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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067932
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】赤外線光起電装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0256 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
H01L31/04 320
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023031398
(22)【出願日】2023-03-01
(62)【分割の表示】P 2021078265の分割
【原出願日】2016-02-26
(31)【優先権主張番号】102015102801.8
(32)【優先日】2015-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102015015435.4
(32)【優先日】2015-12-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102015015600.4
(32)【優先日】2015-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】517296961
【氏名又は名称】ダイナミック ソーラー システムズ アクツィエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DYNAMIC SOLAR SYSTEMS AG
【住所又は居所原語表記】Friedrich-Ebert-Anlage 49,60308 Frankfurt,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パトリック リンデル
(72)【発明者】
【氏名】ダニエル リンデル
(57)【要約】
【課題】焼結温度まで加熱することを必要とせずに、固体で安定しており、かつそれらの電気特性において100%可逆性である薄層を提供する。
【解決手段】赤外線光起電装置であって、前記PV層シーケンスは、ガラス担体と、前記電極層の上部に適用された第1の層と、部分的に塩基性のガラス様層として、ケイ素-酸素架橋をガラス様ネットワーク中に含んでなり、かつ部分的に塩基可溶性アルミニウム粒子を無機凝集体として含んでなる、前記第1の層の上部に適用された第2の層と、前記第2の層の上部に適用され、かつ接触電極を有する、透明被覆電極を含み、前記電極層と透明被覆電極との間に、接触点および短い電解質の架橋を介して導電的に相互連結したAlフレークの骨組が供与され、可視光領域におけるPV活性は弱いか存在せず、前記PV層シーケンスは、波長が5マイクロメートルより大きい遠IR範囲における極長波を使用する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
室温において形成されたPV層シーケンスを具備する赤外線光起電装置であって、
前記PV層シーケンスは、
-ガラス担体と、
-銀を含んでなる、前記ガラス担体の上部に適用された電極層と、
-プラスチックマトリックス中にアルミニウム粒子を含んでなる、前記電極層の上部に適用された第1の層と、
-少なくとも部分的に塩基性のガラス様層として、少なくともケイ素-酸素架橋をガラス様ネットワーク中に含んでなり、かつ少なくとも部分的に塩基可溶性アルミニウム粒子を無機凝集体として含んでなる、前記第1の層の上部に適用された第2の層と、
-前記第2の層の上部に適用され、かつ接触電極を有する、透明被覆電極を含み、
前記電極層と透明被覆電極との間に、接触点および短い電解質の架橋を介して導電的に相互連結したAlフレークの硬化した骨組が供与され、
可視光領域におけるPV活性は弱いか存在せず、
前記PV層シーケンスは、波長が5マイクロメートルより大きい遠IR範囲における極長波を使用することを特徴とする、赤外線光起電装置。
【請求項2】
前記層の少なくとも一つが、水溶液中に部分的に含まれていた無機凝集体で形成される、請求項1に記載の赤外線光起電装置。
【請求項3】
前記少なくとも一つの層の硬化は、少なくとも1つの試薬への曝露によって促進される、請求項2に記載の赤外線光起電装置。
【請求項4】
工業的排熱から発生する電磁放射線を電気エネルギーに変換する、請求項1に記載の赤外線光起電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、電気技術的薄層の分野に分類され得る。技術分野は、通常、本発明者らが関与した、独国特許第102015102801号明細書に概説される。周知の手段、特徴および方法が、本出願およびその中に引用される従来技術から認識され得る。マイクロメートルの範囲の厚さを有し、かつ可動性、折り畳み式および屈曲性担体にフレキシブルに担持され得る、問題の種類の層は、一般に知られている。したがって、BASF Corp.のAT 36002 E、公開番号0119051B2には、フレキシブルな基材のためのカバーとして使用され得る適切なアクリレートベースのコーティングが開示されている。このような層を製造するための典型的な構成成分、特性および手段は、この文献から認識できる。
【0002】
本発明は、特定の電気技術的PV層シーケンスで、電気技術的薄層を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
PV層シーケンスは、長い間、研究および開発の対象であった。適切に溶接包装され、かつ接触し、またソーラーパークにおいて屋外に整列される、単結晶および多結晶Siセルは、関連技術分野における確立された製品例である。課題は、これらの古典的セルが、剛性であり、かつフレキシブルではないということである。領域的に延在するパネルは、最適収量を保証するために、常に太陽の一に対して水平面で配向されなければならない。ここで、導電層およびスイッチング層から、PV層を通って、被覆層および保護層まで、電気技術的薄層の担持を提供するフレキシブルな薄層システムが有用となる。本出願人は、この特定の分野において活躍中であり、かつ本出願は、そのような層の製造方法、ならびに本方法によって得られた層複合体および層シーケンスを請求する。
【0004】
問題の種類の層およびPV層シーケンスの保護層および導電層は、本来、導電性および/またはフレキシブルである。適切な導電層および保護層は、例えば、独国特許第19815291B4号明細書およびその中に引用された従来技術に開示されている。
【0005】
確立されたPV導電層およびそのようなPV層複合体の製造方法は、独国特許出願公開第19946712A1号明細書に開示されている。不都合な点は、溶媒および焼結-再反応性物質の存在が、最終熱圧密の間に完全に除去されることが可能であるように、150℃以上の温度を必要とし、実際的な製品例において、最終熱圧密は、450℃で行われることである。
【0006】
これらの課題を考慮に入れて、欧州特許第2119747B1号明細書には、連続導体トラックを得るために、約100℃において過反応性金属ナノ粒子を介して焼結され得る、導電性銀組成物が提案される。しかしながら、この手段でさえ、焼結ステップを実行せずに基材上に、電気技術的薄層、特にPV層シーケンスを製造することは不可能であり、印刷薄層を約100℃、模範的な実施形態においては130℃の焼結温度まで加熱するステップは常に必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】独国特許出願公開第19946712A1号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、本発明が取り組む課題は、従来技術の不都合を克服すること、ならびに工業的方法制度および大表面積製造にもかかわらず、焼結温度まで加熱することを必要とせずに、固体であり、安定しており、かつそれらの電気技術的特性において事実上100%可逆性である薄層を提供することができる方法および本方法による電気技術的薄層を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題への解決策は、独立請求項の特徴に従ってもたらされる。有利な実施形態は、従属請求項および以下の記載から認識できる。
【0010】
本発明によると、導電性および/または半導電性無機凝集体が分散体中で領域的に提供され、硬化されて層が得られる、電気技術的薄層の室温製造方法は、硬化が室温で実行されること、および硬化が少なくとも1種の試薬への暴露によって促進されることを規定する。
【0011】
本方法に従って得られ、かつPV層シーケンスとして得られた電気技術的薄層シーケンスは、薄層シーケンスが、ガラス担体を含んでなり、ガラス担体の上部に適用された電極層を含んでなり、プラスチックマトリックス中にアルミニウム粒子を含んでなる、電極層の上部に適用された第1の層を含んでなり、少なくとも部分的に塩基性のガラス様層として、少なくともケイ素-酸素架橋をガラス様ネットワーク中に含んでなり、かつ少なくとも部分的に塩基可溶性アルミニウム粒子を無機凝集体として含んでなる、第1の層の上部に適用された第2の層を含んでなり、第2の層の上部に適用され、かつ接触電極を有する、透明被覆電極を含んでなり、次に、そのようにして調製されたPV層シーケンスは、長波および極長波赤外線の範囲において光起電力効果を示すことを特徴とする。
【0012】
本発明の詳細および有利な特徴
本発明によると、導電性および/または半導電性無機凝集体が分散体中で領域的に提供され、硬化されて層が得られる、電気技術的薄層の室温製造方法は、硬化が室温で実行されること、および硬化が少なくとも1種の試薬への暴露によって促進されることを特徴とする。
【0013】
本方法は、好ましくは、PV層シーケンスが形成されることを特徴とする。
【0014】
本方法は、好ましくは、少なくとも1つの基層として、少なくとも1種の金属または金属化合物を含んでなる層が適用され、上記少なくとも1種の金属またはその化合物が、鉄鋼、亜鉛、スズ、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉛、鉄からなる群から選択されることを特徴とする。
【0015】
本方法は、好ましくは、導電性基層として、少なくとも1つの金属導電性および/または半導電性層が適用され、かつ少なくとも部分的に硬化されることを特徴とする。
【0016】
本方法は、好ましくは、担体として領域的に延在する材料ウェブが使用され、上記材料ウェブが、ガラス、プラスチック、ポリカーボネート、プラスチックフィルム、金属合金、モーターブロック合金、熱交換器管合金、熱交換器合金、熱交換器熔接合金、セラミック、工業セラミック、天然石、大理石、クレーセラミック、屋根瓦セラミック、ラミネート木材料、床板材料、アルミニウム、階段アルミ合金、印刷回路ボード複合体、集積回路ハウジング材料、プロセッサハウジング化合物からなる材料群から選択される少なくとも1種の材料からなることを特徴とする。
【0017】
本方法は、好ましくは、第1の層の無機凝集体が、プラスチックマトリックス中に分配された金属または金属化合物であり、上記金属または金属化合物の金属の種類が、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、セレン、テルル、銅、銀、金、亜鉛、鉄、クロム、マンガン、チタン、ジルコニウムからなる群から選択されることを特徴とする。
【0018】
本方法は、好ましくは、第2の層の無機凝集体が、少なくとも部分的に無機マトリックス中に整列分配された金属または金属化合物であり、上記金属または金属化合物の金属の種類が、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、セレン、テルル、銅、銀、金、亜鉛、鉄、クロム、マンガン、チタン、ジルコニウムからなる群から選択されることを特徴とする。
【0019】
本方法は、好ましくは、層中、無機マトリックスとして、少なくとも1種の鎖形成または変性要素をガラス様酸化マトリックスとして含んでなるマトリックスが使用され、上記要素が、ホウ素、リン、ケイ素、ヒ素、イオウ、セレン、テルル、非晶形炭素、グラファイト変性炭素、カーボンナノチューブの形態の炭素、多層カーボンナノチューブの形態の炭素、バックミンスターフラーレンの形態の炭素、カルシウム、ナトリウム、アルミニウム、鉛、マグネシウム、バリウム、カリウム、マンガン、亜鉛、スズ、アンチモン、セリウム、ジルコニウム、チタン、ストロンチウム、ランタン、トリウム、イットリウム、フッ素、塩素、臭素、ヨードからなる群から選択されることを特徴とする。
【0020】
本方法は、好ましくは、
-導電性電極層が担体の上部に適用され、
-プラスチックマトリックス中に分配された金属または金属化合物が、第1の層中の無機凝集体として電極層の上部に適用され、
-少なくとも部分的に強塩基性または強酸性酸化マトリックス中の無機金属凝集体の第2の層が、第1の層の上部に適用され、
-適用および硬化の間、金属凝集体は、強酸性または塩基性マトリックスと反応し、次に、マトリックスは、第1の層の金属凝集体と反応し、
-硬化および反応の間、光起電力的に活性な接合が形成され、
-第2の層に、透明被覆電極および/または接触電極が提供され、そして
-光起電力的に活性な層シーケンスが、PV層シーケンスとして適切に接触し、かつ溶接包装されることを特徴とする。
【0021】
図面は、原則としてスケッチを参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、Alフレークを含んでなる純粋なあらかじめ硬化されたプラスチックマトリックスの上部で適用され、かつ硬化された、その中に担持され、かつ部分的に可溶化されたシロキサン部分およびAlフレークを含んでなるプラスチックマトリックスを上面に含んでなるPV二重層のSEM平面図である。
図2図2は、図1によるSEM像の拡大図である。
図3図3は、図1および2によるPV二重層の底面のSEM像である。
図4a図4aは、出発値、変動およびそれぞれの最終値の例示による、46℃から31℃に低下する水/セルの温度の作用としてのPV二重層を包囲するように配置された熱水のみによって発生可能であるPV二重層からの光起電力的にタップ可能な電位の測定である。
図4b図4bは、図4で例示された挙動の説明のために提供された、従来技術による波長の作用としての大気中HOの光吸収極大である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
有利な実施形態において、本発明による方法によるPV層シーケンスとして得られた電気技術的薄層シーケンスは、薄層シーケンスが、
-ガラス担体を含んでなり、
-銀を含んでなる、ガラス担体の上部に適用された電極層を含んでなり、
-プラスチックマトリックス中にアルミニウム粒子を含んでなる、電極層の上部に適用された第1の層を含んでなり、
-少なくとも部分的に塩基性のガラス様層として、少なくともケイ素-酸素架橋をガラス様ネットワーク中に含んでなり、かつ少なくとも部分的に塩基可溶性アルミニウム粒子を無機凝集体として含んでなる、第1の層の上部に適用された第2の層を含んでなり、
-第2の層の上部に適用され、かつ接触電極を有する、透明被覆電極を含んでなり、次に、
-そのようにして調製されたPV層シーケンスは、長波および極長波赤外線の範囲において光起電力効果を示すことを特徴とする。
【0024】
さらなる有利な実施形態において、外側部位のためのアクリレートベースの塗料を、アルミニウムフレーク(銀色の外観を有する塗料のための塗料工業の顔料添加)と混合し、均質化して、そして第1の層を、半透明の導電性金属層であらかじめコーティングされた約10cm×10cmの面積を有するガラス担体上に堆積させる。アルミニウムフレークを含んでなるアクリレートベース層を、5分間、室温、空気中であらかじめ硬化する。その後、同一アクリレートベースの塗料の第2の混合物をアルミニウムフレークから作成し、シリカゾルと混合し、そして冷却された撹拌器中、水酸化ナトリウム水溶液で塩基pHに調整し、そして均質化する。なお反応性の混合物を、第2の層として、第1のあらかじめ硬化された層の上部に適用し、そして均一に、かつ被覆するように分配させる。アルミニウムが少なくとも部分的に可溶化する平行反応が、両層の最終硬化を促進する。そのようにして得られた層複合体は、その上部において、Buschからの室温導電性銀から製造されたフィンガー電極が提供される。図1の走査電子顕微鏡像(SEM)に示されるように、そのようにして得られた層は、その上部において、塩基溶解水ガラスがシロキサン部分を提供するプラスチックマトリックスによって特徴づけられる。マトリックス中に担持されたAlフレークは可溶性であり、かつ確実にプラスチックマトリックスに融合する。図2によって教示されるように、Alフレークは表面までプラスチック層を通過して、そして接触点および短い電解質の架橋を介して導電的に相互連結したAlフレークから製造された骨組みの直接的な電気的接触を可能にする。小刀を使用してのプラスチック二重層のフレキシブルセグメントの分離によって、二重層が、フレキシブルな固体の除去可能な複合体として存在することが示された。なお、除去されたセグメントは、SEMによってその底部側が試験された。図3のSEM像によって示されるように、底部においても非常に多くのAlフレークが存在し、そして半透明電極の相界面と領域接触し、かつ電気的接触を可能にする。
【0025】
二重層の上部は、Buschからの室温導電性銀から製造されたフィンガー電極が提供され、そして透明な接着可能なITOフィルムと補足的に領域的に接触する。その後、被覆電極および底部電極は接触し、そしてセルはPV活性に関して調査された。二重層は、最初に、可視光による冷光LED光源を使用して、PV活性に関して調査された。光起電力流は、弱いか、存在しなかった。1~4秒の短時間の加温段階の後、ハロゲンランプによる照射時に、100mVを越える明らかな光起電力の電位差が測定された。LED自転車ランプを作動するための一定の負荷をタップすることは可能であった。これがペルチエ効果に帰因するかどうかという疑問が生じる。これを試験するために、全接触セルの上部および底部において、接触線が導入され、かつ完全に10リットルの熱水に浸漬された、水を通さない真空バッグ中で溶接包装された熱電対を提供した。約5分間の加熱時間の後、全ての熱電対の温度は同一であった。被覆電極と底部電極との間の光起電力の電位差は有意であり、そして相対的に水の温度によってゆっくり低下するセル温度に依存した。出発値、最終値および中間で生じる値変動はデジタル方式で記録され、そして図4の図に複製される。図4aによって示されるように、PV二重層からの光起電力的にタップ可能な電位の測定によって、46℃から31℃まで低下する水温に対する相対的な依存を示し、すなわち、温度が低いほど、タップ可能な電位が低い。しかしながら、ペルチエ要素において、次いで測定可能なゼーベック効果に関して必要とされるだろう温度勾配は、周囲の水によって確実に測定されない。均一に加熱された水に完全に包囲されるセルの温度は、勾配を示さない。
【0026】
ピザ窯において、除去され、包装から取り出されたセルの検証によって、驚くべきことに、50℃まで、ピザ窯の加熱壁からのセルの距離において、十分な熱放射がセルに達しないことを示した。図4bによって示されるように、空気中での波長の作用としてのHOの周知の光吸収極大は、波長の範囲5~10マイクロメートルで有意である。
【0027】
本発明者らは、特に、熱水が、したがって、この波長範囲で放出して、したがって、選択された実験的なセットアップにおいて最も高い効率で、適切なエネルギーのフォトンに提供すると考える。測定された結果は、5マイクロメートルを越える遠IR範囲までの長波において、利用可能なバンドギャップを明らかに示す。しかしながら、これはまた逆に、高い熱入射においては、セルの周囲で薄い空気層を貫入するため、かつ電流を発生することが可能であるように、十分な熱放射が必要であろうことを意味する。これは以下のように確認された。ピザ窯中、80℃において、加熱窯石および二重層との間で2cmのエアギャップで、上記のとおり製造され、かつ接触する二重層は、冷却の間は再び温度に相対的に低下し、かつ約60℃で後退する明らかに測定可能な電流を送達する。本発明により製造された二重層シーケンスによって、従来技術では不利に無視され、かつ調査されなかった波長範囲である遠IR照射までの極長波光フラクションまでの長波の有利な光起電力の利用を達成することが可能となる。上記されたセルを電圧計に接続し、そしてその上に配置されたフラットハンドによって加熱される場合、それぞれの測定可能な表面温度に対して相対的である電位差が確立される。工業的排熱および/または体熱は、特に、本発明により製造されたPV層シーケンスで、有効に、かつ効果的に利用され得る。
【産業上の利用可能性】
【0028】
これらが常に高温の焼結ステップを必要とすることが従来技術による方法の課題である。さらなる課題は、フレキシブルな薄層、特にPV層が、しばしば、このような温度に耐性を示さず、さらには工業的排熱および/または長波フォトンの利用を可能にしないということである。
【0029】
これらの課題への解決策は、硬化間の追加反応が硬化を促進し、かつ改善する方法によって提供され得る。これは、特に、全体的に金属粒子が存在し、かつ上部層に、塩基可溶化シロキサン部分および金属粒子が存在するプラスチックマトリックスを含んでなり、塩基可溶化の間の相互最終硬化によって、工業的排熱および/または長波IR照射が光起電力的手段によって利用可能となるPV層シーケンスを製造することが可能となる、二重層シーケンスを有利に可能にする。工業的排熱/熱/体熱の効果的な利用によって、非常に多くの分野において明らかな経済的利点を提供する。
図1
図2
図3
図4a
図4b