IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プファイファー・ヴァキューム・テクノロジー・アクチエンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特開-真空ポンプ 図1
  • 特開-真空ポンプ 図2
  • 特開-真空ポンプ 図3
  • 特開-真空ポンプ 図4
  • 特開-真空ポンプ 図5
  • 特開-真空ポンプ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067727
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】真空ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 19/04 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
F04D19/04 H
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022101735
(22)【出願日】2022-06-24
(31)【優先権主張番号】21205430
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】520415627
【氏名又は名称】プファイファー・ヴァキューム・テクノロジー・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【弁理士】
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【弁理士】
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】ヴィクトル・ドルシュト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・シュヴァイクヘーファー
(72)【発明者】
【氏名】ミルコ・メコタ
【テーマコード(参考)】
3H131
【Fターム(参考)】
3H131AA02
3H131BA09
3H131BA14
3H131BA15
3H131CA31
(57)【要約】      (修正有)
【課題】真空ポンプの領域内で作業する人員又は真空ポンプの領域内に存在する又は真空ポンプを含むシステムのための安全を同時に高めつつ、その性能のできるだけ最適な利用を可能にする真空ポンプを提供する。
【解決手段】回転軸を中心として回転可能なロータと、ロータを回転させるための駆動装置と、保護モードで作動パラメータ、特に真空ポンプ111のハウジング119の外面の温度を検出し、プリセットに従って、検出した作動パラメータの値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる制御ユニットと、ユーザインタフェース又はユーザインタフェースと真空ポンプ111を接続するための装置とを有し、ユーザインタフェースを介して、制御ユニットが、ユーザによって、保護モードとは異なる中立モードに切替え可能であり、この中立モードで、制御ユニットが保護措置を講じない及び/又は制御ユニットを介してプリセットが変更可能であるものに関する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプ(111)、特にターボ分子真空ポンプ(111)であって、
・回転軸(151)を中心として回転可能なロータ(149)と、
・ロータ(149)を回転させるための駆動装置と、
・保護モードで作動パラメータ、特に真空ポンプ(111)のハウジング(119)の外面(227)の温度を検出し、プリセットに従って、検出した作動パラメータの値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる制御ユニット(229)と、
・ユーザインタフェース(231)又はユーザインタフェース(231)と真空ポンプを接続するための装置と
を有し、ユーザインタフェース(231)を介して、制御ユニット(229)が、ユーザによって、保護モードとは異なる中立モードに切替え可能であり、この中立モードで、制御ユニット(229)が保護措置を講じない及び/又は制御ユニットを介してプリセットが変更可能であること、を特徴とする真空ポンプ(111)。
【請求項2】
プリセットの変更が、保護措置を開始する少なくとも1つのプリセット値の増加又は減少を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項3】
プリセットの変更が、保護措置の変更を含むこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項4】
プリセットの変更が、作動パラメータの異なる値と異なる保護措置との間の対応付けの変更を含むこと、を特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項5】
作動パラメータの値が異なる場合に異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項6】
エスカレーション又はデエスカレーション手順の範囲内で、作動パラメータの値の増加又は減少の過程で時間的に連続して異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項7】
保護措置が、警告信号を発生させることであること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項8】
保護措置が、真空ポンプ(111)の現在の作動を変更すること、特に真空ポンプ(111)のパラメータを増加又は減少させること、好ましくはロータ(149)の回転数を低下させることであること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項9】
保護措置が、停止信号を発生させることであること、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項10】
制御ユニット(229)が、作動パラメータの1つの値で警告信号を発生させ、この値とは異なる別の値で他の警告信号又は停止信号を発生させること、を特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項11】
作動パラメータを検出するために、真空ポンプ(111)のセンサ(225)又は外部センサ用のインタフェースが設けられていること、を特徴とする請求項1~10のいずれか1項に記載の真空ポンプ(111)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空ポンプ、特にターボ分子真空ポンプであって、回転軸を中心として回転可能なロータと、ロータを回転させるための駆動装置と、保護モードで作動パラメータ、特に真空ポンプのハウジングの外面の温度を検出し、プリセットに従って、検出した作動パラメータの値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる制御ユニットと、を有するものに関する。
【背景技術】
【0002】
このような真空ポンプの作動中に、特に、自由にアクセス可能な真空ポンプにおいて人員又はシステムの保護を必要とする条件が生じ得る。例えば、真空ポンプの作動中に熱が発生することがあり、これにより、真空ポンプのハウジングの外面の温度が上昇する。上昇したハウジング温度は、ハウジングとの接触時に人員が火傷を受け得るとの危険をもたらす。しかしながら、ハウジング温度だけでなく、所定の温度に達する、上回る又は下回ると措置を必要とすることがある作動パラメータがあり得る。こうして、例えば、真空ポンプの振動は、振動の振幅又は周波数が所定の値を取った時に、真空ポンプを含む具体的なシステムにとって危険になり得る。
【0003】
例えば操作員を保護するため、真空ポンプは、作動中に人員にとって危険な条件が生じないように設定することができる。こうして、真空ポンプは、過剰な発熱を回避するために、例えば低下させたロータの回転数で作動させることができ、これにより、ハウジング温度は、危険な温度未満に留まるが、最終的には、制限された最大回転数のために、ポンプ出力も低下している。換言すると、真空ポンプの性能は、環境に対する、即ち人員又は例えばそれぞれのポンプスタンドのような真空ポンプを含むシステムに対する安全性だけに基づいて限定されている。
【0004】
しかしながら、真空ポンプ自体の機能安全性に対しては、通常は、真空ポンプの性能を制限することは必要ないが、それは、真空ポンプ自体が、未だ、操作員を危険にさらすことを既に意味する条件より下で作動可能であるからである。特に、真空ポンプ自体の確実な作動のためには、結果としてハウジング温度が人員にとって危険な温度未満であるように、真空ポンプの性能を低下させることは必要ない。例えば転がり軸受もしくは使用される潤滑剤、駆動装置、ロータ及び/又は所定の電気部品のような、真空ポンプの機能安全性にとって危険な温度を上回らないことが重要である。同様に、これは、既に述べたようにハウジング温度以外の作動パラメータ、例えば振動状態にも当て嵌まる。
【0005】
加えて、真空ポンプが、近くで作業する人員又は真空ポンプを含むシステムにとって危険でないように配置されている場合には、真空ポンプを出力低減モードで作動させることは必要ない。しかしながら、既知の真空ポンプは、それにもかかわらずしばしば、真空ポンプが、例えば人員の安全のために最大出力で作動され得ず、しかもこれが、真空ポンプが最大出力時に近くに存在する人員を危険にさらすか否かに依存しないように設定されている。従って、既知の真空ポンプの潜在能力は、真空ポンプが基本的に人員又はシステムの保護を必要としない環境で作動される場合には、完全に利用することはできない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の課題は、真空ポンプの領域内で作業する人員又は真空ポンプの領域内に存在する又は真空ポンプを含むシステムのための安全を同時に高めつつ、その性能のできるだけ最適な利用を可能にする真空ポンプを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
課題は、請求項1の特徴を有する真空ポンプによって解決され、特に、ユーザインタフェースを介して、制御ユニットが、ユーザによって、保護モードとは異なる中立モードに切替え可能であり、この中立モードで、制御ユニットが保護措置を講じない及び/又は制御ユニットを介してプリセットが変更可能である、ユーザインタフェース又はユーザインタフェースと真空ポンプを接続するための装置によって解決される。
【0008】
本発明の根底にある思想は、真空ポンプの特性を、しかも真空ポンプ自体の保護ではなく、その環境の保護に関する特性を、プリセットし得るために、ユーザが、ユーザインタフェースを介して、真空ポンプと対話することができることである。
【0009】
対話に関する本発明による可能性は、真空ポンプを、選択的に保護モード又は中立モードで作動させること、しかも、これを、例えば、真空ポンプの作動中に保護措置が必要であるか否かに応じて行なうことにある。こうして、真空ポンプが危険でない環境内で作動されるときに、保護モードを停止すること及び制御ユニットを中立モードで作動させることができる。これにより、真空ポンプは、最大の性能で作動され得るとの利点が得られる。これに対して、真空ポンプが、作動中に人員に対してアクセス可能であるか、例えば最大出力時に、振動状態に基づいて真空ポンプを作動させるポンプスタンドに対して危険である環境で真空ポンプが作動される場合、真空ポンプは、連続的に保護モードで作動させることができる。これにより、真空ポンプの性能が少なくともその範囲内で最適に利用することができ、これが、人員又は環境の保護を背景にして最大限可能であるとの利点が得られる。即ち、本発明は、常に真空ポンプの性能と環境の保護との間の最適な妥協を達成することを可能にする。従って、全体として、真空ポンプの潜在能力は、真空ポンプの作動環境に応じて最適に利用することができる。
【0010】
更に、真空ポンプとの対話に関する選択的又は付加的な可能性は、真空ポンプの特性に影響を与え得るために、ユーザが、ユーザインタフェースを介してプリセットを変更し得ることにある。これは、以下で有利な実施形態と関連させて更に詳細に説明する。
【0011】
有利な実施形態は、従属請求項、明細書及び図からわかる。
【0012】
真空ポンプの有利な形態によれば、プリセットの変更が、保護措置を開始する少なくとも1つのプリセット値の増加又は減少を含み得る。従って、ユーザは、保護措置が、真空ポンプの適用位置に存在するニーズに応じて講じられるように、プリセットを適合させることができる。例えば、プリセット値は、更に保護措置が講じられるように、ユーザによって変更することができるが、これは、例えば工場で設定されたプリセット値に達した場合ではなく、それぞれの用途に適したプリセット値である場合に行なわれる。例えば、いくつかの適用例の場合、真空ポンプの性能を早期に講じられた保護措置によって制限しないために、プリセット値を高くすることが適用され得る。
【0013】
選択的又は付加的に、プリセットの変更が、保護措置の変更を含み得る。これにより、ユーザ自体は、どのような保護措置又はどの程度の保護措置がそれぞれのプリセットを満足したときに導入されるかを選択することができる。
【0014】
保護措置は、例えば警告信号を発生させることであり得る。警告信号は、光学的又は音響的に出力することができる。光学的な警告信号は、例えば、真空ポンプに、例えばLEDのようなランプを設けることができる。しかしながらまた、警告信号は、インジケータに、例えば真空ポンプから離れたところにある携帯端末又はユーザスクリーンに、ユーザに対して可聴及び/又は可視に出力することもできる。
【0015】
警告信号を発生させる代わり又は以外に、保護措置は、真空装置の作動に介入すること、即ち、真空ポンプの現在の作動を変更することでもあり得る。特に、真空ポンプのパラメータの値は、増加又は減少させることができる。例えば、真空ポンプの消費電力又はロータの回転数は低下させることができる。これにより、例えば、真空ポンプの更なる加熱を防止することができる。換言すれば、真空ポンプの最大限可能な出力は、環境の保護を優先するために、それぞれのパラメータに関して限定される。
【0016】
本発明の他の実施形態では、保護措置として、停止信号を発生させることも企図され得る。外面のハウジング温度が所定の値に達した又は上回ったときに、真空ポンプは、例えば停止させることができる。
【0017】
真空ポンプの別の有利な形態によれば、プリセットの変更が、作動パラメータの異なる値と異なる保護措置との間の対応付けの変更を含み得る。これにより、ユーザは、どのようなパラメータが達成されたら、どのような保護措置を講じるべきか、個々に構成することができる。
【0018】
作動パラメータの値が異なる場合に異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれ得る。例えば、制御ユニットは、作動パラメータの1つの値で、即ちこの値に達した、下回った又は上回ったときに、警告信号を発生させ、この値とは異なる別の値で、即ちこの別の値に達した、下回った又は上回ったときに、他の警告信号又は停止信号を発生させることができる。
【0019】
別の実施形態によれば、エスカレーション又はデエスカレーション手順の範囲内で、作動パラメータの値の増加又は減少の過程で時間的に連続して異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれ得る。例えば、保護措置は、作動パラメータのそれぞれの値の増加又が減少に依存して、真空ポンプのパラメータ、例えばロータの回転数が、環境の常に十分な保護のために徐々に低下させられるように、階層化することができる。例えば、警告信号の階層化が、警告信号の強度の変化であることも可能である。例えば、危険レベルの高まりと共に、即ち環境を危険にさらす潜在能力の高まりと共に、光源がより明るく発光する又はより速く点滅する又はより多くの光源が点灯することができる。更に、例えば、音響的な警告信号の音量を、危険レベルの高まりと共に高めることもできる。
【0020】
好ましくは、制御ユニットは、所定のプリセット値を上回らないように、真空ポンプの出力又は他のパラメータをコントロールする。これにより、真空ポンプの性能は、環境の保護を維持しつつ常に最適に利用される。例えば、真空ポンプのロータ回転数は、ハウジングの人員にとって危険な温度上昇が検出された場合、低下させることができる。危険がないように真空ポンプが再び十分に冷却され次第、ロータ回転数は、従ってポンプ出力は、再び増加させることができる。
【0021】
好ましくは、作動パラメータを検出するために、真空ポンプのセンサが設けられている。しかしながらまた、作動パラメータを検出するために、外部センサ用の、特に真空ポンプを増備するための、インタフェースを設けることもできる。外部センサは、例えば、真空ポンプと接続されたレシピエントに設けることができる。
【0022】
故に、「作動パラメータ」との用語は、広く理解すべきであり、即ち、作動パラメータは、真空ポンプ自体のパラメータである必要はなく、真空ポンプが作動される環境のパラメータでもあり得る。
【0023】
好ましくは、センサは、温度センサであり、ポンプハウジングの外面に取り付けることができる。基本的に、ポンプハウジングの外面の温度は、例えばロータ、ロータ用の転がり軸受又は転がり軸受用の潤滑剤の温度を介して間接的に検出することができる。
【0024】
制御ユニットとユーザが対話するためのユーザインタフェースは、例えばタッチスクリーン又は他の入力装置の形態で真空ポンプに取り付けること、又は、他のやり方で、例えば真空ポンプと、特にデータインタフェースを介して接続された入出力機器によって実現すること、ができる。入出力機器は、真空ポンプと有線又は無線で接続することができる。この場合、入出力機器は、コンピュータ、特に真空ポンプを含むシステムの操作又は制御するためのコンピュータの形態で形成することができる。入出力機器が、離れた場所から真空ポンプにアクセスすることができる携帯端末であることも可能である。
【0025】
入出力機器は、グラフィックユーザインタフェースを含むことができ、このグラフィックユーザインタフェースを介して、ユーザは、簡単に、保護モードと中立モードの間で選択すること及び/又はプリセットを変更することができる。加えて、グラフィックユーザインタフェース上に、真空ポンプの現在の状況を、例えばどのモードが現在起動されているのか、及び/又は、どのような値を検出されたそれぞれの作動パラメータが現在備えているか、及び/又は、真空ポンプが現在危険をもたらしているか否か、を表示することができる。
【0026】
本発明を、作動パラメータとしての温度と関連させて前で説明したが、同様に前で既に述べたように、本発明のアイデア及びコンセプトは、検出可能な他の作動パラメータに適用することもできる。例えば、作動パラメータは、騒音放出又は真空ポンプの振動状態であり得る。
【0027】
以下で、本発明を、添付の図に関連づけた有利な実施形態によって模範的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】ターボ分子ポンプの斜視図
図2図1のターボ分子ポンプの下側の図
図3図2に示した切断線A-Aに沿ったターボ分子ポンプの横断面図
図4図2に示した切断線B-Bに沿ったターボ分子ポンプの横断面図
図5図2に示した切断線C-Cに沿ったターボ分子ポンプの横断面図
図6】作動パラメータを検出するためのセンサ用の異なる取付け箇所を特に純粋に概略的に示す、本発明によるターボ分子真空ポンプの図1に対応する図
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1~5は、図6と関連させて説明する本発明による真空ポンプ111に応じて形成することができるターボ分子真空ポンプ111の形態の既知の真空ポンプを示す。逆に、図1~5と関連する以下の構成は、図6の本発明によるシンクポンプにも当て嵌まる。
【0030】
図1に示したターボ分子ポンプ111は、入口フランジ113によって包囲されたポンプ入口115を有し、このポンプ入口に、それ自体周知のように、図示してないレシピエントを接続することができる。レシピエントからのガスは、ポンプ入口115を介してレシピエントから吸い込まれ、ポンプを経てポンプ出口117へ移送することができ、このポンプ出口には、例えば回転ベーンポンプのような予備真空ポンプを接続することができる。
【0031】
入口フランジ113は、図1による真空ポンプの整向時に、真空ポンプ111のハウジング119の上端を構成する。ハウジング119は、電子機器ハウジング123を横に配置した下部121を有する。電子機器ハウジング123内に、例えば真空ポンプ内に配置された電気モータ125を作動させるために、真空ポンプ111の電気及び/又は電子部品が収納されている(図3も参照)。電子機器ハウジング123には、アクセサリ用の複数のポート127が設けられている。加えて、例えばRS485規格によるデータインタフェース129と電力供給ポート131が電子機器ハウジング123に配置されている。
【0032】
このように取り付けられた電子機器ハウジングを備えるのではなく、外部の駆動電子機器に接続されるターボ分子ポンプも存在する。
【0033】
ターボ分子ポンプ111のハウジング119には、特に通気弁の形態の通気入口133が設けられ、この通気入口を介して、真空ポンプ111は、通気をすることができる。更にまた、下部121の領域には、掃気ガスポートとも呼ばれるシールガスポート135が配置され、掃気ガスポートを介して、掃気ガスが、ポンプによって移送されるガスから電気モータ125(例えば図3参照)を保護するために、モータスペース137-このモータスペース内で、電気モータ125は真空ポンプ111内に収納されている-へ導入することができる。更にまた、下部121内には、2つの冷却剤ポート139が配置され、これら冷却剤ポートの一方は、冷却剤用の入口として設けられ、他方の冷却剤ポートは、冷却剤用の出口として設けられ、この冷却剤は、冷却のために真空ポンプ内に導入することができる。他の既存のターボ分子真空ポンプ(図示してない)は、空気冷却だけで作動させられる。
【0034】
真空ポンプの下側141は、スタンド面として使用することができるので、真空ポンプ111は、下側141の上に立った状態で作動させることができる。しかしながら、真空ポンプ111は、入口フランジ113を介してレシピエントに固定され、これにより、ある程度吊り下がった状態で作動されてもよい。加えて、真空ポンプ111は、図1に示したものとは違うように整向されている時でも作動させ得るように構成することができる。下側141が下を向くのではなく、横に向くか、上を向くように整向して配置することができる真空ポンプの実施形態を実現することもできる。この場合、基本的に、任意の角度が可能である。
【0035】
特にここに図示したポンプよりも大きい他の既存のターボ分子真空ポンプ(図示してない)は、直立状態で作動させることはできない。
【0036】
図2に図示した下側141には、更に、種々のボルト143が配置され、これらボルトによって、ここではそれ以上は特定されていない真空ポンプの部品が互いに固定されている。例えば、軸受カバー145は、下側141に固定されている。
【0037】
加えて、下側141には、固定孔147が配置され、これら固定孔を介して、ポンプ111は、例えば載置面に固定することができる。これは、特に個々に図示したポンプよりも大きい他の既存のターボ分子真空ポンプの場合は可能でない。
【0038】
図2~5には、冷却剤ライン148が図示され、この冷却ライン内を、冷却剤ポート139を介して導入及び導出される冷却剤が循環できる。
【0039】
図3~5の断面図が示すように、真空ポンプは、ポンプ入口115に存在するプロセスガスをポンプ出口117へ移送するために複数のプロセスガスポンプ段を有する。
【0040】
ハウジング119内に、ロータ149が配置され、このロータは、回転軸151を中心として回転可能なロータシャフト153を備える。
【0041】
ターボ分子ポンプ111は、ロータシャフト153に固定された複数の半径方向のロータディスク155と、ロータディスク155の間に配置されかつハウジング119に固定されたステータディスク157を有する、ポンプに有効に互いに直列に介装された複数のターボ分子ポンプ段を有する。この場合、ロータディスク155と隣接するステータディスク157が、それぞれ1つのターボ分子ポンプ段を構成する。ステータディスク157は、スペーサリング159によって互いに所望の軸方向の間隔を置いて保持されている。
【0042】
加えて、真空ポンプは、半径方向に互いに入れ子式に配置され、ポンプに有効に互いに直列に介装されたホルベックポンプ段を有する。ホルベックポンプ段を備えない他の既存のターボ分子真空ポンプが存在する。
【0043】
ホルベックポンプ段のロータは、ロータシャフト153に配置された1つのロータハブ161と、ロータハブ161に固定されかつこのロータハブによって支持された2つのシリンダシェル状のホルベックロータスリーブ163,165を有し、これらホルベックロータスリーブは、回転軸151に対して同軸に整向され、半径方向に互いに入れ子式に介装されている。更に、2つのシリンダシェル状のホルベックステータスリーブ167,169が設けられ、これらホルベックステータスリーブも同様に回転軸151に対して同軸に整向され、半径方向に見て互いに入れ子式に介装されている。
【0044】
ホルベックポンプ段のポンプ活性表面は、ホルベックロータスリーブ163,165及びホルベックステータスリーブ167,169のシェル面、即ち半径方向の内面及び/又は外面によって構成されている。外側のホルベックステータスリーブ167の半径方向の内面は、半径方向のホルベックギャップ171を形成しつつ外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の外面に対向し、この半径方向の外面と共に、ターボ分子ポンプの後に続く第1のホルベックポンプ段を構成する。外側のホルベックロータスリーブ163の半径方向の内面は、半径方向のホルベックギャップ173を形成しつつ内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の外面に対置し、この半径方向の外面と共に第2のホルベックポンプ段を構成する。内側のホルベックステータスリーブ169の半径方向の内面は、半径方向のホルベックギャップ175を形成しつつ内側のホルベックロータスリーブ165の半径方向の外面に対向し、この半径方向の外面と共に第3のホルベックポンプ段を構成する。
【0045】
ホルベックロータスリーブ163の下端に、その介在により半径方向外側に位置するホルベックギャップ171を中央のホルベックギャップ173と接続する、半径方向に延在する通路を設けることができる。加えて、内側のホルベックステータスリーブ169の上端に、その介在により中央のホルベックギャップ173を半径方向内側に位置するホルベックギャップ175と接続する、半径方向に延在する通路を設けることができる。これにより、互いに入れ子式に介装されたホルベックポンプ段は、互いに直列に介装される。更に、半径方向内側に位置するホルベックロータスリーブ165の下端に、出口117への接続通路179を設けることができる。
【0046】
ホルベックステータスリーブ167,169の前記ポンプ活性表面は、それぞれ、回転軸151を中心として螺旋状に軸方向に延在する複数のホルベック溝を備えるが、ホルベックロータスリーブ163,165の対向するシェル面は、平滑に形成され、ホルベック溝内の真空ポンプ111を作動させるためのガスを推進する。
【0047】
ロータシャフト153を回転可能に軸受けするために、転がり軸受181がポンプ出口117の領域に設けられ、永久磁石軸受183が、ポンプ入口115の領域に設けられている。
【0048】
転がり軸受181の領域で、ロータシャフト153に、転がり軸受181に向かって増加する外径を有する円錐形のスプレーナット185が設けられている。スプレーナット185は、作動媒体蓄積器の少なくとも1つのワイパと滑り接触している。他の既存のターボ分子真空ポンプ(図示してない)の場合、スプレーナットの代わりに、スプレーボルトを設けることができる。従って異なる構成が可能であるので、これに関連して「スプレー先端」との用語も使用される。
【0049】
作動媒体蓄積器は、上下に積み重ねられた複数の吸湿性のディスク187を有し、これらディスクは、転がり軸受181用の作動媒体、例えば潤滑剤を吸収している。
【0050】
真空ポンプ111の作動中、作動媒体は、毛管作用によって作動媒体蓄積器からワイパを介して回転するスプレーナット185へ伝達され、遠心力のために、スプレーナット185に沿ってスプレーナット185の外径が大きくなる方向に転がり軸受181に向かって移送され、そこで、作動媒体は、例えば潤滑機能を満足する。転がり軸受181と作動媒体蓄積器は、真空ポンプ内で桶状のインサート189と軸受カバー145によって包囲されている。
【0051】
永久磁石軸受183は、ロータ側の軸受半体191とステータ側の軸受半体193を有し、これら軸受半体は、軸方向に上下に積み重ねられた複数の永久磁石リング195,197から成るそれぞれ1つのリングスタックを有する。リング磁石195,197は、互いに半径方向の軸受ギャップ199を形成しつつ対向し、ロータ側のリング磁石195は、半径方向外側に配置され、ステータ側のリング磁石197は、半径方向内側に配置されている。軸受ギャップ199内に存在する磁場は、リング磁石195,197の間に、ロータシャフト153の半径方向の軸受けを生じさせる磁気的反発力を惹起する。ロータ側のリング磁石195は、ロータシャフト153のキャリヤ部分201によって支持され、このキャリヤ部分は、リング磁石195を半径方向外側から包囲する。ステータ側のリング磁石197は、ステータ側のキャリヤ部分203によって支持され、このキャリヤ部分は、リング磁石197を経て延在し、ハウジング119の半径方向のブレース205に懸架されている。回転軸151に対して平行に、ロータ側のリング磁石195は、キャリヤ部分201と連結されたカバー要素207によって固定されている。ステータ側のリング磁石197は、回転軸151に対して平行に、1つの方向に、キャリヤ部分203と結合された固定リング209並びにキャリヤ部分203と結合された固定リング211によって固定されている。加えて、固定リング211とリング磁石197の間に、皿バネ213を設けることができる。
【0052】
磁石軸受内に、緊急もしくは安全軸受215が設けられ、この緊急もしくは安全軸受は、真空ポンプ111の標準的な作動中に、接触することなく空転し、ステータに対して相対的にロータ149が過度に半径方向に変位した時に初めて、ロータ149用の半径方向ストッパを構成するために係合するが、これは、ステータ側の構造物とロータ側の構造物の衝突が防止されるために行なわれる。安全軸受215は、無潤滑の転がり軸受として形成され、ロータ149及び/又はステータと共に、安全軸受215が標準的なポンプ作動中に解放されていることを生じさせる半径方向のギャップを構成する。安全軸受215が係合する半径方向の変位は、安全軸受215が真空ポンプの標準的な作動中には係合しないように十分大きく、同時に、ステータ側の構造物とロータ側の構造物の衝突が全ての状況下で防止されるように十分小さく、設定されている。
【0053】
真空ポンプ111は、ロータ149を回転させるための駆動装置として電気モータ125を有する。電気モータ125のアンカーは、ロータ149によって構成され、このロータのロータシャフト153は、モータステータ217を経て延在する。モータステータ217を経て延在するロータシャフト153の部分には、半径方向外側に又は埋設されて、永久磁石装置を配置することができる。モータステータ217とモータステータ217を経て延在するロータ149の部分との間に、中間スペース219が配置され、この中間スペースは、半径方向のモータギャップを有し、このモータギャップを介して、モータステータ217と永久磁石装置は、駆動トルクを伝達するために磁気的影響を受け得る。
【0054】
モータステータ217は、ハウジング内で、電気モータ125のために設けられたモータスペース137内に固定されている。シールガスポート135を介して、掃気ガスとも呼ばれかつ例えば空気又は窒素であり得るシールガスがモータスペース137内へ達し得る。シールガスを介して、電気モータ125は、プロセスガス、例えばプロセスガスの腐食作用成分、から保護することができる。モータスペース137は、ポンプ出口117を介して真空引きすることもでき、即ちモータスペース137内は、少なくともほぼ、ポンプ出口117に接続された予備真空ポンプによって生じさせられた真空圧力が支配する。
【0055】
加えて、ロータハブ161とモータスペース137を画成する壁221との間には、特に、半径方向外側に位置するホルベックポンプ段に対するモータスペース217の良好なシールを達成するために、それ自体周知のいわゆるラビリンスシール223を設けることができる。
【0056】
以下で、図6と関連させて本発明の根底にあるコンセプトを純粋に模範的に説明する。
【0057】
真空ポンプの作動中、例えば転がり軸受181内の摩擦、ロータ149内の磁場により誘導される渦電流又は電気部品の廃熱によって、真空ポンプ111内に熱が生じ得る。これにより、ポンプハウジング119の表面227の温度は、ポンプハウジング119との接触時に火傷の危険があるほどに著しく上昇し得る。
【0058】
外面温度を検出するため、センサ225が使用される。図6に図示した実施例では、純粋に模範的にセンサ225用の可能な2つの取付け位置が図示されている。こうして、センサ225は、例えばポンプハウジング119の外面227又は下側121の外面227に取り付けることができる。選択的に、センサ225を、他の箇所に、例えば真空ポンプ111の内部に設けることができる。ポンプ111の外面227の温度は、導入部で既に述べたように、他の箇所の温度測定によって間接的に推測することもできる。
【0059】
ポンプハウジング119が、火傷の危険がある程に熱くならないように、センサ225と接続されかつ基本的に任意の箇所に、ここでは純粋に模範的に電子機器ハウジング123に収容された制御ユニット229が設けられ、この制御ユニットは、制御ユニット229が保護モードにある時には、導入部で異なる例によって説明したように、センサ225によって検出された温度の値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる。
【0060】
本発明による真空ポンプ111の場合、携帯端末、例えばノートパソコンの形態で概略的に飲み図示したユーザインタフェース231が設けられ、このユーザインタフェースを介して、ユーザは、例えば制御ユニット229を保護モードとは異なる、制御ユニット229が保護措置を講じない中立モードに切り替えるために、制御ユニット229と対話することができる。
【0061】
ユーザインタフェース231は、例えば、データインタフェース129を介して制御ユニット229と接続することができる。無線通信も、選択的に可能である。
【0062】
ユーザインタフェース231は、同様に導入部で説明したように、保護モードと中立モードの間で切り替えるためにだけ使用されるのではなく、プリセットを変更するためにも使用される。こうして、例えば、プリセットの変更は、安全温度の増加又は減少を含むことができる。例えば、安全温度は、真空ポンプ111が、操作員によるポンプハウジングの外面への直接的な接触を排除するか、可能性を低くする接触防止部材によって包囲されている場合には、60℃から80℃に上げることができる。これに対し、特に温度の危険がある適用又は取付け状況の場合、安全温度は、例えば40℃に下げることができる。
【0063】
安全温度の変更以外に、プリセットの変更は、保護措置の変更も含むことができる。こうして、例えば、それぞれ設定された安全温度に達した時もしくは上回った時に、ロータ回転数の下げる代わりに、保護措置として警告信号を出力することができる。このような設定は、ポンプ出力の制限が必要でない場合に、例えば接触防止部材を装備した真空ポンプ111の場合に企図することができる。それでも、ユーザは、ポンプハウジング119の温度が安全温度の上にあることを警告されるので、ユーザは、真空ポンプ111への接近時、相応の安全予防措置を講じることができる。
【0064】
プリセットの変更は、検出した温度の-一般には真空ポンプのそれぞれの作動パラメータの-異なる値と異なる保護措置との間の対応付けの変更を含むことができる。こうして、例えば工場で、例えば60℃である安全温度未満の温度に達した場合、例えば50℃に達した場合に警告信号が出力され、安全温度に達したもしくは上回った場合にロータ回転数が下げられることを、企図することができる。プリセットの変更により、ユーザは、この対応付け自体を変更することができる。こうして、ユーザは、プリセットを、例えば、60℃の安全温度に達したもしくは上回った場合に、最初は、警告信号が出力され、安全温度超の温度で初めて、他の保護措置が講じられるように、例えば、ハウジングの外面の温度が80℃を上回ったときに、真空ポンプ111を停止するように、適合させることができる。
【0065】
例えばまず接触防止部材を装備し、従って中立モードで作動される真空ポンプ111は、例えば取り付け位置を変更する必要があり、接触防止をもはや保証することができない場合に、ユーザによってユーザインタフェース231を介して再び中立モードから保護モードに切り替えられ得ることに留意されたい。その場合、真空ポンプ111は、ユーザ保護の範囲内で最大限可能な作動パラメータで作動させることができる。
【0066】
従って、全体として、真空ポンプ111の潜在能力は、そのそれぞれの使用環境に依存して常に最適に利用することができる。
【符号の説明】
【0067】
111 ターボ分子ポンプ
113 入口フランジ
115 ポンプ入口
117 ポンプ出口
119 ハウジング
121 下部
123 電子機器ハウジング
125 電気モータ
127 アクセサリポート
129 データインタフェース
131 電力供給ポート
133 通気入口
135 シールガスポート
137 モータスペース
139 冷却剤ポート
141 下側
143 ボルト
145 軸受カバー
147 固定孔
148 冷却剤ライン
149 ロータ
151 回転軸
153 ロータシャフト
155 ロータディスク
157 ステータディスク
159 スペーサリング
161 ロータハブ
163 ホルベックロータスリーブ
165 ホルベックロータスリーブ
167 ホルベックステータスリーブ
169 ホルベックステータスリーブ
171 ホルベックギャップ
173 ホルベックギャップ
175 ホルベックギャップ
179 接続通路
181 転がり軸受
183 永久磁石軸受
185 スプレーナット
187 ディスク
189 インサート
191 ロータ側の軸受半体
193 ステータ側の軸受半体
195 リング磁石
197 リング磁石
199 軸受ギャップ
201 キャリヤ部分
203 キャリヤ部分
205 半径方向のブレース
207 カバー要素
209 支持リング
211 固定リング
213 皿バネ
215 緊急もしくは安全軸受
217 モータステータ
219 中間スペース
221 壁
223 ラビリンスシール
225 センサ
227 外面
229 制御ユニット
231 ユーザインタフェース
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-07-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0066
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0066】
従って、全体として、真空ポンプ111の潜在能力は、そのそれぞれの使用環境に依存して常に最適に利用することができる。
なお、本願は、特許請求の範囲に記載の発明に関するものであるが、他の態様として以下も包含し得る。
1.真空ポンプ(111)、特にターボ分子真空ポンプ(111)であって、
・回転軸(151)を中心として回転可能なロータ(149)と、
・ロータ(149)を回転させるための駆動装置と、
・保護モードで作動パラメータ、特に真空ポンプ(111)のハウジング(119)の外面(227)の温度を検出し、プリセットに従って、検出した作動パラメータの値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる制御ユニット(229)と、
・ユーザインタフェース(231)又はユーザインタフェース(231)と真空ポンプを接続するための装置と
を有し、ユーザインタフェース(231)を介して、制御ユニット(229)が、ユーザによって、保護モードとは異なる中立モードに切替え可能であり、この中立モードで、制御ユニット(229)が保護措置を講じない及び/又は制御ユニットを介してプリセットが変更可能であること、を特徴とする真空ポンプ(111)。
2.プリセットの変更が、保護措置を開始する少なくとも1つのプリセット値の増加又は減少を含むこと、を特徴とする上記1に記載の真空ポンプ(111)。
3.プリセットの変更が、保護措置の変更を含むこと、を特徴とする上記1又は2に記載の真空ポンプ(111)。
4.プリセットの変更が、作動パラメータの異なる値と異なる保護措置との間の対応付けの変更を含むこと、を特徴とする上記1~3のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
5.作動パラメータの値が異なる場合に異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする上記1~4のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
6.エスカレーション又はデエスカレーション手順の範囲内で、作動パラメータの値の増加又は減少の過程で時間的に連続して異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする上記1~5のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
7.保護措置が、警告信号を発生させることであること、を特徴とする上記1~6のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
8.保護措置が、真空ポンプ(111)の現在の作動を変更すること、特に真空ポンプ(111)のパラメータを増加又は減少させること、好ましくはロータ(149)の回転数を低下させることであること、を特徴とする上記1~7のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
9.保護措置が、停止信号を発生させることであること、を特徴とする上記1~8のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
10.制御ユニット(229)が、作動パラメータの1つの値で警告信号を発生させ、この値とは異なる別の値で他の警告信号又は停止信号を発生させること、を特徴とする上記1~9のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
11.作動パラメータを検出するために、真空ポンプ(111)のセンサ(225)又は外部センサ用のインタフェースが設けられていること、を特徴とする上記1~10のいずれか1つに記載の真空ポンプ(111)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空ポンプ(111)、特にターボ分子真空ポンプ(111)であって、
・回転軸(151)を中心として回転可能なロータ(149)と、
・ロータ(149)を回転させるための駆動装置と、
・保護モードで作動パラメータ、特に真空ポンプ(111)のハウジング(119)の外面(227)の温度を検出し、プリセットに従って、検出した作動パラメータの値に依存して1つ又は複数の保護措置を講じる制御ユニット(229)と、
・ユーザインタフェース(231)又はユーザインタフェース(231)と真空ポンプを接続するための装置と
を有し、ユーザインタフェース(231)を介して、制御ユニット(229)が、ユーザによって、保護モードとは異なる中立モードに切替え可能であり、この中立モードで、制御ユニット(229)が保護措置を講じない及び/又は制御ユニットを介してプリセットが変更可能であること、を特徴とする真空ポンプ(111)。
【請求項2】
プリセットの変更が、保護措置を開始する少なくとも1つのプリセット値の増加又は減少を含むこと、を特徴とする請求項1に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項3】
プリセットの変更が、保護措置の変更を含むこと、を特徴とする請求項1又は2に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項4】
プリセットの変更が、作動パラメータの異なる値と異なる保護措置との間の対応付けの変更を含むこと、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項5】
作動パラメータの値が異なる場合に異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項6】
エスカレーション又はデエスカレーション手順の範囲内で、作動パラメータの値の増加又は減少の過程で時間的に連続して異なる保護措置を講じることが、プリセットに含まれること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項7】
保護措置が、警告信号を発生させることであること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項8】
保護措置が、真空ポンプ(111)の現在の作動を変更すること、特に真空ポンプ(111)のパラメータを増加又は減少させること、好ましくはロータ(149)の回転数を低下させることであること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項9】
保護措置が、停止信号を発生させることであること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項10】
制御ユニット(229)が、作動パラメータの1つの値で警告信号を発生させ、この値とは異なる別の値で他の警告信号又は停止信号を発生させること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【請求項11】
作動パラメータを検出するために、真空ポンプ(111)のセンサ(225)又は外部センサ用のインタフェースが設けられていること、を特徴とする請求項に記載の真空ポンプ(111)。
【外国語明細書】