IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 晶科能源股▲ふん▼有限公司の特許一覧 ▶ ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッドの特許一覧

特開2023-67779電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール
<>
  • 特開-電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール 図1
  • 特開-電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール 図2
  • 特開-電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール 図3
  • 特開-電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール 図4
  • 特開-電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067779
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0224 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
H01L31/04 262
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022164474
(22)【出願日】2022-10-13
(31)【優先権主張番号】202122636021.0
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512083920
【氏名又は名称】晶科能源股分有限公司
(71)【出願人】
【識別番号】519095522
【氏名又は名称】ジョジアン ジンコ ソーラー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】弁理士法人WisePlus
(72)【発明者】
【氏名】徐 ▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】周 静
(72)【発明者】
【氏名】邱 彦▲凱▼
【テーマコード(参考)】
5F151
5F251
【Fターム(参考)】
5F151AA01
5F151FA06
5F151FA14
5F151FA16
5F151FA17
5F151GA04
5F151HA20
5F151JA02
5F251AA01
5F251FA06
5F251FA14
5F251FA16
5F251FA17
5F251GA04
5F251HA20
5F251JA02
(57)【要約】
【課題】本発明は電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールを提供する。
【解決手段】電極構造はメイングリッドライン、フィンガーグリッドライン及び溶接点を備え、メイングリッドラインは第1方向に沿って延在し、第2方向に沿って対向配置される2本のサブメイングリッドラインを備え、何れのサブメイングリッドラインも間隔を空けて設けられる第1及び第2サブ部を備え、溶接点は2本のサブメイングリッドラインの第1サブ部の間に介在され且つ第1サブ部に接続され、少なくとも1本のサブメイングリッドラインの第1サブ部は、溶接点から離間する側へ突出し、第2方向は第1方向と交わる。2本のサブメイングリッドラインでタブ線の位置を制限することで、タブ線は溶接点に直接接触可能である。溶接点が第1サブ部に接続され且つ第1サブ部が外部へ拡張されるため、溶接窓が広くなり、溶接点とタブ線の溶接中のボイド現象を効果的に改善できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極構造であって、
メイングリッドラインと、フィンガーグリッドラインと、溶接点とを備え、
前記メイングリッドラインは、第1方向に沿って延在し、前記メイングリッドラインは、第2方向に沿って対向配置される2本のサブメイングリッドラインを備え、何れの前記サブメイングリッドラインも、互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部及び第2サブ部を含み、前記溶接点は、2本の前記サブメイングリッドラインの前記第1サブ部の間に介在され、且つ前記第1サブ部に接続され、少なくとも1本の前記サブメイングリッドラインの前記第1サブ部は、前記溶接点から離間する側へ突出し、前記第2方向は、前記第1方向と交わり、
前記フィンガーグリッドラインは、前記第2方向に沿って延在し、前記メイングリッドラインの両側に設けられ、且つ前記サブメイングリッドラインに接続されていることを特徴とする電極構造。
【請求項2】
前記サブメイングリッドラインの両端に接続端部が設けられ、前記接続端部が前記第1サブ部に接続され、互いに接続された前記接続端部及び前記第1サブ部において、前記第1サブ部から前記接続端部へ向かう方向につれて、前記接続端部の前記第2方向における幅が次第に小さくなり、及び/又は、
前記接続端部が前記第2サブ部に接続され、互いに接続された前記接続端部及び前記第2サブ部において、前記第2サブ部から前記接続端部へ向かう方向につれて、前記接続端部の前記第2方向における幅が次第に小さくなることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
【請求項3】
前記第2方向において、1本の前記メイングリッドラインのうち、2本の前記サブメイングリッドラインの前記接続端部の間の距離は、どこでも等しいことを特徴とする請求項2に記載の電極構造。
【請求項4】
前記第2方向において、1本の前記メイングリッドラインのうち、2本の前記サブメイングリッドラインの前記接続端部の間の距離の値範囲は、0.5~3.0ミリメートルであることを特徴とする請求項3に記載の電極構造。
【請求項5】
前記第2方向において、前記接続端部の前記溶接点から離間する側の幅は、0.1ミリメートル以上であり、前記接続端部の前記溶接点に近接する側の幅は、2ミリメートル以下であることを特徴とする請求項2に記載の電極構造。
【請求項6】
1本の前記メイングリッドラインの2本の前記サブメイングリッドラインは、対称的に配置され、
前記第2方向において、隣接する前記第1サブ部の間の最大距離の値範囲は、1.2~1.8ミリメートルであり、
前記第2方向において、隣接する前記第2サブ部の間の距離の値範囲は、0.9~1.5ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
【請求項7】
前記第1方向において、前記溶接点は、前記サブメイングリッドラインに接触し、接触領域の長さ範囲は、0.5~5.0ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
【請求項8】
前記第2方向において、前記サブメイングリッドラインの幅範囲は、0.2~0.6ミリメートルであることを特徴とする請求項1に記載の電極構造。
【請求項9】
太陽電池であって、
シリコンウェハと、第1パッシベーション層と、第2パッシベーション層と、請求項1から8の何れか一項に記載の電極構造とを備え、
前記シリコンウェハの一方側には、エミッタ層が設けられ、
前記第1パッシベーション層は、前記エミッタ層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられ、
前記第2パッシベーション層は、前記シリコンウェハの前記エミッタ層から離間する側に設けられ、
前記電極構造は、前記第1パッシベーション層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられ、及び/又は、前記第2パッシベーション層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられていることを特徴とする太陽電池。
【請求項10】
透明蓋板と、上部封止層と、請求項9に記載の太陽電池と、下部封止層と、バックシートとを備えることを特徴とする太陽光発電モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽光発電技術分野に関し、より具体的に、電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池は、太陽光を利用して直接発電する光電半導体薄片であり、「太陽光チップ」又は「光電池」とも呼称される。太陽電池は、複数本のメイングリッドラインの設計を採用することにより、光起電流がメイングリッドラインへ伝送される経路を減少可能であるため、電流がフィンガーグリッドライン上を移動することによる消費を低減することができるとともに、フィンガーグリッドラインの遮蔽面積及び銀スラリーの消費量も減少することができる。複数本のメイングリッドラインに設計された太陽電池が極細タブ線によって電池ストリングを形成するとき、溶接点とタブ線との接触不良によりボイド現象が発生し、太陽電池ストリングの電力が低下して太陽光モジュールの全体の電力損失を招きやすかった。
【0003】
したがって、新型の電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールを提供することは、解決すべき問題となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これに鑑みて、本発明は、電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1態様において、本発明は、電極構造を提供する。当該電極構造は、メイングリッドラインと、フィンガーグリッドラインと、溶接点とを備え、
前記メイングリッドラインは、第1方向に沿って延在し、前記メイングリッドラインは、第2方向に沿って対向配置される2本のサブメイングリッドラインを備え、何れの前記サブメイングリッドラインも、互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部及び第2サブ部を含み、前記溶接点は、2本の前記サブメイングリッドラインの前記第1サブ部の間に介在され、且つ前記第1サブ部に接続され、少なくとも1本の前記サブメイングリッドラインの前記第1サブ部は、前記溶接点から離間する側へ突出し、前記第2方向は、前記第1方向と交わり、
前記フィンガーグリッドラインは、前記第2方向に沿って延在し、前記メイングリッドラインの両側に設けられ、且つ前記サブメイングリッドラインに接続されている。
【0006】
第2態様において、本発明は、太陽電池を更に提供する。当該太陽電池は、シリコンウェハと、第1パッシベーション層と、第2パッシベーション層と、上記電極構造とを備え、
前記シリコンウェハの一方側には、エミッタ層が設けられ、
前記第1パッシベーション層は、前記エミッタ層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられ、
前記第2パッシベーション層は、前記シリコンウェハの前記エミッタ層から離間する側に設けられ、
前記電極構造は、前記第1パッシベーション層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられ、及び/又は、前記第2パッシベーション層の前記シリコンウェハから離間する側に設けられている。
【0007】
第3態様において、本発明は、太陽光発電モジュールを更に提供する。当該太陽光発電モジュールは、透明蓋板と、上部封止層と、上記太陽電池と、下部封止層と、バックシートとを備える。
【発明の効果】
【0008】
従来技術よりも、本発明に係る電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールは、少なくとも以下の有利な作用効果を奏する。
メイングリッドラインが第1方向に沿って延在し、メイングリッドラインが、第2方向に沿って対向配置される2本のサブメイングリッドラインを備え、何れのサブメイングリッドラインも互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部及び第2サブ部を備え、タブ線の取付時に、タブ線を1本のメイングリッドラインの2本のサブメイングリッドラインの間に制限し、溶接点に直接接触可能であり、タブ線と溶接点との間の溶接引張力の向上に寄与し、モジュール化過程に亀裂が発生する確率も低減することができる。また、溶接点が2本のサブメイングリッドラインの第1サブ部の間に介在され且つ第1サブ部に接続され、少なくとも1本のサブメイングリッドラインの第1サブ部が溶接点から離間する側へ突出し、第2方向が第1方向に交わり、溶接点が第1サブ部に接続され且つ第1サブ部が外部へ拡張されるため、溶接窓が広くなり、電極構造の所在する平面に垂直な方向においてサブメイングリッドラインの高さと溶接点の高さとに差が存在しても、タブ線と溶接点との接続に影響を与えず、更に、タブ線が少しずれても、タブ線が少なくとも部分的に溶接点に接続されるため、溶接点とタブ線との溶接過程におけるボイド現象を効果的に改善することができる。
【0009】
無論、本発明の何れかの製品の実施には、上述した全ての作用効果を同時に奏する必要がない。
【0010】
以下のように図面を参照しながら本発明の例示的な実施例の詳細な記述を説明することにより、本発明の他の特徴及びそのメリットは、明確になるだろう。
【0011】
明細書に組み込まれて明細書の一部を構成する図面は、本発明の実施例を示しつつ、その説明とともに本発明の原理を解釈するために用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る太陽電池の平面構造模式図である。
図2】本発明に係る別の太陽電池の平面構造模式図である。
図3図1のAでの拡大図である。
図4図3のA-A’に沿う断面図である。
図5】本発明に係る太陽光発電モジュールの構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の各種の例示的な実施例を詳細に記述する。注意すべきことは、別途詳細に説明しない限り、これらの実施例に記述された部品及びステップの相対的な配置、数値条件式及び数値が本発明の範囲を制限しない。
【0014】
以下では、少なくとも1つの例示的な実施例の記述が実に説明的なものに過ぎず、決して本発明及びその応用や使用に対する如何なる制限にもならない。
【0015】
当業者にとって既知の技術、方法及び機器について詳細に議論しないが、適切な場合には、前記技術、方法及び機器が明細書の一部と見なされるべきである。
【0016】
ここで示され且つ議論された全ての例において、如何なる具体的な値も、制限的なものではなく、例示的なものとして解釈されるべきである。したがって、例示的な実施例の他の例では、異なる値を有してもよい。
【0017】
注意すべきことは、類似する符号及びアルファベットが後の図面において類似する要素を示すため、ある要素が、1つの図面で定義されると、後の図面において更に議論される必要がない。
【0018】
図1を参照すると、図1は、本発明に係る太陽電池200の平面構造模式図である。
【0019】
本実施例に係る電極構造100は、メイングリッドライン1、フィンガーグリッドライン2及び溶接点3を備える。
メイングリッドライン1は、第1方向Xに沿って延在し、メイングリッドライン1は、第2方向Yに沿って対向配置される2本のサブメイングリッドライン4を備え、何れのサブメイングリッドライン4も、互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部5及び第2サブ部6を備え、溶接点3は、2本のサブメイングリッドライン4の第1サブ部5の間に介在され且つ第1サブ部5に接続され、少なくとも1本のサブメイングリッドライン4の第1サブ部5は、溶接点3から離間する側へ突出し、第2方向Yは、第1方向Xに交わり、
フィンガーグリッドライン2は、第2方向Yに沿って延在し、メイングリッドライン1の両側に設けられ、且つサブメイングリッドライン4に接続されている。
【0020】
説明すべきことは、図1は、何れの第1サブ部5も溶接点3から離間する側へ突出する場合のみを示すが、1本のメイングリッドライン1に設けられ且つ1本のみのサブメイングリッドライン4の第1サブ部5が溶接点3から離間する側へ突出してもよく、1本のメイングリッドライン1に設けられ且つ2本のサブメイングリッドライン4の溶接点3から離間する側へ突出する第1サブ部5が交互に設けられてもよく、ここでは詳しく説明しない。図1は、第1方向Xにおいて第2サブ部6の長さが何れも等しい場合を示し、実際の応用時、第2サブ部6の第1方向Xにおける長さによって1本のサブメイングリッドライン4における隣接する2つの第1サブ部5の間の距離を調整してもよい。また、図1におけるメイングリッドライン1、フィンガーグリッドライン2及び溶接点3の数は、単に例示であり、需要に応じて調整されてもよい。
【0021】
理解できるように、フィンガーグリッドライン2の役割は、キャリアを収集してメイングリッドライン1に伝送することであり、メイングリッドライン1は、収集された電流を溶接点3に伝導し、溶接点3は、タブ線に接続され、電流を取り出す。メイングリッドライン1及びフィンガーグリッドライン2は、スクリーン印刷の方式で一体化して製造されてもよく、メイングリッドライン1及びフィンガーグリッドライン2は、それぞれ印刷されてもよく、ここで限定されない。メイングリッドライン1及びフィンガーグリッドライン2の材質は、通常、銀を採用するが、これに限定されない。需要に応じてアルミニウム又は他の材料を採用してもよい。メイングリッドライン1が2本のサブメイングリッドライン4を含むと設定することにより、タブ線を1本のメイングリッドライン1の2本のサブメイングリッドライン4の間に制限することができ、タブ線を直接溶接点3に接触させ、タブ線及び溶接点3の溶接中の亀裂を減少し、溶接中の亀裂による再修理率を低減することができる。試験により、再修理率が39%低減され、層再修理率が16.93%から10.31%まで低減されたことが分かる。
【0022】
従来技術よりも、本実施例に係る電極構造100は、少なくとも以下の有利な作用効果を奏する。
【0023】
メイングリッドライン1が第1方向Xに沿って延在し、メイングリッドライン1が、第2方向Yに沿って対向配置される2本のサブメイングリッドライン4を備え、何れのサブメイングリッドライン4も互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部5及び第2サブ部6を備え、タブ線の取付時に、タブ線を1本のメイングリッドライン1の2本のサブメイングリッドライン4の間に制限し、溶接点3に直接接触可能であり、タブ線と溶接点3との間の溶接引張力の向上に寄与し、モジュール化過程に亀裂が発生する確率も低減することができる。また、溶接点3が2本のサブメイングリッドライン4の第1サブ部5の間に介在され且つ第1サブ部5に接続され、少なくとも1本のサブメイングリッドライン4の第1サブ部5が溶接点3から離間する側へ突出し、第2方向Yが第1方向Xに交わり、溶接点3が第1サブ部5に接続され且つ第1サブ部5が外部へ拡張されるため、溶接窓が広くなり、電極構造100の所在する平面に垂直な方向においてサブメイングリッドライン4の高さと溶接点3の高さとに差が存在しても、タブ線と溶接点3との接続に影響を与えず、更に、タブ線が少しずれても、タブ線が少なくとも部分的に溶接点3に接続されるため、溶接点3とタブ線との溶接過程におけるボイド現象を効果的に改善することができる。
【0024】
幾つかの実施例において、図1及び図2を参照すると、図2は、本発明に係る別の太陽電池200の平面構造模式図であり、サブメイングリッドライン4の両端に接続端部7が設けられ、接続端部7が第1サブ部5に接続され、互いに接続された接続端部7及び第1サブ部5において、第1サブ部5から接続端部7へ向かう方向につれて、接続端部7の第2方向Yにおける幅が次第に小さくなり、及び/又は、
接続端部7が第2サブ部6に接続され、互いに接続された接続端部7及び第2サブ部6において、第2サブ部6から接続端部7へ向かう方向につれて、接続端部7の第2方向Yにおける幅が次第に小さくなる。
【0025】
説明すべきことは、図1は、接続端部7の両端が何れも第1サブ部5に接続されていることを示し、図2は、接続端部7の両端が何れも第2サブ部6に接続されていることを示す。接続端部7の一方端が第1サブ部5に接続され、且つ他方端が第2サブ部6に接続されていると設置可能であり、ここでは詳しく説明しない。電極構造100の所在する平面方向における接続端部7の正投影は、台形又は三角形等であってもよい。図1図2は、全ての溶接点3が何れも同じサイズの矩形である場合のみを示すが、具体的に設置するとき、第1方向Xに沿って順次配列された複数の溶接点3のうち、頭部の溶接点3と尾部の溶接点3とのサイズが中間部分の溶接点3のサイズよりも僅かに大きいと、タブ線のずれを防止することができるため、実際の需要に応じて調整されてもよい。また、図1及び図2は、本発明の実施例を採用した電極構造100の電池の個片が2分割個片であることを示すが、無論、実際の需要に応じて複数分割個片の設計を採用してもよく、これについて限定されない。
【0026】
理解できるように、第1方向Xにおいて、2つの隣接する溶接点3の間のサブメイングリッドライン4が電流伝導を行うとき、この2つの溶接点3のうちの何れか1つの溶接点3へ電流を伝導してもよい。第1方向Xにおいて、頭部の溶接点3と電極構造100の縁部との間のサブメイングリッドライン4は、電流を頭部の溶接点3にしか伝導することができない。同様に、第1方向Xにおいて、尾部の溶接点3と電極構造100の縁部との間のサブメイングリッドライン4は、電流を尾部の溶接点3にしか伝導することができない。したがって、サブメイングリッドライン4の両端において接続端部7の第2方向Yにおける幅を徐変設計とすることにより、電極構造100の縁部の電流収集に有利であり、導電効率を向上させ、電極構造100の縁部の黒ずみ現象を改善することができる。
【0027】
幾つかの選択可能な実施例において、図3を参照すると、図3は、図1のAでの拡大図であり、第2方向Yにおいて、1本のメイングリッドライン1のうち、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離は、どこでも等しい。
【0028】
理解できるように、1本のメイングリッドライン1の2本のサブメイングリッドライン4において、2つの対向された接続端部7の間の領域の、電極構造100の所在する平面の方向における投影は、矩形であり、この矩形領域内には、タブ線が設けられている。このような設置により、タブ線が1本のメイングリッドライン1の2本のサブメイングリッドライン4の間に位置することを保証可能であり、タブ線が接続端部7に接続されることや、接続端部7と溶接点3との間の高度差によるボイド現象を回避することができる。
【0029】
幾つかの選択可能な実施例において、第2方向Yにおいて、1本のメイングリッドライン1のうち、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離の値範囲は、0.5~3.0ミリメートルである。
【0030】
説明すべきことは、第2方向Yにおいて、1本のメイングリッドライン1のうち、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離が0.5ミリメートルよりも小さいときに、溶接に対する要求が高くなり、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離が3.0ミリメートルよりも大きいときに、伝送効率へ影響を与える。本実施例では、1本のメイングリッドライン1のうち、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離の値範囲を0.5~3.0ミリメートルと設定することにより、溶接需要を満たしつつ、伝送効率を保証することもできる。
【0031】
理解できるように、第2方向Yにおいて、1本のメイングリッドライン1のうちの2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離は、タブ線の第2方向Yにおける幅に依存し、調整可能である。第2方向Yにおいて、1本のメイングリッドライン1のうち、2本のサブメイングリッドライン4の接続端部7の間の距離の値範囲を0.5~3.0ミリメートルと設定することは、最適な方案であるが、これに限定されない。
【0032】
幾つかの選択可能な実施例において、第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3から離間する側の幅は、0.1ミリメートル以上であり、接続端部7の溶接点3に近接する側の幅は、2ミリメートル以下である。
【0033】
説明すべきことは、接続端部7を形成する方式として一般的にスラリー印刷の方式が採用されているが、この方式では、第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3から離間する側の幅を0.1ミリメートルよりも小さくすることは、困難である。その一方、第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3に近接する側の幅が2ミリメートルよりも大きいと、このような電極構造100を採用した太陽電池の両面率に影響を与えてしまう。本実施例では、第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3から離間する側の幅が0.1ミリメートル以上であり、接続端部7の溶接点3に近接する側の幅が2ミリメートル以下であると設定することにより、印刷要求を満たしつつ、このような電極構造100を採用した太陽電池の両面率も保証することができる。
【0034】
理解できるように、接続端部7の形状及びサイズは、メイングリッドライン1のサイズに応じて設計され、メイングリッドライン1の第2方向Yにおける幅の変更とともに変更される。第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3から離間する側の幅が決まったときに、接続端部7の第2方向Yにおける幅が徐変設計であり、接続端部7の溶接点3に近接する側の第2方向Yにおける幅は、必然として、接続端部7の溶接点3から離間する側の第2方向Yにおける幅よりも大きい。ここで、第2方向Yにおいて、接続端部7の溶接点3から離間する側の幅が0.1ミリメートル以上であり、接続端部7の溶接点3に近接する側の幅が2ミリメートル以下であると設定することは、最適な設計方案であるが、これに限定されない。
【0035】
幾つかの選択可能な実施例において、溶接点3の数は、少なくとも3つである。
【0036】
説明すべきことは、溶接点3の数が偶数、例えば4つ、6つ、8つ等を採用することが多いが、具体的な設定は、実際の需要に応じて調整可能である。
【0037】
理解できるように、溶接点3の数が複数であると設定可能であり、全電極構造100を複数段溶接点3に分割する設計により、電流伝導がより均一になり、電極構造100の効率の向上に有利であるとともに、モジュールELが一層明るくなり、モジュール電力の向上にも有利になる。
【0038】
幾つかの選択可能な実施例において、引き続き図3を参照すると、1本のメイングリッドライン1の2本のサブメイングリッドライン4は、対称的に配置され、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ部5の間の最大距離lの値範囲は、1.2~1.8ミリメートルであり、第2方向Yにおいて、隣接する第2サブ部6の間の距離lの値範囲は、0.9~1.5ミリメートルである。
【0039】
説明すべきことは、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ部5の間の最大距離lが1.2ミリメートルよりも小さいと、溶接点3の第2方向Yにおける幅が減少され、溶接点3とタブ線との間の接触面積が減少される。第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ部5の間の最大距離lが1.8ミリメートルよりも大きいと、溶接点3の第2方向Yにおける幅が増加され、不必要な浪費を引き起こす。第2方向Yにおいて、隣接する第2サブ部6の間の距離lは、隣接する第1サブ部5の間の最大距離lよりも小さい。
【0040】
理解できるように、第2方向Yにおいて、隣接する第1サブ部5の間の最大距離lの値範囲が1.2~1.8ミリメートルであり、第2方向Yにおいて、隣接する第2サブ部6の間の距離lの値範囲が0.9~1.5ミリメートルであることは、最適選択であり、溶接点3とタブ線との良好な溶接に有利になる。
【0041】
幾つかの選択可能な実施例において、第1方向Xにおいて、溶接点3は、サブメイングリッドライン4に接触し、接触領域の長さ範囲は、0.5~5.0ミリメートルである。
【0042】
説明すべきことは、第1方向Xにおいて、接触領域の長さ範囲が0.5ミリメートルよりも小さいとき、溶接に不利になる一方、第1方向Xにおいて、接触領域の長さ範囲が5.0ミリメートルよりも大きいとき、銀スラリーの浪費を引き起こし、領域が過多に遮蔽されてしまう。本実施例では、第1方向Xにおいて、溶接点3がサブメイングリッドライン4に接触し、接触領域の長さ範囲が0.5~5.0ミリメートルであると設定することにより、溶接に有利になるとともに、銀スラリーの使用量も節約されてコストダウンになる。
【0043】
理解できるように、タブ線が溶接点3に溶接されるとき、溶接点3は、第1サブ部5にフィットし、溶接点3の第1方向Xにおける長さは、第1サブ部5の第1方向Xにおける長さ以下である。第1方向Xにおいて、接触領域の長さ範囲が0.5~5.0ミリメートルであることは、最適選択であり、接触の有効性を保証することができるが、これに限定されず、需要に応じて調整されてもよい。
【0044】
幾つかの選択可能な実施例において、第2方向Yにおいて、サブメイングリッドライン4の幅範囲は、0.2~0.6ミリメートルである。
【0045】
説明すべきことは、第2方向Yにおいて、サブメイングリッドライン4の幅が0.2ミリメートルよりも小さいとき、電流伝導効率に影響を与える一方、サブメイングリッドライン4の幅が0.6ミリメートルよりも大きいとき、電流伝導効率が向上するが、本実施例の電極構造100を採用した太陽電池の両面率が低減される。本実施では、第2方向Yにおいて、サブメイングリッドライン4の幅範囲が0.2~0.6ミリメートルであると設定することにより、サブメイングリッドライン4の電流伝送効率を満たしつつ、本実施例の電極構造100を採用した太陽電池の両面率も保証することができる。
【0046】
理解できるように、従来技術において、メイングリッドライン1の第2方向Yにおける幅の値範囲が1.0~1.5ミリメートルであるのに対して、本実施例に係るメイングリッドライン1の第2方向Yにおける幅の値範囲は、0.4~1.2ミリメートルである。これにより、本実施例に係るメイングリッドライン1の第2方向Yにおける幅は、従来技術よりも狭くなり、銀スラリーの使用量を低減可能であり、遮蔽領域を減少することができ、本実施例の電極構造100を採用した太陽電池の両面率を向上させる。本実施例では、第2方向Yにおいて、サブメイングリッドライン4の幅範囲が0.2~0.6ミリメートルであることは、最適選択であるが、実際の需要に応じて、メイングリッドライン1の第2方向Yにおける幅を従来技術よりも広くしたり等しくしたりすることも可能であり、ここで限定されない。
【0047】
本発明に係る太陽電池200は、図4を参照可能であり、図4は、図3のA-A’に沿う断面図である。
【0048】
本実施例に係る太陽電池200は、シリコンウェハ8と、第1パッシベーション層10と、第2パッシベーション層11と、電極構造100とを備え、シリコンウェハ8の一方側には、エミッタ層9が設けられ、第1パッシベーション層10は、エミッタ層9のシリコンウェハ8から離間する側に設けられ、第2パッシベーション層11は、シリコンウェハ8のエミッタ層9から離間する側に設けられ、電極構造100は、第1パッシベーション層10のシリコンウェハ8から離間する側に設けられ、及び/又は、第2パッシベーション層11のシリコンウェハ8から離間する側に設けられ、電極構造100は、上記電極構造100である。
【0049】
説明すべきことは、図4は、単に太陽電池200がPERC両面電池であることを示し、第2パッシベーション層11のシリコンウェハ8から離間する側に電極構造100が設けられているが、電極構造100は、第1パッシベーション層10のシリコンウェハ8から離間する側のみに設けられてもよく、第2パッシベーション層11のシリコンウェハ8から離間する側のみに設けられてもよい。更に、第1パッシベーション層10のシリコンウェハ8から離間する側と、第2パッシベーション層11のシリコンウェハ8から離間する側とのどちらにも電極構造100が設けられて太陽電池200の両面率を向上させてもよい。太陽電池200は、N型TOPCon電池又は他のタイプの電池であってもよい。N型TOPCon電池は、第1パッシベーション層10、エミッタ層9、シリコンウェハ8、極薄酸化層、ドープトポリシリコン層及び裏面パッシベーション層を備える。
【0050】
理解できるように、本発明の実施例に係る太陽電池200は、本発明の実施例に係る電極構造100の有利な作用効果を有する。詳細は、上記各実施例における電極構造100に対する具体的な説明を参照すればよく、本実施例においてここで繰り返し説明しない。
【0051】
本発明は、太陽光発電モジュール300を更に提供する。図5を参照すると、図5は、本発明に係る太陽光発電モジュール300の構造模式図である。
【0052】
本実施例に係る太陽光発電モジュール300は、透明蓋板12、上部封止層13、太陽電池200、下部封止層14及びバックシート15を備え、太陽電池200は、上記太陽電池200である。理解できるように、本発明の実施例に係る太陽光発電モジュール300は、本発明の実施例に係る太陽電池200の有利な作用効果を有する。詳細は、上記各実施例における太陽電池200に対する具体的な説明を参照すればよく、本実施例においてここで繰り返し説明しない。
【0053】
上記実施例から分かるように、本発明に係る電極構造、太陽電池及び太陽光発電モジュールは、少なくとも以下の有利な作用効果を奏する。
【0054】
メイングリッドラインが第1方向に沿って延在し、メイングリッドラインが、第2方向に沿って対向配置される2本のサブメイングリッドラインを備え、何れのサブメイングリッドラインも互いに間隔を空けて設けられる第1サブ部及び第2サブ部を備え、タブ線の取付時に、タブ線を1本のメイングリッドラインの2本のサブメイングリッドラインの間に制限し、溶接点に直接接触可能であり、タブ線と溶接点との間の溶接引張力の向上に寄与し、モジュール化過程に亀裂が発生する確率も低減することができる。また、溶接点が2本のサブメイングリッドラインの第1サブ部の間に介在され且つ第1サブ部に接続され、少なくとも1本のサブメイングリッドラインの第1サブ部が溶接点から離間する側へ突出し、第2方向が第1方向に交わり、溶接点が第1サブ部に接続され且つ第1サブ部が外部へ拡張されるため、溶接窓が広くなり、電極構造の所在する平面に垂直な方向においてサブメイングリッドラインの高さと溶接点の高さとに差が存在しても、タブ線と溶接点との接続に影響を与えず、更に、タブ線が少しずれても、タブ線が少なくとも部分的に溶接点に接続されるため、溶接点とタブ線との溶接過程におけるボイド現象を効果的に改善することができる。
【0055】
例によって本発明の幾つかの特定の実施例を詳細に説明したが、当業者であれば理解できるように、上記例が単に説明用のものであり、本発明の範囲を制限するためのものではない。当業者が本発明の範囲及び精神を逸脱しない限り、上記実施例を変更することが可能であることは、理解されるべきである。本発明の範囲は、添付する請求項によって限定される。
図1
図2
図3
図4
図5