が実際の鉄道で走行するときの不均一な鉄道磁界を模擬する。
【0032】
具体的には、前記励磁バー22は、コイルホルダー221と、前記コイルホルダー221に設けられる複数の巻線ユニットとを含む。各前記巻線ユニットは、それぞれ独立して制御される。模擬実験を行う際に、前記永磁レール21の頂部に設けられる2つの前記励磁バー22における前記巻線ユニット222に流れる電流の方向及び大きさを制御することにより前記永磁レール21の上方の磁界強度を変化させ、前記永磁レール21が前記車体浮上ガイド機構に加える電磁力の大きさを変化させる。また、前記コイルホルダー221には、互いに独立した複数の前記巻線ユニット222が設けられているため、前記車体浮上ガイド機構の異なる部位は大きさが異なる電磁力を受けることができ、これによって前記磁気浮上式列車の単一のデュワーが高速走行するときの不均一な磁気レールの磁界による振動を模擬することができる。
【0033】
好ましくは、前記磁気レール変動模擬機構2は、容器に収容される。前記容器には、前記磁気レール変動模擬機構2を冷却するための大量の絶縁冷却液が収容されている。
本発明の一実施形態において、前記磁界変化機構は、第1磁界変化機構と、第2磁界変化機構とを含む。前記第1磁界変化機構は、前記永磁レール21の上方の磁束密度を変化させるためのものである。前記第2磁界変化機構は、前記永磁レール21の両側の磁束密度を変化させるためのものである。
【0034】
本発明の一実施形態において、前記第1磁界変化機構は、複数の励磁バー22を含む。前記複数の励磁バー22は、前記永磁レール21の頂部に設けられる。前記励磁バー22は、1つのコイルホルダー及び複数の巻線ユニットを含む。前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続される。
【0035】
本実施例において、前記永磁レール21の頂部に設けられる2つの前記励磁バー22における前記巻線ユニット222に流れる電流の方向及び大きさを制御することにより、前記永磁レール21の上方の磁界強度を変化させ、前記永磁レール21が前記車体浮上ガイド機構に加える電磁力の大きさを変化させる。また、前記コイルホルダー221には、互いに独立した複数の前記巻線ユニット222が設けられているため、前記車体浮上ガイド機構の異なる部位は、大きさが異なる電磁力を受けることができる。前記第1磁界変化機構、即ち、前記永磁レール21の頂部に設けられる前記励磁バー22の主な作用は、前記車体浮上ガイド機構が鉛直方向において受ける力の大きさを変化させることである。
【0036】
本発明の一実施形態において、前記第2磁界変化機構は、2つの励磁バー22を含む。前記2つの励磁バー22は、それぞれ前記永磁レール21の両側壁に設けられる。前記励磁バー22は、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットとを含む。前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続される。
【0037】
本実施例において、前記第2磁界変化機構における前記励磁バー22は、前記永磁レール21の両側の磁界強度を変化させることで模擬効果を現実により近づけるためのものである。現実では、列車の上下揺れにより、列車底部と鉄道との距離が変化する。この場合、列車底部の中央での磁界強度が変化するだけでなく、列車底部の両縁の磁界強度も変化する。本実施例に係る模擬方法において、前記固定板4の動き量が比較的小さくかつ前記第1磁界変化機構が前記永磁レール21の頂部の中央に設けられることにより、前記永磁レール21の中上部での磁界強度が変化する場合においても、前記永磁レール21の両側の磁界強度は対応して変化しないため、模擬効果は正確ではない。これに対し、第2磁界変化機構により、前記永磁レール21の両側での磁界強度を前記永磁レール21の中上部での磁界強度の変化に伴って変化させることによって、模擬効果は現実により近づく。
【0038】
本発明の一実施形態において、前記車体浮上ガイド機構は、試験デュワー3、複数の超伝導ブロック32、固定板4、及びシャシダイナモメータ5を含む。前記試験デュワー3は、前記磁気レール変動模擬機構2の上方に設けられる。前記複数の超伝導ブロック32は、前記試験デュワー3のキャビティ内に設けられかつ前記試験デュワー3の軸方向に沿って前記試験デュワー3のキャビティの底部に均等に分布する。前記固定板4は、前記試験デュワー3の頂部に設けられる。前記シャシダイナモメータ5は、前記固定板4の上方に設けられる。前記シャシダイナモメータ5の4つの頂角は、それぞれ接続ピン8により前記固定板4の4つの頂角に接続される。前記接続ピン8には、歪ゲージ式力センサが設けられる。
【0039】
前記超伝導ブロック32は、液体窒素中で冷却されることで磁界において安定して浮上することができる。これによって、前記試験デュワー3は、前記永磁レール21上において浮上することができる。前記接続ピン8における歪ゲージ式力センサは、前記試験デュワー3の4つの頂角が実際に受ける力の大きさを測定して破壊トルクを算出する。
【0040】
本発明の一実施形態において、前記固定板4は、前記試験デュワー3の頂部に取り外し可能に設けられる。前記試験デュワー3の側壁には、複数の加速度センサが設けられる。
【0041】
本実施例は、動的測定方法を開示する。具体的には、前記固定板4は、前記試験デュワー3の頂部に取り外し可能に設けられる。前記固定板4が取り外されると、前記試験デュワー3は、正常に振動変位することができる。前記試験デュワー3の側壁に設けられる加速度センサにより動的振動模擬数値が得られる。前記試験デュワー3に対して静的模擬及び動的模擬を行うことにより、異なる特徴の模擬データが得られる。前記異なる特徴の模擬データにより、前記試験デュワー3の動的運行特徴総合評価データをより正確に分析することができる。前記静的模擬は、前記固定板4が前記試験デュワー3に接続されているときに行われる模擬実験である。
【0042】
本発明の一実施形態において、前記移動機構は、縦方向移動機構、横方向移動機構、上下移動機構及び支持フレーム6を含む。前記縦方向移動機構には、横方向移動機構が設けられる。前記縦方向移動機構は、前記横方向移動機構を縦方向において移動させるためのものである。前記横方向移動機構には、上下移動機構が設けられる。前記横方向移動機構は、前記上下移動機構を横方向において移動させるためのものである。前記上下移動機構には、支持フレーム6が設けられる。前記上下移動機構は、前記支持フレーム6を上下移動させるためのものである。前記支持フレーム6における前記上下移動機構から遠い端は、前記車体浮上ガイド機構に固定して接続される。
【0043】
模擬実験において、前記移動機構は、前記縦方向移動機構、上下移動機構及び横方向移動機構により前記車体浮上ガイド機構の位置を調整し、それを所望の模擬実験所定位置に到達させる。
【0044】
前記磁気レール変動模擬機構2を移動させることで前記車体浮上ガイド機構を移動させる方法に比べ、本発明の方法はより便利であり、調整範囲がより広い。
【0045】
本発明の一実施形態において、図1に示すように、好ましくは、前記縦方向移動機構は、縦方向レール76及び縦方向モータ75を含む。前記横方向移動機構は、横方向レール74及び横方向モータ73を含む。前記上下移動機構は、鉛直レール72及び鉛直モータ71を含む。前記縦方向レール76の端部には、前記縦方向モータ75が設けられる。前記縦方向レール76には、前記横方向レール74が摺動可能に設けられる。前記横方向レール74の底部は、前記縦方向モータ75の出力軸に接続される。前記横方向レール74は、前記縦方向レール76に垂直である。前記横方向レール74には、前記鉛直レール72が摺動可能に設けられる。前記鉛直レール72の底部は、前記横方向モータ73の出力端に接続される。前記鉛直レール72の頂部には、前記鉛直モータ71が設けられる。前記鉛直レール72には、前記支持フレーム6が設けられる。鉛直モータ71の出力軸は、前記支持フレーム6の一端に接続される。
【0046】
実施例2
前記実施例に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置に基づいて、本実施例では、前記磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置に基づく方法が提供される。この方法は、以下のステップを含む。
【0047】
ステップS1:初期時刻で前記移動機構により前記試験デュワー3を特定の高さの位置に固定し、前記試験デュワー3に液体窒素を加え、デュワー内の複数の前記超伝導ブロック31を超伝導状態となるように冷却することにより、前記試験デュワー3を前記永磁レール21の上方に浮上させる。そして移動機構と前記試験デュワー3を分離する。この場合、前記試験デュワー3の頂部と前記固定板4は互いに離間し、前記試験デュワー3は前記永磁レール21の上方を可動である。
【0048】
ステップS2において、各前記励磁バー22における複数の巻線ユニット222に所定の変動電流区間を導入し、前記試験デュワー3に列車の単一のデュワーが高速走行するときの振動を模擬するための振動を発生させる。また、前記試験デュワー3の側壁に設けられる複数の前記加速度センサから送信した動的加速度監視データを受信する。前記変動電流区間は、経時に大きさ及び方向が変化し続ける電流である。前記動的加速度監視データは、前記加速度センサにより検出された加速度数値である。前記動的加速度監視データに基づいて、列車が高速走行するときの走行姿勢及び前記列車の単一のデュワーの各部位での振幅及び振動周波数などを分析することができる。
【0049】
ステップS3:第1所定時間が経過した後、前記動的加速度監視データの受信を停止させる。この場合、前記試験デュワー3は、前記永磁レール21の上方を静的に浮上する。前記第1所定時間は、前記変動電流区間が前記巻線ユニット222を流れる時間の長さである。
【0050】
ステップS4:前記移動機構が前記固定板4を前記試験デュワー3の頂部に移動させるように前記移動機構を制御し、そして後の実験ステップにおいて前記試験デュワー3と前記永磁レール21との相対位置が変化しないように、前記試験デュワー3の頂部と前記固定板4とを固定して接続させる。
【0051】
ステップS5:前記試験デュワー3が可変力を受けるように、各前記励磁バー22における複数の巻線ユニット222に前記所定の変動電流区間を導入する。また、前記接続ピン8に設けられる複数の前記歪ゲージ式力センサから送信した静的力監視データを受信する。前記可変力は、列車が高速走行するときに磁気レールが前記列車の単一のデュワーに加える変化し続ける磁力を模擬するためのものである。前記静的力監視データは、各前記歪ゲージ式力センサが検出する引張力又は圧力の数値である。前記静的力監視データは、列車が高速走行するときの磁気レールの不均一な磁界により列車の単一のデュワーの各部位が受ける力が異なる様子を模擬し、列車の単一のデュワーの各部位での疲労特性を検出するためものである。
【0052】
ステップS6:模擬実験終了後に、前記静的力監視データ及び動的加速度監視データを分析することにより、前記列車が高速走行するときの各走行データをより全面的に得ることができる。
【0053】
以上の説明は本発明の好ましい実施例に過ぎず、本発明を制限するものではない。本発明には様々な変更及び変化が含まれる。本発明の趣旨及び原則の範囲内において行われる全ての修正、同等置換、改良等はいずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0054】
以上、本発明の具体的な実施形態を説明したが、本発明の保護範囲は、これに限定されない。本発明に開示の技術的範囲内において、当業者が変化及び置換を容易に想到することができる。これらの変化及び置換は、いずれも本発明の保護範囲内に含まれるべきである。そのため、本発明の保護効果は、特許請求の範囲に基づいて定められる。
【符号の説明】
【0055】
1-ベース;2-磁気レール変動模擬機構;21-永磁レール;22-励磁バー;221-コイルホルダー;222-巻線ユニット;3-試験デュワー;31-超伝導ブロック;4-固定板;5-シャシダイナモメータ;6-支持フレーム;71-鉛直モータ;72-鉛直スライドレール;73-横方向モータ;74-横方向スライドレール;75-縦方向モータ;76-縦方向スライドレール;8-接続ピン。
図1
図2
【手続補正書】
【提出日】2023-02-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体浮上ガイド機構と、移動機構と、磁気レール変動模擬機構(2)とを含む磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置であって、
前記車体浮上ガイド機構は、模擬される高温超伝導磁気浮上が単一のデュワー(即ち、浮上ガイド装置)に加える力の大きさを検出するための機構であり、
前記移動機構は、前記車体浮上ガイド機構を移動させるためのものであり、
前記磁気レール変動模擬機構(2)は、前記車体浮上ガイド機構の下方に設けられ、前記車体浮上ガイド機構に可変力を加えるためのものであり、永磁レール(21)と、前記永磁レール(21)の磁界を変化させる磁界変化機構とを含み、
前記可変力は、現実の鉄道が前記車体浮上ガイド機構に加える変化し続ける電磁力を模擬するためのものであり、
前記磁界変化機構は、前記永磁レール(21)の上方の磁束密度を変化させる第1磁界変化機構と、前記永磁レール(21)の両側の磁束密度を変化させる第2磁界変化機構とを含む、
ことを特徴とする、磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項2】
前記第1磁界変化機構は、複数の励磁バー(22)を含み、複数の前記励磁バー(22)は、前記永磁レール(21)の頂部に設けられ、前記励磁バー(22)は、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続されることを特徴とする、請求項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項3】
前記第2磁界変化機構は、2つの励磁バー(22)を含み、前記2つの励磁バー(22)は、それぞれ前記永磁レール(21)の両側壁に設けられ、前記励磁バー(22)は、1つのコイルホルダーと、複数の巻線ユニットとを含み、前記複数の巻線ユニットは、前記コイルホルダーの軸方向に沿って前後に重ねて接続されることを特徴とする、請求項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項4】
前記車体浮上ガイド機構は、試験デュワー(3)、複数の超伝導ブロック(3)、固定板(4)、及びシャシダイナモメータ(5)を含み、前記試験デュワー(3)は、縦方向に沿って延在するように前記磁気レール変動模擬機構(2)の上方に設けられ、複数の前記超伝導ブロック(3)は、前記試験デュワー(3)のキャビティ内に設けられかつ前記試験デュワー(3)の延在方向に沿って前記試験デュワー(3)のキャビティの底部に均等に配列され、前記固定板(4)は、前記試験デュワー(3)の頂部に設けられ、前記シャシダイナモメータ(5)は、前記固定板(4)の上方に設けられ、前記シャシダイナモメータ(5)の4つの頂角は、それぞれ接続ピン(8)により前記固定板(4)の4つの頂角に接続され、前記接続ピン(8)には、歪ゲージ式力センサが設けられることを特徴とする、請求項2又は3に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項5】
前記固定板(4)は、前記試験デュワー(3)の頂部に取り外し可能に設けられ、前記試験デュワー(3)の側壁には、複数の加速度センサが設けられることを特徴とする、請求項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項6】
前記移動機構は、縦方向移動機構、横方向移動機構、上下移動機構及び支持フレーム(6)を含み、前記縦方向移動機構には、横方向移動機構が設けられ、前記縦方向移動機構は、前記横方向移動機構を縦方向において移動させるためのものであり、前記横方向移動機構には、上下移動機構が設けられ、前記横方向移動機構は、前記上下移動機構を横方向において移動させるためのものであり、前記上下移動機構には、支持フレーム(6)が設けられ、前記上下移動機構は、前記支持フレーム(6)を上下移動させるためのものであり、前記支持フレーム(6)における前記上下移動機構から遠い端は、前記車体浮上ガイド機構に固定して接続されることを特徴とする、請求項1に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項7】
前記縦方向移動機構は、縦方向レール(76)と、縦方向モータ(75)とを含み、前記横方向移動機構は、横方向レール(74)と、横方向モータ(73)とを含み、前記上下移動機構は、鉛直レール(72)と、鉛直モータ(71)とを含み、前記縦方向レール(76)の端部には、前記縦方向モータ(75)が設けられ、前記縦方向レール(76)上に前記横方向レール(74)が摺動可能に設けられ、前記横方向レール(74)の底部は、前記縦方向モータ(75)の出力軸に接続され、前記横方向レール(74)は、前記縦方向レール(76)に垂直であり、前記横方向レール(74)上に前記鉛直レール(72)が摺動可能に設けられ、前記鉛直レール(72)の底部は、前記横方向モータ(73)の出力端に接続され、前記鉛直レール(72)の頂部には、前記鉛直モータ(71)が設けられ、前記鉛直レール(72)上に前記支持フレーム(6)が設けられ、鉛直モータ(71)の出力軸は、前記支持フレーム(6)の一端に接続されることを特徴とする、請求項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置。
【請求項8】
請求項に記載の磁気浮上式鉄道走行状態模擬装置に基づく模擬方法において、
前記試験デュワー(3)に液体窒素を加え、超伝導ブロック(31)を磁界において超伝導状態となるように冷却し、試験デュワー(3)を永磁レール(21)の上方に浮上させ、
前記試験デュワー(3)に列車が高速走行する際の単一のデュワーの振動を模擬するための振動が発生ように、各前記励磁バー(22)における複数の巻線ユニット(222)に所定の変動電流区間を導入し、前記試験デュワー(3)の側壁に設けられる複数の加速度センサから送信された動的加速度監視データを受信し、前記変動電流区間は、経時に大きさ及び方向が変化し続ける電流であり、前記動的加速度監視データは、前記加速度センサが検出した加速度数値であり、
第1所定時間が経過した後、前記動的加速度監視データの受信を停止させ、前記第1所定時間は、前記変動電流区間が前記巻線ユニット(222)を流れる時間の長さであり、
固定板(4)を前記試験デュワー(3)の頂部に移動させるように前記移動機構を制御し、そして前記試験デュワー(3)の頂部を前記固定板(4)に固定して接続させ、
前記試験デュワー(3)が可変力を受けるように、各前記励磁バー(22)における複数の巻線ユニット(222)に前記所定の変動電流区間を再度導入し、接続ピン(8)に設けられる複数の歪ゲージ式力センサから送信された静的力監視データを受信し、前記可変力は、列車が高速走行する際に磁気レールが列車の単一のデュワーに加える変化し続ける磁力を模擬するためのものであり、前記静的力監視データは、各前記歪ゲージ式力センサが検出した引張力又は圧力の数値であることを特徴とする、方法。
【外国語明細書】