(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067843
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】接続ピン
(51)【国際特許分類】
F01N 3/20 20060101AFI20230509BHJP
H05B 3/02 20060101ALI20230509BHJP
F23J 15/08 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
F01N3/20 K
H05B3/02 A
F23J15/08
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022173048
(22)【出願日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10 2021 128 241.1
(32)【優先日】2021-10-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】520050956
【氏名又は名称】プーレム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Purem GmbH
【住所又は居所原語表記】Homburger Strasse 95, 66539 Neunkirchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ホルガー ブレンナー
【テーマコード(参考)】
3G091
3K070
3K092
【Fターム(参考)】
3G091CA05
3G091HB01
3K070DA09
3K070DA52
3K092PP16
3K092QA01
3K092QC44
3K092TT06
3K092TT08
3K092VV25
(57)【要約】 (修正有)
【課題】内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱動態を電気的に接触させるための接続ユニット用の接続ピンに接触している構成要素の過度な熱負荷を回避する。
【解決手段】特に内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット用の接続ピンが、ピン本体長手方向軸線(L)の方向に長く延ばされたピン本体(38)を有し、ピン本体(38)は、電圧供給線路(26)を接続ピン(36)に接続するための外側の接続領域(44)と、冷却領域(54)と、接続ユニット(22)に設けられたピン支持体(30)を通してピン本体(38)を電気絶縁して貫通案内するための貫通案内領域(40)と、接続ピン(36)を排ガスヒータ(14)の加熱導体(16)に接続するための内側の接続領域(42)とを備え、冷却領域(54)に冷却面形成部(56)が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット用の接続ピンであって、ピン本体長手方向軸線(L)の方向に長く延ばされたピン本体(38)を有し、該ピン本体(38)は、
電圧供給線路(26,28)を前記接続ピン(36)に接続するための外側の接続領域(44)と、
冷却領域(54)と、
接続ユニット(22,24)に設けられたピン支持体(30)を通して前記ピン本体(38)を電気絶縁して貫通案内するための貫通案内領域(40)と、
前記接続ピン(36)を排ガスヒータ(14)の加熱導体(16)に接続するための内側の接続領域(42)と
を備え、
前記冷却領域(54)に冷却面形成部(56)が設けられている、
接続ピン。
【請求項2】
前記冷却面形成部(56)の少なくとも一部が、前記ピン本体(38)の前記冷却領域(54)に固定された冷却要素(58)に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項3】
前記冷却要素(58)は、プレス嵌めおよび/または材料接続によって前記冷却領域(54)に固定されていることを特徴とする、請求項2記載の接続ピン。
【請求項4】
前記冷却要素(58)は、前記冷却領域(54)を取り囲む環状の冷却要素本体(60)と、該冷却要素本体(60)から半径方向外向きに延びる複数の冷却リブ(62)とを有することを特徴とする、請求項2または3記載の接続ピン。
【請求項5】
前記冷却面形成部(56)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向で互いに間隔を置いて連続する、前記ピン本体長手方向軸線(L)を環状に取り囲む複数の冷却リブ(52)を有することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項6】
前記冷却面形成部(56)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)を中心とする周方向で互いに間隔を置いて連続する、好ましくは実質的に前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向に延びる複数の冷却リブ(62)を有することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項7】
少なくとも1つの、好ましくは各々の冷却リブ(62)において、リブ厚さが、半径方向外側に向かう方向で増大していることを特徴とする、請求項4から6までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項8】
前記冷却領域(54)は、前記貫通案内領域(40)に向かう方向で半径方向に拡張されるように形成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項9】
前記冷却面形成部(56)の少なくとも一部が、前記冷却領域(54)の一体の部分として形成されていることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項10】
前記冷却面形成部(56)は、前記冷却領域(54)に、少なくとも1つの溝状の凹設部(68,70)、好ましくは、互いに相互間隔を置いて配置された複数の溝状の凹設部(68,70,72)を有することを特徴とする、請求項9記載の接続ピン。
【請求項11】
少なくとも1つの溝状の凹設部(68,70)が、前記ピン本体長手方向軸線(L)を好ましくは完全に取り囲むように形成されている、かつ/または少なくとも1つの溝状の凹設部(72)が、好ましくは実質的に前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向に延びるように形成されていることを特徴とする、請求項10記載の接続ピン。
【請求項12】
前記冷却領域(54)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向で見て、前記外側の接続領域(44)と前記貫通案内領域(40)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項記載の接続ピン。
【請求項13】
内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニットであって、電気絶縁されてピン支持体(30)に支持された、請求項1から12までのいずれか1項記載の接続ピン(36)を有する、接続ユニット。
【請求項14】
前記接続ピン(36)は、好ましくはセラミック絶縁材料(34)によって前記ピン支持体(30)に支持されていることを特徴とする、請求項13記載の接続ユニット。
【請求項15】
内燃機関用の排ガス装置であって、少なくとも1つの加熱導体接続領域(18,20)、好ましくは2つの加熱導体接続領域(18,20)を備える加熱導体(16)を備えて排ガス案内構成要素(12)内に配置された排ガスヒータ(14)を有し、少なくとも1つの加熱導体接続領域(18,20)、好ましくは各々の加熱導体接続領域(18,20)に割り当てられるように、請求項13または14記載の接続ユニット(22,24)が設けられており、該接続ユニット(22,24)の前記ピン支持体(30)は、排ガス案内構成要素(12)に固定されており、前記接続ユニット(22,24)の前記接続ピン(36)は、前記排ガス案内構成要素(12)に設けられた開口(32)を貫通していて、前記接続ピン(36)の内側の接続領域(42)で前記加熱導体(16)の加熱導体接続領域(18,20)に導電接続されている、排ガス装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット内で、排ガス案内構成要素内に配置されていて、排ガス案内構成要素内で案内される内燃機関の排ガス流により周流可能な排ガスヒータを電気的に接触接続させるために使用される接続ピンに関する。
【0002】
内燃機関の排ガス装置に関連して使用される接続ユニットは、一般に一体型に構成された接続ピンを有する。接続ピンは、電気絶縁されてピン支持体に支持され、このピン支持体を介して、排ガス案内構成要素、例えば排ガス管または排ガスを案内するハウジングに支持されている。接続ピンの内側の接続領域は、排ガス案内構成要素の内部容積内に突出していて、この内側の接続領域でこのような排ガスヒータの加熱導体の加熱導体接続領域に、例えばろう接によって導電接続されている。接続ピンの、排ガス案内構成要素の外側に位置する外側の接続領域は、ケーブルまたはこれに類するものを介して、電圧源に接続されてよい。
【0003】
内燃機関の運転中、排ガス装置の種々異なる構成要素は、内部を流動する排ガスによって加熱される。排ガスヒータの運転も、加熱流を案内する種々異なる構成要素に加えて、特に排ガスヒータの加熱導体との電気的な接続のために使用される接続ユニットもしくは接続ユニットの接続ピンの加熱をもたらす。これにより、外側の接続領域においてこのような接続ピンに接続されたケーブルも加熱される。ケーブルは、一般に、導電性のコアと、このコアを取り囲む電気絶縁性の材料、例えばプラスチック材料から成るシースとを有する。ケーブルが過度に強く加熱されると、シースの損傷、極端な場合にはシースの発火を招いてしまう。
【0004】
本発明の課題は、特に内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット用の接続ピンを改良して、この接続ピンに接触している構成要素の過度な熱負荷が回避されるようにすることである。
【0005】
本発明によれば、この課題は、特に内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット用の接続ピンであって、ピン本体長手方向軸線の方向に長く延ばされたピン本体を有し、ピン本体が、
- 電圧供給線路を接続ピンに接続するための外側の接続領域と、
- 冷却領域と、
- 接続ユニットに設けられたピン支持体を通してピン本体を電気絶縁して貫通案内するための貫通案内領域と、
- 接続ピンを排ガスヒータの加熱導体に接続するための内側の接続領域と
を備え、
冷却領域に冷却面形成部が設けられている、
接続ピンによって解決される。
【0006】
冷却面形成部を設けることにより、接続ピンに拡大された表面が提供され、接続ピンに吸収された熱もしくは接続ピンで発生した熱を、この表面を介して、周囲に放出することができる。したがって、例えばこのような接続ピンに接続されたケーブルの過熱を阻止することができる。
【0007】
このような冷却面形成部を、接続ピンの構造に左右されずに最適に構成することができるようにするために、冷却面形成部の少なくとも一部が、ピン本体の冷却領域に固定された冷却要素に形成されていることが提案される。
【0008】
冷却要素とピン本体との、簡単に実現できるにもかかわらず安定した結合は、例えば、冷却要素が、プレス嵌めおよび/または材料接続によって冷却領域に固定されていることによって得られる。
【0009】
例えば、冷却要素が、冷却領域を取り囲む環状の冷却要素本体と、この冷却要素本体から半径方向外向きに延びる複数の冷却リブとを有することによって、熱を放出するために利用できる大きな表面積を提供することができる。
【0010】
例えば、冷却面形成部は、ピン本体長手方向軸線の方向で互いに間隔を置いて連続する、ピン本体長手方向軸線を環状に取り囲む複数の冷却リブを有してよい。代替的または付加的に、冷却面形成部は、ピン本体長手方向軸線を中心とする周方向で互いに間隔を置いて連続する、好ましくは実質的にピン本体長手方向軸線の方向に延びる複数の冷却リブを有してよい。
【0011】
熱放出のために利用可能な表面積をさらに拡大するために、少なくとも1つの、好ましくは各々の冷却リブにおいて、リブ厚さが、半径方向外側に向かう方向で増大していてよい。
【0012】
冷却領域が、貫通案内領域に向かう方向で半径方向に拡張されるように形成されていると、冷却要素に設けられた冷却面形成部を提供する際に、この半径方向に拡張される冷却領域に、冷却要素の冷却要素本体を押し被せることができる。
【0013】
更なる構成では、冷却面形成部の少なくとも一部が、冷却領域の一体の部分として形成されていてよい。
【0014】
この冷却領域に一体化された冷却面形成部の構造を得るために、冷却面形成部が、冷却領域に、少なくとも1つの溝状の凹設部、好ましくは、互いに相互間隔を置いて配置された複数の溝状の凹設部を有することが提案される。
【0015】
例えば、少なくとも1つの溝状の凹設部は、ピン本体長手方向軸線を好ましくは完全に取り囲むように形成されていてよく、かつ/または少なくとも1つの溝状の凹設部は、好ましくは実質的にピン本体長手方向軸線の方向に延びるように形成されていてよい。
【0016】
冷却面形成部によって、特に、接続ピンを電気絶縁してピン支持体に支持する、例えばセラミック絶縁材料のための遮蔽作用をも得るために、冷却領域が、ピン本体長手方向軸線の方向で見て、外側の接続領域と貫通案内領域との間に配置されていることが提案される。
【0017】
本発明は、さらに、内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニットであって、電気絶縁されてピン支持体に支持された、本発明により形成された接続ピンを有する、接続ユニットに関する。
【0018】
接続ピンは、好ましくはセラミック絶縁材料によってピン支持体に支持されていてよい。
【0019】
さらに、本発明は、内燃機関用の排ガス装置であって、少なくとも1つの加熱導体接続領域、好ましくは2つの加熱導体接続領域を備える加熱導体を備えて排ガス案内構成要素内に配置された排ガスヒータを有し、少なくとも1つの加熱導体接続領域、好ましくは各々の加熱導体接続領域に割り当てられるように、本発明により構成された接続ユニットが設けられており、接続ユニットのピン支持体が、排ガス案内構成要素に固定されており、接続ユニットの接続ピンが、排ガス案内構成要素に設けられた開口を貫通していて、接続ピンの内側の接続領域で加熱導体の加熱導体接続領域に導電接続されている、排ガス装置に関する。
【0020】
以下に、本発明を添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】排ガスヒータおよび排ガスヒータの加熱導体に割り当てられた接続ユニットを備える、内燃機関用の排ガス装置の一部分を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示した排ガス装置の一部分を示す部分縦断面図である。
【
図3】接続ユニットの代替的な構成形態を示す、
図2に相応する部分縦断面図である。
【
図4】接続ユニットの別の代替的な構成形態を示す斜視図である。
【
図5】接続ユニットの別の代替的な構成形態を示す斜視図である。
【0022】
図1および
図2は、全体を符号10で示した、自動車用の内燃機関の排ガス装置の一部分を示す。排ガス装置10は、管状に形成された排ガス案内構成要素12を有し、この排ガス案内構成要素12の内部容積内に、内燃機関から放出された排ガス流が案内されている。排ガス案内構成要素12内に、(部分的にしか図示されていない)排ガスヒータ14が配置されている。排ガスヒータ14は、図示された構成例では平形材料で形成された、2つの加熱導体接続領域18,20を備える加熱導体16を有する。例えば複数の部分から構成された加熱導体16は、加熱導体接続領域18,20の各々において、例えば互いに同一構造の接続ユニット22,24を介して、電圧源に通じる電圧供給線路として使用されるケーブル26,28に導電的に接続されている。
【0023】
好ましくは互いに同一構造の両接続ユニット22,24の各々が、例えば金属材料で形成されたピン支持体30を有する。ピン支持体30は、気密の接続部を形成するために、排ガス案内構成要素12に設けられた貫通把持開口32の領域で、排ガス案内構成要素12の外表面に例えば溶接またはろう接によって固定されている。このピン支持体30に、全体を符号36で示した接続ピンが、電気絶縁性の材料34、例えばセラミック材料によってピン支持体30に対して電気絶縁されて支持されている。接続ピン36は、例えば一体型に形成されているかまたは場合によっては複数部分から構成されているピン本体38を有する。ピン本体38は、ピン本体長手方向軸線Lの方向に長く延ばされている。ピン本体38の、ピン支持体30を貫通する貫通案内領域40は、電気絶縁性の材料34を介してピン支持体30に支持されている。付言しておくと、
図2に示した構成では、例えば貫通案内領域40は電気絶縁性の材料に埋め込まれていてよく、それによってピン支持体30に固定されていてよい。貫通案内領域40が、ピン支持体30に対して、ピン支持体30内に挿入された電気絶縁性の材料から成るディスク状の要素および予荷重要素またはこれに類するものを介してピン支持体30に支持されている別の構成も考えられる。
【0024】
ピン本体38もしくは接続ピン36の、排ガス案内構成要素12の内部に延びる内側の接続領域42は、加熱導体接続領域18,20のうちの一方、
図2に示した接続ユニット22の例では加熱導体接続領域18に、例えばろう接または溶接によって、機械的に安定してかつ導電的に接続されている。
【0025】
ピン本体38もしくは接続ピン36の、ピン本体38の内側の接続領域42とは反対側もしくは他方の軸線方向端部に位置する外側の接続領域44は、
図2により詳細に示した接続ユニット22の場合、ケーブル26に接続されている。ケーブル26は、例えば銅材料または別の導電性の材料で形成されたコア46と、このコア46を取り囲む電気絶縁性の材料、例えばプラスチック材料から成るシース48とを有する。接続ピン36に接続するために、ケーブル26は接続要素50を有する。接続要素50は、シース48をクランプ状に取り囲むように把持することによって、シース48に固定に接続されている。コア46の、シース48を越えて突出した端領域は、例えば緊締および/またはろう接によって、接続要素50に導電接続されている。接続要素50は、スリーブ状の接続領域52をさらに有する。この接続領域52は、ピン本体長手方向軸線Lの方向でピン本体38の外側の接続領域44に押し被せられていて、これによって、この外側の接続領域44に導電的にかつ機械的に安定して接続されている。このためには、ピン本体38の、少なくとも外側の接続領域44を提供する長手方向区分が、内側の接続領域42に向かう方向で半径方向に拡張されるように、例えば円錐状に形成されていてよく、このようにすれば、接続要素50を押し被せることによって、安定した接続が得られる。代替的または付加的に、接続領域52を、固定機構、例えば外側の接続領域に螺嵌されたナットまたはこれに類するものによって、かつ/または外側の接続領域44に材料接続することによって、外側の接続領域44に固定してもよい。
【0026】
ピン本体38もしくは接続ピン36は、外側の接続領域44と貫通案内領域40との間に、全体を符号54で示した冷却領域を有する。冷却領域54には、全体を符号56で示した冷却面形成部が、接続ピン36に設けられている。冷却面形成部は、接続ピン36を取り囲む周囲空気との熱的な相互作用のためのより大きな表面を提供する。特に、種々異なる構成で以下に記載するこのような冷却面形成部56は、この長さ領域すなわち冷却領域54に、単純に円筒形に形成された外表面を備えて構成された接続ピン36よりも大きな、周囲空気との熱的な相互作用のための外表面を有する点で優れている。
【0027】
図1および
図2に示した構成例では、冷却面形成部56は、ピン本体38とは別個の、すなわち独立した構成部材として構成された冷却要素58に提供されている。例えば金属材料で形成された冷却要素58は、スリーブ状の冷却要素本体60を有する。冷却要素本体60は、好ましくは環状に閉じた構造を有し、ピン本体38の冷却領域54を取り囲んでいる。冷却要素58は、プレス嵌めによってピン本体38に固定されていてよい。このためには、例えば、ピン本体38の冷却領域54も、内側の接続領域42に向かう方向で半径方向に拡張されるように、例えば円錐状に形成されていてもよい。代替的または付加的に、ピン本体38と冷却要素本体60との間に、例えば溶接、ろう接または接着による材料接続式の結合部を設けることもできる。形状接続、例えば螺嵌による結合も可能である。
【0028】
冷却要素58は、冷却要素本体60もしくはピン本体長手方向軸線Lを環状に取り囲み、冷却要素本体60から離れるように半径方向外向きに延びる熱伝達リブ62を有する。ピン本体長手方向軸線Lの方向で連続する環状もしくはディスク状の冷却リブ62は、相互間に環状もしくは溝状の凹設部64を形成している。互いに間隔を置いて配置され、ピン本体長手方向軸線Lの方向で連続する冷却リブ62のこの構造により、極めて大きな表面が提供される。ピン本体38もしくは接続ピン36では、ピン本体38もしくは接続ピン36を流れる電流によって発生した熱、または内側の接続領域42の周囲を流動する排ガスによってピン本体38もしくは接続ピン36に伝達された熱を、この表面において、冷却要素58を取り囲む空気に放出することができる。これによって、接続ユニット22,24の各々に接続されたケーブル26,28の過度な加熱を回避することができる。
【0029】
このような接続ユニットもしくは接続ユニット用の接続ピンの代替的な構成形態が
図3に示されている。
図1および
図2を参照して上述した構成要素に構造もしくは機能の点で相応する構成要素は、同じ符号で示されている。
【0030】
図3に示した接続ユニット22の場合、冷却面形成部56は、ピン本体38の冷却領域54におけるピン本体38の一体の構成部分を形成している。この構成形態でも、冷却面形成部56は、ピン本体長手方向軸線Lを環状に取り囲む複数の冷却リブ62を有し、冷却リブ62は、相互間にそれぞれ形成された環状もしくは溝状の凹設部64を備える。この構成でも、ピン本体長手方向軸線Lの方向で連続する複数の冷却リブ62を提供することによって、ピン本体38を取り囲む空気に熱を伝達することのできる比較的大きな表面が提供される。
【0031】
このような接続ユニット22の別の変化形態が
図4に示されている。
図4に示した接続ユニット22の場合、冷却面形成部56は、ピン本体38の冷却領域54を環状に取り囲む冷却要素本体60を備える別個の構成部材として構成された冷却要素58を有する。冷却要素本体60から半径方向外向きに複数の冷却リブ62が延びており、これによって、ピン本体長手方向軸線Lの方向に長く延ばされて相互間に中間スペース64を形成する冷却リブ62の、扇状もしくは軸線方向で見て放射状の構造が形成されている。
【0032】
図4に認められるように、リブの厚さ、すなわち冷却リブ62の周方向の寸法は、半径方向内側から半径方向外側に向かって増大している。このことにより、冷却リブ62の半径方向外側の端領域が、比較的大きく寸法設定された端面66を提供することになり、これらの端面66も、周囲空気に熱を放出するために利用可能な表面積に寄与している。
【0033】
ピン本体38の冷却領域54の一体の構成部分として提供された冷却面形成部56を備える別の変更された構成形態が、
図5に示されている。この構成形態の場合、冷却面形成部56は、軸線方向の間隔を置いて冷却領域54に設けられ、ピン本体長手方向軸線Lを好ましくは中断なしに環状に取り囲む2つの溝状の凹設部68,70を有する。相互により大きな軸線方向の間隔を置いて位置するこれらの溝状の凹設部68,70も、ピン本体38の冷却領域54の表面積の拡大ひいては周囲空気との熱的な相互作用の強化に寄与する。
【0034】
付言しておくと、例えば
図5に示された構成例の場合、このような溝状の凹設部は、ピン本体長手方向軸線Lの方向に延びるように形成されていてもよい。例えば、
図5に破線で示されている溝状の凹設部72で判るように、ピン本体長手方向軸線Lを環状に取り囲む溝状の両凹設部68,70の間に、軸線方向に延びる溝状の凹設部が形成されていてもよい。
【0035】
周囲空気との熱的な相互作用のために利用可能な表面積を拡大する冷却面形成部を提供することによって、接続ピン36で発生した熱または接続ピンに伝達された熱を外部に効率的に放出することが保証され、それによって、特に、このような接続ピン36に接続されたケーブルの熱的な過負荷を防止することができる。冷却面形成部の寸法設定、すなわち例えば冷却リブまたは溝状の凹設部の数は、周囲に向かって導出すべき予測される熱量に応じて設定されてよい。このためには、冷却リブもしくは溝状の凹設部の軸線方向延在長さ、半径方向延在長さ、もしくは数も、相応に選択されてよい。基本的に、冷却リブは、半径方向内側から半径方向外向きに延びるロッド状またはピン状の突起の形態で形成されていてもよく、これらの突起が、例えばピン本体長手方向軸線を中心とする周方向で連続する環状構造で配置されていてもよいし、かつ/またはピン本体長手方向軸線の方向で連続する線状構造で配置されていてもよい。周囲への熱の放出に利用可能な表面積を拡大するこのような構造は、特に製造に起因して生じる輪郭、例えば軸アンダカット、またはピン本体を鋳造部品として製造する場合の離型傾斜部であってもよい。
【0036】
種々異なる構成を互いに組み合わせることも可能である。例えば、1つまたは複数の冷却要素に、
図4に示したような軸線方向に延びる冷却リブと、
図2に示したような環状の冷却リブとの両方が設けられていてよい。冷却面形成部を接続ピン36の一体の構成部分として提供する場合にも、種々異なる形態の冷却リブ、もしくはより大きな熱伝達表面の提供に役立つ構造、例えば溝状の凹設部を、このように組み合わせることができる。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニット用の接続ピンであって、ピン本体長手方向軸線(L)の方向に長く延ばされたピン本体(38)を有し、該ピン本体(38)は、
電圧供給線路(26,28)を前記接続ピン(36)に接続するための外側の接続領域(44)と、
冷却領域(54)と、
接続ユニット(22,24)に設けられたピン支持体(30)を通して前記ピン本体(38)を電気絶縁して貫通案内するための貫通案内領域(40)と、
前記接続ピン(36)を排ガスヒータ(14)の加熱導体(16)に接続するための内側の接続領域(42)と
を備え、
前記冷却領域(54)に冷却面形成部(56)が設けられている、
接続ピン。
【請求項2】
前記冷却面形成部(56)の少なくとも一部が、前記ピン本体(38)の前記冷却領域(54)に固定された冷却要素(58)に形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項3】
前記冷却要素(58)は、プレス嵌めおよび/または材料接続によって前記冷却領域(54)に固定されていることを特徴とする、請求項2記載の接続ピン。
【請求項4】
前記冷却要素(58)は、前記冷却領域(54)を取り囲む環状の冷却要素本体(60)と、該冷却要素本体(60)から半径方向外向きに延びる複数の冷却リブ(62)とを有することを特徴とする、請求項2記載の接続ピン。
【請求項5】
前記冷却面形成部(56)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向で互いに間隔を置いて連続する、前記ピン本体長手方向軸線(L)を環状に取り囲む複数の冷却リブ(62)を有することを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項6】
前記冷却面形成部(56)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)を中心とする周方向で互いに間隔を置いて連続する、好ましくは実質的に前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向に延びる複数の冷却リブ(62)を有することを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項7】
少なくとも1つの、好ましくは各々の冷却リブ(62)において、リブ厚さが、半径方向外側に向かう方向で増大していることを特徴とする、請求項4記載の接続ピン。
【請求項8】
前記冷却領域(54)は、前記貫通案内領域(40)に向かう方向で半径方向に拡張されるように形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項9】
前記冷却面形成部(56)の少なくとも一部が、前記冷却領域(54)の一体の部分として形成されていることを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項10】
前記冷却面形成部(56)は、前記冷却領域(54)に、少なくとも1つの溝状の凹設部(68,70)、好ましくは、互いに相互間隔を置いて配置された複数の溝状の凹設部(68,70,72)を有することを特徴とする、請求項9記載の接続ピン。
【請求項11】
少なくとも1つの溝状の凹設部(68,70)が、前記ピン本体長手方向軸線(L)を好ましくは完全に取り囲むように形成されている、かつ/または少なくとも1つの溝状の凹設部(72)が、好ましくは実質的に前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向に延びるように形成されていることを特徴とする、請求項10記載の接続ピン。
【請求項12】
前記冷却領域(54)は、前記ピン本体長手方向軸線(L)の方向で見て、前記外側の接続領域(44)と前記貫通案内領域(40)との間に配置されていることを特徴とする、請求項1記載の接続ピン。
【請求項13】
内燃機関の排ガス装置の排ガスヒータの加熱導体を電気的に接触接続させるための接続ユニットであって、電気絶縁されてピン支持体(30)に支持された、請求項1記載の接続ピン(36)を有する、接続ユニット。
【請求項14】
前記接続ピン(36)は、好ましくはセラミック絶縁材料(34)によって前記ピン支持体(30)に支持されていることを特徴とする、請求項13記載の接続ユニット。
【請求項15】
内燃機関用の排ガス装置であって、少なくとも1つの加熱導体接続領域(18,20)、好ましくは2つの加熱導体接続領域(18,20)を備える加熱導体(16)を備えて排ガス案内構成要素(12)内に配置された排ガスヒータ(14)を有し、少なくとも1つの加熱導体接続領域(18,20)、好ましくは各々の加熱導体接続領域(18,20)に割り当てられるように、請求項13または14記載の接続ユニット(22,24)が設けられており、該接続ユニット(22,24)の前記ピン支持体(30)は、排ガス案内構成要素(12)に固定されており、前記接続ユニット(22,24)の前記接続ピン(36)は、前記排ガス案内構成要素(12)に設けられた開口(32)を貫通していて、前記接続ピン(36)の内側の接続領域(42)で前記加熱導体(16)の加熱導体接続領域(18,20)に導電接続されている、排ガス装置。
【外国語明細書】