(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067769
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】コイル部品
(51)【国際特許分類】
H01F 17/04 20060101AFI20230509BHJP
H01F 27/29 20060101ALI20230509BHJP
H01F 41/04 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H01F17/04 F
H01F27/29 123
H01F17/04 A
H01F41/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022156740
(22)【出願日】2022-09-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0146449
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イム、ヒュン キュ
【テーマコード(参考)】
5E062
5E070
【Fターム(参考)】
5E062FG01
5E062FG11
5E070AA01
5E070AB01
5E070AB08
5E070BA12
5E070BB03
5E070EA01
5E070EB04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細回路パターンを含む基板に実装可能で、磁性体の損失を低減可能なコイル部品を提供する。
【解決手段】コイル部品10Aは、一面100Aと、それぞれ一面と連結された複数の側面101~104を含む本体100と、本体内に配置されたコイル部300と、本体内に配置されて、コイル部と連結された引出部200と、を含む。本体100は、複数の側面のうち互いに隣接する2つの側面が接する角に本体より狭い幅で形成され、引出部200の少なくとも一部を露出する溝部GVを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面と、それぞれ前記一面と連結された複数の側面を含む本体と、
前記本体内に配置されたコイル部と、
前記本体内に配置されて、前記コイル部と連結された引出部と、を含み、
前記本体は、
前記複数の側面のうち互いに隣接する2つの側面が接する角に前記本体より狭い幅で形成され、前記引出部の少なくとも一部を露出する溝部を含む、コイル部品。
【請求項2】
前記溝部は、
前記本体の一面に形成された第1領域と、前記本体の一面から厚さ方向への距離が最も大きい第2領域とを含み、
前記溝部の前記第1領域の直径が前記溝部の前記第2領域の直径より大きい、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項3】
前記溝部は、前記本体の一面から離れる方向にテーパ形状を有する、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項4】
前記溝部は円錐台形状を有する、請求項2に記載のコイル部品。
【請求項5】
前記本体の一面及び前記溝部のそれぞれの少なくとも一部に配置されて、前記露出した引出部の少なくとも一部と接するめっき層をさらに含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項6】
それぞれ前記めっき層と少なくとも一部が接し、前記本体の一面に互いに離隔配置される第1外部電極及び第2外部電極をさらに含む、請求項5に記載のコイル部品。
【請求項7】
前記溝部に配置され、前記めっき層と少なくとも一部が接する絶縁材をさらに含む、請求項5に記載のコイル部品。
【請求項8】
前記絶縁材は、前記本体の複数の側面のうち少なくとも一つに延長される、請求項7に記載のコイル部品。
【請求項9】
前記本体の複数の側面は第1~第4側面を含み、
前記溝部は、
前記本体の第2側面の長さ方向に対向する両端部に互いに離隔配置され、それぞれ前記本体の第2側面と隣接する第1側面及び第3側面に延長される第1溝及び第2溝を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項10】
前記本体の複数の側面は第1~第4側面を含み、
前記溝部は、
互いに隣接する前記本体の第1側面及び第2側面に延長される第3溝部と、互いに隣接する前記本体の第3側面及び第4側面に延長される第4溝部とを含み、
前記第3溝部及び前記第4溝部は互いに離隔する、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項11】
厚さ方向を基準にして、前記溝部の長さは前記本体の長さより短い、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項12】
前記コイル部を覆う絶縁層をさらに含み、
前記絶縁層の少なくとも一部は前記溝部に露出する、請求項11に記載のコイル部品。
【請求項13】
前記コイル部は、
基板と、前記基板の一面及び他面のそれぞれに配置されたコイルパターンと、を含む、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項14】
前記コイル部は巻線タイプである、請求項1に記載のコイル部品。
【請求項15】
前記引出部は、前記本体の一面と少なくとも一部が接する連結部を含む、請求項1から14のいずれか一項に記載のコイル部品。
【請求項16】
互いに連結されたコイル部及び引出部のそれぞれを覆う磁性シートが積層されたコイルバーを準備する段階と、
前記コイルバーの一面に少なくとも一つの溝部を形成する段階と、
前記引出部の少なくとも一部を露出するように前記コイルバーを複数のルーティングラインに沿ってルーティングして、厚さ方向に互いに対向する一面及び他面を含む本体を準備する段階と、を含み、
前記溝部は、前記複数のルーティングラインが互いに交差する領域に形成される、コイル部品の製造方法。
【請求項17】
前記溝部は、
前記本体の一面に形成された第1領域と、前記本体の一面から厚さ方向への距離が最も大きい第2領域とを含み、
前記溝部の前記第1領域の直径は、前記溝部の前記第2領域の直径より大きく形成される、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項18】
前記本体の一面及び前記溝部のそれぞれの少なくとも一部に前記引出部と接するめっき層を配置する段階と、
前記溝部に前記めっき層と少なくとも一部が接する絶縁材を配置する段階と、をさらに含む、請求項16に記載のコイル部品の製造方法。
【請求項19】
前記溝部を形成する段階において、
前記溝部の厚さ方向への長さは、前記コイルバーの厚さ方向への長さより短く形成される、請求項16から18のいずれか一項に記載のコイル部品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はコイル部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
コイル部品の一つであるインダクタ(inductor)は、抵抗(resistor)及びキャパシタ(capacitor)とともに電子機器に用いられる代表的な受動電子部品である。電子機器がますます高性能化し、小型化するにつれて、電子機器に用いられる電子部品は、その数が増加し小型化している。
【0003】
最近、インダクタは下面電極領域を除くチップの5面が全て絶縁されている下面電極型の製品が主に使用されており、これに伴い下面電極に対する新製品の開発が増加している。一方向にのみ電極が形成される下面電極製品を作製するために、製品構造に特異点が発生して不良が頻繁に発生するという問題を改善するための研究が続いている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のいくつかの目的の一つは、微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品を提供することである。
【0005】
本発明のいくつかの目的の更なる一つは、磁性体の損失を低減可能なコイル部品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明で提案する一例によるコイル部品は、一面と、それぞれ上記一面と連結された複数の側面を含む本体と、上記本体内に配置されたコイル部と、上記本体内に配置されて、上記コイル部と連結された引出部と、を含み、上記本体は、上記複数の側面のうち互いに隣接する2つの側面が接する角に上記本体より狭い幅で形成され、上記引出部の少なくとも一部を露出する溝部を含む、コイル部品であってもよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な効果の一効果として、微細回路パターンを含む基板に実装可能なコイル部品を提供することができる。
【0008】
本発明の様々な効果の他の一効果として、磁性体の損失を低減可能なコイル部品を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図2】本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図3】
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。
【
図4】
図2のII-II'線に沿った断面を示す図である。
【
図5】本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図6】本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。
【
図7a】本発明によるコイル部品の製造方法を概略的に示す図である。
【
図7b】本発明によるコイル部品の製造方法を概略的に示す図である。
【
図7c】本発明によるコイル部品の製造方法を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、添付の図面を参照して本発明について説明する。図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張又は縮小することができる。また、添付された図面の構成要素に参照番号を付加する際には、同一の構成要素に限っては、他の図面上に表されていても可能な限り同一の番号を付するようにする。なお、本発明の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明瞭にする可能性があると判断される場合、その詳細な説明は省略する。
【0011】
図面に示された各構成の大きさ及び厚さは説明の便宜上、任意に示されているため、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。図面において、T方向は第1方向又は厚さ方向、W方向は第2方向又は幅方向、L方向は第1方向又は長さ方向と定義することができる。
【0012】
以下では、添付の図面を参照して本発明の実施形態によるコイル部品を詳細に説明する。添付の図面を参照して説明するにあたり、同一又は対応する構成要素については、同一の図面符号を付与し、これに対する重複する説明は省略する。
【0013】
電子機器には様々な種類の電子部品が用いられるが、このような電子部品の間にはノイズ除去等を目的として様々な種類のコイル部品が適切に用いられることができる。すなわち、電子機器においてコイル部品は、パワーインダクタ(Power Inductor)、高周波インダクタ(HF Inductor)、通常のビード(General Bead)、高周波用ビード(GHz Bead)、共通モードフィルタ(Common Mode Filter)等で用いられることができる。
【0014】
[コイル部品]
図1は、本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。図面を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Aは、一面100Aと、それぞれ上記一面と連結されて互いに隣接する第1~第4側面101、102、103、104を含む本体100、上記本体100内に配置された引出部200、及び上記本体の一面100Aに配置され、幅方向(W方向)への長さが上記本体100より短く、上記引出部200の少なくとも一部を露出する溝部GVを含むことができる。
【0015】
また、上記引出部200は、上記本体の一面100Aと少なくとも一部が接する連結部210を含むことができるが、これに限定されるものではない。より具体的に、後述する外部電極500は、引出部200と直接に接してもよく、上記引出部の連結部210と接してもよいが、これに限定されない。
【0016】
本発明によるコイル部品10Aの溝部GVは、本体の第2側面102の長さ方向に対向する両端部に互いに離隔配置され、それぞれ上記本体の第2側面102と隣接する第1側面101及び第3側面103に延長される第1溝部G1及び第2溝部G2を含むことができる。このとき、引出部200は、溝部GVから露出するように本体の第1側面101のうち溝部GVに近接して形成されてもよい。
【0017】
また、本発明によるコイル部品10Aの厚さ方向(T方向)を基準にして、溝部GVの長さは本体100の長さより短くてもよい。すなわち、溝部GVは、厚さ方向(T方向)に本体全体を貫通しなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0018】
このとき、上記溝部GVは、上記本体の第1~第4側面101~104のうち互いに隣接する2つの側面のそれぞれに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0019】
また、溝部GVは、上記本体の一面100Aに形成された第1領域R1と、上記本体の一面100Aから厚さ方向(T方向)への距離が最も大きい第2領域R2を含み、上記溝部GVの第1領域R1の直径が、上記溝の第2領域R2の直径より大きく形成されてもよい。すなわち、上記溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、後述する磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0020】
また、本発明によるコイル部品10Aは、上記本体100内に配置され、上記引出部200と連結されるコイル部300及び上記コイル部300を覆う絶縁層400をさらに含むことができ、上記絶縁層400の少なくとも一部は上記溝部GVに露出することができる。
【0021】
また、本発明によるコイル部品10Aのコイル部300は、基板310と、上記基板の一面及び他面のそれぞれに配置されたコイルパターン320とを含むことができる。すなわち、薄膜タイプのコイル部品に該当することができる。このとき、基板310の上下部のそれぞれにコイルパターン320が配置されてもよく、基板310を貫通して、上下部のそれぞれのコイルパターンを連結するビアを含んでもよいが、これに限定されない。また、上記基板310は、互いに対向する本体100の2つの側面のそれぞれに少なくとも一部が露出することができるが、これに限定されるものではない。
【0022】
このとき、絶縁層400は、本体100とコイルパターン320との間を絶縁する機能を果たすことができるが、これに限定されるものではない。また、絶縁層400は、上記基板700を覆うように延長されてもよい。
【0023】
また、本発明によるコイル部品10Aは、本体の一面100A及び溝部GVのそれぞれの少なくとも一部に配置されて、上記露出した引出部200の少なくとも一部と接するめっき層600、それぞれ上記めっき層600と少なくとも一部が接し、上記本体の一面100Aに互いに離隔配置される第1外部電極501及び第2外部電極502及び上記溝部GVに配置され、上記めっき層600と少なくとも一部が接する絶縁材700をさらに含むことができる。このとき、上記絶縁材700は、上記本体の第1~第4側面101~104のうち少なくとも一つに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。また、第1外部電極501及び第2外部電極502のそれぞれは、互いに対向する本体100の2つの側面に延長形成されてもよい。
【0024】
絶縁材700が本体の一面100Aを除く5つの面を覆うことにより、一方向にのみ電極が配置される下面電極を含むコイル部品を形成することができる。上記本体100は、本実施形態によるコイル部品10Aの外観をなし、内部にコイル部300を埋設する。本体100は、全体的に六面体の形状に形成されてもよい。
【0025】
本体100は、磁性物質及び絶縁樹脂を含むことができる。具体的に、本体100は、絶縁樹脂及び絶縁樹脂に分散された磁性物質を含む磁性複合シートを一つ以上積層して形成されてもよい。ただし、本体100は、磁性物質が絶縁樹脂に分散された構造以外に他の構造を有してもよい。例えば、本体100は、フェライトのような磁性物質からなることもできる。
【0026】
磁性物質はフェライト又は金属磁性粉末であってもよい。フェライト粉末は、例えば、Mg-Zn系、Mn-Zn系、Mn-Mg系、Cu-Zn系、Mg-Mn-Sr系、Ni-Zn系等のスピネル型フェライト、Ba-Zn系、Ba -Mg系、Ba-Ni系、Ba-Co系、Ba-Ni-Co系等の六方晶型フェライト類、Y系等のガーネット型フェライト及びLi系フェライトのうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0027】
金属磁性粉末は、鉄(Fe)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、アルミニウム(Al)、ニオブ(Nb)、銅(Cu)及びニッケル(Ni)からなる群から選択されたいずれか一つ以上を含むことができる。例えば、金属磁性粉末は、純鉄粉末、Fe-Si系合金粉末、Fe-Si-Al系合金粉末、Fe-Ni系合金粉末、Fe-Ni-Mo系合金粉末、Fe-Ni-Mo-Cu系合金粉末、Fe-Co系合金粉末、Fe-Ni-Co系合金粉末、Fe-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Si系合金粉末、Fe-Si-Cu-Nb系合金粉末、Fe-Ni-Cr系合金粉末、Fe-Cr-Al系合金粉末のうち少なくとも一つ以上であってもよい。
【0028】
金属磁性粉末は非晶質又は結晶質であってもよい。例えば、金属磁性粉末は、Fe-Si-B-Cr系非晶質合金粉末であってもよいが、必ずしもこれに限定されるものではない。フェライト及び金属磁性粉末は、それぞれ平均直径が約0.1μm~30μmであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0029】
本体100は、絶縁樹脂に分散された2種類以上の磁性物質を含むことができる。ここで、磁性物質が異なる種類というのは、絶縁樹脂に分散された磁性物質が平均直径、組成、結晶性及び形状のうちいずれか一つで互いに区別されることを意味する。絶縁樹脂は、エポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer)などを単独又は混合して含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0030】
引出部200及びコイル部300のそれぞれは、本体100に埋設されてもよい。コイル部300から本発明によるコイル部品がその特性を発現する。例えば、本実施形態のコイル部品がパワーインダクタとして活用される場合、コイル部300は、電場を磁場として保存して出力電圧を保持することにより、電子機器の電源を安定させる役割を果たすことができる。このとき、コイル部300は薄膜型コイルに限定されるものではなく、巻線タイプのコイルあるいは積層タイプのコイルに該当することができる。
【0031】
コイル部のコイルパターン320、引出部600及びビアのそれぞれは、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、錫(Sn)、金(Au)、ニッケル(Ni)、鉛(Pb)、チタン(Ti)、又はこれらの合金などの導電性物質で形成されてもよいが、これらに限定されるものではない。
【0032】
コイル部の基板310は、エポキシ樹脂のような熱硬化性絶縁樹脂、ポリイミドのような熱可塑性絶縁樹脂又は感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成されるか、このような絶縁樹脂にガラス繊維又は無機フィラーのような補強材が含浸された絶縁材料で形成されることができる。例として、基板700は、銅箔積層板(Copper Clad Laminate、CCL)、Unclad CCL、プリプレグ(prepreg)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、FR-4、BT(Bismaleimide Triazine)フィルム、PID(Photo Imagable Dielectric)フィルムなどの絶縁材料で形成されることができるが、これらに限定されるものではない。
【0033】
無機フィラーとしては、シリカ(SiO2)、アルミナ(Al2O3)、炭化珪素(SiC)、硫酸バリウム(BaSO4)、タルク、泥、マイカ粉、水酸化アルミニウム(Al(OH)3)、水酸化マグネシウム(Mg(OH)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、炭酸マグネシウム(MgCO3)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)、ホウ酸アルミニウム(AlBO3)、チタン酸バリウム(BaTiO3)及びジルコン酸カルシウム(CaZrO3)から構成された群から選択された少なくとも一つ以上を使用することができる。
【0034】
基板310が補強材を含む絶縁材料で形成される場合、基板310はより優れた剛性を提供することができる。基板310がガラス繊維を含まない絶縁材料で形成される場合、同じ本体100サイズ内でコイル部300の体積を増加させることができ、有利である。
【0035】
基板310が感光性絶縁樹脂を含む絶縁材料で形成される場合、コイル部300を形成するための工程数が減少し、生産コストの削減に有利であり、微細なビアを形成することができる。
【0036】
第1外部電極501及び第2外部電極502を有する外部電極500に含まれる金属は、錫(Sn)、鉛(Pb)、インジウム(In)、銅(Cu)、銀(Ag)及びビスマス(Bi)のうちから選択された2以上の合金からなることができる。外部電極500は、導電性樹脂ペーストを塗布して形成されてもよく、上記金属材料を含む物質をめっきして形成されてもよいが、これに限定されない。
【0037】
コイル部300を囲む絶縁層400は、気相蒸着法及びフィルム積層法のうち少なくとも一つ以上の方法で形成されてもよい。一方、後者の場合、絶縁層400は、コイル部300を基板310にめっき形成する際に用いられためっきレジストが最終製品に残存する形態である永久レジストであってもよいが、これに限定されるものではない。
【0038】
また、外部電極500は、めっき層をさらに含むことができる。このとき、めっき層は導電性物質を含むことができる。めっき層は、連結導体である半田(Solder)と電気的に連結されることができる。このとき、めっき層は、ニッケル(Ni)又は錫(Sn)を含んでもよく、ニッケル(Ni)めっき層と錫(Sn)めっき層とが順に積層された構造であってもよい。外部電極が導電性樹脂層であるとき、ニッケル(Ni)めっき層は、外部電極500の内部の導電性樹脂層の導電性連結部及びベース樹脂と接触する。
【0039】
図2は、本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。図面を参照すると、本実施形態によるコイル部品10Bの溝部GVは、互いに隣接する上記本体の第1側面101及び第2側面102に延長される第3溝部G3と、互いに隣接する上記本体の第3側面103及び第4側面104に延長される第4溝部G4を含むことができる。このとき、上記第3溝部G3及び第4溝部G4は互いに離隔形成されてもよいが、これに限定されない。また、第3溝部G3及び第4溝部G4の厚さ方向(T方向)への長さは、本体100の厚さ方向(T方向)への長さより短く形成されてもよい。
【0040】
本発明によるコイル部品10Bの溝部GVは、本体の一面100Aと本体の第1側面101及び第2側面102とが接する領域に形成される第3溝部G3、及び本体の一面100Aと本体の第3側面103及び第4側面104とが接する領域に形成される第4溝部G4を含むことができる。このとき、引出部200は、第3溝部G3及び第4溝部G4から露出するように本体の第1側面101及び第3側面103のうち溝部GVに近接して形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0041】
また、本発明によるコイル部品10Bの厚さ方向(T方向)を基準にして、溝部GVの長さは本体100の長さより短くてもよい。すなわち、溝部GVは、厚さ方向(T方向)に本体全体を貫通しなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0042】
このとき、上記溝部GVは、上記本体の第1~第4側面101~104のうち互いに隣接する2つの側面のそれぞれに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0043】
また、溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0044】
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
図3は、
図1のI-I'線に沿った断面を示す図である。このとき、
図1のI-I'線は、溝部GVのうち第1溝部G1及び第2溝部G2のそれぞれを横切るように形成することができる。
【0046】
図面を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Aは、本体100、本体内に配置された引出部200とコイル部200、本体の一面100Aと溝部GVのそれぞれに配置されためっき層600、溝部GVを充填して本体100の形状を六面体に保持する絶縁材700及び本体の一面100Aに配置されてめっき層600と連結される外部電極500を含むことができる。
【0047】
このとき、引出部200の少なくとも一部が溝部GVに露出することができ、露出した引出部200はめっき層600と接することができる。また、引出部200は、少なくとも一部が溝部GVに露出してめっき層600及び外部電極500のうち少なくとも一つと接する連結部210を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0048】
また、本発明によるコイル部品10Aの溝部GVは、上記本体の一面100Aに形成された第1領域R1と、上記本体の一面100Aから厚さ方向(T方向)への距離が最も大きい第2領域R2とを含み、上記溝部GVの第1領域R1の直径が、上記溝の第2領域R2の直径より大きく形成されてもよい。すなわち、上記溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0049】
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0050】
図4は、
図2のII-II'線に沿った断面を示す図である。このとき、
図2のII-II'線は、溝部GVのうち第3溝部G3及び第4溝部G4のうち少なくとも一つを横切るように形成することができる。
【0051】
図面を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Bは、本体100、本体内に配置された引出部200とコイル部200、本体の一面100Aと溝部GVのそれぞれに配置されためっき層600、溝部GVを充填して本体100の形状を六面体に保持する絶縁材700及び本体の一面100Aに配置されてめっき層600と連結される外部電極500を含むことができる。
【0052】
このとき、引出部200の少なくとも一部が溝部GVに露出することができ、露出した引出部200はめっき層600と接することができる。また、引出部200は、少なくとも一部が溝部GVに露出してめっき層600及び外部電極500のうち少なくとも一つと接する連結部210を含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0053】
また、本発明によるコイル部品10Bの溝部GVは、上記本体の一面100Aに形成された第1領域R1と、上記本体の一面100Aから厚さ方向(T方向)への距離が最も大きい第2領域R2とを含み、上記溝部GVの第1領域R1の直径が、上記溝の第2領域R2の直径より大きく形成されてもよい。すなわち、上記溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0054】
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0055】
図5は、本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。図面を参照すると、本発明の一実施形態によるコイル部品10Cは、一面100Aと、それぞれ上記一面と連結されて互いに隣接する第1~第4側面101、102、103、104を含む本体100、上記本体100内に配置された引出部200及び上記本体の一面100Aに配置され、幅方向(W方向)への長さが上記本体100より短く、上記引出部200の少なくとも一部を露出する溝部GVを含むことができる。
【0056】
本発明によるコイル部品10Cの溝部GVは、本体の第2側面102の長さ方向に対向する両端部に互いに離隔配置され、それぞれ上記本体の第2側面102と隣接する第1側面101及び第3側面103に延長される第1溝部G1及び第2溝部G2を含むことができる。このとき、引出部200は、溝部GVから露出するように本体の第1側面101のうち溝部GVに近接して形成されてもよい。
【0057】
また、本発明によるコイル部品10Cの厚さ方向(T方向)を基準にして、溝部GVの長さは本体100の長さより短くてもよい。すなわち、溝部GVは、厚さ方向(T方向)に本体全体を貫通しなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0058】
このとき、上記溝部GVは、上記本体の第1~第4側面101~104のうち互いに隣接する2つの側面のそれぞれに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0059】
また、溝部GVは、上記本体の一面100Aに形成された第1領域R1と、上記本体の一面100Aから厚さ方向(T方向)への距離が最も大きい第2領域R2とを含み、上記溝部GVの第1領域R1の直径が、上記溝の第2領域R2の直径より大きく形成されてもよい。すなわち、上記溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、後述する磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0060】
なお、本発明によるコイル部品10Cのコイル部300は、巻線タイプに該当することができるが、これに限定されるものではない。このとき、コイル部300は本体100に埋設され、少なくとも一部が接する2つのコイルパターン320を含むことができる。
【0061】
また、本発明によるコイル部品10Cは、本体の一面100A及び溝部GVのそれぞれの少なくとも一部に配置されて、上記露出した引出部200の少なくとも一部と接するめっき層600、それぞれ上記めっき層600と少なくとも一部が接し、上記本体の一面100Aに互いに離隔配置される第1外部電極501及び第2外部電極502及び上記溝部GVに配置され、上記めっき層600と少なくとも一部が接する絶縁材700をさらに含むことができる。このとき、上記絶縁材700は、上記本体の第1~第4側面101~104のうち少なくとも一つに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。また、第1外部電極501及び第2外部電極502のそれぞれは、互いに対向する本体100の2つの側面に延長形成されてもよい。
【0062】
絶縁材700が本体の一面100Aを除く5つの面を覆うことにより、一方向にのみ電極が配置される下面電極を含むコイル部品を形成することができる。
【0063】
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0064】
図6は、本発明によるコイル部品を概略的に示す図である。図面を参照すると、本実施形態によるコイル部品10Dの溝部GVは、互いに隣接する上記本体の第1側面101及び第2側面102に延長される第3溝部G3と、互いに隣接する上記本体の第3側面103及び第4側面104に延長される第4溝部G4を含むことができ、このとき、上記第3溝部G3及び第4溝部G4は互いに離隔形成されてもよいが、これに限定されない。また、第3溝部G3及び第4溝部G4の厚さ方向(T方向)への長さは、本体100の厚さ方向(T方向)への長さより短く形成されてもよい。
【0065】
本発明によるコイル部品10Dの溝部GVは、本体の一面100Aと本体の第1側面101及び第2側面102とが接する領域に形成される第3溝部G3、及び本体の一面100Aと本体の第3側面103及び第4側面104とが接する領域に形成される第4溝部G4を含むことができる。このとき、引出部200は、第3溝部G3及び第4溝部G4から露出するように本体の第1側面101及び第3側面103のうち溝部GVに近接して形成されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0066】
また、本発明によるコイル部品10Dの厚さ方向(T方向)を基準にして、溝部GVの長さは本体100の長さより短くてもよい。すなわち、溝部GVは、厚さ方向(T方向)に本体全体を貫通しなくてもよいが、これに限定されるものではない。
【0067】
このとき、上記溝部GVは、上記本体の第1~第4側面101~104のうち互いに隣接する2つの側面のそれぞれに延長されてもよいが、これに限定されるものではない。
【0068】
また、溝部GVは、本体100の内部に向かうほど狭くなる形状を有してもよいが、これに限定されるものではない。溝部GVがテーパ形状を有することにより、後述する磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0069】
その他の構成要素についての説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0070】
[コイル部品の製造方法]
図7a及び
図7cは、本発明によるコイル部品の製造方法を概略的に示す図である。まず、
図7aのように複数のコイルが互いに連結され、磁性シートが積層されたコイルバーを準備する。このとき、基板310が配置された形態のコイルバーが示されているが、これに限定されるものではない。
【0071】
コイルバーを準備する具体的な方法は以下の通りである。絶縁基板に複数のコイルパターン320を形成する。絶縁基板は特に限定されず、例えば、銅箔積層板(Copper Clad Laminate)、プリプレグ(Prepreg、PPG)、ABF(Ajinomoto Build-up Film)、PID(Photo Imageable Dielectric)のうち少なくとも一つで形成されてもよく、20~100μmの厚さであってもよい。
【0072】
コイルパターン320の形成方法としては、例えば、電気めっき法が挙げられるが、これに限定されない。コイルパターン320は、電気伝導性に優れた金属を含んで形成することができ、例えば、銀(Ag)、パラジウム(Pd)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、金(Au)、銅(Cu)、白金(Pt)又はこれらの合金などを使用することができる。
【0073】
絶縁基板の一部にはビアホールを形成し、伝導性物質を充填してビアを形成することができ、ビアを介して絶縁基板の一面と他面のそれぞれに形成されたコイルパターン320が電気的に接続されることができる。コイルパターン320は、ダイシング後に本体100の第1及び第3側面101、103にそれぞれ露出する引出部200と連結されてもよい。ダイシング前のコイルバー状態で隣接したそれぞれのコイルパターン320の両端部は、物理的及び電気的に互いに連結されてもよい。
【0074】
その後、絶縁基板においてコイルパターン320が形成されていない部分を除去することができる。絶縁基板の除去は、メカニカルドリリング、レーザードリリング、サンドブラスト、パンチング加工などを適用して行うことができ、例えば、CO2レーザードリルで除去することができる。
【0075】
コイルパターン320が形成されていない絶縁基板の中央領域を除去して、絶縁基板を貫通する貫通孔を形成することができる。このとき、絶縁基板においてコイルパターン320が形成されていない部分のうち一部を除いて除去することで連結部を形成することができる。
【0076】
従来は、コイルパターン320が形成された部位を除く全ての領域の絶縁基板を除去したが、本発明の一実施形態は、コイルパターン320が形成されていない一部領域の絶縁基板を除去せずに、連結部を形成することによって、コイルパターン320を支持する力を増加させ、磁性複合シートの積層圧着時にコイルパターン320の変形を最小化することができる。
【0077】
コイルパターン210の表面には、コイルパターン210を被覆する絶縁層220を形成することができる。絶縁層220は、スクリーン印刷法、スプレー(spray)塗布工程、真空ディッピング(Dipping)工程、CVD(気相蒸着法)、及びフィルム積層法などの方法により形成することができるが、これらに限定されない。
【0078】
また、図示してはいないが、コイルパターン320は、絶縁膜で被覆されて巻線工法で形成された巻線コイルであってもよい。このとき、絶縁基板ではなくモールド部を形成してコイルパターン320を形成することができ、絶縁基板を用いて巻線コイルパターンを形成した後、絶縁基板を除去することもできるが、これに限定されるものではない。このとき、巻線コイルパターンを形成する方法は公知の方法と同様であってもよい。
【0079】
そして、絶縁基板に磁性シート20を積層して本体100を形成することができる。磁性シート20を絶縁基板の両面に積層し、ラミネート法や静水圧プレス法により圧着して本体100を形成することができる。
【0080】
磁性シート20は、磁性体樹脂複合体をシート状に成形したものであってもよく、半硬化状態で圧着されてもよい。磁性体樹脂複合体は、金属磁性体粉末及び樹脂混合物が混合されたものであってもよい。このとき、金属磁性体粉末は、Fe、Cr又はSiを主成分として含むことができ、樹脂混合物はエポキシ(epoxy)、ポリイミド(polyimide)、液晶結晶性ポリマー(Liquid Crystal Polymer;LCP)などの単独又は組み合わせでもよいが、これに限定されるものではない。第1磁性シート20の圧着によって加工された空間111内の空き空間が、磁性体樹脂複合体などのような磁性物質で満たされてもよい。後続工程で硬化を経ると、一定の位置に配置されたコイル120の位置ずれを防止し、シート流動によるバー(Bar)変形を制御することができる。このとき、磁性シート20の少なくとも一部が絶縁基板の中央部に形成された貫通孔を満たすことにより、コア部300を形成することができる。
【0081】
また、
図7bを参照すると、上記磁性シート20が上下部のそれぞれに積層されたコイルバーにおいて、個別コイル部品に対応するように、磁性シート20の一面に少なくとも一つの溝部GVを配置することができる。このとき、溝部GVは、後述するコイルバーのルーティングライン30のうち、複数のルーティングラインが交差する点に形成されてもよい。
【0082】
より具体的に、磁性シート20の一面に形成された溝部GVは、ルーティングライン30の交点に配置され、個別のコイル部品4個に配置されることができる。また、溝部GVは本体100に埋設されて引出部200の少なくとも一部を露出することができ、磁性シート20の一面から厚さ方向(T方向)に向かうほど直径が小さくなる形状を有することができる。
【0083】
ダイシング前、溝部GVが4個の個別コイル部品に形成され、テーパ形状を有することにより、磁性物質を含む本体100の損失を低減し、引出部200を露出して製品の不良発生を低減することができる。
【0084】
最後に、
図7cを参照すると、複数の加工された空間の境界面、すなわち、ルーティングライン30に沿って絶縁基板及びその両面に積層された磁性シート20を切断(Dicing)する。切断は、予め設計されたサイズに合わせて行うことができ、その結果、個別コイル部品10が提供される。切断は切断設備を用いて個別コイル部品10に切断可能であることはもちろんであり、その他にもブレード(blade)やレーザー(laser)など、その他の切断方法を適用することもできる。
【0085】
一方、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)がダイシングブレード(Dicing Blade)幅等によって切断されてなくなる領域(Dicing Kerf領域)より小さく設計された場合には、切断後、個別コイル部品10において、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)が残存しない可能性がある。すなわち、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)はコイルを安着させるためのものであって、最終部品では残存することも、残存しないこともできる。ただし、コイル部300の位置固定精度を向上させるために、絶縁基板がコイル部300にかなり近接しているときは、絶縁基板及び/又は固定フレーム(図示せず)の一部分がコイル部300の内部に残存可能であることはもちろんである。
【0086】
図面には示されていないが、切断工程後には、個別コイル部品10の角を研磨するために研磨工程を行うことができる。研磨工程により、コイル部品10の本体100を丸い形態にすることができ、従来はめっき防止のため本体100の表面に絶縁物質の印刷をさらに行った。このとき形成される絶縁層は、Siを含むガラス(glass)系物質、絶縁樹脂、及びプラズマ(plasma)のうち一つ以上を含むことができる。
【0087】
その後、個別化したコイル部品10にめっき層600及び絶縁材700を塗布して本体100の形状を六面体と類似又は同一に形成することができる。このとき、めっき層600は、溝部GVに露出した引出部200と少なくとも一部が接することができる。また、本体の一面100Aに互いに離隔配置され、上記めっき層600と少なくとも一部が接する第1及び第2外部電極501、502を配置して、本発明によるコイル部品10を形成することができるが、これに限定されるものではない。
【0088】
その他の構成要素に関する説明は、前述の内容と実質的に同様に適用可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0089】
本明細書において、「ある構成要素上に配置された」という表現は、方向を設定する意図ではない。したがって、ある構成要素上に配置されたという表現は、ある構成要素の上側上に配置されたことを意味することもでき、下側上に配置されたことを意味することもできる。
【0090】
本明細書において、「上面、下面、上側、下側、最上側、最下側」などの用語は、説明の便宜上、図面を基準にして設定した方向である。したがって、設定方向に応じて上面、下面、上側、下側、最上側、最下側などは他の用語で説明されてもよい。
【0091】
本明細書において、「連結される」とは、直接連結されることだけでなく、間接的に連結することを含む概念である。また、「電気的に連結される」とは、物理的に連結された場合及び連結されていない場合の両方を含む概念である。
【0092】
本明細書において、「第1、第2」などの表現は、ある構成要素と他の構成要素とを区分するために使用されるものであり、当該構成要素の順序及び/又は重要度などを限定するものではない。説明に応じて、第1構成要素は第2構成要素と命名されてもよく、同様に第2構成要素は第1構成要素と命名されてもよい。
【0093】
本明細書で使用される「一例」という表現は、互いに同じ実施形態を意味するものではなく、それぞれ互いに異なる固有の特徴を強調して説明するために使用されたものである。しかし、上記提示された一例は、他の一例の特徴と結合して実現されることを排除しない。例えば、特定の一例に説明されている事項が他の一例に説明されていなくても、他の一例においてその事項と反対又は矛盾する説明がない限り、他の一例に関連する説明として理解することができる。
【0094】
本明細書で使用される用語は、一例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図ではない。このとき、単数の表現は、文脈上明らかに異なる意味ではない限り、複数の表現を含む。
【0095】
本明細書によるコイル部品及びコイル部品の製造方法はこれに限定されず、当該技術分野において通常の知識を有する者であれば、下記の特許請求の範囲に記載された本発明の思想及び領域から逸脱しない範囲内で、本発明を多様に修正及び変形することができる。
【符号の説明】
【0096】
10、10A、10B、10C、10D:コイル部品
20:磁性シート
30:ルーティングライン
100:本体
100A:本体の一面
100B:本体の他面
101:本体の第1側面
102:本体の第2側面
103:本体の第3側面
104:本体の第4側面
200:引出部
210:連結部
300:コイル部
310:基板
320:コイルパターン
400:絶縁層
GV:溝部
R1:溝部の第1領域
R2:溝部の第2領域
G1~G4:第1~第4溝部
500:外部電極
501:第1外部電極
502:第2外部電極
600:めっき層
700:絶縁材