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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067954
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】加湿装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 6/00 20060101AFI20230509BHJP
【FI】
F24F6/00 A
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032378
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2019024548の分割
【原出願日】2019-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000109026
【氏名又は名称】ダイニチ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 直紀
(72)【発明者】
【氏名】阿部 利浩
(72)【発明者】
【氏名】入倉 義也
(57)【要約】
【課題】フロートの変形を引き起こすことなく水位検知部を着脱自在とすることでメンテナンス性に優れた加湿装置を提供すること。
【解決手段】加湿装置は、水槽部7の水位を検知するフロート16およびフロート16が回動可能に装着される枠体17を有する水位検知部13を備えている。枠体17は水槽部6に着脱自在であり、さらに底面と側面とに囲まれた空間部を備え、フロート16の全体がこの空間部内に配設される。これにより、フロート16に手を触れることなく水位検知部13を着脱することができる。したがって、フロート16が変形するおそれがなく、水位検知部13の着脱を容易に行うことができるため、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加湿空気を発生させる加湿手段と、
本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、
前記水槽部の水位を検知するフロートおよび前記フロートが回動可能に装着される枠体を有する水位検知部と、を備え、
前記枠体が前記水槽部に着脱自在であって、底面と側面とに囲まれた空間部を備え、
前記フロートの全体が前記空間部内に配設される加湿装置。
【請求項2】
前記枠体の底面は、水が流通する通水孔と、
前記水槽部に当接する当接部と、を備える請求項1記載の加湿装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内空気の加湿を行う加湿装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、加湿装置においては、水を貯留する水槽を内部に備え、水槽に貯えられた水を加湿手段等によって気化させるなどして加湿空気を発生させるようになっている。そのため、水を貯える水槽の底部は常に水に浸かった状態であり、水に浸かった部分には水垢などの汚れが付着する。この汚れを放置すると雑菌が繁殖して臭いが発生する原因になるため、水槽には定期的なメンテナンスが必要とされる。
【0003】
一般的に、水槽は本体に着脱自在となっていて、水槽のメンテナンスに際しては本体から取り外して水洗いをするようになっている。また、水洗いの際に水槽の汚れを落としやすくするためには、水槽には凹凸が少ないほうがよい。そこで、水槽の水位を検知するフロートを着脱式とした加湿装置が提案されている(例えば、特許文献1)。メンテナンスの際にはフロートを取り外して水洗いすることで、フロートの周辺部分の汚れも容易に洗い流すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-89276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のフロートは水槽内の水位によって上下動することで水位を検知するものであるため、例えば発泡樹脂などの軽くて水に浮く素材から構成されている。そのため、フロートの強度は弱く、直接手で触れて取り外したりすると変形してしまう可能性がある。フロートが変形すると正確に水位を検知することができなくなり、加湿装置の動作に悪影響を及ぼすことになる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためのもので、フロートの変形を引き起こすことなく、容易に着脱できるようにすることでメンテナンス性に優れた加湿装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、加湿空気を発生させる加湿手段と、
本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、
前記水槽部の水位を検知するフロートおよび前記フロートが回動可能に装着される枠体を有する水位検知部と、を備え、
前記枠体が前記水槽部に着脱自在であって、底面と側面とに囲まれた空間部を備え、
前記フロートの全体が前記空間部内に配設される加湿装置である。
【発明の効果】
【0008】
上述のように構成することにより、フロートに直接手を触れることなく水位検知部を着脱することができるため、フロートを変形させてしまうおそれがなく、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態の加湿装置の外観斜視図である。
図2】本実施形態の加湿装置の構成を示す外観図である。
図3】本実施形態の加湿装置における貯水部の構成を示す斜視図である。
図4】本実施形態の加湿装置における貯水部を構成する部品を示す分解図である。
図5】本実施形態の水位検知部の斜視図である。
図6】本実施形態の水位検知部の断面図である。
図7】本実施形態の水位検知部を構成する枠体の上面図である。
図8】本実施形態の水槽部の斜視図である。
図9】他の実施形態の水位検知部の正面図である。
図10】他の実施形態の水位検知部の側面図である。
図11】他の実施形態の水位検知部の取付状態を示す図であって、(A)は固定手段による固定が解除されている状態、(B)は固定手段によって固定されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
好適と考える本発明の実施形態を、本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0011】
本発明は、加湿空気を発生させる加湿手段と、本体の挿入口より装着されて水を貯える水槽部と、水槽部に着脱自在な水位検知部とを備える。そして、水位検知部は水槽部の水位を検知するフロートと、このフロートが装着される枠体を有しており、枠体を介して水槽部に着脱される構造である。そのため、フロートに手を触れることなく水位検知部を着脱することができる。したがって、フロートが変形するおそれがなく、水位検知部の着脱を容易に行うことができるため、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【0012】
また、水槽部は、枠体が接続される水槽側接続部を水面よりも高い位置に備える。これにより、水槽部と水位検知部との接続箇所が水に浸ることがなく、水垢等の汚れが付着することが防止されるためよりメンテナンス性に優れることとなる。
【0013】
また、枠体は水槽側接続部に対して上方から接続する枠体側接続部を有する。これにより、水位検知部の着脱は、水槽部の水面に対して上方から行うこととなり、手を水に浸すことなく着脱が可能となることで利便性が向上する。
【0014】
また、枠体側接続部は、水槽側接続部に固定する固定手段を備え、固定手段の操作部は枠体側接続部の上面に設けられている。これにより、簡単な操作で水位検知部を水槽部に固定することが可能となるため、水位検知部の誤検知を防止することができるとともに、着脱時の利便性が向上する。
【0015】
また、枠体は、操作部の固定操作および固定解除操作に応じて、水槽部に対して、少なくとも高さ方向の位置が変動する。これにより、水位検知部が水槽部に固定されているかが容易に視認されるため、水位検知部が固定されていない状態で使用されてしまうことを防止することができる。そして、高さ方向の位置の変動幅を、フロートの位置を検知する検知素子が作動しなくなる距離よりも大きく設定すれば、固定されていない状態で加湿運転が行われてしまうことを防止することもできる。
【0016】
また、枠体の高さ方向の位置を変動させる手段として、固定手段には水槽部側接続部に係止する係止部を設け、水槽部にはこの係止部が当接する傾斜面とを設け、係止部が傾斜面に当接する位置が、操作部の操作に応じて高さ方向に変動するように構成した。これにより、枠体の高さ方向の位置を確実に変動させることができるため、水位検知部が固定されていない状態で使用されてしまうことをより効果的に防止することができる。
【0017】
また、枠体は前記水槽部の底面に当接することで、水位検知部の上下方向の位置決めが可能となるため、水位検知部の誤検知をより効果的に防止することができる。
【0018】
また、前記枠体は、底面と側面とに囲まれた空間部を備え、フロートが前記空間部に配設される。枠体を上記形状とすることで、強度を確保して変形を防止することができる。
【0019】
また、枠体の底面は、水が流通する通水孔と、水槽部に当接する当接部と、を備える。これにより、枠体の強度を確保しつつ水槽部の水位を検知することが可能となる。
【0020】
また、水槽部を、給水タンクを収容するタンク収容部と、加湿手段を収容する加湿手段収容部とに区画する仕切部を備え、この仕切部は水位検知部とともに水槽部に着脱自在に設けられる。これにより、水槽部のメンテナンスの際には、水位検知部と仕切部とを取り外すことができるため、よりメンテナンス性を向上させることができる。
【実施例0021】
以下、本発明の一実施例を図面により説明する。
【0022】
図1は、本実施形態の加湿装置の外観斜視図であり、図2は、加湿装置の構成を示す外観図である。加湿装置の本体1の上面には、加湿装置の動作を指示するためのスイッチや運転状態を表示するランプ等が複数設けられた表示操作部2と、加湿空気を吹き出す吹出口3が設けられている。また、本体1の側面には室内の空気を本体1に取り入れるための吸込口4が設けられ、後述する水槽部7に水を供給する給水タンク5が本体1に着脱自在に設けられている。本実施形態の加湿装置では、給水タンクとして、第一給水タンク5a、第二給水タンク5bの2つの給水タンクを備えているが、給水タンク5は1つでもよい。そして本体1の正面には、給水タンク5内の水量を確認することのできる水量窓6が設けられている。
【0023】
また、本体1の底部には、給水タンク5(第一給水タンク5a、第二給水タンク5b)から水が供給されて一定量の水を貯える水槽部7を備えている。この水槽部7内には、吸水性を有する気化フィルタ8(8a、8b)が配置されていて、気化フィルタ8は一部が水槽部7内の水に浸漬されており、この水を吸い上げることにより湿潤している。水槽部7は天面が開口した形状であり、2つの給水タンク5a、5bを取り外すと本体1の挿入口1aから引出せるように摺動可能に設けられている。
【0024】
図3は、本実施形態の加湿装置における貯水部の構成を示す上面図であり、図4は、貯水部を構成する部品を示す分解図である。貯水部9は、上述の水槽部7と、水槽部7に立設する仕切部12と、水槽部7内の水位を検知する水位検知部13とを備えている。仕切部12と、水位検知部13は水槽部7に着脱自在に設けられている。
【0025】
水槽部7の内部は、仕切部12によって、2つの給水タンク5a、5bを収容する給水タンク収容部14と、気化フィルタ8を収容する気化フィルタ収容部15に区画されている。そして、この仕切部12には、給水タンク収容部14と気化フィルタ収容部15を連通する連通孔12aが設けられていて、給水タンク5から水槽部7に供給された水は、給水タンク収容部14からこの連通孔12aを介して気化フィルタ収容部15に流入し、水槽部7には一定量の水が貯えられて定水面が形成される。
【0026】
仕切部12は、左右両端に形成された係止爪12bを水槽部7に設けられた取付片7aに引っ掛けることで水槽部7に取り付けられる。また、仕切部12の気化フィルタ収容部15側の面には、気化フィルタ8を保持するリブ(図示せず)が設けられている。
【0027】
水位検知部13は、水槽部7内の水位に応じて上下に回動するフロート16と、フロート16が装着される枠体17を備えており、枠体17を介して水槽部7に取り付けられる。
【0028】
なお、本実施形態では、図4に示すように水位検知部13と仕切部12は別の部材で構成されていて、分解することができるが、水位検知部13は仕切部12に固定されるようになっている。そのため、水位検知部13は仕切部12とともに着脱することができる。なお、水位検知部13と仕切部12は分解できないような構造であっていてもよい。
【0029】
図5は、本実施形態の水位検知部の斜視図であり、図6は、本実施形態の水位検知部の断面図である。そして図7は、水位検知部を構成する枠体の上面図である。枠体17は、底面171と、この底面171から立設した4つの側面172(前側面172a、右側面172b、左側面172c、後側面172d)とを備える有底箱形状であり、底面171と側面172とに囲まれた空間である空間部18内にフロート16が収容されている。なお、枠体17は、底面171と側面172の他に上面を備えた形状であってもよい。
【0030】
枠体17の右側面172bの内側には、フロート16の回動軸16aを受ける軸受部174と、フロート16の上方向への回動を規制するストッパー175が設けられている。このストッパー175により、水位検知部13を取り外して上下を逆にしたとしても、フロート16は枠体17の外に出ないようになっている。
【0031】
また枠体17は、水槽部7と接続するための枠体側接続部173を備えている。枠体側接続部173は、前側面172aの上端から外側に向って水平方向に延びており、この枠体側接続部173を後述する水槽部側接続部23に接続することによって水位検知部13が水槽部7に取り付けられる。さらにこの枠体側接続部173には、水位検知部13を水槽部7に固定するための固定手段19が取り付けられている。
【0032】
固定手段19は、枠体側接続部173の上面に設けられた操作部191と、枠体側接続部173の下面に設けられた係止部192とを備えている。操作部191と係止部192とは連結部材193によって連結されており、操作部191の操作に連動して係止部192が動作するようになっている。具体的には、操作部191を回動させることで係止部192も回動するようになっていて、係止部192が回動することで水位検知部13が水槽部7に固定される。本実施形態においては、操作部191を時計周りに回すことで固定され、反時計回りに回すことで固定が解除されるようになっている。
【0033】
なお、ここで示す固定手段19の構造は一例であって、固定手段19は水位検知部13と水槽部7とを固定することができればよく、本実施形態の構造に限定されるものではない。例えば、操作部191と係止部192との連結に連結部材193を用いることなく、操作部191と係止部192とを直接連結させてもよいし、操作部191と係止部192を一体に形成してもよい。さらには、固定手段19と枠体側接続部173とが一体であってもよい。
【0034】
枠体17の底面171と、右側面172bおよび左側面172cには通水孔20が形成されており、この通水孔20を介して空間部18の内と外を水が流通するようになっている。さらに枠体17の底面171には、下方すなわち水槽部7側に向けて凸となる当接部21が形成されている。これにより、水位検知部13を水槽部7に装着すると、この当接部21が水槽部7の底面と当接するため、枠体17の底面171と水槽部7の底面との間には水が流通する隙間が形成される。水槽部7内の水は、この隙間を通って空間部18の内と外とを効率よく流通するので、空間部18内に設けられたフロート16は水槽部7内の水位を正確に検知することができる。なお、本実施形態においては、通水孔20は底面171だけでなく右側面172bと左側面172cにも設けられているが、通水孔20は少なくとも底面171に設けられていればよい。
【0035】
図8は、本実施形態の水槽部7の斜視図である。水槽部7の給水タンク収容部14は、その内周壁に内側に張り出した膨出部22を有し、この膨出部22の上面には水槽部側接続部23が形成されている。前述の水位検知部13の枠体側接続部173は、この水槽部側接続部23に重ね合わせるようにして上方から接続され、固定手段19によって固定される。なお、水槽部側接続部23は定水面よりも上方に位置し、上面には固定手段19の係止部192が挿入される開口23aを有している。
【0036】
上記構成の加湿装置では、表示操作部2の運転スイッチを操作して運転開始の指示を行うと、図示しない送風機が駆動される。送風機の駆動により、室内の空気は吸込口4から本体1内に取り入れられ、取り入れられた空気は気化フィルタ8を通過する際に加湿空気となって吹出口3から排出されて加湿運転が行われる。
【0037】
なお、加湿運転を長期に亘って行うと、水槽部7には水垢やスケールなどの汚れが付着するので、加湿装置は水槽部7の清掃時期を判断して、使用者に報知するようになっている。例えば、加湿装置の稼働時間を計測し、稼動時間が所定時間に達すると表示操作部2のランプを点灯したり、警報音を出すなどして使用者に報知する。使用者はこの報知に基づき、水槽部7のメンテナンスを行う。水槽部7のメンテナンスとは、具体的には水槽部7内に溜まっている水を捨て、水槽部7を水洗いすることにより行われる。
【0038】
次に、上述の報知を受けてメンテナンスを行う際に、水位検知部13を着脱する手順について説明する。
【0039】
水位検知部13は、通常の使用状態においては水槽部7に固定された状態となっている。そのため、水槽部7から水位検知部13を取り外す場合は、まず固定手段19の操作部191を反時計回りに回して固定手段19による固定を解除する。固定が解除されると、枠体17を持って上方に持ち上げることで水位検知部13を容易に取り外すことができる。
【0040】
水位検知部13を取り外したことで、水槽部7の凹凸が少なくなるため水洗いが容易になる。また、取り外した水位検知部13も水洗いすることで汚れを容易に落とすことができる。なお、水位検知部13の枠体側接続部173は、水槽部7に取り付けられている状態では水に浸かっておらず、この部分には水垢等の汚れが付着し難い。よって、水洗いが必要な箇所は少なく、清掃の手間が軽減される。
【0041】
次に、水槽部7に水位検知部13を取り付ける場合には、枠体17を持ち、固定手段19の係止部192を水槽部側接続部23の開口23aから挿入するようにして設置位置に載置する。その後、操作部191を時計回りに回して水位検知部13を水槽部7に固定する。なお、水位検知部13を水槽部7に取り付けた際に、枠体17と水槽部7の底面とが当接することで、水位検知部13の上下方向の位置決めがされる。これにより、水位検知に誤作動が発生することを防止することもできる。
【0042】
このように、水位検知部13は枠体17を介して水槽部7に着脱自在な構造であるため、取り付け、取り外しのいずれの場合においても、使用者はフロート16に触れることなく作業を完了させることができる。よって、フロート16を変形させてしまうおそれはなく、かつ容易に水位検知部13を着脱することができるため、メンテナンス性に優れた加湿装置となる。
【0043】
そして枠体17は、少なくとも底面171と側面172とを備えた形状とすることで、強度が確保されるので、枠体17が変形してしまうことが防止される。さらには、取り外した水位検知部13を落としたりぶつけたりしてしまった場合でも、フロート16は枠体17内に収容されているので、フロート16が変形してしまうことも防止される。
【0044】
また、水位検知部13は、水槽部7に対して上方から接続する枠体側接続部173を有しているので、水位検知部13の着脱は水槽部7の上方から行うこととなる。つまり、水位検知部13を取り外す場合は持ち上げる、取り付ける場合は設置位置に載置するだけでよい。そのため、水槽部7の水に手を浸すことなく着脱することができる。さらには、取り付け箇所を容易に確認することができるので作業性にも優れることとなる。
【0045】
ただし、水位検知部13の取り付けが不完全な状態であると、正確に水位を検知することができなくなってしまう問題が発生する。そのため、枠体側接続部173には固定手段19を設け、固定手段19を操作することで水槽部側接続部23に固定するようになっている。これにより、水位検知部13の浮きや位置ズレを防止して正確な水位検知を行うことができる。この固定手段19は、枠体側接続部173の上面に設けた操作部191により操作するようになっているため、水槽部7の水に手を浸すことなく固定および解除の動作を行うことができる。
【0046】
次に、本発明のその他の実施形態を図9図10図11を用いて説明する。本実施形態の水位検知部13は、固定手段29の形状が前述の実施形態と異なっており、その他の構成は同じである。そのため、以下では前述の実施形態と同じ構成については同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0047】
図9は、水位検知部の正面図であり、図10は水位検知部の側面図である。固定手段29は、水槽部7への固定および固定解除の操作を行う操作部291と、操作部291の操作に連動して回動する係止部292を有している。係止部292は、水平方向に延びる係止片292aと、垂直方向下向きに延びる当接片292bとを備えていて、操作部291を操作すると図9に破線で示す軸線Xを中心にして係止片292aと当接片292bの位置が移動する。
【0048】
図11は、水位検知部の取付状態を示す断面図である。水槽部側接続部23には、水槽部7に向って下方に傾斜する傾斜面23bが形成されており、傾斜面23bに係止部292の当接片292bが当接するようになっている。また、水槽部7の底面を挟んでフロート16と対向する位置にリードスイッチ24が設けられていて、フロート16の底面にはマグネット(図示せず)が設けられており、リードスイッチ24がこのマグネットを検知することにより、水槽部7には水があると判断して加湿装置の運転が行われる。
【0049】
図11(A)は、水位検知部13の固定が解除されている状態を示していて、係止部292の当接片292bは水槽部側固定部23の傾斜面23bの上方に当接している。そのため、水槽部側接続部23に対して枠体側接続部173が浮き上がったようになっており、使用者は固定が解除された状態であることを容易に視認することができる。
【0050】
さらには、枠体17の底面171と水槽部7の底面との間には隙間Saが発生し、この隙間によってリードスイッチ24とマグネットの距離が離れてしまう。もし、水槽部7内に水が所定量あったとしても、隙間Saがあるためにリードスイッチ24はマグネットを検知することができない。これにより、水槽部7には水がないと判断されて、加湿運転は行われない。よって、水位検知部13が固定されていない状態で運転が行われることが防止される。
【0051】
一方、図11(B)は、水位検知部13が水槽部7に固定されている状態を示している。図11(A)の状態から操作部291を固定方向に回動させると、その動作に連動して係止部292も回動し、当接片292bの位置が移動する。これにより、当接片292bが当接する傾斜面23bの位置が移動し、図11(B)に示す状態となる。この状態では、係止部292の当接片292bは水槽部側接続部23の傾斜面23bの下方に当接しており、前述のような隙間Saが発生しない。そのため、水槽部7内に水が所定量あれば、リードスイッチ24はマグネットを検知することができる。これにより、水槽部7には水があると判断されるため、加湿運転を行うことができる。
【0052】
このように、操作部291の固定操作および固定解除操作に応じて、水槽部7に対する枠体17の高さ方向の位置が変動するようにすることで、使用者は水位検知部13が固定されているかを容易に判断することができる。また、枠体17の高さ方向の位置が変動することで、水槽部7に水があったとしてもリードスイッチ24は水なしを検知することになるため、水位検知部13が固定されていない状態で運転が行われることが防止される。これにより、水位検知部13の誤検知を防止することができる。
【0053】
なお、本実施形態では、操作部291の固定操作および固定解除操作に応じて、枠体17の高さ方向の位置が変動するような構成を例に説明したが、高さ方向だけでなく横方向の位置も変動するようにしてもよい。ただし、少なくとも高さ方向の位置が変動することで、使用者に対して固定が解除されていることを視認させることができる。
【符号の説明】
【0054】
1 本体
1a 挿入口
5 給水タンク
7 水槽部
8 気化フィルタ(加湿手段)
12 仕切部
13 水位検知部
14 給水タンク収容部
15 気化フィルタ収容部(加湿手段収容部)
16 フロート
17 枠体
171 底面
172 側面
173 枠体側接続部
18 空間部
19、29 固定手段
191、291 操作部
192、292 係止部
20 通水孔
21 当接部
23 水槽部側接続部
23b 傾斜面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11