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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023067956
(43)【公開日】2023-05-16
(54)【発明の名称】照明器具
(51)【国際特許分類】
   H05B 47/19 20200101AFI20230509BHJP
   H05B 47/16 20200101ALI20230509BHJP
   H05B 47/11 20200101ALI20230509BHJP
   H05B 47/125 20200101ALI20230509BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20230509BHJP
   H04Q 9/02 20060101ALI20230509BHJP
【FI】
H05B47/19
H05B47/16
H05B47/11
H05B47/125
H04Q9/00 301D
H04Q9/02 B
H04Q9/00 311J
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023032442
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2020113951の分割
【原出願日】2020-07-01
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135389
【弁理士】
【氏名又は名称】臼井 尚
(72)【発明者】
【氏名】尾形 大輔
(72)【発明者】
【氏名】稲村 公孝
(72)【発明者】
【氏名】香川 修志
(72)【発明者】
【氏名】松本 豊明
(72)【発明者】
【氏名】粟野 隆一郎
(57)【要約】
【課題】 より適切にセンサによって測定することが可能な照明器具を提供すること。
【解決手段】 光源部11と、制御部12と、第1無線通信部141および第2無線通信部142を有する無線通信モジュール14と、電源部16と、を備え、第1無線通信部141は、他の照明器具と第1プロトコルを用いた無線通信を行い、第2無線通信部142は、センサ機器と第2プロトコルを用いた無線通信を行い、第2無線通信部142によってセンサ機器から受信した測定データを、第1プロトコルを用いた無線通信によって転送可能な転送データに変換する。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部と、制御部と、第1無線通信部および第2無線通信部を有する無線通信モジュールと、電源部と、を備え、
第1無線通信部は、他の照明器具と第1プロトコルを用いた無線通信を行い、
第2無線通信部は、センサ機器と第2プロトコルを用いた無線通信を行い、
前記第2無線通信部によって前記センサ機器から受信した測定データを、前記第1プロトコルを用いた無線通信によって転送可能な転送データに変換する、照明器具。
【請求項2】
前記第1無線通信部による無線通信と前記第2無線通信部による無線通信とは、互いの通信タイミングが異なる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記第1プロトコルと前記第2プロトコルとは、互いの通信が干渉しないように通信周波数が異なる、請求項1に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第2プロトコルを用いた無線通信は、前記第1プロトコルを用いた無線通信よりも通信距離が短い、請求項1に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信を利用して複数の照明器具を制御する照明システムが種々に提案されている。特許文献1には、従来の照明システムの一例が開示されている。同文献に開示された照明システムは、近距離通信が可能な複数の照明器具を備える。複数の照明器具は、複数のグループのいずれかに属している。各グループに含まれる1つの照明器具は、遠距離通信が可能である。この遠距離通信により、各グループ間の無線通信が可能である。また、いずれかの照明器具は、センサを備えている。このセンサの測定データが、無線通信を介して送受可能とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2017-533567号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサが備えられる照明器具は、設置された場所を照らすためのものであり、屋内や屋外などにおいて照明に適した位置に設けられる。しかし、対象となる物理量をセンサが測定するにあたり、照明器具が設置される位置が、当該物理量の測定に適した位置であるとは限らない。このため、センサによる測定が適切に行われないことが懸念される。
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、より適切にセンサによって測定することが可能な照明システムを提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される照明システムは、複数の照明器具と、前記複数の照明器具を制御する制御装置と、を備え、前記照明器具は、第1プロトコルを用いた無線通信を行う第1無線通信部と、第2プロトコルを用いた無線通信を行う第2無線通信部と、を有し、前記制御装置は、前記第1プロトコルを用いて前記複数の照明器具と無線通信を行い、前記第2プロトコルを用いて前記複数の照明器具のいずれかと無線通信を行うセンサ機器をさらに備え、前記照明器具は、前記第2無線通信部によって前記センサ機器から受信した測定データを、前記第1プロトコルを用いた無線通信によって転送可能な転送データに変換し、当該転送データを前記第1通信部から直接または他の照明器具を介して前記制御装置に転送する。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記複数の照明器具は、第1センサ機器から第1測定データを受信する第1照明器具、第2センサ機器から第2測定データを受信する第2照明器具、および前記第1照明器具および前記第2照明器具から前記転送データを受信する第3照明器具を含み、前記第1測定データおよび前記第2測定データは、各々の測定値と測定時刻とを含み、前記第3照明器具は、前記第1照明器具からの第1転送データと前記第2照明器具からの第2転送データとを受信した後に、前記第1転送データと前記第2転送データとを一括して前記制御装置に転送する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記センサ機器は、各々に特有の機器IDを有し、前記制御装置は、前記センサ機器毎に機種属性データを保有しており、前記センサ機器は、前記測定データとして測定値のみを送信し、前記制御装置は、前記機器IDに基づいて、前記測定データの測定値を前記機種属性データと対応付けて保存する。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記センサ機器に対応付けられ且つ当該センサ機器が無線通信を行う前記照明器具と前記第2プロトコルを用いて無線通信を行う電子機器をさらに備え、前記制御装置は、前記電子機器の制御基準となる基準データを有しており、前記転送データと前記基準データとに基づいて前記電子機器の状態を変化させる要否判断を行い、前記電子機器の状態変化が必要である場合に、前記複数の照明器具を介して前記電子機器の状態を変化させる要求信号を送信する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より適切にセンサによって測定することが可能な照明システムを提供することができる。
【0011】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る照明システムの照明器具を示すブロック図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る照明システムのセンサ機器を示すブロック図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る照明システムの制御装置を示すブロック図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る照明システムの携帯端末を示すブロック図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る照明システムのシーケンスダイアグラムである。
図7】本発明の第1実施形態に係る照明システムのシーケンスダイアグラムである。
図8】本発明の第2実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図9】本発明の第2実施形態に係る照明システムのシーケンスダイアグラムである。
図10】本発明の第3実施形態に係る照明システムの機種属性データおよび測定値を示す表である。
図11】本発明の第4実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図および表である。
図12】本発明の第4実施形態に係る照明システムの電子機器を示すブロック図である。
図13】本発明の第4実施形態に係る照明システムのシーケンスダイアグラムである。
図14】本発明の第4実施形態に係る照明システムのシーケンスダイアグラムである。
図15】本発明の第4実施形態に係る照明システムの携帯端末を示す平面図である。
図16】本発明の第5実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図17】本発明の第6実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図18】本発明の第7実施形態に係る照明システムを示すシステム構成図である。
図19】本発明の第7実施形態に係る照明システムのリレーユニットを示すブロック図である。
図20】本発明の第7実施形態に係る照明システムの変形例を示すシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0014】
本開示における「第1」、「第2」、「第3」等の用語は、単にラベルとして用いたものであり、それらの対象物に順列を付することを意図していない。
【0015】
<第1実施形態>
図1図5は、本発明の第1実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA1は、複数の照明器具L、センサ機器Es、制御装置Ctおよび携帯端末Mdを備えている。なお、本実施形態とは異なり、携帯端末Mdを備えない構成であってもよい。
【0016】
図1は、照明システムA1を示すシステム構成図である。図2は、照明システムA1の照明器具を示すブロック図である。図3は、照明システムA1のセンサ機器を示すブロック図である。図4は、照明システムA1の制御装置を示すブロック図である。図5は、照明システムA1の携帯端末を示すブロック図である。
【0017】
〔照明器具L〕
複数の照明器具Lは、たとえば屋内の照明に用いられ、天井、壁面、床面等の種々の箇所に設置される。また、照明器具Lは、屋外の照明に用いられる構成であってもよい。照明器具Lの具体的な形態は何ら限定されず、直管形蛍光灯の代替照明や高天井照明、シーリングライト、ダウンライト、ベースライト、スポットライト等の種々の形態を適宜採用可能である。以降の説明においては、照明器具Lの一般的な構成を述べる場合に照明器具Lと称するとともに、複数の照明器具Lを区別する場合に照明器具L1、・・・照明器具Ln等の符号を適宜用いる場合がある。複数の照明器具L1~Lnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数の照明器具L1~Lnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0018】
図2は、照明器具Lのブロック図である。照明器具Lは、光源部11、制御部12、記憶部13、無線通信モジュール14および電源部15を備える。
【0019】
光源部11は、照明器具L1において発光機能を果たす部位である。光源部11の具体的構成は何ら限定されず、たとえば、基板と当該基板に列をなして搭載された複数のLEDとからなる。また、照明器具L1は、光源部11からの光を透過させる透明または半透明のカバー(図示略)を適宜有する。
【0020】
制御部12は、制御装置Ctからの指示等に基づいて、照明器具Lの各部を制御するためのものである。制御部12の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部13は、制御部12の制御に必要な情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリからなる。なお、記憶部13は、照明器具Lの筐体(図示略)に内蔵されるものに限定されず、照明器具Lの筐体の外部に着脱可能に設けられるものであってもよい。
【0021】
無線通信モジュール14は、制御装置Ctや複数の照明器具Lと無線通信を行うためのものであり、無線信号を送信および受信するモジュールである。無線通信モジュール14は、たとえば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信によって制御部12と接続されているが、これに限定されない。無線通信モジュール14は、第1無線通信部141および第2無線通信部142を有する。
【0022】
無線通信モジュール14の機能を例示すると、制御装置Ctからの信号を受信し、受信した信号に含まれるデータ(たとえば照明制御信号)を制御部12に送信する。また、照明制御信号を受信したことを示すアクノリッジ信号を制御装置Ctに送信する。また、照明器具Lの動作状況を示すステータス情報信号を制御装置Ctに送信してもよい。
【0023】
本実施形態においては、複数の照明器具Lの各々が有する固有の灯具IDが、無線通信モジュール14に記憶されている。灯具IDの情報形式は特に限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。なお、灯具IDは、第1無線通信部141および第2無線通信部142のいずれか、もしくはこれら以外の無線通信モジュール14の構成要素に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部13に記憶されていてもよい。
【0024】
第1無線通信部141は、制御装置Ctおよび他の照明器具Lと第1プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。第1プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第1プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy
)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。本実施形態においては、第1無線通信部141を有する複数の照明器具Lと制御装置Ctとが、メッシュネットワークである通信ネットワークCn1を構築している。第1プロトコルは、後述のように複数の照明器具L間で各種データの転送に用いられるため、それらのデータ転送に必要となる転送速度や、信頼性を確保した上で、メッシュネットワークを構築できるプロトコルが選択される。
【0025】
第2無線通信部142は、センサ機器Esと第2プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。第2プロトコルを用いた無線通信の通信周波数は何ら限定されず、たとえ920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯等が例示される。また、第2プロトコルの具体例は特に限定されず、たとえば、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)などが例示される。図示された例
においては、第2無線通信部142は、SPI(Serial Peripheral Interface)通信に
よって第1無線通信部141と接続されているが、これに限定されない。本実施形態においては、第2無線通信部142を有する照明器具Lと対応するセンサ機器Esとが、通信ネットワークCn2を構築している。第2プロトコルは、後述のようにセンサ機器Es等とのデータの転送に用いられるので、市販のセンサ機器等で一般的に搭載されているBLE
、Wi-Fiなどが選択される。
【0026】
第1プロトコルと第2プロトコルとは、互いの通信が干渉しないように通信周波数が異なるものを選択することが好ましい。また、第1無線通信部141による無線通信と第2無線通信部142による無線通信とは、互いの通信タイミングを異ならせることが好ましい。なお、第2プロトコルを用いた無線通信は、たとえば、第1プロトコルを用いた無線通信よりも通信距離が短いものを選択してもよい。
【0027】
無線通信モジュール14は、たとえば第1無線通信部141によって制御装置Ctからセンサ機器Esのデータ取得を要求する要求信号を受信した場合、当該要求信号を第1プロトコルから第2プロトコルに変換することによって転送信号を生成し、この転送信号を制御部12からセンサ機器Esに送信する。また、センサ機器Esから送信された測定データを第2無線通信部142が受信した場合、当該測定データを第1プロトコルに変換することによって転送データを生成し、制御装置Ctに送信する。具体的な例を挙げると、無線通信モジュール14は、センサ機器Esからの測定データが第2プロトコルを用いた通信であることを通信データ中のプロトコルフラグから検出する。次いで、第2プロトコルに応じた手順で所定の処理を行って第2無線通信部142によって受信する。そして、測定データを第1プロトコルを用いた通信のデータ形式に変換することで転送データを生成し、通信ネットワークCn1で隣接する照明器具Lに転送する。
【0028】
電源部15は、光源部11、制御部12および無線通信モジュール14等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部15は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0029】
〔センサ機器Es〕
センサ機器Esは、設置された環境に関する物理量を測定し、その測定結果を無線通信によって送信する機器である。図3は、センサ機器Esのブロック図である。本実施形のセンサ機器Esは、センサ部41、制御部42、記憶部43、無線通信部44および電源部45を備える。なお、センサ機器Esの具体的構成は何ら限定されず、専用の機器として設置された構成の他に、照明システムA1が適用された建物(オフィスビル、物流装置、商業施設などの店舗、マンションなどの住居など)に入退出するユーザが所有する移動端末やIDカード、あるいは、空調設備、照明器具等の制御スイッチ等の形態であってもよい。
【0030】
以降の説明においては、センサ機器Esの一般的な構成を述べる場合にセンサ機器Esと称するとともに、複数の照明器具Lを区別する場合にセンサ機器Es1、センサ機器Esn等の符号を適宜用いる場合がある。複数のセンサ機器Es1、センサ機器Esnは、それぞれの構成が同一であってもよいし、互いの一部が共通していてもよいし、互いに異なる構成であってもよい。以降の説明においては、特段の記載がない限り、複数のセンサ機器Es1、センサ機器Esnが同一の構成である場合を例に説明する。
【0031】
センサ部41は、センサ機器Esの環境に関する物理量を測定する機能を果たすものである。センサ部41の機能は特に限定されず、たとえば温度センサ、湿度センサ、照度センサ、人感センサ、風量センサ等の種々の機能が挙げられる。また、センサ部41の測定原理は何ら限定されず、光学的手法や電磁的手法を用いた非接触方式や、接触方式、あるいはセンサ部41内に内蔵した特定部位の状態監視によって測定する方式等、様々な方式を採用できる。
【0032】
制御部42は、センサ機器Esの各部を制御するためのものである。制御部42の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部43は、制御部42の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。
【0033】
無線通信部44は、対応する照明器具Lと上述した第2プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。第2無線通信部142を有する照明器具Lと対応するセンサ機器Esとが、通信ネットワークCn2を構築している。具体的には、照明システムA1は、n個の照明器具L1、照明器具L2・・・照明器具Lnを備えており、照明器具L1に対応するセンサ機器Es1と、照明器具Lnに対応するセンサ機器Esnとを備える。照明器具L1とセンサ機器Es1とが1つの通信ネットワークCn2を構築しており、照明器具Lnとセンサ機器Esnとが、さらに別の通信ネットワークCn2を構築している。
【0034】
本実施形態においては、センサ機器Esが固有の機器IDを有する。機器IDの具体例は何ら限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。なお、機器IDは、無線通信部44に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部43に記憶されていてもよい。
【0035】
電源部45は、センサ部41、制御部42および無線通信部44等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部45は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。
【0036】
無線通信部44は、通信ネットワークCn2を介して対応する照明器具Lから受信した要求信号(転送信号)が、自機器の機器IDを含む場合、当該要求信号を制御部42に送信する。制御部42は、要求信号の要求にしたがってセンサ部41に測定要求を送信する。センサ部41は測定の結果得られた測定値を制御部42に出力する。制御部42は、機器ID、センサ機器Esの位置情報、センサ機器Esの種類、測定データの単位、測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を含む測定データを生成し、無線通信部44から送信する。
【0037】
〔制御装置Ct〕
制御装置Ctは、複数の照明器具L1~Lnの点灯制御や複数のセンサ機器Esの測定制御を行うものである。制御装置Ctは、本実施形態の場合には、複数の照明器具L1~Lnが設置されている部屋と同じ部屋に設置されていてもよいし、同じ建物の別の部屋や別のフロアに設置されていてもよいし、別の建物に設置されていてもよい。制御装置Ctと複数の照明器具L1~Lnとがある程度離れている場合、制御装置Ctと複数の照明器具L1~Lnとは、無線通信だけでなく、有線通信と無線通信とを利用して互いに通信する構成であってもよい。なお、照明システムA1は、少なくとも1つの制御装置Ctを備えていればよく、他の構成において複数の制御装置Ctを備えていてもよい。なお、本実施形態の制御装置Ctは、複数の照明器具Lと携帯端末Mdとの双方に通信可能である。
【0038】
図4は、制御装置Ctのブロック図である。本実施形態においては、制御装置Ctは、表示部21、制御部22、記憶部23、無線通信部24および電源部25を備える。
【0039】
表示部21は、後述する照明システムA1の照明制御方法においては、必ずしも必要ではないが、制御装置Ctの初期設定やメンテナンス等に用いられる。表示部21は、たとえば液晶ディスプレイ等であり、さらにタッチパネル機能を有してもよい。また、表示部21がタッチパネルとして機能することに代えて、制御装置Ctは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0040】
制御部22は、複数の照明器具L1~Lnの点灯制御や複数のセンサ機器Esの測定制御を行う主要な構成要素であり、制御装置Ctの各部を制御するためのものである。たとえば、制御部22は、無線通信部24が携帯端末Mdから受信した指示信号に基づいて、対象とする照明器具Lへ制御信号を送信するように、無線通信部24に制御信号を伝達する。制御部22の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部23は、制御部22の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0041】
無線通信部24は、複数の照明器具L1~Lnの無線通信モジュール14の第1無線通信部141および携帯端末Mdと無線通信を行うためのものである。無線通信部24の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の第1プロトコルを用いた無線通信である。無線通信部24は、たとえば、制御部22から複数の照明器具L1~Lnへの制御信号を送信する。また、複数のセンサ機器Esへの測定要求信号を送信する。あるいは、携帯端末Mdから送信されるユーザによる指示信号を受信する。受信した指示信号は、制御部22に伝達される。なお、制御装置Ctは、無線通信部24に加えて、インターネットに接続する有線または無線の通信回路を有していてもよい。
【0042】
電源部25は、表示部21、制御部22および無線通信部24等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部25は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。
【0043】
制御装置Ctは、複数の照明器具Lの灯具IDや複数のセンサ機器Esの機器IDを保有しており、これらがたとえば記憶部43に記憶されている。制御装置Ctが保有する灯具IDや機器IDは、照明器具Lが保有する灯具IDとしてのMACアドレスやセンサ機器Esが保有する機器IDとしてのMACアドレスでもよいし、これらのMACアドレスと対応付けされた別の灯具IDや機器IDであってもよい。
【0044】
なお、照明システムA1内に時計ユニット(図示略)を別途配置してもよい。この時計ユニットは、FM電波を受信し、通信ネットワークCn1を介して時間情報を制御装置Ctに送信する。制御装置Ctから各照明器具Lやセンサ機器Esに送信されるデータには、この時間情報を付与する。各照明器具Lや各センサ機器Esは受信した時計情報をもとにそれぞれの時刻をカウントする。これにより、照明システムA1を構成する機器や装置の時刻をより正確に合わせることができる。
【0045】
〔携帯端末Md〕
携帯端末Mdは、照明システムA1においてユーザが操作する端末である。携帯端末Mdは、ユーザの操作を実現可能な携帯性や情報処理能力等を有するものであれば特に限定されず、たとえばタブレット、スマートフォン、ノートPC等である。なお、照明システムA1を構成する複数の照明器具Lが広範な領域に設置されている場合、照明システムA1は、複数の携帯端末Mdを備えていてもよい。
【0046】
図5は、携帯端末Mdのブロック図である。本実施形態においては、携帯端末Mdは、表示部31、制御部32、記憶部33、無線通信部35および電源部36を備える。
【0047】
表示部31は、携帯端末Mdの操作等に必要な情報や画像を表示するためのものである。表示部31は、たとえば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイであり、本実施形態においてはタッチパネル機能を有している。なお、表示部31がタッチパネルとして機能することに代えて、携帯端末Mdは、たとえばキーボードやマウス等の操作デバイスを別途備えていてもよい。
【0048】
制御部32は、携帯端末Mdの各部を制御するためのものである。制御部32の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部33は、制御部32の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリやハードディスクドライブ等からなる。
【0049】
無線通信部35は、制御装置Ctへ複数の照明器具L1~Lnの点灯/消灯等の指示信号を送信したり、制御装置Ctから複数の照明器具L1~Lnのステータス情報信号等を受信したりする。また、無線通信部35は、制御装置Ctからセンサ機器Esの測定データおよび測定データの表示要求信号を受信する。無線通信部35の周波数帯や準拠する無線通信の規格は、上述の第1無線通信部141、無線通信部24と同様であってもよいし異なっていてもよく、たとえばWi-Fi(登録商標)が選択される。なお、無線通信部35
は、携帯端末Mdとしてのタブレット等に内蔵された無線通信モジュールであってもよいし、USB端子等に接続された外付けの無線通信モジュールであってもよい。本実施形態においては、携帯端末Mdと制御装置Ctとによって、通信ネットワークCn3が構築されている。なお、通信ネットワークCn3は、通信ネットワークCn1と同じ第1プロトコルを用いた無線通信を行うものであってもよい。
【0050】
電源部36は、表示部31、制御部32および無線通信部35等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部36は、たとえば充電可能なバッテリーである。
【0051】
次に、照明システムA1による制御方法の一例について、以下に説明する。図6および図7は、照明システムA1の動作例を示すシーケンスダイアグラムである。
【0052】
まず、図6に示すように、携帯端末Mdから任意のセンサ機器Es(図示された例においてはセンサ機器Esn)に対して測定データを取得するように要求信号を送信する(ステップS1)。具体的には、ユーザが、携帯端末Mdの表示部31を操作することにより、制御部32は、センサ機器Esへの測定データの取得を指示するコマンドを生成する。制御部32は、当該コマンドを要求信号として無線通信部35からWi-Fiによって制御装
置Ctに送信する。
【0053】
制御装置Ctは、携帯端末Mdからの要求信号を無線通信部24によって受信する。制御部22は、コマンドに含まれる機器ID、時刻情報等を含む要求データを生成する。この要求データを、無線通信部24からメッシュネットワークである通信ネットワークCn1を介して、たとえば複数の照明器具Lのうち制御装置Ctに最も近い照明器具L1に送信する(ステップS2)。
【0054】
要求データを受信した照明器具L1では、制御部12が、受信した要求データの動作要求対象が、自機器でないことを確認する。そして、無線通信モジュール14の第1無線通信部141から、たとえば隣接する他の照明器具L等の次の照明器具Lに要求データを転送する(ステップS3)。また、照明器具L1は、要求データを第2プロトコルに変換して、通信ネットワークCn2を介してセンサ機器Es1に送信する。センサ機器Es1は、要求信号に含まれる動作対象を特定する機器IDが自機器の機器IDと一致しない場合、測定等の動作を行わない。
【0055】
通信ネットワークCn1において要求データが複数の照明器具L間で順次転送され、照明器具Lnの無線通信モジュール14が受信する。照明器具Lnの制御部12は、受信した要求データを第2プロトコルに準じた要求データに変換し、無線通信モジュール14の第2無線通信部142から通信ネットワークCn2を介してセンサ機器Esnに送信する(ステップS4)。
【0056】
照明器具Lnからの要求データを通信ネットワークCn2を介して受信したセンサ機器Esnは、要求データに含まれる動作対象を特定する機器IDが、自機器の機器IDと認識した場合、当該供給データに応じた処理を行う。たとえば、センサ機器Esnのセンサ部41が温度センサである場合、センサ機器Esnが設置された環境の温度を測定する(ステップS5)。次いで、センサ機器Esnの制御部42は、たとえば、センサ機器Esnの機器ID、センサ機器Esnの位置情報、センサ機器Esnの種類、測定データの単位、センサ部41から取得した測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を含む測定データDmを生成し、無線通信部44から通信ネットワークCn2を介して送信する(ステップS6)。
【0057】
通信ネットワークCn1において、たとえばセンサ機器Esnと最も近い照明器具Lnは、通信ネットワークCn2を介して測定データDmを受信する。照明器具Lnの無線通信モジュール14は、測定データDm中のプロトコルフラグから第2プロトコルであることを検出し、プロトコルに応じた手順で処理を行うことにより、測定データDmを受信する。そして、測定データDmを第1プロトコルを用いた通信のデータ形式に変換することで転送データDtを生成し、通信ネットワークCn1で隣接する照明器具Lに転送する(ステップS7)。
【0058】
メッシュネットワークである通信ネットワークCn1において、複数の照明器具L間を順次転送された転送データDtは、照明器具L1の無線通信モジュール14によって受信される。照明器具L1は、転送データDtを制御装置Ctに送信する(ステップS8)。
【0059】
制御装置Ctは、転送データDtを受信すると、転送データDtに含まれるセンサ機器Esnの機器ID、センサ機器Esnの位置情報、センサ機器Esnの種類、測定データの単位、センサ部41から取得した測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を無線信号に変換し、通信ネットワークCn3を介して携帯端末Mdに送信する(ステップS9)。
【0060】
携帯端末Mdにおいては、制御装置Ctから送信された無線信号を無線通信部35が受信する。制御部32は、無線通信部35が受信した無線信号に含まれる情報を元に、たとえば表示部31にセンサ機器Esnの機器ID、センサ機器Esnの位置情報、センサ機器Esnの種類、測定データの単位、センサ部41から取得した測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を表示する。なお、これらの表示は、携帯端末Mdの使用者が理解しやすい形態に加工して表示してもよく、いずれかの情報を敢えて省略して表示してもよい。また、表示形式は、文字表示やアイコン表示、あるいはこれらを併せた表示等を適宜採用できる。
【0061】
なお、各センサ機器Esは、制御装置Ctからの要求に応じて測定することに限定されず、たとえば予め定められた時間間隔で定期的に測定してもよい。この測定によって取得された測定データDmは、上述したステップS6~S10の処理で送信されればよい。
【0062】
次に、照明システムA1の作用について説明する。
【0063】
本実施形態によれば、センサ機器Esは、通信ネットワークCn2を介して照明器具L2と無線通信するものであり、照明器具Lとは、別体の機器である。このため、照明器具Lの設置位置によるセンサ機器Esの設置位置の制限を緩和することが可能であり、センサ機器Esの測定により適した位置にセンサ機器Esを設置することが可能である。したがって、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。
【0064】
図8図20は、本発明の他の実施形態を示している。なお、これらの図において、上記実施形態と同一または類似の要素には、上記実施形態と同一の符号を付している。
【0065】
<第2実施形態>
図8および図9は、本発明の第2実施形態に係る照明システムを示している。図8に示すように、本実施形態の照明システムA2は、照明器具L1~L3、センサ機器Es2,Es3、制御装置Ctおよび携帯端末Mdを備えている。なお、照明システムA2としては、図示された照明器具Lおよびセンサ機器Es以外の照明器具Lおよびセンサ機器Esをさらに備える構成であってもよい。
【0066】
センサ機器Es2は、複数の照明器具Lのうち照明器具L2に最も近い位置に設置されている。また、センサ機器Es3は、照明器具L3に最も近い位置に設置されている。センサ機器Es2と照明器具L2とは、通信ネットワークCn2を構築しており、センサ機器Es3と照明器具L3とは、さらに他の通信ネットワークCn2を構築している。
【0067】
図9は、照明システムA2の動作例を示すシーケンスダイアグラムである。たとえば、図6に示すステップS1~S5が実行され、携帯端末Mdの操作要求に基づいて、センサ機器Es2およびセンサ機器Es3が、測定の対象として選択される。まず、センサ機器Es2が、センサ部41によって温度等の測定値を取得する。制御部42は、取得した測定値を含む測定データDm2を生成し、無線通信部44から通信ネットワークCn2を介して測定データDm2を照明器具L2に送信する(ステップS11)。
【0068】
第2無線通信部142によって測定データDm2を受信した照明器具L2の無線通信モジュール14は、上述した手順により、測定データDm2を第1プロトコルの形式に変換し、転送データDt2を生成する。無線通信モジュール14は、第1無線通信部141から転送データDt2を通信ネットワークCn1を介して照明器具L1に転送する(ステップS12)。
【0069】
また、センサ機器Es3が、センサ部41によって温度等の測定値を取得する。制御部42は、取得した測定値を含む測定データDm3を生成し、無線通信部44から通信ネットワークCn2を介して測定データDm3を照明器具L3に送信する(ステップS13)。
【0070】
第2無線通信部142によって測定データDm3を受信した照明器具L3の無線通信モジュール14は、上述した手順により、測定データDm3を第1プロトコルの形式に変換し、転送データDt3を生成する。無線通信モジュール14は、第1無線通信部141から転送データDt3を通信ネットワークCn1を介して照明器具L1に転送する(ステップS14)。
【0071】
転送データDt2および転送データDt3を受信した照明器具L1は、転送データDt2と転送データDt3とをまとめて制御装置Ctに送信する(ステップS15)。このような照明器具L1の動作は、たとえば図6に示すステップS3において、データ要求の対象機器が、センサ機器Es2およびセンサ機器Es3という複数のセンサ機器Esが含まれていた場合に、これらの測定データDm(転送データDt)をすべて受信するまで、制御装置Ctへの転送データDtの送信を待機することにより実行される。
【0072】
転送データDt2および転送データDt3をまとめて受信した制御装置Ctは、転送データDt2および転送データDt3から、機器ID、センサ機器Esの位置情報、センサ機器Esの種類、測定データの単位、測定値、測定時刻(タイムスタンプ)等を無線信号に変換し、まとめて携帯端末Mdに送信する(ステップS16)。
【0073】
無線信号を受信した携帯端末Mdは、たとえばセンサ機器Es2およびセンサ機器Es2の測定データに関する情報を、表示部31に表示する。
【0074】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、ステップS15において、転送データDt1と転送データDt2とをまとめて転送することにより、メッシュネットワークである通信ネットワークCn1における通信回数を削減することができる。
【0075】
<第3実施形態>
図10は、本発明の第3実施形態に係る照明システムにおける機種属性データDaおよび測定値を示している。本実施形態においては、図6におけるステップS5において、センサ機器Esのセンサ部41によって測定値を取得した後は、図7におけるステップS6において、センサ機器Esnの機器ID、センサ部41から取得した測定値および測定時刻(タイムスタンプ)を含む測定データDmを生成し、無線通信部44から通信ネットワークCn2を介して送信する。この測定データDmには、センサ機器Esnの位置情報、センサ機器Esnの種類、測定データの単位は含まれない。
【0076】
一方、図7におけるステップS8において、センサ機器Esnの位置情報、センサ機器Esnの種類、測定データの単位を含まない転送データDtを受信した制御装置Ctは、あらかじめ記憶部23に記憶された機種属性データDaと転送データDtに含まれるセンサ機器Esnの機器IDおよび測定値とを対応付ける。機種属性データDaは、センサ機器Esnの機器IDごとに、それぞれに対応するセンサ機器Esnの位置情報(図中の場所)、センサ機器Esnの種類(図中の種別)、測定データの単位(図中の説明)が記録されている。制御装置Ctは、転送データDtに含まれる機器IDから、対応する機種属性データDaを選択し、その機種属性データDaに測定値を対応付ける。
【0077】
図10における機種ID=A1の機種属性データDaは、当該センサ機器Esが、照度センサの場合の例である。機種ID=A2の機種属性データDaは、当該センサ機器Esが、人感センサの場合の例である。機種ID=A3の機種属性データDaは、当該センサ機器Esが、温度センサの場合の例である。機種ID=A4の機種属性データDaは、当該センサ機器Esが、操作スイッチの場合の例である。
【0078】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、センサ機器Esから送信するデータに、センサ機器Esの位置情報、センサ機器Esの種類、測定データの単位を含ませないことにより、通信ネットワークCn1および通信ネットワークCn2における通信量を削減することができる。
【0079】
<第4実施形態>
図11図15は、本発明の第4実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA4は、複数の照明器具L、複数のセンサ機器Es、複数の電子機器Eq、制御装置Ctおよび携帯端末Mdを備える。
【0080】
電子機器Eqは、制御装置Ctからの動作制御信号によって、動作を制御可能な電子機器である。電子機器Eqの具体的構成は何ら限定されない。電子機器Eqとしては、空調機器、各種の住宅設備機器、あるいは各種の生産設備機器等が挙げられる。空調機器としては、扇風機、サーキュレータ、暖房器具、エアコン等が挙げられる。
【0081】
図12は、電子機器Eqを示すブロック図である。本実施形態の電子機器Eqは、機能部51、制御部52、記憶部53、無線通信部54および電源部55を備える。
【0082】
機能部51は、電子機器Eqの主要な機能を果たすための部位である。たとえば、電子機器Eqが扇風機やサーキュレータの場合、機能部51は、ファンを回転させるためのモータが含まれる。また、電子機器Eqが暖房器具である場合、機能部51は、ヒータが含まれる。電子機器Eqがエアコンである場合、機能部51は、室内機および室外機の各種駆動部分等が含まれる。
【0083】
制御部52は、電子機器Eqの各部を制御するためのものである。制御部52の具体的構成は特に限定されず、たとえばCPUからなる。記憶部53は、制御部52の制御に必要なプログラムや設定条件等の情報を記憶するためのものであり、たとえば半導体メモリ等からなる。
【0084】
無線通信部54は、対応する照明器具Lと上述した第2プロトコルを用いた無線通信を行うためのものである。無線通信部54は、たとえばセンサ機器Esの無線通信部44と同様の構成である。
【0085】
本実施形態においては、電子機器Eqがセンサ機器Esと同様に固有の機器IDを有する。機器IDの具体例は何ら限定されず、たとえばMAC(Media Access Control)アドレスが用いられる。なお、機器IDは、無線通信部54に記憶されていてもよいし、たとえば記憶部53に記憶されていてもよい。
【0086】
電源部55は、機能部51、制御部52および無線通信部54等に動作に必要な電力を供給するためのものである。電源部55は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有するもの、あるいは充電可能なバッテリーである。
【0087】
図11に示すように、照明システムA4では、照明器具L2、センサ機器Es2および電子機器Eq2が、1つの通信ネットワークCn2を構築している。また、照明器具Ln、センサ機器Esnおよび電子機器Eqnが、別の1つの通信ネットワークCn2を構築している。
【0088】
照明システムA4の動作例を説明する。たとえば、図6に示すステップS1~ステップS5により、センサ機器Es2およびセンサ機器Esnが、測定値を取得する。次いで、図13に示すように、センサ機器Esnが、測定データDmnを生成し、通信ネットワークCn2を介して照明器具Lnに送信する(ステップS21)。また、センサ機器Esnが、測定データDmnを生成し、通信ネットワークCn2を介して照明器具Lnに送信する(ステップS22)。照明器具Lnは、測定データDmnを転送データDtnに変換し、転送データDtnを通信ネットワークCn1を介して照明器具L1に転送する(ステップS23)。照明器具L2は、測定データDm2を転送データDt2に変換し、転送データDt2を通信ネットワークCn1を介して照明器具L1に転送する(ステップS24)。
【0089】
照明器具L1は、転送データDt2および転送データDtnを受信すると(ステップS25)、転送データDt2および転送データDtnをまとめて、制御装置Ctに転送する(ステップS26)。制御装置Ctは、受信した転送データDt2および転送データDtnを解析する(ステップS27)。
【0090】
ステップS27においては、制御装置Ctが転送データDt2および転送データDtnを解析することにより、電子機器Eqごとに、状態変化が必要であるか否かを判断する。電子機器Eqの状態変化とは、主に、機能部51の動作を変化させることであり、電子機器Eqが扇風機である場合、ファンの回転のON/OFFや、回転速度(風量)の変更である。本実施形態においては、図11に示すように、転送データDt2および転送データDtnに含まれる測定値である温度および湿度等と、必要に応じて、制御装置Ctの記憶部23に記憶されていた所定のテーブル等を比較することにより、センサ機器Esが設置された場所ごとのWBGT(Wet Bulb Globe Temperature)値を算出する。制御装置Ctは、各電子機器Eqの制御基準となる基準データを有しており、照明ネットワークを転送されてきた転送データ(Dt2やDtn)と基準データ(WBGT値、ここでは一例として27とする)とに基づいて電子機器を制御するかを判断する。図示された例においては、センサ機器Es2から送信された測定データDm2(転送データDt2)から算出されたWBGT値は25であり、基準データの27より小さく、電子機器Eq2の状態変化を必要としない大きさであり、たとえば電子機器Eq2を停止させた状態を維持する。一方、センサ機器Esnから送信された測定データDmn(転送データDtn)から算出されたWBGT値は30であり、基準データの27より大きく、電子機器Eqnの状態変化を必要とする大きさであり、たとえば電子機器EqnをOFF状態からON状態に状態を変化させ、送風を開始させる。
【0091】
図14に示すように、制御装置は、ステップS27で算出したWBGT値から制御の必要な場所の電子機器Eqnに対し、電子機器Eqnの状態を変化させる要求信号、ここでは、送風制御するコマンドを作成する。このコマンドと指示する電子機器Eqnの機器ID等を合わせて、制御データを作成する。そして、制御データを無線信号に変換し、通信ネットワークCn1を介して、制御装置Ctに近い照明器具L1に制御データを転送する(ステップS28)。
【0092】
照明器具L1が受信した制御データは、照明器具L1から通信ネットワークCn1の複数の照明器具Lに順次転送される(ステップS29)。制御データを受信した照明器具L2は、制御データを第2プロトコルの形式に変換し、通信ネットワークCn2を介して電子機器Eq2に転送する(ステップS30)。制御データを受信した電子機器Eq2は、制御データに含まれる制御対象機器を示す機器IDが、自機器のIDと一致しない場合、状態変化を行わず、現状を維持する(ステップS31)。
【0093】
照明器具L2は、照明器具L1からの制御データを通信ネットワークCn1を介して転送し(ステップS32)、照明器具Lnが受信すると、照明器具Lnは、制御データを第2プロトコルの形式に変換し、通信ネットワークCn2を介して電子機器Eqnに転送する(ステップS33)。制御データを受信した電子機器Eqnは、制御データに含まれる制御対象機器を示す機器IDが、自機器のIDと一致する場合、制御データに含まれた状態変化を指示する指示内容にしたがって、機能部51の状態を変化させる(ステップS34)。本例においては、たとえば扇風機である電子機器Eqnの送風が開始される。これにより、電子機器Eqnが設置された場所nの空調が制御される。
【0094】
また、制御装置Ctは、制御の必要な電子機器Eqnの場所を表示するコマンドを無線信号に変換し、例えばWiFiに変換して携帯端末Mdに送信する(ステップS35)。無線信号を受信した携帯端末Mdは、たとえば図15に示すように、制御によって状態変化がなされ、送風が開始された場所nを視覚的に認識できる態様で表示する(ステップS36)。図示された例においては、各場所におけるWBGT値が数字で表示されている。本実施形態においては、照明器具Lと電子機器Eqとの無線通信のプロトコルとして第2プロトコルを用いているが、第1プロトコルおよび第2プロトコルと異なる第3プロトコルを用いるようにしてもよい。この場合、照明器具Lでは3つのプロトコルを送受信できる必要があるため、無線通信モジュール14が複雑化するが、通信ネットワークを構成する電子機器Eqの選択肢が広がるという利点がある。
【0095】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、同一の通信ネットワークCn2にセンサ機器Esおよび電子機器Eqが含まれることにより、センサ機器Esの測定結果に応じて、近い位置に設置された電子機器Eqの動作を制御装置Ctによってより適切に制御することができる。
【0096】
<第5実施形態>
図16は、本発明の第5実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA5は、複数の照明器具L1~L9、センサ機器Es2、電子機器Eq1,Eq3、制御装置Ctおよび携帯端末Mdを備えている。
【0097】
本実施形態の照明器具L1,L2,L3は、各々がゲートモジュールとして機能する。ゲートモジュールは、メッシュネットワークである通信ネットワークCn1内において、一部の照明器具Lとともに小さなネットワーク(クラスタ)を構成するモジュールとして機能する。そして、複数のクラスタ間の無線通信は、ゲートモジュール同士によってなされる。ゲートモジュールとして機能する照明器具L1,L2,L3は、たとえば上述した構成の照明器具Lの無線通信モジュール14の設定プログラム等を適宜変更することによって構築可能である。
【0098】
図示された例においては、互いに近い位置に設置された照明器具L1,L4,L7によってクラスタCn11が構築されている。また、互いに近い位置に設置された照明器具L2,L5,L8によってクラスタCn12が構築されている。また、互いに近い位置に設置された照明器具L3,L6,L9によってクラスタCn13が構築されている。
【0099】
たとえば、制御装置Ctからの測定を要求する要求データや制御のための制御データは、通信ネットワークCn1において、制御装置Ctから照明器具L1,L2,L3にそれぞれ送信される。照明器具L1は、受信したデータを照明器具L4および照明器具L7に転送する。同様に、照明器具L2は、受信したデータを照明器具L5および照明器具L8に転送し、照明器具L3は、受信したデータを照明器具L6および照明器具L9に転送する。
【0100】
照明器具L7は、受信したデータを第2プロトコルの方式に変換し、通信ネットワークCn2を介して電子機器Eq1に送信する。同様に、照明器具L8は、受信したデータを第2プロトコルの方式に変換し、通信ネットワークCn2を介してセンサ機器Es2に送信し、照明器具L9は、受信したデータを第2プロトコルの方式に変換し、通信ネットワークCn2を介して電子機器Eq3に送信する。
【0101】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、ゲートモジュールとして機能する照明器具L1,L2,L3を備えることによって、クラスタCn11,Cn12,Cn13を構築可能であり、メッシュネットワークである通信ネットワークCn1の通信効率をより高めることができる。
【0102】
<第6実施形態>
図17は、本発明の第6実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA6は、外部記憶装置Sdを備えている。
【0103】
外部記憶装置Sdは、通信ネットワークCn1の外部に設置されており、たとえばサーバ、商用クラウド等である。外部記憶装置Sdと制御装置Ctとの通信は、たとえば商用インターネット回線や専用回線等が利用される。外部記憶装置Sdは、照明システムA6を構成する複数の照明器具Lが設置された場所から離れた場所において、外部使用者Euが随時アクセス可能とされている。制御装置Ctは、たとえば収集した測定データを外部記憶装置Sdに保存してもよい。
【0104】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、外部使用者Euは、離れた場所である建物、倉庫、工場や事業所に設置された複数の照明器具Lやセンサ機器Es、電子機器Eq等を、遠隔管理することが可能である。また、デジタルサイネージなどの大型スクリーンなどを利用し、センサ機器Esから収集した情報を外部使用者Euが自由に加工し、利用することができる。
【0105】
<第7実施形態>
図18および図19は、本発明の第7実施形態に係る照明システムを示している。本実施形態の照明システムA7は、リレーユニットRuを備えている。
【0106】
図19に示すように、リレーユニットRuは、接続された電子機器Eqの動作制御を実現するスイッチ機能を有するものであり、リレースイッチ61、制御部62、無線通信部64および電源部65を備えている。
【0107】
リレースイッチ61は、たとえば電子機器Eq2が接続される部位であり、電子機器Eq2への電源供給のON/OFFを切り替える機能を果たす。制御部62は、リレースイッチ61を制御するものであり、受信した制御データに基づいて、リレースイッチ61を制御する。無線通信部64は、第2プロトコルを用いた無線通信が可能であり、照明器具L2とともに通信ネットワークCn2を構築する機能を果たす。電源部65は、リレースイッチ61、制御部62および無線通信部64等に動作に必要な電力を供給するためのものであり、さらに電子機器Eq2に必要な電力を供給する。電源部65は、たとえば商用の交流100Vまたは200V電力が接続され、これらの電力を直流電力に変換するAC/DCコンバータとしての機能や、変圧機能等を有する。なお、本実施形態の電子機器Eq2は、無線通信機能が必須ではなく、上述した無線通信部54を備えない構成でよい。あるいは、電子機器Eqには、電子機器Eqから無線通信部54を省いた構成に、リレーユニットRuが組み合わされた構成を採用してもよい。
【0108】
本実施形態においては、制御装置Ctからの制御データは、通信ネットワークCn1において転送されて照明器具L2が受信すると、通信ネットワークCn2を介してリレーユニットRuに送信される。制御データを受信したリレーユニットRuは、制御データに含まれる制御指令にしたがって、リレースイッチ61による電子機器Eq2のスイッチングを行う。
【0109】
本実施形態によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、リレーユニットRuを採用することにより、無線通信機能を有さない電子機器を、制御装置Ctによって適切に遠隔制御することができる。
【0110】
<第7実施形態 変形例>
図20は、照明システムA7の変形例を示している。本変形例の照明システムA71は、1つのリレーユニットRuに、複数の電子機器Eq1,Eq2およびEq3が接続されている点が、上述した実施形態と異なっている。
【0111】
複数の電子機器Eq1,Eq2およびEq3は、リレーユニットRuによって一括してスイッチング等の制御がなされるように接続されている。なお、複数の電子機器Eq1,Eq2およびEq3は、たとえば同一機種のサーキュレータであってもよいし、互いに異なる空調機器等であってもよい。
【0112】
本変形例によっても、より適切にセンサ機器Esによって測定することができる。また、本変形例から理解されるように、リレーユニットRuと電子機器Eqとの組み合わせは、何ら限定されない。
【0113】
本発明に係る照明システムは、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る照明システムの各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0114】
A1,A2,A4,A5,A6,A7,A71:照明システム
11 :光源部
12 :制御部
13 :記憶部
14 :無線通信モジュール
15 :電源部
21 :表示部
22 :制御部
23 :記憶部
24 :無線通信部
25 :電源部
31 :表示部
32 :制御部
33 :記憶部
35 :無線通信部
36 :電源部
41 :センサ部
42 :制御部
43 :記憶部
44 :無線通信部
45 :電源部
51 :機能部
52 :制御部
53 :記憶部
54 :無線通信部
55 :電源部
61 :リレースイッチ
62 :制御部
64 :無線通信部
65 :電源部
141 :第1無線通信部
142 :第2無線通信部
Cn1Cn2,Cn3:通信ネットワーク
Cn11,Cn12,Cn13:クラスタ
Ct :制御装置
Da :機種属性データ
Dm,Dm2,Dm3,Dmn :測定データ
Dt,Dt1,Dt2,Dt3,Dtn:転送データ
Eq,Eq1,Eq2,Eq3,Eqn:電子機器
Es,Es1,Es2,Es3,Esn:センサ機器
Eu :外部使用者
L,L1,L2,L3,L4,L5,L6,L7,L8,L9,Ln:照明器具
Md :携帯端末
Ru :リレーユニット
Sd :外部記憶装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20